説明

タッチパネル

【課題】 タッチ面での誤接触を防止すると共に、指などに大きな負担をかけず、均一な押圧力でタッチ操作を行えるようにすること、また、部品点数の増加に伴うコストアップを抑え、且つ、タッチ面でのニュートンリングの発生を防止することのできるタッチパネルを提供することである。
【解決手段】 X軸電極対49a,49b及び引き回し電極49c,49dからなるX軸電極パターン、Y軸電極対48a,48b及び引き回し電極48c,48dからなるY軸電極パターンがそれぞれ形成された上透明基板46及び下透明基板44と、これら上下の透明基板を所定の隙間を持たせて保持する一対のX軸方向封止部50a,50b及び一対のY軸方向封止部50c,50dからなる外周封止部50とを備えたタッチパネル41において、前記X軸電極パターン及びY軸電極パターンが、前記外周封止部50から内側近傍に等距離で、且つ、厚みを持たせて形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ATM、カーナビゲーション、自動販売機、複写機、各種端末機等の機器において、液晶ディスプレイ等の表示画面上に配置し、透過された表示画面の指示に従って使用者が表示画面を指やペンなどで直接押すことによって、データの入力操作を行うタッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の抵抗膜式タッチパネルは、可撓性及び絶縁性を有する透明基板の下側に上透明電極層及びこの上透明電極層に形成される電極部を有する上基板と、上側に下透明電極層及びこの下透明電極層に形成される電極部を有し、前記下透明電極層の上面にドットスペーサを一定間隔ごとに配置した下基板とを備え、前記上透明電極層と下透明電極層とが所定の間隔を有して対向させた構造となっている。このような構造のタッチパネルは、液晶表示装置等の表示画面の上面に載置される。入力操作は、前記タッチパネル上の任意のポイントを指またはペンで押圧することによって行われる。この押圧によって、上透明電極層が下透明電極層に接触し、その位置座標の電気抵抗が検知される。このようにして、前記表示画面上に現れる情報に対して入力操作を行うようになっている。
【0003】
上記従来の一般的なタッチパネルの構造を図6〜図9に示す。このタッチパネル1は、図6及び図7に示すように、四角形状の下基板2と、この下基板2と同じように四角形状で可撓性を有する上基板3とによって構成されている。前記下基板2は、図8に示すように、板厚が約1.1mmの透明なガラスからなる下透明基板4と、この下透明基板4の上面に形成される下透明電極層5と、この下透明電極層5の上辺及び下辺に対向して設けられる一対のY軸電極対8a,8bと、このY軸電極対8a,8bから延びる引き回し電極8c,8dと、前記下透明基板4の端部に設けられ、前記引き回し電極8c,8dと導通する端子電極8e,8fと、前記下透明電極層5上にマトリックス状に配設される複数のドットスペーサ11とによって構成される。
【0004】
上基板3は、図9に示すように、板厚が約0.2mmの可撓性を有した透明な方形状のマイクロガラスからなる上透明基板6と、この上透明基板6の下方に形成される上透明電極層7と、この上透明電極層7の左辺と右辺に対向して設けられるX軸電極対9a,9bと、このX軸電極対9a,9bから延びる引き回し電極9c,9dとを有し、この引き回し電極9c,9dが前記下透明基板4の端部に設けられている端子電極9e,9fと導通接続される。
【0005】
また、防眩性を高めて透視性や品質表示を良くするために、上基板3の上面には偏光板15、下基板2の下面には位相差板16が設けられる。なお、前記端子電極8e,8f,9e,9fが集合した下基板2の端部には、FPC14の一端が接続される。
【0006】
前記下基板2と上基板3は、下透明電極層5と上透明電極層7とが10μm前後の隙間を持たせて対向させた状態で外周部20が封止樹脂材12によって封止される。
【0007】
上記構成からなるタッチパネル1において、下基板2を構成する下透明基板4は、ソーダガラス、石英ガラス、アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、普通板ガラス等の透明なガラスが用いられ、反りや撓みが起きない程度の厚さ、例えば、0.7〜1.1mmのものが選択される。上基板3を構成する上透明基板6は、可撓性を必要とするところであるので、薄い透明な板ガラスや柔軟性のある透明なプラスチックフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)等が用いられる。特に、耐熱性が求められる機器(例えば、カーナビゲーション等)には、ガラス材が使用される。
【0008】
前記下透明電極層5及び上透明電極層7は、錫をドープした酸化インジウムのITO(Indium Tin Oxide)であり、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、印刷法等によって形成されている。この下透明電極層5及び上透明電極層7は、電圧勾配が高いことと、高抵抗値であることが求められるため、250〜500Åの範囲で薄く形成する。このITOによる層は、下透明基板4及び上透明基板6の全面に形成したものをフォトリソグラフィにより不要部分を除去し、必要な部分をパターンとして残して形成する。
【0009】
前記Y軸電極対8a,8b、引き回し電極8c,8d、X軸電極対9a,9b、引き回し電極9c,9d及び端子電極8e,8f,9e,9fは、前記下透明電極層5、上透明電極層7に電圧を印加するために形成されたもので、銀粉や銅粉等の高導電性金属粒子を熱硬化性のエポキシ樹脂等に混ぜ合わせてインク化したものをスクリーン印刷し、熱または紫外線を照射して硬化させて形成される。このY軸電極対8a,8b、引き回し電極8c,8d、X軸電極対9a,9b、引き回し電極9c,9d及び端子電極8e,8f,9e,9fは、前記下透明電極層5及び上透明電極層7の抵抗値に比べて100分の1以下の低い値に設計する必要があり、そのために、前記Y軸電極対8a,8bやX軸電極対9a,9bの印刷幅や厚みを大きくするなどして抵抗値を小さく抑えている。
【0010】
ドットスペーサ11は、下透明電極層5と上透明電極層7とが通常の状態において、接触しないように一定間隔の隙間を保持すると共に、所定のポイントをタッチした際には、他の部分が接触しないようにして誤動作を防ぐために設けられる。このドットスペーサ11は、透明なアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、その他の透明な樹脂材料をスクリーン印刷によってドットマトリックス状に所定間隔ごとに配列形成し、その後、熱または紫外線を照射して硬化させる。このドットスペーサ11は、タッチパネル面から目立たないように、直径が30〜60μm、厚みが2〜5μmで、隣接するドットスペーサ11の間隔が1〜8mmの範囲で形成される。
【0011】
封止樹脂材12は、図7に示すように、下基板2及び上基板3の対向間隔を確保する目的で、一定厚みの粒状のスペーサ部材13を分散させたエポキシ樹脂接着剤やアクリル樹脂接着剤等をスクリーン印刷等の方法で印刷形成する。この印刷は、厚みが30μm、幅が0.5mm位にすると、下基板2及び上基板3を10μm前後の隙間に仕上げたときに1.5mm前後位の幅になる。ここで使用されるスペーサ部材13は、所定の大きさ及び厚みの絶縁性を有した粒状のプラスチックボールやガラスファイバ等が利用される。このスペーサ部材13のサイズは、上透明基板6の材質や厚みによって異なるが、0.2mmのマイクロガラスを使用した場合は、概ね10μm前後の粒径のものが選択される。このスペーサ部材13を含有させた封止樹脂材12は、下基板2または上基板3とを位置合わせして、一定の圧力をかけて貼り合わせ、加熱処理を施して硬化させる。このように封止樹脂材12によって封止することで、下基板2と上基板3を固定すると共に、下透明電極層5及び上透明電極層7の内部に水分やゴミ等の侵入を防止する効果を有している。
【0012】
上記構造からなるタッチパネル1は、指または入力ペン等の入力手段によって、上基板3を押圧し、この上基板3の下面に形成されている上透明電極層7のいずれか一点が下基板2に形成されている下透明電極層5に接触することによって導通する。これにより、図示しない制御装置がその位置の抵抗値によって変化された電圧値を読み取り、電位差の変化に応じて位置座標を読み込む構成になっている。このため、タッチパネルの入力側の上基板は、常に下基板に押し付けられる力が働くので、長期間の使用では、前記上基板が下基板に接触する方向に変形し、絶縁性が徐々に低下し、誤動作の原因となって耐久性を低下させることが問題となっていた。また、これに伴って、上基板の撓んだ部分を中心にして同心円状の干渉縞、いわゆるニュートンリングが発生する。このニュートンリングが現れると、見栄えが悪くなると共に、入力面の情報が見にくくなり、誤入力を生じさせる場合がある。
【0013】
前記偏光板15は、ポリビニールアルコールフィルムを圧延して厚みが約20μmの偏光フィルムを作成した後、このフィルムの両面に厚みが80μmのセルロース系フィルムを貼り合わせ、全体の厚みを約180μmにしたものが使用される。また、位相差板16は、ポリカーボネイトを素材として形成され、厚みが約80μmに形成される。
【0014】
上記示した抵抗膜式のタッチパネル1においては、前述したように、タッチ面の視認性を妨げるニュートンリングが発生する場合があるが、これは上基板3の表面に同心円状の干渉縞がでる現象であって、機能的には問題はない。しかしながら、利用者にとっては感覚的に非常に不快な思いをさせる。このような現象は、上基板3を構成する上透明基板6に薄板ガラスを使用しても同じ現象が現れる。このニュートンリング現象を無くすために、過去において様々な技術が開発されてきている。その一つとして、特許文献1に示されるような構造を備えたタッチパネルが開示されている。
【0015】
この特許文献1に示されているタッチパネル21は、図10及び図11に示すように、透明なガラスなどからなる硬直な透明基体上に透明抵抗膜23、この透明抵抗膜23に接して横両端に沿ったリード電極線24、前記透明抵抗膜23上の透明絶縁スペーサ25とからなるディスプレイ側透明電極板22と、PETフィルムなどの透明フィルム上に透明抵抗膜26、この透明抵抗膜26に接して縦両端に沿ったリード電極27とからなるタッチパネル側透明電極フィルム28との貼り合わせにおいて、周縁接着層29と面一の状態になるように、線状凸起30を設け、両面テープ31を介在させて貼り合わせた構造となっている。
【0016】
また、前記ディスプレイ側透明電極板22とタッチパネル側透明電極フィルム28とを貼り合わせたときに、タッチパネル側透明電極フィルム28が凸状に湾曲するように線状凸起30の高さを10〜50μm、幅を0.5〜2mmに設定している。このような構造において、例えば、タッチパネル21の大きさが150×200mmである場合、湾曲した部分の高さは10〜400μmに設定される。これによって、ニュートンリングの発生を防ぐことができるというものである。
【特許文献1】実用新案登録第3048333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、自動車に搭載されるカーナビゲーション用のタッチパネルには、耐熱性上の問題から、透明フィルムを使わずに透明な薄板ガラスの使用が求められる。透明フィルムより剛性のある薄板ガラスを使用した場合に、湾曲部の高さが400μm近くあると相当な押圧力を必要とし、指など大きな負担がかかる。一方、湾曲部の高さが10μm近くに低下すると、前述したような二一トンリング現象が発生してしまう。
【0018】
また、上記の構造をとる場合は、新たに線状凸起30を構成する部材と両面テープ31などの構成部品が必要となり、製造コスト及び製品コストがアップするといった問題がある。
【0019】
そこで、本発明の目的は、タッチ面での誤接触を防止すると共に、指などに大きな負担をかけず、均一な押圧力でタッチ操作を行えるようにすること、また、部品点数の増加に伴うコストアップを抑え、且つ、タッチ面でのニュートンリングの発生を防止することのできるタッチパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するために、本発明に係るタッチパネルは、X軸方向に対向する電極対及びこの電極対からそれぞれ延びる引き回し電極からなるX軸電極パターン、Y軸方向に対向する電極対及びこの電極対からそれぞれ延びる引き回し電極からなるY軸電極パターンがそれぞれ形成された一対の透明基板と、これら一対の透明基板の間に所定の隙間を保持し、且つ、前記透明基板のX軸方向に対向した一対のX軸方向封止部及びY軸方向に対向した一対のY軸方向封止部からなる外周封止部とを備えたタッチパネルにおいて、前記外周封止部の内側に位置する前記X軸電極パターン及びY軸電極パターンが、該パターンに対応するそれぞれの前記外周封止部に沿って等距離で、且つ、前記外周封止部よりも厚みを持たせて形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のタッチパネルによれば、X軸電極パターン及びY軸電極パターンが形成された一対の透明基板を、外周封止部によって所定の隙間を保持して封止する際、前記X軸電極パターン及びY軸電極パターンが前記外周封止部の内側に沿って等距離、且つ、前記外周封止部よりも厚みを有して形成されているので、タッチ入力側の透明基板をその外周封止部から中央部に向けて僅かに湾曲させた状態で保持させることができる。このため、前記タッチ入力側の透明基板の表面にニュートンリング現象が生ずることがないので、良好な視認性及び操作性を維持することができる。また、前記透明基板の外周部において、外周封止部の厚みと、電圧の印加に必要なX軸電極パターン及びY軸電極パターンの厚みのみを利用しているので、別途専用の支持部材を設ける必要なない。これによって、タッチ面となる透明基板の透過有効領域を狭めず、また、タッチパネルを構成する部品点数の削減効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明のタッチパネルの実施形態を図1乃至図5に基づいて詳細に説明する。ここで、図1は本発明のタッチパネルのタッチ入力側から見た平面図、図2は前記タッチパネルの断面図、図3は前記タッチパネルを構成する下基板の平面図、図4は前記タッチパネルを構成する上基板の平面図、図5は前記タッチパネルにおける上基板の形成例を示す断面図である。
【0023】
図1乃至図3に示すように、本発明の実施形態に係るタッチパネル41は、長方形状をなす下基板42と可撓性を有する上基板43とを対向配置させ、封止樹脂材52を介して前記下基板42及び上基板43の外周部を周回して貼り合わせた構造となっている。下基板42は、板厚が約1.1mmの透明な長方形状のガラスからなる下透明基板44と、この下透明基板44の上面に薄く形成した下透明電極層45と、この下透明電極層45の対向する上辺及び下辺に沿って形成されたY軸電極対48a,48b、このY軸電極対48a,48bから下基板42の一端に設けられるFPC取付部Sにかけて延設される引き回し電極48c,48dからなるY軸電極パターンと、前記FPC取付部S近辺に形成され、前記Y軸電極パターンと導通する端子電極48e,48fと、前記下透明電極層45上にマトリックス状に配置されるドットスペーサ51とで構成されている。なお、前記FPC取付部Sには、外部から電圧を印加させるための電極パターンが形成されたフレキシブル基板(FPC)54の一端が接続される。
【0024】
上基板43は、図4に示すように、前記下基板42と略同じ長方形状で約0.2mm厚のマイクロガラス(マイクロシートガラス)からなる上透明基板46と、この上透明基板46の下面に薄く形成される上透明電極層47と、この上透明電極層47の対向する左辺及び右辺に沿って形成されたX軸電極対49a,49b、このX軸電極対49a,49bから前記下基板42のFPC取付部Sにかけて延設される引き回し電極49c,49dからなるX軸電極パターンとで構成されている。このX軸電極パターンは、下基板42と上基板43とを封止した際、前記FPC取付部Sに形成されている端子電極49e,49fと導通接続される。
【0025】
前記X軸電極パターン及びY軸電極パターンは、従来例で説明したように、銀粉などの高導電性金属粉を熱硬化性のエポキシ樹脂接着剤に混ぜ合わせてインク化させたものをスクリーン印刷して形成される。これら電極パターンは、前記封止樹脂材52の厚みより僅かに厚くして形成する。
【0026】
上記構成からなる下基板42と上基板43は、それぞれの外周部を一周する外周封止部50に沿って塗布される封止樹脂材52を介して、下透明電極層45と上透明電極層47とが対向する向きで重ね合わされ、加圧及び加熱処理によって封止される。前記外周封止部50は、X軸方向に対向した一対のX軸方向封止部50a,50bと、Y軸方向に対向した一対のY軸方向封止部50c,50dとで連続形成されたものである。
【0027】
前記外周封止部50に塗布される封止樹脂材52は、従来例で説明したように、ボール状のスペーサ部材53を分散した熱硬化性のエポキシ樹脂接着剤であり、これを所定厚みになるようにして印刷される。前記スペーサ部材53の粒径は、下基板42と上基板43の隙間量に略等しい大きさのものを使用する。本実施形態では略10μmの粒径のものを使用している。この封止樹脂材52の印刷は、幅は約0.5mm、厚みが約30μmで印刷する。前記下基板42と上基板43を封止する際は、加圧されるので、最終的には、幅は1.5mm程度延び、厚みは使用したスペーサ部材53の粒径と同じ略10μmとなる。
【0028】
なお、防眩性を高めて透視性や品質表示を良くするために、必要に応じて上基板43の上面には偏光板55、下基板42の下面には位相差板56が設けられる。
【0029】
図5に示すように、下基板42に形成したY軸電極対48a,48b及びこの引き回し電極48c,48dからなるY軸電極パターンと、上基板43に形成したX軸電極対49a,49b及びこの引き回し電極49c,49dからなるX軸電極パターンは、前記封止樹脂材52の厚みより僅かに厚みを持たせて形成される。このため、下基板42と上基板43とを貼り合わせたときに、前記X軸電極パターン及びY軸電極パターンによって上基板43の外周部が傾斜することになり、それぞれの外周封止部50から中央部に向かってドーム状に湾曲した状態で固定される。
【0030】
図1に示したように、本実施形態の電極パターン構成では、上基板43を傾斜させて支持する箇所は、Y軸方向封止部50c,50d側では、このY軸方向封止部50c,50dに沿って平行に延びるY軸電極48aとこのY軸電極48aから延びる引き回し電極48c,X軸電極49aから延びる引き回し電極49cとなる。また、X軸方向封止部50a,50b側では、このX軸方向封止部50a,50bに沿って平行に延びるX軸電極49aと前記Y軸電極48aから延びる引き回し電極48cとなる。
【0031】
本実施形態では、上基板43の外周封止部50からの傾斜角を均一にするため、前記X軸電極パターン及びY軸電極パターンの幅及び厚みを均一にして形成した。また、前記X軸電極パターン及びY軸電極パターンの外周封止部50からの平面離間距離は、全周に亘って均一にするのが望ましいが、少なくとも、X軸方向封止部50a,50bにおいては、X1とX2を等しく、Y軸方向封止部50c,50dにおいては、Y1,Y2,Y3を等しくするのがよい。
【0032】
なお、前記上基板43が支持されるX軸電極パターン及びY軸電極パターンの厚み及び外周封止部50からの離間距離は、タッチパネル41のサイズや上基板43の材質や厚みによって異なるが、例えば、前記上基板43に0.2mm厚の透明なマイクロガラス板からなる透明基板を使用した場合、図5に示したように、上基板43の中央部における高低差Hが外周部に比べて10〜30μm程度高く設定すると、ニュートンリングの発生が抑えられ、タッチ感覚にも支障をきたすことがない。また、タッチ面での誤接触も防止される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係るタッチパネルのタッチ入力側からみた平面図である。
【図2】上記タッチパネルのX−X断面図である。
【図3】上記タッチパネルの下基板の構成を示す平面図である。
【図4】上記タッチパネルの上基板の構成を示す平面図である。
【図5】上記タッチパネルにおける上基板の形成例を示す断面図である。
【図6】従来のタッチパネルの平面図である。
【図7】上記図6に示すタッチパネルのC−C断面図である。
【図8】上記図6に示すタッチパネルの下基板の構成を示す平面図である。
【図9】上記図6に示すタッチパネルの上基板の構成を示す平面図である。
【図10】従来の他の形態によるタッチパネルの平面図である。
【図11】上記図10に示すタッチパネルのA−A断面図である。
【符号の説明】
【0034】
41 タッチパネル
42 下基板
43 上基板
44 下透明基板
45 下透明電極層
46 上透明基板
47 上透明電極層
48a,48b Y軸電極対
48c,48d 引き回し電極
48e,48f 端子電極
49a,49b X軸電極対
49c,49d 引き回し電極
49e,49f 端子電極
50 外周封止部
50a,50b X軸方向封止部
50c,50d Y軸方向封止部
51 ドットスペーサ
52 封止樹脂材
53 スペーサ部材
54 FPC
55 偏光板
56 位相差板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X軸方向に対向する電極対及びこの電極対からそれぞれ延びる引き回し電極からなるX軸電極パターン、Y軸方向に対向する電極対及びこの電極対からそれぞれ延びる引き回し電極からなるY軸電極パターンがそれぞれ形成された一対の透明基板と、
これら一対の透明基板の間に所定の隙間を保持し、且つ、前記透明基板のX軸方向に対向した一対のX軸方向封止部及びY軸方向に対向した一対のY軸方向封止部からなる外周封止部とを備えたタッチパネルにおいて、
前記外周封止部の内側に位置する前記X軸電極パターン及びY軸電極パターンが、該パターンに対応するそれぞれの前記外周封止部に沿って等距離で、且つ、前記外周封止部よりも厚みを持たせて形成されたことを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記X軸電極パターン及びY軸電極パターンが、前記X軸方向封止部及びY軸方向封止部から等距離に形成される請求項1記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記一方の透明基板が、可撓性を有して形成され、この透明基板が前記X軸電極パターン及びY軸電極パターンの厚みを介して、外周封止部から中央部に向かって湾曲させて封止固着される請求項1または2記載のタッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−113925(P2006−113925A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302385(P2004−302385)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000124362)シチズンセイミツ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】