説明

ターボ機械

本発明は、ターボ機械(10)、特に蒸気タービンに関し、これは、マシンハウジング(12)と、エンジンハウジングによってガイドされかつ少なくとも一方側においてそこから外に突出するようガイドされたシャフト(14)とを具備し、シャフト(14)とマシンハウジング(12)との間に存在する、少なくとも一つの環状ギャップが、シャフトシーリングアセンブリ(40)によってシールされ、このシャフトシーリングアセンブリ(40)は本質的に半径方向に離間したシーリング面の二つの対(48,50)を備えた少なくとも一つのラジアル二重シール(44)を具備し、その間には環状シーリング流体チャンバー(54)が形成され、それにはシーリング流体供給ライン(52)を介してシーリング流体を供給でき、各シーリング面対(48,50)は、環状回転シーリング面(56,58)と環状非回転シーリング面(60,62)とを有し、これらは本質的に軸方向に互いに向き合って配置されておりかつ互いに付勢されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボ機械、特に蒸気タービンに関するものであり、これは、マシンハウジングと、これを介してガイドされかつ少なくとも一方の側でその外に突出するようにガイドされたシャフトとを備え、少なくとも一つのギャップ(これはシャフトとマシンハウジングとの間で延在する)はシャフトシール構造体によってシールされる。
【背景技術】
【0002】
そうしたターボ機械は、さまざまな展開に関して従来公知である。圧力(これはタービン環境の大気圧以下あるいは以上である)はマシンハウジング内で支配的であり、これはターボ機械の種類に依存する。ターボ機械に関する基本的な問題は、シャフトとマシンハウジングとの間に存在する環状ギャップが、シャフト表面と隣接するマシンハウジング表面との間の相対動作のために完全にシールできないことである。この結果、環境流体がマシンハウジングの内部に侵入できるようになり、たとえば、大気圧以下の排出蒸気圧力を伴う蒸気タービンの場合、これによって、蒸気タービンの稼働および効率に関して不利な影響が生じる。コンプレッサーあるいはガスタービンの場合(こうしたものでは、マシンハウジング内部圧力はマシンハウジング周囲圧力よりも高い)、作動流体は、しかしながら、マシンハウジングの内部からマシンハウジング環境内へと漏れ出すことがあり、これはターボ機械の熱効率に好ましくない影響を及ぼす。
【0003】
一般的なシャフトシール機構を備えた蒸気タービンの形態のターボ機械について、以下、図1、図2および図3を参照して説明するが、図1は蒸気タービンの概略図であり、図2は図1に示されると共に一般的なシャフトシール機構を有する蒸気タービンのマシンハウジングの後方シールシェルの概略図であり、そして図3は図2に示すシャフトシール機構において支配的な圧力を大まかに示すグラフである。
【0004】
蒸気タービン100はマシンハウジング102を備え、これを経てシャフト104が突出し、これは両側でマシンハウジング102から外に突出するようにガイドされる。マシンハウジング102は前方シールシェル106および後方シールシェル108を備えるが、後方シールシェル108は、現在のところ、マシンハウジング環境に対して、マシンハウジング102内に画定される圧力チャンバー110をシールする役割を担っている。生蒸気が、供給ライン112を介して蒸気タービン100の圧力チャンバー110へと供給されるが、これは非常停止バルブ114および制御バルブ116を備え、これらは流動方向において直列に存在している。蒸気タービン100内での蒸気の膨張の後、排出蒸気は、排出ライン118を経て、凝縮プラント124(これは冷却デバイス120を備えかつ排気デバイス122に機能的に接続されている)へと供給され、そして、そこで凝縮する。
【0005】
生じる凝縮物は、ライン126を経て凝縮プラント124から排出される。
【0006】
シャフト104と後方シールシェル108との間に存在する環状ギャップ125をシールするために、後方シールシェル108(これは、固定様式でかつシーリング作用を伴ってマシンハウジング102内に設置されるか、あるいはマシンハウジング102と協働で構造ユニットを形成する)は、図2に示すように、シャフトシール機構128を備える。圧力チャンバー110から始まって、シャフトシール機構128は、少なくとも三つの連続したシーリングモジュールを、特に、内側ラビリンスシール130、中間ラビリンスシール132、そして外側ラビリンスシール134を備え、これらは環状ギャップをシールする。
【0007】
蒸気タービン100の稼働中、排出蒸気が、排出蒸気圧力pADのもと、マシンハウジング102の後方排出蒸気領域138に存在する。大気圧p(これは排出蒸気圧力pAD以上である)下の空気がマシンハウジング102の外部に存在する。排出蒸気領域138から、シール蒸気圧力pSD以下のシール蒸気が、環状ギャップ125内に、シール蒸気供給ライン140を経て、内側ラビリンスシール130と中間ラビリンスシール132との間で導入され、シール蒸気圧力pSDは周囲圧力pを僅かに上回る。この場合、シール蒸気圧力pSD、そしてまたシール蒸気の温度は、過熱あるいは後方シールシェル108上でのそしてシャフト104上での凝縮の結果として漏れあるいは損傷を防止するために、正確に制御あるいは調整される必要がある。シール蒸気の圧力勾配は、排出蒸気圧力pADの圧力レベルまで内側ラビリンスシール130を横切って排出蒸気領域138の方向に低下し、そして、環境の方向へ、中間ラビリンスシール132と外側ラビリンスシール134との間で支配的な漏れ蒸気圧力pWDまで中間ラビリンスシール132を横切って低下するが、ここで、漏れ蒸気圧力pWDは、漏れ蒸気放出ライン142内の排出スタックドラフト次第で、マシンハウジング周囲圧力pを僅かに下回る。シール蒸気供給ライン140を介して供給されるシール蒸気圧力pSDのレベルに依存して、シール蒸気圧力pSDは、構造的な理由から、周囲圧力pのレベルまで中間ラビリンスシール132を横切って十分に低下せず、そして蒸気が外側ラビリンスシール134を介して外部へと漏れることもまた考えられる。これを防止するために、間に、漏れ蒸気放出ラインを備えた、さらなるラビリンスシールを任意選択で下流側に接続できる(だが、これは、図2には示していない)。これに代えて、凝縮プラント(図示せず)を、吸引作用を支持するために漏れ蒸気放出ライン142に対して下流側で接続できる。凝縮物の蓄積量に依存して、凝縮物ドレイン144を個々のラビリンスシール130,132,134間に設けることができ、図2においては、中間ラビリンスシール132と外側ラビリンスシール134との間の、ただ一つの凝縮物ドレイン144が示されている。
【0008】
図2に示す機構に付随する一つの問題は、シール流体としてのシール蒸気の使用は、非常に複雑かつ高価な構成を必要とする、ということであり、これは、特に、シール蒸気の複雑な制御ならびに漏れ蒸気放出ラインの設置に起因すると考えられる。
【0009】
さらなるターボ機械は特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第36 12 327号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この従来技術を出発点とすると、したがって、本発明の目的は、シャフトシール機構の耐漏出性ならびに動作信頼性に関する損失を伴わずに、シール流体としてのシール蒸気の使用を完全に省略できるターボ機械、特に冒頭で言及したタイプの蒸気タービンを創出することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するために、本発明は、ターボ機械、特に蒸気タービンであって、マシンハウジングと、これによってガイドされ、かつ、少なくとも一方側において、そこから外に突出するようにガイドされたシャフトとを具備してなり、シャフトとマシンハウジングとの間に存在する、少なくとも一つの環状ギャップが、シャフトシール機構によってシールされており、シャフトシール機構は、二つの本質的に半径方向に離間したシーリング面対を備えた少なくとも一つのラジアル二重シールを具備してなり、その間には、環状シール流体チャンバーが形成され、それは、ラジアル二重シールが、いかなる作動ポイントにおいても両側において正の圧力差を有するように、シール流体供給ラインを介して、圧力下にあるガス状シール流体によって加圧することができ、各シーリング面対は、環状回転シーリング面と、環状非回転シーリング面とを有し、これらは本質的に軸方向に互いに向き合って配置されており、かつ、互いに付勢されているターボ機械を提供する。
【0013】
本発明に基づくターボ機械の重要な利点は、シール蒸気流体のようなシール蒸気供給源を完全に省略できることであり、なぜなら、圧力差は、図2に示す従来型のシャフトシール機構に比べて、ラジアル二重シールを横切って低減されるからである。したがって、シール供給源全体は、漏れ蒸気放出ラインと同様に省略され、これが、本発明に基づくターボ機械のコスト効率に優れた構造を実現する。さらに、本発明に基づくターボ機械は、非実在のシール蒸気供給源のために非常に高い効率を有する。ラジアル二重シールは、両側において、入ってくるシール流体(これは、たとえば、空気あるいは窒素の形態で提供できる)の圧力勾配をもたらし、これは、マシンハウジングの排出蒸気領域の圧力がマシンハウジング周囲圧力を下回るように低下できる理由である。非常に小さなシーリングギャップ(これはラジアル二重シールによって画定される)のために、導入されるシール流体の内向き漏れ出しは、このために従来型シャフトシール機構128を備えた凝縮プラント124の(図1に示す)排気デバイス122が設計される空気漏れ量と比べて、極めて僅かである。さらにラジアル二重シールは、シール流体の供給を介して、直にモニターできる。
【0014】
好ましくは、非回転シーリング面が共通の、非回転シーリング面キャリア上に設けられ、かつ/または回転シーリング面が共通の回転シーリング面キャリア上に設けられる。このようにして、本発明に基づくターボ機械の構造を著しく簡素化できる。
【0015】
非回転シーリング面は、有利なことには、回転シーリング面の方向に、スプリング力によって付勢される。このようにすることで、遠心力にさらされるローターの構成は、さほど複雑なものではなくなる。スプリング力は、たとえば、一つのスプリング要素によって、あるいは複数のスプリング要素によって提供できる。
【0016】
シーリング面対は、有利なことには、シャフトに対して同軸状に配置され、この結果、より簡素でかつ省スペースな構造が実現される。
【0017】
シール流体によるラジアル二重シールの加圧は、このラジアル二重シールが、いかなる作動ポイントにおいても両側に正の圧力差を持ち、この結果、シーリング面対の対向するシーリング面間に安定した流体フィルムが常に形成されるように選択される。
【0018】
外側に向かって、ラジアル二重シールに関して、少なくとも一つの外側の付加的シャフトシールが設けられ、かつ/または、内側に、ラジアル二重シールに関して、少なくとも一つの内側の付加的シャフトシールが設けられ、ここで付加的シャフトシールが、たとえば、ラビリンスシールの形態として設計できる。このようにして、ラジアル二重シールが損傷した場合に、凝縮器内への空気の侵入が制限され、したがって緊急操作あるいはターボ機械の少なくとも制御されたシャットダウンが可能となる。
【0019】
少なくとも一つの外側の付加的シャフトシールによるラジアル二重シールの区分化は、特に有効である。とういうのは、ラジアル二重シールと少なくとも一つの外側の付加的シャフトシールとの間の空間を分離流体によって加圧できるからである。この分離流体は、空気などの、濾過された環境媒体であってもよい。そうした構造は、シャフトシール機構全体の外部にオイルリザーバが設けられる場合に特に有利である(たとえば、そこから漏れ出すオイルミストは、シャフトシール機構内へたどり着き、そして、おそらくは危険な流体混合物を生成し得る)。
【0020】
有利なことにはまた、好ましくは少なくとも一つの内側の付加的シャフトシールとラジアル二重シールとの間に配置された少なくとも一つの流体ドレインラインが設けられる。
【0021】
本発明のある実施形態によれば、ターボ機械は蒸気タービンであり、シャフトシール機構はマシンハウジングの後方シールシェル(このシールシェルは好ましくは固定様式でかつシーリング作用を伴ってマシンハウジング内に設置される)の上に設けられ、あるいは、マシンハウジングと共に構造的ユニットを形成する。
【0022】
これに代えてあるいはこれに加えて、シャフトシール機構はまた、ターボ機械の構造的および熱力学的要求に応じて、前方シールシェル106上に設けることができる。
【0023】
本発明のさらなる特徴および利点について、図面を参照して、蒸気タービンの形態の本発明に基づくターボ機械の実施形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】蒸気タービンの基本構造を示す概略図である。
【図2】図1に示す蒸気タービンのマシンハウジングの後方シールシェルを示す一部概略図であり、後方シールシェルは一般的なシャフトシール機構を備えている。
【図3】図2に示す一般的なシャフトシール機構内で支配的な圧力を示す概略図である。
【図4】蒸気タービンの形態の本発明に基づくターボ機械の実施形態の概略図である。
【図5】図4に示す蒸気タービンのマシンハウジングの後方シールシェルの一部概略図であり、後方シールシェルは本発明に基づくシャフトシール機構を備える。
【図6】図5に示すシャフトシール機構において支配的な圧力を示す概略図である。
【図7】図5に示すシャフトシール機構の本発明に基づくラジアル二重シールの実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図4は、蒸気タービン10の形態の本発明に基づくターボ機械を示している。この蒸気タービン10はマシンハウジング12を備えるが、それを貫通してシャフト14が延在しており、それは両側でマシンハウジング12の外に突出するようガイドされている。マシンハウジング12は、前方シールシェル16と後方シールシェル18とを備え、これらは、マシンハウジング環境に関して、マシンハウジング12内に画定された、圧力チャンバー20をシールする役割を果たす。生蒸気が、貫流方向に直列に非常停止バルブ24および制御バルブ26を備えた供給ライン22を介して蒸気タービン10の圧力チャンバー20に供給される。蒸気タービン10内での蒸気の膨張後、排出蒸気は、排出ライン28を介して、凝縮プラント34(これは、冷却デバイス30を備え、かつ、排気デバイス32に機能的に接続されている)へと供給され、そして、そこで凝縮する。結果的に生じる凝縮物は、ライン36を介して、凝縮プラント34から排出される。
【0026】
シャフト14とシールシェル16あるいは18との間に存在する環状ギャップ38をシールするために、シールシェル16あるいは18(これは、マシンハウジング12内に固定様式でかつシーリング作用を伴って設置される)は、特に、図5に示すように、シャフトシール機構40を備える。シャフトシール機構40は、圧力チャンバー20を出発点として、三つの連続したシーリングモジュール、特に、内側ラビリンスシール42、ラジアル二重シール44、そして外側ラビリンスシール46を備え、これらは協働で環状ギャップ38をシールしている。
【0027】
ラジアル二重シール44(これは、図7により詳しく示されている)は、二つの本質的に半径方向に離間したシーリング面対48および50を備え、その間には、環状シール流体チャンバー54が形成されており、これはシール流体供給ライン52を介して加圧できるようになっている。各シーリング面対48,50は環状回転シーリング面56,58および環状非回転シーリング面60,62を有し、これらは本質的に軸方向に互いに向き合って配置されている。回転シーリング面56,58は回転シーリング面キャリア66上に設けられているが、これはハブ要素68を介してシャフト14に対して固定的に連結されている。非回転シーリング面60および62は非回転シーリング面キャリア70上に設けられているが、このキャリア70は中空円筒形マウント要素71上に設けられ、この要素71はシールハウジング69に固定的に連結され、このハウジング69は、今度は、シールシェル16あるいは18に対して固定的に接続されるか、あるいは、シールシェルと構造的ユニットを形成する。マウント要素71は、回転シーリング面56および58を向く、その端部に、環状ホルダー72を有し、その中には、軸方向にスライド可能な様式で、非回転シーリング面キャリア70を挿入できる。マウント要素71の内部に配置されているのがスプリング要素73であり、これは、非回転シーリング面キャリア70を回転シーリング面キャリア66に対して付勢し、この結果、非回転シーリング面60および62は、シャフト14に対して同軸状に、対応する回転シーリング面56および58に対して押し付けられる。
【0028】
シャフトシール機構40はまた凝縮物ドレインライン74を備えるが、これは、内側ラビリンスシール42とラジアル二重シール44との間に存在する環ならびに分離流体供給ライン76(これは、当該環へと分離流体を供給するためにラジアル二重シール44と外側ラビリンスシール46との間に存在する環につながる)から凝縮物を排出する。
【0029】
稼働中、圧力チャンバー20の排出蒸気領域79内の作動流体は、マシンハウジング周囲の圧力pを下回る排出蒸気圧力pAD未満である。内側ラビリンスシール42とラジアル二重シール44と間で、蓄積した凝縮物が凝縮物ドレインライン74を介して排出される。排出蒸気が十分に過熱されるならば、内側ラビリンスシール42はおそらく省略可能である。たとえば、過剰圧力pSF1を伴った空気あるいは窒素の形態のシール流体が、シール流体供給ライン52を介してラジアル二重シール44内に供給され、この結果、ラジアル二重シール44の二つのシーリング面対48および50を通過する流出流れが内向きおよび外向きの両方に形成される。圧力pSF2を伴った分離流体が、分離流体供給ライン46を介して、ラジアル二重シール44と外側ラビリンスシール46との間に供給され、そしてマシンハウジング環境の方向に漏れ出し、シャフトシール機構40内への導入口において外部からの汚染物質をブロックする。分離流体は、たとえば、環境の浄化媒体、あるいは窒素などの不活性流体であってもよい。
【0030】
図6に大まかに示すように、シャフトシール機構40は、使用されるシール流体の圧力pSF1が他の圧力を上回ることを保証し、したがって、稼働状態において、信頼性の高いシーリング作用が絶え間なく保証される。
【符号の説明】
【0031】
10 蒸気タービン
12 マシンハウジング
14 シャフト
16 前方シールシェル
18 後方シールシェル
20 圧力チャンバー
22 供給ライン
24 非常停止バルブ
26 制御バルブ
28 排出ライン
30 冷却デバイス
32 排気デバイス
34 凝縮プラント
36 ライン
38 環状ギャップ
40 シャフトシール機構
42 内側ラビリンスシール
44 ラジアル二重シール
46 外側ラビリンスシール
48,50 シーリング面
52 シール流体供給ライン
54 環状シール流体チャンバー
56,58 環状回転シーリング面
60,62 環状非回転シーリング面
66 回転シーリング面キャリア
68 ハブ要素
69 シールハウジング
70 非回転シーリング面キャリア
71 中空円筒形マウント要素
72 環状ホルダー
73 スプリング要素
74 凝縮物ドレインライン
76 分離流体供給ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械(10)、特に蒸気タービンであって、
マシンハウジング(12)と、これによってガイドされ、かつ、少なくとも一方側において、そこから外に突出するようにガイドされたシャフト(14)と、を具備してなり、
前記シャフト(14)と前記マシンハウジング(12)との間に存在する、少なくとも一つの環状ギャップが、シャフトシール機構(40)によってシールされており、
前記シャフトシール機構(40)は、二つの本質的に半径方向に離間したシーリング面対(48,50)を備えた少なくとも一つのラジアル二重シール(44)を具備してなり、その間には、環状シール流体チャンバー(54)が形成され、それは、ラジアル二重シール(44)が、いかなる作動ポイントにおいても両側において正の圧力差を有するように、シール流体供給ライン(52)を介して、圧力(pSF1)下にあるガス状シール流体によって加圧することができ、
各シーリング面対(48,50)は、環状回転シーリング面(56,58)と、環状非回転シーリング面(60,62)と、を有し、これらは本質的に軸方向に互いに向き合って配置されており、かつ、互いに付勢されており、
外側に向かって、前記ラジアル二重シール(44)に関して、前記マシンハウジング(12)内には少なくとも一つの外側の付加的シャフトシール(46)が設けられており、かつ、前記ラジアル二重シール(44)と、少なくとも一つの外側の付加的なシャフトシール(46)との間の空間は、分離流体によって加圧でき、その圧力(pSF2)は、前記シール流体の前記圧力(pSF1)よりも低く、かつ、周囲圧力(P)よりも高いことを特徴とするターボ機械(10)。
【請求項2】
前記非回転シーリング面(60,62)が共通非回転シーリング面キャリア(70)上に設けられており、かつ/または、前記回転シーリング面(56,58)が共通回転シーリング面キャリア(66)上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のターボ機械(10)。
【請求項3】
前記非回転シーリング面(60,62)は、前記回転シーリング面(56,58)の方向に、スプリング力によって付勢されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のターボ機械(10)。
【請求項4】
前記シーリング面対(48,50)は前記シャフト(14)に対して同軸状に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のターボ機械(10)。
【請求項5】
内部に向かって、前記ラジアル二重シール(44)に関して、少なくとも一つの内側の付加的シャフトシール(42)が設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のターボ機械(10)。
【請求項6】
好ましくは前記少なくとも一つの内側の付加的シャフトシール(42)と前記ラジアル二重シール(44)との間に、少なくとも一つの流体ドレインライン(74)が設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のターボ機械(10)。
【請求項7】
蒸気タービンの形態の、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のターボ機械(10)であって、
前記シャフトシール構造体(40)は前記マシンハウジング(12)の後方シールシェル(18)上に設けられていることを特徴とするターボ機械(10)。
【請求項8】
蒸気タービンの形態の、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のターボ機械(10)であって、
前記シャフトシール構造体(40)は前記マシンハウジング(12)の前方シールシェル(16)上に設けられていることを特徴とするターボ機械(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−529588(P2012−529588A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514423(P2012−514423)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057674
【国際公開番号】WO2010/142584
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(508008865)シーメンス アクティエンゲゼルシャフト (99)
【Fターム(参考)】