説明

タッチスクリーン式ユニバーサルキーボード

【課題】 本発明は、快適かつ衛生的な方法によるコンピュータの通常の使用を可能にする、多機能タッチスクリーンを有するラップトップまたはデスクトップのコンピュータのキーボードを提供する。
【解決手段】 カラーディスプレイにおいて発光する触知可能なフェイスプレートのスクリーンを有し、基本的かつ標準的なキーボードと、個々のインターフェースを介して前記触知可能なフェイスプレートのスクリーンに表示可能な複数の機能へ迅速にアクセスするためのキーとを表示することのできるタッチスクリーンキーボードにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、快適かつ衛生的な方法によるコンピュータの通常の使用を可能にする、多機能タッチスクリーンを有するラップトップまたはデスクトップのコンピュータのキーボードに関する。
【0002】
現在、産業用または家庭用として、コンピュータを必要とするあらゆる場面で日常使用されている標準的な機械式キーボードは、人間工学の多大な進歩にも関わらず、キータッチ音の騒々しい従来通りのままである。
各キーの隙間は、あらゆる種類の細菌や微生物が極めて溜まりやすい部分であり、また、これらの細菌などを取り除くことは困難である。このため、コンピュータの使用が頻繁に禁止されているか、または最低限の使用に制限されている、あらゆる滅菌された区画(無菌室、病院など)や、公衆に開放され多数の人々がコンピュータを使用する場所(インターネットカフェ、セルフサービスターミナルなど)において、深刻な問題が発生している。
【0003】
従来の標準的な機械式キーボードは、工場においてプログラムの組み込みおよび設定が完全になされており、各キーの位置や機能は、変更不可な状態で規定されている。したがって、アゼルティキーボード(AZERTY)をクワーティキーボード(QWERTY)に変換することはできず、文字配列を変更したい場合には、キーボードそのものを取り替える必要がある。また、ユーザがラテン語以外の言語で作業を行いたい場合についても同様である。特殊な文字を用いる各言語(ロシア語、アラビア語、中国語など)には、それぞれの言語に固有のキーボードが使用される。このため、多言語を用いて作業を行う人物は、使用する言語と同じ数のキーボードを所有しなければならない。
【0004】
従来の標準的な機械式キーボードは、機能性の面において極度に制限されている。例えば、インターネットへのダイレクトなアクセスなどの、新たな機能を追加する要望があった時は、新たにキーを追加する必要があった。このようなキーの追加は、長期間であるか否かに関わらず、キーボード本体のサイズによって制限される。
【0005】
今日使用されている標準的な機械式キーボードは、更なる問題を抱えている。それは、照明がなく暗い空間では、キーの文字を判読することができないため、使用できないということである。
また、従来の標準的な通常の機械式キーボードは、コンピュータにおいて、ユーザが、数字、文字、および記号を打ち込むことができるという一つの機能しか備えていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のキーボードは、上述のような不便な点を全て解決することができ、さらに、新たな機能性をも追加する。特に、第1の特徴としては、本発明のキーボードは、明るく強い、輝度の高い色で、解像度のよい触知可能なフェイスプレートを用いたスクリーンを備える。このスクリーンには、標準的かつ基本的なキーボードが表示されており、数字のキーボードと、その他の機能性に関するショートカットキー(マウス、テンキーパッド、計算機、グラフィックタブレット、所定のプログラムへのダイレクトアクセスなど)は備えていない。ここに列挙した各機能は、総括的なものではなく、この分野において将来的に出現するであろう新たな技術や周辺機器に応じて増加させていくことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の第1の態様は、カラーディスプレイにおいて、発光する触知可能なフェイスプレートのスクリーンを有し、基本的かつ標準的なキーボードと、個々のインターフェースを介して前記触知可能なフェイスプレートのスクリーンに表示可能な複数の機能へ迅速にアクセスするためのキーとを表示することのできるタッチスクリーンキーボードを提供することである。
【0008】
より好ましくは、複数の機能は、マウス機能、数字パッド機能、計算機能、グラフィックタブレット機能、コンピュータ内の、キーボード専用のオンボードソフトウェアプログラム機能、および電話機能のうちの1以上を含む。
当然、他の機能性についても、方法を限定されず用いることができる。
【0009】
機械式キーがないことによる問題点は、使用中にキーのタッチ音がなく静かであることであるが、高または低音量での「キービープ音」や、メロディ音を、各キーの音としてプログラミングすることもできる。
【0010】
言い換えれば、キーの使用中に、「サウンドオン」または「サウンドオフ」になるようにプログラミングして適応させることができる。
この不安要素と、使用される材料によれば、本発明のキーボードは衛生的なキーボードとなる。微生物の巣はもはや存在せず、手入れを非常に簡単に行うことができる。つまり、単にウェットティッシュを用いるだけで十分なのである。
【0011】
このキーボードで使用されるスクリーンは、良好な解像度と輝度を有しているため、ユーザは、光の不十分な場所や、通常は外部光源なしにコンピュータの使用が不可能な場所などの全ての空間において、このキーボードを使用することができる。
従来の通常のキーボードの機能に加えて、このタッチスクリーンキーボードは、従来の機械式キーボードが有していない機能(グラフィックタブレット、マウス、電話などの機能)を含んでいる。これらの機能は、ユーザの特別な要望に応じて任意かつ十分にプログラムされる。
【0012】
また、本発明の1つの実施形態によれば、前記インターフェースは、ユーザによって、ユーザの要望に適するように十分にプログラムすることが可能である。
【0013】
好ましくは、タッチスクリーンキーボードは、AZERTY、QWERTY、ラテン語、キリル文字などのキーボードやその他の特殊な文字のキーボードを表示する能力を有し、また、キーボードと接続されたコンピュータの電源を落とすことなく、あるキーボードを他のキーボードに変換する手段を有する。
すなわち、1つの同一ドキュメントにおいて、様々な異なる言語を用いた作業を容易に行うことができる。
【0014】
さらに、本発明の1つの実施形態によれば、タッチスクリーンキーボードは、ユーザがキーボードの手入れを行う際に、キーボードをロックするためのセキュリティキーを有する。
さらに好ましくは、タッチスクリーンキーボードは、指紋を読取り認識する領域を有する。
【0015】
また、本発明の特殊な実施形態によれば、タッチスクリーンキーボードは、ラップトップコンピュータに直接組み込むことができる。この場合、コンピュータのバッテリが、正しい操作を行うための電源を供給する。
さらに、タッチスクリーンキーボードは、その一般的な形状に関しては、通常の機械式キーボードに類似しており、また、ケーブルを介してデスクトップコンピュータに接続されているため、データの転送だけでなく電源の供給を行うことも可能である。
また、タッチスクリーンキーボードは、その全体的な形状に関しては、通常の機械式キーボードに類似しており、また、遠隔Bluetoothや赤外線通信などの手段によりデスクトップコンピュータに接続されている。この場合、小型のバッテリが、メインサプライを介して充電を行い、電力を供給する。
さらに、タッチスクリーンキーボードは、1以上のUSBポート、ファイアーウォールなどを有し、これにより、リムーバブルディスクやカメラ等とキーボードとの直接接続を可能にする。
【発明の効果】
【0016】
標準的なタッチスクリーンキーボードは、従来使用されている機械式キーに代えて、標準的なキーボードベース4に収容されたタッチスクリーン1を有する。キーボードベース4には、USBポートを組み込むことができ、これにより、USBキー6またはマウスなど、SDカードリーダー7、1以上の音声入力/出力機器、内蔵マイク、および、主にグラフィックタブレットに用いられるスタイラスペン3のハウジングを、キーボードと直接に接続することができる。その他の周辺機器は、市場でのニーズと、来たる技術的な進歩とに応じて考慮すればよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1および2に示すように、タッチスクリーンキーボードは、完全なバージョンとしては、工場において標準的な機械式キーボードに代えてラップトップコンピュータ2に直接取り付けられるタッチスクリーン1を備える。
【0018】
標準的なタッチスクリーンキーボード1および4は、電力の供給およびデータの転送を行うための、特殊なフックアップまたはコネクタ5などの手段によって、CPU(中央処理装置)ユニットに接続されている。コネクタ5は、コンピュータのマザーボード、PCIポートに取り付けられた特別なボード、または、マザーボードにこのような目的で特別に設計されたその他の新たなポートのいずれにも直接設置することができ、また、対応するように変更した状態で、コンピュータグラフィックカードに直接設置することもできる。また、このタッチスクリーンキーボードは、遠隔Bluetooth接続やWI−FIなど8によって、CPUに接続することができ、この場合は、メインサプライまたは充電式バッテリから、単独で直接に電源の供給を受ける。
【0019】
タッチスクリーンキーボードのインターフェースは、キーボードに対応して設計されたソフトウェアのプログラムにより駆動し、各ユーザからの様々な多くの要求に適応することができる。
方法が限定されていない場合は、キーボードのインターフェース、つまりタッチスクリーンキーボードのメインインターフェースは、他のインターフェースへのダイレクトアクセスのためのショートカットキーを備えている。インターフェースがアクティブなときは、そのインターフェースに対応するキーの色を変化させることにより、ユーザに、そのインターフェースが現在使用されていることを示す。
また、その他にも、メインキーボードインターフェースを起動させるキーボードキー9、「コピー(copy)」、「貼り付け(paste)」、「切り取り(cut)」、「開く(open)」、「検索(find)」などの機能や従来通りの通常の3ボタンマウスと同一の機能により、マウスインターフェースを起動させるマウスキー10を列挙することができる。
【0020】
キー11は、計算機能へのアクセスを可能にする。計算機能は、ユーザの要望に応じて、標準的で基礎的または科学的な計算機としてプログラミングされている。
一定数のショートカットキーは、機能が未設定で自由な状態となっており、ユーザが自身の要望に応じてプログラミングすることができる。したがって、これらのキーは、「Photoshop(登録商標)」12、「Quark(登録商標)」13、「Illustrator(登録商標)」14などの所定のアプリケーションにダイレクトアクセスするためのキーに変換され、このアプリケーションで使用される全てのツールを表示する。また、コンピュータ15に存在する全ての「Microsoft(登録商標)」アプリケーションにもダイレクトアクセスできる。しかし、各ユーザの要求に応じた他のアプリケーションとは別にされることもある。
【0021】
キーボード上に配置されているPERSOキー16も、他と同様にカスタマイズされ、ユーザがカスタマイズ(文字の位置、アルファベットの順序、特殊文字などの変更)したキーボードを表示することができる。
他のキーは、コンピュータのある特定の通常の機能へのダイレクトアクセスを行うことができる。例えば、インターネットにダイレクトアクセスするためのエクスプローラキー17、および、電話のヘッドセットと連動し、標準的な会話を行うための電話と同様に使用するための電話のインターフェースを表示し、さらに仲間の電話を新設するターミナルへの接続の可能性を提供する電話キー18がある。
【0022】
グラフィックタブレットキー19は、多くのグラフィックや2次元プログラムを本質的に補完するものであり、速記された手書きの文字の認識や、さらに、Eメールで送られるドキュメントの末尾へ手書きのサインの挿入を行うことができる。
セットアップ/ツールキー20によれば、ユーザがキーボードの全てのパラメータを、コンピュータを介さずに、キーボード上で直接設定することができる。さらに、ユーザが行った設定は、コンピュータのソフトウェアから利用することができる。
【0023】
言語キー21は、新たな機能を供給する。ラテンキーボードから中国語キーボード、さらにロシア語キーボードなどといった切換えを、コンピュータの電源を落して新たなキーボードを接続することなく、直接行うことができるためである。
マルチメディアキー22は、音声調節、ビデオイコライザ、そしてもちろん小型のバーチャルピアノや、さらにビデオ/オーディオミキシングコンソールへのダイレクトアクセスを行い、適切なソフトウェアと共に使用することができる。
【0024】
Eメールキー23は、プログラムを行った後に、ユーザが「Outlook(登録商標)」や他のメールソフトのプログラムを介してEメールにダイレクトアクセスを行うことを可能にする。
セキュリティキー24によれば、ユーザはキーボードの手入れを行うために、キーボードの操作をロックすることができる。しかしながら、指紋読取区域を含むことによって、ユーザの識別を行い、コンピュータを最大限に保護することができる。同様に、タッチスクリーンキーボードに付随する構成ソフトウェアには、ハードディスクのフォルダを保つために、プリント認識ソフトウェアプログラムが含まれている。
【0025】
その他のキーおよび機能は、将来的に、制限なくこのキーボードに組み込むことができる。そして、その分野での要求と技術の進歩に応じて、実行することができる。
【0026】
制限のない場合の一例として、統合的なタッチスクリーンキーボードは、長さ30センチ、幅15センチの寸法であるのがよい。さらに、標準的なタッチスクリーンキーボードは、長さ40センチ、幅14センチの寸法であるのがよい。しかしながら、これらの寸法は、市場に存在する各ハードウェアの構成に適しており、それらに設置する必要がある。また、これらの寸法は、顧客の特別な要求に合わせてもよい。
【0027】
本発明のタッチスクリーンキーボードは、従来の情報技術(機械の分野)と自然な使用方法(人間の分野)との隔たりを埋めるものである。というのも、本発明のキーボードは、ユーザがコンピュータを紙切れのように簡単に使用することができるようにするための数多くの機能を組み合わせているからである。ユーザは、自動的な再コピーによってコンピュータ上で直接、手書きでメモをとることや、Eメールドキュメントに認証のサインをすることができ、また、その他の多くの処理を驚くほど容易に実行することができる。
【0028】
本発明のタッチスクリーンキーボードは、多機能を提供するにもかかわらず、ラップトップコンピュータのユーザは、マウス、グラフィックタブレット、数字キーパッドなどを運ぶ必要がなく、また、ユーザの必要な全ての機能を1つのマシンに搭載したコンピュータを用いることにより、より容易かつ迅速な作業を行うことを可能にする。
【0029】
本発明のタッチスクリーンキーボードは、各ユーザの要求に応じて十分にプログラミングする能力を有するだけでなく、個人であっても専門家レベルであっても、日常コンピュータを使用する全ての人々が使用するのに適切である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、ラップトップコンピュータおよび標準的なコンピュータに、周辺機器と共に組み込まれたタッチスクリーンキーボードの、2つの概念図である。
【図2】図2は、制限のない場合のタッチスクリーンキーボードのインターフェース、つまり、キーボード、マウス、計算機、その他の生成可能な、または可能になるであろうインターフェースの正面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 タッチスクリーン
2 ラップトップコンピュータ
3 スタイラスペン
4 キーボードベース
5 コネクタ
6 USBキー
7 SDカードリーダ
8 Bluetooth、WI−FI

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーディスプレイにおいて発光する触知可能なフェイスプレートのスクリーンを有し、基本的かつ標準的なキーボードと、個々のインターフェースを介して前記触知可能なフェイスプレートのスクリーンに表示可能な複数の機能へ迅速にアクセスするためのキーとを表示できることを特徴とするタッチスクリーンキーボード。
【請求項2】
前記機能は、マウス機能、数字パッド機能、計算機能、グラフィックタブレット機能、コンピュータ内の、キーボード専用のオンボードソフトウェアプログラム機能、および電話機能のうちの1以上を含む請求項1に記載のタッチスクリーンキーボード。
【請求項3】
使用中に「サウンドオン」または「サウンドオフ」になるようにプログラミングされるキーを備える請求項1または2に記載のタッチスクリーンキーボード。
【請求項4】
前記インターフェースは、ユーザによって、ユーザの要望に適するようにプログラムされる請求項1〜3のいずれかに記載のタッチスクリーンキーボード。
【請求項5】
AZERTY、QWERTY、ラテン語、キリル文字などのキーボードやその他の特殊な文字のキーボードを表示する能力を有し、また、キーボードと接続されたコンピュータの電源を落とすことなく、あるキーボードを他のキーボードに変換する手段を有する請求項1〜4のいずれかに記載のタッチスクリーンキーボード。
【請求項6】
ユーザがキーボードの手入れを行う際に、キーボードをロックするためのセキュリティキーを有する請求項1〜5のいずれかに記載のタッチスクリーンキーボード。
【請求項7】
さらに、指紋を読取り認識する領域を有する請求項6に記載のタッチスクリーンキーボード。
【請求項8】
ラップトップコンピュータまたはキーボードベースに直接組み込むことができる請求項1〜7のいずれかに記載のタッチスクリーンキーボード。
【請求項9】
ラップトップコンピュータのバッテリまたはコンピュータ電源を介して直接的に、あるいは、メインサプライまたは充電式バッテリを介して間接的に、電力を供給されるのに適する請求項8に記載のタッチスクリーンキーボード。
【請求項10】
コンピュータとの接続を、電力の供給およびデータの転送を行うための、コンピュータのマザーボード、PCIポートに取り付けられた特別なボード(例えば)、および、マザーボードにこのような目的で設計されたその他のポートのいずれかに直接設置されるか、あるいは、対応するように変更した状態で、コンピュータグラフィックカードに直接設置された特殊なフックアップの手段によって行う請求項9に記載のタッチスクリーンキーボード。
【請求項11】
コンピュータとの接続を遠隔接続で行い、前記キーボードは、メインサプライまたは充電式バッテリから直接電力を供給される請求項9に記載のタッチスクリーンキーボード。
【請求項12】
リムーバブルディスクやカメラを直接キーボードと接続するための、1以上のUSBポート、ファイアーウォール、赤外線通信、wi−fi接続、SDカードリーダ、1以上の音声入力機器または出力機器、内蔵マイク、拡声器、およびスタイラスのハウジングのいずれか1以上を有する標準的な請求項1〜11のいずれかに記載のタッチスクリーンキーボード。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−512047(P2009−512047A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535052(P2008−535052)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001025
【国際公開番号】WO2007/042629
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(508108947)
【Fターム(参考)】