説明

ターボ機械用の油分離ロータ

外側環状フランジ(120)を有する管状ハブ(112)と、略L字形断面でありハブの周囲に取り付けられる環状カバー(112)とを備えるターボ機械用の油分離ロータであって、ハブのフランジは、その外周に、カバーの円筒状壁の自由端を半径方向に保持する手段(134、136)を備えて、この自由端をセンタリングし、遠心力の影響下で前記自由端が半径方向外側に変形するのを防ぐ油分離ロータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機のターボプロップまたはターボジェットなどのターボ機械用の油分離ロータに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの油分離ロータは、流体を通過させるための内部軸方向ダクトを画定し、外側環状カラーを含む管状ハブと、ハブの周囲に取り付けられる略L字形断面の環状キャップとを備える。キャップは半径方向壁を有し、半径方向壁は、ハブのカラーに平行で、その外周は、カラーの外周まで軸方向に伸びる円筒状壁の軸方向端部の一端に接続される。
【0003】
キャップは、ハブのカラーと協働して、ハブ内の半径方向スロットを介してハブの内部通路と流体流れ連通した環状チャンバを画定する。遠心分離により油を付着させる手段は、チャンバに収容される。
【0004】
油分離ロータは、通常は脱気管の下流側にあるターボ機械のロータの要素に取り付けられ、空気/油混合物の油と空気とを分離する働きをする。その後、前記油は再利用されるように適切な手段によって回収される。空気/油混合物は、オイルミストの形である、すなわち、油滴が浮遊状態で分散された空気である。油の分離は、特に、油分離ロータの回転の影響下で油を遠心分離することで行われる。
【0005】
1つの特定の形態では、ターボ機械が動作中に、空気/油混合物が脱気管内に流入し、油分離ロータのハブの内部通路にその上流側端部を介して入り込む。遠心力の影響下で、油滴は半径方向外側に追いやられる。油滴がハブの半径方向スロットに達すると、油滴は遠心力によってスロットを通過して、その後、油分離ロータの環状チャンバに入り込み、そこで環状チャンバ内に収容された油付着手段上に付着させられる。その後、油は、キャップの円筒状壁の開口部を通って半径方向外側に排出され、油から分離された空気はハブの内部通路の下流側端部を介して出る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2742804号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
知られている油分離ロータは、油付着手段を収容する環状チャンバを軸方向に貫通するねじによってハブのカラーに固定されたキャップを有する。これらのねじは、キャップの半径方向壁のオリフィスおよびハブのカラーのオリフィスを貫通し、ねじは、油付着手段から離隔するスペーサによって囲撓される。キャップ固定ねじは、次に、油付着手段が占めるチャンバの環状スペースまで伸びて、前記スペースを塞ぎ、油回収を妨げる可能性がある。それは、油付着手段が、ねじによって多かれ少なかれ押しつぶされる可能性があるからである。
【0008】
さらに、キャップの円筒状壁の自由端は、カラーの外周を半径方向内側に押し付ける。この構造では、キャップのこの自由端は、ハブのカラーをセンタリングする手段を形成する。動作時に、遠心力の影響下で、キャップの円筒状壁の自由端は、局所的に外側に変形することによって楕円形になる傾向がある。このような状況下では、制御されずにチャンバの外側に油が漏れだすリスクがある。
【0009】
キャップが締まりばめとしてハブに固定され、キャップの半径方向壁の内周がハブに締め付けられた油分離ロータもまた知られている。キャップの下流側端部が楕円形になるという上述の問題を避けるために、前記端部は、ロータの長手方向軸を中心として規則的に分布された少なくとも3つの溶接ビードによってカラーの外周に溶接される。
【0010】
しかしながら、このような状況下では、キャップは取り外しが難しい方法でハブに固定される。また、溶接ビードは、上述の問題の十分な解決策ではないことがわかった。それは、溶接ビードが高いレベルの応力集中を受けて、これらのビードに亀裂を生じさせてしまうからである。次に、キャップがハブから外れてしまう大きな危険性がある。それは、場合によっては、キャップの締まりばめが油分離ロータのハブに前記部品を保持するには不十分であるためである。
【0011】
亀裂した溶接ビードは、新たな溶接作業によって修理されてもよい。しかしながら、キャップの溶接領域およびカラーの溶接領域は、溶接作業の度に高いレベルの熱応力を受け、そのことがキャップおよびカラーの寿命を短くしてしまう可能性がある。
【0012】
本発明の特定の目的は、先行技術の上述の問題の少なくとも一部の解決策であり、簡単で、安価で、効果的な解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的を達成するために、本発明は、流体の内部軸方向通路を画定しかつ外側環状カラーを含む管状ハブと、ハブの周囲に取り付けられる環状キャップとを備え、キャップは、半径方向壁と、ハブの環状カラーと協働する円筒状壁とを備えて、ハブの内部通路と連通しかつ遠心分離によって油を付着させる手段を収容する環状チャンバを画定する、ターボ機械の油分離ロータであって、ハブの環状カラーは、その外周に、ハブの円筒状壁の端部を半径方向に保持する手段を含み、前記端部をセンタリングして、遠心力の影響下で前記端部が半径方向外側に変形するのを防ぐようにすることと、キャップの半径方向壁の内周部分は、カラーを軸方向に押し付けて、ナットボルト式手段によってカラーから離間してハブに固定されることとを特徴とするロータを提供する。
【0014】
本発明によれば、キャップの円筒状壁の端部がハブのカラーに外側から固定されるような先行技術とは異なり、ハブのカラーはキャップの円筒状壁の端部を機械的に保持する。
【0015】
カラーの保持手段は、キャップの円筒状壁の端部の周囲に伸びて、遠心力の影響下で前記端部が半径方向外側に変形するのを防ぐ。キャップの円筒状壁の端部は、保持手段を半径方向外側に押し付けるが、油分離ロータの長手方向軸を中心に分布される領域を局所的に押し付けるか、または、前記長手方向軸を中心とする周囲にわたって連続的に押し付ける。
【0016】
キャップは、解除可能にハブに固定され、それにより、例えば、洗浄作業を行うために、または油分離ロータの油付着手段を交換するために、分解しやすくなる。
【0017】
固定手段は、キャップの内周部分に配置され、したがって、油付着手段が占めるチャンバの半径方向外側の環状スペースには配置されない。これらの固定手段は、キャップをハブのカラーではなくてハブの管状本体に直接接続するもので、したがって、チャンバを軸方向に貫通せず、油回収を妨げない。
【0018】
ハブのカラーの外周は、キャップの円筒状壁の端部の周囲でキャップに向かって軸方向に伸びる円筒状リムを形成する。この円筒状リムは、キャップの円筒状壁の端部の半径方向外側に伸び、前記端部を半径方向に押し付ける環状手段を含む。
【0019】
変形例では、またはさらなる特徴として、ハブのカラーの外周は、キャップの円筒状壁の端部の周囲で、キャップに向かって軸方向に突出する周方向の舌状部を含む。これらの舌状部は、キャップの円筒状壁の端部の半径方向外側に位置し、各々が前記端部を半径方向に押し付ける手段を含む。
【0020】
好ましくは、これらの舌状部は、油分離ロータの長手方向軸を中心として規則的に分布される。これらの舌状部の各々は、キャップの円筒状壁の長手方向の材料ストリップと位置合わせされ、キャップの材料ストリップは、互いの間に油出口開口部を画定する。これらの舌状部の数は、好ましくは、上述の材料ストリップの数に等しく、例えば、6個である。
【0021】
キャップの半径方向壁の内周部分は、ハブの外側環状フランジまたは外側半径方向タブを軸方向に押し付ける手段を形成することができる。前記フランジまたは前記タブは、キャップ固定ねじを通すために、キャップの半径方向壁のオリフィスと位置合わせした軸方向オリフィスを含む。
【0022】
キャップの軸方向押し付け手段によって、キャップが軸方向の一方向に動くのを阻止することができる。キャップの円筒状壁はさらに、その下流端部に、ハブのカラーの外周で軸方向の同一方向に押し付ける手段を含む。キャップは、上述の固定手段によって、軸方向の反対方向に動くのが防がれる。
【0023】
好ましくは、ナットボルト式固定手段は3個であり、ロータの長手方向軸を中心として規則的に分布される。したがって、これらの固定手段は、重量を最小限に抑えるために比較的数は少ない。
【0024】
固定手段は、ハブのフランジのオリフィスおよびタブのオリフィスで圧着されるナットで、チャンバの外側からキャップのオリフィスに軸方向に係合されるボルトと協働するナットを形成することができる。
【0025】
キャップの半径方向壁は、その内周に、ハブ上でキャップをセンタリングするための円筒状リムを形成することができる。
【0026】
本発明はさらに、航空機ターボプロップまたはターボジェットなどのターボ機械であって、少なくとも1つの上述のタイプの油分離ロータを含むことを特徴とするターボ機械を提供する。
【0027】
非限定的な例として添付図面を参照して考察された以下の説明を読めば、本発明はより十分に理解され、本発明の他の詳細、特徴および利点がより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】横および上流側から見たターボ機械用の先行技術の油分離ロータの斜視図である。
【図2】図1の油分離ロータの片側軸方向断面図である。
【図3】横および下流側から見た本発明のターボ機械の油分離ロータの斜視図である。
【図4】図3の油分離ロータの片側軸方向断面図である。
【図5】横および上流側から見た図3の油分離ロータを示す分解斜視図である。
【図6】横および下流側から見た図3の油分離ロータのハブの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
まず、先行技術のターボ機械の油分離ロータ10を示した図1および図2について言及する。前記油分離ロータ10は、基本的に、空気/油混合物が供給される内部軸方向通路26を画定する管状ハブ12と、ハブの周囲に取り付けられハブと協働して、遠心分離によって油を付着させる手段18を収容するための環状チャンバ16を画定する環状キャップ14とを備える。
【0030】
ハブ12は、ハブの長手方向軸Aからほぼ半径方向外側に伸びる環状カラー20を有し、前記軸Aは油分離ロータ10の回転軸と一致する。
【0031】
カラー20は、ハブの軸方向端部から離間して配置され、例えば、ハブのほぼ中央に配置される。
【0032】
キャップ14は、略L字形断面を有し、円筒状壁24の軸方向端部の一方に外周が接続された半径方向壁22を備える。
【0033】
キャップ14は、半径方向壁22の内側周囲がハブ本体を押し付けて、ハブのカラー20に平行にカラー20から離間して伸びるように、またはハブの円筒状壁24がカラー20の外周を半径方向内側に押し付けるように、ハブ12の周囲に取り付けられる。
【0034】
キャップ14は、カラー20と協働して、ハブ12の本体内に形成された半径方向スロット28を介してハブの内部通路26と流体流れ連通した上述の環状チャンバ16を画定する。
【0035】
キャップ14は、締まりばめおよび溶接によってハブ12に固定される。キャップ14は、ハブ本体上で、半径方向壁22の内周によって30の締まりばめを形成し、またキャップ14は、半径方向壁24の自由端とカラー20の外周との間の溶接ビード32によってカラー20に固定される。
【0036】
油分離ロータ10には、上述した欠点、具体的には、キャップ14は取り外し不可能であり、また溶接ビード32が遠心力により動作時に高いレベルの応力を受けるために溶接ビード32に亀裂が生じる可能性があるという欠点がある。
【0037】
本発明は、キャップの円筒状壁の自由端を保持する手段であって、ハブのカラーによって実行される手段によって、またキャップをハブに固定するための解除可能な固定手段であって、油の回収を妨げない固定手段によって上述の問題を解決する。
【0038】
図3から図6に示された実施形態では、図1、図2を参照して上述した要素は同じ符号に100を足した符号が付けられている。
【0039】
ハブ112のカラー120は、その外周に、キャップ114に向かって伸びる円筒状リム134を含むという点で、ハブ12のカラーとは異なる。さらに周囲に伸びる舌状部136が、リム134の自由端からキャップ114に向かって軸方向に突出している。
【0040】
これらの舌状部136は、ロータ110の回転軸Aを中心として規則的に分布され、図示された例では、6個の舌状部がある。
【0041】
カラー120のリム134および舌状部136は、キャップ114の円筒状壁124の自由端をセンタリングし、前記自由端が半径方向外側に動かないように保持する手段を形成する。
【0042】
リム134および/または舌状部136は、キャップ114の円筒状壁124の自由端を半径方向内側に押し付ける手段を含む。
【0043】
図示された例では、キャップの円筒状壁124の下流側端部はリング138で形成され、リング138は、互いに平行に伸びて軸Aを中心として規則的に分布される長手方向材料ストリップ140によって壁124の反対側端部に接続される。
【0044】
これらの材料ストリップ140は、以下で詳細に説明するように、これらのストリップ間に、油を抜く半径方向開口部142を画定する。キャップ114は、各舌状部136が材料ストリップ140と位置合わせされるようにハブ112に取り付けられる。
【0045】
キャップ114は、半径方向壁122の内周部によってハブ112に固定される。半径方向壁122の内周部は、ハブの外側環状リムから半径方向外側に伸びるタブ144を軸方向に押し付ける。
【0046】
これらのタブ144は、カラー120から軸方向距離を置いて位置し、この距離は、キャップの円筒状壁124の長さまたは軸方向寸法にほぼ相当する。遠心分離によって油を通すための半径方向スロット128は、カラー120とタブ144との間のハブ本体の壁に形成される。
【0047】
半径方向壁122は、解除可能な固定手段(本明細書ではナットボルト式手段148で構成される)を通すためにタブ144のオリフィスと位置合わせした軸方向オリフィス146を含む。
【0048】
これらの手段148の数は、固定タブ144の数に等しく、図示された例では3個である。これらの手段148は、動作時にアンバランスが生じるのを最小限に抑えるために、軸Aを中心として規則的に分布される。
【0049】
図示された例では、各手段148は、ボルトと、タブ144のオリフィスに圧着されるナットとを備える。ナットは、チャンバ116内部に収容され、油付着手段118が占めるチャンバの環状スペースの半径方向内側に位置する。
【0050】
各ねじは、キャップ114の対応するオリフィス146に軸方向に係合され、次に、チャンバ116の外側から作業できる適切な工具でナットにねじ込まれる。
【0051】
ナットは、上述したハブ112の外側円筒状リムと協働する形状によって、ナットの軸を中心に回転するのが妨げられる。
【0052】
キャップの半径方向壁122はさらに、その内周に、円筒状リム150を含む。このリムは、ハブ112本体の円筒状外表面と協働して、キャップの壁122をセンタリングするものである。
【0053】
油付着手段118は、チャンバ116の半径方向外側の環状部分を占める。例として、油付着手段は、ハニカム式のセクタ化された環状カートリッジを備える。図示された例では、ハニカム内のセルは、遠心力の影響下で油がチャンバ116からキャップの円筒状壁124の開口部142へと通るように、軸Aに対して半径方向に伸びる。カートリッジの各セクタは、その軸方向端部に組立用フィンガ152を含む。このフィンガは、カラー120の穴154およびキャップの半径方向壁122の穴154にそれぞれ係合される。
【0054】
本発明の油分離ロータ110は、以下のように組み立てられることができる。カートリッジセクタは、フィンガ152がキャップの半径方向壁122の穴154に係合されるように、キャップ120内部に取り付けられる。キャップ120は、ハブ112と軸方向に位置合わせされ、キャップのオリフィス146がハブのタブ144のオリフィスと軸方向に位置合わせされるようにしてキャップとハブとは互いに角度固定される。次に、キャップ120は、半径方向壁122でタブ144を押し付け、円筒状壁の自由端でカラー120を押し付けるまでハブに向かって軸方向に移動され、それと同時に、カラーの円筒状リム134がキャップの壁124の自由端を半径方向内側に押し付ける。
【0055】
この位置で、タブから離れて位置するカートリッジセクタのこれらのフィンガ152は、カラー120の対応する穴154に係合される。次に、組立体を係止固定するために固定手段148のボルトが圧着されたナットにねじ込まれる。
【0056】
この油分離ロータ110は、特に、航空機ターボプロップまたはターボジェットなどのターボ機械の脱気管の下流側端部に固定されるが、これに限定されない。このような状況下で、油分離ロータ110は以下のように動作する。脱気管は、空気と油との混合物を油分離ロータに運ぶ働きをする。遠心力の影響下で、混合物内の油滴が外側に追いやられる。空気/油混合物は、油分離ロータの内部通路126にその上流側端部、すなわち、キャップ114が配置される側と反対側のカラー120側にあるハブ112の端部を介して入り込む(図3の矢印156)。油滴がハブの半径方向スロット128に達すると、遠心分離によってスロットを通って半径方向外側に排出され、環状チャンバ116内に入る。これらの油滴は、その後、ハニカム式カートリッジセクタのセルに入り込み、これらのセルの壁に付着される。油滴は、遠心力の影響下で、半径方向外側に運ばれる(図4の矢印158)。油滴がカートリッジ118の外周に達すると、キャップの壁124の開口部142を通って外側に排出され(図3の矢印160)、ターボ機械の油収集器によって回収される。油から分離された空気は、油分離ロータの通路126内を流れ、その下流側端部を介して出る(矢印162)。
【0057】
上述の例では、油分離ロータ110はハブの内部通路126の一端を介して空気/油混合物が供給され、油滴は遠心分離によってチャンバ116内で回収され、その後、油付着手段118およびキャップ114の開口部142を通って半径方向外側に向かって通過する。このタイプの油分離ロータは、特に、油の流れが油付着手段を通って半径方向に発生するので、半径方向の油分離ロータであると言える。
【0058】
しかしながら、本発明は、このタイプの油分離ロータに限定されない。例えば、本出願人の名義で出願されている仏国特許出願公開第2742804号明細書に記載されているような軸方向の油分離ロータにも適用されてもよい。軸方向の油分離ロータでは、油は油付着手段を通って軸方向にチャンバ内を流れる。この油分離ロータは、キャップの半径方向壁のオリフィスを介して、空気/油混合物が供給されることができる。付着手段からの出口では、油はキャップの円筒状壁の開口部を通って半径方向外側に吐き出されて、油から分離された空気がハブのスロットを通過し、その後、ハブの内部通路の内部を流れることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の内部軸方向通路(126)を画定しかつ外側環状カラー(120)を含む管状ハブ(112)と、ハブの周囲に取り付けられる環状キャップ(114)とを備え、キャップが、半径方向壁(122)と、ハブの環状カラー(120)と協働する円筒状壁(124)とを備えて、ハブの内部通路と連通しかつ遠心分離によって油を付着させる手段(118)を収容する環状チャンバ(116)を画定する、ターボ機械の油分離ロータ(110)であって、ハブの環状カラーが、その外周に、キャップの円筒状壁の端部を半径方向に保持する手段(134、136)を含み、前記端部をセンタリングして、遠心力の影響下で前記端部が半径方向外側に変形するのを防ぐようにすることと、キャップ(114)の半径方向壁(122)の内周部分が、カラーを軸方向に押し付けて、ナットボルト式手段(148)によってカラー(120)から離間してハブ(112)に固定されることとを特徴とする、油分離ロータ。
【請求項2】
ハブのカラー(120)の外周が、キャップ(114)の円筒状壁の端部の周囲で、キャップに向かって軸方向に伸びる円筒状リム(134)を有することを特徴とする、請求項1に記載の油分離ロータ。
【請求項3】
ハブのカラー(120)の外周が、キャップ(114)の円筒状壁の端部の周囲で、キャップに向かって軸方向に突出する周方向の舌状部(136)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の油分離ロータ。
【請求項4】
舌状部(136)が、油分離ロータの長手方向軸(A)を中心として規則的に分布されることを特徴とする、請求項3に記載の油分離ロータ。
【請求項5】
各舌状部(136)が、キャップ(114)の円筒状壁(124)の長手方向の材料ストリップ(140)と位置合わせされ、キャップの材料ストリップが互いの間に油出口開口部(142)を画定することを特徴とする、請求項3または4に記載の油分離ロータ。
【請求項6】
キャップ(114)の半径方向壁(122)の内周部が、ハブ(112)の外側環状フランジまたは外側半径方向タブ(144)を軸方向に押し付ける手段を含み、前記フランジまたは前記タブが、キャップ固定ねじ(148)を通すために、キャップの半径方向壁のオリフィス(146)と位置合わせした軸方向オリフィスを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の油分離ロータ。
【請求項7】
ナットボルト式固定手段(148)が、3個であり、油分離ロータの長手方向軸を中心として規則的に分布されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の油分離ロータ。
【請求項8】
固定手段(148)が、ハブ(112)のフランジのオリフィスまたはタブ(144)のオリフィスに圧着されるナットで、チャンバ(116)の外側からキャップ(114)のオリフィス(146)に軸方向に係合されるボルトと協働するナットを備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の油分離ロータ。
【請求項9】
キャップ(114)の半径方向壁(122)が、その内周に、ハブ(112)上にキャップをセンタリングするための円筒状リム(150)を含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の油分離ロータ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の油分離ロータ(110)を少なくとも1つ含むことを特徴とする、航空機ターボジェットまたはターボプロップなどのターボ機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−506511(P2012−506511A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532678(P2011−532678)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【国際出願番号】PCT/FR2009/001163
【国際公開番号】WO2010/046551
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】