説明

ダイカストマシンのガス抜き装置

【課題】溶湯の一部が異物として制御弁内に侵入したときは,それを簡単に取り去ることができるようにしたダイカストマシンのガス抜き装置を提供する。
【解決手段】キャビティ5に真空通路21を接続し,この真空通路に制御弁26を設けダイカストマシンのガス抜き装置において,制御弁26が,真空通路21に介入するよう可動金型4に形成される弁室29と,この弁室に抜き差し可能に収容される弁部材30と,可動金型に着脱可能に取り付けられて弁部材を作動するアクチュエータ31とを備え,弁部材には,アクチュエータ31に連結されるピストンロッド30aと,このピストンロッドの先端に形成され,弁部材30の閉じ位置C及び開き位置Dに応じて下流側真空通路28の閉鎖及び開放を行う弁ピストン30bを備え,下流側真空通路から弁室29に侵入した異物Fが弁ピストン30bのピストンロッド側端面に乗るようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ダイカストマシンのガス抜き装置,特に,固定金型及び可動金型の対向面間に形成されるキャビティに,真空源に連通する真空通路を接続し,この真空通路に,これを開閉制御する制御弁を設けたものゝ改良に関する。
【背景技術】
【0002】
かゝるダイカストマシンのガス抜き装置は,下記特許文献1に開示されるように,真空通路を制御弁により,キャビティへの溶湯の流入前に開き,キャビティへの溶湯の充填直前に閉じることにより,キャビティ内の残留ガスを吸引排出すると共に,溶湯の充填効率を高めことができ,それにより高密度で良質の鋳造品を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−225453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,ダイカストマシンのガス抜き装置では,キャビティへの溶湯の充填時,その充填圧力により溶湯の一部が異物として制御弁内に侵入することがあり,従来のものでは,そうした場合の制御弁の清掃が極めて面倒であり,鋳造能率を低下させる一因となっていた。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,溶湯の一部が異物として制御弁内に侵入したときは,それを簡単に取り去ることができるようにして,鋳造能率の向上に寄与し得るダイカストマシンのガス抜き装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために,本発明は,固定金型及び可動金型の対向面間に形成されるキャビティに,真空源に連通する真空通路を接続し,この真空通路に,これを開閉制御する制御弁を設けた,ダイカストマシンのガス抜き装置において,前記制御弁が,前記真空通路に介入するように前記固定金型及び可動金型の一方に形成されると共に,該一方の金型の外面に一端を開放するシリンダ状の弁室と,この弁室に抜き差し可能に収容されて開き位置及び閉じ位置間を摺動し得る弁部材と,前記一方の金型に着脱可能に且つ前記弁室の開放端を閉鎖するように取り付けられて前記弁部材を作動し得るアクチュエータとを備え,前記真空通路を,前記真空源に連なる上流側真空通路と,前記キャビティに連なる下流側真空通路とに分割し,その上流側真空通路の下流端を第1ポート,下流側真空通路の上流端を第2ポートとしてそれぞれ前記弁室に開口させ,前記弁部材には,前記アクチュエータに連結されるロッドと,このロッドの先端に形成され,該弁部材の閉じ位置及び開き位置に応じて前記第2ポートの閉鎖及び開放を行う弁ピストンを備え,この弁部材の開き位置では,前記第2ポートを前記弁ピストンよりロッド側に位置させ,前記第2ポートから前記弁室に侵入した異物が前記弁ピストンのロッド側端面に乗るようにしたことを第1の特徴とする。尚,前記真空源は,後述する本発明の実施例中の真空タンク24及び真空ポンプ25に対応する。
【0007】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記上流側真空通路を,これが前記固定金型及び可動金型の合わせ面を通過するように構成したことを第2の特徴とする。
【0008】
さらに本発明は,第1の特徴に加えて,前記弁部材を,前記アクチュエータに連結されるロッドと,このロッドの先端に形成される前記弁ピストンと,前記ロッドの中間部に形成される隔壁ピストンとで構成し,前記第1ポートを前記弁ピストン及び隔壁ピストン間に配置したことを第3の特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の特徴によれば,鋳造時,キャビティを通過した溶湯の一部が異物として,弁部材の弁ピストン周りの微細な隙間にはみ出した場合には,弁ピストンが第2ポートを開放する開き位置に来たとき,弁ピストンのロッド側端面に乗ることになるので,ダイカストマシンの休止時に,アクチュエータを,それを支持する金型から弁部材と共に取り外せば,弁ピストン上に乗った異物を弁室外に簡単に取り出すことができ,したがって弁室を簡単迅速に清掃することができ,異物による真空通路の目詰まりを未然に防ぎ,鋳造品の良品質の確保と,鋳造作業の能率向上に貢献することができる。
【0010】
本発明第2の特徴によれば,万一,弁室の異物が下流側真空通路に侵入した場合には,型開きをして,固定金型及び可動金型の対向した開放面から下流側真空通路の異物を容易に取り除くことができる。
【0011】
本発明の第3の特徴によれば,上流側真空通路から弁室に伝達される真空圧のアクチュエータ側へのリークを隔壁ピストンにより防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例に係るガス抜き装置を備えたダイカストマシンの概要側面図。
【図2】図1の制御弁周辺部の拡大図で,制御弁の開き状態を示す。
【図3】制御弁の閉じ状態を示す,図2との対応図。
【図4】弁室から異物を取り去る状態を示す,図2との対応図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
【0014】
先ず,図1において,ダイカストマシンの機台(図示せず)には,固定金型3を保持する固定プラテン1が固定され,また可動金型4を保持する可動プラテン2が,可動金型4を固定金型3に対して開閉すべく前記機台に左右動可能に支持される。固定金型3及び可動金型4は,相互に型閉じしたとき互いの対向面間にキャビティ5と,このキャビティ5に絞り5を介して連通するオーバーフロー7とを形成するようになっており,そのキャビティ5を,固定プラテン1に固設されるスリーブ8の前端部に連通させるゲート9及びランナ10が固定金型3に設けられる。
【0015】
スリーブ8には,その後方よりプランジャ12が前後動可能に嵌装され,このプランジャ12が後退位置であるとき,その前方に開口する給湯口8aがスリーブ8の上部に設けられる。プランジャ12には,前記機台に設置される射出シリンダ13から前方へ突出した作動ロッド14がジョイント15を介して同軸状に連結される。したがって,作動ロッド14の前後作動によりプランジャ12を前後動させることができる。
【0016】
また射出シリンダ13の一側には,プランジャ12の位置を検出するプランジャ位置センサ16が取り付けられ,そのセンサロッド17を連結したロッドホルダ18が前記作動ロッド14に連結される。プランジャ位置センサ16は,給湯口8aへの注湯後,プランジャ12が給湯口8aを横切った直後の第1位置Aと,プランジャ12の前進により溶湯がキャビティ5を満たす直前のプランジャ12の第2位置Bとを検出したとき,それに対応した信号を後述する電子制御ユニット20に出力するようになっている。このプランジャ位置センサ16には,例えばリニアエンコーダが使用される。
【0017】
次に,このダイカストマシンのガス抜き装置について説明する。
【0018】
このガス抜き装置は,オーバーフロー7から延出して可動金型4及び固定金型3を通り固定金型3の上面に達する真空通路21と,この真空通路21に固定金型3の上面で真空ジョイント22を介して接続される真空導管23と,この真空導管23に接続される真空タンク24と,この真空タンク24に真空圧を蓄圧する真空ポンプ25と,可動金型4に設けられて真空通路21を開閉制御する制御弁26とを備える。
【0019】
次に,上記制御弁26について,図2〜図4を参照しながら説明する。
【0020】
制御弁26は,一端を可動金型4の上面に開放するように可動金型4に設けられるシリンダ状の弁室29と,この弁室29に摺動自在に嵌装される弁部材30と,この弁部材30を開き位置D(図2)及び閉じ位置C(図3)に作動すべく可動金型4に取り付けられるアクチュエータ31とから構成される。
【0021】
前記真空通路21は,弁室29により,真空ポンプ25側に連なる上流側真空通路27と,キャビティ5側に連なる下流側真空通路28とに分割され,上流側真空通路27の下流端が第1ポート27aとして弁室29に開口し,この第1ポート27aの下方に下流側真空通路28の上流端が第2ポート28aとして開口する。
【0022】
弁部材30は,アクチュエータ31に連結されるピストンロッド30aと,このピストンロッド30aの先端に形成されて弁室29を摺動する弁ピストンと,ピストンロッド30aの中間部に形成されて弁室29を摺動する隔壁ピストン30cとからなっている。その弁ピストンは,弁部材30の閉じ位置C及び開き位置Dに応じて第2ポート28aの閉鎖及び開放を行うようになっており,第1ポート27aは,弁部材30の閉じ位置C及び開き位置Dに関係なく常時,隔壁ピストン30c及び弁ピストン間に開口したまゝに置かれる。そして,第2ポート28aから弁室29に侵入した異物F(図2参照)は,弁ピストンのピストンロッド30a側端面に乗るようになっている。
【0023】
また前記上流側真空通路27は,これが固定金型3及び可動金型4の合わせ面を通過するように構成される。したがって,型開き時には,上流側真空通路27は,固定金型3及び可動金型4の対向する開放面に開口することになっている。
【0024】
アクチュエータ31は,可動金型4の上面に複数のボルト32(図にはその1本のみを示す。)により着脱可能に固着される油圧シリンダ33と,この油圧シリンダ33に摺動自在に嵌装されて,その内部を上部の第2油室33a及び下部の第2油室33bに区画する作動ピストン34とからなっており,その作動ピストン34に前記弁部材30のピストンロッド30aが連結される。
【0025】
油圧シリンダ33には,第1及び第2油室33a,33bにそれぞれ連なる第1及び第2油圧導管35,36が接続され,これら第1及び第2油圧導管35,36と,油圧ポンプ37及び油タンク38との間に電磁式の切換弁40が介装され,第1及び第2油圧導管35,36を交互に油圧ポンプ37及び油タンク38に連通させ得るようになっている。
【0026】
而して,切換弁40が図2に示す右動位置を占めると,油圧ポンプ37の吐出する油圧が第2油室33aに供給されると共に,第2油室33bは油タンク38に開放されることにより,作動ピストン34が下降して弁部材30を前記開き位置Dに作動し,切換弁40が図3に示す左動位置を占めると,前記油圧が第2油室33bに供給されると共に,第2油室33aが油タンク38に開放されることにより,作動ピストン34が上昇して弁部材30を前記閉じ位置Cに作動するようになっている。
【0027】
図1において,符号20は電子制御ユニット20であって,前記プランジャ位置センサ16の出力信号に応じて前記開閉弁39及び切換弁40を次のように制御する。即ち,電子制御ユニット20は,プランジャ位置センサ16からプランジャ12の前記第1位置Aに対応する信号を受けると,開閉弁39を開くと共に切換弁40を右動し,プランジャ12の前記第2位置Bに対応する信号を受けると,開閉弁39を閉じると共に切換弁40を左動するようになっている。
【0028】
次に,この実施例の作用について説明する。
【0029】
いま,鋳造を開始すべく,図1に示すように,可動金型4を固定金型3に対し閉じてキャビティ5を形成し,給湯口8aに所定量の溶湯を注入した後,射出シリンダ13の作動により作動ロッド14と共にプランジャ12を前進させ,そのプランジャ12が給湯口8aを横切った直後の第1位置Aにきたとき,プランジャ位置センサ16がその第1位置に対応した信号を電子制御ユニット20に出力するので,電子制御ユニット20は,前述に従い開閉弁39を開くと共に切換弁40を右動する(図2参照)。
【0030】
而して,開閉弁39の開きによれば,上流側真空通路27を弁室29に開放する。一方,切換弁40の右動によれば,油圧ポンプ37の吐出圧が油圧シリンダ33の第2油室33aに供給され,その油圧により作動ピストン34が弁部材30を開き位置Dへと下降させるので,弁ピストンが下流側真空通路28の第2ポートを弁室29に開放する。その結果,真空通路21は弁室29を介して導通状態となり,真空タンク24の真空圧が真空通路21及び弁室29を通してオーバーフロー7及びキャビティ5に伝達するので,それらの内部は減圧され,それらの内部に残存するガスが真空タンク24側に吸引され,そして真空ポンプ25から外部に排出される。
【0031】
次にプランジャ12がさらに前進して,溶湯がキャビティ5を満たす直前の第2位置Bに達すると,プランジャ位置センサ16がその第2位置Bに対応した信号を電子制御ユニット20に出力するので,電子制御ユニット20は,前述に従い開閉弁39を閉じと共に切換弁40を左動(図3参照)するので,上流側真空通路27が遮断されと共に,切換弁40の左動により油圧ポンプ37の吐出圧が油圧シリンダ33の第2油室33bに供給され,その油圧により作動ピストン34が弁部材30を閉じ位置Cへと上昇させ,弁ピストンにより第2ポート28aを遮断する。その結果,上流側真空通路27及び下流側真空通路28は共に遮断状態となるから,プランジャ12の更なる前進により,溶湯がキャビティ5に加圧充填されることになる。その際,キャビティ5内の溶湯の一部は,その上部に存在する酸化物等の不純物と共にオーバーフロー7に押し出し,さらに下流側真空通路28にに向かうが,その第2ポート28aは弁ピストンにより遮断されているので,上記溶湯の下流側真空通路28から弁室29への流出を防ぐことができる。かくして,キャビティ5においては,不純物の極めて少ない良質で高密度の鋳造品が成形される。
【0032】
この鋳造品の固化を待って,射出シリンダ13によりプランジャ12を当初の後退位置まで後退させると共に,可動金型4を固定金型3に対して後退させ,即ち型開きする。その際,可動金型4の後退を利用して,図示しないエジェクタピンにより鋳造品をキャビティ5外に押し出せば,オーバーフロー7及び下流側真空通路28を埋めた鋳造不要部分をも同時に可動金型4外に取り出すことができる。
【0033】
以後,同様の動作の繰り返しにより鋳造を行うもので,その間に,下流側真空通路28の第2ポート28aから溶湯の一部が異物Fとして,弁ピストン周りの微細な隙間にはみ出すことがあるが,そのような異物Fは,弁ピストンが第2ポート28a下方の開き位置Dに来たとき,弁ピストン30bのピストンロッド30a側端面に乗ることになる。
【0034】
そこで,ダイカストマシンの休止時に,図4に示すように,ボルト32を外してアクチュエータ31の油圧シリンダ33を可動金型4の上方へ弁部材30と共に引き上げれば,弁ピストン上に乗った異物Fを弁室29外に取り出すことができる。
【0035】
このように,弁部材30を単に弁室29外に引き上げるだけの簡単な作業により,弁室29内の異物Fを弁ピストンと共に弁室29外に取り出すことができるので,弁室29を簡単迅速に清掃することができ,異物Fによる真空通路21の目詰まりを未然に防ぎ,鋳造品の良品質の確保と,鋳造作業の能率向上に貢献することができる。
【0036】
また,上流真空通路21を,これが固定金型3及び可動金型4の合わせ面を通過するように構成し,固定金型3及び可動金型4の開き時には,上流側真空通路27が,固定金型3及び可動金型4の対向する開放面に開口するようにしたので,万一,弁室29の異物Fが下流側真空通路28に侵入した場合には,型開きをして,固定金型3及び可動金型4の対向した開放面から下流側真空通路28の異物Fを容易に取り除くことができる。
【0037】
また弁部材30を,アクチュエータ31に連結されるピストンロッド30aと,このピストンロッド30aの先端に形成される前記弁ピストンと,ピストンロッド30aの中間部に形成される隔壁ピストン30cとで構成し,上流側真空通路27の第1ポート27aを弁ピストン及び隔壁ピストン30c間に配置したので,上流側真空通路27から弁室29に伝達される真空圧のアクチュエータ31側へのリークを隔壁ピストン30cにより防ぐことができる。
【0038】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,制御弁26は固定金型3側に設けることもできる。制御弁26のアクチュエータ31は,空気圧式,電磁式に構成することもできる。
【符号の説明】
【0039】
C・・・・・弁部材の閉じ位置
D・・・・・弁部材の開き位置
F・・・・・異物
3・・・・・固定金型
4・・・・・可動金型
5・・・・・キャビティ
21・・・・真空通路
24,25・・・真空源(真空タンク,真空ポンプ)
26・・・・制御弁
27・・・・上流側真空通路
28・・・・下流側真空通路
29・・・・弁室
30・・・・弁部材
30a・・・ピストンロッド
30b・・・弁ピストン
30c・・・隔壁ピストン
31・・・・アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定金型(3)及び可動金型(4)の対向面間に形成されるキャビティ(5)に,真空源(24,25)に連通する真空通路(21)を接続し,この真空通路(21)に,これを開閉制御する制御弁(26)を設けた,ダイカストマシンのガス抜き装置において,
前記制御弁(26)が,前記真空通路(21)に介入するように前記固定金型(3)及び可動金型(4)の一方に形成されると共に,該一方の金型の外面に一端を開放するシリンダ状の弁室(29)と,この弁室(29)に抜き差し可能に収容されて開き位置(D)及び閉じ位置(C)間を摺動し得る弁部材(30)と,前記一方の金型に着脱可能に且つ前記弁室(29)の開放端を閉鎖するように取り付けられて前記弁部材(30)を作動し得るアクチュエータ(31)とを備え,前記真空通路(21)を,前記真空源(24,25)に連なる上流側真空通路(27)と,前記キャビティ(5)に連なる下流側真空通路(28)とに分割し,その上流側真空通路(27)の下流端を第1ポート(27a),下流側真空通路(28)の上流端を第2ポート(28a)としてそれぞれ前記弁室(29)に開口させ,前記弁部材(30)には,前記アクチュエータ(31)に連結されるピストンロッド(30a)と,このピストンロッド(30a)の先端に形成され,該弁部材(30)の閉じ位置(C)及び開き位置(D)に応じて前記第2ポート(28a)の閉鎖及び開放を行う弁ピストン(30b)を備え,この弁部材(30)の開き位置(D)では,前記第2ポート(28a)を前記弁ピストン(30b)よりピストンロッド(30a)側に位置させ,前記第2ポート(28a)から前記弁室(29)に侵入した異物(F)が前記弁ピストン(30b)のピストンロッド(30a)側端面に乗るようにしたことを特徴とする,ダイカストマシンのガス抜き装置。
【請求項2】
請求項1記載のダイカストマシンのガス抜き装置において,
前記上流側真空通路(27)を,これが前記固定金型(3)及び可動金型(4)の合わせ面を通過するように構成したことを特徴とする,ダイカストマシンのガス抜き装置。
【請求項3】
請求項1記載のダイカストマシンのガス抜き装置において,
前記弁部材(30)を,前記アクチュエータ(31)に連結されるピストンロッド(30a)と,このピストンロッド(30a)の先端に形成される前記弁ピストン(30b)と,前記ピストンロッド(30a)の中間部に形成される隔壁ピストン(30c)とで構成し,前記第1ポート(27a)を前記弁ピストン(30b)及び隔壁ピストン(30c)間に配置したことを特徴とする,ダイカストマシンのガス抜き装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−5503(P2011−5503A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148764(P2009−148764)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000243434)本田金属技術株式会社 (10)
【Fターム(参考)】