説明

タービュレータ付き後端ライナアセンブリ及びその冷却方法

【課題】タービュレータ付き後端部ライナアセンブリ及びその冷却方法を提供する。
【解決手段】タービン用の燃焼器において、カバースリーブ(140)は、燃焼器ライナの後端部(150)と弾性シール構造体(38)との間に配設されて、該燃焼器ライナの後端部(150)との間に空気流れ通路を形成する。カバースリーブ(140)は、その前端部に、空気流れ通路内へ冷却空気を導く複数の空気入口供給孔(146)を有する。空気流れ通路を形成した燃焼器ライナ後端部(150)の半径方向外表面は、カバースリーブに向って突出しているが該カバースリーブからは離隔した複数のタービュレータ(142)と、カバースリーブに向って延びて該カバースリーブと係合して該カバースリーブをタービュレータから離隔せしめて該空気流れ通路を画成する複数の支持体(144)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンエンジンにおける内部冷却に関し、具体的には、タービンの燃焼セクションと排出セクション間のトランジション領域で一段と良好かつ一様な冷却をもたらすアセンブリ及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的なガスタービン燃焼器は、燃料と空気が別々に燃焼室に流入する拡散(つまり非予混合式)燃焼を用いる。混合及び燃焼プロセスで非常に高い火炎温度が生じる。ライナを有する従来の燃焼器及び/又はトランジションピースはかかる高温に耐えることができないので、燃焼器及び/又はトランジションピースを保護する処置を講じなくてはならない。これは通例、燃焼器の外側を囲む燃焼器ライナで形成されるプレナムに比較的低温の圧縮機空気を導入するフィルム冷却によって行われてきた。こうした従来技術の構成では、プレナムからの空気は、燃焼器ライナのルーバを通過してライナの内表面上をフィルムとして流れ、もって燃焼器ライナの健全性を維持する。
【0003】
二原子窒素(窒素分子)は、約3000°F(約1650℃)を超える温度で急速に解離するので、拡散燃焼の高温は比較的大量のNOx排出量を生じる。NOx排出量を低減する一つの方法は、できるだけ多量の圧縮機空気を燃料と予混合することである。得られる希薄予混合燃焼では火炎温度が下がり、NOx排出量が低下する。希薄予混合燃焼は拡散燃焼よりも低温ではあるものの、それでも火炎温度は依然として従来の燃焼器部品が耐えることができないほど高い。
【0004】
さらに、最新の燃焼器は、NOx低減のためできるだけ多量の空気を燃料と予混合するので、冷却空気は殆ど又は全く利用できず、燃焼器ライナ及びトランジションピースのフィルム冷却を行えたとしても不十分にしか行えない。しなし、燃焼器ライナは、材料温度を限界値以下に維持するために積極的な冷却を必要とする。乾式低NO(DLN)排出システムでは、この冷却は低温側対流として供給できるにすぎない。かかる冷却は、熱勾配及び圧力損失要件内で行う必要がある。そのため、燃焼器ライナ及びトランジションピースをかかる高温による破壊から保護するため、「背面」冷却と組合せた遮熱コーティングのような手段が考えられてきた。背面冷却では、圧縮機吐出空気を燃料と予混合する前にトランジションピース及び燃焼器ライナの外表面上に流す。
【0005】
燃焼器ライナに関して、現在実施されている一つの方法は、ライナをインピンジメント冷却すること、つまりライナの外表面上にタービュレータを設けることである(米国特許第7010921号参照)。もう一つの方法は、ライナの外部又は外表面上に陥凹部アレイを設けることである(米国特許第6098397号参照)。公知の様々な方法は、熱伝達を増大させるが、熱勾配及び圧力損失に様々な影響を及ぼす。乱流作用は、流れを乱して剪断層及び高度な乱流を形成して表面の熱伝達を高める鈍体を流れの中に設けることによって機能する。ディンプル陥凹部は、流れの混合を高めかつ表面に接触して熱伝達を向上させる編成渦を形成することによって機能する。
【特許文献1】米国特許第7010921号明細書
【特許文献2】米国特許第6098397号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例示的な実施形態では、上記その他の短所及び欠点は、ガスタービンの燃焼器ライナ及びトランジションピースを冷却するための装置によって解消又は軽減される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、タービン用の燃焼器として具体化することができ、本燃焼器は、燃焼器ライナと、該燃焼器ライナを囲繞して該燃焼器ライナとの間に第1のフローアニュラスを画成する第1のフロースリーブであって圧縮機吐出空気を冷却空気として第1のフローアニュラスに導く複数の冷却孔を有する第1のフロースリーブと、燃焼器ライナに連結していてタービンに高温燃焼ガスを運ぶトランジションピース本体と、該トランジションピース本体を囲繞して該トランジションピース本体との間に第2のフローアニュラスを画成する第2のフロースリーブであって、第1のフローアニュラスと接続した第2のフローアニュラスに圧縮機吐出空気を冷却空気として導く第2の複数の冷却孔を有する第2のフロースリーブと、燃焼器ライナの後端部とトランジションピース本体の前端部との半径方向間に配設された弾性シール構造体と、燃焼器ライナの後端部と弾性シール構造体との間に配設されたカバースリーブとを備えており、燃焼器ライナの後端部とカバースリーブの間に空気流れ通路が形成され、該空気流れ通路を画成する燃焼器ライナ後端部の半径方向外表面は、カバースリーブに向って突出しているが該カバースリーブからは離隔した複数のタービュレータと、カバースリーブに向って延びて該カバースリーブと係合して該カバースリーブをタービュレータから離隔せしめて上記空気流れ通路を画成する複数の支持体とを含む。
【0008】
本発明は、タービンエンジンとしても具体化することができ、本タービンエンジンは、燃焼セクションと、該燃焼セクションの下流の空気排出セクションと、燃焼セクションと空気排出セクションの間のトランジション領域と、燃焼セクション及びトランジション領域の一部を画成する燃焼器ライナと、該燃焼器ライナを囲繞して該燃焼器ライナとの間に第1のフローアニュラスを画成する第1のフロースリーブであって圧縮機吐出空気を冷却空気として第1のフローアニュラスに導く複数の冷却孔の列がその外周部に形成された第1のフロースリーブと、燃焼器ライナ及び第1のフロースリーブの少なくとも一方に連結していて空気排出セクションに対応するタービンの段に高温燃焼ガスを運ぶトランジションピース本体と、該トランジションピース本体を囲繞して該トランジションピース本体との間に第2のフローアニュラスを画成する第2のフロースリーブであって第1のフローアニュラスと接続した第2のフローアニュラスに圧縮機吐出空気を冷却空気として導く第2の複数の冷却孔の列を有する第2のフロースリーブと、燃焼器ライナの後端部とトランジションピース本体の前端部との半径方向間に配設された弾性シール構造体と、燃焼器ライナの後端部と弾性シール構造体との間に配設されたカバースリーブとを備えており、燃焼器ライナの後端部とカバースリーブの間に空気流れ通路が画成され、該空気流れ通路を画成する燃焼器ライナ後端部の半径方向外表面は、カバースリーブに向って突出しているが該カバースリーブからは離隔した複数のタービュレータと、カバースリーブに向って延びて該カバースリーブと係合して該カバースリーブをタービュレータから離隔せしめて該空気流れ通路を画成する複数の支持体とを含む。
【0009】
本発明はまた、燃焼セクションと空気排出セクションの間のトランジション領域を冷却する方法としても具体化することができ、上記燃焼セクションは、燃焼器ライナと、該燃焼器ライナを囲繞して該燃焼器ライナとの間に第1のフローアニュラスを画成する第1のフロースリーブであって圧縮機吐出空気を冷却空気として第1のフローアニュラスに導く複数の冷却孔がその外周に形成された第1のフロースリーブとを含んでおり、トランジション領域は、燃焼器ライナに連結していてタービンに高温燃焼ガスを運ぶトランジションピース本体と、該トランジションピース本体を囲繞して該トランジションピース本体との間に第2のフローアニュラスを画成する第2のフロースリーブであって、第1のフローアニュラスと接続した第2のフローアニュラスに圧縮機吐出空気を冷却空気として導く第2の複数の冷却孔を有する第2のフロースリーブと、燃焼器ライナの後端部とトランジションピース本体の前端部との半径方向間に配設された弾性シール構造体とを含んでおり、当該方法は、燃焼器ライナの後端部の半径方向外表面が複数の半径方向外側に突出したタービュレータと該タービュレータの高さよりも大きい半径方向高さを有する複数の半径方向外側に突出した支持体とを含むように、燃焼器ライナの後端部を構成する段階と、燃焼器ライナの後端部と弾性シール構造体との間にカバースリーブを配設して、該カバースリーブと焼器ライナの後端部の間に空気流れ通路を画成し、上記タービュレータがカバースリーブに向って突出しているが該カバースリーブからは離隔し、上記支持体がカバースリーブに向って延びて該カバースリーブをタービュレータから離隔させて上記空気流れ通路を画成する段階と、圧縮機吐出空気を上記空気流れ通路に供給して、上記弾性シール近傍の温度を低下させる段階とを含む。
【0010】
本発明の上記その他の目的及び利点は、添付図面と併せて現時点での本発明の好ましい例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明を参照することによって、理解及び評価を深めることができるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、燃焼器の後端部を断面で概略的に示す。図示した通り、この実施例では、トランジションピース12は、半径方向内側のトランジションピース本体14と、該トランジションピース本体14から離隔した半径方向外側のトランジションピースインピンジメントスリーブ16とを含む。トランジションピースの上流には、燃焼ライナ18と、該燃焼ライナ18を囲繞する燃焼器フロースリーブ20とが配設される。円で囲んだ領域は、トランジションピース前方スリーブアセンブリ22である。
【0012】
ガスタービン圧縮機(図示せず)からの流れは、ケース24に流入する。ある例示的な実施形態では、圧縮機吐出空気の約50%が、トランジションピースインピンジメントスリーブ16に沿ってかつ該トランジションピースインピンジメントスリーブ16の周りに形成された孔(詳細には図示せず)を通って流れて、トランジションピース本体14と半径方向外側のトランジションピースインピンジメントスリーブ16との間の環状領域つまりアニュラス26内を流れる。圧縮機吐出空気の残余部分つまり本例では圧縮機吐出空気の約50%は、上流側燃焼ライナフロースリーブ20のフロースリーブ孔28に入り、フロースリーブ20とライナ18との間のアニュラス30に流入し、下流側アニュラス26からの空気と混合する。混合した空気は、最終的には燃焼室内でガスタービン燃料と混合される。本明細書では50対50の流れ分割について上述したが、代りにその他の流れ分割、或いは100%のトランジションピース流れであっても採用できる。
【0013】
図2は、トランジションピース14,16と燃焼ライナ及びフロースリーブ18,20との間の符号22における連結部を示す。具体的には、トランジションピース12のインピンジメントスリーブ16(つまり、第2のフロースリーブ)は、燃焼器フロースリーブ20(つまり、第1のフロースリーブ)の後端部の取付けフランジ32に入れ子式に受けられる。トランジションピース本体14も、燃焼ライナ18を入れ子式に収容する。燃焼ライナフロースリーブ20は、燃焼ライナ18を囲繞して、該燃焼ライナとの間にフローアニュラス30(つまり、第1のアニュラス)を形成する。アニュラス26内を移動する直交流冷却空気は、フロースリーブ20の外周に形成された冷却孔28(図2には3列を示すが、フロースリーブはあらゆる数のかかる冷却孔の列を有することができる)を通して流れるインピンジメント冷却空気(流れ矢印36参照)に対して垂直な方向にアニュラス30に流入し続けることが、図2の流れ矢印34から分かるであろう。
【0014】
さらに図1及び図2を参照すると、燃料による燃焼ガスによって駆動されるタービン用の典型的なカン−アニュラ型逆流燃焼器を示しており、このタービンにおいては、高いエネルギー含量を有する流動媒体つまり燃焼ガスが、ロータ上に取付けられたブレード配列のリングによって偏向される結果として、回転運動を生成する。運転中に、圧縮機からの吐出空気(約250〜400lb/in程度の圧力に加圧されている)は、該吐出空気が燃焼器ライナ(その1つがを符号18で示している)の外側上を流れ、途中で再びタービンに向う方向に燃焼器ライナ18に流入するように方向を逆転する。加圧空気及び燃料は、燃焼室内で燃焼して、約2800°Fの温度を有するガスを発生する。これらの燃焼ガスは、トランジションピース12を通してタービンセクションに高速度で流入する。
【0015】
燃焼セクションとトランジションピースとの間には、図1にその全体を符号22で示すトランジション領域が存在する。前述の通り、燃焼セクション18の後端部つまり領域22の入口部分における高温ガス温度は、約2800°F程度である。しかし、領域22の下流側出口部分におけるライナ金属温度は、1400〜1550°F程度であるのが好ましい。加熱ガスが領域22内を通過している間にライナをこうした低い金属温度域まで冷却するのに役立てるため、ライナの後端部50には、冷却空気を流す通路が画成される。冷却空気は、ライナから熱を奪う働きをし、それによって高温ガスの温度に対するライナ金属温度を大幅に低下させる。
【0016】
図3を参照すると、ライナ18は、ライナ後端部50のカバープレート40とトランジションピース本体14との間に取付けられた一般にフラシール(Hula seal)と呼ばれる関連する圧縮型シール38を有する。具体的には、カバープレート40は、ライナ後端部50上に取付けられて、圧縮型シールのための取付け表面を形成する。図3に示すように、ライナ18は、複数の軸方向隆起部つまりリブ44で形成された複数の軸方向チャネル42を有しており、これらはすべてライナ18の後端部50の部分に延在している。カバープレート40とリブ44は共にそれぞれの空気流チャネル42を形成する。これらのチャネルは、ライナ18の後端部の部分に延在する平行チャネルである。冷却空気は、チャネルの前端部における空気入口スロット及び/又は開口46を通してチャネルに導入される。空気は次いでチャネル42を通って流れ、開口48を通してライナから流出する。図4に示すように、その高さによって規定されるチャネルの断面積は、後方方向へのチャネルの長さに沿って減少してもよい。
【0017】
上述の通り、本発明は、ガスタービンエンジンで使用される燃焼ライナの設計に関し、具体的には、図4に示す従来の構造に対する改良としての燃焼ライナの後端部の冷却に関する。上述の通り、この区域は、従来はライナ18に機械加工された軸方向溝42と後端部フラシール38を支持するのに用いられる金属薄板カバー40とで構成されていた。本発明の例示的な実施形態によると、従来の燃焼ライナにおけるような軸方向溝42を設けるのではなく、図5〜図7に示すような横断型タービュレータ142を特徴とする環状冷却システムを設ける。従って、図5に示すように、後端部フラシール38を支持しかつライナ後端部150と共に空気通路を形成するために、金属薄板カバー140が設けられる。金属薄板カバーは、冷却媒体をフラシール38下方の領域に流すための空気入口供給孔146を含む。追加として又はこれに代えて、図3に示すような空気入口スロットを設けることもできる。金属薄板カバー140をライナ後端部150から離隔した状態に維持するために、フラシール38の前端部及び後端部には、複数の離隔した支持体144が設けられる。図6に示すように、図示した実施形態では、4つの軸方向に離隔した支持体の列が設けられ(図5)、各列が複数の円周方向に離隔した支持体で構成される(図6)ように、支持体144は燃焼器ライナの軸線の周りで互いに円周方向に離隔して配設される。この図示した設計には、図4の従来の設計と比べて多くの利点があり、そうした利点としては、使用した空気の単位量当たりの熱伝達に優れること、機械加工/製造の観点から軸方向溝よりも製造が容易であること、温度限界値を有するフラシールに対する入熱が低いこと、及び高い着火温度を有するエンジンにおいて極めて重要なライナ後端部の低温化を達成できることが挙げられる。
【0018】
本発明の例示的な実施形態に従って形成した横断型タービュレータ142は、極めて有効な熱伝達増強装置である。同量の冷却空気を使用した場合に、一般に非乱流セクションよりも大幅に良好な熱伝達係数が観察される。従って、本明細書に提案したような横断型タービュレータを設けることによって、冷却空気の使用量を低減して従来の構造におけるのと同量の熱伝達を達成することができる。これによって、冷却空気をシステムの他の部分で効果的に使用できるので、希薄予混合ガスタービンエンジンにおいて極めて望ましい特徴である。横断型タービュレータは、特に製造工程における小さな変動、従ってそこを通る流れに対してより敏感でないので、従来の軸方向チャネルよりも製造が容易であると思われる。
【0019】
上述の通り、現在の冷却システムには、多数の軸方向に延びる冷却チャネルで構成されたシステムがある。これらのチャネル42は、図4に示すように、ライナ後端部50の高温側面から金属薄板カバー40まで半径方向外側に延びる壁によって形成される。カバー40は、チャネル形成壁44の頂部と接触状態になりかつ該チャネル形成壁の頂部によって支持される(米国特許第7010921号参照)。大きな熱伝達量が、このアセンブリを通って、金属薄板カバー40の頂部に着座したフラシール38に流れる。フラシールの機能は、良好なシールを維持しながら、バネのように作用することである。この部品は温度性能に限界があり、しばしばその機能限界値に非常に近い状態になる。本明細書で提案した構成(図5〜図7)は、複数の離隔した支持体144に対する接触面積を制限することによって熱がシールに伝わる接触面積を大幅に減少させることによって、フラシールに対する熱伝達を制限するのを助ける。
【0020】
現時点で最も実用的で好ましいと思料される実施形態に関して本発明を説明してきたが、本発明は、開示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想及び技術的範囲に属する様々な変更形態及び均等な構成を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ガスタービン燃焼器セクションの部分概略図。
【図2】トランジションピースに接合された従来の燃焼器ライナ及びフロースリーブの部分詳細斜視図。
【図3】従来の燃焼ライナの後端部を部分分解図。
【図4】先行技術による後方ライナ領域の側面図。
【図5】本発明を具体化した後方ライナ領域の概略側面図。
【図6】図5の後方ライナ領域の概略端面図。
【図7】図5の円で囲んだ部分の詳細を示す概略拡大側面図。
【符号の説明】
【0022】
12 トランジションピース
14 トランジションピース本体
16 トランジションピースインピンジメントスリーブ
18 燃焼ライナ
20 燃焼器フロースリーブ
22 トランジションピース前方スリーブアセンブリ
24 ケース
26 環状領域又はアニュラス
28 孔
30 アニュラス
32 取付けフランジ
34 流れ矢印
36 流れ矢印
38 圧縮型(フラ)シール
40 カバープレート
42 軸方向チャネル
44 隆起セクション又はリブ
46 空気入口スロット又は開口
48 開口
50 ライナ後端部
140 金属薄板カバー
142 横断型タービュレータ
144 支持体
146 空気入口供給孔
150 ライナ後端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼セクション(18,20)と、
燃焼セクションの下流の空気排出セクション(12)と、
燃焼セクションと空気排出セクションの間のトランジション領域(22)と、
燃焼セクション及びトランジション領域の一部を画成する燃焼器ライナ(18)と、
燃焼器ライナ(18)を囲繞して該燃焼器ライナとの間に第1のフローアニュラス(30)を画成する第1のフロースリーブ(20)であって、圧縮機吐出空気を冷却空気として第1のフローアニュラスに導く複数の冷却孔(28)の列がその外周部に形成されている第1のフロースリーブ(20)と、
燃焼器ライナ及び第1のフロースリーブの少なくとも一方に連結していて上記空気排出セクションに対応するタービンの段に高温燃焼ガスを運ぶトランジションピース本体(14)と、
トランジションピース本体(14)を囲繞して該トランジションピース本体との間に第2のフローアニュラス(26)を画成する第2のフロースリーブ(16)であって、第1のフローアニュラスと接続した第2のフローアニュラス(26)に圧縮機吐出空気を冷却空気として導く第2の複数の冷却孔の列を有する第2のフロースリーブ(16)と、
燃焼器ライナ(18)の後端部とトランジションピース本体(14)の前端部との半径方向間に配設された弾性シール構造体(38)と、
燃焼器ライナ(18)の後端部(150)と弾性シール構造体(38)の間に配設されたカバースリーブ(140)と
を備えるタービンエンジンであって、燃焼器ライナ(18)の後端部とカバースリーブ(140)の間に空気流れ通路が画成され、該空気流れ通路を画成する燃焼器ライナ後端部の半径方向外表面が、カバースリーブ(140)に向って突出しているが該カバースリーブからは離隔した複数のタービュレータ(142)と、カバースリーブ(140)に向って延びて該カバースリーブと係合して該カバースリーブ(140)をタービュレータ(142)から離隔せしめて上記空気流れ通路を画成する複数の支持体(144)とを含む、タービンエンジン。
【請求項2】
前記カバースリーブが、その前端部に、第1のアニュラスから前記空気流れ通路に冷却空気を導く複数の空気入口供給孔(146)を有する、請求項1記載のタービンエンジン。
【請求項3】
前記支持体(144)が、前記弾性シール構造体(38)の前端部及び後端部の略下方に位置するように配設される、請求項1記載のタービンエンジン。
【請求項4】
前記弾性シール構造体がフラシール(38)である、請求項1記載のタービンエンジン。
【請求項5】
複数の軸方向に離隔した支持体(144)の列が設けられていて、支持体の各々の列が複数の円周方向に離隔した支持体を含む、請求項1記載のタービンエンジン。
【請求項6】
燃焼セクションと空気排出セクション(12)の間のトランジション領域(12)を冷却する方法であって、上記燃焼セクションが、燃焼器ライナ(18)と、該燃焼器ライナ(18)を囲繞して該燃焼器ライナとの間に第1のフローアニュラス(30)を画成する第1のフロースリーブ(20)であって圧縮機吐出空気を冷却空気として第1のフローアニュラスに導く複数の冷却孔(28)がその外周に形成された第1のフロースリーブとを含んでおり、トランジション領域(12)が、燃焼器ライナに連結していてタービンに高温燃焼ガスを運ぶトランジションピース本体(14)と、該トランジションピース本体(14)を囲繞して該トランジションピース本体との間に第2のフローアニュラス(26)を画成する第2のフロースリーブ(16)であって、第1のフローアニュラスと接続した第2のフローアニュラス(26)に圧縮機吐出空気を冷却空気として導く第2の複数の冷却孔を有する第2のフロースリーブ(16)と、燃焼器ライナ(18)の後端部とトランジションピース本体(14)の前端部との半径方向間に配設された弾性シール構造体(38)とを含んでおり、当該方法が、
燃焼器ライナの後端部(150)の半径方向外表面が複数の半径方向外側に突出したタービュレータ(142)と該タービュレータの高さよりも大きい半径方向高さを有する複数の半径方向外側に突出した支持体(144)とを含むように、燃焼器ライナの後端部を構成し、
燃焼器ライナの後端部(150)と弾性シール構造体(38)との間にカバースリーブ(140)を配設して、該カバースリーブと焼器ライナの後端部の間に空気流れ通路を画成し、上記タービュレータ(142)がカバースリーブ(140)に向って突出しているが該カバースリーブ(140)からは離隔し、上記支持体(144)がカバースリーブ(140)に向って延びて該カバースリーブ(140)をタービュレータから離隔させて上記空気流れ通路を画成し、
圧縮機吐出空気を上記空気流れ通路に供給して、上記弾性シール(38)近傍の温度を低下させること
を含んでなる方法。
【請求項7】
前記カバースリーブが、その前端部に、第1のアニュラスから前記空気流れ通路に冷却空気を導く複数の空気入口供給孔(146)を有しており、前記圧縮機吐出空気を供給する段階が、上記空気入口供給孔を通して前記空気流れ通路に圧縮機吐出空気を供給することを含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記支持体(144)が、前記弾性シール構造体(38)の前端部及び後端部の略下方に位置するように配設される、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記弾性シール構造体がフラシール(38)である、請求項6記載の方法。
【請求項10】
複数の軸方向に離隔した支持体(144)の列が設けられていて、支持体の各々の列が複数の円周方向に離隔した支持体を含む、請求項6記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−85222(P2009−85222A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246999(P2008−246999)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY