ターボ分子ポンプ
【課題】真空チャンバーの漏れ(リーク)の有無を判定するためには、ターボ分子ポンプの稼働を停止させてリークディテクタを接続しなければならないので、余分な手間を招来するという問題があった。
【解決手段】モータ制御部84は、ブラシレスモータ6に供給する電流を一定値に維持する。タイマ89は、モータ制御部84により一定の電流値が維持されている期間中の時間を計測する。回転数センサ13は、モータ制御部84により一定の電流値が維持されている期間中のモータ回転速度を測定する。漏れ判定処理部86は、タイマ89により計測された時間と、回転数センサ13により測定された最大回転速度と最小回転速度との回転速度差とに基づいて、ターボ分子ポンプ吸気口側に接続されている真空チャンバー2の漏れ判定を行う。
【解決手段】モータ制御部84は、ブラシレスモータ6に供給する電流を一定値に維持する。タイマ89は、モータ制御部84により一定の電流値が維持されている期間中の時間を計測する。回転数センサ13は、モータ制御部84により一定の電流値が維持されている期間中のモータ回転速度を測定する。漏れ判定処理部86は、タイマ89により計測された時間と、回転数センサ13により測定された最大回転速度と最小回転速度との回転速度差とに基づいて、ターボ分子ポンプ吸気口側に接続されている真空チャンバー2の漏れ判定を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボ分子ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ターボ分子ポンプにより真空チャンバーを高真空にして成膜作業などを実施するにあたり、真空チャンバーのリークテストを行うためにはリークディテクタを用いることが必要であった。例えば、被試験体である真空チャンバーの内部を真空に排気し、被試験体の外部からヘリウムを吹き付けることにより、漏れ箇所より漏入したヘリウムを検出する真空吹き付け法が広く知られている(特許文献1)。同様に、ターボ分子ポンプ自体のリークテストを行う際にも、ヘリウムリークディテクタを用いて真空吹き付け法によるリークテストを行うことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−153750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、漏れ(リーク)の有無を判定するためには、ターボ分子ポンプの稼働を停止させてリークディテクタを接続しなければならないので、余分な手間を招来するだけでなく、製造コストおよび製造工数の増加が不可避であるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るターボ分子ポンプは、ブラシレスモータにより回転翼を固定翼に対して高速回転させるターボ分子ポンプにおいて、前記ブラシレスモータに供給する電流を所定の電流値に維持するモータ電流制御手段と、前記モータ電流制御手段により前記所定の電流値が維持されている期間中の時間を計測する計時手段と、前記モータ電流制御手段により前記所定の電流値が維持されている期間中のモータ回転速度を測定する回転測定手段と、前記計時手段により計測された時間と、前記回転測定手段により測定された最大回転速度と最小回転速度との回転速度差とに基づいて、ターボ分子ポンプ吸気口側に接続されている真空チャンバーの漏れ判定を行う判定手段とを備えているので、リークディテクタを用意することなくリークテストを行うことができる。
ここで、前記モータ電流制御手段は、前記ターボ分子ポンプが定格回転速度にあるとき、前記所定の電流値を零に設定することにより、前記判定手段による漏れ判定を行う構成とすることができる。
あるいは、前記モータ電流制御手段は、前記ターボ分子ポンプの回転立ち上げ動作途中において、前記ブラシレスモータに供給する電流を一定値に維持することにより、前記判定手段による漏れ判定を行う構成とすることができる。より具体的には、前記漏れ判定手段は、予め設定した時間内における回転速度差に基づいて漏れ判定を行うことができる。また、前記漏れ判定手段は、予め設定した回転速度差が前記回転測定手段により検出されたとき、前記計時手段により計測された時間に基づいて漏れ判定を行うこともできる。
さらに、前記真空チャンバーの替わりにターボ分子ポンプの吸気口遮蔽部材を装着し、前記判定手段は、前記ターボ分子ポンプ自身の漏れ判定を行う構成としてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、計時手段により計測された時間と、回転測定手段により測定された最大回転速度と最小回転速度との回転速度差とに基づいて、ターボ分子ポンプ吸気口側に接続されている真空チャンバーの漏れ判定を行う構成としてあるので、外部のリークディテクタを接続することなく真空チャンバーのリークテストを行うことができる。
本発明の一形態(請求項2)では、ターボ分子ポンプが定格回転速度にあるとき、ブラシレスモータに供給する電流値を零に設定することにより真空チャンバーの漏れ判定を行うので、成膜作業などが休止されている空き時間を利用して、リークディテクタ不要のリークテストを実行することができる。換言すると、ブラシレスモータの定格回転速度運転中にフリーラン状態として回転速度の低下状態を監視することにより、真空チャンバーで漏れが生じているか否かを判定することができる。
本発明の他の形態(請求項3,4,5)では、ターボ分子ポンプの回転立ち上げ動作途中においてブラシレスモータに供給する電流を一定値に維持することにより漏れ(リーク)の有無を判定するので、オペレータの熟練度に関わりなく、回転速度の増加状況に基づいた漏れ判定が可能となる。具体的には、予め設定した時間内における回転速度差に基づいて漏れ判定を行うか、あるいは、予め設定した回転速度差が回転測定手段により検出されたとき計時手段により計測された時間に基づいて漏れ判定を行うことができるので、実際に稼働させるシステムに応じて適宜選択することができる。
さらに本発明の他の形態(請求項6)では、真空チャンバーの替わりにターボ分子ポンプの吸気口遮蔽部材を装着することにより、ターボ分子ポンプ自身の漏れ判定を行うことができるので、外部のリークディテクタを接続することなく、ターボ分子ポンプの製造時あるいは保守作業中にリークテストを行うことができる。特に、定期的な保守作業中においても、配管・シール等のリークテストを簡易に実行することができるので、保守コストの低減および信頼性の増加を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明を適用したターボ分子ポンプおよびそのコントローラを含むシステムの全体構成図である。
【図2】ターボ分子ポンプ本体の詳細な断面構成図である。
【図3】実施の形態1において漏れ判定をするための原理を示した説明図である。
【図4】実施の形態1における制御手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態2において漏れ判定をするための原理を示した説明図である。
【図6】実施の形態2の動作を示す説明図である。
【図7】実施の形態2におけるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2におけるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】実施の形態3の動作を示す説明図である。
【図10】実施の形態3におけるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図11】実施の形態3におけるサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
<実施の形態1>
図1は、本発明を適用したターボ分子ポンプおよびそのコントローラを含むシステムの全体構成図である。本システムは、ターボ分子ポンプ本体1と、ターボ分子ポンプ本体1の吸気口側に接続されている真空チャンバー2と、ターボ分子ポンプ本体1を制御すると共に漏れ判定を行うコントローラ80を備えている。なお、ターボ分子ポンプ本体1の排気口側に接続してあるバックポンプは図示していない。
【0010】
真空チャンバー2の内部に設けた圧力センサ3からはチャンバー内圧力信号SG3が出力され、後に詳述する主制御部82に入力される。ターボ分子ポンプ本体1に内蔵されているブラシレスモータ6は、モータ制御部84から供給される電流により回転が制御される。ターボ分子ポンプの回転翼(後に、図2を参照して説明する)を駆動するブラシレスモータ6の回転数(rpm)は回転数センサ13により検出され、回転数信号SG13としてモータ制御部84および漏れ判定処理部86(後に、図3および図4を参照して説明する)に入力される。
【0011】
漏れ判定処理部86には、後にフローチャートとして説明する制御手順を記憶してあるプログラム記憶部87と、制御手順の実行中に得られるモータ回転数データ,タイマ時刻などを記憶しておくデータ記憶部88と、制御手順の実行中に起動されるタイマ89が接続されている。さらに、漏れ判定処理部86にはアラーム表示器92が接続されており、後に詳述するリークテストの結果として漏れが検出されたときには、オペレータにその旨を報知する。
【0012】
操作部90は、ポンプ制御に必要な指令およびパラメータ等をコントローラ80に入力することができる。また、図示しない外部入力端子を介して、記憶部86に記憶されている重み値を書き換えることも可能である。
【0013】
図2は、ターボ分子ポンプ本体1の詳細な断面構成図である。ポンプ本体1に設けられたケーシング20の内部には、モータ6により回転駆動される回転体4が設けられている。回転体4の素材にはアルミ合金が用いられ、回転体4には複数段のロータ翼21およびネジ溝部22が形成されている。回転体4の回転速度は、回転数センサ13により検出される。モータ温度は、モータ6内の所定位置(ステータ)に設置されたモータ温度センサ31により検出される。
【0014】
軸方向に配設された複数段のロータ翼21に対しては複数段のステータ翼23が交互に配設され、ネジ溝部22に対しては径方向に僅かな隙間を介して筒状部材24が配設されている。ロータ翼21およびステータ翼23は、タービン翼で構成されている。各ステータ翼23はスペーサ25によって所定の間隔に維持されており、最上段のスペーサ25の上端は、ケーシング20の上端内側に設けられた突起部分に当接している。ケーシング20をベース28に固定することにより、軸方向交互に重ねられたステータ翼23およびスペーサ25はケーシング20の上端部分とベース28との間に挟持される。
【0015】
モータ6により回転体4を高速回転すると、排気作用が生じる。その結果、吸気口側のガスが矢印G1のように排気され、排気口26に接続された補助ポンプ(図示せず)によってポンプ外へと排出される。
【0016】
ロータ翼21およびステータ翼23による排気作用は高真空側で有効に作用し、ネジ溝部22および筒状部材24による排気作用は低真空側で有効に作用するものであり、ガスの凝縮による生成物付着は低真空側においてより顕著に発生する。そこで、ポンプ本体のベース28にはヒータ29が設けられており、生成物が付着しやすいガスを排気する場合には、このヒータ29によりポンプ温度を上昇させて生成物の付着を抑制する。その際、冷却装置30による冷却とヒータ29による加熱とを制御してポンプ温度の制御を行う。冷却装置30は冷却水により冷却を行うものであり、電磁バルブ等により流量を調節することにより冷却効果の制御を行う。
【0017】
図2に示したターボ分子ポンプは5軸制御形磁気軸受ターボ分子ポンプであり、回転体4はラジアル磁気軸受を構成する電磁石51,52とアキシャル磁気軸受を構成する電磁石53とにより非接触支持される。回転体4の浮上位置はラジアル変位センサ71,72およびアキシャル変位センサ73によって検出される。27は非常用のメカニカルベアリングであり、磁気軸受が作動していない時にはメカニカルベアリング27により回転体4は支持される。
【0018】
図3は、実施の形態1において漏れ判定をするための原理を示した説明図である。本図は、ブラシレスモータ6を定格回転数で回転させている最中に、モータ電流を零(OFF)としたときのフリーラン状態を示している。すなわち、ターボ分子ポンプの回転体4は、その内部負荷に起因して、漏れがない正常時にでも一定の割合で回転数が低下していく(図3の実線参照)。ところが、真空チャンバー2に漏れが有る場合には、回転数の低下割合は正常時よりも大きくなってしまい、より短時間のうちに回転数が低下していく(図3の一点鎖線参照)。
【0019】
このように、ブラシレスモータ6が定格回転数を維持している最中にモータ電流をOFFすると(図3のt=0)、ある一定時間が経過した後(図3のt=t0)の回転数は、漏れが有ると正常時よりも大きく低下するので、回転数の低下量がある閾値を超えたときには漏れが存在していると判定することができる。
【0020】
図4に示すフローチャートは、図3に示した判定原理に基づいて、真空チャンバー2の漏れ判定を自動的に、漏れ判定処理部86で行うための制御手順を示している。先に述べた通り、図4に示してある制御手順は、プログラムの形態としてプログラム記憶部87(図1参照)に記憶されている。ステップS1では、ターボ分子ポンプ1が定格運転中であるか否か、すなわち、ブラシレスモータ6の回転速度が定格回転数(rpm)に達しているか否かを判定する。本実施の形態では、ブラシレスモータ6の回転速度が定格回転数(rpm)に達していることが前提となっているので、ステップS1において肯定判定が得られたとき、ステップS2に制御が移る。
【0021】
ステップS2では、オペレータにより、漏れチェックモードが設定されたか否かが判定される。漏れチェックモードを設定する際には、それまで行っていた作業を一時中断する必要があるので、漏れチェックモードが設定されるまでステップS2で待機する。漏れチェックモードは、操作部90を操作することにより、設定される。
【0022】
ステップS2において漏れチェックモードが設定されていると判定されたときには、ステップS3において、モータ電流をOFFにする。モータ電流は、モータ制御部84(図1参照)により制御される。次のステップS4では、モータ電流をOFFした時点におけるモータ回転数r0を測定し、その測定値(r0)をデータ記憶部88(図1参照)に記憶する。そして、タイマ89(図1参照)を起動する。タイマ89の起動時におけるタイマ計測時間tは、t=0である。
【0023】
ステップS6では、タイマ89による計測時間がt0に達するまで待機する。すなわち、タイマ計測時間tがt=t0になったときにステップS6を抜け出し、ステップS7において、モータ回転数r1を測定する。
【0024】
ステップS8では、データ記憶部88に記憶されているモータ回転数r0を読み出し、回転数の低下量Δr(Δr=r0−r1)が所定の閾値k(r0)を越えているか否かを判定する。(Δr=r0−r1)>k(r0)であると判定された場合(ステップS8:YES)には、モータ回転数の低下量が閾値以上であるので、真空チャンバー2に漏れが有ると判定して、アラーム発報を行う(ステップS9)。このアラーム発報は、アラーム表示器92(図1参照)を介してオペレータに報知される。
【0025】
−実施の形態1による作用・効果−
本実施の形態によれば、以下のような作用・効果を奏することができる。
(1)ブラシレスモータ6により回転翼を固定翼に対して高速回転させるターボ分子ポンプ1において、ブラシレスモータ6に供給する電流の電流値を零に維持するモータ制御部84と、モータ制御部84により電流値が零に維持されている期間中の時間を計測するタイマ89と、モータ制御部84により電流値が零に維持されている期間中のモータ回転速度を測定する回転数センサ13と、タイマ89により所定の時間が計測されたとき、回転数センサ13により測定された最大回転速度と最小回転速度との回転速度差Δrとに基づいて、ターボ分子ポンプ吸気口側に接続されている真空チャンバー2の漏れ判定を行う漏れ判定処理部86とを備えているので、外部のリークディテクタを接続することなく真空チャンバー2のリークテストを行うことができる。
【0026】
(2)ターボ分子ポンプが定格回転速度にあるとき、ブラシレスモータ6に供給する電流値を零に設定することにより真空チャンバーの漏れ判定を行うので、成膜作業などが休止されている空き時間を利用して、リークディテクタ不要のリークテストを実行することができる。すなわち、ブラシレスモータ6の定格回転速度運転中にフリーラン状態として回転速度の低下状態を監視することにより、真空チャンバー2で漏れが生じているか否かを自動的に判定することができる。
【0027】
<実施の形態2>
上述した実施の形態1では、モータ電流を零に設定する場合(モータ電流OFF)について説明したが、以下に述べる実施の形態2では、モータ電流を所定の電流値(すなわち、零以外の固定電流値)に維持する場合について説明する。実施の形態2においても、図1と同じブロック構成を用いるので、説明は省略する。
【0028】
図5は、実施の形態2において漏れ判定をするための原理を示した説明図である。本図は、ターボ分子ポンプの回転体4が静止浮上状態から加速をする際に、モータ電流を一定としたときの回転数の時間変化例を示している。図5の一点鎖線で示すように、真空チャンバー2に漏れが有る場合には正常時よりも回転数の上昇が遅くなるので、実施の形態2では、回転数の上昇程度をモニタすることにより漏れの有無を判定している。
【0029】
図6は、上記の漏れ判定原理に基づく漏れ判定動作をより具体的に説明した図である。本図において、t=0とは、ターボ分子ポンプの回転体4が静止浮上状態から加速を開始した時刻である。ブラシレスモータ6が定格回転速度に達する加速途中のある時点(t=t1)で、モータ電流を固定値に維持する。その後、所定の時間が経過するまで(すなわち、t=t2となるまで)、モータ電流を固定値に維持したままにする。すると、図6の一点鎖線で示すように、漏れが有る場合には回転数(rpm)の上昇量Δr0が、漏れの無い場合の上昇量Δr1に比べて小さくなる。そこで、回転数(rpm)の上昇量Δrが所定の閾値より小さいときには、漏れが生じていると判定することができる。
【0030】
図7に示すフローチャートは、図6に示した漏れ判定原理に基づいて、真空チャンバー2の漏れ判定を漏れ判定処理部86(図1参照)で自動的に行うためのメインルーチンを示している。図8は、図7に示したステップS33(漏れ判定ルーチン)を示すフローチャートである。これら図7および図8に示してある制御手順は、プログラムの形態としてプログラム記憶部87(図1参照)に記憶されている。
【0031】
ステップS30ではチャンバー内圧力が規定値に達したことを確認し、ステップS31では回転体4を静止浮上状態にして加速制御を開始する。ステップS32では、加速制御開始と同時にタイマ89(図1参照)を起動させてカウントを開始する。ステップS33では、図8に示す漏れ判定ルーチン(サブルーチン)を実行する。この漏れ判定サブルーチンでは、後に説明するように漏れの有無を判定し、漏れが有ると判定された場合にはアラームを発報する。ステップS34では、漏れ判定サブルーチン(ステップS33)においてアラームが発報されたか否かを判定する。そして、アラームの発報が無いと判定された場合(ステップS34:NO)には、ステップS35において、ブラシレスモータ6が定格回転数(rpm)に達しているか否かを判定する。定格回転数に達していないとき(ステップS35:NO)には、ステップS31に戻って加速制御を継続し、ステップS32においてタイマ89でのカウントを継続する。以下、ステップS33〜S35を同様に実行する。
【0032】
ステップS34においてアラームが発報されたと判定された場合(ステップS34:YES)、および、ステップS35において定格回転数(rpm)に達したと判定された場合(ステップS35:YES)には、ステップS36においてタイマ89のカウント動作を停止させ、そのカウント値を0にリセットする。
【0033】
図8に示す漏れ判定サブルーチンのステップS41では、タイマ89のカウント値tを読み込む。ステップS42では、そのタイマカウント値tがt≧t1であるか否かを判定する。すなわち、加速制御を開始してからt1が経過しているか否かを判定する。このt1は、図6に示したt1と同じである。ステップS42において、tが未だt1に達していないと判定された場合には(ステップS42:NO)、この漏れ判定サブルーチンを抜け出して、メインルーチン(図7)にリターンする。
【0034】
ステップS42においてタイマカウント値tがt≧t1であると判定された場合(ステップS42:YES)には、加速制御を開始してからの経過時間tがt1≦t≦t2である期間中(ステップS43:YES。図6参照)、ステップS44,ステップS45,ステップS46を繰り返し実行する。すなわち、ステップS44ではモータ電流値を一定の値に固定し、ステップS45ではブラシレスモータの回転数(r)を検出し、ステップS46ではその回転数(r)をデータ記憶部88(図1参照)に記憶させる。
【0035】
その後、加速制御を開始してからの経過時間tがt2を越した場合には、ステップS47に制御を移す。ステップS47では、データ記憶部88から最小回転数r1および最大回転数r2を読み出し、Δr=r2−r1を算出する。
【0036】
ステップS48では、漏れの有無判定を行うために、Δr>RRであるか否かを判定する。ここで、RRは予め設定してある閾値である。その結果、Δr>RRであると判定された場合(ステップS48:YES)には漏れが無いと判定してメインルーチンへリターンする。他方、Δr>RRでないと判定された場合(ステップS48:NO)には、ステップS49においてアラームの発報を行い、メインルーチンへリターンする。
【0037】
−実施の形態2による作用・効果−
本実施の形態によれば、以下のような作用・効果を奏することができる。
(1)ターボ分子ポンプの回転立ち上げ動作途中においてブラシレスモータ6に供給する電流を一定値に維持することにより漏れ(リーク)の有無を判定しているので、オペレータの熟練度に関わりなく、回転速度の増加状況に基づいた漏れ判定が可能となる。
(2)具体的には、予め設定した時間内における回転速度差に基づいて、自動的に漏れ判定を行うことができる。
【0038】
<実施の形態3>
上述した実施の形態2では、予め設定した時間内における回転速度差に基づいて漏れ判定を行ったが、以下に述べる実施の形態3では、予め設定した回転速度差が回転数センサ13により検出されたとき、タイマ89により計測された時間に基づいて漏れ判定を行うものである。実施の形態3においても、図1と同じブロック構成を用いるので、説明は省略する。
【0039】
図9は、実施の形態3において漏れ判定をするための原理を示した説明図である。本図は、ターボ分子ポンプの回転体4が静止浮上状態から定格速度まで加速する途中、モータ回転数がr1(rpm)からr2(rpm)に達する間にモータ電流を一定としたときの時間変化例を示している。図9の一点鎖線で示すように、真空チャンバー2に漏れが有る場合には正常時(Δt1)よりも余分な時間(Δt2)がかかるので、タイマ89のカウント値と所定の閾値とを比較することにより漏れの有無を判定することができる。
【0040】
図10に示すフローチャートは、図9に示した漏れ判定原理に基づいて、真空チャンバー2の漏れ判定を漏れ判定処理部86(図1参照)で自動的に行うためのメインルーチンを示している。図11は、図10に示したステップS62(漏れ判定ルーチン)を示すフローチャートである。これら図10および図11に示してある制御手順は、プログラムの形態としてプログラム記憶部87(図1参照)に記憶されている。
【0041】
ステップS60ではチャンバー内圧力が規定値に達したことを確認し、ステップS61では回転体4を静止浮上状態にして加速制御を開始する。ステップS62では、図11に示す漏れ判定ルーチン(サブルーチン)を実行する。この漏れ判定サブルーチンでは、後に説明するように漏れの有無を判定し、漏れが有ると判定された場合にはアラームを発報する。ステップS63では、漏れ判定サブルーチン(ステップS62)においてアラームが発報されたか否かを判定する。そして、アラームの発報が無いと判定された場合(ステップS63:NO)には、ステップS64においてブラシレスモータ6が定格回転数(rpm)に達しているか否かを判定する。定格回転数に達していないとき(ステップS64:NO)には、ステップS61に戻って加速制御を継続し、以下、ステップS62〜S64を同様に実行する。
【0042】
図11に示す漏れ判定サブルーチンのステップS71では、回転数センサ13により回転数rを検出し、r≧r1であるか否かを判定する。このr1は、図9のr1と同じである。ステップS71において肯定判定がなされたときには、ステップS72において、ブラシレスモータ6の回転数r(rpm)がr1≦r≦r2の範囲内にあるか否かを判定する。ステップS72において肯定判定がなされたときには、ステップS73においてモータ電流を一定の固定値に設定し、ステップS74においてタイマ89の起動(または、タイマカウントの継続)を行う。
【0043】
ブラシレスモータ6の回転数r(rpm)がr1≦r≦r2の範囲を越えたときには、ステップS75において否定判定がなされるので、ステップS75において、タイマ89のカウントを停止させる。
【0044】
ステップS76では、タイマカウント値Δtを読み出す。このタイマカウント値は、図9のΔt1またはΔt2に相当する。換言すると、タイマカウント値Δtは、ブラシレスモータ6の回転数r(rpm)がr1≦r≦r2の範囲であった時間を表している。そこで、ステップS77では、漏れの有無を判定するために、Δt>TRであるか否かを判定する。ここで、TRは、予め設定してある閾値である。その結果、Δt>TRでないと判定された場合(ステップS77:NO)には、漏れがないと判定してメインルーチンへリターンする。他方、Δt>TRであると判定された場合(ステップS77:YES)には、ステップS78においてアラームの発報を行い、メインルーチンへリターンする。
【0045】
−実施の形態3による作用・効果−
本実施の形態によれば、以下のような作用・効果を奏することができる。
(1)実施の形態2と同じく、ターボ分子ポンプの回転立ち上げ動作途中においてブラシレスモータ6に供給する電流を一定値に維持することにより漏れ(リーク)の有無を判定しているので、オペレータの熟練度に関わりなく、回転速度の増加状況に基づいた漏れ判定が可能となる。
(2)具体的には、予め設定した回転速度差が回転数センサ13により検出されたときタイマ89により計測された時間(Δt)に基づいて漏れ判定を行うことができるので、実際に稼働させるシステムに応じて、実施の形態2を選択するか、あるいは実施の形態3を選択することができる。
【0046】
<その他の変形例>
(1)実施の形態2および実施の形態3では、定格回転速度に達する途中に、1回だけ漏れ判定を行っているが、複数回の漏れ判定を行うことも有用である。すなわち、低い回転数区間で漏れがあると判定されれば、漏れの程度が大きく、高い回転数区間で初めて漏れがあると判定されれば、漏れの程度は小さいと判断することができる。
【0047】
(2)実施の形態1〜実施の形態3では、真空チャンバー2の漏れ判定を行っているが、この真空チャンバー2の替わりに、ターボ分子ポンプの吸気口遮蔽部材(図示せず)を装着することができる。このことにより、ターボ分子ポンプ自身の漏れ判定を行うことができるので、外部のリークディテクタを接続することなく、ターボ分子ポンプの製造時あるいは保守作業中にリークテストを行うことができる。特に、定期的な保守作業中においても、配管・シール等のリークテストを簡易に実行することができるので、保守コストの低減および信頼性の増加を図ることができる。
【0048】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上述した実施の形態および変形例に限定されるものではない。
実施の形態と変形例の一つとを組み合わせること、もしくは、実施の形態と変形例の複数とを組み合わせることも可能である。
変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
さらに、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 ターボ分子ポンプ本体
2 真空チャンバー
6 ブラシレスモータ
13 回転数センサ
80 コントローラ
82 主制御部
84 モータ制御部
86 漏れ判定処理部
87 プログラム記憶部
88 データ記憶部
89 タイマ
90 操作部
92 アラーム表示器
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボ分子ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ターボ分子ポンプにより真空チャンバーを高真空にして成膜作業などを実施するにあたり、真空チャンバーのリークテストを行うためにはリークディテクタを用いることが必要であった。例えば、被試験体である真空チャンバーの内部を真空に排気し、被試験体の外部からヘリウムを吹き付けることにより、漏れ箇所より漏入したヘリウムを検出する真空吹き付け法が広く知られている(特許文献1)。同様に、ターボ分子ポンプ自体のリークテストを行う際にも、ヘリウムリークディテクタを用いて真空吹き付け法によるリークテストを行うことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−153750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、漏れ(リーク)の有無を判定するためには、ターボ分子ポンプの稼働を停止させてリークディテクタを接続しなければならないので、余分な手間を招来するだけでなく、製造コストおよび製造工数の増加が不可避であるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るターボ分子ポンプは、ブラシレスモータにより回転翼を固定翼に対して高速回転させるターボ分子ポンプにおいて、前記ブラシレスモータに供給する電流を所定の電流値に維持するモータ電流制御手段と、前記モータ電流制御手段により前記所定の電流値が維持されている期間中の時間を計測する計時手段と、前記モータ電流制御手段により前記所定の電流値が維持されている期間中のモータ回転速度を測定する回転測定手段と、前記計時手段により計測された時間と、前記回転測定手段により測定された最大回転速度と最小回転速度との回転速度差とに基づいて、ターボ分子ポンプ吸気口側に接続されている真空チャンバーの漏れ判定を行う判定手段とを備えているので、リークディテクタを用意することなくリークテストを行うことができる。
ここで、前記モータ電流制御手段は、前記ターボ分子ポンプが定格回転速度にあるとき、前記所定の電流値を零に設定することにより、前記判定手段による漏れ判定を行う構成とすることができる。
あるいは、前記モータ電流制御手段は、前記ターボ分子ポンプの回転立ち上げ動作途中において、前記ブラシレスモータに供給する電流を一定値に維持することにより、前記判定手段による漏れ判定を行う構成とすることができる。より具体的には、前記漏れ判定手段は、予め設定した時間内における回転速度差に基づいて漏れ判定を行うことができる。また、前記漏れ判定手段は、予め設定した回転速度差が前記回転測定手段により検出されたとき、前記計時手段により計測された時間に基づいて漏れ判定を行うこともできる。
さらに、前記真空チャンバーの替わりにターボ分子ポンプの吸気口遮蔽部材を装着し、前記判定手段は、前記ターボ分子ポンプ自身の漏れ判定を行う構成としてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、計時手段により計測された時間と、回転測定手段により測定された最大回転速度と最小回転速度との回転速度差とに基づいて、ターボ分子ポンプ吸気口側に接続されている真空チャンバーの漏れ判定を行う構成としてあるので、外部のリークディテクタを接続することなく真空チャンバーのリークテストを行うことができる。
本発明の一形態(請求項2)では、ターボ分子ポンプが定格回転速度にあるとき、ブラシレスモータに供給する電流値を零に設定することにより真空チャンバーの漏れ判定を行うので、成膜作業などが休止されている空き時間を利用して、リークディテクタ不要のリークテストを実行することができる。換言すると、ブラシレスモータの定格回転速度運転中にフリーラン状態として回転速度の低下状態を監視することにより、真空チャンバーで漏れが生じているか否かを判定することができる。
本発明の他の形態(請求項3,4,5)では、ターボ分子ポンプの回転立ち上げ動作途中においてブラシレスモータに供給する電流を一定値に維持することにより漏れ(リーク)の有無を判定するので、オペレータの熟練度に関わりなく、回転速度の増加状況に基づいた漏れ判定が可能となる。具体的には、予め設定した時間内における回転速度差に基づいて漏れ判定を行うか、あるいは、予め設定した回転速度差が回転測定手段により検出されたとき計時手段により計測された時間に基づいて漏れ判定を行うことができるので、実際に稼働させるシステムに応じて適宜選択することができる。
さらに本発明の他の形態(請求項6)では、真空チャンバーの替わりにターボ分子ポンプの吸気口遮蔽部材を装着することにより、ターボ分子ポンプ自身の漏れ判定を行うことができるので、外部のリークディテクタを接続することなく、ターボ分子ポンプの製造時あるいは保守作業中にリークテストを行うことができる。特に、定期的な保守作業中においても、配管・シール等のリークテストを簡易に実行することができるので、保守コストの低減および信頼性の増加を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明を適用したターボ分子ポンプおよびそのコントローラを含むシステムの全体構成図である。
【図2】ターボ分子ポンプ本体の詳細な断面構成図である。
【図3】実施の形態1において漏れ判定をするための原理を示した説明図である。
【図4】実施の形態1における制御手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態2において漏れ判定をするための原理を示した説明図である。
【図6】実施の形態2の動作を示す説明図である。
【図7】実施の形態2におけるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2におけるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】実施の形態3の動作を示す説明図である。
【図10】実施の形態3におけるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図11】実施の形態3におけるサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
<実施の形態1>
図1は、本発明を適用したターボ分子ポンプおよびそのコントローラを含むシステムの全体構成図である。本システムは、ターボ分子ポンプ本体1と、ターボ分子ポンプ本体1の吸気口側に接続されている真空チャンバー2と、ターボ分子ポンプ本体1を制御すると共に漏れ判定を行うコントローラ80を備えている。なお、ターボ分子ポンプ本体1の排気口側に接続してあるバックポンプは図示していない。
【0010】
真空チャンバー2の内部に設けた圧力センサ3からはチャンバー内圧力信号SG3が出力され、後に詳述する主制御部82に入力される。ターボ分子ポンプ本体1に内蔵されているブラシレスモータ6は、モータ制御部84から供給される電流により回転が制御される。ターボ分子ポンプの回転翼(後に、図2を参照して説明する)を駆動するブラシレスモータ6の回転数(rpm)は回転数センサ13により検出され、回転数信号SG13としてモータ制御部84および漏れ判定処理部86(後に、図3および図4を参照して説明する)に入力される。
【0011】
漏れ判定処理部86には、後にフローチャートとして説明する制御手順を記憶してあるプログラム記憶部87と、制御手順の実行中に得られるモータ回転数データ,タイマ時刻などを記憶しておくデータ記憶部88と、制御手順の実行中に起動されるタイマ89が接続されている。さらに、漏れ判定処理部86にはアラーム表示器92が接続されており、後に詳述するリークテストの結果として漏れが検出されたときには、オペレータにその旨を報知する。
【0012】
操作部90は、ポンプ制御に必要な指令およびパラメータ等をコントローラ80に入力することができる。また、図示しない外部入力端子を介して、記憶部86に記憶されている重み値を書き換えることも可能である。
【0013】
図2は、ターボ分子ポンプ本体1の詳細な断面構成図である。ポンプ本体1に設けられたケーシング20の内部には、モータ6により回転駆動される回転体4が設けられている。回転体4の素材にはアルミ合金が用いられ、回転体4には複数段のロータ翼21およびネジ溝部22が形成されている。回転体4の回転速度は、回転数センサ13により検出される。モータ温度は、モータ6内の所定位置(ステータ)に設置されたモータ温度センサ31により検出される。
【0014】
軸方向に配設された複数段のロータ翼21に対しては複数段のステータ翼23が交互に配設され、ネジ溝部22に対しては径方向に僅かな隙間を介して筒状部材24が配設されている。ロータ翼21およびステータ翼23は、タービン翼で構成されている。各ステータ翼23はスペーサ25によって所定の間隔に維持されており、最上段のスペーサ25の上端は、ケーシング20の上端内側に設けられた突起部分に当接している。ケーシング20をベース28に固定することにより、軸方向交互に重ねられたステータ翼23およびスペーサ25はケーシング20の上端部分とベース28との間に挟持される。
【0015】
モータ6により回転体4を高速回転すると、排気作用が生じる。その結果、吸気口側のガスが矢印G1のように排気され、排気口26に接続された補助ポンプ(図示せず)によってポンプ外へと排出される。
【0016】
ロータ翼21およびステータ翼23による排気作用は高真空側で有効に作用し、ネジ溝部22および筒状部材24による排気作用は低真空側で有効に作用するものであり、ガスの凝縮による生成物付着は低真空側においてより顕著に発生する。そこで、ポンプ本体のベース28にはヒータ29が設けられており、生成物が付着しやすいガスを排気する場合には、このヒータ29によりポンプ温度を上昇させて生成物の付着を抑制する。その際、冷却装置30による冷却とヒータ29による加熱とを制御してポンプ温度の制御を行う。冷却装置30は冷却水により冷却を行うものであり、電磁バルブ等により流量を調節することにより冷却効果の制御を行う。
【0017】
図2に示したターボ分子ポンプは5軸制御形磁気軸受ターボ分子ポンプであり、回転体4はラジアル磁気軸受を構成する電磁石51,52とアキシャル磁気軸受を構成する電磁石53とにより非接触支持される。回転体4の浮上位置はラジアル変位センサ71,72およびアキシャル変位センサ73によって検出される。27は非常用のメカニカルベアリングであり、磁気軸受が作動していない時にはメカニカルベアリング27により回転体4は支持される。
【0018】
図3は、実施の形態1において漏れ判定をするための原理を示した説明図である。本図は、ブラシレスモータ6を定格回転数で回転させている最中に、モータ電流を零(OFF)としたときのフリーラン状態を示している。すなわち、ターボ分子ポンプの回転体4は、その内部負荷に起因して、漏れがない正常時にでも一定の割合で回転数が低下していく(図3の実線参照)。ところが、真空チャンバー2に漏れが有る場合には、回転数の低下割合は正常時よりも大きくなってしまい、より短時間のうちに回転数が低下していく(図3の一点鎖線参照)。
【0019】
このように、ブラシレスモータ6が定格回転数を維持している最中にモータ電流をOFFすると(図3のt=0)、ある一定時間が経過した後(図3のt=t0)の回転数は、漏れが有ると正常時よりも大きく低下するので、回転数の低下量がある閾値を超えたときには漏れが存在していると判定することができる。
【0020】
図4に示すフローチャートは、図3に示した判定原理に基づいて、真空チャンバー2の漏れ判定を自動的に、漏れ判定処理部86で行うための制御手順を示している。先に述べた通り、図4に示してある制御手順は、プログラムの形態としてプログラム記憶部87(図1参照)に記憶されている。ステップS1では、ターボ分子ポンプ1が定格運転中であるか否か、すなわち、ブラシレスモータ6の回転速度が定格回転数(rpm)に達しているか否かを判定する。本実施の形態では、ブラシレスモータ6の回転速度が定格回転数(rpm)に達していることが前提となっているので、ステップS1において肯定判定が得られたとき、ステップS2に制御が移る。
【0021】
ステップS2では、オペレータにより、漏れチェックモードが設定されたか否かが判定される。漏れチェックモードを設定する際には、それまで行っていた作業を一時中断する必要があるので、漏れチェックモードが設定されるまでステップS2で待機する。漏れチェックモードは、操作部90を操作することにより、設定される。
【0022】
ステップS2において漏れチェックモードが設定されていると判定されたときには、ステップS3において、モータ電流をOFFにする。モータ電流は、モータ制御部84(図1参照)により制御される。次のステップS4では、モータ電流をOFFした時点におけるモータ回転数r0を測定し、その測定値(r0)をデータ記憶部88(図1参照)に記憶する。そして、タイマ89(図1参照)を起動する。タイマ89の起動時におけるタイマ計測時間tは、t=0である。
【0023】
ステップS6では、タイマ89による計測時間がt0に達するまで待機する。すなわち、タイマ計測時間tがt=t0になったときにステップS6を抜け出し、ステップS7において、モータ回転数r1を測定する。
【0024】
ステップS8では、データ記憶部88に記憶されているモータ回転数r0を読み出し、回転数の低下量Δr(Δr=r0−r1)が所定の閾値k(r0)を越えているか否かを判定する。(Δr=r0−r1)>k(r0)であると判定された場合(ステップS8:YES)には、モータ回転数の低下量が閾値以上であるので、真空チャンバー2に漏れが有ると判定して、アラーム発報を行う(ステップS9)。このアラーム発報は、アラーム表示器92(図1参照)を介してオペレータに報知される。
【0025】
−実施の形態1による作用・効果−
本実施の形態によれば、以下のような作用・効果を奏することができる。
(1)ブラシレスモータ6により回転翼を固定翼に対して高速回転させるターボ分子ポンプ1において、ブラシレスモータ6に供給する電流の電流値を零に維持するモータ制御部84と、モータ制御部84により電流値が零に維持されている期間中の時間を計測するタイマ89と、モータ制御部84により電流値が零に維持されている期間中のモータ回転速度を測定する回転数センサ13と、タイマ89により所定の時間が計測されたとき、回転数センサ13により測定された最大回転速度と最小回転速度との回転速度差Δrとに基づいて、ターボ分子ポンプ吸気口側に接続されている真空チャンバー2の漏れ判定を行う漏れ判定処理部86とを備えているので、外部のリークディテクタを接続することなく真空チャンバー2のリークテストを行うことができる。
【0026】
(2)ターボ分子ポンプが定格回転速度にあるとき、ブラシレスモータ6に供給する電流値を零に設定することにより真空チャンバーの漏れ判定を行うので、成膜作業などが休止されている空き時間を利用して、リークディテクタ不要のリークテストを実行することができる。すなわち、ブラシレスモータ6の定格回転速度運転中にフリーラン状態として回転速度の低下状態を監視することにより、真空チャンバー2で漏れが生じているか否かを自動的に判定することができる。
【0027】
<実施の形態2>
上述した実施の形態1では、モータ電流を零に設定する場合(モータ電流OFF)について説明したが、以下に述べる実施の形態2では、モータ電流を所定の電流値(すなわち、零以外の固定電流値)に維持する場合について説明する。実施の形態2においても、図1と同じブロック構成を用いるので、説明は省略する。
【0028】
図5は、実施の形態2において漏れ判定をするための原理を示した説明図である。本図は、ターボ分子ポンプの回転体4が静止浮上状態から加速をする際に、モータ電流を一定としたときの回転数の時間変化例を示している。図5の一点鎖線で示すように、真空チャンバー2に漏れが有る場合には正常時よりも回転数の上昇が遅くなるので、実施の形態2では、回転数の上昇程度をモニタすることにより漏れの有無を判定している。
【0029】
図6は、上記の漏れ判定原理に基づく漏れ判定動作をより具体的に説明した図である。本図において、t=0とは、ターボ分子ポンプの回転体4が静止浮上状態から加速を開始した時刻である。ブラシレスモータ6が定格回転速度に達する加速途中のある時点(t=t1)で、モータ電流を固定値に維持する。その後、所定の時間が経過するまで(すなわち、t=t2となるまで)、モータ電流を固定値に維持したままにする。すると、図6の一点鎖線で示すように、漏れが有る場合には回転数(rpm)の上昇量Δr0が、漏れの無い場合の上昇量Δr1に比べて小さくなる。そこで、回転数(rpm)の上昇量Δrが所定の閾値より小さいときには、漏れが生じていると判定することができる。
【0030】
図7に示すフローチャートは、図6に示した漏れ判定原理に基づいて、真空チャンバー2の漏れ判定を漏れ判定処理部86(図1参照)で自動的に行うためのメインルーチンを示している。図8は、図7に示したステップS33(漏れ判定ルーチン)を示すフローチャートである。これら図7および図8に示してある制御手順は、プログラムの形態としてプログラム記憶部87(図1参照)に記憶されている。
【0031】
ステップS30ではチャンバー内圧力が規定値に達したことを確認し、ステップS31では回転体4を静止浮上状態にして加速制御を開始する。ステップS32では、加速制御開始と同時にタイマ89(図1参照)を起動させてカウントを開始する。ステップS33では、図8に示す漏れ判定ルーチン(サブルーチン)を実行する。この漏れ判定サブルーチンでは、後に説明するように漏れの有無を判定し、漏れが有ると判定された場合にはアラームを発報する。ステップS34では、漏れ判定サブルーチン(ステップS33)においてアラームが発報されたか否かを判定する。そして、アラームの発報が無いと判定された場合(ステップS34:NO)には、ステップS35において、ブラシレスモータ6が定格回転数(rpm)に達しているか否かを判定する。定格回転数に達していないとき(ステップS35:NO)には、ステップS31に戻って加速制御を継続し、ステップS32においてタイマ89でのカウントを継続する。以下、ステップS33〜S35を同様に実行する。
【0032】
ステップS34においてアラームが発報されたと判定された場合(ステップS34:YES)、および、ステップS35において定格回転数(rpm)に達したと判定された場合(ステップS35:YES)には、ステップS36においてタイマ89のカウント動作を停止させ、そのカウント値を0にリセットする。
【0033】
図8に示す漏れ判定サブルーチンのステップS41では、タイマ89のカウント値tを読み込む。ステップS42では、そのタイマカウント値tがt≧t1であるか否かを判定する。すなわち、加速制御を開始してからt1が経過しているか否かを判定する。このt1は、図6に示したt1と同じである。ステップS42において、tが未だt1に達していないと判定された場合には(ステップS42:NO)、この漏れ判定サブルーチンを抜け出して、メインルーチン(図7)にリターンする。
【0034】
ステップS42においてタイマカウント値tがt≧t1であると判定された場合(ステップS42:YES)には、加速制御を開始してからの経過時間tがt1≦t≦t2である期間中(ステップS43:YES。図6参照)、ステップS44,ステップS45,ステップS46を繰り返し実行する。すなわち、ステップS44ではモータ電流値を一定の値に固定し、ステップS45ではブラシレスモータの回転数(r)を検出し、ステップS46ではその回転数(r)をデータ記憶部88(図1参照)に記憶させる。
【0035】
その後、加速制御を開始してからの経過時間tがt2を越した場合には、ステップS47に制御を移す。ステップS47では、データ記憶部88から最小回転数r1および最大回転数r2を読み出し、Δr=r2−r1を算出する。
【0036】
ステップS48では、漏れの有無判定を行うために、Δr>RRであるか否かを判定する。ここで、RRは予め設定してある閾値である。その結果、Δr>RRであると判定された場合(ステップS48:YES)には漏れが無いと判定してメインルーチンへリターンする。他方、Δr>RRでないと判定された場合(ステップS48:NO)には、ステップS49においてアラームの発報を行い、メインルーチンへリターンする。
【0037】
−実施の形態2による作用・効果−
本実施の形態によれば、以下のような作用・効果を奏することができる。
(1)ターボ分子ポンプの回転立ち上げ動作途中においてブラシレスモータ6に供給する電流を一定値に維持することにより漏れ(リーク)の有無を判定しているので、オペレータの熟練度に関わりなく、回転速度の増加状況に基づいた漏れ判定が可能となる。
(2)具体的には、予め設定した時間内における回転速度差に基づいて、自動的に漏れ判定を行うことができる。
【0038】
<実施の形態3>
上述した実施の形態2では、予め設定した時間内における回転速度差に基づいて漏れ判定を行ったが、以下に述べる実施の形態3では、予め設定した回転速度差が回転数センサ13により検出されたとき、タイマ89により計測された時間に基づいて漏れ判定を行うものである。実施の形態3においても、図1と同じブロック構成を用いるので、説明は省略する。
【0039】
図9は、実施の形態3において漏れ判定をするための原理を示した説明図である。本図は、ターボ分子ポンプの回転体4が静止浮上状態から定格速度まで加速する途中、モータ回転数がr1(rpm)からr2(rpm)に達する間にモータ電流を一定としたときの時間変化例を示している。図9の一点鎖線で示すように、真空チャンバー2に漏れが有る場合には正常時(Δt1)よりも余分な時間(Δt2)がかかるので、タイマ89のカウント値と所定の閾値とを比較することにより漏れの有無を判定することができる。
【0040】
図10に示すフローチャートは、図9に示した漏れ判定原理に基づいて、真空チャンバー2の漏れ判定を漏れ判定処理部86(図1参照)で自動的に行うためのメインルーチンを示している。図11は、図10に示したステップS62(漏れ判定ルーチン)を示すフローチャートである。これら図10および図11に示してある制御手順は、プログラムの形態としてプログラム記憶部87(図1参照)に記憶されている。
【0041】
ステップS60ではチャンバー内圧力が規定値に達したことを確認し、ステップS61では回転体4を静止浮上状態にして加速制御を開始する。ステップS62では、図11に示す漏れ判定ルーチン(サブルーチン)を実行する。この漏れ判定サブルーチンでは、後に説明するように漏れの有無を判定し、漏れが有ると判定された場合にはアラームを発報する。ステップS63では、漏れ判定サブルーチン(ステップS62)においてアラームが発報されたか否かを判定する。そして、アラームの発報が無いと判定された場合(ステップS63:NO)には、ステップS64においてブラシレスモータ6が定格回転数(rpm)に達しているか否かを判定する。定格回転数に達していないとき(ステップS64:NO)には、ステップS61に戻って加速制御を継続し、以下、ステップS62〜S64を同様に実行する。
【0042】
図11に示す漏れ判定サブルーチンのステップS71では、回転数センサ13により回転数rを検出し、r≧r1であるか否かを判定する。このr1は、図9のr1と同じである。ステップS71において肯定判定がなされたときには、ステップS72において、ブラシレスモータ6の回転数r(rpm)がr1≦r≦r2の範囲内にあるか否かを判定する。ステップS72において肯定判定がなされたときには、ステップS73においてモータ電流を一定の固定値に設定し、ステップS74においてタイマ89の起動(または、タイマカウントの継続)を行う。
【0043】
ブラシレスモータ6の回転数r(rpm)がr1≦r≦r2の範囲を越えたときには、ステップS75において否定判定がなされるので、ステップS75において、タイマ89のカウントを停止させる。
【0044】
ステップS76では、タイマカウント値Δtを読み出す。このタイマカウント値は、図9のΔt1またはΔt2に相当する。換言すると、タイマカウント値Δtは、ブラシレスモータ6の回転数r(rpm)がr1≦r≦r2の範囲であった時間を表している。そこで、ステップS77では、漏れの有無を判定するために、Δt>TRであるか否かを判定する。ここで、TRは、予め設定してある閾値である。その結果、Δt>TRでないと判定された場合(ステップS77:NO)には、漏れがないと判定してメインルーチンへリターンする。他方、Δt>TRであると判定された場合(ステップS77:YES)には、ステップS78においてアラームの発報を行い、メインルーチンへリターンする。
【0045】
−実施の形態3による作用・効果−
本実施の形態によれば、以下のような作用・効果を奏することができる。
(1)実施の形態2と同じく、ターボ分子ポンプの回転立ち上げ動作途中においてブラシレスモータ6に供給する電流を一定値に維持することにより漏れ(リーク)の有無を判定しているので、オペレータの熟練度に関わりなく、回転速度の増加状況に基づいた漏れ判定が可能となる。
(2)具体的には、予め設定した回転速度差が回転数センサ13により検出されたときタイマ89により計測された時間(Δt)に基づいて漏れ判定を行うことができるので、実際に稼働させるシステムに応じて、実施の形態2を選択するか、あるいは実施の形態3を選択することができる。
【0046】
<その他の変形例>
(1)実施の形態2および実施の形態3では、定格回転速度に達する途中に、1回だけ漏れ判定を行っているが、複数回の漏れ判定を行うことも有用である。すなわち、低い回転数区間で漏れがあると判定されれば、漏れの程度が大きく、高い回転数区間で初めて漏れがあると判定されれば、漏れの程度は小さいと判断することができる。
【0047】
(2)実施の形態1〜実施の形態3では、真空チャンバー2の漏れ判定を行っているが、この真空チャンバー2の替わりに、ターボ分子ポンプの吸気口遮蔽部材(図示せず)を装着することができる。このことにより、ターボ分子ポンプ自身の漏れ判定を行うことができるので、外部のリークディテクタを接続することなく、ターボ分子ポンプの製造時あるいは保守作業中にリークテストを行うことができる。特に、定期的な保守作業中においても、配管・シール等のリークテストを簡易に実行することができるので、保守コストの低減および信頼性の増加を図ることができる。
【0048】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上述した実施の形態および変形例に限定されるものではない。
実施の形態と変形例の一つとを組み合わせること、もしくは、実施の形態と変形例の複数とを組み合わせることも可能である。
変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
さらに、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 ターボ分子ポンプ本体
2 真空チャンバー
6 ブラシレスモータ
13 回転数センサ
80 コントローラ
82 主制御部
84 モータ制御部
86 漏れ判定処理部
87 プログラム記憶部
88 データ記憶部
89 タイマ
90 操作部
92 アラーム表示器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシレスモータにより回転翼を固定翼に対して高速回転させるターボ分子ポンプにおいて、
前記ブラシレスモータに供給する電流を所定の電流値に維持するモータ電流制御手段と、
前記モータ電流制御手段により前記所定の電流値が維持されている期間中の時間を計測する計時手段と、
前記モータ電流制御手段により前記所定の電流値が維持されている期間中のモータ回転速度を測定する回転測定手段と、
前記計時手段により計測された時間と、前記回転測定手段により測定された最大回転速度と最小回転速度との回転速度差とに基づいて、ターボ分子ポンプ吸気口側に接続されている真空チャンバーの漏れ判定を行う判定手段とを備えたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記モータ電流制御手段は、前記ターボ分子ポンプが定格回転速度にあるとき、前記所定の電流値を零に設定することを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項3】
請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記モータ電流制御手段は、前記ターボ分子ポンプの回転立ち上げ動作途中において、
前記ブラシレスモータに供給する電流を一定値に維持することを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項4】
請求項3に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記漏れ判定手段は、予め設定した時間内における回転速度差に基づいて漏れ判定を行うことを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項5】
請求項3に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記漏れ判定手段は、予め設定した回転速度差が前記回転測定手段により検出されたとき、前記計時手段により計測された時間に基づいて漏れ判定を行うことを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記真空チャンバーの替わりにターボ分子ポンプの吸気口遮蔽部材を装着し、前記判定手段は、前記ターボ分子ポンプ自身の漏れ判定を行うことを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項1】
ブラシレスモータにより回転翼を固定翼に対して高速回転させるターボ分子ポンプにおいて、
前記ブラシレスモータに供給する電流を所定の電流値に維持するモータ電流制御手段と、
前記モータ電流制御手段により前記所定の電流値が維持されている期間中の時間を計測する計時手段と、
前記モータ電流制御手段により前記所定の電流値が維持されている期間中のモータ回転速度を測定する回転測定手段と、
前記計時手段により計測された時間と、前記回転測定手段により測定された最大回転速度と最小回転速度との回転速度差とに基づいて、ターボ分子ポンプ吸気口側に接続されている真空チャンバーの漏れ判定を行う判定手段とを備えたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記モータ電流制御手段は、前記ターボ分子ポンプが定格回転速度にあるとき、前記所定の電流値を零に設定することを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項3】
請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記モータ電流制御手段は、前記ターボ分子ポンプの回転立ち上げ動作途中において、
前記ブラシレスモータに供給する電流を一定値に維持することを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項4】
請求項3に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記漏れ判定手段は、予め設定した時間内における回転速度差に基づいて漏れ判定を行うことを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項5】
請求項3に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記漏れ判定手段は、予め設定した回転速度差が前記回転測定手段により検出されたとき、前記計時手段により計測された時間に基づいて漏れ判定を行うことを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記真空チャンバーの替わりにターボ分子ポンプの吸気口遮蔽部材を装着し、前記判定手段は、前記ターボ分子ポンプ自身の漏れ判定を行うことを特徴とするターボ分子ポンプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−108454(P2013−108454A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255153(P2011−255153)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】
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