説明

タッチパネル入力装置のガイドパネル、タッチパネル入力装置および情報処理装置

【課題】 様々な理由で通常のタッチパネルを操作できない人でも容易に操作することができるタッチパネル入力装置を提供すること
【解決手段】 情報処理装置のタッチパネル入力装置100にガイド孔部122が開設された透明なガイドプレート120を装着する。ガイドプレート120を装着したとき、表示変更スイッチ132が作動し、キー切り替え手段がプリケーションの操作キーをタッチパネル入力装置100のガイド孔部122に相当する位置に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル入力装置のガイドパネルタッチパネル入力装置及び情報処理装置に係り、特に視力や上肢に障害を持つ人でも容易に操作をする事ができるタッチパネル入力装置のガイドパネル、タッチパネル入力装置及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、券売機、ATM装置、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置の入力装置では、ディスプレイの表面に直接触れるだけで入力できるタッチパネル式ディスプレイを有するものが多く用いられている(特許文献1参照)。一般的なタッチパネル式ディスプレイを有する入力装置は、画像や文字等の表示を行うCRTまたは液晶等からなるディスプレイ部(表示部)上に、透明板を基材とするタッチパネルが積層されたものであり、アプリケーションにより表示されるディスプレイ部の表示に従って、平滑面であるタッチパネルの表面に触れることによって入力が行われる。
【0003】
しかし、このような入力装置では、タッチパネルの表面は平滑でありその表示内容を触覚で認識することができないため、視覚障害者などディスプレイ部の表示を視認できない場合には、どこに触れればよいのかが判らず、操作できない。従って、視覚障害者等が入力装置を操作するためには、他者の介助が必要となる。
【0004】
そこで、視覚障害者等が他者の介助を必要とせずに比較的容易に入力操作ができるように工夫した入力装置が提案されている。
【0005】
特許文献2、特許文献3、特許文献4にはタッチパネル式ディスプレイの外周位置に設けられている入力部の外側に、その入力内容を示す凹凸表示部が設けられる入力装置が記載されている。操作者は、この凹凸表示部に設けられている点字またはガイドアイコンに触れることによって、触覚的に入力内容が理解できる。
【特許文献1】実開平2−38630号公報
【特許文献2】特開2000−353269号公報
【特許文献3】特開2001−273075号公報
【特許文献4】特開平11−161151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、視覚障害がある人の他、上肢に障害のある人がタッチパネルを使用する場合には上肢で表示画面をタッチすることができない場合があり、このような場合はテンキー等から入力を補うことなど等で対応している。
【0007】
また、上述のように入力装置のディスプレイ外装との組み合わせでタッチパネルを使いやすくしている例もあるが、入力時の画面遷移が限られ、複数のアプリケーションや機能には対応できないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、様々な理由で通常のタッチパネルを操作できない人でも容易に操作することができるタッチパネル入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、タッチパネルスイッチの表示面に重ねて配置される板状部材と、前記板状部材のタッチパネル上に表示されるタッチキーに操作者が接触可能に開設されたガイド孔部とを備えたことを特徴とするタッチパネル入力装置のガイドプレート。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1のタッチパネル入力装置のガイドプレートにおいて、板状部材は、透明な素材で形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2のタッチパネル入力装置のガイドプレートにおいて、前記ガイド孔部の周囲には凹凸部で形成された表示部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、表示面に接触することでスイッチ操作を行うタッチパネルスイッチと、請求項1ないし3のいずれかのガイドプレートを備えたことを特徴とするタッチパネル入力装置である。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4のタッチパネル入力装置において、アプリケーションの操作キーの表示配置を取り付けたガイドプレートのガイド孔部から接触可能な操作キー配列の表示に変更するキー表示切り替え手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項4または5のタッチッパネル入力装置において、表示キー配列をアプリケーションの表示配列と、ガイドプレートを介して操作可能なキー表示配列に変更する表示変更スイッチを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項4ないし7のタッチパネル入力装置において、ガイドプレートがタッチパネル表示面に脱着可能として構成されていることを特著とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項4ないし7のいずれかのタッチパネル入力装置において、前記表示変更スイッチはタッチパネル表示面にガイドプレートを装着することにより作動し、表示面にガイドプレートを介して操作可能なキー表示配列が表示されることを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明は、請求項5ないし8のいずれかのタッチパネル入力装置を備えたことを特徴とする情報処理装置である。
【0018】
請求項10の発明は、請求項9の情報処理装置において、情報処理装置本体に前記表示変更手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るタッチパネル入力装置のガイドパネル、タッチパネル入力装置及び情報処理装置によれば、タッチパネルでの入力操作を行う際に上肢等に障害のある人の隣のキーを押してしまう等の誤操作を防止することができるほか、弱視等の視覚に障害のある人が画面に顔を近付けて誤ってタッチパネルに触れてしまうのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0021】
図1は実施の形態に係る上方処理装置を示す斜視図、図2は図1に示したタッチパネル入力装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)はB−B線断面図、(c)はC−C線断面図、図2は図1に示したタッチパネル入出力装置に使用するガイドパネルを示す斜視図である。
【0022】
本例は、情報処理装置例えばパーソナルコンピュータ10にディスプレイ装置をタッチパネル入力装置100としたものである。なお、図1中20はパーソナルコンピュータ本体、30はキーボード、40はマウスを示している。なお、情報処理装置は、タッチパネル入力装置を配置できる者であれば、パーソナルコンピュータの他券売機、ATM装置等であっても良い。
【0023】
本例において、タッチパネル入力装置100は液晶表示装置110に公知のタッチパネルの機能を形成している。そして、タッチパネル入力装置100の表面にはガイド孔部122が形成されたガイドプレート120が取り付けられている。
【0024】
前記ガイドプレート120は、液晶表示装置の表示が見通せる透明な合成樹脂板材で構成されており、図2に示すように所定の個所に指や棒状部材を挿入できる長方形状のガイド孔部122が貫通形成されている。本例では、ガイド孔部122の周縁は傾斜形成され、指や棒状部材を挿入しやすく形成している。
【0025】
また、本例では、このパーソナルコンピュータ10のアプリケーションソフトを作動させたとき、液晶表示装置110の枠111の内側であって前記ガイド孔部122の個所に、アプリケーション操作ようのキーの配列され表示されるようにしている。
【0026】
この、キーの表示動作は、所定のソフトウエアで構成された表示切り替え手段によって行われる。表示変更手段は、所定の規則に基づいてアプリケーションの操作用キーの配列を前記ガイド孔部122の位置に表示するよう処理する。本例では、アプリケーションごとにガイドプレートを付け替える必要がないように、アプリケーションに拘わらずキーの配列を一定にするようにしている。
【0027】
これにより、タッチパネル入力装置の操作時に誤って、指で隣のキーを同時に押してしまうことやタッチパネル上で棒状部材が滑ってしまう等の誤入力を防止する事ができる。
【0028】
また、本例では、ガイドプレート120の着脱部131が設けられており、ガイドプレート120は取り外し可能なものとし、ガイドプレートが内情対で同一の機器を使用できるものとしている。本例では、着脱部131には、通常のキー配列の表示と、ガイドプレート120を取り付けた際にガイド孔部122に対応する個所にキーを配列する表示とを切り替える表示変更スイッチ132が設けられており、前記表示変更スイッチはタッチパネル表示面にガイドプレートを装着することにより作動し、ガイドプレート120を液晶表示装置110に取り付けたとき、表示切り替え手段が操作用キーをガイド孔部122に合わせた位置に表示する。なお、この表示変更スイッチは着脱部に設けるのではなく、タッチパネル入力装置100の他の個所あるいは装置本体20に設けても良い。
【0029】
なお、本例ではガイド孔部122の近傍に点字などの表示123を配置することができる。これにより、指先でガイド孔部122の情報を得ることができる。
【0030】
なお、本例では、ガイドプレートに設けたガイド孔部は長方形状のものを規則的に配置したものを示したが、ガイド孔の形状、配置は必要に応じて変更して差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施例例に係る情報処理装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示したタッチパネル入力装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)中のB−B線に相当する断面図、(c)は(a)中のC−Cに相当する線断面図である。
【図3】図1に示したガイドプレートを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
10・・・パーソナルコンピュータ
20・・・装置本体
30・・・キーボード
40・・・マウス
100・・・タッチパネル入力装置
110・・・液晶表示装置
111・・・枠
120・・・ガイドプレート
122・・・ガイド孔部
123・・・表示
131・・・着脱部
132・・・表示変更スイッチ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルスイッチの表示面に重ねて配置される板状部材と、前記板状部材のタッチパネル上に表示されるタッチキーに操作者が接触可能に開設されたガイド孔部とを備えたことを特徴とするタッチパネル入力装置のガイドプレート。
【請求項2】
板状部材は、透明な素材で形成されていることを特徴とする請求項1のタッチパネル入力装置のガイドプレート。
【請求項3】
前記ガイド孔部の周囲には凹凸部で形成された表示部を備えることを特徴とする請求項1または2のタッチパネル入力装置のガイドプレート。
【請求項4】
表示面に接触することでスイッチ操作を行うタッチパネルスイッチと、請求項1ないし3のいずれかのガイドプレートを備えたことを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項5】
アプリケーションの操作キーの表示配置を取り付けたガイドプレートのガイド孔部から接触可能な操作キー配列の表示に変更するキー表示切り替え手段を備えたことを特徴とする請求項4のタッチパネル入力装置。
【請求項6】
表示キー配列をアプリケーション固有の表示配列と、ガイドプレートを介して操作可能なキー表示配列に変更する表示変更スイッチを備えたことを特徴とする請求項4または5のタッチッパネル入力装置。
【請求項7】
ガイドプレートがタッチパネル表示面に脱着可能として構成されていることを特著とする請求項4ないし7のいずれかのタッチパネル入力装置。
【請求項8】
前記スイッチ表示変更スイッチはタッチパネル表示面にガイドプレートを装着することにより作動し、表示面にガイドプレートを介して操作可能なキー表示配列が表示されることを特徴とする請求項4ないし7のいずれかのタッチパネル入力装置。
【請求項9】
請求項5ないし8のいずれかのタッチパネル入力装置を備えた情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置本体に前記表示変更手段を備えたことを特徴とする請求項9の情報処理装置



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−244030(P2006−244030A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−57464(P2005−57464)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】