説明

タッチパネル入力装置および処理実行方法

【課題】ユーザにとって無駄な操作をできるだけなくし利便性を向上させることを可能にする「タッチパネル入力装置および処理実行方法」を提供する。
【解決手段】タッチパネル画面に表示された複数の操作キーの多重押しが状態判定部(多重押し検知部)200により検知された場合、操作制御部(第1処理実行制御部)220が当該複数の操作キーのうちいずれか1つに対応付けられた処理の実行を制御し、待機部240が他の操作キーに対応付けられた処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する状態に設定し、その後選択指示が受け付けられた場合、操作制御部(第2処理実行制御部)220がその選択指示に対応する処理の実行を制御することにより、多重押しの後に続けて、他の操作キーに対応付けられた処理の実行を選択指示できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル入力装置および処理実行方法に関し、特に、タッチパネル画面に操作キーを表示し、所定の操作キーを押して処理の実行を制御するタッチパネル入力装置および処理実行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネル画面に表示される操作キーをユーザが押すことで、押された操作キーに応じた操作信号を発生して、各種電子機器における処理の実行を制御するタッチパネル入力装置が知られている。ここで、タッチパネル入力装置としては、抵抗膜方式、光学方式、静電容量方式などの方式によるものが知られている。
【0003】
また、タッチパネル入力装置としては、タッチパネル画面上において互いに近い位置に表示されている複数の操作キーがタッチ入力により選択されても、その複数の操作キーの中からユーザが意図する操作キーを効率的に特定できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この特許文献1に記載のタッチパネル入力装置は、ユーザがタッチ入力した複数の操作キーの候補に優先順位をつけ、当該優先順位とタッチ入力の解析結果とに基づいて、複数の操作キーの候補の中からユーザが意図する一つの操作キーを特定する。
【特許文献1】特開平5−66885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最近の車載機器(例えば、ナビゲーション装置やAV装置)には、上述したタッチパネル入力装置を採用した製品が増えている。しかしながら、車載機器に採用されているタッチパネル入力装置が備えるタッチパネル画面は、画面サイズが小さいので操作キーも小さくなる。また、タッチパネル画面において、複数の操作キーが近接している。しかも、車両の走行時に振動が生じるため、狙った位置に指を合わせづらい。よって、ユーザは、タッチパネル画面において意図する操作キーを上手く押せずに複数の操作キーにまたがって多重押ししてしまうことがある。この場合、ユーザにとって意図しない操作キーに対応付けられた処理が実行されることがある。
【0005】
上記したように、タッチパネル画面を搭載した車両に振動が生じる場合、ユーザの指は意図に反した動きになることがある。したがって、特許文献1のようにたとえタッチ入力の解析結果等を利用したとしても、必ずしもユーザの意図する操作キーを特定できるとは限らない。
【0006】
ユーザの意図しない操作キーに対応付けられた処理が実行されてしまった場合、ユーザは、わざわざ前の操作画面に戻って意図する操作キーを押し直す必要がある。そのため、誤ったユーザ操作(複数の操作キーの多重押し)による実行処理を取り消して、意図する操作キーに対応付けられた処理を実行し直すために、ユーザにとって無駄な操作が発生してしまい、当該ユーザの利便性を損なってしまうという問題があった。
【0007】
次に、以上の問題について図を用いて説明する。図13は、タッチパネル入力装置に接続されたディスプレイユニットの表示パネルに表示されるタッチパネル画面の一例を示す図である。図13に示すように、タッチパネル画面(操作画面)10には、いずれかのチャプターの映像再生処理の実行をユーザに選択させるための9つのサムネイル画像(操作キー)が表示されている。各サムネイル画像は、チャプターの先頭内容を示している。
【0008】
例えば、操作画面10において意図する操作キー(例えば、3番)を押すことでDVDに収録済みの映画のチャプターを再生する場合、間違って複数の操作キー(3番、6番)の多重押しをしてしまうと、ユーザにとって意図しない操作キー(6番)に対応付けられたチャプターが再生されてしまうことがある。この場合、ユーザはわざわざ前の操作画面10に戻って意図する操作キー(3番)を押し直すという無駄な操作が発生してしまい、ユーザの利便性を損なってしまう。
【0009】
また、操作画面10に表示されたサムネイル画像を見るだけでは、どのサムネイル画像が目的のチャプターか判らないとき、ある程度あたりをつけていずれかの操作キー(サムネイル画像)を試しに押してみることによって、その実行結果を確認してみることがある。しかしながら、再生されたチャプターが目的のチャプターでなかった場合、ユーザは、意図しないチャプターが再生されるごとに、わざわざ前の操作画面10に戻って他の操作キーを押し直す必要があるため、ユーザの利便性を損なってしまう。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、タッチパネル画面に表示された操作キーを押すことによって当該操作キーに対応付けられた処理を実行する場合において、複数の操作キーの多重押しによる意図しない処理の実行を取り消して、意図する操作キーに対応付けられた処理を実行し直すとき、ユーザにとって無駄な操作をできるだけなくしユーザの利便性を向上させることができるようにすることを目的とする。
【0011】
また、本発明は、タッチパネル画面に表示された操作キーを押すことによって当該操作キーに対応付けられた処理を実行する場合において、ユーザの意図する処理を確認して実行するとき、ユーザにとって無駄な操作をできるだけなくしユーザの利便性を向上させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した課題を解決するために、本発明では、タッチパネル画面に表示された複数の操作キーの多重押しが検知された場合、当該複数の操作キーのうち少なくとも1つに対応付けられた処理の実行を制御し、当該複数の操作キーのうち少なくとも1つに対応付けられた処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とし、選択指示が受け付けられた場合、当該選択指示が受け付けられた処理の実行を制御するようにしている。
【発明の効果】
【0013】
上記のように構成した本発明によれば、複数の操作キーを多重押ししてしまうことによりユーザの意図しない操作キーに対応付けられた処理が間違って実行されたとしても、多重押しの後に続けて、当該多重押しした複数の操作キーに対応付けられた処理の実行が選択指示できる状態になっている。よって、わざわざ前の操作画面に戻って意図する操作キーを押し直すことなく、複数の操作キーの多重押しによる意図しない処理の実行を取り消して、意図する操作キーに対応付けられた処理を実行し直すことができる。これにより、ユーザにとって無駄な操作をできるだけなくし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0014】
また、どの操作キーが目的の処理に対応する操作キーなのかわからない場合、ある程度あたりをつけて複数の操作キーを多重押しすれば、当該複数の操作キーに対応付けられた処理が一度に実行される。このとき、一度に実行されている処理の何れかを選択指示できる状態となっている。よって、多重押しにより目的の処理がどれなのか確認して、その多重押しに続けて意図する処理を選択指示するための操作を行うことにより、わざわざ前の操作画面に戻って別の操作キーを押し直すことなく、ユーザの意図する目的の処理を実行することができる。よって、ユーザの意図する処理を確認して実行するとき、ユーザにとって無駄な操作をできるだけなくし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態によるタッチパネル入力装置120を含むDVD再生システム100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、DVD再生システム100は、タッチパネル入力装置120、ディスプレイ140、DVD再生装置160および計時装置180を備えて構成されている。また、タッチパネル入力装置120は、状態判定部200、操作制御部220、待機部240および選択指示受付部260を備えて構成されている。また、ディスプレイ140は、表示パネル280、タッチパネル300および操作検出部320を備えて構成されている。
【0016】
DVD再生装置160は、複数の操作キー(いずれかのチャプターの映像再生処理の実行をユーザに選択させるためのサムネイル画像)を含む操作メニューや、DVD再生システム100のアプリケーションとして利用されるDVD再生画像などを生成し、それらの表示パネル280上での表示を制御する。また、ディスプレイ140を構成する表示パネル280は、DVD再生装置160により生成された操作メニューやDVD再生画像などを表示する。
【0017】
タッチパネル300は、表示パネル280に表示された操作メニュー中の操作キーや後述するアイコンに対するユーザの操作を受け付けるものである。また、操作検出部320は、タッチパネル300上の任意の位置がユーザにより押された場合に、タッチパネル300上における押下位置を検出し、その押下位置を示す押下位置情報を状態判定部200に出力する。
【0018】
状態判定部200は、操作検出部320から出力された押下位置情報を入力する。また、状態判定部200は、表示パネル280に表示された操作メニュー中の操作キー(サムネイル画像)に対応するタッチパネル300上の位置がユーザにより押された場合、操作検出部320から入力した押下位置情報に対応付けられた操作キーを示す操作キー情報を操作制御部220に出力する。なお、状態判定部200は、押下位置情報と操作キー情報との対応関係が定義されたテーブル(図示せず)を有している。
【0019】
また、状態判定部200は、特許請求の範囲の多重押し検知部の機能を備えている。すなわち、状態判定部200は、操作検出部320から入力した押下位置情報に基づいてタッチパネル300に対して多重押しがされたか否かについて判定する。例えば、状態判定部200が操作検出部320から複数の押下位置情報をほぼ同じタイミングに入力した場合には、状態判定部200は、タッチパネル300に対して多重押しがされたと判定する。また、状態判定部200が操作検出部320から複数の押下位置情報をほぼ同じタイミングに入力していない(すなわち、1つの押下位置情報のみを入力した)場合には、状態判定部200は、タッチパネル300に対して多重押しがされていないと判定する。
【0020】
状態判定部200にてタッチパネル300に対して多重押しがされたと判定した場合、状態判定部200は、当該多重押しがされた旨を示す多重押し通知情報を計時装置180に出力する。さらに、状態判定部200は、操作検出部320から入力した複数の押下位置情報に対応付けられた複数の操作キー情報を操作制御部220および待機部240に出力する。
【0021】
また、状態判定部200は、後述する待機部240により表示パネル280に表示されたアイコンに対応するタッチパネル300上の位置がユーザにより押された場合、タッチパネル300上における押下位置を示す押下位置情報を操作検出部320から入力し、その入力した押下位置情報により示されるアイコンに対応付けられた操作キー情報を選択指示受付部260に出力する。
【0022】
なお、状態判定部200は、多重押しがされたことを検知したときにそのことを示す多重押し検知情報を保持することにより、当該多重押し検知情報の有無によって、タッチパネル300上でユーザにより押された位置が操作メニュー中の操作キー(サムネイル画像)に対応するのか表示パネル280に表示されたアイコンに対応するのかを判別する。
【0023】
計時装置180は、状態判定部200から多重押し通知情報を入力した時点からの経過時間を計測し、当該計測した経過時間を示す経過時間情報を待機部240に出力する。以下、計時装置180が状態判定部200から多重押し通知情報を入力した時点を「多重押しが検知された時点」と定義する。
【0024】
操作制御部220は、特許請求の範囲の第1処理実行制御部および第2処理実行制御部の機能を備えている。操作制御部220は、状態判定部200から操作キー情報を入力し、当該入力した操作キー情報により示される処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160に出力する。なお、操作制御部220は、操作キー情報とDVD再生装置160を制御する操作信号との対応関係が定義されたテーブル(図示せず)を有している。
【0025】
また、操作制御部220が状態判定部200から複数の操作キー情報を入力した場合(すなわち、タッチパネル300に対して多重押しがされた場合)、第1処理実行制御部は、当該複数の操作キー情報のうちいずれか1つの操作キー情報を選択し、当該選択した操作キー情報に応じた映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160に出力する。また、第1処理実行制御部は、実行するものとして選択した操作キーを示す実行操作キー情報を待機部240に出力する。
【0026】
状態判定部200から複数の操作キー情報を入力した場合の選択は、例えば以下のようにして行う。すなわち、第1処理実行制御部は、複数の操作キー情報のうちいずれか1つの操作キー情報を選択する際の優先順位が定義された優先順位テーブル(図示せず)を参照して、当該複数の操作キー情報のうち最も優先順位の高い操作キー情報を選択する。なお、操作制御部220は優先順位テーブルを有している。
【0027】
また、操作制御部220は、選択指示受付部260から後述する選択操作キー情報を入力する。選択操作キー情報を入力した場合、第1処理実行制御部は、実行中の映像再生処理を中止するための制御信号をDVD再生装置160に出力する。また、第2処理実行制御部は、選択指示受付部260から入力した選択操作キー情報に示される操作キーに応じた映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160に出力する。
【0028】
待機部240は、状態判定部200から複数の操作キー情報を入力する。また、待機部240は、操作制御部220から実行操作キー情報を入力する。また、待機部240は、計時装置180から経過時間情報を入力する。待機部240は、状態判定部200から複数の操作キー情報を入力した場合、多重押しが検知された時点から所定の時間(例えば、2秒)だけ、状態判定部200から入力した複数の操作キー情報のうち、操作制御部220から入力した実行操作キー情報以外の少なくとも1つに応じた映像再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とする。以下、待機状態となっている少なくとも1つの操作キーを待機状態操作キーという。
【0029】
例えば、待機部240が状態判定部200から2つの操作キー情報を入力した場合(すなわち、2つの操作キーが多重押しされた場合)、待機部240は、2つの操作キー情報により示される2つの操作キーのうち、操作制御部220から入力した実行操作キー情報に示される操作キーとは異なる1つの操作キーに応じた映像再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する状態に設定する。
【0030】
また、待機部240が状態判定部200から3つの操作キー情報を入力した場合(すなわち、3つの操作キーが多重押しされた場合)、待機部240は、3つの操作キー情報により示される3つの操作キーのうち、操作制御部220から入力した実行操作キー情報に示される操作キーとは異なる2つの操作キーに応じた映像再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する状態に設定する。
【0031】
また、待機部240は、待機状態に設定するときに、待機状態操作キーに応じた映像再生処理の実行をユーザに選択させるためのアイコンを生成して表示パネル280に表示する。例えば、待機部240は、状態判定部200から2つの操作キー情報を入力した場合、多重押しされた2つの操作キーのうち操作制御部220から入力した実行操作キー情報に示される操作キーとは異なる1つの待機状態操作キーに応じた映像再生処理の実行をユーザに選択させるためのアイコンを生成して表示パネル280に表示する。
【0032】
また、待機部240は、状態判定部200から3つの操作キー情報を入力した場合、多重押しされた3つの操作キーのうち操作制御部220から入力した実行操作キー情報に示される操作キーとは異なる2つの待機状態操作キーに応じた映像再生処理の実行をユーザに選択させるための2つのアイコンを生成して表示パネル280に表示する。このとき、待機部240は、生成した2つのアイコンを同時に表示(すなわち、2つの待機状態操作キーに応じた映像再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを同じタイミングで待機する状態に設定)しても良いし、2つのアイコンを一定時間ずつ順に表示(すなわち、2つの待機状態操作キーに応じた映像再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを時間をずらしながら順番に待機する状態に設定)しても良い。
【0033】
また、待機部240は、計時装置180から入力した経過時間情報を参照して、多重押しが検知された時点から表示パネル280に表示したアイコンがユーザに押されることなく所定の時間が経過した場合、待機状態の設定を解除して、表示パネル280に表示していたアイコンを消去する。
【0034】
また、待機部240は、待機状態に設定したときに、少なくとも1つの待機状態操作キーを示す待機状態操作キー情報を選択指示受付部260に出力する。例えば、待機部240が状態判定部200から2つの操作キー情報を入力した場合、待機部240は、1つの待機状態操作キーを示す待機状態操作キー情報を選択指示受付部260に出力する。
【0035】
また、待機部240は、状態判定部200から3つの操作キー情報を入力した場合、2つの待機状態操作キーを示す待機状態操作キー情報を選択指示受付部260に出力する。このとき、生成した2つのアイコンを表示パネル280に同時に表示するときには、当該2つのアイコンに対応する2つの待機状態操作キーを示す2つの待機状態操作キー情報を選択指示受付部260に同時に出力する。一方、生成した2つのアイコンを一定時間ずつ順に表示するときには、待機部240は、当該2つのアイコンに対応する2つの待機状態操作キーを示す2つの待機状態操作キー情報を1つずつ順にアイコンの表示時間と合わせて選択指示受付部260に出力する。
【0036】
選択指示受付部260は、待機部240から待機状態操作キー情報を入力し、当該入力した待機状態操作キー情報に示される待機状態操作キーに応じた映像再生処理の実行に関するユーザの選択指示入力を受け付ける。具体的には、選択指示受付部260は、待機部240により表示パネル280に表示されたアイコンが押された場合に、当該押されたアイコンに対応する待機状態操作キーに応じた映像再生処理の実行に関する選択指示を受け付ける。
【0037】
具体的に説明すると、待機部240により表示パネル280に表示されたアイコンに対応するタッチパネル300上の位置がユーザにより押された場合、操作検出部320は、タッチパネル300上における押下位置を示す押下位置情報を状態判定部200に出力する。状態判定部200は、多重押し検知情報が保持されているか否かを参照することにより、タッチパネル300上でユーザにより押された位置が表示パネル280に表示されたアイコンの位置に対応すると判別した場合、操作検出部320から入力した押下位置情報に対応付けられている操作キー情報を選択指示受付部260に出力する。選択指示受付部260は、状態判定部200から操作キー情報を入力した場合に、当該入力した操作キー情報により示される操作キーに応じた映像再生処理の実行に関する選択指示を受け付ける。
【0038】
また、選択指示受付部260は、状態判定部200から入力した操作キー情報により示される操作キーを示す選択操作キー情報を操作制御部220に出力する。操作制御部220が選択操作キー情報を入力した場合、第1処理実行制御部は、実行中の映像再生処理を中止するための制御信号をDVD再生装置160に出力する。また、第2処理実行制御部は、選択指示受付部260から入力した選択操作キー情報に示される操作キーに応じた映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160に出力する。
【0039】
次に、上記のように構成した第1の実施形態によるタッチパネル入力装置120の動作の概要について図を用いて説明する。図2は、第1の実施形態によるタッチパネル入力装置120の表示パネル280に表示されるタッチパネル画面の一例を示す図である。図2(a)において、タッチパネル画面400には、いずれかのチャプターの映像再生処理の実行をユーザに選択させるための9つのサムネイル画像(操作キー)が表示されている。ユーザは、いずれかの操作キーに割り当てられた領域内の任意位置を押すことで、ユーザが意図するチャプターの映像再生処理を実行することができる。
【0040】
ここで、ユーザが意図に反して「チャプター5」および「チャプター8」に対応付けられた2つの操作キーを多重押ししてしまった場合(ユーザの指420を参照)には、状態判定部200は、「チャプター5」および「チャプター8」に対応付けられた2つの操作キーを示す2つの操作キー情報を操作制御部220に出力する。操作制御部220の第1処理実行制御部は、状態判定部200から入力した2つの操作キー情報により示される2つの操作キーのうち優先順位が高い方の操作キーを選択し、当該選択した操作キーに対応付けられたチャプターの映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160に出力する。
【0041】
図2(b)に示す例では、上記した優先順位テーブルに従って「チャプター5」の映像再生処理を行うようにDVD再生装置160を制御する操作信号が操作制御部220により出力される。DVD再生装置160は、操作制御部220から操作信号を入力し、「チャプター5」のDVD再生画像を生成して表示パネル280に表示する。
【0042】
図2(a)のように多重押しがされた場合、状態判定部200は、「チャプター5」および「チャプター8」に対応付けられた2つの操作キーを示す2つの操作キー情報を待機部240に出力する。また、操作制御部220は、第1処理実行制御部により選択された「チャプター5」に対応付けられた操作キーを示す実行操作キー情報を待機部240に出力する。これを受けて、待機部240は、「チャプター8」に対応付けられた操作キーに応じた映像再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する状態に設定する。具体的には、図2(b)に示すように、「チャプター8」に対応付けられた操作キーに応じた映像再生処理の実行をユーザに選択させるためのアイコン460をタッチパネル画面440に表示する。また、待機部240は、「チャプター8」に対応付けられた操作キーを示す待機状態操作キー情報を選択指示受付部260に出力する。
【0043】
もし、「チャプター5」および「チャプター8」に対応付けられた2つの操作キーが多重押しされた時点から、タッチパネル画面440に表示されたアイコン460が押されることなく所定の時間(2秒)が経過した場合には、待機部240は、タッチパネル画面440に表示していたアイコン460を消去するとともに、「チャプター8」に対応付けられた操作キーに応じた映像再生処理の実行の待機状態を解除する。具体的には、図2(c)に示すように、タッチパネル画面440に表示されていたアイコン460が消去される(待機部240により成された待機状態が終了する)。そして、待機部240は、「チャプター8」に対応付けられた操作キーに応じた映像再生処理の実行の待機状態を解除した旨を選択指示受付部260に通知する。
【0044】
一方、「チャプター5」および「チャプター8」に対応付けられた2つの操作キーが多重押しされた時点から所定の時間が経過する前に、タッチパネル画面440に表示されたアイコン460がユーザにより押された場合には、選択指示受付部260は、「チャプター8」に対応付けられた操作キーを示す選択操作キー情報を操作制御部220に出力する。
【0045】
これを受けて、操作制御部220の第1処理実行制御部は、「チャプター5」の映像再生処理を中止するための操作信号をDVD再生装置160に出力する。また、第2処理実行制御部は、選択指示受付部260から入力した選択操作キー情報に対応付けられた「チャプター8」の映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160に出力する。これにより、DVD再生装置160は、「チャプター8」のDVD再生画像を生成して表示パネル280に表示する。具体的には、図2(d)に示すように、「チャプター5」に代えて「チャプター8」の映像が再生される。
【0046】
次に、第1の実施形態におけるタッチパネル入力装置120の動作の詳細について図を用いて説明する。図3は、第1の実施形態によるタッチパネル入力装置120の動作例を示すフローチャートである。図3におけるステップS100の処理は、タッチパネル300上の各操作キー(サムネイル画像)に割り当てられた領域内の任意位置がユーザに押された場合、状態判定部200が操作検出部320から出力された押下位置情報を入力することによって開始する。
【0047】
まず、状態判定部200は、タッチパネル300に対して多重押しがされたか否かについて判定する(ステップS100)。もし、タッチパネル300に対して多重押しがされていないと状態判定部200にて判定した場合(ステップS100にてNO)、状態判定部200は、操作検出部320から入力した押下位置情報に対応付けられた操作キー情報を操作制御部220に出力する。操作制御部220は、状態判定部200から入力した操作キー情報に示される操作キーに応じたチャプターの映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160に出力する(ステップS120)。ステップS120における処理が終了した後、タッチパネル入力装置120における処理は終了する。
【0048】
一方、タッチパネル300に対して多重押しがされたと状態判定部200にて判定した場合(ステップS100にてYES)、状態判定部200は、複数の操作キー情報を操作制御部220に出力する。これを受けて、操作制御部220の第1処理実行制御部は、多重押しされた複数の操作キーのうちいずれか1つを選択し、当該選択した操作キーに応じたチャプターの映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160に出力する(ステップS140)。
【0049】
次に、待機部240は、多重押しされた複数の操作キーのうちステップS140にて操作制御部220により選択された操作キー以外の操作キーに応じたチャプターの映像再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とする(ステップS160)。例えば、待機部240が状態判定部200から2つの操作キー情報を入力した場合、待機部240は、操作制御部220から入力した実行操作キー情報に示される操作キーとは異なる1つの操作キーに応じた映像再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する状態に設定する。
【0050】
次に、操作制御部220は、待機状態操作キーに応じたチャプターの映像再生処理の実行に関するユーザの選択指示が選択指示受付部260により受け付けられたか否かについて判定する(ステップS180)。もし、選択指示受付部260によりユーザの選択指示が受け付けられたと操作制御部220にて判定した場合(ステップS180にてYES)、待機部240は待機状態の設定を解除する(ステップS200)。次に、操作制御部220の第1処理実行制御部は、ステップS140にて実行された映像再生処理の中止を制御するための制御信号をDVD再生装置160に出力する(ステップS220)。次に、操作制御部220は、ステップS180にて選択された映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160に出力する(ステップS240)。ステップS240における処理が終了した後、タッチパネル入力装置120における処理は終了する。
【0051】
一方、選択指示受付部260によりユーザの選択指示が受け付けられていないと操作制御部220にて判定した場合(ステップS180にてNO)、待機部240は、計時装置180から入力した経過時間情報を参照して、多重押しが検知された時点から所定の時間(例えば、2秒)が経過したか否かについて判定する(ステップS260)。もし、多重押しが検知された時点から所定の時間が経過していないと待機部240にて判定した場合(ステップS260にてNO)、ステップS180に戻る。
【0052】
一方、多重押しが検知された時点から所定の時間が経過したと待機部240にて判定した場合(ステップS260にてYES)、待機部240は、ステップS160にて設定した待機状態を解除する(ステップS280)。ステップS280における処理が終了した後、タッチパネル入力装置120における処理は終了する。
【0053】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、複数の操作キーの多重押しが検知された場合、当該複数の操作キーのうちいずれか1つに対応付けられた映像再生処理の実行を制御し、他の操作キーに対応付けられた映像再生処理の実行をユーザが選択指示するためのアイコン460を表示して、アイコン460が押されるのを待機する。その後、アイコン460が押された場合には、そのアイコン460の押下により選択された映像再生処理の実行に切り替える。
【0054】
これにより、複数の操作キーを多重押ししてしまうことによりユーザの意図しない操作キーに対応付けられたチャプターの映像再生処理が間違って実行されたとしても、多重押しの後に続けて、当該多重押しされた他の操作キーに対応付けられた他のチャプターの映像再生処理の実行をアイコン460の押下により指示することができる。よって、わざわざ前の操作画面に戻って意図する操作キーを押し直すことなく、意図しない映像再生処理の実行を取り消して、意図する操作キーに対応付けられた映像再生処理を実行し直すことができる。これにより、ユーザにとって無駄な操作をできるだけなくし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0055】
また、第1の実施形態によれば、多重押しが検知された時点から所定の時間(2秒)だけ待機状態に設定されるので、多重押しがされた場合でもユーザの意図するチャプターの映像が再生された場合には、そのまま何もせずにいれば良い。この場合、所定の時間が経過した時点で、表示パネル280に表示されていたアイコン460が消去される。このため、表示パネル280においていつまでも不要になったアイコン460が表示され続けるのをなくすことができる。
【0056】
なお、上記第1の実施形態では、操作制御部220が優先順位テーブルを参照して、多重押しされた複数の操作キーのうち最も優先順位の高い操作キーを選択する例について説明したが、いずれか1つの操作キーを選択する基準はこれに限定されない。例えば、操作検出部320がユーザにより押された押下面積を操作キー毎に検知可能な場合には、操作制御部220は、当該押下面積を示す面積情報を操作検出部320から入力し参照することによって、複数の操作キーのうち最も押下面積の大きい押下位置に対応付けられた操作キーを選択しても良い。
【0057】
また、操作検出部320がユーザにより押された際の押下圧力を操作キー毎に検知可能な場合には、操作制御部220は、当該押下圧力を示す押下圧力情報を操作検出部320から入力し参照することによって、複数の操作キーのうち最も押下圧力の大きい押下位置に対応付けられた操作キーを選択しても良い。また、操作検出部320がユーザにより押されたタイミングを操作キー毎に検知可能な場合には、操作制御部220は、当該タイミングを示すタイミング情報を操作検出部320から入力し参照することによって、複数の操作キーのうち最も押されたタイミングの早い押下位置に対応付けられた操作キーを選択しても良い。
【0058】
また、上記第1の実施形態では、待機部240が表示パネル280にアイコン460を表示することによって待機状態を設定する例について説明したが、待機状態の態様はこれに限定されない。例えば、表示パネル280にアイコン460を表示せずに、タッチパネル300に設定した受付領域内の任意位置が押された場合に選択指示を受け付けるようにしても良い。ここで、受付領域は、図2の例で言うとタッチパネル画面440の全体に該当する。また、タッチパネル画面の一部に早送りや停止などの操作メニューも併せて表示されている場合には、その操作メニューが表示されている以外の領域を受付領域とする。
【0059】
また、上記第1の実施形態では、待機部240は、状態判定部180により多重押しが検知された時点から所定の時間だけ待機状態とする例について説明したが、待機部240は、状態判定部180により多重押しが検知された時点から時間を限定せずに待機状態とするようにしても良い。これは、アイコンを非表示にして受付領域を設ける場合に特に有効である。
【0060】
また、第1の実施形態では、操作画面において意図する操作キーを押すことでDVDに収録済みの映画のチャプターを再生する例について説明したが、操作画面において意図する操作キーを押すことで放送局から受信した放送データを再生するようにしても良い。具体的には、DVD再生装置160に代えてTVチューナーを備える。TVチューナーは、いずれかの放送局から受信した放送データの再生処理の実行をユーザに選択させるための複数(例えば、9つ)の動画像または静止画像(操作キー)をタッチパネル画面(操作画面)に表示するように制御する(マルチウィンドウ)。ユーザは、いずれかの操作キーに割り当てられた領域内の任意位置を押すことで、ユーザが意図する放送局から受信した放送データの再生処理を実行することができる。
【0061】
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図4は、第2の実施形態によるタッチパネル入力装置120を含むナビゲーションシステム100aの構成例を示すブロック図である。なお、この図4において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同様の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。第2の実施形態においては、図1のDVD再生装置160の代わりにナビゲーション装置160aを備えている。
【0062】
ナビゲーション装置160aは、複数の操作キー(いずれかの文字の入力処理の実行をユーザに選択させるためのキー)を含む目的地入力画面画像を生成し、その表示パネル280上での表示を制御する。また、ディスプレイ140を構成する表示パネル280は、ナビゲーション装置160aにより生成された目的地入力画面画像を表示する。
【0063】
図5は、第2の実施形態によるタッチパネル入力装置120の表示パネル280に表示されるタッチパネル画面の一例を示す図である。図5(a)において、タッチパネル画面500には、ナビゲーション装置160aが備えるルート探索機能を用いて目的地までの道順を検索する場合に当該目的地を指定する文字(アルファベット)を入力するための操作キー(文字「A」〜「Z」)が表示されている。ユーザは、いずれかの操作キー(文字)に割り当てられた領域内の任意位置を押すことで、ユーザが意図する文字の入力処理を実行することができる。
【0064】
ここで、ユーザが意図に反して文字「B」および「K」に対応付けられた2つの操作キーを多重押ししてしまった場合(ユーザの指520を参照)には、状態判定部200は、文字「B」および「K」に対応付けられた2つの操作キーを示す2つの操作キー情報を操作制御部220に出力する。操作制御部220の第1処理実行部は、状態判定部200から入力した2つの操作キー情報により示される2つの操作キーのうち優先順位が高い方の操作キーを選択し、当該選択した操作キーに応じた文字入力処理を行うように制御する操作信号をナビゲーション装置160aに出力する。
【0065】
図5(b)に示す例では、上記した優先順位テーブルに従って文字「B」の入力処理を行うようにナビゲーション装置160aを制御する操作信号が操作制御部220により出力される。ナビゲーション装置160aは、操作制御部220から操作信号を入力し、文字「B」を入力した目的地入力画面画像を生成して表示パネル280に表示する。
【0066】
図5(a)のように多重押しがされた場合、状態判定部200は、文字「B」および「K」に対応付けられた2つの操作キーを示す2つの操作キー情報を待機部240に出力する。また、操作制御部220は、第1処理実行制御部により選択された文字「B」に対応付けられた操作キーを示す実行操作キー情報を待機部240に出力する。これを受けて、待機部240は、多重押しされた他の文字「K」の文字入力処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する状態に設定する。具体的には、図5(b)に示すように、文字「K」の文字入力処理の実行をユーザに選択させるためのアイコン540をタッチパネル画面560に表示する。また、待機部240は、文字「K」に対応付けられた操作キーを示す待機状態操作キー情報を選択指示受付部260に出力する。
【0067】
もし、文字「B」および「K」に対応付けられた2つの操作キーが多重押しされた時点から、タッチパネル画面560に表示されたアイコン540が押されることなく所定の時間(2秒)が経過した場合には、待機部240は、タッチパネル画面560に表示していたアイコン540を消去するとともに待機状態の設定を解除する。具体的には、図5(c)に示すように、タッチパネル画面560に表示されていたアイコン540が消去される(待機部240により設定された待機状態が解除される)。そして、待機部240は、文字「K」に対応付けられた操作キーに応じた文字入力処理の実行の待機状態を解除した旨を選択指示受付部260に通知する。
【0068】
一方、文字「B」および「K」に対応付けられた2つの操作キーが多重押しされた時点から所定の時間が経過する前にタッチパネル画面560に表示されたアイコン540(文字「K」に対応)がユーザにより押された場合、選択指示受付部260は、文字「K」に対応付けられた操作キーを示す選択操作キー情報を操作制御部220に出力する。
【0069】
これを受けて、操作制御部220の第1処理実行制御部は、文字「B」の文字入力処理を取り消すための操作信号をナビゲーション装置160aに出力する。また、第2処理実行制御部は、文字「K」の文字入力処理を行うための操作信号をナビゲーション装置160aに出力する。これにより、ナビゲーション装置160aは、文字「B」を消して文字「K」を入力した目的地入力画面画像を生成して表示パネル280に表示する。具体的には、図5(d)に示すように、文字「B」に代えて文字「K」が目的地入力画面画像に表示される。
【0070】
図6は、第2の実施形態によるタッチパネル入力装置120の表示パネル280に表示されるタッチパネル画面の他の例を示す図である。図6(a)において、タッチパネル画面600には、ナビゲーション装置160aが備えるルート探索機能を用いて目的地までの道順を検索する場合に所望の検索メニューを起動するための操作キー(「名前」、「電話番号」、「住所」)が表示されている。ユーザは、いずれかの操作キー(検索メニュー)に割り当てられた領域内の任意位置を押すことで、ユーザが意図する検索メニューの起動処理を実行することができる。
【0071】
ここで、ユーザが意図に反して検索メニュー「名前」および「電話番号」に対応付けられた2つの操作キーを多重押ししてしまった場合(ユーザの指620を参照)には、状態判定部200は、検索メニュー「名前」および「電話番号」に対応付けられた2つの操作キーを示す2つの操作キー情報を操作制御部220に出力する。操作制御部220の第1処理実行制御部は、状態判定部200から入力した2つの操作キー情報により示される2つの操作キーのうち優先順位が高い方の操作キーを選択し、当該選択した操作キーに応じたメニュー起動処理を行うように制御する操作信号をナビゲーション装置160aに出力する。
【0072】
図6(b)に示す例では、上記した優先順位テーブルに従って、検索メニュー「名前」の起動処理を行うようにナビゲーション装置160aを制御する操作信号が操作制御部220により出力される。ナビゲーション装置160aは、操作制御部220から操作信号を入力し、検索メニュー「名前」を起動した画面画像を生成して表示パネル280に表示する。
【0073】
図6(a)のように多重押しがされた場合、状態判定部200は、検索メニュー「名前」および「電話番号」に対応付けられた操作キーを示す2つの操作キー情報を待機部240に出力する。また、操作制御部220は、第1処理実行制御部により選択された検索メニュー「名前」に対応付けられた操作キーを示す実行操作キー情報を待機部240に出力する。これを受けて、待機部240は、検索メニュー「電話番号」のメニュー起動処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する状態に設定する。具体的には、図6(b)に示すように、検索メニュー「電話番号」のメニュー起動処理の実行をユーザに選択させるためのアイコン640をタッチパネル画面660に表示する。また、待機部240は、検索メニュー「電話番号」に対応付けられた操作キーを示す待機状態操作キー情報を選択指示受付部260に出力する。
【0074】
もし、検索メニュー「名前」および「電話番号」に対応付けられた2つの操作キーが多重押しされた時点から、タッチパネル画面660に表示されたアイコン640が押されることなく所定の時間(2秒)が経過した場合には、待機部240は、タッチパネル画面660に表示していたアイコン640を消去するとともに待機状態の設定を解除する。具体的には、図6(c)に示すように、タッチパネル画面660に表示されていたアイコン640が消去される(待機部240により設定された待機状態が解除される)。そして、待機部240は、検索メニュー「電話番号」のメニュー起動処理の実行の待機状態を解除した旨を選択指示受付部260に通知する。
【0075】
一方、検索メニュー「名前」および「電話番号」に対応付けられた2つの操作キーが多重押しされた時点から所定の時間が経過する前に、タッチパネル画面660に表示されたアイコン640(検索メニュー「電話番号」に対応)がユーザにより押された場合には、選択指示受付部260は、検索メニュー「電話番号」に対応付けられた操作キーを示す選択操作キー情報を操作制御部220に出力する。
【0076】
これを受けて、操作制御部220の第1処理実行制御部は、検索メニュー「名前」のメニュー起動処理を取り消すための操作信号をナビゲーション装置160aに出力する。また、第2処理実行制御部は、検索メニュー「電話番号」のメニュー起動処理を行うための操作信号をナビゲーション装置160aに出力する。これにより、ナビゲーション装置160aは、検索メニュー「名前」の起動処理を取り消して検索メニュー「電話番号」を起動した画面画像を生成して表示パネル280に表示する。具体的には、図6(d)に示すように、検索メニュー「名前」に代えて検索メニュー「電話番号」を起動した画面画像が表示される。
【0077】
以上詳しく説明したように、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、複数の操作キーを多重押ししてしまうことによりユーザの意図しない操作キーに対応付けられた文字入力処理(または検索メニュー起動処理)が間違って実行されたとしても、わざわざ前の操作画面に戻って意図する操作キーを押し直すことなく、多重押しの後に続けてアイコン540,640を押すことにより、意図しない文字入力処理(または検索メニュー起動処理)の実行を取り消して、意図する操作キーに対応付けられた文字入力処理(または検索メニュー起動処理)を実行し直すことができる。これにより、ユーザにとって無駄な操作をできるだけなくし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0078】
次に、本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。図7は、第3の実施形態によるタッチパネル入力装置120を含む音楽再生システム100bの構成例を示すブロック図である。なお、この図7において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。第3の実施形態においては、図1のDVD再生装置160の代わりに音楽再生装置160bを備えている。
【0079】
音楽再生装置160bは、複数の操作キー(リスト表示された複数の楽曲のうちいずれかの楽曲を選択するためのキー)を含む楽曲選択画面画像を生成し、その表示パネル280上での表示を制御する。また、ディスプレイ140を構成する表示パネル280は、音楽再生装置160bにより生成された楽曲選択画面画像を表示する。
【0080】
図8は、第3の実施形態によるタッチパネル入力装置120の表示パネル280に表示されるタッチパネル画面の一例を示す図である。図8(a)において、タッチパネル画面700には、検索された複数の楽曲のうちいずれかの楽曲を選択するための操作キー(楽曲「AAA」、「BBB」および「CCC」)が表示されている。ユーザは、いずれかの操作キー(楽曲)に割り当てられた領域内の任意位置を押すことで、ユーザが意図する楽曲再生処理を実行することができる。
【0081】
ここで、ユーザが意図に反して楽曲「AAA」および「BBB」に対応付けられた2つの操作キーを多重押ししてしまった場合(ユーザの指720を参照)には、状態判定部200は、楽曲「AAA」および「BBB」に対応付けられた2つの操作キーを示す2つの操作キー情報を操作制御部220に出力する。操作制御部220の第1処理実行制御部は、状態判定部200から入力した2つの操作キー情報により示される2つの操作キーのうち優先順位が高い方の操作キーを選択し、当該選択した操作キーに応じた楽曲再生処理を行うように制御する操作信号を音楽再生装置160bに出力する。
【0082】
図8(b)に示す例では、上記した優先順位テーブルに従って、楽曲「AAA」の再生処理を行うように音楽再生装置160bを制御する操作信号が操作制御部220により出力される。音楽再生装置160bは、操作制御部220から操作信号を入力し、楽曲「AAA」を再生する楽曲再生画面画像を生成して表示パネル280に表示する。
【0083】
図8(a)のように多重押しがされた場合、状態判定部200は、楽曲「AAA」および「BBB」に対応付けられた操作キーを示す2つの操作キー情報を待機部240に出力する。また、操作制御部220は、第1処理実行制御部により選択された楽曲「AAA」に対応付けられた操作キーを示す実行操作キー情報を待機部240に出力する。これを受けて、待機部240は、多重押しされた他の楽曲「BBB」に対応付けられた操作キーに応じた楽曲再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する状態に設定する。図8(b)に示すように、楽曲「BBB」に対応付けられた操作キーに応じた楽曲再生処理の実行をユーザに選択させるためのアイコン740をタッチパネル画面760に表示する。また、待機部240は、楽曲「BBB」に対応付けられた操作キーを示す待機状態操作キー情報を選択指示受付部260に出力する。
【0084】
もし、楽曲「AAA」および「BBB」に対応付けられた2つの操作キーが多重押しされた時点から、タッチパネル画面760に表示されたアイコン740が押されることなく所定の時間(2秒)が経過した場合には、待機部240は、タッチパネル画面760に表示していたアイコン740を消去するとともに待機状態の設定を解除する。具体的には、図8(c)に示すように、タッチパネル画面760に表示されていたアイコン740が消去される(待機部240により設定された待機状態が解除される)。そして、待機部240は、楽曲「BBB」に対応付けられた操作キーに応じた楽曲再生処理の実行の待機状態を解除した旨を選択指示受付部260に通知する。
【0085】
一方、楽曲「AAA」および「BBB」に対応付けられた2つの操作キーが多重押しされた時点から所定の時間が経過する前にタッチパネル画面760に表示されたアイコン740(楽曲「BBB」に対応)がユーザにより押された場合には、選択指示受付部260は、楽曲「BBB」に対応付けられた操作キーを示す選択操作キー情報を操作制御部220に出力する。
【0086】
これを受けて、操作制御部220の第1処理実行制御部は、楽曲「AAA」の楽曲再生処理を取り消すための操作信号を音楽再生装置160bに出力する。また、第2処理実行制御部は、楽曲「BBB」の楽曲再生処理を行うための操作信号を音楽再生装置160bに出力する。これにより、音楽再生装置160bは、楽曲「AAA」の再生処理を取り消して楽曲「BBB」を再生する楽曲再生画面画像を生成して表示パネル280に表示する。具体的には、図8(d)に示すように、楽曲「AAA」に代えて楽曲「BBB」を再生する楽曲再生画面画像がタッチパネル画面780に表示される。
【0087】
以上詳しく説明したように、第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に、複数の操作キーを多重押ししてしまうことによりユーザの意図しない操作キーに対応付けられた楽曲再生処理が間違って実行されたとしても、わざわざ前の操作画面に戻って意図する操作キーを押し直すことなく、多重押しの後に続けて、アイコン740を押すことにより、複数の操作キーの多重押しによる意図しない楽曲再生処理の実行を取り消して、意図する操作キーに対応付けられた楽曲再生処理を実行し直すことができる。これにより、ユーザにとって無駄な操作をできるだけなくし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0088】
次に、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて説明する。図9は、第4の実施形態によるタッチパネル入力装置120を含むDVD再生システム100cの構成例を示すブロック図である。なお、この図9において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0089】
第4の実施形態において、DVD再生システム100cは、図1のDVD再生装置160の代わりにDVD再生装置160′を備えている。タッチパネル入力装置120は、図1の操作制御部220の代わりに操作制御部220′を備えている。また、タッチパネル入力装置120は、図1の待機部240の代わりに待機部240′を備えている。また、タッチパネル入力装置120は、図1の選択指示受付部260の代わりに選択指示受付部260′を備えている。
【0090】
操作制御部220′の第1処理実行制御部は、状態判定部200から複数の操作キー情報を入力した場合(すなわち、タッチパネル300に対して多重押しがされた場合)には、当該複数の操作キー情報により示される複数の操作キーに応じたそれぞれの映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160′に出力する。DVD再生装置160′は、複数の操作キーに応じたそれぞれの映像再生処理に必要な複数のDVD再生画面画像を生成し、当該複数のDVD再生画面画像を表示パネル280上で多分割表示するように制御する。
【0091】
また、操作制御部220′は、待機部240′により待機状態に設定されているときに、選択指示受付部260′から選択操作キー情報を入力する。操作制御部220′は、選択操作キー情報を入力した場合、当該入力した選択操作キー情報に示される操作キーに応じた映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160′に出力する。なお、操作制御部220′は実行操作キー情報を待機部240に出力しない。それは、待機部240′では、複数の操作キー情報を入力した場合、当該複数の操作キー情報により示される複数の操作キーすべてに応じた映像再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機するため、どの操作キーに対応した処理が実行中でどの操作キーに対応した処理が実行中でないかを把握する必要がないからである。
【0092】
待機部240′は、状態判定部200により多重押しが検知された場合に、状態判定部200から複数の操作キー情報を入力する。複数の操作キー情報を入力した場合、待機部240′は、当該複数の操作キー情報により示される複数の操作キーに応じた映像再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とする。例えば、待機部240′が状態判定部200から2つの操作キー情報を入力した場合(すなわち、2つの操作キーが多重押しされた場合)、待機部240′は、2つの操作キー情報により示される2つの操作キーに応じた映像再生処理の何れかの実行がユーザに選択指示されるのを待機する状態に設定する。なお、待機部240′は、待機状態に設定するときに、待機状態操作キーに応じた映像再生処理の実行をユーザに選択させるためのアイコンを表示パネル280に表示しない。また、待機部240′は、多分割表示された複数のDVD再生画面画像をそれぞれ受付領域に設定する。
【0093】
また、待機部240′は、状態判定部200から入力した複数の操作キー情報を複数の待機状態操作キー情報として選択指示受付部260′に出力する。例えば、待機部240′が状態判定部200から2つの操作キー情報を入力した場合、待機部240′は、多重押しされた2つの操作キーを示す待機状態操作キー情報を選択指示受付部260′に出力する。これにより、選択指示受付部260′は、画面が何分割されているかが分かる。すなわち、選択指示受付部260′は、分割数に応じた数の受付領域が待機部240′により設定されたことを検知する。さらに、選択指示受付部260′は、どの受付領域がどのチャプターに対応するかの対応関係も認識する。
【0094】
例えば、選択指示受付部260′が待機部240′から2つの待機状態操作キー情報を入力した場合、選択指示受付部260′は、2つのDVD再生画面画像の受付領域が左右2画面表示で、左の方が数字の小さいチャプターのDVD再生画面画像の受付領域が割り当てられていると認識する。また、選択指示受付部260′が待機部240′から3つの待機状態操作キー情報を入力した場合、選択指示受付部260′は、3つのDVD再生画面画像が左・中・右の3画面表示で、左の方がより数字の小さいチャプターのDVD再生画面画像が割り当てられていると認識する。また、選択指示受付部260′が待機部240′から4つの待機状態操作キー情報を入力した場合、選択指示受付部260′は、4つのDVD再生画面画像がマトリクス画面表示で、左上、右上、左下、右下の順で数字の小さいチャプターのDVD再生画面画像の受付領域に割り当てられていると認識する。
【0095】
選択指示受付部260′は、待機部240′から複数の待機状態操作キー情報を入力し、当該入力した複数の待機状態操作キー情報に示される複数の操作キーに応じた映像再生処理の実行に関するユーザの選択指示入力を受け付ける。具体的には、選択指示受付部260′は、DVD再生装置160′により表示パネル280に多分割画面表示された複数のDVD再生画面画像(分割画像)の何れかが押された場合に、当該押されたDVD再生画面画像に対応するチャプターの映像再生処理(全画面表示)の実行に関する選択指示を受け付ける。
【0096】
具体的に説明すると、DVD再生装置160′により表示パネル280に表示された複数のDVD再生画面画像のうち何れかに対応するタッチパネル300上の位置がユーザにより押された場合、操作検出部320は、タッチパネル300上における押下位置を示す押下位置情報を状態判定部200に出力する。状態判定部200は、操作検出部320から複数の押下位置情報を入力し、当該押下位置情報により示される各受付領域に対応付けられている複数の操作キー情報を選択指示受付部260′に出力する。すなわち、選択指示受付部260′は、状態判定部200から複数の操作キー情報を入力した場合に、当該入力した複数の操作キー情報により示される複数の操作キーに応じたチャプターそれぞれの映像再生処理の実行に関する選択指示を受け付ける。
【0097】
また、選択指示受付部260′は、状態判定部200から入力した操作キー情報を選択操作キー情報として操作制御部220′に出力する。操作制御部220′が選択指示受付部260′から選択操作キー情報を入力した場合、第1処理実行制御部は、先行して操作制御部220′の制御により実行されていた複数の映像再生処理を何れも中止するように制御する操作信号をDVD再生装置160′に出力する。また、第2処理実行制御部は、入力した選択操作キー情報に示される操作キーに応じたチャプターの映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160′に出力する。
【0098】
次に、上記のように構成した第4の実施形態によるタッチパネル入力装置120の動作の概要について図を用いて説明する。図10は、第4の実施形態によるタッチパネル入力装置120の表示パネル280に表示されるタッチパネル画面の一例を示す図である。図10(a)において、タッチパネル画面800には、いずれかのチャプターの映像再生処理の実行をユーザに選択させるための9つのサムネイル画像(操作キー)が表示されている。ユーザは、いずれかの操作キーに割り当てられた領域内の任意位置を押すことで、ユーザが意図するチャプターの映像再生処理を実行することができる。
【0099】
ここで、ユーザが「チャプター5」および「チャプター8」に対応付けられた2つの操作キーを意図的に多重押しした場合(ユーザの指820を参照)には、状態判定部200は、「チャプター5」および「チャプター8」に対応付けられた2つの操作キーを示す2つの操作キー情報を操作制御部220′に出力する。操作制御部220′の第1処理実行制御部は、状態判定部200から入力した2つの操作キー情報により示される2つの操作キーに応じた映像再生処理(図10の例では、「チャプター5」および「チャプター8」の映像再生処理)を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160′に出力する。操作制御部220′から操作信号を入力したDVD再生装置160′は、図10(b)に示すように、「チャプター5」および「チャプター8」に対応するDVD再生画面画像を生成して表示パネル280のタッチパネル画面840およびタッチパネル画面860にそれぞれ表示する。
【0100】
このとき、状態判定部200は、「チャプター5」および「チャプター8」に対応付けられた操作キーを示す2つの操作キー情報を待機部240′に出力する。これを受けて、待機部240′は、「チャプター5」および「チャプター8」に対応付けられた操作キーに応じた映像再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する状態に設定する。そして、待機部240′は、「チャプター5」および「チャプター8」に対応付けられた待機状態操作キー情報を選択指示受付部260′に出力する。
【0101】
待機状態の設定後に、もし、タッチパネル画面840に表示される「チャプター5」に対応するDVD再生画面画像がユーザに押された場合には、まず、待機部240′は、その旨の通知を状態判定部200から受けて待機状態を解除する。そして、待機部240′は、待機状態を解除した旨を選択指示受付部260′に通知する。
【0102】
次に、選択指示受付部260′は、状態判定部200から入力する押下位置情報に基づいて、「チャプター5」に対応するDVD再生画面画像が押されたと判定し、「チャプター5」に対応付けられた操作キーを示す選択操作キー情報を操作制御部220′に出力する。これを受けて、操作制御部220′の第1処理実行制御部は、「チャプター5」および「チャプター8」に対応付けられた操作キーに応じたそれぞれの映像再生処理を中止するための操作信号をDVD再生装置160′に出力する。また、第2処理実行制御部は、「チャプター5」に対応付けられた選択操作キーに応じた映像再生処理を行うための操作信号をDVD再生装置160′に出力する。DVD再生装置160′は、図10(c)に示すように、「チャプター5」に対応するDVD再生画面画像を生成して表示パネル280に全画面表示する。
【0103】
一方、待機状態の設定後に、タッチパネル画面860に表示される「チャプター8」に対応するDVD再生画面画像がユーザに押された場合には、待機部240′は、その旨の通知を受けて、待機状態を解除する。そして、待機部240′は、待機状態を解除した旨を選択指示受付部260′に通知する。
【0104】
次に、選択指示受付部260′は、状態判定部200から入力する押下位置情報に基づいて、「チャプター8」に対応するDVD再生画面画像が押されたと判定し、「チャプター5」に対応付けられた操作キーを示す選択操作キー情報を操作制御部220′に出力する。これを受けて、操作制御部220′の第1処理実行制御部は、「チャプター5」および「チャプター8」に対応付けられた操作キーに応じたそれぞれの映像再生処理を中止するための操作信号をDVD再生装置160′に出力する。また、第2処理実行制御部は、「チャプター8」に対応付けられた選択操作キーに応じた映像再生処理を行うための操作信号をDVD再生装置160′に出力する。DVD再生装置160′は、図10(c)に示すように、「チャプター8」に対応するDVD再生画面画像を生成して表示パネル280に全画面表示する。
【0105】
次に、第4の実施形態におけるタッチパネル入力装置120の動作の詳細について図を用いて説明する。図11は、第4の実施形態によるタッチパネル入力装置120の動作例を示すフローチャートである。図11におけるステップS300の処理は、タッチパネル300上の各操作キー(サムネイル画像)に割り当てられた領域内の任意位置がユーザに押された場合、状態判定部200が操作検出部320から出力された押下位置情報を入力することによって開始する。
【0106】
まず、状態判定部200は、タッチパネル300に対して多重押しがされたか否かについて判定する(ステップS300)。もし、タッチパネル300に対して多重押しがされていないと状態判定部200にて判定した場合(ステップS300にてNO)、状態判定部200は、操作検出部320から入力した押下位置情報に対応付けられた操作キー情報を操作制御部220′に出力する。そして、操作制御部220′は、状態判定部200から入力した複数の操作キー情報に示される操作キーに応じたチャプターの映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160′に出力する(ステップS320)。ステップS320における処理が終了した後、タッチパネル入力装置120における処理は終了する。
【0107】
一方、タッチパネル300に対して多重押しがされたと状態判定部200にて判定した場合(ステップS300にてYES)、状態判定部200は、複数の操作キー情報を操作制御部220′に出力する。操作制御部220′の第1処理実行制御部は、多重押しされた複数の操作キーに応じたそれぞれの映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160′に出力する(ステップS340)。
【0108】
次に、待機部240′は、多重押しされた複数の操作キーに応じた映像再生処理の何れかの実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とする(ステップS360)。例えば、待機部240′が状態判定部200から2つの操作キー情報を入力した場合、待機部240′は、2つの操作キー情報により示される2つの操作キーに応じた映像再生処理の何れかの実行がユーザに選択指示されるのを待機する状態に設定する。
【0109】
次に、操作制御部220′は、待機状態操作キーに応じた映像再生処理の実行に関するユーザの選択指示が選択指示受付部260′により受け付けられたか否かについて判定する(ステップS380)。もし、選択指示受付部260′によりユーザの選択指示が受け付けられていないと操作制御部220′にて判定した場合(ステップS380にてNO)、ステップS380に戻る。
【0110】
一方、選択指示受付部260′によりユーザの選択指示が受け付けられたと操作制御部220′にて判定した場合(ステップS380にてYES)、待機部240′は待機状態の設定を解除する(ステップS400)。次に、操作制御部220′の第1処理実行制御部は、ステップS340にて実行された映像再生処理の中止を制御するための制御信号をDVD再生装置160′に出力する(ステップS420)。最後に、操作制御部220′は、ステップS380にて選択された映像再生処理を行うように制御する操作信号をDVD再生装置160′に出力する(ステップS440)。ステップS440における処理が終了した後、タッチパネル入力装置120における処理は終了する。
【0111】
以上詳しく説明したように、第4の実施形態では、どの操作キー(サムネイル画像)が目的のチャプターなのかわからない場合、ある程度あたりをつけて複数の操作キーを多重押しすれば、多重押しした複数の操作キーに対応付けられたチャプターの映像が多分割表示される。このとき、多分割表示された映像の何れかを画面のタッチにより選択できる状態となっている。よって、多重押しにより目的のチャプターがどれなのか確認して、その多重押しに続けて、意図する映像の受付領域を押下することにより、わざわざ前の操作画面に戻って別の操作キーを押し直すことなく、ユーザの意図する目的の映像再生処理を実行することができる。よって、ユーザの意図するチャプターがどれなのか確認してから映像再生するとき、ユーザにとって無駄な操作をできるだけなくし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0112】
なお、第4の実施形態では、操作画面において意図する操作キーを押すことでDVDに収録済みの映画のチャプターを再生する例について説明したが、操作画面において意図する操作キーを押すことで放送局から受信した放送データを再生するようにしても良い。具体的には、DVD再生装置160’に代えてTVチューナーを備える。TVチューナーは、いずれかの放送局から受信した放送データの再生処理の実行をユーザに選択させるための複数(例えば、9つ)の動画像または静止画像(操作キー)をタッチパネル画面(操作画面)に表示するように制御する(マルチウィンドウ)。ユーザは、いずれかの操作キーに割り当てられた領域内の任意位置を押すことで、ユーザが意図する放送局から受信した放送データの再生処理を実行することができる。
【0113】
次に、本発明の第5の実施形態を図面に基づいて説明する。図12は、第5の実施形態によるタッチパネル入力装置120を含むDVD再生システム100dの構成例を示すブロック図である。なお、図12において、図1および10に示した符号と同一の符号を付した構成要素は同様の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0114】
第5の実施形態では、モード切り替え部340を備えている点に特徴がある。DVD再生装置160′′は、DVD再生装置160とDVD再生装置160′の機能を備えている。操作制御部220′′は、操作制御部220と操作制御部220′の機能を備えている。また、待機部240′′は、待機部240と待機部240′の機能を備えている。また、選択指示受付部260′′は、選択指示受付部260と選択指示受付部260′の機能を備えている。モード切り替え部340は、操作制御部220、待機部240および選択指示受付部260の機能(第1の実施形態)を使うか、操作制御部220′、待機部240′および選択指示受付部260′の機能(第4の実施形態)を使うかを切り替える。
【0115】
これにより、いずれかのチャプターを選択して映像再生処理を実行する場合に、通常の選択を行うのか、または、あえて多重押しをして複数のチャプターの映像を確認してから選択するのかによって、ユーザが意図するタッチパネル入力装置120の実行形態を簡便に切り替えることができる。
【0116】
なお、上記第1から第3の実施形態では、待機部240により表示パネル280に表示されたアイコンがユーザに押された場合に、選択指示受付部260が当該押されたアイコンに対応付けられた処理の実行に関する選択指示を受け付ける例について説明したが、これに限定されない。例えば、選択指示受付部260は、待機状態操作キーに対応付けられた処理の実行をユーザに選択指示させるための音声コマンドが入力された場合に、当該入力された音声コマンドに対応付けられた処理の実行に関する選択指示を受け付けるようにしても良い。この場合、待機部240は、表示パネル280にアイコンを表示しない。
【0117】
このとき使用する音声コマンドは、例えば、ユーザの発声で「次」等のコマンドだけで良い。この場合、選択指示受付部260は、待機状態操作キーが複数存在するときは、音声コマンド辞書に登録された「次」という音声コマンドを入力するたびに、複数の待機状態操作キーに対応付けられた処理の実行に関する選択指示を順番に受け付ける。このようにすれば、全ての操作キーに応じた音声コマンドを用意する場合に比べて、音声コマンドの数を減らすことができ、音声コマンドに必要な辞書のデータ量を減らすことができる。
【0118】
また、上記第1〜第5の実施形態では、タッチパネル入力装置120を含むシステムとして、DVD再生システム、ナビゲーションシステム、楽曲再生システムを例に挙げて説明したが、タッチパネル入力装置120は他のシステムに含めて構成するようにしても良い。
【0119】
その他、上記第1〜第5の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】第1の実施形態によるタッチパネル入力装置の構成例を説明するブロック図である。
【図2】第1の実施形態による表示パネルに表示されるタッチパネル画面の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態によるタッチパネル入力装置の動作例を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施形態によるタッチパネル入力装置の構成例を説明するブロック図である。
【図5】第2の実施形態による表示パネルに表示されるタッチパネル画面の一例を示す図である。
【図6】第2の実施形態による表示パネルに表示されるタッチパネル画面の一例を示す図である。
【図7】第3の実施形態によるタッチパネル入力装置の構成例を説明するブロック図である。
【図8】第3の実施形態による表示パネルに表示されるタッチパネル画面の一例を示す図である。
【図9】第4の実施形態によるタッチパネル入力装置の構成例を説明するブロック図である。
【図10】第4の実施形態による表示パネルに表示されるタッチパネル画面の一例を示す図である。
【図11】第4の実施形態によるタッチパネル入力装置の動作例を示すフローチャートである。
【図12】第5の実施形態によるタッチパネル入力装置の構成例を説明するブロック図である。
【図13】表示パネルに表示されるタッチパネル画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0121】
120 タッチパネル入力装置
200 状態判定部
220,220′,220′′ 操作制御部
240,240′,240′′ 待機部
260,260′,260′′ 選択指示受付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル画面に表示された操作キーが押されることによって当該操作キーに対応付けられた処理の実行を制御するタッチパネル入力装置であって、
前記タッチパネル画面に表示された複数の操作キーの多重押しを検知する多重押し検知部と、
前記多重押し検知部により前記複数の操作キーの多重押しが検知された場合、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうち少なくとも1つに対応付けられた処理の実行を制御する第1処理実行制御部と、
前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうち少なくとも1つに対応付けられた処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とする待機部と、
前記待機部により前記待機状態とされた場合、前記選択指示を受け付ける選択指示受付部と、
前記選択指示受付部により前記選択指示が受け付けられた場合、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーに対応付けられた処理のうち前記選択指示により選択された処理の実行を制御する第2処理実行制御部とを備えることを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載のタッチパネル入力装置において、
前記第1処理実行制御部は、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうちいずれか1つに対応付けられた処理の実行を制御し、
前記待機部は、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうち前記第1処理実行制御部により実行される処理に対応付けられた操作キー以外の少なくとも1つに対応付けられた処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とすることを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項3】
請求項1に記載のタッチパネル入力装置において、
前記待機部は、前記多重押し検知部により前記多重押しが検知された時点から所定の時間だけ前記待機状態とすることを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項4】
請求項1に記載のタッチパネル入力装置において、
前記待機部は、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうち少なくとも1つに対応付けられた処理の実行を前記ユーザに選択指示させるためのアイコンを前記タッチパネル画面に表示し、
前記選択指示受付部は、前記待機部により前記タッチパネル画面に表示された前記アイコンが押された場合に、当該押されたアイコンに対応付けられた処理の実行に関する選択指示を受け付けることを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項5】
請求項1に記載のタッチパネル入力装置において、
前記選択指示受付部は、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうち少なくとも1つの操作キーに対応付けられた処理の実行を前記ユーザに選択指示させるための音声コマンドが入力された場合に、当該入力された音声コマンドに対応付けられた処理の実行に関する選択指示を受け付けることを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項6】
請求項1に記載のタッチパネル入力装置において、
前記選択指示受付部は、前記タッチパネル画面に設定した受付領域内の任意位置が押された場合に前記選択指示を受け付けることを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項7】
請求項1に記載のタッチパネル入力装置において、
前記第1処理実行制御部は、前記多重押し検知部により前記複数の操作キーの多重押しが検知された場合、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうちいずれか1つに対応付けられた映像再生処理の実行を制御し、
前記待機部は、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうち前記第1処理実行制御部により実行制御される映像再生処理に対応付けられた操作キー以外の少なくとも1つに対応付けられた映像再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とし、
前記選択指示受付部により前記選択指示が受け付けられた場合、前記第1処理実行制御部により実行制御された映像再生処理を中止し、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーに対応付けられた映像再生処理のうち前記選択指示により選択された映像再生処理を前記第2処理実行制御部により実行制御することを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項8】
請求項1に記載のタッチパネル入力装置において、
前記第1処理実行制御部は、前記多重押し検知部により前記複数の操作キーの多重押しが検知された場合、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーに対応付けられたそれぞれの映像再生処理の実行を制御し、
前記待機部は、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーに対応付けられたそれぞれの映像再生処理の何れかの実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とし、
前記選択指示受付部により前記選択指示が受け付けられた場合、前記第1処理実行制御部により実行制御された映像再生処理を中止し、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーに対応付けられた映像再生処理のうち前記選択指示により選択された映像再生処理を前記第2処理実行制御部により実行制御することを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項9】
請求項1に記載のタッチパネル入力装置において、
前記第1処理実行制御部は、前記多重押し検知部により前記複数の操作キーの多重押しが検知された場合、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうちいずれか1つに対応付けられた文字入力処理の実行を制御し、
前記待機部は、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうち前記第1処理実行制御部により実行制御される文字入力処理に対応付けられた操作キー以外の少なくとも1つに対応付けられた文字入力処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とし、
前記選択指示受付部により前記選択指示が受け付けられた場合、前記第1処理実行制御部により実行制御された文字入力処理で入力された文字を取り消し、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーに対応付けられた文字入力処理のうち前記選択指示により選択された文字入力処理を前記第2処理実行制御部により実行制御することを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項10】
請求項1に記載のタッチパネル入力装置において、
前記第1処理実行制御部は、前記多重押し検知部により前記複数の操作キーの多重押しが検知された場合、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうちいずれか1つに対応付けられた楽曲再生処理の実行を制御し、
前記待機部は、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうち前記第1処理実行制御部により実行制御される楽曲再生処理に対応付けられた操作キー以外の少なくとも1つに対応付けられた楽曲再生処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とし、
前記選択指示受付部により前記選択指示が受け付けられた場合、前記第1処理実行制御部により実行制御された楽曲再生処理を中止し、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーに対応付けられた楽曲再生処理のうち前記選択指示により選択された楽曲再生処理を前記第2処理実行制御部により実行制御することを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項11】
請求項1に記載のタッチパネル入力装置において、
前記第1処理実行制御部は、前記多重押し検知部により前記複数の操作キーの多重押しが検知された場合、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうちいずれか1つに対応付けられたメニュー起動処理の実行を制御し、
前記待機部は、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうち前記第1処理実行制御部により実行制御されるメニュー起動処理に対応付けられた操作キー以外の少なくとも1つに対応付けられたメニュー起動処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とし、
前記選択指示受付部により前記選択指示が受け付けられた場合、前記第1処理実行制御部により起動制御されたメニューを消去し、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーに対応付けられたメニュー起動処理のうち前記選択指示により選択されたメニュー起動処理を前記第2処理実行制御部により実行制御することを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項12】
タッチパネル画面に表示された操作キーが押されることによって当該操作キーに対応付けられた処理の実行を制御する処理実行方法であって、
前記タッチパネル画面に表示された複数の操作キーの多重押しを検知する第1のステップと、
前記第1のステップにより前記複数の操作キーの多重押しが検知された場合、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうち少なくとも1つに対応付けられた処理の実行を制御する第2のステップと、
前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうち少なくとも1つに対応付けられた処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とする第3のステップと、
前記第3のステップにより前記待機状態とされた場合、前記選択指示を受け付ける第4のステップと、
前記第4のステップにより前記選択指示が受け付けられた場合、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーに対応付けられた処理のうち前記選択指示により選択された処理の実行を制御する第5のステップとを備えることを特徴とする処理実行方法。
【請求項13】
請求項12に記載の処理実行方法において、
前記第2のステップは、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうちいずれか1つに対応付けられた処理の実行を制御し、
前記第3のステップは、前記多重押しが検知された前記複数の操作キーのうち前記第2のステップにより実行される処理に対応付けられた操作キー以外の少なくとも1つに対応付けられた処理の実行がユーザに選択指示されるのを待機する待機状態とすることを特徴とする処理実行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−217687(P2009−217687A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62471(P2008−62471)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】