タービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジットおよび触媒化炭化水素燃料の燃焼方法
【課題】触媒管の形状や流体の条件に基づいて反応速度を制限する触媒コンジットを提供する。
【解決手段】 タービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット(管路)が、入口18および出口20、ならびに、内側面34および外側面36を有する管壁24を備える触媒管を有する。一実施例においては、これらの触媒管は、管壁24に近接して流れる流体の流れ特性を変化させるように、触媒管14の長さの一部40に沿って、ねじれ部を備える。酸化触媒44は、管の少なくとも一部に配置される。
【解決手段】 タービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット(管路)が、入口18および出口20、ならびに、内側面34および外側面36を有する管壁24を備える触媒管を有する。一実施例においては、これらの触媒管は、管壁24に近接して流れる流体の流れ特性を変化させるように、触媒管14の長さの一部40に沿って、ねじれ部を備える。酸化触媒44は、管の少なくとも一部に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染物質の排出、特にNOxエミッションを最小限にする効率的な態様における炭化水素燃料の燃焼装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化水素燃料を燃焼することでエンジンから生じた排気ガスは、大気汚染の原因となる。排気ガスは、通常、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素および未燃焼の炭化水素を含む。窒素酸化物は、スモッグ、酸性雨、成層圏のオゾンの減少を引き起こす。エンジンが高温の場合、酸素と窒素が化合し、有害なNOとNO2(周知のように「NOx」として総称される)が生じる。酸素と反応した一般的な燃料は限界温度を超えて、NOxが生じる。
【0003】
従って、NOxの生成を抑えることが求められている。NOxを制御する1つの方法は、燃料と空気を低温で反応させることができる触媒を用いることである。全てではなくても、ほとんどの燃料の場合、比較的低温で反応させることで、NOxの生成を阻害する。触媒を使用することで、大部分の燃焼プロセスを安定化するように、燃料の一部を予め反応させる。このような触媒プロセスは、触媒燃焼(catalytic combustion)と呼ばれる。
【0004】
触媒と燃料が反応した場合、熱が生じる。この熱は、燃焼温度が比較的低温となるように制御しなくてはならない。通常、燃焼される全燃料の一部のみが、触媒室で反応する。発熱の問題に関する1つの解決方法は、触媒と接触する流体の流れ、もしくは触媒が取り付けられ、または塗布された母材と接触する流体の流れに、冷却空気の流れを供給することである。このような方法は、一方のチャネルが触媒作用を受けた流体を含み、他方のチャネルが、触媒反応から熱を吸収・冷却する空気を含むことによる熱交換を利用する。これらの2つの流体の流れは、熱交換器から出るときに混合されてから、NOxの生成を抑えながら燃焼される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
触媒燃焼(あるいは触媒反応器)において、炭化水素燃料は、空燃等量比(equivalence ratio)が1より大きい(つまり燃料が過剰)燃料および空気の混合気を形成するように、第1の空気流と混合され、この燃料/空気の流体混合気が酸化触媒と接触することによって部分的に酸化され、従って、水素、水および二酸化炭素を含む、部分的に酸化された生成物流に反応熱が生じる。このような反応は、純粋な触媒反応が起こるように設計され、窒素酸化物(NOx)の生成が最小限となる。
【0006】
反応熱の一部は、触媒が取り付けられた母材の壁を介して伝達され、背面の熱の対流や熱伝導を介して、第2の空気流や適宜な冷却流に除去される。部分的に酸化された生成物流は、反応熱によって初期段階よりも温度が上昇した第2の空気流と混合され、続いて下流の燃焼器で燃焼される。下流の燃焼器は、単一または複数の領域において、燃焼を促進させる付加的な燃料または空気の混合気を含むことができる。
【0007】
燃料/空気混合気は、触媒酸化ステージに流入し、部分的に混合気を酸化する酸化触媒と接触して、熱が発生し、水素、炭素酸化物(主に一酸化炭素)および未反応の炭化水素燃料を含む、部分的に酸化された生成物流が生じる。「触媒酸化(catalytic oxidative)」とは、熱によってNOxが許容量以上生成される温度より低く、熱による燃焼、もしくは炎を伴わない燃焼に必要な温度以下の温度において、急速に酸化もしくは酸化熱分解(oxdative pyrolysis)反応させることを意味する。「部分的な酸化」は、燃料を完全に二酸化炭素および水に転化し燃料に蓄積された化学エネルギを完全に解放するのに十分な酸素がないことを意味する。完全な酸化によって燃料のエネルギポテンシャルが改善されるので、触媒反応器におけるあらゆる改良が、有利となる。
【0008】
一体型の触媒反応器(熱交換器)の設計における現実的な問題は、反応および化学的な熱の発散の速度と、近接する空気流と熱交換が行われる速度と、のバランスをとることである。適切にバランスが取れていない場合は、反応器の一部がオーバーヒートし、早期の故障または活性の損失となる。このような状況は、多くの場合、反応器システムの前側の端部で生じる。反応速度は、触媒面の触媒量を変更させることによって変化し得る。しかしながら、触媒が分解するにしたがって、システム性能に悪影響が生じるため、このような戦略は、概ね現実的ではない。形状や流体流の条件に基づいて反応速度を制限するように、機器を設計することがより好ましく、従って、触媒活性ではなく物質移動プロセスを制御する。本発明は、このような手法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、従来の触媒反応器の設計を改善することに関する。触媒管またはチャネルの断面および形状の変化によって、触媒管の中または周囲を通過する流体流の乱流を促進する。乱流レベルを変化させることで、熱および物質の移動速度を変化させ、近接する通路同士の間の触媒転化率やエネルギ交換率を変化させる。性能基準によって規定されるが、触媒反応または熱交換を局所的に促進もしくは抑制するかに従い、反応器の長さに沿って面積/形状を変化させることによって、設計を調整または最適化することができる。触媒反応器における断面の設計によって、触媒面を増加させること、または触媒に対する流体の滞留時間を変化させること、もしくはその両方によって、触媒化燃料の燃焼を改善する方法を可能とし、触媒化流体と他の流体との混合および渦流(swirl)を促進する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、ハウジング12および触媒管14を備える触媒反応器10の長手方向の断面図を示す。触媒反応器10は、ガスタービンの燃焼システム(図示せず)に一体的に取り付けられる。この実施例においては、ハウジング12は、入口18および出口20を備える。このハウジング12は、このハウジング12内に付加的な流体を導入する少なくとも1つの開口部22を備える。ハウジング12の壁24と触媒管14の外側面36とによって、入口18もしくは開口部22から出口20へと至る流路28が形成される。入口18は、ハウジング12の壁24に取り付けられた格子30を備える。この格子30は、触媒管14および流路28内に流体を導入することができるようにしつつ、ハウジング12内の所定位置に触媒管14を保持する。格子30およびハウジング12の壁24は、金属またはこのような用途に適した他の材料から構成される。出口20によって、流路28内を流れる流体をハウジング12から出すことができる。
【0011】
触媒管14は、熱伝導性材料からなり、その内部およびハウジング12内に流体流が流されるように構成される。触媒管14は、管入口26、管出口32、内側面34および外側面36を備える。この内側面34によって、触媒管14内の内部流路38が画定される。管出口32に隣接する触媒管14の一部40は、触媒管14を出る流れの向きおよび流速を変化させるように、断面を変化させた領域を備える。
【0012】
ハウジング12内の流路28は、触媒管の外側面36および壁24によって形成される。流路28は、開口部22および出口20と連通している。流路28は、触媒管14およびハウジング12の壁24の形状および間隔によって、その形態が変化する。流路28によって、触媒管14内を流れる流体と熱交換できるように、流体を流し、拡散することが可能となる。一実施例においては、流路28は、入口開口部22と流路出口42との間に存在しており、流路28を流れる流体が、触媒管14内の流れと接触するのを回避する。なお、流路出口42は、入口18の格子30と同様の格子が設けられているが、種々の入口および出口の設計が可能である。
【0013】
管断面を変化させることによって、乱流および滞留時間、ならびに触媒管内の単位長さあたりの触媒と接する面積、が増大するように渦が生じ、燃料および空気からなる流体がさらに酸化される。従って、触媒管14の単位長さあたりの触媒反応が増大する。さらに、渦が生じたことにより、流体が管から出るときに、乱流が生じる。一方の流体もしくは双方の流体が出口20付近に誘導されるので、これにより、反応器10の流路28から出た流体と管から出た流体の出口20での混合が促進される。
【0014】
触媒44は、触媒管14の一部に付着される。一実施例においては、触媒44は、触媒管14を通る内部流路38内のいずれに配置しても良い。燃料リッチな燃料/空気混合気は、触媒管14によって形成される内部流路38内に送られる前に、混合される。代替として、触媒管14の非周期的に変化する部分によって生じる乱流によって、内部流路38内で燃料および空気を混合することが可能である。他の実施例においては、触媒44は、触媒管14の外側面36に配置され、または内部流路38および外側面36の双方の一部に、配置される。
【0015】
燃料が、炭化水素または酸素処理した炭化水素であり、酸化剤が酸素または空気もしくはこれらの組み合わせである場合、触媒44は、8族(group VIII)の貴金属、卑金属、金属酸化物あるいはこれらの組み合わせを含む。ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、銅、プラチナ、パラジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、ロジウム、セリウム、ランタン、ランタン系列の他の元素、コバルト、ニッケルおよび鉄などの元素、ならびに、酸化クロム、酸化コバルトおよびアルミナもしくはこれらの混合物が、適している。触媒44は、母材に直接適用されるか、もしくは他の実施例においては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、イットリウム、他の耐火金属酸化物、もしくはこれらの組み合わせなどの材料からなるボンドコートもしくはウォッシュコートに適用することができる。
【0016】
触媒管14を形成する母材は、高温用材料から製造される。一実施例においては、高温用ニッケル合金が使用される。他の実施例においては、アルミニウム、クロムや他の合金材料と組み合わせた鉄、ニッケルやコバルトからなる合金を含む高温用金属合金が使用される。他の母材材料は、セラミック、金属酸化物、金属間化合物材料、カーバイド、窒化物を含む。金属製母材および耐火性金属は、背面の触媒を効果的に冷却できる高い熱伝導率を有するので、最も望ましい。
【0017】
図1の実施例においては、触媒管14の内側面34の一部が、触媒44でコーティングされる。この実施例においては、燃料/空気混合気からなる第1の流体が、入口26から触媒管14内に導入される。空気もしくは付加的な燃料/空気混合気からなる第2の流体は、開口部22から触媒反応器10内に導入され、第1の流体の温度を低下させるように触媒反応熱を吸収する。触媒管14の断面40を変化させることで、第1の流体の滞留時間が長くなるだけでなく、第1の流体がさらに反応するように作用する。
【0018】
図2A〜図2Eは、流体の流れを変化させる種々の手段を示す触媒反応器管14の一部の斜視図である。図2Aは、直線部48およびリブ部50を備える反応器管14の一実施例を示す。直線部48は、内部流路(図1の内部流路38)を形成する壁50からなる標準的円筒形の管部分である。リブ部52は、最大外径Dおよび最小外径dを含む一連のリブ54を形成する波形状の輪郭を有する。最大外径Dは、触媒管14の直線部48の直径に等しいか、あるいはそれより大きい。同様に、最小外径dは、触媒管14の直線部48の直径に等しいか、あるいはそれより小さい。これらのリブ部によって、図1の内部流路38などの管の流路内部は拡張され収縮され、触媒管14中を流れる流体流に影響を与える。触媒管14の内側あるいは外側の一部は、触媒44を含んでいても良い(図1)。
【0019】
図2Bは、直線部48および溝付部56を備える反応器管14の実施例を示す。直線部48は、図1の内部流路38などの内部流路を画定する壁52を含む標準的円筒形の管の一部である。溝付部56は、触媒管14の断面を変化させる4つの内側リブ58を含む。代替の実施例においては、設計に応じて内側リブの数は変化する。これらの内側リブ58は、触媒管14の中心軸に概ね平行に例示されているが、代替の実施例では、触媒管14の内側にらせん状に巻かれていてもよい。触媒44が触媒管14の内側にある一実施例においては、触媒44は、触媒管14の内側面全体、あるいは直線部のみまたは溝付部のみ、もしくはこれら双方の部分、あるいはリブ部58のみ、もしくはリブ部58を除いた内側面、に配置することができる。
【0020】
図2Cは、直線部48および外側溝付部60を備える反応器管14の実施例を示す。直線部48は、上述のように、図1の内部流路38などの内部流路を画定する壁52を含む標準的円筒形の管の一部である。溝付部60は、触媒管14の断面を変化させる3つの外側溝部つまりチャネル62を備える。他の実施例においては、設計に応じて、チャネル数が変化する。これらのチャネル62は、触媒管14の中心軸に関してらせん状に巻かれるように例示されているが、代替の実施例においては、中心軸に概ね平行であっても良い。触媒44が触媒管14の外側に存在する一実施例においては、触媒44は、触媒管14の外側面全体、あるいは直線部48のみまたは溝付部60のみ、もしくはこれら双方の部分、あるいはチャネル62のみ、もしくはチャネル62を除いた外側面、に配置することができる。
【0021】
図2Dは、直線部48および外側のフィン部64を備える反応器管14の一実施例を示す。直線部48は、図1の内部流路38などの内部流路を形成する壁52を備える標準的円筒形の管の一部である。フィン66は、触媒管14の外側面にある。フィン66は、触媒管14の中心軸に対して垂直に例示されている。他の実施例においては、フィン66は、中心軸に対して平行であるか、または触媒管14の周りにらせん状に形成される。フィン66は、高さが一定であるが、他の実施例においては、フィン66は、高さを変更することができる。さらに、これらのフィン66は、フィンの一部を通して空気を流すことが可能な開口部(図示せず)を備えていても良い。触媒44が触媒管14の外側にある実施例においては、触媒44は、触媒管14の外側面全体、あるいは直線部48のみまたはフィン部64のみ、もしくはこれら双方の部分、あるいはフィン66のみ、もしくはフィン66を除いた外側面、に配置することができる。
【0022】
図2Eは、直線部48およびねじれ部68を備える触媒管14の一実施例を示す。直線部48は、図1の内部流路38などの内部流路を形成する壁52を備える標準的円筒形の管の一部である。ねじれ部68は、触媒管14の一部が2種類のねじれ部からなる波状の輪郭を有し、触媒管14の中心軸に関して、第1のねじれ部は時計回りであり、第2のねじれ部は反時計回りである。この結果、触媒管14の拡大および収縮する壁52は、触媒管14の内側を通る、または外側に近接して流れる流体の流れに影響を与える。触媒管14の内側または外側の一部に、触媒44を備えても良い。
【0023】
図3A〜図3Cは、流体の流れを変化させる手段をさらに備える触媒管14の断面図である。図3Aは、図2Dの長手方向に高さが変化するフィン66を備える触媒管14の実施例を示す。図示されるように、フィン66は、触媒管14の長さに沿って高さが変化する。内部流路38は、触媒管14の長さに亘り均一である。触媒管14に近接して流れる流体流は、寸法が減少していくフィン66に妨げられる。触媒44は、フィン66に塗布することができる。この実施例が入口開口部22に近接して使用される場合、触媒管14に近接する流れは、触媒反応器に入ったときに、熱交換を最大にするように減速され、流体が触媒管14を流れるに従って、熱交換率は減少する。フィン66は単独で、もしくは上述の実施例と組み合わせて実施することができる。
【0024】
図3Bは、ねじれ部68の間隔が変化する領域を備える触媒管14の一実施例を示す。この実施例は、図1および図2Eの実施例と類似するが、ねじれ部68は、単位長さあたりのねじれ間隔が一定ではない。ねじれ間隔が増すことは、流体の流れを妨げることを促進し、触媒管中の熱交換率だけでなく、触媒管14を通る流れ、または触媒管16の外側面に近接して流れの流速も変化させる。
【0025】
図3Cは、壁の厚みを変化させた領域を備える触媒管14の実施例を示す。壁の厚みは、最小厚みtから最大厚みTまで変化する。例示されているように、触媒管14は、内径が均一である。他の実施例においては、外径が均一で、内径が減少する。触媒44は、触媒管14の外側面もしくは内側面に適用することができる。
【0026】
図4は、ハウジング12の一部を除去した触媒反応器10の斜視図である。触媒反応器10は、ハウジング12および触媒管14を備える構造体である。図4に示される実施例においては、触媒反応器10は、ハウジング12内に、平行でかつ等長の円筒形状の触媒管14が正方形状に束ねられて配置されるように概ね構成されている。触媒管14は、出口20に近接したねじれ部40、直線部48、および入口18に近接したフィン部64を備える。ハウジング12は平行六面体として例示されているが、円筒、多角柱、トロイド状(ドーナツ型)、L字型、円錐形またはこれらの組み合わせなどのハウジングの他の形状でもよい。さらに、触媒管は、本発明の実施例のいずれであっても良く、直線部48または本発明の実施例に記載されたフィン状の入口部は、必ずしも必要ではない。
【0027】
2つの流れが混合する反応器の出口で流体の動的なひずみが生じることによって、混合を促進する渦の影響をシミュレートすることができる。触媒管内の反応流および対応する冷却空気流は、所定の管を中心に、同じ流れの向き(例えば、渦)に出る。代替としては、反応した燃料/空気混合気は、一方の出口を直線状に抜けるのに対して、冷却空気流は、燃料/空気混合気通路のいずれかの側を交互の方向に流れる構成であっても良い。なお、燃料/空気混合気と冷却空気流が、逆の構成であっても良い。
【0028】
図4では、燃料/空気混合気からなる第1の流体が、入口18もしくはその付近から触媒管14に入る(矢印70)。同時に、周囲の空気などの第2の流体が、入口開口部22を通り、触媒管14同士の間の流路に導入される(矢印72)。図4においては、1つの入口開口部22のみしか示されていないが、入口18付近に複数の入口開口部を設けることが可能である。他の実施例においては、第2の流体は、第1の流体の組成と同様であり、燃料/空気混合気を含む。触媒管14の内側面は、第1の流体と反応し発熱する触媒を備える。第2の流体は、冷却流として作用し、反応によって生じた熱を吸収する。触媒管14の外側面付近の流れ72は、フィン部64のフィン66の存在により、触媒反応器に入ったときに、減速する。このように、フィン66は、第2の流体72を反応器管14の第1の流体の一部と接触させた状態を保つことによって、入口付近の熱交換率を調整するように作用する。この結果、触媒反応器10に亘りより均一な温度勾配となり、従って、耐用年数が延びる。
【0029】
流体70,72は、出口20で触媒反応器10から出る。触媒管14のねじれ部分40が存在することで、第1の流体は、攪拌された(agitated)流れパターンで触媒管14から出る(矢印74)。第2の流体も、乱流として出口20から出る(矢印76)。2つの流体74,76は、出口20から出る際に混合される。ねじれ部40によって生じた流体流の攪拌は、部分的に反応し熱が生じた燃焼用の単一の第3の流体が生じるように、出口20での第1の流体と第2の流体との混合を促進する。
【0030】
図4に例示された実施例においては、ねじれ部40を備える複数の触媒管14は、円筒状で、かつ各々の管の中心線に同心状である。他の実施例においては、触媒管14の他の断面形状が可能であり、触媒管14の主要部分とねじれ部40の双方に関して、楕円、多角形、もしくはこれらの組み合わせであっても良い。
【0031】
図5Aおよび図5Bは、触媒反応室10Aおよび触媒反応室10Bの各々の実施例を示す。図5Aは、触媒反応室10Aおよび燃焼室80Aを備えるタービンエンジン78Aの一部の断面図である。この実施例においては、触媒反応室は、断面図において台形である。触媒反応室10Aは、台形状の角柱または切頭円錐体でも良いハウジング12Aを備える。触媒反応室10Aは、触媒管(図示せず)を備え、断面図において20A付近で出口が狭まっている。反応室のハウジング12Aのこのような構成は、流体が触媒反応室10Aを出て燃焼室80Aに入る際に、所望の混合を促進するように、上記出口付近で流体の流れの変化を促進する。さらに、触媒管は、管の中を流れるもしくは周辺を流れる流体の流れ特性(property)を変化させる本発明の手段を備えることができる。
【0032】
図5Bは、触媒反応室10Bおよび燃焼室80Bを備えるタービンエンジン78Bの一部の断面図を示す。この実施例においては、触媒反応室10Bは、断面において矩形であり、多角柱または円筒でもよいハウジング12Bを備える。この実施例においては、触媒反応室10Bは、触媒管(図示せず)を備える。これらの触媒管は、中を流れるまたは周辺を流れる流体の流れ特性を変化させる本発明の手段を備え、これによって、触媒反応室10Bの出口14Bを出る流体の混合を促進する。
【0033】
開示された実施例の触媒反応器(反応室)は、流体流の変動により化学反応速度および物質移動速度(mass transfer rate)におけるばらつきを最小限にしつつ、通常の運転条件において、触媒反応を最大化するように設計される。触媒は、触媒面の形状に対応して重量基準でコーティングに適用される。コーティング領域が不十分であると、所望の反応室および燃焼器の設計に対して、流体から触媒面への総物質移動量(mass transfer)が不十分であることによって、触媒反応が不十分となる。必要とされるコーティング領域は、運転条件(例えば、反応物の温度、圧力、速度、組成など)および触媒の活性に相関し、化学工学的な周知な方法によって決定することができる。
【0034】
触媒反応器の触媒管の流れ変化手段(fluid variation means)の存在によって、流体流は、所望の制御状態に速度が落とされ、調整され、または分配されるので、触媒を備えるコーティング領域における滞留時間を延ばすことが可能となる。これによって、必要な触媒面積が減少し、小型かつ低コストの反応器となる。従って、反応器の設計は、反応および冷却の表面積と、反応器を流れる関連した流体の体積流量と、のバランスをとることができる。さらに、(触媒がコーティングされた)反応側の流体と冷却側の流体との混合を促進するので、流体の流れの変化は望ましい。2つの流体の混合を促進することで、主燃焼器に至る前に必要な混合距離が短縮され、さらに、混合時間も短縮され、これらは、特定の用途において、早期の点火を回避するのに重要である。反応器の後の混合領域における早期の点火によって、過剰な量のNOxが生じ、機器が損傷する機会が増える。
【0035】
本発明の触媒反応器は、触媒化炭化水素燃料の燃焼に用いられる。第1の流体が、触媒反応器の触媒管内を流れ、第2の流体が、触媒反応器のチャンバ内の流路において触媒管に近接して流れる。第1の流体および第2の流体の双方は、燃料/空気混合気、もしくは空気流から構成することができる。少なくとも一方の流体が、燃料/空気混合気からなり、触媒と接触する。他方の流体は、燃料/空気混合気、または他のガス、もしくは空気などの混合気でも良い。流れ変化手段は、第1の流体の流れを変化させ、触媒反応がおきるように、管の少なくとも一部に設けられる。触媒管を出た第1の流体の流れは、第2の流体と混合され、この混合体が燃焼する。触媒反応熱は、触媒と接触する流体から抽出され、他方の流体へと輸送させる。一実施例においては、第2の流体は、触媒反応器内に制御しながら導入される。追加の空気や燃料/空気混合気などの第3の流体が、所望の燃焼の等量の空燃比を得るように、反応器から出るときに、第1の流体と第2の流体との混合物に付加される場合もある。
【0036】
図1において、触媒管14の大部分に触媒を配置するように例示されているが、触媒反応器は、触媒を触媒管の一部にのみ配置するように設計することができる。このように、触媒反応器は、所望の長さを触媒で被覆された、所望の長さおよび形状の触媒管を有し、触媒管の一部に沿って流れ変化手段を備えるように設計することができる。例えば、触媒管は、触媒管の後側の2/3、または前側の2/3に触媒を備えても良く、流れ変化手段は、効果のある触媒管の後側の1/3に配置される。このような流れ変化手段は、触媒管の後側部分で触媒管の流体の流速を低下させ、触媒管から出たときにさらによく混合されるような乱流を形成する。
【0037】
流れ変化手段を備える触媒管を用いることで、触媒反応器前方の形状を変更することにより、入口の壁の温度を低下させることが可能となる。触媒管における流れ変化手段は、熱輸送の有効表面積を増加させ、システムの温度を低下させるように、反応側の流体の初速を低下させる。しかしながら、流れ変化手段が流体流において極端な圧力損失となるので、触媒管の全長に亘り流れ変化手段を設けるのは好ましくない。一実施例においては、触媒管は、活性を維持しつつ圧力損失を最小限にするように、反応側を比較的高速で流れ、冷却空気側の表面積を比較的に小さくする形状に設計する。例えば、移行部は、反応器の入口または出口から約20%であり、使用される形状的特徴部によっては、長さの5〜90%の場合がある。
【0038】
触媒反応器の触媒管の一部に流れ変化手段を配置することで、触媒が適用されたコンジット(管路)の内側での燃料/空気混合気の酸化される単位長さあたりの面積が増えることとなる。この結果、コンジットの内側、または触媒管の外側に近接した蛇行流路となり、燃料/空気混合気を酸化するための滞留時間が延びるようにコンジットまたはハウジング内に渦が生じる。コンジットの形状は、触媒管出口またはコンジット出口で、渦が生じ、混合をせん断するように設計することができる。代替としては、流れ変化手段は、入口付近または中央部などの触媒管の他の部分に設けても良く、反応器内の滞留時間を延ばし、かつ触媒管の長さに亘りより均一な温度勾配を形成するために流体流に乱流を生じさせる。従って、本発明の実施例を用いて、流速、流体の熱輸送および流体の混合を最適化するように設計された触媒管を備える触媒反応器を設計し、特定の寸法および形状の反応器を得ることができる。
【0039】
この乱流パターンを用いて、生成物の流れと空気などの第2の流れを、触媒反応器を出るときに素早く混合し、燃料混合気が燃焼するように効率的に混合する。これにより、当分野の従来技術のレベルよりもエミッションが減少し、燃焼のための二次的な領域の寸法や燃焼器内に必要とされる複雑性が低減する。従って、滞留時間、すなわち流体が触媒管内に存在する時間、を延ばす流れ変化手段を、触媒管内に設けることで、単位長さあたりの反応が増大することとなる。このことによって、装置の規模を縮小し、燃焼室アッセンブリの複雑性が減少させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】触媒管内に挿入物を含む触媒反応器の第1の実施例の長手方向の断面図。
【図2A】リブ部を有する反応器管の斜視図。
【図2B】内側に溝部を有する反応器管の斜視図。
【図2C】外側に溝部を有する反応器管の斜視図。
【図2D】外側にフィン部を有する反応器管の斜視図。
【図2E】ねじれ部を有する反応器管の斜視図。
【図3A】外側のフィンが勾配を形成している反応器管の断面図。
【図3B】ねじれの間隔が変化している反応器管の断面図。
【図3C】壁の厚さが変化している反応器管の断面図。
【図4】ハウジングの一部を除去した触媒反応器の斜視図。
【図5A】触媒反応器および燃焼室を備えるタービンエンジンの断面図。
【図5B】触媒反応器および燃焼室を備える第2のタービンエンジン断面図。
【符号の説明】
【0041】
10…触媒反応器
12…ハウジング
14…触媒管
24…ハウジングの壁
34…触媒管の内側面
36…触媒管の外側面
40…ねじれ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染物質の排出、特にNOxエミッションを最小限にする効率的な態様における炭化水素燃料の燃焼装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化水素燃料を燃焼することでエンジンから生じた排気ガスは、大気汚染の原因となる。排気ガスは、通常、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素および未燃焼の炭化水素を含む。窒素酸化物は、スモッグ、酸性雨、成層圏のオゾンの減少を引き起こす。エンジンが高温の場合、酸素と窒素が化合し、有害なNOとNO2(周知のように「NOx」として総称される)が生じる。酸素と反応した一般的な燃料は限界温度を超えて、NOxが生じる。
【0003】
従って、NOxの生成を抑えることが求められている。NOxを制御する1つの方法は、燃料と空気を低温で反応させることができる触媒を用いることである。全てではなくても、ほとんどの燃料の場合、比較的低温で反応させることで、NOxの生成を阻害する。触媒を使用することで、大部分の燃焼プロセスを安定化するように、燃料の一部を予め反応させる。このような触媒プロセスは、触媒燃焼(catalytic combustion)と呼ばれる。
【0004】
触媒と燃料が反応した場合、熱が生じる。この熱は、燃焼温度が比較的低温となるように制御しなくてはならない。通常、燃焼される全燃料の一部のみが、触媒室で反応する。発熱の問題に関する1つの解決方法は、触媒と接触する流体の流れ、もしくは触媒が取り付けられ、または塗布された母材と接触する流体の流れに、冷却空気の流れを供給することである。このような方法は、一方のチャネルが触媒作用を受けた流体を含み、他方のチャネルが、触媒反応から熱を吸収・冷却する空気を含むことによる熱交換を利用する。これらの2つの流体の流れは、熱交換器から出るときに混合されてから、NOxの生成を抑えながら燃焼される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
触媒燃焼(あるいは触媒反応器)において、炭化水素燃料は、空燃等量比(equivalence ratio)が1より大きい(つまり燃料が過剰)燃料および空気の混合気を形成するように、第1の空気流と混合され、この燃料/空気の流体混合気が酸化触媒と接触することによって部分的に酸化され、従って、水素、水および二酸化炭素を含む、部分的に酸化された生成物流に反応熱が生じる。このような反応は、純粋な触媒反応が起こるように設計され、窒素酸化物(NOx)の生成が最小限となる。
【0006】
反応熱の一部は、触媒が取り付けられた母材の壁を介して伝達され、背面の熱の対流や熱伝導を介して、第2の空気流や適宜な冷却流に除去される。部分的に酸化された生成物流は、反応熱によって初期段階よりも温度が上昇した第2の空気流と混合され、続いて下流の燃焼器で燃焼される。下流の燃焼器は、単一または複数の領域において、燃焼を促進させる付加的な燃料または空気の混合気を含むことができる。
【0007】
燃料/空気混合気は、触媒酸化ステージに流入し、部分的に混合気を酸化する酸化触媒と接触して、熱が発生し、水素、炭素酸化物(主に一酸化炭素)および未反応の炭化水素燃料を含む、部分的に酸化された生成物流が生じる。「触媒酸化(catalytic oxidative)」とは、熱によってNOxが許容量以上生成される温度より低く、熱による燃焼、もしくは炎を伴わない燃焼に必要な温度以下の温度において、急速に酸化もしくは酸化熱分解(oxdative pyrolysis)反応させることを意味する。「部分的な酸化」は、燃料を完全に二酸化炭素および水に転化し燃料に蓄積された化学エネルギを完全に解放するのに十分な酸素がないことを意味する。完全な酸化によって燃料のエネルギポテンシャルが改善されるので、触媒反応器におけるあらゆる改良が、有利となる。
【0008】
一体型の触媒反応器(熱交換器)の設計における現実的な問題は、反応および化学的な熱の発散の速度と、近接する空気流と熱交換が行われる速度と、のバランスをとることである。適切にバランスが取れていない場合は、反応器の一部がオーバーヒートし、早期の故障または活性の損失となる。このような状況は、多くの場合、反応器システムの前側の端部で生じる。反応速度は、触媒面の触媒量を変更させることによって変化し得る。しかしながら、触媒が分解するにしたがって、システム性能に悪影響が生じるため、このような戦略は、概ね現実的ではない。形状や流体流の条件に基づいて反応速度を制限するように、機器を設計することがより好ましく、従って、触媒活性ではなく物質移動プロセスを制御する。本発明は、このような手法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、従来の触媒反応器の設計を改善することに関する。触媒管またはチャネルの断面および形状の変化によって、触媒管の中または周囲を通過する流体流の乱流を促進する。乱流レベルを変化させることで、熱および物質の移動速度を変化させ、近接する通路同士の間の触媒転化率やエネルギ交換率を変化させる。性能基準によって規定されるが、触媒反応または熱交換を局所的に促進もしくは抑制するかに従い、反応器の長さに沿って面積/形状を変化させることによって、設計を調整または最適化することができる。触媒反応器における断面の設計によって、触媒面を増加させること、または触媒に対する流体の滞留時間を変化させること、もしくはその両方によって、触媒化燃料の燃焼を改善する方法を可能とし、触媒化流体と他の流体との混合および渦流(swirl)を促進する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、ハウジング12および触媒管14を備える触媒反応器10の長手方向の断面図を示す。触媒反応器10は、ガスタービンの燃焼システム(図示せず)に一体的に取り付けられる。この実施例においては、ハウジング12は、入口18および出口20を備える。このハウジング12は、このハウジング12内に付加的な流体を導入する少なくとも1つの開口部22を備える。ハウジング12の壁24と触媒管14の外側面36とによって、入口18もしくは開口部22から出口20へと至る流路28が形成される。入口18は、ハウジング12の壁24に取り付けられた格子30を備える。この格子30は、触媒管14および流路28内に流体を導入することができるようにしつつ、ハウジング12内の所定位置に触媒管14を保持する。格子30およびハウジング12の壁24は、金属またはこのような用途に適した他の材料から構成される。出口20によって、流路28内を流れる流体をハウジング12から出すことができる。
【0011】
触媒管14は、熱伝導性材料からなり、その内部およびハウジング12内に流体流が流されるように構成される。触媒管14は、管入口26、管出口32、内側面34および外側面36を備える。この内側面34によって、触媒管14内の内部流路38が画定される。管出口32に隣接する触媒管14の一部40は、触媒管14を出る流れの向きおよび流速を変化させるように、断面を変化させた領域を備える。
【0012】
ハウジング12内の流路28は、触媒管の外側面36および壁24によって形成される。流路28は、開口部22および出口20と連通している。流路28は、触媒管14およびハウジング12の壁24の形状および間隔によって、その形態が変化する。流路28によって、触媒管14内を流れる流体と熱交換できるように、流体を流し、拡散することが可能となる。一実施例においては、流路28は、入口開口部22と流路出口42との間に存在しており、流路28を流れる流体が、触媒管14内の流れと接触するのを回避する。なお、流路出口42は、入口18の格子30と同様の格子が設けられているが、種々の入口および出口の設計が可能である。
【0013】
管断面を変化させることによって、乱流および滞留時間、ならびに触媒管内の単位長さあたりの触媒と接する面積、が増大するように渦が生じ、燃料および空気からなる流体がさらに酸化される。従って、触媒管14の単位長さあたりの触媒反応が増大する。さらに、渦が生じたことにより、流体が管から出るときに、乱流が生じる。一方の流体もしくは双方の流体が出口20付近に誘導されるので、これにより、反応器10の流路28から出た流体と管から出た流体の出口20での混合が促進される。
【0014】
触媒44は、触媒管14の一部に付着される。一実施例においては、触媒44は、触媒管14を通る内部流路38内のいずれに配置しても良い。燃料リッチな燃料/空気混合気は、触媒管14によって形成される内部流路38内に送られる前に、混合される。代替として、触媒管14の非周期的に変化する部分によって生じる乱流によって、内部流路38内で燃料および空気を混合することが可能である。他の実施例においては、触媒44は、触媒管14の外側面36に配置され、または内部流路38および外側面36の双方の一部に、配置される。
【0015】
燃料が、炭化水素または酸素処理した炭化水素であり、酸化剤が酸素または空気もしくはこれらの組み合わせである場合、触媒44は、8族(group VIII)の貴金属、卑金属、金属酸化物あるいはこれらの組み合わせを含む。ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、銅、プラチナ、パラジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、ロジウム、セリウム、ランタン、ランタン系列の他の元素、コバルト、ニッケルおよび鉄などの元素、ならびに、酸化クロム、酸化コバルトおよびアルミナもしくはこれらの混合物が、適している。触媒44は、母材に直接適用されるか、もしくは他の実施例においては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、イットリウム、他の耐火金属酸化物、もしくはこれらの組み合わせなどの材料からなるボンドコートもしくはウォッシュコートに適用することができる。
【0016】
触媒管14を形成する母材は、高温用材料から製造される。一実施例においては、高温用ニッケル合金が使用される。他の実施例においては、アルミニウム、クロムや他の合金材料と組み合わせた鉄、ニッケルやコバルトからなる合金を含む高温用金属合金が使用される。他の母材材料は、セラミック、金属酸化物、金属間化合物材料、カーバイド、窒化物を含む。金属製母材および耐火性金属は、背面の触媒を効果的に冷却できる高い熱伝導率を有するので、最も望ましい。
【0017】
図1の実施例においては、触媒管14の内側面34の一部が、触媒44でコーティングされる。この実施例においては、燃料/空気混合気からなる第1の流体が、入口26から触媒管14内に導入される。空気もしくは付加的な燃料/空気混合気からなる第2の流体は、開口部22から触媒反応器10内に導入され、第1の流体の温度を低下させるように触媒反応熱を吸収する。触媒管14の断面40を変化させることで、第1の流体の滞留時間が長くなるだけでなく、第1の流体がさらに反応するように作用する。
【0018】
図2A〜図2Eは、流体の流れを変化させる種々の手段を示す触媒反応器管14の一部の斜視図である。図2Aは、直線部48およびリブ部50を備える反応器管14の一実施例を示す。直線部48は、内部流路(図1の内部流路38)を形成する壁50からなる標準的円筒形の管部分である。リブ部52は、最大外径Dおよび最小外径dを含む一連のリブ54を形成する波形状の輪郭を有する。最大外径Dは、触媒管14の直線部48の直径に等しいか、あるいはそれより大きい。同様に、最小外径dは、触媒管14の直線部48の直径に等しいか、あるいはそれより小さい。これらのリブ部によって、図1の内部流路38などの管の流路内部は拡張され収縮され、触媒管14中を流れる流体流に影響を与える。触媒管14の内側あるいは外側の一部は、触媒44を含んでいても良い(図1)。
【0019】
図2Bは、直線部48および溝付部56を備える反応器管14の実施例を示す。直線部48は、図1の内部流路38などの内部流路を画定する壁52を含む標準的円筒形の管の一部である。溝付部56は、触媒管14の断面を変化させる4つの内側リブ58を含む。代替の実施例においては、設計に応じて内側リブの数は変化する。これらの内側リブ58は、触媒管14の中心軸に概ね平行に例示されているが、代替の実施例では、触媒管14の内側にらせん状に巻かれていてもよい。触媒44が触媒管14の内側にある一実施例においては、触媒44は、触媒管14の内側面全体、あるいは直線部のみまたは溝付部のみ、もしくはこれら双方の部分、あるいはリブ部58のみ、もしくはリブ部58を除いた内側面、に配置することができる。
【0020】
図2Cは、直線部48および外側溝付部60を備える反応器管14の実施例を示す。直線部48は、上述のように、図1の内部流路38などの内部流路を画定する壁52を含む標準的円筒形の管の一部である。溝付部60は、触媒管14の断面を変化させる3つの外側溝部つまりチャネル62を備える。他の実施例においては、設計に応じて、チャネル数が変化する。これらのチャネル62は、触媒管14の中心軸に関してらせん状に巻かれるように例示されているが、代替の実施例においては、中心軸に概ね平行であっても良い。触媒44が触媒管14の外側に存在する一実施例においては、触媒44は、触媒管14の外側面全体、あるいは直線部48のみまたは溝付部60のみ、もしくはこれら双方の部分、あるいはチャネル62のみ、もしくはチャネル62を除いた外側面、に配置することができる。
【0021】
図2Dは、直線部48および外側のフィン部64を備える反応器管14の一実施例を示す。直線部48は、図1の内部流路38などの内部流路を形成する壁52を備える標準的円筒形の管の一部である。フィン66は、触媒管14の外側面にある。フィン66は、触媒管14の中心軸に対して垂直に例示されている。他の実施例においては、フィン66は、中心軸に対して平行であるか、または触媒管14の周りにらせん状に形成される。フィン66は、高さが一定であるが、他の実施例においては、フィン66は、高さを変更することができる。さらに、これらのフィン66は、フィンの一部を通して空気を流すことが可能な開口部(図示せず)を備えていても良い。触媒44が触媒管14の外側にある実施例においては、触媒44は、触媒管14の外側面全体、あるいは直線部48のみまたはフィン部64のみ、もしくはこれら双方の部分、あるいはフィン66のみ、もしくはフィン66を除いた外側面、に配置することができる。
【0022】
図2Eは、直線部48およびねじれ部68を備える触媒管14の一実施例を示す。直線部48は、図1の内部流路38などの内部流路を形成する壁52を備える標準的円筒形の管の一部である。ねじれ部68は、触媒管14の一部が2種類のねじれ部からなる波状の輪郭を有し、触媒管14の中心軸に関して、第1のねじれ部は時計回りであり、第2のねじれ部は反時計回りである。この結果、触媒管14の拡大および収縮する壁52は、触媒管14の内側を通る、または外側に近接して流れる流体の流れに影響を与える。触媒管14の内側または外側の一部に、触媒44を備えても良い。
【0023】
図3A〜図3Cは、流体の流れを変化させる手段をさらに備える触媒管14の断面図である。図3Aは、図2Dの長手方向に高さが変化するフィン66を備える触媒管14の実施例を示す。図示されるように、フィン66は、触媒管14の長さに沿って高さが変化する。内部流路38は、触媒管14の長さに亘り均一である。触媒管14に近接して流れる流体流は、寸法が減少していくフィン66に妨げられる。触媒44は、フィン66に塗布することができる。この実施例が入口開口部22に近接して使用される場合、触媒管14に近接する流れは、触媒反応器に入ったときに、熱交換を最大にするように減速され、流体が触媒管14を流れるに従って、熱交換率は減少する。フィン66は単独で、もしくは上述の実施例と組み合わせて実施することができる。
【0024】
図3Bは、ねじれ部68の間隔が変化する領域を備える触媒管14の一実施例を示す。この実施例は、図1および図2Eの実施例と類似するが、ねじれ部68は、単位長さあたりのねじれ間隔が一定ではない。ねじれ間隔が増すことは、流体の流れを妨げることを促進し、触媒管中の熱交換率だけでなく、触媒管14を通る流れ、または触媒管16の外側面に近接して流れの流速も変化させる。
【0025】
図3Cは、壁の厚みを変化させた領域を備える触媒管14の実施例を示す。壁の厚みは、最小厚みtから最大厚みTまで変化する。例示されているように、触媒管14は、内径が均一である。他の実施例においては、外径が均一で、内径が減少する。触媒44は、触媒管14の外側面もしくは内側面に適用することができる。
【0026】
図4は、ハウジング12の一部を除去した触媒反応器10の斜視図である。触媒反応器10は、ハウジング12および触媒管14を備える構造体である。図4に示される実施例においては、触媒反応器10は、ハウジング12内に、平行でかつ等長の円筒形状の触媒管14が正方形状に束ねられて配置されるように概ね構成されている。触媒管14は、出口20に近接したねじれ部40、直線部48、および入口18に近接したフィン部64を備える。ハウジング12は平行六面体として例示されているが、円筒、多角柱、トロイド状(ドーナツ型)、L字型、円錐形またはこれらの組み合わせなどのハウジングの他の形状でもよい。さらに、触媒管は、本発明の実施例のいずれであっても良く、直線部48または本発明の実施例に記載されたフィン状の入口部は、必ずしも必要ではない。
【0027】
2つの流れが混合する反応器の出口で流体の動的なひずみが生じることによって、混合を促進する渦の影響をシミュレートすることができる。触媒管内の反応流および対応する冷却空気流は、所定の管を中心に、同じ流れの向き(例えば、渦)に出る。代替としては、反応した燃料/空気混合気は、一方の出口を直線状に抜けるのに対して、冷却空気流は、燃料/空気混合気通路のいずれかの側を交互の方向に流れる構成であっても良い。なお、燃料/空気混合気と冷却空気流が、逆の構成であっても良い。
【0028】
図4では、燃料/空気混合気からなる第1の流体が、入口18もしくはその付近から触媒管14に入る(矢印70)。同時に、周囲の空気などの第2の流体が、入口開口部22を通り、触媒管14同士の間の流路に導入される(矢印72)。図4においては、1つの入口開口部22のみしか示されていないが、入口18付近に複数の入口開口部を設けることが可能である。他の実施例においては、第2の流体は、第1の流体の組成と同様であり、燃料/空気混合気を含む。触媒管14の内側面は、第1の流体と反応し発熱する触媒を備える。第2の流体は、冷却流として作用し、反応によって生じた熱を吸収する。触媒管14の外側面付近の流れ72は、フィン部64のフィン66の存在により、触媒反応器に入ったときに、減速する。このように、フィン66は、第2の流体72を反応器管14の第1の流体の一部と接触させた状態を保つことによって、入口付近の熱交換率を調整するように作用する。この結果、触媒反応器10に亘りより均一な温度勾配となり、従って、耐用年数が延びる。
【0029】
流体70,72は、出口20で触媒反応器10から出る。触媒管14のねじれ部分40が存在することで、第1の流体は、攪拌された(agitated)流れパターンで触媒管14から出る(矢印74)。第2の流体も、乱流として出口20から出る(矢印76)。2つの流体74,76は、出口20から出る際に混合される。ねじれ部40によって生じた流体流の攪拌は、部分的に反応し熱が生じた燃焼用の単一の第3の流体が生じるように、出口20での第1の流体と第2の流体との混合を促進する。
【0030】
図4に例示された実施例においては、ねじれ部40を備える複数の触媒管14は、円筒状で、かつ各々の管の中心線に同心状である。他の実施例においては、触媒管14の他の断面形状が可能であり、触媒管14の主要部分とねじれ部40の双方に関して、楕円、多角形、もしくはこれらの組み合わせであっても良い。
【0031】
図5Aおよび図5Bは、触媒反応室10Aおよび触媒反応室10Bの各々の実施例を示す。図5Aは、触媒反応室10Aおよび燃焼室80Aを備えるタービンエンジン78Aの一部の断面図である。この実施例においては、触媒反応室は、断面図において台形である。触媒反応室10Aは、台形状の角柱または切頭円錐体でも良いハウジング12Aを備える。触媒反応室10Aは、触媒管(図示せず)を備え、断面図において20A付近で出口が狭まっている。反応室のハウジング12Aのこのような構成は、流体が触媒反応室10Aを出て燃焼室80Aに入る際に、所望の混合を促進するように、上記出口付近で流体の流れの変化を促進する。さらに、触媒管は、管の中を流れるもしくは周辺を流れる流体の流れ特性(property)を変化させる本発明の手段を備えることができる。
【0032】
図5Bは、触媒反応室10Bおよび燃焼室80Bを備えるタービンエンジン78Bの一部の断面図を示す。この実施例においては、触媒反応室10Bは、断面において矩形であり、多角柱または円筒でもよいハウジング12Bを備える。この実施例においては、触媒反応室10Bは、触媒管(図示せず)を備える。これらの触媒管は、中を流れるまたは周辺を流れる流体の流れ特性を変化させる本発明の手段を備え、これによって、触媒反応室10Bの出口14Bを出る流体の混合を促進する。
【0033】
開示された実施例の触媒反応器(反応室)は、流体流の変動により化学反応速度および物質移動速度(mass transfer rate)におけるばらつきを最小限にしつつ、通常の運転条件において、触媒反応を最大化するように設計される。触媒は、触媒面の形状に対応して重量基準でコーティングに適用される。コーティング領域が不十分であると、所望の反応室および燃焼器の設計に対して、流体から触媒面への総物質移動量(mass transfer)が不十分であることによって、触媒反応が不十分となる。必要とされるコーティング領域は、運転条件(例えば、反応物の温度、圧力、速度、組成など)および触媒の活性に相関し、化学工学的な周知な方法によって決定することができる。
【0034】
触媒反応器の触媒管の流れ変化手段(fluid variation means)の存在によって、流体流は、所望の制御状態に速度が落とされ、調整され、または分配されるので、触媒を備えるコーティング領域における滞留時間を延ばすことが可能となる。これによって、必要な触媒面積が減少し、小型かつ低コストの反応器となる。従って、反応器の設計は、反応および冷却の表面積と、反応器を流れる関連した流体の体積流量と、のバランスをとることができる。さらに、(触媒がコーティングされた)反応側の流体と冷却側の流体との混合を促進するので、流体の流れの変化は望ましい。2つの流体の混合を促進することで、主燃焼器に至る前に必要な混合距離が短縮され、さらに、混合時間も短縮され、これらは、特定の用途において、早期の点火を回避するのに重要である。反応器の後の混合領域における早期の点火によって、過剰な量のNOxが生じ、機器が損傷する機会が増える。
【0035】
本発明の触媒反応器は、触媒化炭化水素燃料の燃焼に用いられる。第1の流体が、触媒反応器の触媒管内を流れ、第2の流体が、触媒反応器のチャンバ内の流路において触媒管に近接して流れる。第1の流体および第2の流体の双方は、燃料/空気混合気、もしくは空気流から構成することができる。少なくとも一方の流体が、燃料/空気混合気からなり、触媒と接触する。他方の流体は、燃料/空気混合気、または他のガス、もしくは空気などの混合気でも良い。流れ変化手段は、第1の流体の流れを変化させ、触媒反応がおきるように、管の少なくとも一部に設けられる。触媒管を出た第1の流体の流れは、第2の流体と混合され、この混合体が燃焼する。触媒反応熱は、触媒と接触する流体から抽出され、他方の流体へと輸送させる。一実施例においては、第2の流体は、触媒反応器内に制御しながら導入される。追加の空気や燃料/空気混合気などの第3の流体が、所望の燃焼の等量の空燃比を得るように、反応器から出るときに、第1の流体と第2の流体との混合物に付加される場合もある。
【0036】
図1において、触媒管14の大部分に触媒を配置するように例示されているが、触媒反応器は、触媒を触媒管の一部にのみ配置するように設計することができる。このように、触媒反応器は、所望の長さを触媒で被覆された、所望の長さおよび形状の触媒管を有し、触媒管の一部に沿って流れ変化手段を備えるように設計することができる。例えば、触媒管は、触媒管の後側の2/3、または前側の2/3に触媒を備えても良く、流れ変化手段は、効果のある触媒管の後側の1/3に配置される。このような流れ変化手段は、触媒管の後側部分で触媒管の流体の流速を低下させ、触媒管から出たときにさらによく混合されるような乱流を形成する。
【0037】
流れ変化手段を備える触媒管を用いることで、触媒反応器前方の形状を変更することにより、入口の壁の温度を低下させることが可能となる。触媒管における流れ変化手段は、熱輸送の有効表面積を増加させ、システムの温度を低下させるように、反応側の流体の初速を低下させる。しかしながら、流れ変化手段が流体流において極端な圧力損失となるので、触媒管の全長に亘り流れ変化手段を設けるのは好ましくない。一実施例においては、触媒管は、活性を維持しつつ圧力損失を最小限にするように、反応側を比較的高速で流れ、冷却空気側の表面積を比較的に小さくする形状に設計する。例えば、移行部は、反応器の入口または出口から約20%であり、使用される形状的特徴部によっては、長さの5〜90%の場合がある。
【0038】
触媒反応器の触媒管の一部に流れ変化手段を配置することで、触媒が適用されたコンジット(管路)の内側での燃料/空気混合気の酸化される単位長さあたりの面積が増えることとなる。この結果、コンジットの内側、または触媒管の外側に近接した蛇行流路となり、燃料/空気混合気を酸化するための滞留時間が延びるようにコンジットまたはハウジング内に渦が生じる。コンジットの形状は、触媒管出口またはコンジット出口で、渦が生じ、混合をせん断するように設計することができる。代替としては、流れ変化手段は、入口付近または中央部などの触媒管の他の部分に設けても良く、反応器内の滞留時間を延ばし、かつ触媒管の長さに亘りより均一な温度勾配を形成するために流体流に乱流を生じさせる。従って、本発明の実施例を用いて、流速、流体の熱輸送および流体の混合を最適化するように設計された触媒管を備える触媒反応器を設計し、特定の寸法および形状の反応器を得ることができる。
【0039】
この乱流パターンを用いて、生成物の流れと空気などの第2の流れを、触媒反応器を出るときに素早く混合し、燃料混合気が燃焼するように効率的に混合する。これにより、当分野の従来技術のレベルよりもエミッションが減少し、燃焼のための二次的な領域の寸法や燃焼器内に必要とされる複雑性が低減する。従って、滞留時間、すなわち流体が触媒管内に存在する時間、を延ばす流れ変化手段を、触媒管内に設けることで、単位長さあたりの反応が増大することとなる。このことによって、装置の規模を縮小し、燃焼室アッセンブリの複雑性が減少させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】触媒管内に挿入物を含む触媒反応器の第1の実施例の長手方向の断面図。
【図2A】リブ部を有する反応器管の斜視図。
【図2B】内側に溝部を有する反応器管の斜視図。
【図2C】外側に溝部を有する反応器管の斜視図。
【図2D】外側にフィン部を有する反応器管の斜視図。
【図2E】ねじれ部を有する反応器管の斜視図。
【図3A】外側のフィンが勾配を形成している反応器管の断面図。
【図3B】ねじれの間隔が変化している反応器管の断面図。
【図3C】壁の厚さが変化している反応器管の断面図。
【図4】ハウジングの一部を除去した触媒反応器の斜視図。
【図5A】触媒反応器および燃焼室を備えるタービンエンジンの断面図。
【図5B】触媒反応器および燃焼室を備える第2のタービンエンジン断面図。
【符号の説明】
【0041】
10…触媒反応器
12…ハウジング
14…触媒管
24…ハウジングの壁
34…触媒管の内側面
36…触媒管の外側面
40…ねじれ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口および出口と、ならびに内側面および外側面を有する管壁と、を備える管を備えるとともに、上記管が、上記管壁に近接して流れる流体の流れ特性を変化させるように、上記管の長さの少なくとも一部で、管断面が変化し、
上記管の少なくとも一部に配置された酸化触媒を備える、
ことを特徴とするタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項2】
上記管断面の変化によって、上記流体が上記管から出たときの乱流を促進するように、上記管内の上記流体の速度を変えることを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項3】
非周期的な管断面の変化によって、上記管壁を介して熱輸送が増大するように上記管壁のいずれかの側面の上記流体の流れを妨げることを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項4】
上記管断面の変化が、上記管壁の波状の輪郭を形成する一連のリブからなることを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項5】
上記管壁が、らせん状の溝部を有するとともに、上記管断面の変化が、上記管壁を含むらせん状の溝部の間隔の変化からなることを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項6】
上記管断面の変化が、上記管の中心軸に関して、上記管壁の厚みの変化からなることを特徴とする請求項5に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項7】
上記管断面の変化が、一連のフィンからなることを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項8】
上記管断面の変化が、波状の輪郭を形成するように、上記管のねじれ部からなることを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項9】
上記ねじれ部が、単位長さあたりのねじれの間隔が一定でないことを特徴とする請求項8に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項10】
上記ねじれ部が、2つのねじれ部を備えるとともに、一方のねじれ部が、上記管の中心軸に関して時計回りであり、他方のねじれ部が、上記管の中心軸に関して反時計回りであることを特徴とする請求項8に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項11】
上記管断面の変化が、上記管の少なくとも後側の約1/3の範囲に存在することを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項12】
入口および出口を備え、内部チャンバを画定するハウジングと、
このハウジングの上記内部チャンバ内に配置された複数の管と、を備え、各々の管が、
入口および出口、ならびに内側面および外側面を有する壁と、上記管の少なくとも一部に配置された酸化触媒と、を備えるとともに、
上記管が、上記管壁に近接して流れる流体の流れ特性を変化させる手段を備え、
上記管の内部が、第1の流路を形成し、上記管の外側面および上記内部チャンバが、出口ポートを備える第2の流路を形成するとともに、
上記複数の管の上記出口および上記出口ポートが、上記複数の管の上記出口から出た第1の流体が上記ハウジングの上記出口ポートから出た第2の流体と混合されるように近接配置される、
ことを特徴とする触媒反応器。
【請求項13】
上記酸化触媒が、上記複数の管の上記外側面に配置されることを特徴とする請求項12に記載の触媒反応器。
【請求項14】
上記酸化触媒が、上記複数の管の上記内側面に配置されることを特徴とする請求項12に記載の触媒反応器。
【請求項15】
上記流れ特性を変化させる手段が、上記管壁の厚みの変化による上記管断面の変化を備えることを特徴とする請求項12に記載の触媒反応器。
【請求項16】
上記流れ特性を変化させる手段が、らせん状に溝を有する管壁を備えることを特徴とする請求項12に記載の触媒反応器。
【請求項17】
上記流れ特性を変化させる手段が、上記管の全長の1/2より短い範囲に存在することを特徴とする請求項12に記載の触媒反応器。
【請求項18】
上記管壁の外側面に配置された一連のフィンを備えるとともに、
上記流れ特性を変化させる手段が、上記一連のフィン勾配の変化からなることを特徴とする請求項12に記載の触媒反応器。
【請求項19】
第1の流体および第2の流体を供給するとともに、これらの流体の少なくとも一方が、炭化水素燃料と空気流の混合物からなり、
触媒反応器の1つまたは複数の触媒管内に第1の流体を流し、
触媒反応器のチャンバ内に上記触媒管に近接して第2の流体を流し、
上記流体の一方の流れを変化させるように、上記管の少なくとも一部に、断面の変化を与え、
上記反応管を出る上記第1の流体の流れと上記第2の流体を混合し、
上記第1の流体および上記第2の流体の混合物を燃焼させる、
ことを特徴とする触媒化炭化水素燃料の燃焼方法。
【請求項20】
上記第1および第2の流体の一方の触媒反応熱の一部を抽出し、
この熱を、上記第1の流体または第2の流体の他方に輸送する、
ことを特徴とする請求項19に記載の触媒化炭化水素燃料の燃焼方法。
【請求項21】
上記第1および第2の流体の混合物に第3の流体を加えることを特徴とする請求項19に記載の触媒化炭化水素燃料の燃焼方法。
【請求項22】
上記第2の流体を上記触媒反応器に制御しながら導入することを特徴とする請求項19に記載の触媒化炭化水素燃料の燃焼方法。
【請求項23】
上記管断面の変化が、上記触媒反応器の出口に近接して存在することを特徴とする請求項19に記載の触媒化炭化水素燃料の燃焼方法。
【請求項1】
入口および出口と、ならびに内側面および外側面を有する管壁と、を備える管を備えるとともに、上記管が、上記管壁に近接して流れる流体の流れ特性を変化させるように、上記管の長さの少なくとも一部で、管断面が変化し、
上記管の少なくとも一部に配置された酸化触媒を備える、
ことを特徴とするタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項2】
上記管断面の変化によって、上記流体が上記管から出たときの乱流を促進するように、上記管内の上記流体の速度を変えることを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項3】
非周期的な管断面の変化によって、上記管壁を介して熱輸送が増大するように上記管壁のいずれかの側面の上記流体の流れを妨げることを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項4】
上記管断面の変化が、上記管壁の波状の輪郭を形成する一連のリブからなることを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項5】
上記管壁が、らせん状の溝部を有するとともに、上記管断面の変化が、上記管壁を含むらせん状の溝部の間隔の変化からなることを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項6】
上記管断面の変化が、上記管の中心軸に関して、上記管壁の厚みの変化からなることを特徴とする請求項5に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項7】
上記管断面の変化が、一連のフィンからなることを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項8】
上記管断面の変化が、波状の輪郭を形成するように、上記管のねじれ部からなることを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項9】
上記ねじれ部が、単位長さあたりのねじれの間隔が一定でないことを特徴とする請求項8に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項10】
上記ねじれ部が、2つのねじれ部を備えるとともに、一方のねじれ部が、上記管の中心軸に関して時計回りであり、他方のねじれ部が、上記管の中心軸に関して反時計回りであることを特徴とする請求項8に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項11】
上記管断面の変化が、上記管の少なくとも後側の約1/3の範囲に存在することを特徴とする請求項1に記載のタービン燃焼器の触媒反応器の触媒コンジット。
【請求項12】
入口および出口を備え、内部チャンバを画定するハウジングと、
このハウジングの上記内部チャンバ内に配置された複数の管と、を備え、各々の管が、
入口および出口、ならびに内側面および外側面を有する壁と、上記管の少なくとも一部に配置された酸化触媒と、を備えるとともに、
上記管が、上記管壁に近接して流れる流体の流れ特性を変化させる手段を備え、
上記管の内部が、第1の流路を形成し、上記管の外側面および上記内部チャンバが、出口ポートを備える第2の流路を形成するとともに、
上記複数の管の上記出口および上記出口ポートが、上記複数の管の上記出口から出た第1の流体が上記ハウジングの上記出口ポートから出た第2の流体と混合されるように近接配置される、
ことを特徴とする触媒反応器。
【請求項13】
上記酸化触媒が、上記複数の管の上記外側面に配置されることを特徴とする請求項12に記載の触媒反応器。
【請求項14】
上記酸化触媒が、上記複数の管の上記内側面に配置されることを特徴とする請求項12に記載の触媒反応器。
【請求項15】
上記流れ特性を変化させる手段が、上記管壁の厚みの変化による上記管断面の変化を備えることを特徴とする請求項12に記載の触媒反応器。
【請求項16】
上記流れ特性を変化させる手段が、らせん状に溝を有する管壁を備えることを特徴とする請求項12に記載の触媒反応器。
【請求項17】
上記流れ特性を変化させる手段が、上記管の全長の1/2より短い範囲に存在することを特徴とする請求項12に記載の触媒反応器。
【請求項18】
上記管壁の外側面に配置された一連のフィンを備えるとともに、
上記流れ特性を変化させる手段が、上記一連のフィン勾配の変化からなることを特徴とする請求項12に記載の触媒反応器。
【請求項19】
第1の流体および第2の流体を供給するとともに、これらの流体の少なくとも一方が、炭化水素燃料と空気流の混合物からなり、
触媒反応器の1つまたは複数の触媒管内に第1の流体を流し、
触媒反応器のチャンバ内に上記触媒管に近接して第2の流体を流し、
上記流体の一方の流れを変化させるように、上記管の少なくとも一部に、断面の変化を与え、
上記反応管を出る上記第1の流体の流れと上記第2の流体を混合し、
上記第1の流体および上記第2の流体の混合物を燃焼させる、
ことを特徴とする触媒化炭化水素燃料の燃焼方法。
【請求項20】
上記第1および第2の流体の一方の触媒反応熱の一部を抽出し、
この熱を、上記第1の流体または第2の流体の他方に輸送する、
ことを特徴とする請求項19に記載の触媒化炭化水素燃料の燃焼方法。
【請求項21】
上記第1および第2の流体の混合物に第3の流体を加えることを特徴とする請求項19に記載の触媒化炭化水素燃料の燃焼方法。
【請求項22】
上記第2の流体を上記触媒反応器に制御しながら導入することを特徴とする請求項19に記載の触媒化炭化水素燃料の燃焼方法。
【請求項23】
上記管断面の変化が、上記触媒反応器の出口に近接して存在することを特徴とする請求項19に記載の触媒化炭化水素燃料の燃焼方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【公開番号】特開2007−278690(P2007−278690A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102299(P2007−102299)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(590005449)ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション (581)
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(590005449)ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション (581)
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【Fターム(参考)】
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