説明

タッチ検出機能付き表示パネル、駆動回路、および電子機器

【課題】タッチ検出に係る多くの機能を設けることが可能なタッチ検出機能付き表示パネルを得る。
【解決手段】1または複数の表示素子と、一方向に延在する1または複数の駆動電極と、チップに集積化され、駆動電極に駆動信号を印加する電極駆動部(走査部51および駆動電極ドライバ52)と、前記駆動電極の延在方向と交差する方向に延在する1または複数のタッチ検出電極とを備える。このタッチ検出機能付き表示パネルでは、チップに集積化された電極駆動部により、駆動信号が駆動電極に対して印加され、その駆動信号に応じた検出信号がタッチ検出電極から出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外部近接物体によるタッチを検出する機能を有するタッチ検出機能付き表示パネルおよびその駆動回路、ならびにそのようなタッチ検出機能付き表示パネルを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置を液晶表示装置等の表示装置上に装着し、あるいはタッチパネルと表示装置とを一体化し、その表示装置に各種のボタン画像等を表示させることにより、通常の機械式ボタンの代わりとして情報入力を可能とした表示パネルが注目されている。このようなタッチパネルを有する表示パネルは、キーボードやマウス、キーパッドのような入力装置を必要としないため、コンピュータのほか、携帯電話のような携帯情報端末などでも、使用が拡大する傾向にある。
【0003】
タッチパネルの方式としては、光学式、抵抗式、静電容量式などいくつかの方式が存在する。例えば、特許文献1には、静電容量式のタッチパネルにおいて、表示装置にもともと備えられている表示用の共通電極を、一対のタッチセンサ用電極のうちの一方として兼用し、他方の電極(タッチ検出電極)をこの共通電極と交差するように配置した、いわゆるインセルタイプのタッチ検出機能付き表示パネルが提案されている。このタッチ検出機能付き表示パネルでは、この共通電極に印加された交流信号が、共通電極とタッチ検出電極との間の静電容量を介してタッチ検出電極に伝わる。そして、そのタッチ検出電極から出力される検出信号に基づいてタッチが検出されるようになっている。この交流信号を共通電極に対して印加し駆動する駆動回路は、ガラスなどにより構成されるTFT基板上に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−258182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなタッチ検出機能付き表示パネルは、タッチ検出に係るより多くの機能を有することが望まれている。しかしながら、特許文献1には、多機能化についての具体的な記述がない。
【0006】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、タッチ検出に係る多くの機能を実現可能なタッチ検出機能付き表示パネル、駆動回路、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1のタッチ検出機能付き表示パネルは、1または複数の表示素子と、1または複数の駆動電極と、電極駆動部と、1または複数のタッチ検出電極とを備えている。1または複数の駆動電極は、一方向に延在するものである。電極駆動部は、チップに集積化され、駆動電極に駆動信号を印加するものである。1または複数のタッチ検出電極は、駆動電極の延在方向と交差する方向に延在するものである。
【0008】
本開示の第2のタッチ検出機能付き表示パネルは、1または複数の表示素子と、1または複数のタッチ検出素子と、駆動部とを備えている。駆動部は、1または複数の駆動電極は、一方向に延在するものである。電極駆動部は、チップに集積化され、1または複数のタッチ検出素子を駆動するものである。
【0009】
本開示の駆動回路は、表示駆動部と、電極駆動部とを備えている。表示駆動部は、1または複数の表示素子を駆動するものである。電極駆動部は、チップに集積化され、一方向に延在する1または複数のタッチ検出電極の延在方向と交差する方向に延在する1または複数の駆動電極に対して駆動信号を印加するものである。
【0010】
本開示の電子機器は、上記タッチ検出機能付き表示パネルを備えたものであり、例えば、テレビジョン装置、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、ビデオカメラあるいは携帯電話等の携帯端末装置などが該当する。
【0011】
本開示の第1および第2のタッチ検出機能付き表示パネル、駆動回路、ならびに電子機器では、駆動信号が電極駆動部により駆動電極に対して印加され、その駆動信号に応じた検出信号がタッチ検出電極から出力される。この電極駆動部は、チップに集積化されている。
【発明の効果】
【0012】
本開示の第1および第2のタッチ検出機能付き表示パネル、駆動回路、および電子機器によれば、電極駆動部をチップに集積化したので、タッチ検出に係る多くの機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示のタッチ検出機能付き表示パネルにおけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接していない状態を表す図である。
【図2】本開示のタッチ検出機能付き表示パネルにおけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接した状態を表す図である。
【図3】本開示のタッチ検出機能付き表示パネルにおけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、駆動信号およびタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。
【図4】本開示の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示パネルの一構成例を表すブロック図である。
【図5】図4に示したタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【図6】図4に示したタッチ検出機能付き表示デバイスにおける画素配列を表す回路図である。
【図7】図4に示したタッチ検出機能付き表示デバイスにおける駆動電極およびタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。
【図8】図4に示したタッチ検出機能付き表示パネルにおけるタッチ検出走査の一動作例を表す模式図である。
【図9】図4に示したタッチ検出機能付き表示パネルの実装例を表す模式図である。
【図10】図4に示したタッチ検出機能付き表示パネルの一動作例を表すタイミング波形図である。
【図11】図4に示したタッチ検出機能付き表示パネルにおけるタッチ検出動作の一例を表すタイミング波形図である。
【図12】図4に示したタッチ検出機能付き表示パネルにおけるタッチ検出動作の他の例を表すタイミング波形図である。
【図13】図4に示したタッチ検出機能付き表示パネルにおける電源制御の例を表す説明図である。
【図14】タッチ検出機能付き表示パネルの実装例を表す模式図である。
【図15】実施の形態の変形例に係るタッチ検出機能付き表示パネルの一構成例を表すブロック図である。
【図16】実施の形態の他の変形例に係るタッチ検出機能付き表示パネルにおけるタッチ検出走査の一動作例を表す模式図である。
【図17】実施の形態の他の変形例に係るタッチ検出機能付き表示パネルの実装例を表す模式図である。
【図18】実施の形態を適用したタッチ検出機能付き表示パネルのうち、適用例1の外観構成を表す斜視図である。
【図19】適用例2の外観構成を表す斜視図である。
【図20】適用例3の外観構成を表す斜視図である。
【図21】適用例4の外観構成を表す斜視図である。
【図22】適用例5の外観構成を表す正面図、側面図、上面図および下面図である。
【図23】変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.静電容量式タッチ検出の基本原理
2.実施の形態
3.適用例
【0015】
<1.静電容量式タッチ検出の基本原理>
まず最初に、図1〜図3を参照して、本開示のタッチ検出機能付き表示パネルにおけるタッチ検出の基本原理について説明する。このタッチ検出方式は、静電容量式のタッチセンサとして具現化されるものであり、例えば図1(A)に示したように、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極(駆動電極E1およびタッチ検出電極E2)を用い、容量素子を構成する。この構造は、図1(B)に示した等価回路として表される。駆動電極E1、タッチ検出電極E2および誘電体Dによって、容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されると共に、電圧検出器(タッチ検出回路)DETに接続される。交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数十kHz程度)の交流矩形波Sg(図3(B))を印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端P)に、図3(A)に示したような出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述する交流駆動信号VcomACに相当するものである。
【0016】
指が接触(または近接)していない状態では、図1に示したように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V0のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。
【0017】
一方、指が接触(または近接)した状態では、図2に示したように、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1、C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1、I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V1のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1、C2を流れる電流I1、I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さい値となる。電圧検出器DETは、検出した電圧を所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以上であれば非接触状態と判断する一方、しきい値電圧未満であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。
【0018】
<2.実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図4は、実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示パネル1の一構成例を表すものである。このタッチ検出機能付き表示パネルは、表示素子として液晶表示素子を用いており、その液晶表示素子により構成される液晶表示デバイスと静電容量式のタッチ検出デバイスとを一体化した、いわゆるインセルタイプの表示パネルである。
【0019】
このタッチ検出機能付き表示パネル1は、駆動部50と、ゲートドライバ12と、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、タッチ検出部40とを備えている。
【0020】
駆動部50は、タッチ検出機能付き表示デバイス10を駆動するものである。この駆動部50は、例えばシリコンプロセスなどにより集積化されチップ化されたものであり、後述するように、画素基板2上に、いわゆるCOG(Chip On Glass)として実装されたものである。
【0021】
駆動部50は、表示制御部11と、ソースドライバ13と、走査部51と、駆動電極ドライバ52と、電源制御部53とを備えている。
【0022】
表示制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ソースドライバ13、ゲートドライバ12およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路である。具体的には、表示制御部11は、ソースドライバ13に対して画素信号Vsigおよびソースドライバ制御信号を供給し、ゲートドライバ12に対してゲートドライバ制御信号を供給し、タッチ検出部40に対して水平同期信号Hsyncおよび垂直同期信号Vsyncを供給するようになっている。
【0023】
ソースドライバ13は、表示制御部11から供給される画素信号Vsigおよびソースドライバ制御信号に基づいて、画素信号Vpixを生成し、タッチ検出機能付き表示デバイス10の画素信号線SGLに対して供給するものである。画素信号線SGLに供給された画素信号Vpixは、後述するように、タッチ検出機能付き表示デバイス10においてマトリックス状に構成された画素Pixのうち、ゲートドライバ12により選択された1行分の画素Pix(1水平ライン)に書き込まれ、表示が行われるようになっている。
【0024】
走査部51は、シフトレジスタを含んで構成され、タッチ検出部40から供給されたTX同期信号Vtxに基づいて、複数の走査信号を生成し、駆動電極ドライバ52に供給するものである。各走査信号は、後述するように、駆動電極ドライバ52が駆動する複数の駆動電極ブロックB(後述)にそれぞれ対応するものであり、これにより、駆動電極ドライバ52は、これらの駆動電極ブロックBを順次走査して駆動するようになっている。
【0025】
駆動電極ドライバ52は、走査部51から供給される走査信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の駆動電極COML(後述)に駆動信号Vcomを供給する回路である。具体的には、駆動電極ドライバ52は、走査部51から供給される走査信号を増幅するとともに、インピーダンス変換を行うことにより駆動信号Vcomを生成する。この駆動信号Vcomは、パルス状の波形(交流駆動信号VcomAC)を含む信号であり、駆動電極ドライバ52は、タッチ検出動作において、駆動電極COMLに対してその交流駆動信号VcomACを印加する。そして、駆動電極ドライバ52は、表示動作においては、駆動電極COMLに対して直流電圧(直流駆動信号VcomDC)を印加するようになっている。この直流駆動信号VcomDCの直流電圧は、例えば0Vであり、交流駆動信号VcomACの高レベル電圧VHは、例えば5.5Vに設定可能である。後述するように、駆動電極ドライバ52は、駆動電極COMLを駆動する際、所定の数の駆動電極COMLからなるブロック(後述する駆動電極ブロックB)ごとに駆動電極COMLを駆動する。
【0026】
電源制御部53は、供給された表示用電源電圧VDDDおよびタッチ検出用電源電圧VDDTに基づいて、駆動部50の各ブロック(表示制御部11、ソースドライバ13、走査部51、および駆動電極ドライバ52)への電源供給を制御するものである。また、電源制御部53は、表示用電源電圧VDDDが供給されているかどうかを示す表示用電源フラグ信号Vpdを、タッチ検出部40に対して供給する。表示用電源フラグ信号Vpdは、具体的には、表示用電源電圧VDDDが供給されている場合に高レベル(例えば1.8V)となり、表示用電源電圧VDDDが供給されていない場合に低レベル(0V)となる論理信号である。
【0027】
ゲートドライバ12は、表示制御部11から供給されるゲートドライバ制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。具体的には、ゲートドライバ12は、後述するように、表示制御部11から供給される制御信号に基づいて走査信号Vscanを生成し、その走査信号Vscanを、走査信号線GCLを介して、画素PixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20にマトリックス状に形成されている画素Pixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。このゲートドライバ12には、表示用電源電圧VDDDが供給されるようになっている。
【0028】
このゲートドライバ12は、後述するタッチ検出機能付き表示デバイス10のTFT基板21上に形成されるものであり、液晶表示デバイス20のTFT素子Tr(後述)を形成する際に、同じプロセスを用いて形成されるようになっている。
【0029】
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、タッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、液晶表示デバイス20と、タッチ検出デバイス30とを有する。液晶表示デバイス20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行うデバイスである。タッチ検出デバイス30は、上述した静電容量式タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力するものである。このタッチ検出デバイス30は、後述するように、駆動電極ドライバ52から供給される交流駆動信号VcomACに従って順次走査してタッチ検出を行うようになっている。
【0030】
タッチ検出部40は、表示制御部11から供給されるタッチ検出制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30から供給されたタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標などを求める回路である。このタッチ検出部40には、タッチ検出用電源電圧VDDTが供給されるようになっている。
【0031】
タッチ検出部40は、LPF(Low Pass Filter)部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、タッチ検出制御部46とを有している。LPF部42は、タッチ検出デバイス30から供給されるタッチ検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過アナログフィルタである。A/D変換部43は、交流駆動信号VcomACに同期したタイミングで、LPF部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチ検出がなされたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。タッチ検出制御部46は、表示制御部11から供給された水平同期信号Hsyncおよび垂直同期信号Vsyncに基づいて、LPF部42、A/D変換部、信号処理部44、および座標抽出部45が同期して動作するように制御するものである。また、タッチ検出制御部46は、水平同期信号Hsyncおよび垂直同期信号Vsyncに基づいて、走査部51に対してTX同期信号Vtxを生成し供給する機能も有している。このTX同期信号Vtxは、例えば、低レベル(例えば0V)と高レベル(例えば1.8V)の間で遷移する論理信号である。具体的には、タッチ検出制御部46は、表示用電源フラグ信号Vpdが高レベルの場合には、表示制御部11から供給された水平同期信号Hsyncおよび垂直同期信号Vsyncに基づいて、TX同期信号Vtxを生成し、表示用電源フラグ信号Vpdが低レベルの場合には、自らTX同期信号Vtxを生成するようになっている。
【0032】
(タッチ検出機能付き表示デバイス10)
次に、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。
【0033】
図5は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の要部断面構造の例を表すものである。このタッチ検出機能付き表示デバイス10は、画素基板2と、この画素基板2に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
【0034】
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、駆動電極COMLと、画素電極22とを有している。TFT基板21は、各種電極や配線、薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)などが形成される回路基板として機能するものである。TFT基板21は例えばガラスにより構成されるものである。TFT基板21の上には、駆動電極COMLが形成される。駆動電極COMLは、複数の画素Pix(後述)に共通の電圧を供給するための電極である。この駆動電極COMLは、液晶表示動作のための共通駆動電極として機能するとともに、タッチ検出動作のための駆動電極としても機能するものである。駆動電極COMLの上には絶縁層23が形成され、その上に画素電極22が形成される。画素電極22は、表示を行うための画素信号を供給するための電極であり、透光性を有するものである。駆動電極COMLおよび画素電極22は、例えばITO(Indium Tin Oxide)により構成される。
【0035】
対向基板3は、ガラス基板31と、カラーフィルタ32と、タッチ検出電極TDLとを有している。カラーフィルタ32は、ガラス基板31の一方の面に形成されている。このカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、各表示画素にR、G、Bの3色が1組として対応付けられている。また、ガラス基板31の他方の面には、タッチ検出電極TDLが形成されている。タッチ検出電極TDLは、例えばITOにより構成され、透光性を有する電極である。このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。
【0036】
液晶層6は、表示機能層として機能するものであり、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものである。この電界は、駆動電極COMLの電圧と画素電極22の電圧との電位差により形成される。液晶層6には、FFS(フリンジフィールドスイッチング)やIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶が用いられる。
【0037】
なお、液晶層6と画素基板2との間、および液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設され、また、画素基板2の下面側には入射側偏光板が配置されるが、ここでは図示を省略している。
【0038】
図6は、液晶表示デバイス20における画素構造の構成例を表すものである。液晶表示デバイス20は、マトリックス状に配列した複数の画素Pixを有している。各画素Pixは、3つのサブ画素SPixにより構成される。この3つのサブ画素SPixは、図5に示したカラーフィルタ32の3色(RGB)にそれぞれ対応するように配置されている。サブ画素SPixは、TFT素子Trおよび液晶素子LCを有している。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソースは画素信号線SGLに接続され、ゲートは走査信号線GCLに接続され、ドレインは液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
【0039】
サブ画素SPixは、走査信号線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、サブ画素SPixは、画素信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。画素信号線SGLは、ソースドライバ13と接続され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。
【0040】
さらに、サブ画素SPixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ52と接続され、駆動電極ドライバ52より駆動信号Vcomが供給される。
【0041】
この構成により、液晶表示デバイス20では、ゲートドライバ12が走査信号線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択され、その1水平ラインに属する画素Pixに対して、ソースドライバ13および選択スイッチ部14が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われるようになっている。
【0042】
図7は、タッチ検出デバイス30の一構成例を斜視的に表すものである。タッチ検出デバイス30は、画素基板2に設けられた駆動電極COML、および対向基板3に設けられたタッチ検出電極TDLにより構成されている。駆動電極COMLは、図の左右方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。タッチ検出動作を行う際は、各電極パターンには、駆動電極ドライバ52によって交流駆動信号VcomACが順次供給され、後述するように時分割的に順次走査駆動が行われるようになっている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と直交する方向に延びるストライプ状の電極パターンから構成されている。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出部40のLPF部42の入力にそれぞれ接続されている。駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を形成している。
【0043】
この構成により、タッチ検出デバイス30では、駆動電極ドライバ52が駆動電極COMLに対して交流駆動信号VcomACを印加することにより、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出が行われるようになっている。つまり、駆動電極COMLは、図1〜図3に示したタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応するものであり、タッチ検出デバイス30はこの基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。図7に示したように、互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチ検出デバイス30のタッチ検出領域全体にわたって走査することにより、外部近接物体の接触または近接が生じた位置の検出も可能となっている。
【0044】
図8は、タッチ検出走査を模式的に表すものである。図8では、表示領域・タッチ検出領域が20個の駆動電極ブロックB1〜B20により構成される場合の、各駆動電極ブロックB1〜B20に対する交流駆動信号VcomACの印加動作を示している。駆動信号印加ブロックBACは、交流駆動信号VcomACが印加された駆動電極ブロックBを示しており、その他の駆動電極ブロックBには、直流駆動信号VcomDCが印加されるようになっている。駆動電極ドライバ52は、図8に示したように、タッチ検出動作の対象となる駆動電極ブロックBを順次選択して、交流駆動信号VcomACを印加し、全ての駆動電極ブロックBにわたって走査する。その際、駆動電極ドライバ52は、後述するように、各駆動電極ブロックBに対して、所定の複数の水平期間にわたって、交流駆動信号VcomACを印加するようになっている。なお、この例では、説明の便宜上、駆動電極ブロックBの個数を20個としているが、これに限定されるものではない。
【0045】
(タッチ検出機能付き表示パネル1の実装例)
図9は、タッチ検出機能付き表示パネル1の実装例を模式的に表すものである。図9に示したように、駆動部50は、画素基板2上にCOGとして実装され、並設された複数の駆動電極ブロックBのそれぞれと、配線Lを介して接続されている。この例では、配線Lは、図9において、駆動電極ブロックBの上側および下側に設けられており、駆動部50が、各駆動電極ブロックBを両側から駆動することができるようになっている。そしてゲートドライバ12(12A,12B)は、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成され、駆動部50と接続されている。この例では、ゲートドライバ12は、図9において、画素基板2の上側(12A)と下側(12B)に配置されており、表示領域Adにマトリックス状に配置された図示しない画素Pixを、両側から駆動することができるようになっている。また、タッチ検出部40は、フレキシブルプリント基板T上に実装され、並設された複数のタッチ検出電極TDLのそれぞれと接続されている。
【0046】
この駆動部50は、図9に示したように、タッチ検出機能付き表示パネル1において、ゲートドライバ12A,12Bが配置された辺とは異なる辺(右側)の画素基板2上に配置されている。これにより、例えばフレキシブル基板Tに配置する場合に比べて、配線Lの長さを短くすることができ、駆動部50が駆動電極ブロックBを駆動しやすくすることができる。
【0047】
なお、この例では、図9において、配線Lを駆動電極ブロックBの上側および下側に設けたが、これに限定されるものではなく、配線Lを駆動電極ブロックBの上側または下側の一方のみに設けるようにしてもよい。同様に、この例では、2つのゲートドライバ12A,12Bを設けたが、これに限定されるものではなく、一方のゲートドライバ12により構成してもよい。
【0048】
ここで、液晶素子LCは、本開示における「表示素子」の一具体例に対応する。交流駆動信号VcomACは、本開示における「駆動信号」の一具体例に対応する。走査部51および駆動電極ドライバ52は、本開示における「電極駆動部」の一具体例に対応する。表示制御部11およびソースドライバ13は、本開示における「表示駆動部」の一具体例に対応する。水平同期信号Hsyncおよび垂直同期信号Vsyncは、本開示における「表示同期信号」の一具体例に対応する。TX同期信号Vtxは、本開示における「タッチ検出同期信号」の一具体例に対応する。
【0049】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態のタッチ検出機能付き表示パネル1の動作および作用について説明する。
【0050】
まず、図4を参照して、タッチ検出機能付き表示パネル1の全体動作概要を説明する。表示制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する。ゲートドライバ12は、液晶表示デバイス20に走査信号Vscanを供給し、表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する。ソースドライバ13は、画素信号Vpixを生成し、1水平ラインを構成する各サブ画素SPixに供給する。タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20は、表示動作を行う。
【0051】
タッチ検出部40のタッチ検出制御部46は、表示制御部11から供給された水平同期信号Hsyncおよび垂直同期信号Vsyncに基づいて、TX同期信号Vtxを生成する。走査部51は、このTX同期信号Vtxに基づいて走査信号を生成し、駆動電極ドライバ52は、この走査信号に基づいて、駆動信号Vcomを生成し、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30の駆動電極COMLに対して供給する。タッチ検出デバイス30は、駆動信号Vcomに基づいて、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力する。タッチ検出部40のLPF部42は、タッチ検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出して出力する。A/D変換部43は、LPF部42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10に対するタッチの有無を検出する。座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチ検出がなされたときに、そのタッチパネル座標を求める。
【0052】
駆動部50の電源制御部53は、供給された表示用電源電圧VDDDおよびタッチ検出用電源電圧VDDTに基づいて、駆動部50内の各ブロックに対する電源供給を制御する。
【0053】
(詳細動作)
次に、タッチ検出機能付き表示パネル1の詳細動作を説明する。
【0054】
図10は、タッチ検出機能付き表示パネル1のタイミング波形例を表すものであり、(A)は垂直同期信号Vsyncの波形を示し、(B)は水平同期信号Hsyncの波形を示し、(C)は走査信号Vscanの波形を示し、(D)は画素信号Vsigの波形を示し、(E)は画素信号Vpixの波形を示し、(F)はTX同期信号Vtxの波形を示し、(G)は駆動信号Vcomの波形を示し、(H)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0055】
タッチ検出機能付き表示パネル1では、各1水平期間(1H)において、タッチ検出動作および表示動作が行われる。表示動作では、ゲートドライバ12が、走査信号線GCLに対して走査信号Vscanを順次印加することにより表示走査を行う。タッチ検出動作では、駆動電極ドライバ52が、駆動電極ブロックBごとに交流駆動信号VcomACを順次印加することによりタッチ検出走査を行い、タッチ検出部40が、タッチ検出電極TDLから出力されるタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチを検出する。以下にその詳細を説明する。
【0056】
まず、タイミングt0において、表示制御部11が、水平同期信号Hsyncとしてパルスを生成し、タッチ検出制御部46に対して供給する(図10(B))。これにより、1水平期間(1H)が開始する。また、表示制御部11は、このタイミングt0において、1水平期間に対応する幅のパルスを生成し、同様にタッチ検出制御部46に対して供給する(図10(A))。すなわち、この例では、タイミングt0において、1フレーム期間(1F)が開始する。
【0057】
次に、タイミングt1〜t2の期間において、タッチ検出制御部46が、TX同期信号Vtxとしてパルスを生成する(図10(F))。これに応じて、駆動部50の走査部51は、タッチ検出動作に係る駆動電極ブロックBを選択して(ここではk番目の駆動電極ブロックB(k))、その駆動電極ブロックB(k)に対応する走査信号としてパルスを生成する。駆動電極ドライバ52は、この走査信号を増幅するとともにインピーダンス変換することにより駆動信号Vcom(B(k))としてパルス(交流駆動信号VcomAC)を生成し、駆動電極ブロックB(k)に印加する(図10(G))。この交流駆動信号VcomACは、静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化する(図10(H))。そして、タッチ検出部40のA/D変換部43が、サンプリングタイミングtsにおいて、このタッチ検出信号Vdetが入力されたLPF部42の出力信号をA/D変換する(図10(H))。タッチ検出部40の信号処理部44は、後述するように、複数の水平期間において収集したこのA/D変換結果に基づいて、タッチ検出を行う。
【0058】
次に、タイミングt3において、ゲートドライバ12が、表示動作に係るn行目の走査信号線GCL(n)に対して、走査信号Vscanを印加し、走査信号Vscan(n)が低レベルから高レベルに変化する(図10(C))。そして、ソースドライバ13が、画素信号線SGLに対して画素信号Vpixを印加し(図10(E))、そのn行目の走査信号線GCL(n)に係る1水平ラインの画素Pixの表示が行われる。
【0059】
具体的には、まず、タイミングt3において、ゲートドライバ12が、走査信号Vscan(n)を低レベルから高レベルに変化させることにより、表示動作に係る1水平ラインを選択する。そして、表示制御部11が、画素信号Vsigとして、赤色のサブ画素SPixのための画素電圧VRをソースドライバ13に対して供給する(図10(D))。ソースドライバ13は、ソースドライバ13から供給された画素電圧VRを画素信号Vsigから分離し、画素信号VpixRとして、画素信号線SGLを介して、1水平ラインに係る赤色のサブ画素SPixに対して供給する(図10(E))。同様に、表示制御部11は、画素信号Vsigとして、緑色のサブ画素SPixのための画素電圧VGをソースドライバ13に対して供給し(図10(D))、ソースドライバ13は、この画素電圧VGを画素信号Vsigから分離して、画素信号VpixGとして、1水平ラインに係る緑色のサブ画素SPixに供給する(図10(E))。その後、同様に、表示制御部11は、青色のサブ画素Spixのための画素電圧VBをソースドライバ13に対して供給し(図10(D))、ソースドライバ13は、この画素電圧VBを画素信号Vsigから分離して、画素信号VpixBとして、1水平ラインに係る青色のサブ画素SPixに供給する(図10(E))。
【0060】
次に、タイミングt4において、ゲートドライバ12は、n行目の走査信号線GCLの走査信号Vscan(n)を高レベルから低レベルに変化させる(図10(C))。これにより、表示動作に係る1水平ラインのサブ画素Spixは、画素信号線SGLから電気的に切り離される。
【0061】
これ以降、上述した動作を繰り返すことにより、タッチ検出機能付き表示パネル1では、線順次走査により、表示画面全体における表示動作が行われるとともに、以下に示すように駆動電極ブロックBずつ走査することにより、タッチ検出領域全体におけるタッチ検出動作が行われる。
【0062】
図11は、タッチ検出走査の動作例を表すものであり、(A)は垂直同期信号Vsyncの波形を示し、(B)はTX同期信号Vtxの波形を示し、(C)は駆動信号Vcomの波形を示し、(D)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0063】
駆動電極ドライバ52は、図11に示したように、TX同期信号Vtxに同期した交流駆動信号VcomACを生成し、駆動電極COMLに対して、駆動電極ブロックBごとに順次印加してタッチ検出走査を行う。その際、駆動電極ドライバ52は、各駆動電極ブロックBに対して、所定の複数の水平期間にわたり、交流駆動信号VcomACを印加する(図11(C))。タッチ検出デバイス30は、各1水平期間において、この交流駆動信号VcomACに基づくタッチ検出信号Vdetを出力し(図11(D))、タッチ検出部40が、このタッチ検出信号Vdetをサンプリングする。タッチ検出部40では、この所定の複数の水平期間のうちの最後の水平期間におけるサンプリングが終了した後に、信号処理部44が、これらの複数のサンプリング結果に基づいて、その駆動電極ブロックBに対応する領域に対するタッチの有無などを検出する。このように、複数のサンプリング結果に基づいてタッチ検出を行うようにしたので、サンプリング結果を統計的に解析することが可能となり、サンプリング結果のばらつきに起因するS/N比の劣化を抑えることができ、タッチ検出の精度を高めることができる。
【0064】
タッチ検出機能付き表示パネル1では、タッチ検出動作に係る走査部51および駆動電極ドライバ52を、表示動作に係る表示制御部11およびソースドライバ13とともに集積化し、1チップ化している。以下に、この集積化による作用について説明する。
【0065】
(多機能化)
タッチ検出機能付き表示パネル1では、走査部51および駆動電極ドライバ52を、集積化しチップ化したので、より多機能の回路を形成することができる。すなわち、例えば、走査部51および駆動電極ドライバ52を、ゲートドライバ12と同様に、タッチ検出機能付き表示デバイス10のTFT基板21上に、TFT素子Trと同じプロセスを用いて形成した場合には、加工精度が、例えば3[um]のように低いため、回路面積が大きくなってしまう。一方、走査部51および駆動電極ドライバ52をシリコンプロセスなどにより1チップ化してCOGとして実装する場合には、加工精度が、例えば80[nm]のように高いため、回路面積をより小さくすることができる。いいかえれば、TFT素子Trと同じプロセスを用いて走査部51および駆動電極ドライバ52を形成した場合には、回路面積の制約から、多機能な回路を形成することが難しいが、1チップ化することにより、単位面積あたりでより多くの回路を形成することができるようになるため、多機能な回路が実現できる。
【0066】
この多機能化により、タッチ検出機能付き表示パネル1では、例えば、より複雑なタッチ検出走査や、より細かな電源制御が可能となる。以下に、その例について詳細に説明する。
【0067】
図12は、より複雑なタッチ検出走査の例を表すものであり、(A)は垂直同期信号Vsyncの波形を示し、(B)はTX同期信号Vtxの波形を示し、(C)は駆動信号Vcomの波形を示し、(D)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0068】
この例では、駆動電極ドライバ52は、奇数番目に係る駆動電極ブロックB(B(1),B(3),B(5),…)に対してのみ、交流駆動信号VcomACを印加している。これにより、タッチ検出領域にタッチがなされているかどうかを、短期間で検出することができる。すなわち、図11では、全ての駆動電極ブロックBを順次駆動することにより、タッチ検出領域におけるタッチの位置を詳細に求めることができ、この例(図12)では、全駆動電極ブロックBのうち、奇数番目に係る駆動電極ブロックBのみを順次駆動することにより、単にタッチがなされているかどうかだけを検出することができる。
【0069】
図12に示したようなタッチ検出走査は、図11のタッチ検出走査を行うように構成した走査部51において、例えばそのシフトレジスタに入力する信号の波形を変更するだけで実現できるものではない。すなわち、図11,12の両方の走査を行うためには、多機能化のための専用の回路を付加する必要がある。タッチ検出機能付き表示パネル1では、走査部51および駆動電極ドライバ52を、集積化しチップ化したので、小さい回路面積で、このような多機能化を実現することができる。
【0070】
図13は、電源制御の例を表すものであり、(A)は表示動作およびタッチ検出動作の両方を行う場合を示し、(B)は表示動作のみを行う場合を示し、(C)はタッチ検出動作のみを行う場合を示す。図13において、実線で囲まれたブロックは電源供給されているブロックを示し、破線で囲まれたブロックは電源供給がなされていないブロックを示す。
【0071】
駆動部50の電源制御部53は、図13(A)に示したように、表示用電源電圧VDDDおよびタッチ検出用電源電圧VDDTの両方が供給された場合には、駆動部50内の各ブロック(表示制御部11、ソースドライバ13、走査部51、および駆動電極ドライバ52)に対して電源供給を行う。これにより、タッチ検出機能付き表示パネル1は、上述したような表示動作およびタッチ検出動作を行う。
【0072】
また、電源制御部53は、図13(B)に示したように、表示用電源電圧VDDDのみが供給された場合には、駆動部50内の各ブロックのうち、表示制御部11、ソースドライバ13、そして駆動電極ドライバ52に対して電源供給を行う。このとき、駆動電極ドライバ52は、全ての駆動電極COMLに対して、直流駆動信号VcomDCを供給する。言い換えれば、駆動電極ドライバ52は、駆動電極COMLに対して交流駆動信号VcomACを印加しない。そして、ソースドライバ13は、ゲートドライバ12が選択した1水平ラインに対して、画素信号Vpixを供給する。このようにして、タッチ検出機能付き表示パネル1は、この場合には、表示動作のみを行う。
【0073】
また、電源制御部53は、図13(C)に示したように、タッチ検出用電源電圧VDDTのみが供給された場合には、駆動部50内の各ブロックのうち、走査部51および駆動電極ドライバ52に対して電源供給を行う。このとき、電源制御部53は、低レベルの表示用電源フラグ信号Vpdを生成して、タッチ検出部40のタッチ検出制御部46に対して供給する。そして、タッチ検出制御部46は、自らTX同期信号Vtxを生成し走査部51に対して供給する。これにより、走査部51および駆動電極ドライバ52は、駆動信号Vcomを生成し、駆動電極COMLに対して供給する。そして、タッチ検出部40は、この駆動信号Vcomに応じたタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチを検出する。このようにして、タッチ検出機能付き表示パネル1は、この場合には、タッチ検出動作のみを行う。
【0074】
このように、タッチ検出機能付き表示パネル1では、駆動部50に電源制御部53を設け、電源制御を行う機能を内蔵したので、その用途などに応じた電源制御が可能となり、消費電力の削減を実現することができる。
【0075】
(額縁領域の低減)
次に、タッチ検出機能付き表示パネル1の額縁領域の低減について、比較例と対比して説明する。本比較例に係るタッチ検出機能付き表示パネル1Rは、走査部および駆動電極ドライバを、駆動部50のチップではなく、タッチ検出機能付き表示デバイス10のTFT基板21上に、TFT素子Trと同じプロセスを用いて形成したものである。その他の構成は、本実施の形態(図4など)と同様である。
【0076】
図14(A)は、本実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示パネル1の実装例を模式的に表すものであり、図14(B)は、比較例に係るタッチ検出機能付き表示パネル1Rの実装例を模式的に表すものである。
【0077】
タッチ検出機能付き表示パネル1Rは、図14(B)に示したように、駆動部50Rと、走査部51R(51RA,51RB)と、駆動電極ドライバ52R(52RA,52RB)とを備えている。駆動部50Rは、本実施の形態に係る駆動部50から、走査部51および駆動電極ドライバ52を省いたものである。走査部51Rおよび駆動電極ドライバ52Rは、本実施の形態に係る走査部51および駆動電極ドライバ52と同等の機能を有する回路であり、タッチ検出機能付き表示デバイス10のTFT基板21上に、TFT素子Trと同じプロセスを用いて形成したものである。この例では、走査部51RAおよび駆動電極ドライバ52RAは、駆動電極ブロックBとゲートドライバ12Aとの間に形成され、走査部51RBおよび駆動電極ドライバ52RBは、駆動電極ブロックBとゲートドライバ12Bとの間に形成されている。なお、この構成は、特許文献1の図15に対応するものである。すなわち、この図において、Vcom駆動回路9は、TFT基板上に形成されており、TFT素子と同じプロセスを用いて形成されていると考えられる。
【0078】
図14(B)に示したように、タッチ検出機能付き表示パネル1Rでは、走査部51Rおよび駆動電極ドライバ52Rは、ゲートドライバ12と同様に、TFT素子Trと同じプロセスを用いて形成されており、その加工精度が低いため、回路面積が大きくなっている。これにより、タッチ検出機能付き表示パネル1Rの幅d(図14における上下方向の幅)が、本実施の形態の場合(図14(A))に比べて大きくなってしまう。言い換えれば、タッチ検出機能付き表示パネル1Rでは、表示領域Adの外側の領域(額縁領域)が、本実施の形態の場合(図14(A))に比べて広くなってしまう。これにより、例えば、このタッチ検出機能付き表示パネル1Rを搭載した電子機器のサイズが大きくなり、あるいは、その電子機器のデザインの自由度が低下するそれがある。
【0079】
一方、本実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示パネル1では、走査部51および駆動電極ドライバ52を、集積化しチップ化したので、その加工精度が高いため、回路面積を小さくすることができ、図14(A)に示したように、額縁領域を狭くすることができる。これにより、例えば、タッチ検出機能付き表示パネル1を搭載した電子機器のサイズを小さくすることができ、あるいは、その電子機器のデザインの自由度を高めることができる。
【0080】
[効果]
以上のように本実施の形態では、走査部および駆動電極ドライバを集積化し1チップ化したので、多機能な回路を実現することができる。これにより、例えば、より複雑なタッチ検出走査や、より細かな電源制御が可能となる。
【0081】
また、本実施の形態では、走査部および駆動電極ドライバを1チップ化し、ゲートドライバが配置された辺とは異なる辺に配置したので、タッチ検出機能付き表示パネルの幅を小さくすることができるとともに、額縁領域を狭くすることができる。
【0082】
また、本実施の形態では、駆動電極ドライバを駆動電極ブロックの近くに配置したので、駆動電極ブロックを駆動しやすくすることができる。
【0083】
[変形例1−1]
上記実施の形態では、タッチ検出機能付き表示パネル1を構成する各ブロックに対して、表示用電源VDDDとタッチ検出用電源電圧VDDTとを別々に供給したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、共通の電源電圧VDDを供給してもよい。この例を、以下に詳細に説明する。
【0084】
図15は、本変形例に係るタッチ検出機能付き表示パネル1Bの一構成例を表すものである。タッチ検出機能付き表示パネル1Bは、駆動部50Bと、タッチ検出部40Bとを備えている。タッチ検出機能付き表示パネル1Bでは、単一の電源電圧VDDが外部より供給され、各ブロックに分配される。
【0085】
駆動部50Bは、電源制御部53Bを有している。電源制御部53Bは、電源制御信号Vpowに基づいて、駆動部50Bの各ブロック(表示制御部11、ソースドライバ13、走査部51、および駆動電極ドライバ52)への電源供給を制御するものである。具体的には、例えば電源制御信号Vpowが、表示動作およびタッチ検出動作の両方を指示する信号である場合には、図13(A)のように各ブロックへの電源供給を制御し、表示動作のみを指示する信号である場合には、図13(B)のように各ブロックへの電源供給を制御し、タッチ検出動作のみを指示する信号である場合には、図13(C)のように各ブロックへの電源供給を制御する。また、電源制御部53Bは、表示動作に係るブロック(表示制御部11およびソースドライバ13)に対して電源電圧が供給されているかどうかを示す表示用電源フラグ信号Vpdを、タッチ検出部40Bに対して供給するとともに、タッチ検出動作に係るブロック(走査部51)に対して電源電圧が供給されているかどうかを示すタッチ検出用電源フラグ信号Vptを、タッチ検出部40Bに対して供給する。このタッチ検出用電源フラグ信号Vptは、具体的には、タッチ検出動作に係るブロックに対して電源電圧が供給されている場合に高レベル(例えば1.8V)となり、このブロックに対して電源電圧が供給されていない場合に低レベル(0V)となる論理信号である。
【0086】
タッチ検出部40Bは、タッチ検出制御部46Bを有している。タッチ検出制御部46Bは、上記実施の形態に係るタッチ検出制御部46と同様に、水平同期信号Hsyncおよび垂直同期信号Vsyncに基づいて、LPF部42、A/D変換部、信号処理部44、および座標抽出部45が同期して動作するように制御するとともに、走査部51に対してTX同期信号Vtxを生成し供給する。また、タッチ検出制御部46Bは、タッチ検出用電源フラグ信号Vptが低レベルの場合には、LPF部42、A/D変換部、信号処理部44、および座標抽出部45への電源供給を停止する機能をも有している。
【0087】
この場合でも、タッチ検出機能付き表示パネル1Bでは、電源制御信号Vpowに基づいて電源制御部53Bが電源制御を行うことにより、消費電力の削減を実現することができる。
【0088】
[変形例1−2]
上記実施の形態では、所定の本数の駆動電極COMLからなる駆動電極ブロックBごとに駆動電極COMLを駆動し走査したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、所定の本数の駆動電極COMLを同時に駆動するとともに、その駆動する駆動電極COMLを1本ずつシフトすることにより走査してもよい。以下に、その詳細を説明する。
【0089】
図16は、本変形例に係る駆動電極ドライバ52Cの一動作例を模式的に表すものである。駆動電極ドライバ52Cは、所定の本数の駆動電極COMLに対して同時に交流駆動信号VcomACを印加する。具体的には、駆動電極ドライバ52Cは、所定の本数(この例では5本)の駆動電極COMLに対して同時に交流駆動信号VcomACを印加する(駆動信号印加電極LAC)。そして、駆動電極ドライバ52Cは、交流駆動信号VcomACを印加する駆動電極COMLを1本ずつシフトすることによりタッチ検出走査を行う。なお、この例では、5本の駆動電極COMLに対して同時に交流駆動信号VcomACを印加したが、これに限定されるものではなく、これに代えて4本以下もしくは6本以上の駆動電極COMLに対して同時に交流駆動信号VcomACを印加してもよい。また、この例では交流駆動信号VcomACを印加する駆動電極COMLを1本ずつシフトするようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、2以上の本数ずつシフトしてもよい。
【0090】
[変形例1−3]
上記実施の形態では、タッチ検出部40と駆動部50とを別々のチップに集積化したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図17に示したように、タッチ検出部40と駆動部50とを同じチップに集積化してもよい。
【0091】
[その他の変形例]
上記実施の形態では、駆動電極ブロックBは複数の駆動電極COMLから構成されるものとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、その複数の駆動電極COMLを一体として太く形成し、これを駆動電極ブロックBとして駆動してもよい。
【0092】
<3.適用例>
次に、図18〜図22を参照して、上記実施の形態および変形例で説明したタッチ検出機能付き表示パネルの適用例について説明する。上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示パネルは、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示パネルは、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0093】
(適用例1)
図18は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示パネルが適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示パネルにより構成されている。
【0094】
(適用例2)
図19は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示パネルが適用されるデジタルカメラの外観を表すものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示パネルにより構成されている。
【0095】
(適用例3)
図20は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示パネルが適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表すものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531、文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示パネルにより構成されている。
【0096】
(適用例4)
図21は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示パネルが適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541、この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542、撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有している。そして、その表示部544は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示パネルにより構成されている。
【0097】
(適用例5)
図22は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示パネルが適用される携帯電話機の外観を表すものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740、サブディスプレイ750、ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示パネルにより構成されている。
【0098】
以上、実施の形態および変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0099】
例えば、上記実施の形態等では、FFSやIPS等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスとを一体化したが、これに代えて、TN(ツイステッドネマティック)、VA(垂直配向)、ECB(電界制御複屈折)等の各種モードの液晶を用いた液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスとを一体化してもよい。このような液晶を用いた場合には、タッチ検出機能付き表示デバイスを、図23にしめしたように構成可能である。図23は、本変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイス10Eの要部断面構造の一例を表すものであり、画素基板2Bと対向基板3Bとの間に液晶層6Bを挟持された状態を示している。その他の各部の名称や機能等は図5の場合と同様なので、説明を省略する。この例では、図5の場合とは異なり、表示用とタッチ検出用の双方に兼用される駆動電極COMLは、対向基板3Bに形成されている。
【0100】
また、例えば、上記各実施の形態では、液晶表示デバイスと静電容量式のタッチ検出デバイスとを一体化したいわゆるインセルタイプとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば液晶表示デバイスの表面に静電容量式のタッチ検出デバイスを形成した、いわゆるオンセルタイプであってもよい。
【0101】
また、例えば、上記各実施の形態では、タッチ検出デバイスは静電容量式としたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば光学式であってもよいし、抵抗膜式であってもよい。
【0102】
また、例えば、上記各実施の形態では、表示素子は液晶素子としたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えばEL(Electro Luminescence)素子であってもよい。
【0103】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0104】
(1)1または複数の表示素子と、
一方向に延在する1または複数の駆動電極と、
チップに集積化され、前記駆動電極に駆動信号を印加する電極駆動部と、
前記駆動電極の延在方向と交差する方向に延在する1または複数のタッチ検出電極と
を備えたタッチ検出機能付き表示パネル。
【0105】
(2)前記表示素子を駆動する表示駆動部をさらに備え、
前記表示駆動部が前記電極駆動部とともに集積化されている
前記(1)に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【0106】
(3)前記電極駆動部は、前記表示駆動部から供給された表示同期信号に基づいて、前記駆動電極に駆動信号を印加する
前記(2)に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【0107】
(4)タッチ検出動作を制御するタッチ検出制御部をさらに備え、
前記タッチ検出制御部は、前記表示同期信号に基づいてタッチ検出同期信号を生成し、
前記電極駆動部は、前記タッチ検出同期信号に基づいて、前記駆動電極に前記駆動信号を印加する
前記(3)に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【0108】
(5)前記タッチ検出制御部は、前記電極駆動部とともに集積化されている
前記(4)に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【0109】
(6)各駆動電極と各タッチ検出電極との間には静電容量が形成され、
前記駆動電極に印加された前記駆動信号に応じた検出信号が、前記タッチ検出電極から出力される
前記(1)から(5)のいずれかに記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【0110】
(7)前記電極駆動部は、複数の前記駆動電極のうちの1または複数本を駆動対象電極として順次選択して走査し、その駆動対象電極に対して前記駆動信号を印加する
前記(1)から(6)のいずれかに記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【0111】
(8)前記電極駆動部は、前記駆動対象電極を順次選択する方法が互いに異なる複数の走査モードを有する
前記(7)に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【0112】
(9)前記電極駆動部および前記表示駆動部に対する電源供給を制御する、前記電極駆動部とともに集積化された電源制御部をさらに備えた
前記(2)から(5)に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【0113】
(10)1または複数の表示素子と、
1または複数のタッチ検出素子と、
チップに集積化され、前記1または複数のタッチ検出素子を駆動する駆動部と
を備えたタッチ検出機能付き表示パネル。
【0114】
(11)1または複数の表示素子を駆動する表示駆動部と、
チップに集積化され、一方向に延在する1または複数のタッチ検出電極の延在方向と交差する方向に延在する1または複数の駆動電極に対して駆動信号を印加する電極駆動部と、
を備えた駆動回路。
【0115】
(12)タッチ検出機能付き表示パネルと、
前記タッチ検出機能付き表示パネルを利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記タッチ検出機能付き表示パネルは、
1または複数の表示素子と、
一方向に延在する1または複数の1または複数の駆動電極と、
チップに集積化され、前記駆動電極に駆動信号を印加する電極駆動部と、
前記駆動電極の延在方向と交差する方向に延在する1または複数のタッチ検出電極と
を有する
電子機器。
【符号の説明】
【0116】
1,1B…タッチ検出機能付き表示パネル、2…画素基板、3…対向基板、6…液晶層、10…タッチ検出機能付き表示デバイス、11…表示制御部、12,12A,12B…ゲートドライバ、13…ソースドライバ、20…液晶表示デバイス、21…TFT基板、22…画素電極、23…絶縁層、30…タッチ検出デバイス、31…ガラス基板、32…カラーフィルタ、35…偏光板、40,40B…タッチ検出部、42…LPF部、43…A/D変換部、44…信号処理部、45…座標抽出部、46,46B…タッチ検出制御部、50,50B…駆動部、51…走査部、52…駆動電極ドライバ、53,53B…電源制御部、Ad…表示領域、B…駆動電極ブロック、COML…駆動電極、GCL…走査信号線、Hsync…水平同期信号、L…配線、LC…液晶素子、Out…出力信号、Pix…画素、SGL…画素信号線、SPix…サブ画素、T…フレキシブルプリント基板、TDL…タッチ検出電極、Tr…TFT素子、Vcom…駆動信号、VcomAC…交流駆動信号、VcomDC…直流駆動信号、VDD…電源電圧、VDDD…表示用電源電圧、VDDT…タッチ検出用電源電圧、Vdet…タッチ検出信号、Vdisp…映像信号、Vpd…表示用電源フラグ信号、Vpt…タッチ検出用電源フラグ信号、Vpow…電源制御信号、Vpix,Vsig…画素信号、Vscan…走査信号、Vsync…垂直同期信号、Vtx…TX同期信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の表示素子と、
一方向に延在する1または複数の駆動電極と、
チップに集積化され、前記駆動電極に駆動信号を印加する電極駆動部と、
前記駆動電極の延在方向と交差する方向に延在する1または複数のタッチ検出電極と
を備えたタッチ検出機能付き表示パネル。
【請求項2】
前記表示素子を駆動する表示駆動部をさらに備え、
前記表示駆動部が前記電極駆動部とともに集積化されている
請求項1に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【請求項3】
前記電極駆動部は、前記表示駆動部から供給された表示同期信号に基づいて、前記駆動電極に駆動信号を印加する
請求項2に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【請求項4】
タッチ検出動作を制御するタッチ検出制御部をさらに備え、
前記タッチ検出制御部は、前記表示同期信号に基づいてタッチ検出同期信号を生成し、
前記電極駆動部は、前記タッチ検出同期信号に基づいて、前記駆動電極に前記駆動信号を印加する
請求項3に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【請求項5】
前記タッチ検出制御部は、前記電極駆動部とともに集積化されている
請求項4に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【請求項6】
各駆動電極と各タッチ検出電極との間には静電容量が形成され、
前記駆動電極に印加された前記駆動信号に応じた検出信号が、前記タッチ検出電極から出力される
請求項1に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【請求項7】
前記電極駆動部は、複数の前記駆動電極のうちの1または複数本を駆動対象電極として順次選択して走査し、その駆動対象電極に対して前記駆動信号を印加する
請求項1に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【請求項8】
前記電極駆動部は、前記駆動対象電極を順次選択する方法が互いに異なる複数の走査モードを有する
請求項7に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【請求項9】
前記電極駆動部および前記表示駆動部に対する電源供給を制御する、前記電極駆動部とともに集積化された電源制御部をさらに備えた
請求項2に記載のタッチ検出機能付き表示パネル。
【請求項10】
1または複数の表示素子と、
1または複数のタッチ検出素子と、
チップに集積化され、前記1または複数のタッチ検出素子を駆動する駆動部と
を備えたタッチ検出機能付き表示パネル。
【請求項11】
1または複数の表示素子を駆動する表示駆動部と、
チップに集積化され、一方向に延在する1または複数のタッチ検出電極の延在方向と交差する方向に延在する1または複数の駆動電極に対して駆動信号を印加する電極駆動部と、
を備えた駆動回路。
【請求項12】
タッチ検出機能付き表示パネルと、
前記タッチ検出機能付き表示パネルを利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記タッチ検出機能付き表示パネルは、
1または複数の表示素子と、
一方向に延在する1または複数の1または複数の駆動電極と、
チップに集積化され、前記駆動電極に駆動信号を印加する電極駆動部と、
前記駆動電極の延在方向と交差する方向に延在する1または複数のタッチ検出電極と
を有する
電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−221422(P2012−221422A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89430(P2011−89430)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(598172398)株式会社ジャパンディスプレイウェスト (90)
【Fターム(参考)】