説明

タッチパネル

【課題】耐久性及び信頼性の高いタッチパネルを提供する。
【解決手段】上部導電膜を有する上部電極基板と、下部導電膜を有する下部電極基板と、前記上部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子と、前記下部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子とを有するフレキシブル基板と、を有し、前記上部電極基板に設けられた電極端子と前記フレキシブル基板の一方の面に設けられた電極端子とは熱圧着により電気的に接続されており、前記下部電極基板に設けられた電極端子と前記フレキシブル基板の他方の面に設けられた電極端子とは熱圧着により電気的に接続されており、前記上部電極基板及び前記下部電極基板と前記フレキシブル基板とが接続されている領域の周囲には、前記上部電極基板から前記下部電極基板にわたり、粘着テープが貼られていることを特徴とするタッチパネルを提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、ディスプレイに直接入力をすることが可能な入力デバイスであり、ディスプレイの前面に設置して使用される場合が多い。タッチパネルは、ディスプレイにより視覚的にとらえた情報に基づき、直接入力することができることから、様々な用途において普及している。
【0003】
このようなタッチパネルとしては、抵抗膜方式が広く知られている。抵抗膜方式のタッチパネルは、透明導電膜が形成された上部電極基板及び下部電極基板において、各々の透明導電膜同士が対向するように設置し、上部電極基板の一点に力を加えることにより各々の透明導電膜同士が接触し、力の加えられた位置の位置検出を行うことができるものである。
【0004】
抵抗膜方式のタッチパネルは、4線式、5線式、ダイオード式に大別することができる。4線式は、上部電極基板又は下部電極基板のどちらか一方にX軸の電極が設けられており、他方にY軸の電極が設けられている(例えば、特許文献1)。また、5線式は、下部電極基板にX軸の電極及びY軸の電極がともに設けられており、上部電極基板は、電圧を検出するためのプローブとして機能するものである(例えば、特許文献2)。また、ダイオード式は、下部電極基板にダイオードが設けられている構造のものであり、電圧を印加するための2つの電極と、電位をモニタするための4つの電極とが設けられており、電圧を検出するためにプローブとして機能する上部電極基板に設けられた電極と併せて、電極が7つ形成されることから7線式とも呼ばれている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−272722号公報
【特許文献2】特開2008−293129号公報
【特許文献3】特開2005−196280号公報
【特許文献4】特開2005−115728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した5線式及び7線式のタッチパネルでは、1つのフレキシブル基板により上部電極基板及び下部電極基板が接続されている。例えば、7線式のタッチパネルでは、図1に示される下部電極基板310と、図2に示される上部電極基板320とが、図3に示される両面テープ330により接着されており、図4に示されるフレキシブル基板340は、下部電極基板310と上部電極基板320との間に接続されている。
【0007】
具体的には、下部電極基板310には、不図示の透明導電膜が表面に形成されており、6つの電極端子311、312、313、314、315、316が設けられている。また、上部電極基板320には、不図示の透明導電膜が表面に形成されており、配線部321と電極端子323と、配線部321と電極端子323とを接続する接続部322が設けられている。下部電極基板310の電極端子311、312、313、314、315、316が形成されている面と、上部電極基板320の電極端子323が形成されている面とを対向させた状態で両面テープ330により貼り合わせる。
【0008】
フレキシブル基板340は、下部電極基板310の電極端子311、312、313、314、315、316及び上部電極基板320の電極端子323と接続される電極端子341、342、343、344、345、346、347を有している。電極端子341、342、343、344、345、346は下部電極基板310の電極端子311、312、313、314、315、316と異方性導電フィルム(ACF:anisotropic
conductive film)等により接続され、電極端子347は上部電極基板320の電極端子323と異方性導電フィルム(ACF)等により接続される。従って、フレキシブル基板340において、電極端子341、342、343、344、345、346と、電極端子347とは反対側の面に形成されている。尚、両面テープ330は、フレキシブル基板340が接続される部分が除去された形状で形成されており、上部電極基板320は、下部電極基板310における電極端子311、312、313、314、315、316とフレキシブル基板340における電極端子341、342、343、344、345、346との熱圧着をすることができるよう、フレキシブル基板340における電極端子341、342、343、344、345、346が設けられている領域が除去されている。
【0009】
下部電極基板310と上部電極基板320とを両面テープ330により貼り合わせ、フレキシブル基板340を接続することにより、図5に示されるタッチパネルが作製される。
【0010】
このタッチパネルでは、上部電極基板320における配線部321、接続部322、電極端子323は、銀ペーストを印刷等することにより形成されるものであるが、タッチパネルとして作製された状態では、接続部322の一部及び電極端子323の一部が露出している。
【0011】
即ち、上部電極基板310と下部電極基板320とは両面テープ330で張り合わされており、この部分に形成されている配線部321及び接続部322の他の一部は、両面テープ330により覆われている。また、上部電極基板310にはフレキシブル基板340が接続されるため、この部分に形成されている電極端子323の他の一部は、接続されているフレキシブル基板340等により覆われている。
【0012】
しかしながら、両面テープ330及びフレキシブル基板340等により覆われていない接続部322の一部及び電極端子323の一部は露出しており、露出部324となる。接続部322及び電極端子323は銀ペーストにより形成されているため、露出部324における接続部322及び電極端子323が空気に触れると、酸化等により腐食し、導通不良が生じるといった問題を有していた。
【0013】
また、上述したタッチパネルでは、フレキシブル基板330が接続されるが、フレキシブル基板330が接続されることにより、タッチパネルの外形が大型化してしまうことや、フレキシブル基板330において断線が生じることが問題となっていた。
【0014】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、銀ペーストにより形成された配線部の一部及び接続部の一部が酸化等により腐食しにくく、導通不良の生じにくい構造のタッチパネルと提供することを目的とするものであり、また、フレキシブル基板の接続されたタッチパネルの外形を小型化にすることができ、断線防止がなされた構造のタッチパネルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上部導電膜を有する上部電極基板と、下部導電膜を有する下部電極基板と、前記上部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子と、前記下部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子とを有するフレキシブル基板と、を有し、前記上部電極基板に設けられた電極端子と前記フレキシブル基板の一方の面に設けられた電極端子とは熱圧着により電気的に接続されており、前記下部電極基板に設けられた電極端子と前記フレキシブル基板の他方の面に設けられた電極端子とは熱圧着により電気的に接続されており、前記上部電極基板及び前記下部電極基板と前記フレキシブル基板とが接続されている領域の周囲には、前記上部電極基板から前記下部電極基板にわたり、粘着テープが貼られていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記フレキシブル基板と前記下部電極基板との間には、封止樹脂からなる封止部が形成されているものであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記粘着テープは第1の封止用粘着テープであって、前記第1の封止用粘着テープの上に、更に、第2の封止用粘着テープが貼られており、前記第2の封止用粘着テープの一部は前記下部電極基板から前記フレキシブル基板にわたり貼られている部分を有するものであることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記第1の封止用粘着テープ及び前記第2の封止用粘着テープと前記フレキシブル基板との間には、封止樹脂からなる封止部が設けられていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記封止樹脂は、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂のいずれかであることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記封止樹脂は、JIS硬度Aが15〜90であって、接着強度が1.0(N/mm)以上であって、粘度が5Pa・S〜200Pa・S(BH型、No.7ロータ、20rpm)であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記粘着テープまたは前記第2の封止用粘着テープは、フィルム部と粘着部により形成されているものであって、前記フィルム部は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、延伸ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイドのいずれかにより形成されており、前記粘着部は、アクリル系粘着剤、メタクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ゴム系粘着剤のいずれかにより形成されているものであることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記粘着テープまたは前記第2の封止用粘着テープは、フィルム部と粘着部により形成されているものであって、前記フィルム部の厚さは、12μm以上、50μm以下であって、前記粘着部の厚さは、15μm以上、40μm以下であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前記粘着テープまたは前記第2の封止用粘着テープは、接着強度(粘着力)が4(N/25mm幅)以上であって、引張強度が30(N/25mm幅)以上であって、伸びが35%〜200%であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、前記フレキシブル基板に形成されている配線の数は、5本または7本であることを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、上部導電膜を有する上部電極基板と、下部導電膜を有する下部電極基板と、前記上部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子と、前記下部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子とを有するフレキシブル基板と、を有し、角度θの傾斜角を有する冶具の傾斜面上に前記上部電極基板が接しており、前記フレキシブル基板が上方となるように設置した状態で、前記下部電極基板と前記フレキシブル基板との間に樹脂材料が塗布されているものであって、前記角度θは、15°≦θ≦45°であること特徴とする。
【0026】
また、本発明は、上部導電膜を有する上部電極基板と、下部導電膜を有する下部電極基板と、前記上部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子と、前記下部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子とを有するフレキシブル基板と、を有し、前記下部電極基板と前記フレキシブル基板の間には樹脂材料が塗布されているものであって、前記樹脂材料が塗布される前記下部電極基板の端面には傾斜部が形成されており、前記傾斜部と前記フレキシブル基板とのなす角度ψは、15°〜45°であることを特徴とする。
【0027】
また、本発明は、上部導電膜を有する上部電極基板と、下部導電膜を有する下部電極基板と、前記上部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子と、前記下部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子とを有するフレキシブル基板と、を有し、前記下部電極基板と前記フレキシブル基板の間には樹脂材料が塗布されているものであって、前記樹脂材料が塗布される前記下部電極基板の端面には傾斜部が形成されており、前記下部電極基板面に対する前記傾斜部の角度φは45°〜75°であることを特徴とする。
【0028】
また、本発明は、上部導電膜を有する上部電極基板と、下部導電膜を有する下部電極基板と、前記上部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子と、前記下部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子とを有するフレキシブル基板と、を有し、前記下部電極基板と前記フレキシブル基板の間には樹脂材料が塗布されているものであって、前記樹脂材料が塗布される前記下部電極基板の端面には前記フレキシブル基板側に凹んだ段部が形成されており、前記凹んだ段部は、前記端面より0.1〜0.5mm凹んでいることを特徴とする。
【0029】
また、本発明は、前記傾斜部又は前記凹んだ段部は、前記フレキシブル基板が接続される部分に対応する領域に形成されているものであることを特徴とする。
【0030】
また、本発明は、前記フレキシブル基板は、折曲げられて、前記下部電極基板の面に貼り付けられていることを特徴とする。
【0031】
また、本発明は、前記樹脂材料は、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、銀ペーストにより形成された配線部の一部及び接続部の一部が酸化等により腐食しにくく、導通不良の生じにくい構造のタッチパネルと提供することができ、また、フレキシブル基板の接続されたタッチパネルの外形を小型化にすることができ、断線防止がなされた構造のタッチパネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】従来の7線式のタッチパネルの下部電極基板の構造図
【図2】従来の7線式のタッチパネルの上部電極基板の構造図
【図3】従来の7線式のタッチパネルの両面テープの構造図
【図4】従来の7線式のタッチパネルのフレキシブル基板の構造図
【図5】従来の7線式のタッチパネルの構造図
【図6】第1の実施の形態におけるタッチパネルの構造図
【図7】第1の実施の形態におけるタッチパネルの製造方法の説明図(1)
【図8】第1の実施の形態におけるタッチパネルの説明図
【図9】第1の実施の形態におけるタッチパネルの製造方法の説明図(2)
【図10】第1の実施の形態におけるタッチパネルの断面図(1)
【図11】第1の実施の形態におけるタッチパネルの断面図(2)
【図12】第2の実施の形態におけるタッチパネルの製造方法の説明図
【図13】第2の実施の形態におけるタッチパネルの構造図
【図14】フレキシブル基板の破損の説明図
【図15】タッチパネルの製造工程における従来の樹脂材料の説明図
【図16】第3の実施の形態におけるタッチパネルの製造方法の説明図
【図17】第4の実施の形態におけるタッチパネルの説明図(1)
【図18】第4の実施の形態におけるタッチパネルの説明図(2)
【図19】第4の実施の形態におけるタッチパネルの説明図(3)
【図20】第4の実施の形態におけるタッチパネルの説明図(4)
【図21】第4の実施の形態におけるタッチパネルの説明図(5)
【図22】第4の実施の形態におけるタッチパネルの説明図(6)
【図23】第4の実施の形態におけるタッチパネルの説明図(7)
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
〔第1の実施の形態〕
(タッチパネル)
第1の実施の形態におけるタッチパネルについて、図6に基づき説明する。本実施の形態におけるタッチパネルは、7線式のタッチパネルであって、透明フィルム等により形成される上部電極基板20と、ガラス基板等により形成される下部電極基板10と、フレキシブル基板40とを有しており、上部電極基板20と下部電極基板10とは、両面テープ30により接着されており、フレキシブル基板40は、下部電極基板10と上部電極基板20との間に接続されている。
【0036】
具体的には、下部電極基板10には、不図示の透明導電膜が表面に形成されており、6つの電極端子が設けられている。また、上部電極基板20には、不図示の透明導電膜が表面に形成されており、配線部21と接続部22により接続される電極端子23が設けられている。下部電極基板10の6つの電極端子が形成されている面と、上部電極基板20の電極端子23が形成されている面とを対向させた状態で両面テープ30により貼り合わせる。
【0037】
フレキシブル基板40は、下部電極基板10の6つの電極端子及び上部電極基板20の電極端子23と接続される電極端子41、42、43、44、45、46、47を有している。電極端子41、42、43、44、45、46は下部電極基板10の6つの電極端子とACF等を介し各々接続され、電極端子47は上部電極基板20の電極端子23とACF等を介し接続される。このため、フレキシブル基板40において、電極端子41、42、43、44、45、46と、電極端子47とは反対側の面に形成されている。両面テープ30は、フレキシブル基板40が接続される部分が除去された形状で形成されており、上部電極基板20は、下部電極基板10における6つの電極端子とフレキシブル基板40における電極端子41、42、43、44、45、46とが熱圧着がすることができるよう、フレキシブル基板40の電極端子41、42、43、44、45、46が形成されている領域が除去されている。
【0038】
本実施の形態におけるタッチパネルでは、封止用粘着テープ50により、フレキシブル基板30が接続されている領域において、下部電極基板10から上部電極基板20にかけて端部が覆われている。
【0039】
図7(a)に、下部電極基板10及び上部電極基板20に貼り付けられる前の状態の封止用粘着テープ50を示す。封止用粘着テープ50は、上部電極基板20側に貼り付けられる上部領域50aと、下部電極基板10側に貼り付けられる下部領域50bとを有しており、下部領域50bでは、フレキシブル基板40が接続される部分が除去されている。
【0040】
封止用粘着テープ50は、図7(b)に示されるように、上部電極基板20側に、封止用粘着テープ50の上部領域50aを貼り付けた後、封止用粘着テープ50の下部領域50bを折曲げて、図8に示されるように、封止用粘着テープ50の下部領域50bを下部電極基板10側に貼り付ける。尚、図8(a)は、封止用粘着テープ50の下部領域50bを下部電極基板10側に貼り付けた状態のものを上部電極基板20側から見た図であり、図8(b)は、下部電極基板10側から見た図である。また、図9(a)は、封止用粘着テープ50が貼り付けられる前の状態の下部電極基板10及び上部電極基板20の側面図である。図9(b)は、封止用粘着テープ50が貼り付けられた後の状態の下部電極基板10及び上部電極基板20の側面図である。
【0041】
この後、図9(c)に示されるように、下部電極基板10とフレキシブル基板40との間の隙間に封止樹脂を塗布することにより封止部61を形成し、同様に、上部電極基板20とフレキシブル基板40との間の隙間に封止樹脂を塗布することにより封止部62を形成する。
【0042】
これにより本実施の形態におけるタッチパネルを作製することができる。このように作製されたタッチパネルにおいてフレキシブル基板40が接続されている部分の断面図を図10及び図11に示す。図10は、一点鎖線10A−10Bにおいて切断した断面図であり、図11は、一点鎖線11A−11Bにおいて切断した断面図である。図6及び図11に示されるように、銀ペーストにより形成された接続部22等の一部は露出しており露出部24となるが、上部電極基板20と下部電極基板10との間は、封止用粘着テープ50及び封止部61及び62により封止されているため、外気が流入することはなく、露出部24における銀ペーストにより形成された接続部22等の腐食を防ぐことができる。
【0043】
また、封止用粘着テープ50は、フィルム部51と粘着部52により形成されている。フィルム部51の厚さは、12μm〜50μmであり、粘着部52の厚さは、15μm〜40μmである。フィルム部51の厚さは、上記より薄いと引張強度が不足してしまい、厚いと剛性が大きく貼り合わせ部分の凹凸形状を反映させて十分に被覆し封止することができなくなる。また、粘着部52の厚さは、粘着強度は厚さに依存することから、十分な粘着強度を確保するためには、15μm以上必要である。しかしながら、40μmを超えると、剛性が大きくなり、これ以上厚くしても粘着強度は強くはならない。よって、粘着部52の厚さは、15μm以上、40μm以下であることが好ましい。
【0044】
フィルム部51は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、延伸ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド等が用いられている。粘着部52は、アクリル系粘着剤、メタクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が用いられる。
【0045】
封止用粘着テープ50の物性としては、接着強度(粘着力)は、4(N/25mm幅)以上のものが好ましく、引張強度は、30(N/25mm幅)以上のものが好ましく、伸びは、35%〜200%のものが好ましく、電気絶縁性は、電食係数が0.8以上、絶縁破壊電圧は、3kV以上であることが好ましい。
【0046】
また、封止部61及び62を形成する封止樹脂としては、シリコン系樹脂、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系(室温硬化型、加熱型、UV硬化型)等が用いられる。封止部61及び62を形成する封止樹脂としては、可撓性のある材料が好ましく、JIS硬度Aが、15〜90であることが好ましい。これよりも軟らかいと引張強度に対する強度が不足して、容易に剥がれてしまい、これより硬いと後述する図14に示されるようにフレキシブル基板40を折曲げた際に、フレキシブル基板40が硬化した封止部61及び62の端に刺さってしまい、フレキシブル基板40を破損してしまう可能性があるからである。
【0047】
また、接着強度は、1.0(N/mm)以上であることが好ましい。これより弱いと、引き剥がす方向に力が加わった場合に、容易に剥離してしまう可能性があるからである。また、封止樹脂の粘度は、5Pa・S〜200Pa・S(BH型、No.7ロータ、20rpm)であることが好ましい。これより低いと、被覆する部分に封止樹脂を塗布した後、硬化するまでの間に液だれが生じてしまい十分な封止を行なうことができず、これよりも大きいと、封止樹脂を塗布する際に用いられる供給装置等からの封止樹脂の吐出が困難となり、下部電極基板10とフレキシブル基板40との間の部分を十分に覆うことができないからである。また、電気絶縁性は体積抵抗が10×1012(Ω・cm)以上であることが好ましい。
【0048】
また、本実施の形態においては、上部電極基板20は、フィルム状に形成されており、上部電極基板20を形成する材料としては、透明な樹脂材料であるポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、耐熱性ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、環状ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂、ポリアリレート、ポリプロピレン、耐熱ナイロン等が用いられる。また、下部電極基板10を形成する材料としては、ガラス、プラスチックが用いられており、プラスチックとしては、ポリカーボネート、耐熱性ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリエート、環状ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂、ポリアリレート、ポリプロピレン、耐熱ナイロン等が用いられる。尚、上部電極基板20の表面及び下部電極基板10の表面にはITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明導電膜が形成されており、上部電極基板20または下部電極基板10のどちらか一方の透明導電膜上には、不図示のドットスペーサが形成されている。尚、上記においては、7線式のタッチパネルについて説明したが、5線式のタッチパネルについても同様である。
【0049】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、2枚の封止用粘着テープを貼り付けた構造のタッチパネルである。
【0050】
図12(a)に示されるように、本実施の形態におけるタッチパネルでは、第1の封止用粘着テープ150と第2の封止用粘着テープ151とを有している。第1の封止用粘着テープ150は、第1の実施の形態における封止用粘着テープ50と同じ構造のものであり、上部電極基板20側に貼り付けられる上部領域150aと、下部電極基板10側に貼り付けられる下部領域150bとを有している。また、第2の封止用粘着テープ151は、上部電極基板20及びフレキシブル基板40に貼り付けられる上部領域と、下部電極基板10側に貼り付けられる下部領域151aとを有している。上部電極基板20側に貼り付けられる上部領域には、フレキシブル基板40の両側に対応した部分の2ヶ所に切り込み部151b、151cが設けられており、上部領域左部151d、上部領域中央部151e、上部領域右部151fに分けられている。上部領域左部151d及び上部領域右部151fは、折曲げられて上部電極基板20側に貼り付けられ、上部領域中央部151eは、フレキシブル基板40に貼り付けられる。尚、第2の封止用粘着テープ151は、形状等を除き、第1の封止用粘着テープ150と同様のものである。
【0051】
本実施の形態におけるタッチパネルでは、第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151を貼り付けた構造のものである。具体的には、最初に、図12(b)に示されるように、下部電極基板10及び上部電極基板20に、第1の実施の形態と同様に、第1の封止用粘着テープ150を貼り付け、この後、貼り付けられた第1の封止用粘着テープ150上に、第2の封止用粘着テープ151を貼り付ける。具体的には、第2の封止用粘着テープ151の下部領域151aを下部電極基板10に貼り付けた後、上部領域左部151d及び上部領域右部151fは、上部電極基板20に貼り付けられている第1の封止用粘着テープ150上に貼り付けられ、上部領域中央部151eは、フレキシブル基板40に貼り付けられる。
【0052】
次に、図13に示されるように、フレキシブル基板40と第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151との間の隙間に封止樹脂を塗布することにより封止部161を形成する。尚、封止部161を形成するための封止樹脂は、第1の実施の形態における封止部61及び62となる封止樹脂と同様のものである。これにより本実施の形態におけるタッチパネルを作製することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0053】
〔第1及び第2の実施の形態の実施例〕
次に、第1の実施の形態及び第2の実施の形態における実施例について説明する。
【0054】
(実施例1)
実施例1として、第2の実施の形態におけるタッチパネルを作製した。実施例1におけるタッチパネルの作製方法は、最初に、表面にITO膜が形成された上部電極基板20となるPET(Polyethylene Terephthalate)フィルム(厚さ:188μm)において、ITO膜の形成されている面に銀ペーストを用いたスクリーン印刷により配線部21、接続部22及び電極端子23を形成する。
【0055】
次に、表面にITO膜が形成された下部電極基板10となるガラス基板(厚さ:1.1mm)において、ITO膜が形成されている面にフォトレジストによりドットスペーサを形成し、この後、絶縁性レジストを用いて、下部電極基板10の縁部に絶縁パターン印刷により形成し、硬化させ、更に、銀ペーストを用いてスクリーン印刷により、不図示の6つの電極端子及び配線部を形成する。
【0056】
次に、上部電極基板20と下部電極基板10とを両面テープ30により貼り合わせ、フレキシブル基板40における電極端子47を上部電極基板20における電極端子23と低温ACFを用いた熱圧着により接続し、更に、フレキシブル基板40における電極端子41、42、43、44、45、46を下部電極基板10に設けられた6つの電極端子と通常のACFを用いた熱圧着により接続する。
【0057】
次に、図12(b)に示されるように、第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151を貼った。尚、第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151となる粘着テープは、ポリエステル25μmのフィルム部に粘着部としてアクリル粘着剤が25μm形成されているもの(日東電工(株)製、No.31粘着テープ)であり、接着力11.2(N/25mm)、引張強度258(N/25mm)、伸びは130(%)である。
【0058】
本実施例におけるタッチパネルの初期特性を測定したところ、電気的特性及び外観はともに良好であった。また、高温高湿保存試験(85℃、85%RH、1000時間)を行なったところ、特性に変化はなく、良好な特性を示した。
【0059】
更に、上記高温高湿試験の後のタッチパネルを分解し、上部電極基板20において露出していた接続部22及び電極端子23を観察したところ、この部分の幅は1〜2mm程度であるが、色調は初期状態と殆ど変わることなく、腐食等は生じてはいなかった。これにより、第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151による封止効果を確認することができた。本実施例では、このような封止により、銀ペーストを用いた電極等の腐食を防止することができ、タッチパネルの寿命を向上させることができる。
【0060】
また、本実施例におけるタッチパネルにおいて、熱衝撃試験(−40℃〜+85℃、各0.5時間、1000サイクル)を行なったところ、特性は初期の状態のままであり、信頼性が高いことが確認された。これは、第1の封止用粘着テープ150の下部領域150bにおいて、フレキシブル基板40に対応する部分が除去されていること、第2の封止用粘着テープ151において切り込み部151b及び151cが設けられていること及び粘着剤の粘性により、フレキシブル基板40、上部電極基板20、下部電極基板10における熱膨張、熱収縮の影響が緩和されることによるものと推察される。
【0061】
(比較例1)
比較例1として、実施例1と同様の上部電極基板及び下部電極基板を両面テープにより貼り付けるとともに、フレキシブル基板を接続する。尚、比較例1では、封止用粘着テープ等による封止は行なっていない。また、上部電極基板において銀ペーストにより形成された接続部及び電極端子は、幅が1〜2mm露出している。
【0062】
このタッチパネルの初期特性を測定したところ、電気的特性及び外観ともに良好であった。しかしながら、高温高湿保存試験(85℃、85%RH)を行なったところ、500時間でタッチ入力ができなくなった。このため、上部電極基板を指で押して接触抵抗を測定したところ15kΩとなっていた。また、タッチパネルを分解して、上部電極基板において露出していた接続部及び電極端子を観察したところ、この部分は、黒色に変化しており、酸化等による腐食が生じていることが確認された。これは、封止用粘着テープ等による封止が行なわれていないため、銀ペーストにより形成された電極が高温高湿下において、内部に水分等が進入し銀の腐食が生じたことによるものと考えられる。
【0063】
(実施例2)
次に、実施例2におけるタッチパネルについて説明する。本実施におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151の特性等が異なるのみである。本実施例において用いた第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151となる封止用粘着テープは、フィルム部が厚さ12μmのPETにより形成されており、粘着部としてアクリル粘着樹脂を厚さ17μm形成したものである。この封止用粘着テープは、接着力が8.6(N/25mm)であり、引張強度が39(N/25mm)であり、伸びが130%である。本実施例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれも良好であり、問題はなかった。
【0064】
(実施例3)
次に、実施例3におけるタッチパネルについて説明する。本実施におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151の特性等が異なるのみである。本実施例において用いた第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151となる封止用粘着テープは、フィルム部が厚さ25μmのPETにより形成されており、粘着部としてアクリル粘着樹脂を厚さ25μm形成したものである。この封止用粘着テープは、接着力が12.3(N/25mm)であり、引張強度が96(N/25mm)であり、伸びが100%である。本実施例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれも良好であり、問題はなかった。
【0065】
(実施例4)
次に、実施例4におけるタッチパネルについて説明する。本実施におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151の特性等が異なるのみである。本実施例において用いた第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151となる封止用粘着テープは、フィルム部が厚さ50μmのPETにより形成されており、粘着部としてアクリル粘着樹脂を厚さ35μm形成したものである。この封止用粘着テープは、接着力が17.2(N/25mm)であり、引張強度が218(N/25mm)であり、伸びが80%である。本実施例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれも良好であり、問題はなかった。
【0066】
(実施例5)
次に、実施例5におけるタッチパネルについて説明する。本実施におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151の特性等が異なるのみである。本実施例において用いた第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151となる封止用粘着テープは、フィルム部が厚さ12μmのポリイミドにより形成されており、粘着部としてシリコン樹脂を厚さ13μm形成したものである。この封止用粘着テープは、接着力が4.4(N/25mm)であり、引張強度が78.5(N/25mm)であり、伸びが50%である。本実施例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれも良好であり、問題はなかった。
【0067】
(実施例6)
次に、実施例6におけるタッチパネルについて説明する。本実施におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151の特性等が異なるのみである。本実施例において用いた第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151となる封止用粘着テープは、フィルム部が厚さ25μmのポリイミドにより形成されており、粘着部としてシリコン樹脂を厚さ25μm形成したものである。この封止用粘着テープは、接着力が5.4(N/25mm)であり、引張強度が122(N/25mm)であり、伸びが50%である。本実施例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれも良好であり、問題はなかった。
【0068】
(実施例7)
次に、実施例7におけるタッチパネルについて説明する。本実施におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151の特性等が異なるのみである。本実施例において用いた第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151となる封止用粘着テープは、フィルム部が厚さ50μmのポリイミドにより形成されており、粘着部としてシリコン樹脂を厚さ30μm形成したものである。この封止用粘着テープは、接着力が6.1(N/25mm)であり、引張強度が245(N/25mm)であり、伸びが50%である。本実施例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれも良好であり、問題はなかった。
【0069】
(実施例8)
次に、実施例8におけるタッチパネルについて説明する。本実施におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151の特性等が異なるのみである。本実施例において用いた第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151となる封止用粘着テープは、フィルム部が厚さ25μmのポリフェニレンサルファイドにより形成されており、粘着部としてゴム系粘着樹脂を厚さ25μm形成したものである。この封止用粘着テープは、接着力が12.5(N/25mm)であり、引張強度が104(N/25mm)であり、伸びが40%である。本実施例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれも良好であり、問題はなかった。
【0070】
(実施例9)
次に、実施例9におけるタッチパネルについて説明する。本実施におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151の特性等が異なるのみである。本実施例において用いた第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151となる封止用粘着テープは、フィルム部が厚さ25μmのポリエチレンナフタレートにより形成されており、粘着部としてメタクリル粘着樹脂を厚さ30μm形成したものである。この封止用粘着テープは、接着力が11(N/25mm)であり、引張強度が245(N/25mm)であり、伸びが50%である。本実施例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれも良好であり、問題はなかった。
【0071】
(比較例2)
次に、比較例2におけるタッチパネルについて説明する。本比較例におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、第1の封止用粘着テープ及び第2の封止用粘着テープの特性等が異なる。本比較例において用いた第1の封止用粘着テープ及び第2の封止用粘着テープとなる封止用粘着テープは、フィルム部が厚さ6μmのPETにより形成されており、粘着部としてアクリル粘着樹脂を厚さ15μm形成したものである。この封止用粘着テープは、接着力が5(N/25mm)であり、引張強度が20(N/25mm)であり、伸びが300%である。本比較例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれについても良好な結果を得ることができなかった。
【0072】
(比較例3)
次に、比較例3におけるタッチパネルについて説明する。本比較例におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、第1の封止用粘着テープ及び第2の封止用粘着テープの特性等が異なる。本比較例において用いた第1の封止用粘着テープ及び第2の封止用粘着テープとなる封止用粘着テープは、フィルム部が厚さ25μmのポリエチレンにより形成されており、粘着部としてアクリル粘着樹脂を厚さ25μm形成したものである。この封止用粘着テープは、接着力が11(N/25mm)であり、引張強度が12(N/25mm)であり、伸びが250%である。本比較例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれについても良好な結果を得ることができなかった。
【0073】
(比較例4)
次に、比較例4におけるタッチパネルについて説明する。本比較例におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、第1の封止用粘着テープ及び第2の封止用粘着テープの特性等が異なる。本比較例において用いた第1の封止用粘着テープ及び第2の封止用粘着テープとなる封止用粘着テープは、フィルム部が厚さ25μmのPETにより形成されており、粘着部としてアクリル粘着樹脂を厚さ10μm形成したものである。この封止用粘着テープは、接着力が3(N/25mm)であり、引張強度が96(N/25mm)であり、伸びが100%である。本比較例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれについても良好な結果を得ることができなかった。
【0074】
(比較例5)
次に、比較例5におけるタッチパネルについて説明する。本比較例におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、第1の封止用粘着テープ及び第2の封止用粘着テープの特性等が異なる。本比較例において用いた第1の封止用粘着テープ及び第2の封止用粘着テープとなる封止用粘着テープは、フィルム部が厚さ75μmのPETにより形成されており、粘着部としてアクリル粘着樹脂を厚さ35μm形成したものである。この封止用粘着テープは、接着力が12(N/25mm)であり、引張強度が430(N/25mm)であり、伸びが20%である。本比較例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれについても良好な結果を得ることができなかった。
【0075】
表1には、実施例2〜9、比較例2〜5において用いられた封止用粘着テープの特性及び評価結果を示す。
【0076】
【表1】

【0077】
表1に示される結果に基づくならば、封止用粘着テープとしては、フィルム部の厚さは12μm〜50μmが好ましく、粘着部の厚さは15μm〜40μmが好ましい。また、封止用粘着テープの物性としては、接着強度(粘着力)は、4(N/25mm幅)以上のものが好ましく、引張強度は、30(N/25mm幅)以上のものが好ましく、伸びは、35%〜200%のものが好ましい。
【0078】
(実施例10)
次に、実施例10として第2の実施の形態におけるタッチパネルについて説明する。本実施例におけるタッチパネルは、実施例1におけるタッチパネルにおいて、図13に示されるように、フレキシブル基板40と第1の封止用粘着テープ150及び第2の封止用粘着テープ151との間に、封止部161となる封止樹脂を塗布した構造のものである。封止部161となる封止樹脂としては、シリコン系接着樹脂(スリーボンド(株)製、1220G)を用いており、封止樹脂を塗布した後、室温に放置することにより固化させ、本実施例におけるタッチパネルを作製した。
【0079】
本実施例における初期特性を測定したところ、電気的特性及び外観はともに良好であった。また、高温高湿保存試験(85℃、85%RH、1000時間)を行なったところ、特性に変化はなく、良好な特性を示した。
【0080】
更に、上記高温高湿試験の後のタッチパネルを分解し、上部電極基板20において露出していた接続部22及び電極端子23を観察したところ、この部分の幅は1〜2mm程度であるが、色調は初期状態と殆ど変わることなく、腐食等は生じていなかった。これにより、第1の封止用粘着テープ150、第2の封止用粘着テープ151及び封止部161による封止効果を確認することができた。本実施例では、このような封止により、銀ペーストを用いた電極等の腐食を防止することができ、タッチパネルの寿命を向上させることができる。
【0081】
また、本実施例におけるタッチパネルにおいて、熱衝撃試験(−40℃〜+85℃、各0.5時間、1000サイクル)を行なったところ、特性は初期の状態のままであり、信頼性が高いことが確認された。
【0082】
(実施例11)
実施例11として、第1の実施の形態におけるタッチパネルを作製した。実施例11におけるタッチパネルの作製方法は、実施例1におけるタッチパネルの上部電極基板20及び下部電極基板10を両面テープ30により貼り合わせ、フレキシブル基板40が接続されたものに、封止用粘着テープ50を貼った後、封止部61及び62となる封止樹脂を塗布した構造のものである。封止用粘着テープ50としては、実施例1と同様の封止用粘着テープを用いており、封止部61及び62となる封止樹脂としては、アクリル系接着樹脂(スリーボンド(株)製、3052D)を用いた。本実施例において用いた封止部61及び62となる封止樹脂は、粘度が45(P・sec:BH型、No.7ロータ、20rpm)であり、樹脂硬度(JIS硬度A)が85であり、接着強度は8.7(N/mm)である。
【0083】
本実施例におけるタッチパネルの初期特性を測定したところ、電気的特性及び外観はともに良好であった。また、高温高湿保存試験(85℃、85%RH、1000時間)を行なったところ、特性に変化はなく、良好な特性を示した。
【0084】
更に、上記高温高湿試験の後のタッチパネルを分解し、上部電極基板20において露出していた接続部22及び電極端子23を観察したところ、この部分の幅は1〜2mm程度であるが、色調は初期状態と殆ど変わることなく、腐食等は生じていなかった。これにより、封止用粘着テープ50、封止部61及び62による封止効果を確認することができた。本実施例では、このような封止により、銀ペーストを用いた電極等の腐食を防止することができ、タッチパネルの寿命を向上させることができる。
【0085】
また、本実施例におけるタッチパネルにおいて、熱衝撃試験(−40℃〜+85℃、各0.5時間、1000サイクル)を行なったところ、特性は初期の状態のままであり、信頼性が高いことが確認された。尚、封止部61及び62となる封止樹脂を塗布する際には、液だれ等が生じることはなく塗布性は良好であった。
【0086】
(実施例12)
次に、実施例12におけるタッチパネルについて説明する。本実施例におけるタッチパネルは、実施例11におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、封止部61及び62となる封止樹脂の特性等が異なるのみである。本実施例において用いた封止部61及び62となる封止樹脂は、シリコン樹脂であり、粘度が100(P・sec)であり、樹脂硬度(JIS硬度A)が55であり、接着強度は4.1(N/mm)である。本実施例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれも良好であり、問題はなかった。
【0087】
(実施例13)
次に、実施例13におけるタッチパネルについて説明する。本実施例におけるタッチパネルは、実施例11におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、封止部61及び62となる封止樹脂の特性等が異なるのみである。本実施例において用いた封止部61及び62となる封止樹脂は、ウレタンアクリレート樹脂であり、粘度が3.6〜6.6(P・sec)であり、樹脂硬度(JIS硬度A)が72であり、接着強度は7.9(N/mm)である。本実施例のタッチパネルにおいて、粘着テープ密着性、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なったところ、いずれも良好であり、問題はなかった。
【0088】
(比較例6)
次に、比較例6におけるタッチパネルについて説明する。本比較例におけるタッチパネルは、実施例11におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、封止部61及び62となる封止樹脂の特性等が異なる。本比較例において用いた封止部61及び62となる封止樹脂は、シリコン樹脂であり、粘度が1.2(P・sec)であり、樹脂硬度(JIS硬度A)が24であり、接着強度は0.5(N/mm)である。本比較例のタッチパネルにおいて、封止部61及び62となる封止樹脂を塗布する際には、液だれが生じ昇降に塗布することができなかった。このため、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なうことができなかった。
【0089】
(比較例7)
次に、比較例7におけるタッチパネルについて説明する。本比較例におけるタッチパネルは、実施例11におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、封止部61及び62となる封止樹脂の特性等が異なる。本比較例において用いた封止部61及び62となる封止樹脂は、シリコン樹脂であり、粘度が280(P・sec)であり、樹脂硬度(JIS硬度A)が55であり、接着強度は8(N/mm)である。本比較例のタッチパネルにおいて、封止部61及び62となる封止樹脂を塗布する際には、封止樹脂をディスペンサ等により吐出させることが困難であり、良好に塗布することができなかった。このため、高温高湿保存試験、熱衝撃試験について評価を行なうことができなかった。
【0090】
(比較例8)
次に、比較例8におけるタッチパネルについて説明する。本比較例におけるタッチパネルは、実施例11におけるタッチパネルと同様の構造のものであり、封止部61及び62となる封止樹脂の特性等が異なる。本比較例において用いた封止部61及び62となる封止樹脂は、エポキシ樹脂であり、粘度が20(P・sec)であり、樹脂硬度(JIS硬度A)が95以上であり、接着強度は25(N/mm)である。本比較例のタッチパネルにおいて、封止部61及び62となる封止樹脂を塗布する際の塗布性は良好であり、高温高湿保存試験は良好であったが、熱衝撃試験を行ったところ、フレキシブル基板40が断線してしまい良好な結果を得ることができなかった。これは、図14(a)に示されるように、封止部61及び62となる封止樹脂であるエポキシ樹脂が硬化すると端は鋭利な形状となるため、図14(b)に示されるように、フレキシブル基板40が曲がった際に、エポキシ樹脂が硬化した封止部61の端にフレキシブル基板40が突き刺さってしまい、切断してしまうことによるものと考えられる。
【0091】
表2には、実施例11、12、比較例6〜8における条件及び結果を示す。
【0092】
【表2】

【0093】
表2に示される結果に基づくならば、封止部61及び62等となる封止樹脂は、BH型、No.7ロータ、20rpmにおける粘度が5〜200(Pa・S)、樹脂硬度(JIS硬度A)が15〜90、粘着強度が1.0(N/mm)以上であるものが好ましい。
【0094】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、下部電極基板となるガラス基板等と下部電極基板に接続されているフレキシブル基板との接続部分に樹脂材料を塗布する方法に関するものである。
【0095】
具体的には、図15に示すように、下部電極基板410と上部電極基板420との間にフレキシブル基板440が接続されているものにおいて、下部電極基板410とフレキシブル基板440との接続部分に樹脂材料450を塗布して、硬化させることにより補強等を行なう。しかしながら、通常では、樹脂材料450がフレキシブル基板440側に沿って広がってしまい、フレキシブル基板440に沿って樹脂材料450は幅Aの領域に広がり形成される。ところで、小型化や、その他仕様の観点からは、幅Aはできるだけ短い方が好ましい。本実施の形態は、このような観点に基づき、樹脂材料450により形成される部分の幅Aをできるだけ狭くするための製造方法に関するものである。
【0096】
本実施の形態におけるタッチパネルの製造方法について、図16に基づき説明する。最初に、図16(a)に示すように、ガラス基板等からなる下部電極基板210と上部電極基板220との間にフレキシブル基板240が接続されたものを角度θの傾斜を有する冶具250に設置する。この際、上部電極基板220が約250の傾斜面に接し、フレキシブル基板240が上方となるように設置する。尚、角度θは、15°≦θ≦45°であることが好ましい。
【0097】
次に、図16(b)に示すように、ノズル251等により樹脂材料252を供給する。タッチパネルとなる下部電極基板210と上部電極基板220との間にフレキシブル基板240が接続されているものは、冶具250の傾斜面に設置されているため、樹脂材料250は、フレキシブル基板240の表面に沿って広がることはなく、所定に範囲に留まり硬化する。尚、樹脂材料252としては、紫外線(UV:ultraviolet)硬化樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、下部電極基板210は厚さが1〜2mmであり、ガラス基板以外にもプラスチック基板等であってもよく、樹脂材料252は自動供給装置により供給されるものとする。
【0098】
本実施の形態におけるタッチパネルの製造方法では、樹脂材料252をフレキシブル基板240に広がることなく塗布することができ、タッチパネルの外形を小型化にすることができる
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、下部電極基板においてフレキシブル基板240が接続される部分の端面に傾斜部を設けた構造のものである。
【0099】
具体的には、図17に示すように、下部電極基板210aにおいてフレキシブル基板240が接続される部分に鈍角となる傾斜部211を形成したものである。傾斜部211はフレキシブル基板240とのなす角度ψが15°〜45°となるように形成する。これにより、フレキシブル基板240と下部電極基板210aとの間には傾斜部211に沿った窪み部212が形成される。樹脂材料253は窪み部212内に供給することにより、フレキシブル基板240の表面に沿って、広がることなく下部電極基板210aの端面から狭い範囲に樹脂材料253を塗布することができる。尚、図17(a)は、樹脂材料253を塗布する前の状態を示すものであり、図17(b)は、樹脂材料253を塗布した後の状態を示すものである。
【0100】
また、図18に示すように、下部電極基板210bにおいてフレキシブル基板240が接続される部分に鋭角となる傾斜部213を形成したものであってもよい。傾斜部213は下部電極基板210bにおける端部の角度φが45°〜75°となるように形成する。これにより、樹脂材料253はフレキシブル基板240の表面に沿って広がることなく、下部電極基板210bの端面から狭い範囲に樹脂材料253を塗布することができる。尚、図18(a)は、樹脂材料253を塗布する前の状態を示すものであり、図18(b)は、樹脂材料253を塗布した後の状態を示すものである。
【0101】
また、図19及び図20に示すように、下部電極基板210cにおいてフレキシブル基板240が接続される部分に凹んだ段部214を設けてもよい。具体的には、下部電極基板210cにおいて、フレキシブル基板240が接続される一定の範囲に、0.1〜0.5mmの凹んだ段部214を設けることにより、樹脂材料253がこの凹んだ段部214に溜まり、フレキシブル基板240の表面に沿って広がらない構造のものである。尚、この部分には、凹んだ段部214以外にも図17に示す傾斜部211及び図18に示す傾斜部213等を設けた構造のものであってもよい。図19は、樹脂材料253が塗布される前の状態を示すものであり、図19(a)は下部電極基板210cの側から見た図であり、図19(b)は側面図である。また、図20(a)は、樹脂材料253が塗布される前の状態を示すものであり、図20(b)は、樹脂材料253が塗布された後の状態を示すものである。
【0102】
図21は、図17に示す構造のタッチパネルにおいてフレキシブル基板240を曲げて、下部電極基板210aの表面に両面テープ等の接着部260により接着した構造のタッチパネルである。
【0103】
また、フレキシブル基板240を曲げて下部電極基板210の表面に両面テープ等の接着部260により接着する場合には、図22に示されるように、下部電極基板210の端部によりフレキシブル基板240が傷つけられて破損しないように、下部電極基板210の端部に樹脂補強部254を設けた構造のものや、図23に示されるように、下部電極基板210の端部の角に丸み215をつけた構造のものとすることが好ましい。
【0104】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0105】
10 下部電極基板
20 上部電極基板
21 配線部
22 接続部
23 電極端子
30 両面テープ
40 フレキシブル基板
41 電極端子
42 電極端子
43 電極端子
44 電極端子
45 電極端子
46 電極端子
47 電極端子
50 封止用粘着テープ
50a 上部領域
50b 下部領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部導電膜を有する上部電極基板と、
下部導電膜を有する下部電極基板と、
前記上部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子と、前記下部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子とを有するフレキシブル基板と、
を有し、
前記上部電極基板に設けられた電極端子と前記フレキシブル基板の一方の面に設けられた電極端子とは熱圧着により電気的に接続されており、前記下部電極基板に設けられた電極端子と前記フレキシブル基板の他方の面に設けられた電極端子とは熱圧着により電気的に接続されており、
前記上部電極基板及び前記下部電極基板と前記フレキシブル基板とが接続されている領域の周囲には、前記上部電極基板から前記下部電極基板にわたり、粘着テープが貼られていることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記フレキシブル基板と前記下部電極基板との間には、封止樹脂からなる封止部が形成されているものであることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記粘着テープは第1の封止用粘着テープであって、前記第1の封止用粘着テープの上に、更に、第2の封止用粘着テープが貼られており、
前記第2の封止用粘着テープの一部は前記下部電極基板から前記フレキシブル基板にわたり貼られている部分を有するものであることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記第1の封止用粘着テープ及び前記第2の封止用粘着テープと前記フレキシブル基板との間には、封止樹脂からなる封止部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記封止樹脂は、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項2または4に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記封止樹脂は、JIS硬度Aが15〜90であって、接着強度が1.0(N/mm)以上であって、粘度が5Pa・S〜200Pa・S(BH型、No.7ロータ、20rpm)であることを特徴とする請求項2、4、5のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記粘着テープまたは前記第2の封止用粘着テープは、フィルム部と粘着部により形成されているものであって、
前記フィルム部は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、延伸ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイドのいずれかにより形成されており、
前記粘着部は、アクリル系粘着剤、メタクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ゴム系粘着剤のいずれかにより形成されているものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項8】
前記粘着テープまたは前記第2の封止用粘着テープは、フィルム部と粘着部により形成されているものであって、
前記フィルム部の厚さは、12μm以上、50μm以下であって、
前記粘着部の厚さは、15μm以上、40μm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記粘着テープまたは前記第2の封止用粘着テープは、接着強度(粘着力)が4(N/25mm幅)以上であって、引張強度が30(N/25mm幅)以上であって、伸びが35%〜200%であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項10】
前記フレキシブル基板に形成されている配線の数は、5本または7本であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項11】
上部導電膜を有する上部電極基板と、
下部導電膜を有する下部電極基板と、
前記上部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子と、前記下部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子とを有するフレキシブル基板と、
を有し、
角度θの傾斜角を有する冶具の傾斜面上に前記上部電極基板が接しており、前記フレキシブル基板が上方となるように設置した状態で、前記下部電極基板と前記フレキシブル基板との間に樹脂材料が塗布されているものであって、
前記角度θは、15°≦θ≦45°であること特徴とするタッチパネル。
【請求項12】
上部導電膜を有する上部電極基板と、
下部導電膜を有する下部電極基板と、
前記上部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子と、前記下部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子とを有するフレキシブル基板と、
を有し、
前記下部電極基板と前記フレキシブル基板の間には樹脂材料が塗布されているものであって、
前記樹脂材料が塗布される前記下部電極基板の端面には傾斜部が形成されており、
前記傾斜部と前記フレキシブル基板とのなす角度ψは、15°〜45°であることを特徴とするタッチパネル。
【請求項13】
上部導電膜を有する上部電極基板と、
下部導電膜を有する下部電極基板と、
前記上部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子と、前記下部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子とを有するフレキシブル基板と、
を有し、
前記下部電極基板と前記フレキシブル基板の間には樹脂材料が塗布されているものであって、
前記樹脂材料が塗布される前記下部電極基板の端面には傾斜部が形成されており、
前記下部電極基板面に対する前記傾斜部の角度φは45°〜75°であることを特徴とするタッチパネル。
【請求項14】
上部導電膜を有する上部電極基板と、
下部導電膜を有する下部電極基板と、
前記上部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子と、前記下部電極基板に設けられた電極端子と接続される電極端子とを有するフレキシブル基板と、
を有し、
前記下部電極基板と前記フレキシブル基板の間には樹脂材料が塗布されているものであって、
前記樹脂材料が塗布される前記下部電極基板の端面には前記フレキシブル基板側に凹んだ段部が形成されており、
前記凹んだ段部は、前記端面より0.1〜0.5mm凹んでいることを特徴とするタッチパネル。
【請求項15】
前記傾斜部又は前記凹んだ段部は、前記フレキシブル基板が接続される部分に対応する領域に形成されているものであることを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項16】
前記フレキシブル基板は、折曲げられて、前記下部電極基板の面に貼り付けられていることを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項17】
前記樹脂材料は、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項12から16のいずれかに記載のタッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−141846(P2012−141846A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167(P2011−167)
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】