説明

タンデム駆動式ベルトコンベヤ装置

【課題】搬送用ベルトの駆動用プーリを駆動するための2台の油圧モータに圧油をそれぞれ供給する油圧ポンプを備えるとともに、ベルトの滑りをなくし得るベルトコンベヤ装置を提供する。
【解決手段】2つの駆動用プーリ3,4にてタンデム駆動され且つテンション用油圧シリンダ32にて作動されるテンション用プーリにより搬送用ベルト6にテンションを作用させ得るタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置であって、各駆動用プーリをそれぞれ回転させる油圧モータ11,12と、各油圧モータに油圧配管13,14を介して別個に接続された2台の油圧ポンプ15,16と、各油圧配管における圧力を検出する圧力センサ18,19と、油圧ポンプ及び上記油圧シリンダを制御する制御装置20とを具備し、この制御装置に、両圧力センサにて検出された検出圧力を入力して両者が等しくなるように各油圧ポンプの吐出量を制御する油圧ポンプ制御部を具備したもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンデム駆動式のベルトコンベヤ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベヤ装置のなかには、2つの駆動用プーリが設けられたタンデム駆動方式を用いたものがあり、通常、この種の駆動用プーリは電動機により駆動されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、このタンデム駆動式のベルトコンベヤ装置においても、当然に、油圧モータを用いることも考えられるが、駆動用プーリを油圧モータにて駆動する場合には、油圧ポンプをそれぞれに、つまり2台必要となる。なぜなら、1台の油圧ポンプで2台の油圧モータを駆動する場合、一方の駆動用プーリに滑りが生じ油圧モータが空転すると、圧油の殆どがその空転する油圧モータに流入するという不都合が生じるため、各油圧モータに対して油圧ポンプが必要となる。
【特許文献1】特開2000−289836
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、2台の油圧ポンプを用いた場合、各油圧ポンプからそれぞれの油圧モータに供給する圧油の圧力を等しくする必要が生じ、また一方の駆動用プーリに滑りが生じた場合には、その滑りをなくすための制御機構も必要になってくる。
【0005】
そこで、本発明は、搬送用ベルトの駆動用プーリを駆動するための2台の油圧モータに供給する圧油の圧力を制御することができ、さらに駆動用プーリでの搬送用ベルトの滑りをなくすための制御機構を備えたタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係るタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置は、複数のプーリに無端状に巻装された搬送用ベルトを2つの駆動用プーリにてタンデム駆動されるとともにテンション用油圧シリンダにて作動されるテンション用プーリにより当該搬送用ベルトにテンションを作用させるようにしたタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置であって、
上記各駆動用プーリをそれぞれ回転させる2台の油圧モータと、これら各油圧モータにそれぞれ油圧配管を介して圧油を供給する2台の油圧ポンプと、上記各油圧配管途中に設けられて各油圧モータに供給される駆動用圧油の圧力を検出する圧力センサと、上記油圧ポンプおよび上記テンション用油圧シリンダを制御する制御装置とを具備するとともに、
上記制御装置に、上記両圧力センサにて検出された検出圧力を入力して両者が等しくなるように上記各油圧ポンプの吐出量を制御する油圧ポンプ制御部を具備したものである。
【0007】
また、請求項2に係るタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置は、請求項1に記載のベルトコンベヤ装置における油圧ポンプからの圧油を油圧モータに供給する両油圧配管の途中同士を接続する接続管を設けたものである。
【0008】
さらに、請求項3に係るタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置は、請求項1または2に記載のベルトコンベヤ装置において、
搬送用ベルトの運転速度を指示する運転速度指示部、この運転速度指示部からの速度指令に基づきベルト速度を算出するベルト速度算出手段および搬送用ベルトの実際の速度を検出するベルト速度検出手段を具備するとともに、
制御装置に、上記ベルト速度検出手段にて検出された検出ベルト速度およびベルト速度算出手段にて算出された算出ベルト速度を入力して両ベルト速度の差を演算する速度差演算部と、この速度差演算部で求められた速度差と予め設定された閾値とを比較して滑りが発生しているか否かを判断するとともに速度差が閾値を超えていると判断された場合に、テンション用油圧シリンダに供給する圧油の圧力を増大させて搬送用ベルトの滑りを阻止する滑り判断部とを具備したものである。
【発明の効果】
【0009】
上記ベルトコンベヤ装置の構成によると、タンデムに配置された2つの駆動用プーリを回転させる2台の油圧モータにそれぞれ圧油を供給する2台の油圧ポンプを設けるとともに、それぞれの圧力を計測する圧力センサとを設け、さらに両圧力センサにて検出された検出圧力を入力して両者が等しくなるように各油圧ポンプの吐出量を制御する油圧ポンプ制御部を具備したので、2台の油圧モータをそれぞれ油圧ポンプにより駆動する場合であっても、油圧ポンプの吐出量をそれぞれ制御することができ、したがって搬送用ベルトをスムーズにタンデム駆動することができる。
【0010】
また、両油圧ポンプにおける吐出量が等しくない場合であっても、それぞれの油圧配管同士間を接続する接続管が設けられているため、吐出量の過不足が改善され、したがって搬送用ベルトをよりスムーズにタンデム駆動することができる。
【0011】
さらに、制御装置に、速度指令による算出ベルト速度とベルト速度検出手段による実測ベルト速度とを入力して両者の差である速度差を演算するとともに、この速度差と設定された閾値とを比較することにより、ベルトに滑りが発生しているか否かを判断し得る滑り制御部を設けたので、ベルトに滑りが発生している場合には、テンション用プーリを介して搬送用ベルトに大きいテンションを付与することができ、したがって、確実に、ベルトの滑りを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係るタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置を、図面に基づき説明する。
【0013】
本実施の形態に係るタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置は、例えば砂利・土砂などを搬送するために用いられるものである。
このタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置は、図1に示すように、長い支持フレーム(図示せず)の前端部(一端側)に軸受を介して回転自在に設けられたヘッドプーリ1と、その後端部(他端側)に軸受を介して回転自在に設けられたテールプーリ2と、これら両プーリ1,2同士間の支持フレームに軸受を介して回転自在に設けられた第1駆動用プーリ3および第2駆動用プーリ4と、同じく支持フレームの適所に軸受を介して回転自在に配置された複数の案内用プーリ(ガイドプーリ、スナッププーリともいう)5と、上記各プーリ1〜5に無端状に巻回(巻装)された搬送用ベルト6と、上記各駆動用プーリ3,4を回転させる回転駆動装置7と、搬送用ベルト6の移動経路の途中に配置されて当該搬送用ベルト6にテンションを付与するためのテンション付与装置8とから構成されている。勿論、上記両駆動用プーリ3,4は、搬送用ベルト6に対して直列に配置されて、タンデム駆動にされている。なお、図1中、Hは搬送物の投入用ホッパーを示している。
【0014】
上記回転駆動装置7は、少なくとも、上記2つの駆動用プーリ3,4にそれぞれ連結されてこれら各プーリ3,4を回転させる2台の油圧モータ11,12と、これら各油圧モータ11,12にそれぞれ第1および第2油圧配管13,14を介して圧油を供給する2台の可変容量式の油圧ポンプ15,16と、上記各油圧モータ11,12手前(上流側)における両油圧配管13,14同士を接続する接続管17と、上記各油圧配管13,14途中にそれぞれ設けられた第1および第2圧力センサ18,19からの検出圧力を入力して上記各油圧ポンプ15,16の吐出量を制御する制御装置(例えば、CPUが具備されたものである)20とから構成されている。なお、上記接続管17途中には、絞り弁21が設けられている。
【0015】
上記テンション付与装置8は、両駆動用プーリ3,4同士間以外のベルト移動経路の途中に所定方向で移動可能に設けられたテンション用プーリ31と、このテンション用プーリ31を所定方向で移動させて搬送用ベルト6に所定のテンションを付与する(緊張または弛める)ための単動式のテンション用油圧シリンダ32と、この油圧シリンダ32に第3油圧配管33を介して圧油を供給する油圧ポンプ34とから構成されており、また上記油圧シリンダ32に供給される圧油は、上記第3油圧配管33の途中に設けられた減圧弁(リリーフ付き減圧弁)35を介して上記制御装置20により制御されている。なお、上記減圧弁35は、設定圧力以下の範囲において、外部からの圧力指令により任意の圧力に制御し得るものである。また、上記第3油圧配管33の途中には、リリーフ弁36を有して油をタンクに戻す油逃がし管37が接続されている。
【0016】
また、上記所定の案内用プーリ(駆動されないプーリ、つまり遊転プーリである)5には、その回転速度を検出することにより、搬送用ベルト6の実際の速度を計測するベルト速度計(ベルト速度検出手段の一例で、例えばプーリの回転速度計およびこれにより得られた回転速度からベルトの速度を計算する速度計算器からなるもの)22が設けられている。
【0017】
次に、上記制御装置20について説明する。
この制御装置20には、図2に示すように、搬送用ベルト(以下、単に、ベルトともいう)6の運転速度(例えば、低速、高速など)を指示する運転速度指示部41と、この運転速度指示部41からの速度指令(所謂、目標速度であり、実際には、目標速度となるような油圧ポンプの吐出量を示す電気信号つまり吐出量信号である)および上記各圧力センサ18,19からの検出圧力を入力して各油圧ポンプ15,16における吐出量(ポンプでの吐出すべき量である)を求めるとともにその吐出量指令を各油圧ポンプ(正確には、ポンプの吐出量制御部)15,16に出力する油圧ポンプ制御部42と、この油圧ポンプ制御部42からの吐出量指令およびベルト速度計22にて計測された実際のベルト速度(検出ベルト速度ともいうが、以下、実測ベルト速度という)を入力して搬送用ベルト6の滑りを制御する滑り制御部43と、上記各圧力センサ18,19からの検出圧力を入力してこの検出圧力に応じたテンションを搬送用ベルト6に付与するために、つまりテンション用油圧シリンダ32を制御するために、減圧弁35の圧力制御部に圧力指令を出力するテンション制御部44とから構成されている。
【0018】
上記油圧ポンプ制御部42には、運転速度指示部41からの速度指令に基づき各油圧ポンプ15,16に吐出量指令を出力する流量制御部46と、各圧力センサ18,19からの検出圧力を入力するとともに両検出圧力差が設定値(設定圧力差でもある)を超えている場合に、両検出圧力が等しくなるように吐出量指令(この制御については後述する)を上記流量制御部46に出力する圧力制御部47とが具備されている。
【0019】
さらに、上記滑り制御部43は、図3に示すように、運転速度指示部41からの速度指令つまり吐出量信号を入力して算出ベルト速度を求めるベルト速度算出部(ベルト速度算出手段)51と、このベルト速度算出部51で求められた算出ベルト速度およびベルト速度計22で得られた実測ベルト速度を入力して両者の差である速度差を求める速度差演算部52と、この速度差演算部52で求められた速度差(ΔV)を入力して予め設定された閾値(Vs,設定速度差でもある)と比較して滑りが発生しているか否かを判断する滑り判断部53とが具備されている。
【0020】
そして、上記滑り判断部53においては、速度差が閾値を超えており滑りが発生していると判断された場合にテンション用油圧シリンダ32に圧油を供給する減圧弁35を制御して搬送用ベルト6に通常よりも大きい所定のテンション(滑り阻止のための緊張力ともいえる)を付与するための滑り阻止指令(テンション増大指令ともいえる)が出力され、この滑り阻止指令と同時に流量制御部46に流量制御を中止する流量制御中止指令が出力され、また速度差が閾値以下で滑りが発生していないと判断された場合には、通常のテンション制御すなわち圧油の圧力に応じたテンションを付与するテンション付与指令がテンション制御部44に出力されて通常のテンション制御によりテンションが発生される(これに対し、滑りが発生していない旨の出力を行わずに、通常のテンション制御をそのまま続行させるようにしてもよい)。この通常のテンション制御においては、両圧力センサ18,19からの検出圧力の平均値(平均圧力)に応じたテンションが発生される。また、滑り判断部53にて速度差が閾値以下で滑りが発生していないと判断された場合には、流量制御中止指令の代わりに、両油圧ポンプ15,16での各吐出量を等しくする吐出量同等指令を出力するようにしてもよい。
【0021】
なお、圧力制御ではなく、通常の流量制御を行っている場合には、つまり、運転速度指示部41からの速度指令により制御が行われている場合には、負荷の変動により、油圧モータ11,12の回転数が変化するため、速度指令(目標速度)となるようにフィードバック制御が行われている。
【0022】
次に、上記制御装置20による制御動作について説明する。
運転開始に際し、搬送物の種類・搬送負荷などを考慮して、運転速度指示部41にて運転速度を選択する。運転速度が選択されると、その速度指令が油圧ポンプ制御部42の流量制御部46に入力され、ここから速度指令に応じた吐出量指令が各油圧ポンプ15,16に出力される。したがって、運転速度指示部41で選択された運転速度でもって、搬送用べルト6が駆動されて搬送物の搬送が開始される。なお、吐出量は、ランプ状に順次増加されるが、速度指令のつまり目標速度の80%になった時点で、下記に示す圧力制御が開始される。
【0023】
速度指令の80%になった時点または搬送運転中においては、両油圧ポンプ15,16から吐出される圧油の圧力が等しくなるように、各油圧ポンプ15,16での吐出量が制御される。
【0024】
すなわち、圧力制御部47には両圧力センサ18,19からの検出圧力が入力されるとともに、これら両検出圧力値同士の差が予め設定値と比較されて、設定値を超えている場合には、下記の制御が行われる。
【0025】
例えば、一方の油圧配管13(14)での圧力が低い場合には、その油圧ポンプ15(16)での吐出量が増加されるとともに、他方の油圧配管14(13)での吐出量が減少されて、圧力が等しくなるように制御される。なお、吐出量の増加(または減少)に際しては、予め設定された範囲内[例えば、吐出量指令の0〜5%(または0〜−5%)の範囲]でのみ増加し得るようにされており、また不足分については、接続管17を介して、圧油が高い方から低い方に自然に圧油が流れることになる。
【0026】
ところで、吐出量の制御つまり流量制御は常時行われているが、圧力制御が行われるときには、当該圧力制御の方が流量制御より優先される。すなわち、流量制御部46においては、速度指令に基づく吐出量指令ではなく圧力制御部47からの吐出量指令が優先される。
【0027】
また、上記圧力制御と並行に、両圧力センサ18,19からの検出圧力がテンション制御部44に入力されて、通常のテンション制御が行われる。つまり、両検出圧力の平均値に応じたテンションが得られるように、第3油圧配管33に設けられた減圧弁35によりテンションが制御される。
【0028】
さらに、上記運転速度指示部41からの速度指令およびベルト速度計22からの実測ベルト速度が滑り制御部43に入力され、ベルト速度算出部51にて算出ベルト速度が求められるとともに、速度差演算部52にて算出ベルト速度と実測ベルト速度との差である速度差が求められる。この速度差が滑り判断部53に入力され、ここで、所定の閾値と比較されて駆動用プーリ3,4にてベルトの滑りが発生しているか否かが判断される。
【0029】
滑り判断部53にて滑りが発生していると判断された場合には、テンション用油圧シリンダ32に圧油を供給する第3油圧配管33途中に設けられた減圧弁35の圧力制御部に圧力増加指令が出力されてその圧力が増大される。つまり、テンション用プーリ31がテンション増大方向に移動されて搬送用ベルト6に所定のつまり高いテンション(緊張力)が付与されてベルトの滑りが防止される。なお、滑りがなくなった場合には、つまり、速度差が閾値以下となった場合には、通常のテンション制御が行われる。
【0030】
一方、滑り判断部53にて滑りが発生していないと判断された場合には、その旨がテンション制御部44に出力されて(または、何も指令が出力されずに)通常のテンション制御が引き続き行われる。すなわち、両圧力センサ18,19からの検出圧力が入力されて、その平均圧力に応じた圧力でもって、搬送用ベルト6にテンションが付与される。
【0031】
このように、滑りが発生していない場合には、両油圧モータ11,12に供給される圧油の圧力の平均値に応じたテンションが搬送用ベルト6に付与されるので、必要以上のテンションをかけることがなく、したがって定常状態または低負荷時に、プーリを支持する軸受などの寿命を延ばすことができる。
【0032】
また、油圧ポンプ制御部42にて、2つの油圧モータ11,12に対してそれぞれ設けられた2台の油圧ポンプ15,16の吐出量を制御して、両油圧モータ11,12に供給される圧力がほぼ等しくなるように制御するようにしたので、タンデム駆動をスムーズに行うことができる。
【0033】
さらに、運転速度指示部41からの速度指令による速度および案内プーリ5により測定された実測ベルト速度の差である速度差と閾値とを比較することにより、搬送用ベルト6に滑りが発生しているか否かを判断するとともに、滑りが発生している場合には、テンション用油圧シリンダ32に供給する圧油の圧力を増加させて、大きいテンションを作用させるようにしたので、搬送用ベルト6の滑りを確実に防止することができる。
【0034】
ところで、上記実施の形態にて説明した各制御部、算出部、判断部などで行われる機能については、例えばプログラムまたは電気回路により実行されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係るベルトコンベヤ装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】同ベルトコンベヤ装置の制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】同制御装置における滑り制御部の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0036】
3 第1駆動用プーリ
4 第2駆動用プーリ
6 搬送用プーリ
7 回転駆動装置
8 テンション付与装置
11 第1油圧モータ
12 第2油圧モータ
13 第1油圧配管
14 第2油圧配管
15 第1油圧ポンプ
16 第2油圧ポンプ
17 接続管
18 第1圧力センサ
19 第2圧力センサ
20 制御装置
21 絞り弁
22 ベルト速度計
31 テンション用プーリ
32 テンション用油圧シリンダ
33 第3油圧配管
35 減圧弁
41 運転速度指示部
42 油圧ポンプ制御部
43 滑り制御部
44 テンション制御部
46 流量制御部
47 圧力制御部
51 ベルト速度算出部
52 速度差演算部
53 滑り判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプーリに無端状に巻装された搬送用ベルトを2つの駆動用プーリにてタンデム駆動されるとともにテンション用油圧シリンダにて作動されるテンション用プーリにより当該搬送用ベルトにテンションを作用させるようにしたタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置であって、
上記各駆動用プーリをそれぞれ回転させる2台の油圧モータと、これら各油圧モータにそれぞれ油圧配管を介して圧油を供給する2台の油圧ポンプと、上記各油圧配管途中に設けられて各油圧モータに供給される駆動用圧油の圧力を検出する圧力センサと、上記油圧ポンプおよび上記テンション用油圧シリンダを制御する制御装置とを具備するとともに、
上記制御装置に、上記両圧力センサにて検出された検出圧力を入力して両者が等しくなるように上記各油圧ポンプの吐出量を制御する油圧ポンプ制御部を具備したことを特徴とするタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置。
【請求項2】
油圧ポンプからの圧油を油圧モータに供給する両油圧配管の途中同士を接続する接続管を設けたことを特徴とする請求項1に記載のタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置。
【請求項3】
搬送用ベルトの運転速度を指示する運転速度指示部、この運転速度指示部からの速度指令に基づきベルト速度を算出するベルト速度算出手段および搬送用ベルトの実際の速度を検出するベルト速度検出手段を具備するとともに、
制御装置に、上記ベルト速度検出手段にて検出された検出ベルト速度およびベルト速度算出手段にて算出された算出ベルト速度を入力して両ベルト速度の差を演算する速度差演算部と、この速度差演算部で求められた速度差と予め設定された閾値とを比較して滑りが発生しているか否かを判断するとともに速度差が閾値を超えていると判断された場合に、テンション用油圧シリンダに供給する圧油の圧力を増大させて搬送用ベルトの滑りを阻止する滑り判断部とを具備したことを特徴とする請求項1または2に記載のタンデム駆動式ベルトコンベヤ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−242037(P2009−242037A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89045(P2008−89045)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)
【Fターム(参考)】