説明

タブレット

【課題】外殻と内部域との密着性が良く、割れや剥がれが発生しづらいタブレットを提供すること。
【解決手段】タブレット1は、粉末成分が圧縮成型されてなる内部域3と、該粉末とは異なる成分を含む外殻2とが一体成型されてなる。外殻2は、超音波振動により溶融可能な成分により形成されている。外殻2と内部域3とは、超音波振動を与えながら一体成型されていることが好ましい。このタブレット1は、原料粉末を含む混合物をタブレット成型用金型内に充填し、成型用杵を介して該混合物に超音波振動を与えながら圧縮を加えることで製造される。前記混合物を前記金型内に充填するに先立ち、該金型内及び前記成型用杵の杵面に、超音波振動により溶融可能な成分を付着させておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末の圧縮成型物からなるタブレット(錠剤)に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤等の有効成分を含む粉末原料を圧縮成型して製造されるタブレットは、以下の(1)〜(3)に示すような目的でタブレット表面に皮膜を形成することがある。
(1)光、酸素、湿気などによる薬剤の変質及び劣化の防止
(2)物理的保護膜の形成、ダストの付着防止
(3)体内での薬物放出の制御(DDS)、即ち、腸溶性、持効性、複効性等の付与
【0003】
前記の皮膜を形成するために使用される原料としては、例えば白糖、グラニュー糖、乳糖、マルチトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)などがある。皮膜を形成する方法として一般によく使用されるのはパンコーティング法である。この方法は、回転ドラム(パン)にタブレットを投入し、パン内で転動するタブレットにコーティング液をスプレーする方式である。この方式の問題点として、以下の1)〜4)等がある。
【0004】
1)皮膜の厚みが不足した場合や、タブレットと皮膜の接着性が悪い場合、乾燥条件が適切でない場合などに、皮膜が割れたり、剥がれたりすることがある。
2)皮膜の形成工程において、回転ドラム内で他のタブレットと衝突して欠けや割れを発生しないようなタブレットの強度が必要とされる。タブレットの強度を保つには、結合剤を多く配合したり、強く圧縮成型したりする必要がある。しかし、あまりに強く圧縮成型すると(イ)タブレットの溶解性が悪くなる、(ロ)タブレットが層状に割れる現象であるキャッピングやラミネーションといった欠陥が発生する、(ハ)杵に原料粉末が付着し、スティッキングが発生する、といったトラブルの原因となる。
3)皮膜の形成は、タブレットを打錠した後に、別工程として行うため、時間と製造コストがかかる。
4)大きなタブレットの場合、回転時の衝突エネルギーが大きくなって割れ易いため、この方法では皮膜の形成が困難である。
【0005】
その他に、打錠したタブレットを更に他の外層形成用原料粉末中に内蔵させて打錠した有核タブレットが知られているが、以下のような問題点がある。
1)予め打錠したタブレットを外層形成用粉末中に内蔵させる工程で欠けや割れを発生させずに取り扱うために、タブレット強度を保つには、結合剤を多く配合したり、強く圧縮成型したりする必要がある。しかし、あまりに強く圧縮成型すると、上述した皮膜形成の場合(前記の2))と同様の不都合がある。
2)2回の成型工程が必要で、時間と製造コストがかかる。
【0006】
以上の技術とは別に、タブレットの打錠に際して、臼及び杵の表面に滑沢剤や表面改質剤等の粉末材料を塗布し、その後に原料粉末を充填して圧縮成型を行う方法が提案されている(特許文献1及び2参照)。また、前記の粉末材料を臼及び杵の表面に塗布するに際し、該粉末材料の塗布量を制御する方法が提案されている(特許文献3参照)。また臼及び杵の表面に前記の粉末材料を塗布するに際し、該粉末材料を帯電させることで臼及び杵の表面への付着性を良好にすることが提案されている(特許文献4)。
【0007】
しかし、これらの方法は、臼や杵に圧縮成型する原料粉末が付着する「スティッキング現象」を防止するための手段であり、製品である錠剤の表面性状を変えることを意図したものではない。滑沢剤等の表面改質剤は、一部が圧縮成型体の表面に付着するとしても、製品の品質を変えるようなものではなく、逆に、錠剤の溶解性、崩壊性等の性能にとってはマイナスとなることもある。
【0008】
【特許文献1】国際公開第00/21740号パンフレット
【特許文献2】国際公開第03/103713号パンフレット
【特許文献3】2001−293599号公報
【特許文献4】2003−211065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、前述した従来技術では達成できなかった、多様な特性を具備し得るタブレット(圧縮成型錠剤)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、粉末成分が圧縮成型されてなる内部域と、該粉末成分とは異なる成分を含む外殻とが一体成型されてなり、該外殻が、超音波振動により溶融可能な成分により形成されているタブレットを提供するものである。
【0011】
また本発明は、タブレット成型用金型内及び成型用杵の杵面に、超音波振動により溶融可能な成分を付着させ、次いで粉末原料混合物を金型内に充填し、成型用杵を介して該混合物に超音波振動を与えながら圧縮を加えるタブレットの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、超音波振動を与えながら圧縮成型することにより、内部域と外殻とを一体成型するので、外殻と内部域との密着性が良く、割れや剥がれが発生しにくい。また、硬い外殻を形成すれば、外殻で強度を持たせることができるので、比較的低圧での成型が可能となる。また、内部域を硬く形成する必要がなく、内部域の溶解性が悪化することがない。内部域の強度があまり必要でないということは、内部域に含まれる結合剤の量を、従来の皮膜形成タブレットと比較して少なくすることができることを意味している。したがって、外殻が溶解すれば内部域が一気に溶解するといった溶解性の制御が可能であり、速崩壊錠剤やドラッグデリバリシステムへ応用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本実施形態のタブレットの一実施形態の縦断面図が示されている。図1に示すタブレット1は、外殻2と、この外殻2によって被覆された内部域3とから構成されている。外殻2はタブレット1の外面を含み、タブレット1の輪郭を画定するものである。外殻2は実質的に内部域3の全体を被覆している。外殻2を構成する成分は、内部域3を構成する粉末成分とは異なるものである。
【0014】
タブレット1は、外殻2と内部域3とが超音波振動を与えながら一体成型されている点に特徴の一つを有している。両者の密着性は極めて良好であり、タブレット1に割れや剥がれが発生しにくい。
【0015】
外殻2には超音波振動により溶融可能な成分(以下、この成分を「外殻形成材」という)が含まれている。一体成型時の超音波振動による摩擦熱で外殻形成材が溶融することで、外殻が形成される。また、外殻形成材は、内部域を形成する粉末成分のうち、外殻近傍のものに対してバインダーとして作用し、外殻2と内部域3との密着性を高める。そのような外殻形成材としては、超音波振動により溶融可能な常温(35℃)で固体の化合物であればよく、例えば、高分子化合物、糖アルコール類、エステル類及びワックス類が挙げられる。
【0016】
高分子化合物としては、例えばポリエチレングリコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチル化澱粉等が挙げられる。糖アルコール類としては、例えばキシリトール、エリスリトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、マルトース、トレハロース等が挙げられる。エステル類としては、グリセリン脂肪酸エステル、シュガーエステル等が挙げられる。ワックス類としては、カルバナワックス、蜜ロウ、木ロウなどが挙げられる。これらの外殻形成材は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
外殻形成材は、目的とするタブレットの用途に応じて、水溶性又は油溶性のうち適切なものを選択することができる。タブレット1が水や油と接触すると、外殻形成材がこれらに溶解又は膨潤して外殻2が除去され、内部域3が露出して容易に崩壊又は溶解することができる。特にタブレット1を、医薬錠剤や口中清涼剤、浴用剤などとして用いる場合には、外殻形成材は水溶性を有していることが好ましい。
【0018】
外殻形成材は、その融点が100℃(DSC法)以下であることが好ましく、JIS K7121:融点(DSC融解ピーク温度)に基づいて測定する。DSC法による融点は、昇温速度5℃/minで測定される。
【0019】
融点が100℃以下の外殻形成材を用いることで、タブレット1の成型時に加える超音波エネルギーを少なくすることができる。タブレット1の製造方法に関して後述するように、本実施形態においては、外殻形成材が超音波振動による摩擦熱で溶融することによって外殻2が形成されると共に、内部域3と一体成型される。したがって、外殻形成材の融点が高い場合には、より大きな超音波振動や長時間の超音波照射を加える必要があり、エネルギー的に不利になる。また融点が高い場合にはタブレット1の原料粉末全体も高温となることで、原料粉末の種類によっては熱的なダメージを受けることもある。融点が好ましくは100℃以下、更に好ましくは75℃以下の外殻形成材を用いることで、そのような不都合を回避できる。本実施形態においては2種以上の外殻形成材を溶融混合物や粉体混合物の形態で用いてもよいが、その場合には、少なくとも1種の外殻形成材の融点が100℃以下であればよい。特に、2種以上の外殻形成材のうち、融点が最も高い外殻形成材の当該融点が100℃以下であることが好ましい。
【0020】
外殻形成材の融点の下限値に特に制限はないが、少なくとも常温(35℃)では固体である。外殻形成材の融点が常温に近くなるとタブレット1にべたつき感が生じる場合がある。したがって融点は40℃以上、特に45℃以上であることが好ましい。外殻2は、上記のような外殻形成材のみから構成されていてもよく、或いは外殻形成材に加えて他の成分(例えば顔料等)を含んで構成されていてもよい。
【0021】
外殻2は、所定の厚みをもって内部域2の全体を被覆している。タブレット1の大きさや形状にもよるが、外殻の厚みは0.01〜3mmが好ましく、0.05〜1mmが一層好ましい。なお、図1においては、外殻2と内部域3との境界が明確に表されているが、これは本発明の理解を助けることを目的として強調して描かれたものであり、実際のタブレットにおいては、外殻及び内部域の構成材料や、タブレット1の製造条件等に起因して、両者の境界が完全に明確でない場合もある。
【0022】
本実施形態においては、外殻2の構成材料やタブレット1の製造条件を適切に設定することによって、外殻2を硬く形成し十分な強度を付与することが可能である。外殻2に十分な強度を付与することで、内部域3を硬く形成する必要がなくなる。つまり内部域3の強度を高くする必要がなくなる。したがって内部域3に含まれる結合剤の量を、従来のタブレットよりも少なくすることが可能になる。その結果、内部域の液体への崩壊性を高めることが容易になるので、ひとたび外殻2が液体に溶解すれば内部域3が一気に崩壊するといった溶解性の制御が可能になる。このような溶解性を有するタブレットは、速崩壊錠剤やドラッグデリバリシステムに特に有用である。なお、本明細書で言う液体とは純粋な水を始めとする水性液、及びアルコールを始めとする有機溶媒等の水性液以外の各種液体を包含する。水性液とは純粋な水、各種の水溶液や水懸濁液、体液などを広く包含する。
【0023】
一般に、粉末圧縮成型物の使用時の崩壊性を良好にするためには、例えば成型時の圧力を低く設定すればよいが、低圧での圧縮に起因して成型物の強度が低下してしまう。その結果、製品の製造工程において、或いは製品の輸送中に、成型物に割れや欠け、摩損などの欠陥が発生しやすい。一方、成型物の強度を高めようとすると、成型物の密度が高くなり使用時の崩壊性が低下する。このように、従来の圧縮成型技術においては、成型物の強度と使用時の崩壊性とは二律背反の関係にあった。これに対して、本発明により外殻2の強度を高めたタブレット1は、高強度で且つ使用時には速崩壊性という特徴を併せ持ったものとなる。
【0024】
タブレット1における内部域3は、タブレット1の本体部分をなすものである。内部域3は、原料粉末に超音波振動を与えながらこれを圧縮することで成型されたものである。原料粉末としては、タブレット1の具体的な用途に応じて適切なものを用いることができる。一般に、原料粉末は主剤のみからなるか、或いは主剤及び1種類以上の副原料粉末を含んでいてもよい。原料粉末の粒径は、タブレット1の具体的な用途に応じて適切な大きさが適宜選択される。一般的に、主剤である原料粉末は、重量平均粒径が20〜300μmで、変動係数が50%以下であることが好ましい。
【0025】
一例として、タブレット1を浴用剤として用いる場合には、原料粉末は炭酸塩及び有機酸を含むことが好ましい。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウムなどが用いられる。有機酸としては、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、安息香酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸、サリチル酸などの水溶性で且つ常温(35℃)で固体の酸を用いることが好ましい。
【0026】
内部域3には、前記の原料粉末に加えて、超音波振動による摩擦熱で溶融可能な固体材料(以下、この材料を結合剤という)が含まれていてもよい。かかる材料としては、先に外殻2に関して説明した外殻形成材と同様のものを用いることができる。かかる材料の含有量は、内部域2の全体に対して1〜20重量%、特に3〜10重量%とすることが、内部域3の強度及び崩壊性のバランスの点から好ましい。タブレット1を上述した浴用剤として用いる場合には、該材料として水溶性の高分子化合物であるポリエチレングリコール(以下、PEGという)を用いることが好ましい。PEGとしてはその分子量が1000〜20000のものを用いることが好ましい。
【0027】
本実施形態のタブレット1は、外殻2が高強度で成型されているのに対して、内部域3が相対的に低強度で成型されていることが、崩壊性の向上の点から好ましい。外殻2及び内部域3の強度の程度は、その硬度を尺度として表すことができる。つまり、内部域3よりも外殻2の方が高硬度であることが好ましい。なお当該技術分野においては、タブレット全体の硬度(破壊強度)を測定する手段はある(例えば、木屋式硬度計(藤原製作所製)等)が、タブレットの部分的な硬度測定法は存在しない。そこで本発明においては、ゴム硬度計を用いた測定結果を、タブレットの部分的な硬度の値として代用することとする。
【0028】
タブレット1は種々の用途に用いられ、それぞれの用途に応じた大きさに成型される。タブレット1の大きさは平面視での面積が7〜8000mm2程度、特に20〜3000mm2程度であり、高さが1〜30mm程度、特に2〜20mm程度である。タブレット1の形状には特に制限はなく、例えば円柱状、三角柱状や四角柱状等の多角柱状など、任意の形状に成型することができる。
【0029】
図1に示す構造を有するタブレット1は以下に述べる方法によって好適に製造される。図2及び図3には、本実施形態のタブレット1を製造するために用いられる好ましい装置の模式図が示されている。打錠装置10は枠体11を備えている。枠体11の高さ方向の中央部には、打錠テーブル12が水平方向に取り付けられている。打錠テーブル12の中央部には貫通孔が設けられており、その貫通孔にタブレット成型用金型13が嵌合されている。金型13はその上下が開口した筒状の形状をしている。金型13はその上部に側方へ張り出すフランジ13aを有している。フランジ13aは打錠テーブル12へボルト締め(図示せず)されている。
【0030】
金型13のキャビティの上下の位置には超音波振動素子14a,14bが配されている。各素子14a,14bはエアシリンダ15a,15bによって支持されている。上部エアシリンダ15aは、枠体11の天板11aに取り付けられ、それから垂下している。一方、下部エアシリンダ15bは、枠体11の底板11b上に取り付けられている。これによって、各超音波振動素子14a,14bはそれぞれ上下方向へ移動可能になっている。なお、超音波振動素子の移動手段はエアシリンダに限定されず、他に油圧シリンダや、電動モータを用いたボールネジプレス等の機器を用いても良い。
【0031】
各超音波振動素子14a,14bの先端にはホーン16a,16bが取り付けられている。各ホーン16a,16bの先端は成型用金型13のキャビティと同一形状をなしている。これら三者は同一軸線上に位置している。各ホーン16a,16bは、圧縮成型の際に原料粉末に超音波振動を与える役割、及び原料粉末を圧縮するための成型用杵としての役割を有している。したがって以下の説明では、これらのホーンをそれぞれ上杵16a、下杵16bと呼ぶことにする。各杵16a,16bの先端形状は、金型13のキャビティと同形状になっている。
【0032】
図3には打錠装置10に取り付けられる周辺装置の模式図が示されている。周辺装置は、外殻形成材の霧化装置20、外殻形成材の噴霧装置30、及び該噴霧装置の移動装置40に大別される。
【0033】
霧化装置20は、外殻形成材及び必要に応じ他の成分(例えば顔料等)が充填される容器21を備えている。容器21の下部にはスクリューフィーダー22が取り付けられている。スクリューフィーダー22の先端は、外殻形成材の霧化部23に接続されている。スクリューフィーダー22は、容器21内に充填された外殻形成材を一定量切り出して、霧化部23に送り込む役割を有している。容器21とスクリューフィーダー22との間には、容器21内に充填された外殻形成材を、スクリューフィーダー22へ円滑に供給するための攪拌羽根24が設置されている。スクリューフィーダー22及び攪拌羽根24は、モータ25を駆動源として回転するようになっている。
【0034】
霧化装置20の霧化部23は、上述のとおりスクリューフィーダー22の先端に接続されている。霧化部23は更に、圧力調整弁26が途中に介在したチューブ27によって高圧空気源28に接続されている。圧力調整弁26は、外殻形成材の霧化量を調整するためのものである。圧力調整弁26によって圧力が調整された高圧空気は、チューブ27を通じて霧化部23内へ導入されるようになっている。更に霧化部23には、チューブ27と対向する位置に、霧化部23内へ導入された高圧空気を排出するチューブ28が接続されている。チューブ28はその途中で二股に分岐している。分岐した各チューブ28a,28bはそれぞれ、後述する噴霧装置30に接続されている。
【0035】
噴霧装置30は、外殻形成材の噴霧時には、打錠装置10における上杵16aと金型13との間に位置している。噴霧装置30は支持板31の上下面にそれぞれ配置された円筒状の噴霧部32a,32bを備えている。噴霧部32a,32bは同形であり、それらの中心位置が一致するように支持板31に取り付けられている。また、噴霧部32a,32bの中心は、打錠装置10における上杵16aと下杵16bとを結ぶ軸線上に位置している。噴霧部32aの側面には、霧化装置20の霧化部23に通じるチューブ28aが接続している。同様に、噴霧部32bの側面にもチューブ28bが接続している。これによって、霧化装置20で霧化された外殻形成材が、噴霧部32a,32bの内側に噴霧されるようになっている。
【0036】
外殻形成材の噴霧時には、噴霧部32aは、若干の距離を隔てて上杵16aと対向する。更に、この状態においては、打錠装置の上杵16aの先端部が、円筒形の吸引排気筒33内に挿入される。吸引排気筒33は、ポンプ等の排気装置(図示せず)に接続されている。一方、噴霧部32bは、若干の距離を隔てて金型13と対向している。噴霧部32bと金型13との間には、図示しない吸引排気管の先端が位置している。吸引排気管は、ポンプ等の排気装置(図示せず)に接続されている。
【0037】
噴霧部32a,32bの側面には、針電極34がそれぞれ取り付けられている。針電極34は、その先端部が、噴霧部32a,32bの内側に位置している。針電極34の後端部は導線35を介して高圧電源36に接続されている。高圧電源36はマイナス数十キロボルト〜プラス数十キロボルトの高電圧を発生させることが可能になっている。また図示していないが、打錠装置10の上杵16a及び下杵16b並びに金型13は接地(アース)されている。
【0038】
噴霧装置30の移動装置40は、噴霧装置30をその噴霧位置と待避位置との間で往復移動させるためのものである。移動装置40は、支持板31の後端部に取り付けられた回転軸41を有している。回転軸41は枠体42a,42bに枢支されている。支持板31は、その後端に接続されたエアシリンダ43を含む回転機構によって、回転軸41を中心として回転可能になっている。具体的には、図4(a)及び(b)は、移動装置40を上からみた平面図であるところ、図4(a)に示す位置が噴霧位置であり、その位置から支持板31が90度回転した図4(b)に示す位置が待避位置となる。
【0039】
以上の構成を有する装置を用いたタブレット1の製造方法について説明すると、先ず図5(a)に示すように、下部エアシリンダ(図示せず)を動作させ、金型13内に予め挿入されている下杵16bを、外殻形成材を噴霧するために金型13内で下降させる。これによって、金型13にはそのキャビティと下杵16bとで画成される凹部が形成される。また上部エアシリンダ(図示せず)を動作させ、上杵16aを上昇させて打錠テーブル12(図示せず)上の空間に待避させる。
【0040】
次に移動装置40を駆動させて、噴霧装置30を図4(a)に示す噴霧位置へ移動させる。この状態では、噴霧装置30の噴霧部32aが上杵16aと正対する。また噴霧部32bが金型13及び下杵16bと正対する。そして、上杵16aを下降させて、図5(b)に示すように、吸引排気筒33内に挿入する。噴霧部32a,32bと杵面との距離や、噴霧部32a,32bの形状等は、杵面や金型表面に所望の量の外殻形成材が均一に付着するように適宜調整する。
【0041】
この状態下に、霧化装置20を駆動させ、スクリューフィーダー22によって霧化部23内に外殻形成材を導入する。これと共に高圧空気を霧化部23内に導入する。霧化された外殻形成材は、チューブ28並びにそれが分岐したチューブ28a,28bを通って噴霧部32a,32bに送られ、その内側に噴霧される。この噴霧によって、図5(c)に示すように、杵16a,16bの杵面及び金型13の表面に外殻形成材が付着する。噴霧部32a,32bそれぞれの噴霧状態を別々に設定したい場合には、それぞれに専用の霧化装置を用いても良い。
【0042】
外殻形成材の噴霧に際しては、針電極34に所定の高電圧を印加しておく。これによって噴霧された外殻形成材の粒子が高電圧によって帯電し、電気的に接地された杵16a,16bや金型13に静電気力によって効率的に付着する。電圧の極性は、噴霧する外殻形成材が帯電し易い極性に調整する。例えば外殻形成材としてPEGを用いる場合、PEGはマイナスに帯電し易いため、高電圧の極性はマイナスとする。外殻形成材の噴霧の間、吸引排気筒33を吸引状態にしておき、杵16a,16bや金型13に付着しなかった余分の外殻形成材を吸引除去する。
【0043】
外殻形成材の付着量は、外殻形成材の種類や、タブレット1の大きさ等に応じて適宜増減する。一般に、付着量を5〜50mg/cm2とすれば、十分な厚みの外殻2を形成することができる。外殻形成材の付着量は、噴霧速度、スクリューフィーダー22による外殻形成材の供給量、高圧空気の流量等を制御することでコントロールできる。
【0044】
所望の量の外殻形成材が杵16a,16bの杵面及び金型13の表面に付着したら、外殻形成材の噴霧を停止する。次に移動装置40を駆動させ、噴霧装置30を図4(b)に示す位置に待避させる。待避が完了したら、図5(d)に示すように、金型13のキャビティと下杵16bとで画成される凹部に、原料粉末及び必要に応じ結合剤の粉末を含む混合物(以下、粉末混合物という)3’を充填する。なお本実施形態における噴霧装置30の移動装置40は回転式のものであるが、これに代えてエアシリンダ等を用い、噴霧装置30を直線運動させて移動と退避を行わせてもよい。
【0045】
粉末混合物3’は、原料粉末及び必要に応じて配合される結合剤の粉末を含み、これらの成分が均一に混合されたものからなる。また、転動造粒法などを用いて、原料粉末中の主剤又はその他の粉末原料を、結合剤で被覆し、粉末混合物3’を得ても良い。転動造粒とは、ヘンシェルミキサやハイスピードミキサ等の撹拌槽内で回転を与えながら原料粉末に結合剤を噴霧することによって粒状化する造粒方法である。転動造粒によって得られた粉末混合物3’においては、原料粉末の粒子が、結合剤で被覆された状態になる。このような状態になっている粉末混合物3’を用いることで、低密度で且つ高強度のタブレットを首尾良く製造できる(その理由は後述する)。尤も、転動造粒法は必須の条件ではない。
【0046】
次に、下部超音波振動素子14bを動作させて下杵16bを超音波振動させる。これと同時に又はその前後に、上部超音波振動素子14aを動作させて上杵16aを超音波振動させる。そして、エアシリンダ15aを動作させて、これによって図5(e)に示すように粉末混合物3’の圧縮成型を行う。なお、下部超音波振動素子14b及び上部超音波振動素子14aを動作させるタイミングはエアシリンダ15aを動作させると同時又はその前後でもよい。
【0047】
本製造方法は、粉末混合物3’に超音波振動を与えつつ圧縮成型を行う点に特徴の一つを有する。上杵16a及び下杵16bの杵面並びに金型13の表面に付着した外殻形成材の粒子や、粉末混合物3’の粒子は超音波を受けることで振動し、それによって摩擦熱が発生する。この摩擦熱によって外殻形成材及び粉末混合物3’に含まれている結合剤が溶融する。外殻形成材の溶融によって、外殻2が形成される。また、結合剤の溶融によって粉末混合物3’中の粒子が結合し、内部域3が形成される。更に該粒子が外殻形成材とも結合し、外殻2と内部域3とが一体化する。また、外殻形成材により強固な外殻2が形成されるので、内部域に相当する粉末圧縮成型物自体の保形性は相対的に低くても、最終の圧縮成型物としての強度は十分に保たれる。したがって、圧縮の圧力を低くしても圧縮成型物の強度を高くすることが可能になる。その結果、低密度で且つ高強度の圧縮成型物を容易に得ることができる。
【0048】
本製造方法は、粉末混合物3’を挟んで上下から超音波振動を与えることも特徴の一つである。このように超音波振動を与えることで上下方向から均等に粒子の振動が促進され、外殻形成材が均一に溶融するので、均一な厚みの外殻2が形成される。また結合剤を介しての粉末の結合が強固になる。各杵16a,16bの振動条件は同じでもよく、或いは異なっていてもよいが、一般的には同条件としておく。
【0049】
特に、粉末混合物3’として、原料粉末の粒子が結合剤で被覆された状態のもの、例えば前述した転動造粒によって得られたものを用いると、粒子の振動によって発生する摩擦熱が効率的に結合剤へ伝わり、結合剤を介しての粒子どうしの結合が一層確実になる。
【0050】
圧縮の圧力を低い値に設定できることは、主剤である原料粉末に対して、物理的なダメージが少なくなるという利点がある。例えば、原料粉末中に液体成分が含有されている場合であっても、圧縮の圧力が低いので、粉体粒子が破壊されて粒子中の液体成分が染み出して品質上問題となったり、これに起因して製造上のトラブルを発生したりすることもない。
【0051】
超音波振動の条件は、外殻形成材の種類、粉末混合物3’の成分やその配合量、及び目的とするタブレット1の具体的な用途等に応じて適宜調整が可能である。タブレット1を例えば浴用剤や口腔内速崩壊性錠剤として用いる場合には、超音波の周波数は10〜100kHz、特に15〜30kHzとすることが好ましい。この範囲の周波数とすることで、媒質である粉末混合物3’内での超音波の減衰の程度が小さくなり、粉末混合物3’の深部にまで振動が伝達される。
【0052】
超音波の振幅は、タブレット1を例えば浴用剤や口腔内速崩壊性錠剤として用いる場合には、5〜100μm、特に10〜50μmであることが好ましい。この範囲の振幅とすることで、粒子の振動が十分に大きくなり、それに起因して十分な摩擦熱が発生する。その結果、短時間での成型が可能になる。
【0053】
超音波振動を与える時間は短時間でも十分なことが本発明者らの検討の結果判明した。この理由は、粉末混合物3’を挟んで上下から超音波振動を与えることに起因している。振動時間は、好ましくは0.1〜5秒、更に好ましくは0.2〜2秒である。外殻形成材及び結合剤の融点や配合量、原料粉末の重量や厚みにもよるが、あまりに長時間振動を与えると、表面が高温になり、原料の劣化、結合剤の溶融固化が進んで過剰硬度(溶けづらい)、杵への付着増加、色焼け等が発生する場合がある。
【0054】
圧縮成型が完了したら超音波振動を停止し、上部エアシリンダ15aを動作させ、図5(f)に示すように上杵16aを上昇させて打錠テーブル12上の空間に待避させる。また下部エアシリンダ15bを動作させ、下杵16bも上昇させる。これによって金型13のキャビティから目的物であるタブレット1を取り出す。
【0055】
このようにして得られたタブレットは、先に述べたとおり、口腔内速崩壊性錠剤、洗剤タブレット、入浴剤タブレット等として用いられる。また、これ以外に、速崩壊性であることの利点を生かして、化粧品や農薬等としても好適に用いられる。
【0056】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記の製造方法においては、外殻形成材が杵に付着することを防止する目的で、これらの間にテフロン(登録商標)シート等の付着防止用介在物を介在させてもよい。
【実施例】
【0057】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り「%」は「質量%」を意味する。
【0058】
〔実施例1〕
図2及び図3に示す装置を用い、図5(a)ないし(f)に示す方法で、図1に示す浴用剤タブレットを製造した。装置10における超音波振動素子14a,14bとしては、精電舎電子工業製のランジュバン素子(発振周波数19kHz、最大出力1200W、最大振幅30μm)を用いた。先ず、以下の各成分を用意した。主原料であるフマル酸はヘンシェルミキサを用いて転動造粒を行い、PEGで被覆した。これとその他の原料粉末を良く混合して粉末混合物3’を得た。
・フマル酸 45.5%
(原料粉末、重量平均粒径172μm、変動係数49.6%)
・炭酸水素ナトリウム 40%
(原料粉末、重量平均粒径99μm、変動係数41.2%)
・炭酸ナトリウム 10%
(原料粉末、重量平均粒径92μm、変動係数45.1%)
・PEG 4.5%
(結合剤、重量平均分子量8500、融点60〜66℃)
【0059】
外殻形成材として、前記と同じ重量平均分子量8500のPEGの粉末を用いた。図5(a)ないし(c)に示す手順により、上杵16a及び下杵16bの杵面並びに金型13の表面に、高圧空気で霧化されたPEGの粉末を付着させた。このとき、噴霧装置30に取り付けられている針電極に−10kVの電圧を印加し、PEGの粉末を負に帯電させた。また上杵16a及び下杵16b並びに金型13を接地しておいた。PEGの粉末の付着量は、上杵16aへの付着量を噴霧前後の杵重量差から計算すると、14mg/cm2であった。
【0060】
次に、装置を図5(d)に示す状態にして、金型の凹部に前記の粉末混合物3’を45g充填した。凹部の直径は60mmであった。次に下杵16bを超音波振動させた。また上杵16aも超音波振動させると共にこれを下降させて凹部内に挿入して図5(e)に示す状態とした。これによって圧縮成型を行った。成型条件は以下の表1に示すとおりであり、プレス圧は1.35MPaと低圧であった。圧縮成型の完了後、超音波振動を停止し、上杵16aを上昇・待避させ、また下杵16bも上昇させて、図5(f)に示すように目的物であるタブレット1を金型内から取り出した。得られたタブレット1の縦断面を顕微鏡観察したところ、外殻の厚みは0.14mmであった。
【0061】
〔比較例1〕
図6に示す手順で圧縮成型を行い、タブレットを得た。先ず図6(a)に示すように成型用金型103を下杵106bにセットした。金型103は上下が開口した円筒形でありその内径は60mmであった。実施例1と同様の配合組成を有し且つ同実施例と同様にして得られた粉末混合物3’を、図6(b)に示すように金型103の凹部内に充填した。充填量は45gであった。次に図6(c)に示すように、金型103を油圧プレス機107(理研機器(株)製のTYPE CD−50−135B)にセットし、プレス機107の油圧シリンダ105に取り付けられた上杵106aによって油圧プレスを行った。ここで、実施例1のタブレットと比較するため、本比較例のタブレットの硬度が、実施例1のタブレットの硬度とほぼ同じ値となるように、プレス圧を調整し10MPaとした。プレス後、下杵106bを取り外し、図6(d)に示すように金型103及び上杵106aを上下反転させた。更に金型103を押し下げて、タブレットを金型内から取り出した。
【0062】
前記のタブレットの硬度(破壊強度)は木屋式硬度計(藤原製作所製)を用いて測定した。本発明者らの知見によれば、重量45gで厚み10〜16mm程度の浴用剤では、タブレット側面から5mm内側の点をタブレットの厚み方向で測定したときの硬度が6kg以上であるのが望ましい。これは、打錠工程を始め、打錠機からの錠剤の排出、ピロー包装機までの搬送、ピロー包装、ピッキング・箱詰めなどの製造工程や、工場から店頭への輸送、店頭での取り扱い、購入者の家庭での取り扱いなど、通常の取り扱い条件下で、割れや欠け、摩損などが発生しない硬度である。
【0063】
〔比較例2〕
比較例1において油圧プレスによる圧縮成型を行う前に、実施例1と同様の方法で、上杵106a及び下杵106bの杵面並びに金型103の表面に、実施例1と同様の外殻形成材を付着させた。付着量は、実施例1と比較するために14mg/cm2に調整した。これら以外は比較例1と同様にしてタブレットを得た。
【0064】
〔評価〕
実施例及び比較例で得られたタブレットについて表面の硬度を以下の方法で測定した。その結果を以下の表1に示す。
【0065】
〔硬度測定法〕
外殻と内部域の硬度差を比較するために、ゴム硬度計による硬度測定を行った。糸鋸を用いてタブレットを縦に二分した。内部域の硬度は、タブレットの切断面における厚み方向中央部の6箇所の部位(図7の符号1〜6で示す部位)を対象として、ゴム硬度計によって硬度を測定した。そして、それらの平均値を算出した。外殻の硬度は、タブレットの表面の部位(図7の符号11〜16で示す部位)を対象として、同様にゴム硬度計によって測定した。ゴム硬度計としては、(株)テクロック製のデュロメータ TYPE Dを用いた。測定針は、30°の円錐形で先端部のRは0.1、最大目盛り100度でのスプリング荷重は44450mNであった。
【0066】
【表1】

【0067】
表1に示す結果から明らかなように、実施例1のタブレットは、表面の硬度が断面の硬度の2.6倍となっており、硬い外殻が形成されていることが判る。これに対して油圧プレスによる圧縮成型を行って得られた比較例のタブレットでは、外殻形成材の噴霧の有無にかかわらず、表面と断面で硬度に差がないことが判る。
【0068】
また、実施例のタブレットは、比較例のタブレットの約1/10のプレス圧で成型したものであるにもかかわらず、断面の硬度は、実施例及び比較例でほぼ同じであることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のタブレットの一実施形態の構造を模式的に示す縦断面図である。
【図2】本発明のタブレットを製造するために用いられる好ましい装置を示す模式図である。
【図3】図2に示す装置の周辺装置を示す模式図である。
【図4】噴霧装置の移動装置の動作を示す模式図である。
【図5】図2示す装置を用いたタブレットの製造工程を示す図である。
【図6】油圧プレス機を用いた比較例のタブレットの製造工程を示す図である。
【図7】タブレットの硬度を測定する部位を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1 タブレット
2 外殻
3 内部域
3’ 粉末混合物
10 打錠装置
12 打錠テーブル
13 成型用金型
14a,14b 超音波振動素子
15a,15b エアシリンダ
16a,16b 成型用杵(ホーン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末成分が圧縮成型されてなる内部域と、該粉末成分とは異なる成分を含む外殻とが一体成型されてなり、該外殻が、超音波振動により溶融可能な成分により形成されているタブレット。
【請求項2】
前記超音波振動により溶融可能な成分が、高分子化合物、糖アルコール類、エステル類又はワックス類から選ばれる請求項1記載のタブレット。
【請求項3】
タブレット成型用金型内及び成型用杵の杵面に、超音波振動により溶融可能な成分を付着させ、次いで粉末原料混合物を金型内に充填し、成型用杵を介して該混合物に超音波振動を与えながら圧縮を加えるタブレットの製造方法。
【請求項4】
前記超音波振動により溶融可能な成分を霧化させて前記金型内及び前記杵面に噴霧することにより、該成分を付着させる請求項3記載の製造方法。
【請求項5】
前記成分を帯電させた状態で噴霧する請求項4記載の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−212533(P2008−212533A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57137(P2007−57137)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】