説明

タッチパネル用マザー基板とその製造方法

【課題】明瞭に画像認識できるため位置合わせを正確且つ容易に実施でき、加えて製造工数をアップさせることのない、タッチパネル用マザーガラス基板とその製造方法を提供する。
【解決手段】第2のマザー基板20には、タッチパネルの一方の基板を形成するためのパネル領域20pが複数個割り付けられ、各パネル領域20pごとにタッチ電極5が形成され、且つ、複数のパネル領域20pが配置されたパネル採取領域20Uの周縁領域20Fにタッチ電極5と同じ透明抵抗膜のITOからなると共に膜厚が前記タッチ電極5よりも厚い第1、第2のアライメントマーク21、22が、複数個形成されている。この第2のマザー基板20は、ハードマスク40を用いてマザー基板20全体に2段階に厚さの異なる透明抵抗膜を形成した後、第2のタッチ電極5及び第1、第2の各アライメントマーク21、22を一括してパターニングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のタッチパネル基板形成領域が割り付けられたタッチパネル製造用マザー基板とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルや液晶表示パネル等の一対の基板が接合されて構成されているパネル製品の製造方法としては、特許文献1に示されるように、複数の製品の個々の片側基板が割り付けられたマザー基板同士を貼り合せた後に個々のパネル製品に切離する方法が、個々のパネル製品を短時間で一括して製造できるという利点から、広く採用されている。
【0003】
上述の製造方法では、一対のマザー基板を貼り合せる際の位置合わせに高い精度が要求されるため、通常は、各マザー基板にアライメントマークをそれぞれ設置し、それぞれのマザー基板の対応するアライメントマーク同士を合わせることにより一対のマザー基板の位置合わせを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−343921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
位置合わせ用アライメントマークの形成方法としては、製造工数を低減するため、専用工程を設けずに、個々のパネル製品にフォトリソグラフィーによりパターン形成される透明電極と同工程で一括パターニングして形成する方法が採用されることが多い。この場合、透明電極と同材料のITO(indium tin oxide)等の透明膜でアライメントマークが形成されるため、位置あわせの際にマークを画像認識カメラで認識し難いという問題がある。
【0006】
特に、所望の高抵抗値を備える薄膜透明抵抗膜をタッチ検出電極として設置した抵抗膜式タッチパネルの場合、アライメントマークも薄膜透明抵抗膜で形成されるため、位置合わせの際のアライメントマークの認識がより困難となる。
【0007】
アライメントマークを容易に認識できるように、タッチ検出電極とは別の材料の例えばクロム等の不透明金属でアライメントマークを形成する場合、タッチ検出電極を形成するためのフォトリソグラフィー工程とは別に専用のフォトリソグラフィー工程が必要となり、製造工数が大幅にアップする。
【0008】
本発明の目的は、正確且つ容易に画像認識でき、専用の形成工程が不要であるために製造工数をアップさせることのない透明抵抗膜からなるアライメントマークを備えたタッチパネル用マザーガラス基板とその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載されたタッチパネル用マザー基板の発明は、透明抵抗膜からなるタッチ電極が形成された一対の透明な基板を、互いのタッチ電極を対向させて所定の間隙で接合させたタッチパネルを複数個同時に製造するためのタッチパネル用マザー基板であって、前記タッチパネルの基板を形成するパネル領域が複数個割り付けられ、各パネル領域ごとに前記タッチ電極が形成されるとともに、前記タッチ電極と同じ透明抵抗膜で膜厚が前記タッチ電極よりも厚いアライメントマークが、複数の前記パネル領域が配置されてなるパネル採取領域の周縁に複数個形成されていること、を特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1のタッチパネル用マザー基板において、前記パネル領域毎に、前記タッチ電極と同じ透明抵抗膜で膜厚が前記タッチ電極よりも厚いパネル用アライメントマークが、前記タッチ電極を囲むように前記パネル領域の額縁部に複数個形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項3に記載のタッチパネル用マザー基板の製造方法の発明は、透明抵抗膜からなるタッチ電極が形成された一対の透明な基板を、互いのタッチ電極を対向させて所定の間隙で接合してなるタッチパネルを複数個同時に製造するためのタッチパネル用マザー基板の製造方法であって、前記タッチパネルの基板を形成するパネル領域が複数個割り付けられたパネル採取領域から該パネル採取領域を囲む周縁領域にわたり、少なくとも前記周縁領域の膜厚が前記タッチ電極の形成部よりも厚い透明抵抗膜を形成する工程と、前記周縁領域に設ける位置合わせ用のアライメントマーク及び各パネル領域に設ける前記タッチ電極を一括してパターニングする工程とを、有することを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載されたタッチパネル用マザー基板の製造方法において、前記各パネル領域のタッチ電極形成部を囲む額縁部の複数箇所をタッチ電極形成部よりも厚肉に形成し、該厚肉部にパネル用アライメントマークを前記タッチ電極及び前記アライメントマークと一括してパターニングすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、明瞭に画像認識できるため位置合わせを正確且つ容易に実施でき、加えて製造工数をアップさせることのない、透明抵抗膜からなるアライメントマークを備えたタッチパネル用マザーガラス基板とその製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)、(b)は、それぞれ、本発明の一実施形態としてのマザー基板を用いて製造されるタッチパネルを示す平面図と、そのIb−Ib線断面図である。
【図2】(a)は上記タッチパネルを製造するための一対のマザー基板のうちの一方のマザー基板を示す平面図で、(b)はその製造工程で用いるハードマスクを示す平面図である。
【図3】上記タッチパネルを製造するための一対のマザー基板のうちの他方のマザー基板を示す平面図である。
【図4】(a)〜(c)は、夫々、上記マザー基板における各種アライメントマークの組み合わせ例を示す各説明図である。
【図5】(a)〜(d)は、夫々、上記マザー基板の製造方法を示す各工程毎説明図である。
【図6】(a)は本発明の他の実施形態としての一方のマザー基板を示す平面図で、(b)はその製造工程で用いるハードマスクを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本発明の一実施形態としてのマザー基板を用いて製造される抵抗膜式タッチパネルについて説明する。
【0016】
図1(b)に示すように、一対の矩形をなすタッチ操作側(表側)に位置させる第1のガラス基板1と反対側の第2のガラス基板2がシール材3を介し所定の間隙を保って接合されている。この場合、第2のガラス基板2は、第1のガラス基板1よりも大面積に形成され、一方の長手端面を第1のガラス基板1の対応する長手端面から適長だけ突出させた突出縁部21を備えている。そして、これら第1、第2のガラス基板1、2の各対向面には透明な矩形の薄肉抵抗膜からなる第1、第2のタッチ電極4、5が夫々被設されている。
【0017】
ここで、第1、第2のタッチ電極4、5は、それぞれ、ITO(indium tin oxide)を材料とした透明な抵抗薄膜からなり、膜厚が90〜130Åでシート抵抗値が300Ω以上の高抵抗膜に形成されている。
【0018】
第1のガラス基板1の対向面に被設された第1のタッチ電極4における一対の短手縁辺には、それぞれ第1の引き回し電極配線6a、6bが全長にわたり導通接続され、これら第1の引き回し電極配線6a、6bは、一方の長手辺に対し平行に適長間隙を隔てて引き回され、それぞれの引き回し先端面が所定の間隙を隔てて対向するパターンに敷設されている。
【0019】
一方、第2のガラス基板2の対向面に被設された第2のタッチ電極5における一対の長手縁辺には、第2の引き回し電極配線7a、7bがそれぞれ全長にわたり導通接続されている。これら第2の引き回し電極配線7a、7bのうちの一方の第2の引き回し電極配線7aは、一方の短手辺52とこれに続く長手辺に沿って一定間隙を隔ててL字形に延在させた後、直角に曲って突出縁部21の先端面まで引き回されている。他方の第2の引き回し電極配線7bは、第2のタッチ電極5の一方の長手縁辺との導通接続部とこれから突出縁部21の先端面まで直角に延出させた接続端子部からなるT字型に敷設されている。
【0020】
第2の引き回し電極配線7a、7bの突出縁部21の先端面まで延出させた各先端部71a、71bは、FPC(Flexible Printed Circuit)等の外部回路との電気接続基板が導通接合される接続端子となる。これら接続端子71a、71bの配設位置には、前述した第1のタッチ電極4からの第1の引き回し電極配線6a、6bの接続端子61a、61bも互いに平行に配設されている。これら接続端子61a、61bと第1の引き回し電極配線6a、6bの引き回し先端部は、基板間導通部材8a、8bにより導通接続されている。
【0021】
第1の引き回し電極配線6a、6b及び7a、7bは、タッチ電極4、5に電圧を印加するための配線であり、例えば、銀粉や銅粉等の高導電性金属粉を熱硬化性のエポキシ樹脂等に混ぜ合わせてインク化したものをスクリーン印刷等の印刷法により形成される。また、それぞれのシート抵抗値はタッチ電極4、5のシート抵抗値の約100分の1以下と小さくなるように、膜厚や線幅が設定されている。そして、第1の引き回し電極配線6a、6b及び7a、7bは、引き回し電極配線同士、或いはそれらとタッチ電極4、5とが重なって接触する不具合を回避するため、それぞれ、上述したように間隙を確保して引き回し配設されている。
【0022】
第2のタッチ電極5上には、複数のスペーサ9が碁盤目状に一定間隔を保って配設されている。これらスペーサ9は、第1のタッチ電極4における押圧された部分以外の箇所が対向側の第2のタッチ電極5に接触する不具合を防止するために設けられており、アクリル樹脂等の樹脂材料を用いスクリーン印刷あるいはフォトリソグラフィー等の方法で碁盤目状に塗布形成されている。
【0023】
上述のように構成されたタッチパネルは、通常、液晶表示装置等の表示装置の表示面上に配置され、表示装置の表示に対応したタッチパネルのタッチ面の位置を指やペン等で押圧することにより、タッチパネルの第1のガラス基板1が撓んで第1のタッチ電極4の押圧箇所が第2のタッチ電極5の対応箇所に接触し、この接触点の位置が抵抗により降下した電圧値の測定により検知される。
【0024】
次に、上述のタッチパネルを製造するために用いられる本発明の一実施形態としてのマザー基板について、図2(a)に基づき説明する。
【0025】
図2(a)は、タッチパネルのタッチ側(表側)とは反対側の裏側に位置させる第2のガラス基板2が複数個作り込まれる第2のマザー基板20を示している。この第2のマザー基板20には、12個の第2のガラス基板2を作製するための12区画のパネル領域20pが3行×4列のマトリクス配置で割り付けられている。そして、各パネル領域20p内には、第2のタッチ電極5がそれぞれ形成されている。この第2のタッチ電極5は、前述したように、膜厚が90〜130Åでシート抵抗値が300Ω以上のITOからなる透明な高抵抗薄膜に形成されている。
【0026】
12個の第2のガラス基板2がマトリクス配置で形成されているパネル採取領域20Uを囲む周縁領域20Fには、各種アライメントマークが配設されている。
【0027】
まず、後述する第1のマザー基板10との貼り合わせの際の位置基準となる一対の第1のアライメントマーク21、21が、それぞれ、対角線上の2隅に配設されている。これら第1のアライメントマーク21は、それぞれ、円環(リング)に形成されている。
【0028】
そして、他方の対角線上の2隅及び4方の各縁辺の中央には、第2のアライメントマーク22がそれぞれ配設されている。これら第2のアライメントマーク22は、十字型や方形枠状に形成され、二点鎖線で示すシール材3やスペーサ9(図1参照)、第2の引き回し電極配線7a、7b及び接続端子61a、61bを印刷により塗布形成する際の印刷版の位置基準となる。
【0029】
ここで、上述した第1、第2の各アライメントマーク21、22は、第2のタッチ電極5と同じ透明抵抗膜材料のITOで形成されている。しかし、その厚さは、150〜1000Åと第2のタッチ電極5よりも肉厚に形成されている。したがって、透明な材料で形成されているにも拘わらず、読み取りカメラによって容易且つ正確に画像認識することができる。
【0030】
図3は、上述した第2のマザー基板20に貼り合わされる第1のマザー基板10を示している。この第1のマザー基板10も、第2のマザー基板20と略同様に形成されており、12個の第1のガラス基板1を作製するための12区画のパネル領域10pが3行×4列のマトリクス配置で割り付けられ、各パネル領域10p内には、第1のタッチ電極4がそれぞれ形成されている。この第1のタッチ電極4も、膜厚が90〜130Åでシート抵抗値が300Ω以上のITOからなる透明な高抵抗薄膜に形成されている。
【0031】
12個のパネル領域10pがマトリクス配置で形成されているパネル採取領域10Uを囲む周縁領域10Fには、各種アライメントマーク11、12が配設されている。
【0032】
まず、対角線上の2隅には、第2のマザー基板20との貼り合わせの際の位置基準となる第1のアライメントマーク11が、それぞれ配設されている。これら第1のアライメントマーク11は、それぞれ、図4(a)に示すように、第2のマザー基板20側の円環に形成された第1のアライメントマーク21内に間隙を空けて収容される円形に形成されている。
【0033】
そして、他方の対角線上の2隅及び4方の各縁辺の中央には、第2アライメントマーク12がそれぞれ配設されている。これら第2アライメントマーク12は、十字形に形成され、第1の引き回し電極配線6a、6bを印刷により塗布形成する際の印刷版の位置基準となる。
【0034】
上述した第1、第2アライメントマーク11、12は、第1のタッチ電極4と同じ透明抵抗膜材料のITOで形成され、その厚さは150〜1000Åと第1のタッチ電極4よりも肉厚に形成されているから、透明な材料で形成されているにも拘わらず、読み取りカメラによって容易且つ正確に画像認識することができる。
【0035】
なお、第1、第2のマザー基板10、20にそれぞれ設けられている第2アライメントマーク12、22に合わせる各印刷版側のアライメントマークは、図4(b)、(c)に示されるように、正方形や十字形に形成されている。
【0036】
次に、第2のマザー基板20の製造方法について、図5(a)〜(d)に基づき説明する。なお、第1のマザー基板10の製造方法も同じであるからその説明は省略する。
【0037】
まず、図5(a)に示すように、第2のマザー基板20の一方の主面に、スパッタリング法によって、ITOからなる第1の薄膜30を90〜130Åの厚さで一様に被着形成する。なお、薄膜形成方法としては、スパッタリング法に限らず、真空蒸着法、CVD法等も好適に用いることができる。
【0038】
次に、図5(b)に示すように、図2(b)に示すハードマスク40を介して、第1の薄膜30上にITOからなる第2の薄膜31を同様にスパッタリング法で積層する。ハードマスク40には、第2のマザー基板20の周縁領域20Fに対応する開口41が穿設されているから、この開口41に従って、第2のマザー基板20の周縁部に厚さが60〜870Å程度の第2のITO薄膜31が積層される。この第1、第2のITO薄膜30、31が積層された厚さが150〜1000Å程度の厚肉部32は、図2(a)に示されるパネル採取領域20Uを囲む周縁領域20Fよりも若干幅狭に形成されている。これは、個々のタッチパネルに切り離す際の切離線Lに沿った切断幅を確保するためである。
【0039】
次に、第1、第2のITO薄膜30、31を覆って(第2のマザー基板20全面に)ネガタイプのフォトレジスト膜を被着した後、図5(c)に示すように、ブラックマスク50を介して露光し、第2のタッチ電極や第1、第2のアライメントマークに対応させて穿設されたマスク開口51に対応したレジストパターン60を形成する。
【0040】
次に、図5(d)に示すように、エッチング処理を実施し、パネル採取領域20U内の各第2のタッチ電極5及び周縁領域20F内の第1、第2アライメントマーク21、22を一括してパターニングする。このエッチング処理では、厚肉部32の第1、第2の各アライメントマーク21、22を除く部分が全て除去されるまでエッチングを継続せずに、膜厚の薄い第2のタッチ電極5が充分にパターニングされる程度でエッチングを止める。これは、第2のタッチ電極5のオーバーエッチングを防止するためである。従って、厚肉部32の第1、第2の各アライメントマーク21、22の除く部分(背景部)には、或る程度のITO膜が残存しているが、第1、第2の各アライメントマーク21、22の画像認識に支障を及ぼすことはない。
【0041】
以上のように、本実施形態のタッチパネル用マザーガラス基板とその製造方法では、パネル採取領域20Uを囲むタッチパネルとして使用しない周縁領域20Fに選択的にITOの厚肉部32を形成し、この厚肉部32に厚肉の第1、第2の各アライメントマーク21、22を形成したから、透明抵抗膜で形成されたアライメントマークであっても明瞭に画像認識され、第1、第2のマザー基板10、20の位置合わせを容易且つ正確に実施することができる。
【0042】
そして、パネル採取領域20Uを極薄膜の透明抵抗膜で形成すると共に周縁領域20Fのアライメントマーク形成部を厚肉の同じ透明抵抗膜で形成し、この膜厚が2段階に変化する透明抵抗膜に一度のフォトリソグラフィーによる一括パターニングを実施して第1、第2タッチ電極4、5の何れかと第1、第2の各アライメントマーク21、22を同時に形成するから、アライメントマークだけを不透明な金属等で形成する場合に比べて、パターニング工程が少なくて済み、少ない工数で上記の位置合わせが容易な第1、第2のマザー基板10、20を得ることができる。
【0043】
また、極薄膜の透明抵抗膜から成るタッチパネルを製造するためのマザーガラス基板であっても、同じ透明抵抗膜からなる厚肉のアライメントマークを容易に形成することができ、抵抗膜式タッチパネルを少ない工数で製造することができる。
【0044】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態ではアライメントマークは周縁領域20Fだけに設けられているが、これに限らず、図6(a)に示すように、パネル採取領域20U内の各パネル領域20pにおける第2のタッチ電極5の周縁領域に同じ厚肉透明抵抗膜からなるパネル用アライメントマーク23を設けることもできる。このようなマザー基板20´は、図6(b)に示すような開口71が穿設されたハードマスク70を用いて製造される。この場合のパネル用アライメントマーク23としては、切離された個々のタッチパネルを液晶表示装置等に設置する際の位置基準マーク等が想定される。
【符号の説明】
【0045】
1 第1のガラス基板
2 第2のガラス基板
3 シール材
4 第1のタッチ電極
5 第2のタッチ電極
6a、6b 第1の引き回し電極配線
7a、7b 第2の引き回し電極配線
8a、8b 基板間導通部材
9 スペーサ
10 第1のマザー基板
20、20´ 第2のマザー基板
20p パネル領域
20U パネル採取領域
20F 周縁領域
21 第1のアライメントマーク
22 第2のアライメントマーク
23 パネル用アライメントマーク
30 第1のITO薄膜
31 第2のITO薄膜
40、70 ハードマスク
41、71 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明抵抗膜からなるタッチ電極が形成された一対の透明な基板を、互いのタッチ電極を対向させて所定の間隙で接合させたタッチパネルを複数個同時に製造するためのタッチパネル用マザー基板であって、
前記タッチパネルの基板を形成するパネル領域が複数個割り付けられ、各パネル領域ごとに前記タッチ電極が形成されるとともに、
前記タッチ電極と同じ透明抵抗膜で膜厚が前記タッチ電極よりも厚いアライメントマークが、複数の前記パネル領域が配置されてなるパネル採取領域の周縁に複数個形成されていることを特徴とするタッチパネル用マザー基板。
【請求項2】
前記パネル領域毎に、前記タッチ電極と同じ透明抵抗膜で膜厚が前記タッチ電極よりも厚いパネル用アライメントマークが、前記タッチ電極を囲むように前記パネル領域の額縁部に複数個形成されていることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル用マザー基板。
【請求項3】
透明抵抗膜からなるタッチ電極が形成された一対の透明な基板を、互いのタッチ電極を対向させて所定の間隙で接合してなるタッチパネルを複数個同時に製造するためのタッチパネル用マザー基板の製造方法であって、
前記タッチパネルの基板を形成するパネル領域が複数個割り付けられたパネル採取領域から該パネル採取領域を囲む周縁領域にわたり、少なくとも前記周縁領域の膜厚が前記タッチ電極の形成部よりも厚い透明抵抗膜を、形成する工程と、
前記周縁領域に設ける位置合わせ用のアライメントマーク及び各パネル領域に設ける前記タッチ電極を一括してパターニングする工程とを、有することを特徴とするタッチパネル用マザー基板の製造方法。
【請求項4】
前記各パネル領域の前記タッチ電極形成部を囲む額縁部の複数箇所を前記タッチ電極の形成部よりも厚肉に形成し、該厚肉部にパネル用アライメントマークを前記タッチ電極及び前記アライメントマークと一括してパターニングすること、を特徴とする請求項3に記載のタッチパネル用マザー基板の製造方法。

【図1】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−100326(P2011−100326A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254896(P2009−254896)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】