説明

タッチパネル付カラーフィルタ

【課題】本発明は、硬度および密着性に優れた保護層をタッチパネルの最表面に有するタッチパネル付カラーフィルタを提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、透明基板と、上記透明基板の一方の表面上に形成されたタッチパネルセンサ層および上記タッチパネルセンサ層上に形成された保護層を有するタッチパネルと、上記透明基板の他方の表面上に形成されたカラーフィルタと、を有するタッチパネル付カラーフィルタであって、上記保護層は、密着層用樹脂からなりパターン状に形成された密着層および硬度層用樹脂からなりパターン状に形成された硬度層がこの順に積層されたものであることを特徴とするタッチパネル付カラーフィルタを提供することにより、上記目的を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬度および密着性に優れた保護層をタッチパネルの最表面に有するタッチパネル付カラーフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、入力手段として、タッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは、多くの場合、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置等(例えば、券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機)に対する入力手段として、表示装置とともに用いられている。このような装置において、タッチパネルは表示装置の表示面上に配置され、これにより、タッチパネルは表示装置に対する極めて直接的な入力を可能にする。
【0003】
このようなタッチパネルとしては、様々な方式のものが実用化されている。このなかで、静電容量方式と呼ばれるものは、タッチパネルとして、第1透明電極/電極間絶縁層/第2透明電極の層構造を有するもの、さらには、上記第2透明電極を覆うように保護層が形成されたものが知られており、タッチパネルの表面のタッチパネル面に微弱な電流を流して電界を形成し、指等の導電体が軽く触れた場合の静電容量値の変化を電圧の低下等に変換して検知し、その接触位置を検出するものである。
【0004】
また、従来のタッチパネルは、通常、表示装置とは別個に製造され、表示装置上に重ねて配置されて用いられる(例えば、特許文献1等)。しかしながら、タッチパネル自体を表示装置の全面に接着して使用しなければならず、表示装置自体の厚みが増す、あるいは、コストがかかるという問題点があった。
そのため、これらの問題点を解決するために、表示装置とタッチパネルの基材を共有させ、表示装置自体の厚みやコスト削減が可能にする試みが提案されている。この一つとして、透明基板の一方の表面上に静電容量型のタッチパネルが形成され、上記透明基板の他方の表面上にカラーフィルタが形成されたタッチパネル付カラーフィルタが提案されている。
このタッチパネル付カラーフィルタの製造においては、通常、表示性能への影響を低減するために、タッチパネルを上記透明基板上に形成した後に、その裏面にカラーフィルタを形成する手法が採られている。
しかしながら、この手法においては、カラーフィルタ製造時の搬送などにより、タッチパネル面にキズ・剥がれが発生し、断線や感度不良が起きるといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開開2006−23904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、硬度および密着性に優れた保護層をタッチパネルの最表面に有するタッチパネル付カラーフィルタを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、透明基板と、上記透明基板の一方の表面上に形成されたタッチパネルセンサ層および上記タッチパネルセンサ層上に形成された保護層を有するタッチパネルと、上記透明基板の他方の表面上に形成されたカラーフィルタと、を有するタッチパネル付カラーフィルタであって、上記保護層は、密着層用樹脂からなりパターン状に形成された密着層および硬度層用樹脂からなりパターン状に形成された硬度層がこの順に積層されたものであることを特徴とするタッチパネル付カラーフィルタを提供する。
【0008】
本発明によれば、上記保護層が硬度に優れた硬度層および密着性に優れた密着層からなることにより、上記保護層を硬度および密着性の両者に優れたものとすることができる。このため、タッチパネル付カラーフィルタをタッチパネルおよびカラーフィルタの順で形成した場合であっても、上記タッチパネルに含まれる各構成へのキズ・剥れの発生を防ぐことができる。
【0009】
本発明においては、上記硬度層の静摩擦係数が、0.25〜0.37の範囲内であり、鉛筆硬度が4H以上であることが好ましい。上記硬度層を硬度および滑り性に優れたものとすることができるからである。この様にすることで、上記保護層(表面)の鉛筆硬度を4H以上とすることができ、また、上記保護層表面の静摩擦係数を0.25〜0.37の範囲内とすることができるからである。
【0010】
本発明においては、上記密着層の上記タッチパネルセンサ層に対する密着力が、JIS K 5600-5-6で規定するクロスカット評価にてクロスカット部分で評価分類0から1であることが好ましい。上記密着層の密着力が上述の範囲内であることにより、上記保護層が上記タッチパネルセンサ層から剥離しにくいものとすることができるからである。また、上記保護層のタッチパネルセンサ層に対する密着力が、JISK5600−5−6で規定するクロスカット評価にてクロスカット部分での評価分類0から1とすることができる。
【0011】
本発明においては、上記硬度層用樹脂が、不飽和二重結合を有する構成単位(1)を有する硬度層形成用ポリマーおよび硬度層形成用多官能性モノマーを含む硬度層形成用組成物を用いてなるものであり、上記密着層用樹脂が、不飽和二重結合を有する構成単位(1)を有する密着層形成用ポリマーを含む密着層形成用組成物を用いてなるものであり、上記硬度層形成用ポリマーの上記構成単位(1)の含有量が上記硬度層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の70モル%以上であり、上記硬度層形成用多官能性モノマーの官能基数が、5以上であり、上記密着層形成用ポリマーの上記構成単位(1)の含有量が上記密着層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の50モル%以下であることが好ましい。
【0012】
また、本発明においては、上記硬度層用樹脂が、不飽和二重結合を有する構成単位(1)を有する硬度層形成用ポリマーおよび硬度層形成用多官能性モノマーを含む硬度層形成用組成物を用いてなるものであり、上記密着層用樹脂が、密着層形成用多官能性モノマーを含む密着層形成用組成物を用いてなるものであり、上記硬度層形成用ポリマーの上記構成単位(1)の含有量が上記硬度層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の70モル%以上であり、上記硬度層形成用多官能性モノマーの官能基数が、5以上であり、上記密着層形成用多官能性モノマーの官能基数が、2〜4の範囲内であることが好ましい。
上記保護層が上述の材料を用いてなるものであることにより、硬度および密着性に優れたものとすることができるからである。より詳しくは、ポリマー中の不飽和二重結合量を増やす、又は多官能モノマーの官能基数を大きくすることで、架橋密度増大による硬度の向上が見込める一方で、硬化収縮による密着性の低下を招いてしまう。そこで、硬度層と密着層に機能分離し、二重結合量とモノマー官能基数を最適化することによって、硬度および密着性に優れた保護層を形成することができるからである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、硬度および密着性に優れた保護層をタッチパネルの最表面に有するタッチパネル付カラーフィルタを提供できるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のタッチパネル付カラーフィルタの一例を示す概略平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明のタッチパネル付カラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、タッチパネル付カラーフィルタに関するものである。
以下、本発明のタッチパネル付カラーフィルタについて説明する。
【0016】
本発明のタッチパネル付カラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板の一方の表面上に形成されたタッチパネルセンサ層および上記タッチパネルセンサ層上に形成された保護層を有するタッチパネルと、上記透明基板の他方の表面上に形成されたカラーフィルタと、を有するタッチパネル付カラーフィルタであって、上記保護層は、密着層用樹脂からなりパターン状に形成された密着層および硬度層用樹脂からなりパターン状に形成された硬度層がこの順に積層されたものであることを特徴とするものである。
【0017】
このような本発明のタッチパネル付カラーフィルタについて図を参照して説明する。図1は、本発明のタッチパネル付カラーフィルタの一例を示す概略平面図である。また、図2は、図1のA−A線断面図である。図1および図2に例示するように、本発明のタッチパネル付カラーフィルタ50は、透明基板1と、上記透明基板1の一方の表面上に形成された第1透明電極11、上記第1透明電極11上に形成された電極間絶縁層12、上記電極間絶縁層12上に形成された第2透明電極13がこの順で積層したタッチパネルセンサ層10ならびに上記第2透明電極13上に形成された密着層用樹脂からなる密着層21および硬度層用樹脂からなる硬度層22を有する保護層20を有するタッチパネル30と、上記透明基板1の他方の表面上に形成された開口部を有する遮光部31および上記遮光部31の開口部に形成された着色層32を有するカラーフィルタ40と、を有するものである。
また、この例においては、上記タッチパネルセンサ層10は、上記電極間絶縁層12の周囲の上記透明基板1上に形成された取り出し電極14を有するものであり、上記密着層21および硬度層22は上記取出し電極14の一部が露出するようなパターン状に形成されている。
なお、図1においては、説明の容易のため、上記電極間絶縁層12および保護層20については省略して示している。
【0018】
本発明によれば、上記保護層が硬度に優れた硬度層および密着層からなることにより、それぞれの層を主に硬化性にのみ優れた材料、および、上記タッチパネルセンサ層、具体的には、通常、上記タッチパネルセンサ層は上記透明基板上に第1透明電極、電極間絶縁層および第2透明電極がこの順で積層したものであることにより、上記タッチパネルセンサ層に含まれる金属材料からなる第2透明電極との密着性に優れた材料を用いて形成することができる。
このため、上記保護層が一層からなる場合、すなわち、一種類の材料からなる場合と比較し、容易に硬度および密着性の両者に優れたものとすることができる。
【0019】
例えば、上記保護層が一層からなるものである場合、上記保護層を構成する材料として、硬度に優れたものとするため硬化性に優れた材料を用いると硬化収縮により上記タッチパネルセンサ層、より具体的には金属材料からなる第2透明電極との密着性が低下してしまい、一方、上記タッチパネルセンサ層との密着性に優れたものとすると十分な硬度を有するものとすることが困難となる。
特に、後述するように、タッチパネルの形成後にカラーフィルタを形成する場合、通常、上記カラーフィルタを構成する各色の着色層がフォトリソグラフィー法により形成される。この際に、各色の着色層の形成毎に、露光・現像・加熱処理が加えられ、その度に上記保護層を構成する材料が熱劣化等を受け、その材料の各性能が低下することになる。このため、上記材料が硬度および密着性の両者に極めて優れたものでないと、上記カラーフィルタの形成途中で硬度および密着性のいずれかまたは両者が所望の能力以下となり、保護層として機能しなくなる恐れがある。
これに対して、上述のように、上記保護層を上記タッチパネルセンサ層との密着性に優れた密着層と上記タッチパネルの最表面に配置される硬度層とからなるものとすることにより、それぞれの層に適した材料を用いることができる。したがって、上記保護層を硬度および密着性の両者に優れたものとすることができ、上述のようなカラーフィルタ形成時の熱劣化等により性能が劣化したとしても、十分に高い性能を維持することができるのである。
また、上記密着層および硬度層の両者が樹脂からなるものであることにより、上記密着層および硬度層の間の密着性も十分に高いものとすることができる。
【0020】
また、このような保護層を有することにより、例えば、透明基板の一方の表面にタッチパネルを有し上記透明基板の他方の表面にカラーフィルタを有するタッチパネル付カラーフィルタを形成する際に、まず、タッチパネルを形成し、その後、上記透明基板を上記タッチパネル側を裏面にして台や先の尖ったピン状の支持体上に載せたりこれらの上を滑らせて搬送する等、上記タッチパネルが他の部材と接したり擦れるような状態でカラーフィルタを形成した場合であっても、上記保護層が十分な硬度および密着性を有していることから、上記タッチパネルに含まれるタッチパネルセンサ層の各構成へのキズ・剥れの発生を防ぐことができる。そして、その結果、上記タッチパネルセンサ層に含まれる電極等にキズ等が発生することを防ぐことができ、断線や感度不良の発生のないものとすることができる。
さらに、上記密着層および硬度層が樹脂からなることにより、両者をパターン状に形成することが容易となり、例えば、上記取り出し電極等と、外部配線との接続等が容易なものとすることができる。
【0021】
本発明のタッチパネル付カラーフィルタは、上記透明基板、タッチパネルおよびカラーフィルタを少なくとも有するものである。
以下、本発明のタッチパネル付カラーフィルタの各構成について詳細に説明する。
【0022】
1.タッチパネル
本発明に用いられるタッチパネルは、上記タッチパネルセンサ層および保護層を有するものである。
【0023】
(1)保護層
本発明に用いられる保護層は、パターン状に形成された密着層および硬度層がこの順に積層されたものである。
【0024】
(a)密着層
本発明に用いられる密着層は、上記タッチパネルセンサ層上にパターン状に形成されたものである。また、上記密着層用樹脂からなるものである。
【0025】
このような密着層の上記タッチパネルセンサ層に対する密着力としては、カラーフィルタの形成時にタッチパネルセンサ層から剥離しないものであれば特に限定されるものではないが、JIS K 5600-5-6で規定するクロスカット評価にてクロスカット部分で評価分類0または1であることが好ましい。上記密着層の密着力が上述の範囲内であることにより、上記保護層の剥れをより確実に防ぐことができるからである。
【0026】
本発明に用いられる密着層の可視光領域における透過率としては、所望の透明性を有する保護層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。上記透過率が上記範囲内であることにより、透明性に優れた保護層を形成することができるからである。
ここで、密着層の透過率はガラス上に形成した密着層を、標準の光C(JIS Z 8720(測色用標準イルミナント(標準の光)及び標準光源))を用い、JIS Z 8701(色の表示方法-XYZ表色系およびX101010表色系)にて定められた式にて求めた、透過による物体色の三刺激値X,Y,ZのうちのY値を指すものである。このような透過率の測定方法としては、例えば、分光測色計を用いて測定することができ、より具体的には、オリンパス株式会社製、分光光度計OSP−SP2000を用いることができる。
【0027】
本発明に用いられる密着層の厚みとしては、所望の密着性を発揮することができるものであり、1.50μm以下であれば特に限定されるものではないが、なかでも本発明においては、0.10μm〜1.50μmの範囲内とすることができ、特に、0.50μm〜0.75μmの範囲内とすることができる。上記厚みが上述の範囲内であることにより上記タッチパネルセンサ層に対する十分な密着性を発揮することができるからである。
なお、上記密着層の厚みとは、上記タッチパネルセンサ層の表面から上記密着層の表面までの距離をいうものである。
【0028】
本発明に用いられる密着層の形成個所としては、上記タッチパネルが接触位置を安定に検出できるものとすることができ、かつ、上記タッチパネルセンサ層の各構成を安定的に保護することができる箇所であれば特に限定されるものではないが、上記タッチパネルセンサ層に含まれる電極に接続された取出し電極の一部等、他の基板と接続するために形成される接続端子部のみが露出するように形成されることが好ましい。上記形成個所に形成されることにより、上記タッチパネルセンサ層の各構成を安定に保護し、上記タッチパネルを安定的に動作できるものとすることが容易だからである。
【0029】
本発明に用いられる密着層用樹脂としては、所望の密着性を有し、透明性を有する密着層をパターン状に形成できるものであれば特に限定されるものではないが、感光性を有する感光性材料からなるものであることが好ましい。パターン状の上記密着層を容易に形成することができるからである。
このような感光性材料としては、感光性を有し、所望の密着性および透明性を有する密着層を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上記密着層形成用ポリマーまたは密着層形成用多官能性モノマーを少なくとも含む密着層形成用組成物を用いてなるものとすることが好ましく、なかでも、上記密着層形成用組成物が上記密着層形成用ポリマーおよび密着層形成用多官能性モノマーの両者を含むものであることが好ましい。より密着性に優れた密着層を形成できるからである。
【0030】
このような密着層形成用ポリマーとしては、所望の密着性を有する密着層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、不飽和二重結合を有する構成単位(1)(以下、単に構成単位(1)とする場合がある。)を有し、かつ、上記構成単位(1)の含有量が上記密着層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の50モル%以下のものであることが好ましく、なかでも上記構成単位(1)の含有量が上記全構成単位中の、10モル%〜45モル%の範囲内のものであることが好ましく、特に、15モル%〜40モル%の範囲内のものであることが好ましい。上記構成単位(1)の含有量が上述の範囲内であることにより、密着性に優れたものとすることができるからである。
【0031】
本発明において用いられる構成単位(1)としては、露光時に上記密着層形成用多官能性モノマー等と重合可能な飽和二重結合を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、カルボキシル基を有する構成単位(2)(以下、単に構成単位(2)とする場合がある。)のカルボキシル基に、エポキシ基および不飽和二重結合を有するエポキシ基含有化合物のエポキシ基を反応させてなるものを挙げることができる。
【0032】
本発明に用いられる構成単位(2)としては、カルボキシル基を有し、上記構成単位(1)を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、カルボキシル基および不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有モノマーの不飽和二重結合を重合してなるものを挙げることができる。
【0033】
このようなカルボキシル基含有モノマーとしては、具体的には、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン付加物、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに無水フタル酸等の酸無水物を付加させたもの等を用いることができ、なかでも、アクリル酸、メタアクリル酸であることが好ましい。上記エポキシ基含有化合物との反応性に優れ、上記構成単位(1)を安定的に形成することができるからである。
【0034】
本発明におけるエポキシ基含有化合物としては、上記構成単位(2)が有するカルボキシル基と反応することができるエポキシ基を有し、不飽和二重結合を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、2−メチル−3,4−エポキシ−シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、グリシジル(メタ)アクリレートであることが好ましい。上記エポキシ基含有化合物として、上述の化合物を用いることにより、硬度により優れた保護層を形成可能とすることができるからである。
【0035】
本発明に用いられる密着層形成用ポリマーとしては、上記構成単位(1)に加えて、上記構成単位(2)を含むこと、すなわち、側鎖にカルボキシル基を有するものであることが好ましい。上記密着層形成用ポリマーを現像性に優れたものとすることができるからである。
本発明に用いられる密着層形成用ポリマーに含まれる構成単位(2)の含有量としては、上記密着層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の5モル%〜40モル%の範囲内であることが好ましく、なかでも10モル%〜30モル%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより、現像性に優れたものとすることができるからである。
【0036】
本発明に用いられる密着層形成用ポリマーとしては、他に、アルキル基を有する構成単位(3)を含むものとすることができる。
【0037】
本発明におけるアルキル基としては、所望の密着性を発揮する密着層形成用ポリマーとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、脂肪族系であっても良く、芳香環やその他の官能基を含むものを用いることができる。
本発明においては、なかでも、炭素数が1〜12のアルキル基であることが好ましく、特に、炭素数が1〜6のアルキル基であることが好ましい。上記アルキル基が上記置換基であることにより、上記密着層形成用ポリマーを安定的に合成することができるからである。
【0038】
本発明における構成単位(3)としては、上記アルキル基を有するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には上記アルキル基および不飽和二重結合を有するアルキル基含有モノマーの不飽和二重結合を重合してなるものを挙げることができる。
【0039】
このようなアルキル基含有モノマーとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族含有(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート等の官能基(メタ)アクリレート等を用いることができる。
本発明においては、なかでも、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートであることが好ましい。上記アルキル基含有モノマーとして、上述の化合物を用いることにより、上記密着層形成用ポリマーを溶剤中での分散安定性に優れたものとすることができるからである。
【0040】
本発明における構成単位(3)の含有量は、上記密着層形成用ポリマーを構成する全構成単位の20モル%〜60モル%の範囲内であることが好ましく、なかでも、30モル%〜50モル%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより、上記密着層形成用ポリマーを溶剤中での分散安定性に優れたものとすることができるからである。
【0041】
本発明に用いられる密着層形成用ポリマーの含有量としては、所望の硬化性、現像性等を発揮することができるものであれば特に限定されるものではないが、上記密着層形成用組成物の固形分中に、25質量%〜60質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも30質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより、密着性に優れたものとすることができるからである。
ここで、上記固形分中とは、上記密着層形成用組成物に含まれる溶剤以外の全ての成分をいうものである。
【0042】
本発明に用いられる密着層形成用ポリマーの形成方法としては、所望の構成単位を有するものを精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記密着層形成用ポリマーが、上記構成単位(1)を有するものである場合には、上記構成単位(2)を形成可能なカルボキシル基含有モノマーを重合し、その後、上記エポキシ基含有化合物を上記構成単位(2)のカルボキシル基に反応させる方法を用いることができる。
なお、上記エポキシ基含有化合物を上記構成単位(2)の一部に反応させることにより、上記構成単位(1)および構成単位(2)を有するものとすることができる。
【0043】
本発明に用いられる密着層形成用多官能性モノマーとしては、複数の重合性の官能基を有し、光照射により、上記密着層形成用モノマーおよび上記密着層形成用ポリマーを重合させることができるものであれば良い。
【0044】
本発明に用いられる密着層形成用多官能性モノマーの官能基数としては、2以上であれば特に限定されるものではないが、2〜4であることが好ましく、なかでも、4であることが好ましい。上記官能基数が上述の範囲内であることにより、密着性に優れたものとすることができるからである。
【0045】
本発明に用いられる密着層形成用多官能性モノマーとしては、通常、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートが用いられる。
【0046】
このような多官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、長鎖脂肪族ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、プロピレンジ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、アクリル化イソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、リン酸ジ(メタ)アクリレート、亜鉛ジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0047】
また、上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カルボン酸変性ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステルトリ(メタ)アクリレート、ウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、エステルヘキサ(メタ)アクリレート等の三官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0048】
これらの多官能(メタ)アクリレートは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用して使用してもよい。
【0049】
本発明に用いられる密着層形成用多官能性モノマーの含有量としては、所望の密着性の密着層を形成可能とすることができるものであれば良く、上記密着層形成用組成物の固形分中に、15質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも、20質量%〜45質量%の範囲内であることが好ましい。上記範囲より少ないと十分に光硬化が進まず、露光部分が溶出する場合があるからであり、上記範囲より多いと、未露光箇所分でも現像できなくなる可能性があるからである。
【0050】
本発明に用いられる密着層形成用組成物としては、上記密着層形成用ポリマーおよび/または密着層形成用多官能性モノマーを含むものであるが、通常、光重合開始剤および溶剤を含むものである。また、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。上記エポキシ樹脂を含むことで、金属、具体的には、上記タッチパネルセンサ層を構成する第2透明電極等との密着性を向上させることができるからである。また、必要に応じて種々の添加剤や、上記密着層形成用ポリマーおよび密着層形成用多官能性モノマー以外のポリマーおよびモノマーを含むことができる。
【0051】
本発明に用いられる光重合開始剤としては、光照射により、上記密着層形成用多官能性モノマーおよび上記密着層形成用ポリマーを重合させることができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的なものを用いることができる。
【0052】
具体的には、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、4,4´−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メチルフェニル)イミダゾール2量体、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルチアゾール化合物、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−S−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン、1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン‐1,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジル、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノベンゾエート、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−n−ブチキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−クロロチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、2,4ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、4−ベンゾイル−メチルジフェニルサルファイド、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノン、1,2−オクタジオン等の光重合開始剤を挙げることができる。本発明においては、これらの光重合開始剤を単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
【0053】
このような光重合開始剤の含有量としては、上記密着層形成用組成物を所望の硬化速度で光硬化することができるものであれば良く、固形分中に、0.1質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも0.7質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
【0054】
本発明に用いられる密着層形成用組成物に含まれる溶剤は、上記密着層形成用組成物中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶剤であれば特に限定されるものではない。
【0055】
具体的には、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;および、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;などが挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0056】
本発明に用いられる溶剤の上記密着層形成用組成物中の含有量としては、60質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは70質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。このような含有量であることにより、塗布に適した粘度とすることができるからである。
【0057】
本発明に用いられるエポキシ樹脂としては、上記密着層形成用組成物の硬化後に所望の密着性を発揮することができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、常温で液状のノボラック系エポキシ、脂環式エポキシ、カルドエポキシ等を挙げることができ、より具体的には、商品名BPEFG(ナガセケムテックス製)、セロキサイド2021P、3000、2000、スチレンオキサイド、エポリードGT300、GT400(以上、ダイセル化学工業製)、jer901、801P、802、802XA、806、806L、807、815、819、825、827、828、815XA、828EL、828XA、152、604、630(以上、油化シェルエポキシ製)、SPCA−35X(昭和高分子(株)製)等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、エポリードGT300、GT400、SPCA−35Xを好ましく用いることができる。密着性に優れた密着層を形成することができるからである。
【0058】
本発明におけるエポキシ樹脂の上記密着層形成用組成物中の含有量としては、上記密着層形成用組成物の固形分中に20質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも30質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより、密着性に優れたものとすることができるからである。
なお、エポキシ当量は、JIS K 7236に基づいて求めることができる。
【0059】
本発明に用いられる添加剤としては、顔料、遮光性微粒子、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤等などが挙げられる。
【0060】
本発明に用いられる密着層形成用組成物の形成方法としては、上記各成分を上記溶剤中に均一に分散したものとすることができる方法であれば特に限定されるものではなく、公知の混合・分散方法を用いることができる。
【0061】
本発明に用いられる密着層の形成方法としては、上記密着層をパターン精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものでなく、上記密着層形成用成物を用いる方法、より具体的には、上記密着層形成用組成物を塗布し、乾燥して塗膜を形成した後、上記塗膜に対してパターン状に露光し、現像する方法を用いることが好ましい。密着性に優れた密着層をパターン精度良く形成することができるからである。
また、上記密着層用樹脂が非感光性材料からなるものである場合には、上記非感光性材料からなる塗膜を形成した後、レジストをパターン状に形成し、エッチングする方法を用いることができる。
【0062】
(b)硬度層
本発明に用いられる硬度層は、上記密着層上に形成されるものである。また、上記硬度層用樹脂からなるものである。
【0063】
このような硬度層の静摩擦係数としては、上記硬度層を含むタッチパネル形成後に上記カラーフィルタを形成した場合であっても、上記タッチパネルに含まれる各構成をキズ・剥離の少ないものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、0.25〜0.37の範囲内であることが好ましく、なかでも0.25〜0.30の範囲内であることが好ましく、特に0.25〜0.28の範囲内であることが好ましい。上記静摩擦係数が上述の範囲内であることにより、滑り性により優れたものとすることができ、上記タッチパネルに含まれる各構成をキズ等のより少ないものとすることができるからである。
ここで、上記静摩擦係数の測定方法としては、精度良く測定できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、JIS K7125に規定する測定方法を用いることができる。また、ガラス上に製膜したレジストについて新東科学株式会社製 HEIDON トライボギア ミューズ TYPE:94 iを用いて測定する方法を用いることができる。なお、スライダー(接触子)の材質は黄銅(ハードクローム処理)で40gのものを用い、検出器はボイスコイルモーターフォトセンサを使用する方法を用いることができる。
【0064】
本発明に用いられる硬度層の鉛筆硬度としては、上記硬度層を含むタッチパネル形成後に上記カラーフィルタを形成した場合であっても、上記タッチパネルに含まれる各構成をキズ・剥離の少ないものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、4H以上のものであることが好ましく、なかでも4H〜6Hの範囲内であることが好ましい。上記鉛筆硬度が上述の範囲であることにより、硬度により優れたものとすることができ、上記タッチパネルに含まれる各構成をキズ・剥がれの少ないものとすることができるからである。
なお、硬度の測定方法としては、JISK5600−5−4の規格に則り、ガラス上に製膜したレジストについて測定を行う方法を用いることができる。
【0065】
本発明に用いられる硬度層の可視光領域における透過率としては、所望の透明性を有する保護層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。上記透過率が上記範囲であることにより、透明性に優れた保護層を形成することができるからである。
【0066】
本発明に用いられる硬度層の表面粗さとしては、所望の滑り性を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、1nm〜80nmの範囲内であることが好ましく、なかでも1nm〜40nmの範囲内であることが好ましく、特に1nm〜20nmの範囲内であることが好ましい。上記表面粗さが上述の範囲内であることにより滑り性により優れたものとすることができるからである。
なお、上記表面粗さは、算術平均粗さRaを指すものであり、JIS B 0601の規定に則り測定することができ、より具体的には、タカノ株式会社製、原子間力顕微鏡 AS−7BMにて測定し、ガラス上に所定の厚みで製膜された樹脂表面を測定する方法により求めることができる。
【0067】
本発明に用いられる硬度層の厚みとしては、所望の硬度および滑り性を発揮することができるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、1μm〜5μmの範囲内とすることができ、なかでも1μm〜1.75μmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記タッチパネルに含まれる各構成をキズ・剥がれの少ないものとすることができるからである。
なお、上記硬度層の厚みとは、上記密着層の表面から上記硬度層の表面までの距離をいうものである。
【0068】
本発明に用いられる硬度層の形成個所としては、上記タッチパネルが接触位置を安定に検出できるものとすることができ、かつ、上記タッチパネルセンサ層の各構成を安定的に保護することができる箇所であれば特に限定されるものではなく、上記密着層と同様とすることができる。
【0069】
本発明に用いられる硬度層を構成する硬度層用樹脂については、所望の硬度および透明性を有する硬度層をパターン状に形成できるものであれば特に限定されるものではないが、感光性を有する感光性材料からなるものであることが好ましい。パターン状の上記硬度層を容易に形成することができるからである。
このような感光性材料としては、感光性を有し、所望の硬度および透明性を有する硬度層を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上記硬度層形成用ポリマーまたは硬度層形成用多官能性モノマーを少なくとも含む硬度層形成用組成物を用いてなるものとすることが好ましく、なかでも、上記硬度層形成用組成物が上記硬度層形成用ポリマーおよび硬度層形成用多官能性モノマーの両者を含むものであることが好ましい。より硬度に優れた硬度層を形成できるからである。
【0070】
このような硬度層形成用ポリマーとしては、所望の硬度を有する硬度層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、不飽和二重結合を有する構成単位(1)を有し、かつ、上記構成単位(1)の含有量が上記密硬度層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の70モル%以上のものであることが好ましく、なかでも、75モル%〜90モル%の範囲内のものであることが好ましい。上記構成単位(1)の含有量が上述の範囲内であることにより、硬度に優れた硬度層を形成可能なものとすることができるからである。
なお、上記構成単位(1)としては、不飽和二重結合を有するものであれば良く、上記「(a)密着層」の項に記載のものと同様とすることができる。
【0071】
本発明における硬度層形成用ポリマーとしては、上記構成単位(1)に加えて、上記構成単位(2)を含むことが好ましい。上記硬度層形成用ポリマーを現像性に優れたものとすることができるからである。
本発明に用いられる硬度層形成用ポリマーに含まれる構成単位(2)の含有量としては、上記硬度層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の10モル%〜25モル%の範囲内であることが好ましく、なかでも15モル%〜20モル%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより、現像性に優れたものとすることができるからである。
なお、上記構成単位(2)としては、カルボキシル基を有するものであれば良く、上記「(a)密着層」の項に記載のものと同様とすることができる。
【0072】
本発明に用いられる硬度層形成用ポリマーとしては、他に、上記構成単位(3)や、フッ素含有基を有する構成単位(4)を含むことができる。
本発明においては、なかでも、上記構成単位(4)を含むことが好ましい。上記硬度層を滑り性に優れたものとすることを可能とするからである。
【0073】
本発明における構成単位(3)の含有量としては、上記硬度層形成用ポリマーを構成する全構成単位の5モル%〜30モル%の範囲内であることが好ましく、なかでも、5モル%〜20モル%の範囲内であることが好ましく、特に、5モル%〜10モル%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより、上記硬度層形成用ポリマーを溶剤中での分散安定性に優れたものとすることができるからである。
なお、上記構成単位(3)としては、上記「(a)密着層」の項に記載のものと同様とすることができる。
【0074】
本発明におけるフッ素含有基としては、上記硬度層の表面に滑り性を付与することができるものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ−3−メチルブチル基、パーフルオロ−5−メチルヘキシル基等のフルオロアルキル基を挙げることができる。本発明においては、なかでも、トリフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基を好ましく用いることができる。上記フッ素含有基として上記官能基を含むことにより滑り性に優れた硬度層を形成することができるからである。
【0075】
本発明における構成単位(4)としては、上記フッ素含有基を有し、所望の滑り性を発揮することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上記フッ素含有基および不飽和二重結合を有するフッ素含有基含有モノマーの不飽和二重結合を重合してなるものを挙げることができる。
【0076】
このようなフッ素含有基含有モノマーとしては、上記フッ素含有基を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル メタクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレートを挙げることができる。
本発明においては、なかでも、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレートであることが好ましい。上記フッ素含有基含有モノマーとして、上述の化合物を用いることにより、上記フッ素含有基を有する構成単位(4)を精度良く上記硬度層形成用ポリマーに導入することができるからである。
【0077】
本発明における構成単位(4)の含有量としては、硬度および滑り性に優れた硬度層を形成できるものであれば、特に限定されるものではないが、上記硬度層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の0.1モル%〜8.0モル%の範囲内であることが好ましく、なかでも1モル%〜6モル%の範囲内であることが好ましく、特に、2モル%〜4モル%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより、特に滑り性に優れた硬度層を形成できるからである。
【0078】
本発明に用いられる硬度層形成用ポリマーの含有量としては、所望の硬化性、現像性等を発揮することができるものであれば特に限定されるものではないが、上記硬度層形成用組成物の固形分中に、10質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも15質量%〜35質量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより、硬度に優れた硬度層とすることができるからである。
【0079】
本発明に用いられる硬度層形成用ポリマーの形成方法としては、所望の構成単位を有するものを精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記硬度層形成用ポリマーが、上記構成単位(1)および構成単位(4)を有するものである場合には、上記構成単位(2)を形成可能なカルボキシル基含有モノマーおよびフッ素含有基含有モノマーを重合し、その後、上記エポキシ基含有化合物を上記構成単位(2)のカルボキシル基に反応させる方法を用いることができる。
【0080】
本発明に用いられる硬度層形成用多官能性モノマーとしては、複数の重合性の官能基を有し、光照射により、上記硬度層形成用モノマーおよび上記硬度層形成用ポリマーを重合させることができるものであれば良い。
このような硬度層形成用多官能性モノマーの官能基数としては、2以上であれば特に限定されるものではないが、5以上であることが好ましく、なかでも、5〜6であることが好ましい。上記官能基数が上述の範囲内であることにより硬度に優れたものとすることができるからである。
【0081】
本発明に用いられる硬度層形成用多官能性モノマーとしては、通常、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートが用いられる。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、上記「(a)密着層」の項に記載のものと同様とすることができる。
【0082】
本発明に用いられる硬度層形成用多官能性モノマーの含有量としては、所望の硬度の硬度層を形成可能とすることができるものであれば良く、上記硬度層形成用組成物の固形分中に、40質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも、50質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましく、特に60質量%〜75質量%の範囲内であることが好ましい。上記範囲より少ないと十分に光硬化が進まず、露光部分が溶出する場合があるからであり、上記範囲より多いと、未露光箇所でも現像できなくなる可能性があるからである。
【0083】
本発明に用いられる硬度層形成用組成物としては、上記硬度層形成用ポリマーおよび硬度層形成用多官能性モノマーを含むものであるが、通常、光重合開始剤および溶剤を含むものである。また、必要に応じて種々の添加剤や、上記硬度層形成用ポリマーおよび硬度層形成用多官能性モノマー以外のポリマーおよびモノマーを含むことができる。
このような光重合開始剤、溶剤および添加剤ならびにこれらの含有量については、上記「(a)密着層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
【0084】
本発明に用いられる硬度層の形成方法としては、上記硬度層をパターン精度良く形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、上記「(a)密着層」と同様の方法を用いることができる。
【0085】
(2)タッチパネルセンサ層
本発明に用いられるタッチパネルセンサ層は、上記透明基板上に形成されるものである。
このようなタッチパネルセンサ層としては、一般的なタッチパネルに用いられるものを使用することができ、例えば、上記透明基板上に形成され透明性を有する金属材料等からなる第1透明電極、上記第1透明電極上に形成される電極間絶縁層、上記電極間絶縁層上に形成され、透明性を有する金属材料等からなる第2透明電極を有するもの、すなわち、上記タッチパネルは、上記第1透明電極、電極間絶縁層、第2透明電極および保護層がこの順で積層したものを挙げることができる。また、上記透明基板上に形成される取出し電極を含むものである。
このような第1透明電極、電極間絶縁層、第2透明電極および取出し電極、ならびにその形成方法としては、一般的なタッチパネルに用いられるものと同様とすることができる。
具体的には、上記第1透明電極および第2透明電極を構成する金属材料としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物を挙げることができる。本発明においては、これらの金属酸化物が2種以上複合されてもよい。
また、取出し電極等の不透明電極材料としては、透明電極材料より高い電気伝導率を有する金属材料が用いられてもよい。例としては、アルミニウム、モリブデン、パラジウム、銀、クロム、銅等の金属及びそれらを主成分とする合金、あるいはそれら合金を含む積層体が挙げられる。
なお、上記電極は、上記金属材料からなるものである場合、その表面がUVオゾンや、酸素プラズマ等の表面処理等が施されたものであっても良いが、上述のように本発明に用いられる密着層は、上記電極材料との間で高い密着性を発揮するので、これらの処理を不要とすることができる。
【0086】
2.カラーフィルタ
本発明に用いられるカラーフィルタは、上記透明基板の他方の表面上に形成されるものである。
このようなカラーフィルタとしては、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置等に一般的に用いられるものと同様とすることができ、通常、上記透明基板上に形成され、開口部を有する遮光部、上記遮光部の開口部に形成される着色層、スペーサ、オーバーコート層、透明電極、配向膜等を有するものである。
このようなカラーフィルタの各構成および形成方法については一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができ、例えば、特開2010−014870号公報記載の内容と同様とすることができる。
【0087】
3.透明基板
本発明に用いられる透明基板は、上記タッチパネルおよびカラーフィルタを支持するものである。
このような透明基板を構成する材料としては、タッチパネルやカラーフィルタに用いられる透明基板と同様とすることができ、例えば、特開2010−014870号公報記載の内容と同様とすることができる。
【0088】
本発明における透明基板の厚みとしては、上記タッチパネルおよびカラーフィルタを支持することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.3mm〜1.6mmの範囲内等のタッチパネルに一般的に用いられるものと同様とすることができる。
【0089】
4.タッチパネル付カラーフィルタ
本発明のタッチパネル付カラーフィルタは、上記透明基板、タッチパネルおよびカラーフィルタを少なくとも含むものであるが、必要に応じて、その他の構成を有するものであっても良い。
【0090】
本発明のタッチパネル付カラーフィルタの製造方法としては、上記透明基板上に、上記タッチパネルおよびカラーフィルタを精度良く形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、具体的には、図3に例示するように、上記透明基板1を準備し、上記透明基板1の一方の表面上に、上記第1透明電極11、電極間絶縁層12、第2透明電極13および取出し電極14を有するタッチパネルセンサ層10を形成し(図3(a))、次いで、上記第2透明電極13上に、上記密着層形成用組成物を塗工・乾燥した後、露光・現像することにより密着層21を形成し(図3(b))、次いで、上記密着層21上に上記硬度層形成用組成物を塗工・乾燥した後、露光・現像することにより硬度層22を形成し、保護層20とする。これにより透明基板1の一方の表面に、タッチパネルセンサ層10および保護層20を含むタッチパネルを形成する(図3(c))。その後、搬送装置上に上記透明基板1を上記搬送装置と上記保護層20とが接するように配置し(図3(d))、カラーフィルタを形成する場所まで搬送する。その後、上記透明基板1の他方の表面上に、上記開口部を有する遮光部31および上記遮光部31の開口部に形成された着色層32を有するカラーフィルタ40を形成し、タッチパネル付カラーフィルタ50とする方法(図3(e))であることが好ましい。すなわち、上記透明基板の一方の表面上に上記タッチパネルを形成し、次いで、上記保護層が形成された透明基板の他方の表面上にカラーフィルタを形成する方法であることが好ましい。上記タッチパネルに含まれる保護層が、上述のように密着層および硬度層の2つの層からなり、優れた硬度および密着性を有するものであるため、上記タッチパネルおよびカラーフィルタをこの順で行い、上記タッチパネルの保護層が他の部材と接する場合であっても、上記タッチパネルに含まれる各構成をキズ・剥がれの少ないものとすることができるからである。
【0091】
本発明のタッチパネル付カラーフィルタの用途としては、例えば、タッチパネル付表示装置、具体的には、タッチパネル付液晶表示装置やタッチパネル付有機エレクトロルミネッセント表示装置等を挙げることができ、なかでも、タッチパネルの各構成にキズ・剥がれがなく、感度不良の少ないタッチパネル付表示装置に用いることが好ましい。
【0092】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0093】
1.ポリマーの合成方法
[合成例1]
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)120質量部、メチルメタクリレート(MMA)10質量部、メタクリル酸(MAA)80質量部、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート10質量部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら30分攪拌して窒素置換を行った後、フラスコの内容物を90℃まで昇温した。ついで、フラスコ内の内容物を90℃に維持しながら、βメルカプトプロピオン酸(BMPA)4質量部とジメチル 2,2-アゾビス(2−メチルプロピネート)0.1質量部添加し、重合を開始した。重合開始から1時間毎に2,2−アゾビス(2−メチルプロピネート)0.4質量部を計3回添加した。重合開始から6時間後、PGME50質量部を添加し、室温まで冷却した。
重合物を10時間程度放置した後、フラスコ内の酸素濃度が20%程度にもどっていることを確認した後、フラスコ内にメトキノン(MEHQ)0.1質量部とグリシジルメタクリレート(GMA)140質量部とPGME100質量部を追加し、95℃まで昇温した。ついで、フラスコの内容物を95℃に維持しながらトリエチルアミン(TEA)1質量部を添加してから7時間後、室温まで冷却した。冷却後、無水マレイン酸を22質量部とMEHQ0.3質量部、PGME10質量部を追加し、再度95℃まで昇温した。ついで、フラスコの内容物を95℃に維持しながら、ジメチルアミノピリジン(DMAP)1質量部を添加してから7時間後、PGME80質量部を添加し、室温まで冷却して、ポリマー(A)を得た。ポリマー濃度は38%であった。
得られた重合物の重量平均分子量は1.5万で、樹脂酸価は50mgKOH/gであった。二重結合の含有量は88モル%であった。
【0094】
[合成例2]
合成例1で仕込むモノマー量を、MMA10質量部から30質量部、MAA80質量部からMAA65質量部、GMA140質量部から110質量部へと変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、ポリマー濃度38%のポリマー(B)を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は1.5万で、樹脂酸価は50mgKOH/gであった。二重結合の含有量は70モル%であった。
【0095】
[合成例3]
合成例1で仕込むモノマー量を、MMA10質量部から50質量部、MAA80質量部からMAA55質量部、GMA140質量部から100質量部へと変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、ポリマー濃度38%のポリマー(C)を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は1.5万で、樹脂酸価は50mgKOH/gであった。二重結合の含有量は55モル%であった。
【0096】
[合成例4]
合成例1で仕込むモノマー量を、MMA10質量部から30質量部、MAA80質量部からMAA60質量部へと変更し、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート10質量部を加えなかった以外は、合成例1と同様の操作を行い、ポリマー濃度38%のポリマー(D)を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は1.5万で、樹脂酸価は50mgKOH/gであった。二重結合の含有量は70モル%であった。
【0097】
[合成例5]
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、PGME120質量部、メチルメタクリレート(MMA)60質量部、メタクリル酸(MAA)40質量部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら30分攪拌して窒素置換を行った後、フラスコの内容物を90℃まで昇温した。ついで、フラスコ内の内容物を90℃に維持しながら、BMPAを4質量部とジメチル 2,2−アゾビス(2−メチルプロピネート)0.1質量部添加し、重合を開始した。重合開始から1時間毎に2,2−アゾビス(2−メチルプロピネート)0.4質量部を計3回添加した。重合開始から6時間後、PGME50質量部を添加し、室温まで冷却した。
重合物を10時間程度放置した後、フラスコ内の酸素濃度が20%程度にもどっていることを確認した後、フラスコ内にMEHQ0.1質量部とGMA25質量部とPGME100質量部を追加し、95℃まで昇温した。ついで、フラスコの内容物を95℃に維持しながらTEAを1質量部添加、7時間後、室温まで冷却して、ポリマー(E)を得た。ポリマー濃度は38%であった。
得られた重合物の重量平均分子量は2.7万で、樹脂酸価は130mgKOH/gであった。二重結合の含有量は17モル%であった。
【0098】
[合成例6]
合成例5で仕込むモノマー量を、MMA60質量部から40質量部、MAA40質量部からMAA65質量部、GMA25質量部から75質量部へと変更した以外は、合成例5と同様の操作を行い、ポリマー濃度38%のポリマー(F)を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は2.7万で、樹脂酸価は71mgKOH/gであった。二重結合の含有量は46モル%であった。
【0099】
[合成例7]
合成例5で仕込むモノマー量を、MMA60質量部から5質量部、MAA40質量部からMAA65質量部、GMA25質量部から93質量部へと変更した以外は、合成例5と同様の操作を行い、ポリマー濃度38%のポリマー(G)を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は2.7万で、樹脂酸価は35mgKOH/gであった。二重結合の含有量は81モル%であった。
【0100】
[合成例8]
合成例5で仕込むモノマー量を、MMA60質量部から40質量部、MAA40質量部からMAA80質量部、GMA25質量部から105質量部へと変更した以外は、合成例5と同様の操作を行い、ポリマー濃度38%のポリマー(H)を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は2.7万で、樹脂酸価は47mgKOH/gであった。二重結合の含有量は56モル%であった。
【0101】
2.レジストの配合方法
以下に示す配合にてレジストA〜Jを調製した。
【0102】
(レジストA)
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーA 含有量4質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)日本化薬製 含有量14質量%
開始剤:製品名イルガキュア907、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂:製品名GT401 ダイセル化学工業製 含有量1質量%
【0103】
(レジストB)
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーB 含有量4質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 DPPA(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)日本化薬製 含有量14質量%
開始剤:製品名イルガキュア907、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量1質量%
【0104】
(レジストC)
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーC 含有量4質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)日本化薬製 含有量14質量%
開始剤:製品名イルガキュア907、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量1質量%
【0105】
(レジストD)
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーD 含有量4質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)日本化薬製 含有量14質量%
開始剤:製品名イルガキュア907、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量1質量%
【0106】
(レジストE)
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーA 含有量4質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 東亜合成株式会社製M408(DTMPTA;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート) 含有量14質量%
開始剤:製品名イルガキュア907、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量1質量%
【0107】
(レジストF)
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーE 含有量6質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 東亜合成株式会社製M408(DTMPTA;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート) 含有量7質量%
開始剤:製品名イルガキュア819、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量6質量%
【0108】
(レジストG)
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーF 含有量6質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 東亜合成株式会社製M408(DTMPTA;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート) 含有量7質量%
開始剤:製品名イルガキュア819、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量6質量%
【0109】
(レジストH)
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーF 含有量6質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)日本化薬製 含有量7質量%
開始剤:製品名イルガキュア819、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量6質量%
【0110】
(レジストI)
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーG 含有量6質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 東亜合成株式会社製M408(DTMPTA;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート) 含有量7質量%
開始剤:製品名イルガキュア819、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量6質量%
【0111】
(レジストJ)
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーH 含有量6質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)日本化薬製 含有量7質量%
開始剤:製品名イルガキュア819、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量6質量%
【0112】
[比較例1〜5]
上記で得られたレジストA〜Eについて、それぞれITO電極基板上に乾燥後の厚みが1.5μmとなるようにスピンコートし、90℃ホットプレート上にて3分間静置(予備乾燥)し、下記の条件で露光を行った。次いで、現像液として、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて60秒現像を行い、未硬化部の除去を行った。その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して、硬度層の単層膜を形成した。
【0113】
[比較例6〜10]
上記で得られたレジストF〜Jについて、それぞれITO電極基板上に乾燥後の厚みが1.0μmとなるようにスピンコートし、90℃ホットプレート上にて3分間静置(予備乾燥)し、下記の条件で露光を行った。次いで、現像液として、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて60秒現像を行い、未硬化部の除去を行った。その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して、密着層の単層膜を形成した。
【0114】
[実施例1]
上記で得られたレジストFをITO電極基板上に乾燥後の厚みが1.0μmとなるようにスピンコートし、90℃ホットプレート上にて3分間静置(予備乾燥)し、下記の条件で、露光を行った。次いで、現像液として、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて60秒現像を行い、未硬化部の除去を行った。その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して、密着層を形成した。
【0115】
(レジストF露光条件)
露光機:プロキシミティアライナ露光機
マスク:クロムマスク
露光ギャップ:150μm
光源:超高圧水銀灯
露光量:50mJ/cm
【0116】
次いで、上記で得られた基板上にレジストAを乾燥後の厚みが1.5μmとなるようにスピンコートし、90℃ホットプレート上にて3分間静置(予備乾燥)し、下記の条件で露光を行った。次いで、現像液として、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて60秒現像を行い、未硬化部の除去を行った。その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して、硬度層を形成し、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
【0117】
(レジストA露光条件)
露光機:プロキシミティアライナ露光機
マスク:クロムマスク
露光ギャップ:150μm
光源:超高圧水銀灯
露光量:50mJ/cm
【0118】
[実施例2]
硬度層に使用するレジストとしてレジストBを用いた以外は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
【0119】
[実施例3]
硬度層に使用するレジストとしてレジストCを用いた以外は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
【0120】
[実施例4]
硬度層に使用するレジストとしてレジストDを用いた以外は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
【0121】
[実施例5]
硬度層に使用するレジストとしてレジストEを用いた以外は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
【0122】
[実施例6]
密着層に使用するレジストとしてレジストGを用いた以外は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
【0123】
[実施例7]
密着層に使用するレジストとしてレジストHを用いた以外は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
【0124】
[実施例8]
密着層に使用するレジストとしてレジストIを用いた以外は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
【0125】
[実施例9]
密着層に使用するレジストとしてレジストJを用いた以外は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
【0126】
[評価]
比較例として作成した、レジストA〜Jの単層膜についてITO基板と保護層との密着性、および、保護層表面の鉛筆硬度、静摩擦係数、表面粗度について評価を行った結果を表1に示す。
同様に、実施例で得られた基板について評価を行った結果を表2に示す。
【0127】
(1)密着性
密着性の評価方法は、ITO電極基板上に形成した保護層について、JIS K 5600-5-6により行った。
【0128】
(2)鉛筆硬度
硬度の測定方法は、ITO電極基板上に形成した保護層について、JIS K 5600−5−4の規定に基づいて測定した。
【0129】
(3)静摩擦係数
静摩擦係数は、ガラス上に製膜したレジストについて新東科学株式会社製 HEIDON トライボギア ミューズ TYPE:94iを用いて測定した。
【0130】
(4)表面粗度
表面粗度の測定方法は、JIS B 0601の規定に基づいて測定した。
【0131】
【表1】

【0132】
【表2】

【0133】
表2に示すように、実施例1〜9で得られた保護層については、密着性および硬度の両者に優れていることが確認できた。
【0134】
また、比較例1〜10では、硬度層用レジスト、密着層用レジストいずれかの単層では、鉛筆硬度と密着性が両立しているものは無かった。すなわち、単層では鉛筆硬度と密着性とを両立させることができなかった。
ここで、比較例について詳細に検討した。その結果、比較例1〜4については鉛筆硬度4H、5Hと良好だが、密着性が2〜4と劣る結果となった。これは、不飽和二重結合含有量が55〜88モル%と大きく、モノマー官能基数が5,6と大きいため、硬化収縮が大きくなるために密着性が劣るものとなったと思われる。比較例5では密着性が1と良いが、鉛筆硬度が2Hと劣る結果となった。不飽和二重結合含有量が88モル%と大きいが、モノマー官能基数が4と小さいことにより、硬度不足となっていると推察される。比較例6〜8では、密着性が0、1と良いが、鉛筆硬度がH、2Hと不足していた。不飽和二重結合含有量が50モル%未満と小さいことにより、モノマー官能基数が5,6と大きいものであっても硬度不足となっていると推察される。比較例9では密着性が1と良いが、鉛筆硬度がHと不足した。不飽和二重結合含有量が81モル%と大きいが、モノマー官能基数が4とやや小さいために硬度不足となっていると推察される。比較例10では密着性が2と低下し、鉛筆硬度が2Hと不足した。不飽和二重結合含有量が56モル%と小さいことにより、モノマー官能基数が6と大きくても硬度不足となっているものと推察される。比較例1〜3、5と4の比較では、比較例4に対し、フッ素含有モノマーを添加した比較例1〜3、5は静摩擦係数を0.27〜0.35の範囲内と低いものとすることができた。比較例1〜4と比較例6〜9では、エポキシ樹脂30%添加の比較例6〜10にて、エポキシ樹脂5%添加の比較例1〜4より密着性が良好であった。
【0135】
さらに、実施例について詳細に検討した。その結果、実施例1、2では密着性、鉛筆硬度とも良好であった。実施例3では密着性が良好であったが、鉛筆硬度が3Hとやや低いものとなった。実施例1との比較にて硬度層ポリマーの不飽和二重結合含有量が低く、硬度に影響しているものと推察される。実施例4では、密着性、鉛筆硬度とも良好であった。実施例5では密着性は良好であったが、鉛筆硬度が2Hと低いものとなった。実施例1との比較にて、硬度層レジストのモノマー官能基数が4と小さく、硬度に影響していると推察される。実施例6,7では密着性、鉛筆硬度とも良好であった。実施例8では、密着層ポリマーの不飽和二重結合含有量が多いが、密着層レジストのモノマー官能基数が4であり、密着性の低下は見られなかった。また、鉛筆硬度も良好であった。実施例9では、鉛筆硬度は良好だが、密着性が2とやや低い結果となった。密着層ポリマーの不飽和二重結合含有量が高く、また、密着層レジストモノマー官能基数が6と大きいことにより、密着性に影響しているものと推察される。
【符号の説明】
【0136】
1 … 透明基板
10 … タッチパネルセンサ層
11 … 第1透明電極
12 … 電極間絶縁層
13 … 第2透明電極
14 … 取り出し電極
20 … 保護層
21 … 密着層
22 … 硬度層
30 … タッチパネル
31 … 遮光部
32 … 着色層
40 … カラーフィルタ
50 … タッチパネル付カラーフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板の一方の表面上に形成されたタッチパネルセンサ層および前記タッチパネルセンサ層上に形成された保護層を有するタッチパネルと、
前記透明基板の他方の表面上に形成されたカラーフィルタと、
を有するタッチパネル付カラーフィルタであって、
前記保護層は、密着層用樹脂からなりパターン状に形成された密着層および硬度層用樹脂からなりパターン状に形成された硬度層がこの順に積層されたものであることを特徴とするタッチパネル付カラーフィルタ。
【請求項2】
前記硬度層の静摩擦係数が、0.25〜0.37の範囲内であり、鉛筆硬度が4H以上であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル付カラーフィルタ。
【請求項3】
前記密着層の前記タッチパネルセンサ層に対する密着力が、JIS K 5600-5-6で規定するクロスカット評価にてクロスカット部分で評価分類0または1であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタッチパネル付カラーフィルタ。
【請求項4】
前記硬度層用樹脂が、不飽和二重結合を有する構成単位(1)を有する硬度層形成用ポリマーおよび硬度層形成用多官能性モノマーを含む硬度層形成用組成物を用いてなるものであり、
前記密着層用樹脂が、不飽和二重結合を有する構成単位(1)を有する密着層形成用ポリマーを含む密着層形成用組成物を用いてなるものであり、
前記硬度層形成用ポリマーの前記構成単位(1)の含有量が前記硬度層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の70モル%以上であり、前記硬度層形成用多官能性モノマーの官能基数が、5以上であり、
前記密着層形成用ポリマーの前記構成単位(1)の含有量が前記密着層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の50モル%以下であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のタッチパネル付カラーフィルタ。
【請求項5】
前記硬度層用樹脂が、不飽和二重結合を有する構成単位(1)を有する硬度層形成用ポリマーおよび硬度層形成用多官能性モノマーを含む硬度層形成用組成物を用いてなるものであり、
前記密着層用樹脂が、密着層形成用多官能性モノマーを含む密着層形成用組成物を用いてなるものであり、
前記硬度層形成用ポリマーの前記構成単位(1)の含有量が前記硬度層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の70モル%以上であり、
前記硬度層形成用多官能性モノマーの官能基数が、5以上であり、
前記密着層形成用多官能性モノマーの官能基数が、2〜4の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のタッチパネル付カラーフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−220642(P2012−220642A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84882(P2011−84882)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】