説明

タンパク質凝集を決定するためのセンサ装置

本発明は、流体(例えば、体液)中におけるベータアミロイド等のタンパク質の凝集の程度を決定するためのセンサ装置、および、方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体(例えば、体液)中におけるベータアミロイド等のタンパク質の凝集の程度を決定するためのセンサ装置、および、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの病気(特に脳の病気)は、特定のペプチドおよびタンパク質の望ましくない凝集の結果である。このような病気の例として、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病、および、ハンチントン病が挙げられる。このようなメカニズムが重要である他の病気として、糖尿病が挙げられる。
【0003】
ADの場合、タンパク質APPが、神経細胞の膜を貫いて(一部は細胞内部に、および、一部は細胞外部に)突出し、膜に埋め込まれている間に、酵素が、ベータアミロイドのフラグメントを形成するように、これを2つに割る。健常な被験者では、特定の物質がAPPのフラグメントに結合してこれを溶液中に保つかも知れないが、ADを患っている被験者では、ベータアミロイドのフラグメントは、溶液からこぼれて、不溶性プラークを形成する原因とされる。一般に、ベータアミロイドが神経細胞にどのように影響するかについては不確実であるが、タンパク質が神経細胞に対して毒性があることが観察されている。例えば、ベータアミロイドが細胞培養に加えられるときに、海馬神経細胞が死ぬことは例証されている。他の研究は、ベータアミロイドが割れてフラグメントになり、神経細胞を攻撃する活性酸素を放出することを示唆している。さらなる調査は、ベータアミロイドが、制御されていない量のカルシウムを細胞内部に通すことを可能にする小さな通路を、神経細胞の膜に形成するかも知れない、あるいは代わりに、(同様にカルシウムのレベルに影響をもたらすこともできる)カリウムの通路を崩壊させるかも知れないと主張している。他の研究は、ベータアミロイドの年齢が、神経細胞への毒性を決定するのに重要であり、そのため、毒性がある状態のベータアミロイドと、毒性がない状態のベータアミロイドを識別することは可能ではないかも知れないので、単にその存在を検出することはあまり役に立たないことを示唆している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、凝集の程度の重大さが、病気の兆候(または、発現の高いリスク)と臨床的に関連している場合には、露出されているタンパク質の凝集の程度を検出するために、分子レベルで変化する状況を集めるために敏感なセンサ装置を利用することは、有用な生体外の(あるいは、生体内の可能性さえもある)診断道具になるかも知れないという認識に基づいている。より詳細には、本発明は、アミノ酸の配列を結合することができる抗体を使用して、体液検体中における(例えばベータアミロイド等の)タンパク質の凝集の程度を検出するためのセンサ装置、および、方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このように1つの面から見ると、本発明は、流体の導入によって生じた局部的環境の変化に対して測定可能な応答を示すことができるセンサ構成要素を有する、流体中におけるタンパク質の凝集の程度を決定するためのセンサ装置を提供し、流体に露出した上記センサ構成要素の表面には、タンパク質の凝集の程度に対して識別力のある局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を提供する、タンパク質に対する特異的な結合パートナーが備えられている。
【0006】
疑念を回避するために、本願で使用される「タンパク質」という用語は、ペプチドをカバーするように意図される。特異的な結合パートナーは、典型的には、抗体またはアプタマーである。
【0007】
好ましい実施形態において、タンパク質は、ベータアミロイドである。特に好ましくは、ベータアミロイドに対する特異的な結合パートナーは、任意にビオチン化された抗原である(例えば、市販のビオチン化された6E−10)。
【0008】
流体は、体液(例えば、人間の体液、または、人間以外の体液)であってもよい。体液は、血清、血漿およびCSFからなる群から選択されてもよい。好ましくは、体液は、自己抽出される。好ましくは、体液は、間接的に抽出される。ベータアミロイド等のタンパク質の凝集の程度(例えば、タンパク質、または、ペプチドの数ユニットしか互いに連結していない凝集の初期状態)を決定することによって、(例えば、)得られた体液から被験者の病気の兆候(または、発現の高いリスク)を検出することが可能であってもよい。病気は、凝集したタンパク質に関連するいずれの病気であってもよいが、特に、アミロイド生成性の過程に関連するものであってもよい。
【0009】
さらなる面から見ると、本発明は、流体中におけるタンパク質の凝集の程度を決定するための方法を提供し、上記方法は、
(A)本願に規定されるセンサ装置を、提供することと、
(B)出力を生成するために、電磁放射線をセンサ構成要素に照射することと、
(C)流体を、局地的環境中に導入することと、
(D)出力の特性の応答を、測定することと、
(E)出力の特性の応答を、タンパク質の凝集の程度に関連づけることと、
を含む。
【0010】
センサ構成要素は、有効屈折率、誘電定数、粘弾性特性、振動の周波数、熱吸収/離脱パラメータ、浸透性、エネルギーまたはエネルギー粒子の吸収(例えば、X線、ガンマ線、β線、電子、中性子、イオン、光、マイクロ波、音波)、または、粒子サイズから選択されたパラメータにおいて測定可能な応答を示すことができてもよい。例えば、センサ装置は、下記の種類の1つ以上のものであってもよい。すなわち、表面プラズモン共鳴センサ装置、共鳴ミラーセンサ装置、音響センサ装置(例えば、(例えば、周波数減衰技術を使用することによる)水晶振動子および表面弾性波装置)、または、((例えば、)RFまたはマイクロ波周波数でインピーダンスを測定することができる)電気センサ装置である。好ましくは、パラメータは、有効屈折率である。
【0011】
センサ構成要素の表面は、特異的な結合パートナーを、付着または吸収する目的のために、誘導体化されてもよい。例えば、センサ構成要素の表面は、(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリシロキサン、ポリ−4−ビニルピリジン等のポリマー材料である)吸収材料を含んでもよい。例えば、センサ構成要素の表面は、特異的な結合パートナーで生体機能化されることができる多孔性ケイ素材料(例えば、トリメトキシアミノシラン)を含んでもよい。
【0012】
特異的な結合パートナー(例えば、抗体)の調製は、標準的な技術を使用して行われてもよく、これは、当業者にはよく知られており、(例えば)抗体を、単量体の、および、低オリゴマーの凝集したペプチドの材料へ育てることができる。所望の特異的な結合パートナーは、従来の方法でセンサ構成要素に付着されるか、または、吸収されてもよい。
【0013】
好ましい実施形態において、ステップ(C)は、
(C’)ある量の特異的な結合パートナーを、局地的環境中に導入すること、
をさらに含む。
【0014】
この実施形態は、いわゆる「サンドイッチ測定法」を構成し、そして直接法に対して本発明の方法の感度を有利に改良してもよい。特異的な結合パートナーは、典型的に、溶液中に存在し、そして当業者によく知られている技術に従って、固定化されてもよい。
【0015】
代わりに、発生する二次凝集の程度を効果的に測定するために、流体の追加の部分が加えられてもよく、これは、ステップ(C)で最初に捕らえられたタンパク質凝集体の成熟度に依存する。
【0016】
代わりに、発生する二次凝集の程度を効果的に測定するために、凝集モノマーの追加の部分が加えられてもよく、これは、ステップ(C)で最初に捕らえられたタンパク質凝集体の成熟度に依存する。
【0017】
センサ構成要素の誘導体化した表面は、標準試薬を使用してビオチン化されてもよく、そして任意に、従来のブロック溶液(例えば、TWEEN(登録商標)、ゼラチン、及び/又は、ガンマグロブリン)でブロックされてもよい。これは、有利なことに、閾値サイズより下でタンパク質凝集体が結合するのを防止し、二次種を除外する。同一の効果は、表面負荷、または、膜修正、または、他のこのような技術で達成されてもよい。
【0018】
ステップ(C)の前に、方法のステップ(B)は、
(B’)第1の出力を生成するために、電磁放射線をセンサ構成要素に照射することと、
(B”)第1の出力の特性を測定することと、
を含んでもよく、
そして、ステップ(D)および(E)は、
(D)第1の出力の特性に対する、出力の特性を測定することと、
(E)第1の出力の特性に対する、出力の特性を、タンパク質の凝集の程度に関連付けることと、
である。
【0019】
ステップ(B’)および(B”)は、始動時に行われてもよい。結果は、(例えば、較正データとして)電子的に記憶されてもよい。
【0020】
好ましい実施形態において、センサ装置は、干渉センサ装置である。干渉センサ装置のセンサ構成要素は、少なくとも1つの導波管(例えば、スラブまたはチャネル導波管)、または、光ファイバ構成要素を含んでもよい。例えば、センサ構成要素は、導波管構造であってもよい。
【0021】
導波管構造は、一般に、国際公開第98/22807号パンフレット、または、国際公開第01/36945号パンフレットに開示されたプレーナー型であってもよい。この種類のセンサ構成要素の出力特性の応答は、凝集の程度に非常に依存する。さらに、この種類のセンサ装置を利用することによって、相対的に必要とされる体液の試料が少なく、それは、有利なことに、あまり侵襲的ではない生理液の試料採取(例えば、皮下または経皮的な試料採取)を利用すること、あるいは、有利なことに、大量の血管血液試料を抽出することが困難である状況で使用されることを可能にする。
【0022】
好ましくは、センサ構成要素は、下記のいずれかを含む導波管構造である。すなわち、
(a)流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を、二次導波管に誘発することができる1つ以上の検知層、または、
(b)流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を示すことができる検知導波管、
である。
【0023】
この実施形態において、流体の導入は、センサ構成要素の有効屈折率の変化に寄与する。導波管構造は、分子密度の変化に特に敏感であり、そして、このことは、タンパク質の凝集の程度を決定するために、有利に利用される。一例として、抗体が特異的な結合パートナーである場合に、単量の、または、低度に凝集したタンパク質の特異的な結合は、典型的に、分子密度に重大な変化を生じさせる(例えば、増加)。他方、高度に凝集したタンパク質の特異的な結合は、典型的に、分子密度にあまり重大ではない変化を生じさせる(例えば、減少)。
【0024】
特に好ましくは、センサ構成要素は、下記のいずれかを含む導波管構造である。すなわち、
(a)流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を、二次導波管に誘発することができる1つ以上の検知層、および、流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を、検知層が誘発することができない不活性な(例えば、非活性化された)二次導波管、または、
(b)流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を示すことができる検知導波管、および、流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を実質的に示すことができない不活性な(例えば、非活性化された)導波管、
である。
【0025】
好ましくは、センサ構成要素の、検知導波管または二次導波管(または基準導波管等のいずれの追加導波管)の各々は、プレーナー導波管(すなわち、平面内のいずれの任意の方向に光が伝播するのを可能にする導波管)である。特に好ましくは、各プレーナー導波管は、スラブ導波管である。
【0026】
好ましくは、センサ構成要素は、国際公開第98/22807号パンフレット、国際公開第01/36945号パンフレット、および、国際公開第01/36946号パンフレット(ファーフィールド・センサーズ社)に開示された種類の多層構造(例えば、ラミネートされた導波管構造)を構成する。好ましい実施形態において、多層センサ構成要素の複数の層の各々は、公知の方法、例えば、PECVD、LPCVD等によって、(例えば、ケイ素製の)基板に組み込まれる。所望により、(例えば、酸化ケイ素の)中間透明層が加えられてもよい。典型的に、センサ構成要素は、0.2〜10ミクロンの範囲の厚さの多層構造である。層構造は、有利なことに、層が非常に近接することを可能とする(例えば、検知導波管および不活性(基準)導波管は、温度および他の環境要因の有害な影響を最小限にするために、互いに対して非常に近接してもよい)。好ましくは、センサ構成要素は、透明な誘電層の積み重ねを含み、それらの層は非常に近接して置かれる。好ましくは、各層は、等量の電磁放射線が、構造内で誘導されたモードの同時励起によって、伝播することができるように作られる。
【0027】
出力の特性は、位置特性であってもよい。好ましくは、出力は、干渉縞のパターンであり、これは、従来の測定手段(例えば、国際公開第98/22807号パンフレットを参照)、例えば、電磁放射線の強度を測定する光検出器等の1つ以上の検出器によって測定されてもよい(ステップ(D))。好ましくは、ステップ(D)は、干渉縞のパターンの動きを測定することを含む。特に好ましくは、ステップ(D)は、干渉縞のパターンの運動きから、位相シフトを計算することをさらに含む。
【0028】
好ましくは、センサ構成要素は、一過性モードまたは全体導波管モードに使用できるように、適合させられる。
【0029】
このようにして、第1の実施形態において、センサ構成要素は、流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を、二次導波管に誘発することができる1つ以上の検知層を含む。この第1の実施形態において、センサ装置は、測定可能な応答を二次導波管に誘発するために、一過性の構成要素を最適化するように有利に適合させられる。
【0030】
所望の抗体は、検知層に付着されるか、または、吸収されてもよく、検知層自体は、センサ構成要素の表面を誘導体化することによって得られてもよい。例えば、検知層は、(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリシロキサン、ポリ−4−ビニルピリジン等のポリマー材料である)吸収材料を含んでもよい。例えば、検知層は、特異的な結合パートナーで生体機能化されることができる多孔性ケイ素材料(例えば、トリメトキシアミノシラン)を含んでもよい。
【0031】
本発明の好ましい方法において、二次導波管は、酸窒化ケイ素または窒化ケイ素を含む。
【0032】
第2の実施形態において、センサ構成要素は、流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を示すことができる検知導波管を含む。この第2の実施形態において、センサ装置は、一過性の構成要素を最小限にするように適合させられ、そして、全体導波管モードに有利に使用されてもよい。
【0033】
所望の抗体は、検知導波管に付着されるか、または、吸収されてもよく、検知導波管自体は、センサ構成要素の表面を誘導体化することによって得られてもよい。例えば、検知導波管は、(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリシロキサン、ポリ−4−ビニルピリジン等のポリマー材料である)吸収材料を含んでもよい。例えば、検知導波管は、特異的な結合パートナーで生体機能化されることができる多孔性ケイ素材料(例えば、トリメトキシアミノシラン)を含んでもよい。
【0034】
第1の実施形態の性能を最適化するために、センサ構成要素は、流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を検知層が誘発することができない不活性な二次導波管を、さらに含んでもよい。不活性な二次導波管は、基準層として作用することができる。二次導波管、および、不活性な二次導波管は、流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する応答を除いて、同一の特性を有することが好ましい。一例として、二次導波管、および、不活性な二次導波管は、酸窒化ケイ素から作られる。
【0035】
第2の実施形態の性能を最適化するために、センサ構成要素は、流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を示すことが実質的にできない不活性な(例えば、非活性化された)導波管を、さらに含んでもよい。不活性な導波管は、基準層として作用することができる。検知導波管および不活性な導波管の、物理的、生物学的、及び、化学的特性は、(流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する応答を除いて)できる限り類似している。典型的に、不活性な導波管は、酸窒化ケイ素から作られる。
【0036】
流体の導入の結果として、検知導波管または検知層の誘電特性(例えば、有効屈折率)の変化が発生する。このことが、(一実施形態において)干渉縞の動きとして現れる測定可能な応答(すなわち、全体導波管モード中の検知導波管(または複数の導波管)、または、一過性フィールドモード中の二次導波管に沿った電磁放射線の伝達の変化)を引き起こす。これは、センサ構成要素が電気的横(TE)モード中で問われるか、磁気的横(TM)モード中で問われるかにより、異なる。
【0037】
一例として、干渉縞のパターンの動きを使用して、電磁放射線がセンサ構成要素を通過する間に、検知導波管または検知層に発生する位相シフトを計算してもよい。位相シフトは、検知導波管または検知層の有効屈折率に発生する変化に、事実上正比例し、センサ構成要素がTEモードで問われるか、TMモードで問われるかにより、異なる。
【0038】
(例えば、それぞれTEモードおよびTMモードに対する)干渉縞のパターンは、センサ構成要素からの電磁放射線が、自由空間内で連結されるときに生成されてもよく、そして従来の方法(例えば、国際公開第98/22807号パンフレットを参照)で記録されてもよい。局部的環境中の変化に対するセンサ構成要素の応答は、干渉パターンにおける縞の動きから測定されてもよい。(例えば、一過性フィールドモード中の二次導波管に誘発されるか、または、全体導波管モード中の検知導波管に示される)センサ構成要素における電磁放射線の位相シフトが、計算されてもよい。同様に、有効屈折率の変化に寄与する分子密度の変化が計算されてもよい。
【0039】
干渉縞の動きは、電磁放射線の強度の変化を測定する単一の検出器か、多数の縞または全体の干渉パターンに発生する変化を監視するような複数の検出器のどちらかを使用して、測定されてもよい。1つ以上の検出器は、1つ以上の光検出器(例えば、光ダイオード)を含んでもよい。2つ以上の光検出器が使用される場合には、これはアレイに配列されてもよい。アレイのフォーマットにおいて、流体の導入に対する、TMモードの測定可能な応答、および、TEモードの測定可能な応答を関連付けることができる関連付け手段は、空間分解的な方法で展開されてもよい。このような空間分解は、(例えば)遠隔画像処理、または、リソグラフィ、または、原子マイクロプローブの場合のように測定プローブを走査することによって、達成することができる。
【0040】
本発明の方法の好ましい実施形態において、ステップ(B)は、TMモードの電磁放射線で行われる。
【0041】
本発明の方法の好ましい実施形態において、ステップ(B)は、TEモードの電磁放射線で行われる。
【0042】
本発明の方法の好ましい実施形態において、ステップ(B)は、
(B1)干渉縞の第1のパターンを生成するために、TEモードの電磁放射線を、センサ構成要素に照射することと、
(B2)干渉縞の第2のパターンを生成するために、TMモードの電磁放射線を、センサ構成要素に照射することと、
を含み、
そしてステップ(D)は、
(D1)干渉縞の第1のパターンの動きを測定することと、
(D2)干渉縞の第2のパターンの動きを測定することと、
を含む。
【0043】
特に好ましくは、本発明の方法のステップ(D)は、
(D3)干渉縞の第1のパターンの動きから、TMモードのセンサ構成要素の位相シフトを計算すること、
(D4)干渉縞の第2のパターンの動きから、TEモードのセンサ構成要素の位相シフトを計算することと、
をさらに含み、
そしてステップ(E)は、
TMモードのセンサ構成要素の位相シフト、および、TEモードのセンサ構成要素の位相シフトを、タンパク質の凝集の程度に関連付けることである。
【0044】
より好ましくは、本発明の方法のステップ(D)は、
(D3)干渉縞の第1のパターンの動きから、TMモードのセンサ構成要素の位相シフトを計算することと、
(D4)干渉縞の第2のパターンの動きから、TEモードのセンサ構成要素の位相シフトを計算することと、
(D5)TEモードのセンサ構成要素の位相シフトに対する、TMモードのセンサ構成要素の位相シフトを計算することと、
をさらに含み、
そしてステップ(E)は、
TEモードのセンサ構成要素の位相シフトに対する、TMモードのセンサ構成要素の位相シフトを、タンパク質の凝集の程度に関連付けることである。
【0045】
好ましくは、TEモードのセンサ構成要素の位相シフトに対する、TMモードのセンサ構成要素の位相シフトは、TEモードのセンサ構成要素の位相シフトに対する、TMモードのセンサ構成要素の位相シフトの比率である。
【0046】
タンパク質の凝集の程度は、典型的に定性的に決定されるが、分子密度または質量の変化の点から定量的に決定されてもよい。
【0047】
したがって、好ましい実施形態において、方法は、
(F1)出力の特性の応答を、固有屈折率、及び/又は、容積の変化に関連付けることと、
(F2)分子密度の変化を計算することと、
(F3)任意に質量の変化を計算することと、
をさらに含む。
【0048】
好ましくは、方法は、
(F1)干渉縞の第1のパターン、および、干渉縞の第2のパターンの動きを、固有屈折率、及び/又は、容積の変化に関連づけることと、
(F2)分子密度の変化を計算することと、
(F3)任意に質量の変化を計算することと、
をさらに含む。
【0049】
特に好ましい実施形態において、ステップ(F1)は、
(F1)干渉縞の第1のパターン、および、干渉縞の第2のパターンの動きを、検知層または検知導波管の固有屈折率、及び/又は、厚さの変化に関連づけること、
を含む。
【0050】
好ましくは、センサ装置は、
タンパク質の凝集の程度に対する測定可能な応答を、関連付けることができる関連付け手段、
をさらに含む。
【0051】
関連付け手段は、測定可能な応答に、タンパク質の凝集の程度を直接関連付けることができ、または、タンパク質の凝集の程度を(例えば、容積等の寸法へおよび質量へ)間接的に関連付けることができ、そして、例えば、(測定された共鳴周波数が質量に関連付けられ、自由振動の時定数が寸法に関連付けられる)圧電性検知システムであってもよく、あるいは、偏光解析法等の他の分析技術に基づいた装置と組み合わせた表面プラズモン共鳴装置等の光学システムであってもよい。
【0052】
容積が直接的に、または、間接的に測定される場合には、これは、1つ以上の関連寸法の決定によるか、または、容積を取り囲む媒体の変位によるかであってもよい。
【0053】
方法の好ましい実施形態において、上記センサ装置は、
センサ構成要素にTMモードの電磁放射線を照射するための第1の照射手段と、
センサ構成要素にTEモードの電磁放射線を照射するための第2の照射手段と、
TMモードのセンサ構成要素の測定可能な応答を測定するための、且つ、TEモードのセンサ構成要素の測定可能な応答を測定するための測定手段と、
TMモードのセンサ構成要素の測定可能な応答、および、TEモードのセンサ構成要素の測定可能な応答に、タンパク質の凝集の程度を関連付けることができる関連付け手段と、
をさらに備える。
【0054】
第1および第2の照射手段は、同一でも、異なっていてもよい。測定手段は、配列された1つ以上の検出器であってもよい。
【0055】
好ましくは、センサ装置は、
TEモードのセンサ構成要素の測定可能な応答の、および、TMモードのセンサ構成要素の測定可能な応答の測定値を、それぞれ、TEおよびTMモードの電磁放射線でのセンサ構成要素への照射と相関させるために、測定手段を、第1の照射手段および第2の照射手段と同期化するための同期化手段、
をさらに備える。
【0056】
特に好ましくは、同期化手段は、TEモードのセンサ構成要素の位相シフト、および、TMモードのセンサ構成要素の位相シフトを計算することができる。
【0057】
特に好ましくは、同期化手段は、干渉縞の第1のパターンの動き、および、干渉縞の第2のパターンの動きを、タンパク質の凝集の程度に関連付けることができる。
【0058】
第1および第2の照射手段は、センサ構成要素に、TEまたはTMモードの電磁放射線を、順次に、または、同時に照射するために適合させられてもよい。第1および第2の照射手段は、同一でも、異なっていてもよい。電磁放射線の異なる線源が使用される場合には、光スイッチ(例えば、回転鏡)を使用して、2つの間を迅速に切り替えてもよい。代わりに、電磁放射線の単一の線源を使用して、(例えば、)直線偏光線源の偏光ベクトルを、センサ構成要素の検知導波管または検知層の平面に対して斜めに整列させることによって、センサ構成要素のTEおよびTMモードを同時に励起してもよい。活性分析器システムは、それぞれ、所望のTMまたはTE出力のデータ獲得中に、不必要なTEまたはTMモード放射線を交互に除去するために使用されてもよい。活性分析器システムは、分析器と直列に配置された電気光学半波長板を備えてもよい。
【0059】
好ましい実施形態において、調節可能な分析器を使用して、干渉縞の第1のパターン、および、干渉縞の第2のパターンを別々に測定してもよい。測定値は、位相シフト情報がTEおよびTM励起と相関することを保証するために、励起、及び/又は、偏光手順で同期化されてもよい。
【0060】
コントローラは、電磁放射線の1つ以上の線源、および、1つ以上の検出器を同期化するために備えられてもよい。例えば、コントローラは、光検出器(例えば、光ダイオード)配列からデータを捕らえてもよい。電磁放射線の、その(または各)線源の発射は、コントローラによって、TMモードおよびTEモードで生成された干渉縞の、第1および第2のパターンを交互に捕らえることと同期化されてもよい。コントローラは、TEおよびTMモードの位相シフトを独立して計算するために適合させられてもよい。
【0061】
従来の線源から生成された電磁放射線は、多数の方法で、センサ構成要素内に伝播されてもよい。好ましい実施形態において、電磁放射線は、単に、センサ構成要素の端面を経由して入力される(これは、「端発射手順」として時々表現される)。好ましくは、電磁放射線源は、光範囲内に入る波長を有する入射電磁放射線を提供する。伝播手段は、入射電磁放射線を複数の導波管内に、実質的に同時に伝播するために、使用されてもよい。例えば、1つ以上の結合格子または鏡が使用されてもよい。結合格子または鏡以外のテーパー状の端結合器は、もっとも低い導波管内に放射線を伝播するために使用されてもよい。好ましくは、検知導波管/不活性な導波管内の、または、二次導波管/不活性な二次導波管内の電磁放射線の量は等しい。
【0062】
入射電磁放射線は、適切な偏光手段を使用して所望の方向に配向されてもよい(例えば、平面偏光)。入射電磁放射線は、必要に応じて、レンズまたは同様のマイクロ収束手段を使用して、焦点を合わせられてもよい。
【0063】
(例えば、アレイ内の)複数の電磁放射線検知器ユニット、及び/又は、複数の電磁放射線源を使用して、センサ構成要素の別々の区域で、流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する応答を同時に測定してもよい。代わりに、センサ構成要素に対する、電磁放射線検知器および電磁放射線源の位置を変えて、センサ構成要素の別々の区域における応答に関する情報を提供してもよい。
【0064】
好ましくは、センサ装置は、
センサ構成要素の、その(または各)検知層または検知導波管の少なくとも一部分を、局部的環境中へ密接に露出するための手段、
を備える。
【0065】
好ましい実施形態において、検知層または検知導波管の少なくとも一部分を、局部的環境中へ密接に露出するための手段は、センサ構成要素の上に統合されている。
【0066】
好ましくは、センサ構成要素の、その(または各)検知層または検知導波管の少なくとも一部分を、局部的環境中へ密接に露出するための手段は、国際公開第01/36945号パンフレットに記載されている。この手段は、ユーザ介入の必要度を減らすために、自動化されてもよい。
【0067】
その(または各)検知層または検知導波管の少なくとも一部分を、局部的環境中へ密接に露出するための手段は、センサ構成要素の表面に、密接に接触して置くことができる微細構造の一部分であってもよい。
【0068】
好ましくは、微細構造は、検知層または検知導波管の少なくとも一部分を、1つ以上のマイクロチャネル、及び/又は、マイクロチャンバの形で、局部的環境中へ密接に露出するための手段を備える。例えば、流体は、毛細作用によってマイクロチャンネルを通って、または、マイクロチャンネル内に供給されてもよく、または、強制手段によって確実に供給されてもよい。
【0069】
好ましい実施形態において、その(または各)検知層または検知導波管の少なくとも一部分を、局部的環境中へ密接に露出するための手段は、クラッド層に含まれる。例えば、マイクロチャンネル、及び/又は、マイクロチャンバは、クラッド層内にエッチングされてもよい。クラッド層は、検知導波管、または、(単数または複数の)検知層の境界で重大な不連続を防止する等の光学的機能を果たしてもよく、または、検知導波管、または、(単数または複数の)検知層に対する特定の種のアクセスを抑制する等の化学的機能を果たしてもよい。クラッド層は、センサ構成要素の上に統合されてもよい。
【0070】
好ましくは、いずれの追加機能の全部または一部分が、クラッド層に含まれてもよい。一実施形態において、検知層自体が、(例えば、吸収材料の形で)クラッド層に組み込まれてもよい。特に好ましくは、追加機能の全部がクラッド層に備えられてもよく、そして、例えば、直交電界トラック等の検知装置、または、他のマイクロ流体検知装置を含んでもよい。クラッド層は、電磁源(例えば、レーザ)、及び/又は、(下記に記載される種類の)電磁放射線を検出するための手段を組み込んでもよい。クラッド層は、化学的分離手段(例えば、HPLCを基礎にした装置)を組み込んでもよい。
【0071】
好ましくは、センサ構成要素の、その(または各)検知層または検知導波管の少なくとも一部分を、局部的環境中へ露出するための手段は、センサ細胞である。好ましくは、センサ細胞は、低容量を有する(例えば、50マイクロリットル以下)。
【0072】
さらなる態様から見ると、本発明は、
流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を示すことができるセンサ構成要素を有する、流体中におけるタンパク質の凝集の程度を決定するためのセンサ装置と、そして、
タンパク質の凝集の程度に対して識別力のある局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を提供するために、上記センサ構成要素の表面に結合することができる特異的な結合パートナーと、
を備える部分一式を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
本発明は、これから、実施例および添付の図面を参照して、非限定的な意味で説明される。
【0074】
センサ装置の調製
(国際公開第98/22807号パンフレットに記載された種類の)酸窒化ケイ素センサ装置の表面は、トリメトキシアミノシランを使用して、検知層を得るために誘導体化され、5分間、EZ−LINK(登録商標)n−ヒドロキシサクシニミド−LC−ビオチンの2mg/mlPBS溶媒和溶液で潅流され、その後、10分間培養されて、ビオチン化された検知層を作った。LC部分は、増大したタンパク質の結合を可能にするために、224nmの長さのスペーサーアームを与える。ストレプトアビジン(PBS中に40μg/ml)が加えられ、機能的生体分子のさらなる結合のために、利用可能な自由ビオチン結合部位を表面に与えた。80μg/mlの濃度でPBSに溶解した市販のビオチン化された抗体6E−10(Ab)は、5分間、表面上を流れ、10分間培養された。その後、センサ表面は、TWEEN(登録商標)、ゼラチン、および、ガンマグロブリンの溶液でブロックされた。ブロック溶液は、表面上で培養され、次いで、安定した基線へ溶出された。その後、センサ装置は、検査に使用されるために準備された。
【0075】
検査
第1の(直接測定法)検査において、センサ装置は、β−1−40アミロイド(AB)の50μM溶液にさらされたが、これは、(A)新鮮な調製、(B)6時間、凝集することができた溶液、(C)24時間、凝集することができた溶液(最大の毒性に近い細胞培養によって決定されている)、である合成源から得られた。3つの調製の各々に対する、厚さおよび質量の変化は、図1の「x時間ペプチド」(ここで、x=0、6、または、24)によって示され、そして密度の変化は、図2の「x時間B−amy」によって示されている。
【0076】
第2の(サンドイッチ測定法)検査において、センサ装置は、追加の量のAbに、さらにさらされた。3つの調製の各々に対する、厚さおよび質量の変化は、図1の「x時間抗体」(ここで、x=0、6、または、24)によって示され、密度の変化は、図2の「Ab」によって示されている。
【0077】
センサ装置は、TEおよびTMモードの放射線で問われ、そして第1および第2の検査で、データは、国際公開第01/36946号パンフレット、および、国際公開第095365号パンフレットに記載されたように、分析された。
【0078】
第1の検査の新鮮な調製(A)の場合、ABに結合した抗体が、単量であるか、ほんの少しばかり凝集しているかのどちらかであるため、検査層の厚さは、ほんのわずか増加したが、密度は、かなり大幅に増加した。24時間凝集した溶液(C)の場合、検査層は、第1および第2の検査で厚さが大幅に増加したが、(第2の検査では非常に大幅に)密度は減少した。このことは、凝集したABに結合する抗体は、(新鮮な調製と比べて)センサ表面に効果的に密集することができない大きな分子を形成することと一致した。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】直接およびサンドイッチ測定法形式、新鮮なタンパク質および凝集したタンパク質に結合する、6E10を包含する生態学的検知層の厚さおよび質量の変化を例示する図である。
【図2】直接およびサンドイッチ測定法形式で、新鮮なタンパク質および凝集したタンパク質に結合する、6E10を包含する生態学的検知層の密度の変化を例示する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を示すことができるセンサ構成要素を有する、流体中におけるタンパク質の凝集の程度を決定するためのセンサ装置において、
前記流体に露出した前記センサ構成要素の表面には、前記タンパク質の凝集の前記程度に対して識別力のある前記局部的環境中の前記変化に対する前記測定可能な応答を提供する、前記タンパク質に対する特異的な結合パートナーが備えられていること、
を特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記タンパク質は、ベータアミロイドであること、
を特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
ベータアミロイドに対する前記特異的な結合パートナーは、任意にビオチン化された抗原であること、
を特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記流体は、体液であること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記センサ構成要素は、有効屈折率、誘電定数、粘弾性特性、振動の周波数、熱吸収/離脱パラメータ、浸透性、エネルギーまたはエネルギー粒子の吸収、または、粒子サイズから選択されたパラメータにおける測定可能な応答を示すことができること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記パラメータは、前記有効屈折率であること、
を特徴とする請求項5に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記センサ構成要素は、前記特異的な結合パートナーを付着または吸収する目的のために、誘導体化されること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記センサ構成要素の前記表面は、吸収材料を含むこと、
を特徴とする請求項7に記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記センサ構成要素の前記表面は、前記特異的な結合パートナーで生体機能化されることができる多孔性ケイ素材料を含むこと、
を特徴とする請求項7に記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記センサ構成要素は、
(a)前記流体の前記導入によって生じた前記局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を、二次導波管に誘発することができる1つ以上の検知層、または、
(b)前記流体の前記導入によって生じた前記局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を示すことができる検知導波管、
のいずれかを含む導波管構造であること、
を特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項11】
前記センサ構成要素は、
(a)前記流体の前記導入によって生じた前記局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を、二次導波管に誘発することができる1つ以上の検知層、および、前記流体の前記導入によって生じた前記局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を、検知層が誘発することができない不活性な二次導波管、または、
(b)前記流体の前記導入によって生じた前記局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を示すことができる検知導波管、および、前記流体の前記導入によって生じた前記局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を示すことが実質的にできない不活性な導波管、
のいずれかを含む導波管構造であること、
を特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項12】
前記センサ構成要素の、前記検知導波管または二次導波管は、プレーナー導波管であること、
を特徴とする請求項10または11に記載のセンサ装置。
【請求項13】
各プレーナー導波管は、スラブ導波管であること、
を特徴とする請求項12に記載のセンサ装置。
【請求項14】
流体中におけるタンパク質の凝集の程度を決定するための方法において、
前記方法は、
(A)請求項1〜13のいずれか一項に記載のセンサ装置を、提供することと、
(B)出力を生成するために、電磁放射線をセンサ構成要素に照射することと、
(C)前記流体を、局地的環境中に導入することと、
(D)前記出力の特性の前記応答を、測定することと、
(E)前記出力の前記特性の前記応答を、前記タンパク質の凝集の前記程度に関連づけることと、
を含むこと、
を特徴とする方法。
【請求項15】
ステップ(C)は、
(C’)ある量の特異的な結合パートナーを、前記局部的環境中に導入すること、
をさらに含むこと、
を特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(B)は、
(B’)第1の出力を生成するために、電磁放射線を前記センサ構成要素に照射することと、
(B”)前記第1の出力の特性を測定することと、
を含み、
そして、ステップ(D)および(E)は、
(D)前記第1の出力の前記特性に対する、前記出力の前記特性を測定することと、
(E)前記第1の出力の前記特性に対する、前記出力の前記特性を、前記タンパク質の凝集の前記程度に関連付けることと、
であること、
を特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記出力の前記特性は、位置特性であること、
を特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記出力は、干渉縞のパターンであること、
を特徴とする請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(D)は、干渉縞の前記パターンの動きを測定すること、を含むこと、
を特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(D)は、干渉縞の前記パターンの前記動きから、位相シフトを計算すること、をさらに含むこと、
を特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ステップ(B)は、
(B1)干渉縞の第1のパターンを生成するために、TEモードの電磁放射線を、前記センサ構成要素に照射することと、
(B2)干渉縞の第2のパターンを生成するために、TMモードの電磁放射線を、前記センサ構成要素に照射することと、
を含み、
そして、ステップ(D)は、
(D1)干渉縞の前記第1のパターンの動きを測定することと、
(D2)干渉縞の前記第2のパターンの動きを測定することと、
を含むこと、
を特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(D)は、
(D3)干渉縞の前記第1のパターンの前記動きから、TMモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトを計算することと、
(D4)干渉縞の前記第2のパターンの前記動きから、TEモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトを計算することと、
をさらに含み、
そして、ステップ(E)は、
TMモードの前記センサ構成要素の前記位相シフト、および、TEモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトを、前記タンパク質の凝集の前記程度に関連付けること、
であること、
を特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ステップ(D)は、
(D3)干渉縞の前記第1のパターンの前記動きから、TMモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトを計算することと、
(D4)干渉縞の前記第2のパターンの前記動きから、TEモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトを計算することと、
(D5)TEモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトに対する、TMモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトを計算することと、
をさらに含み、
そして、ステップ(E)は、
TEモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトに対する、TMモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトを、前記タンパク質の凝集の前記程度に関連付けること、
であること、
を特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
TEモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトに対する、TMモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトは、TEモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトに対する、TMモードの前記センサ構成要素の前記位相シフトの比率であること、
を特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
(F1)前記出力の前記特性の前記応答を、固有屈折率、及び/又は、容積の変化に関連付けることと、
(F2)分子密度の変化を計算することと、
(F3)任意に質量の変化を計算することと、
をさらに含むこと、
を特徴とする請求項14〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
流体の導入によって生じた局部的環境中の変化に対する測定可能な応答を示すことができるセンサ構成要素を有する、前記流体におけるタンパク質の凝集の程度を決定するためのセンサ装置と、
前記タンパク質の凝集の前記程度に対して識別力のある局部的環境中の変化に対する前記測定可能な応答を提供するために、前記センサ構成要素の表面に結合することができる特異的な結合パートナーとを備えること、
を特徴とする部分一式。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−504950(P2006−504950A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547821(P2004−547821)
【出願日】平成15年10月31日(2003.10.31)
【国際出願番号】PCT/GB2003/004731
【国際公開番号】WO2004/040317
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(503409023)ファーフィールド・センサーズ・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Farfield Sensors Limited
【Fターム(参考)】