説明

ダイスゲーム方法、及びダイスゲーム機

【課題】、興趣の向上が図れるダイスゲーム機を提供する。
【解決手段】本発明のダイスゲーム機1は、複数のダイスが転動する遊技部3と、遊技部3で転動し、停止したときの複数のダイスの出目を予測して、BET操作を可能にするBET表示部を備えたプレイヤ端末4と、遊技部3における複数のダイスの転動、及び停止動作を制御すると共に、プレイヤ端末4からのBET操作、及び配当に応じた遊技価値の払出し処理を制御する制御部と、を有する。この制御部は、遊技部3で決定される複数のダイスの出目が所定の組み合わせとなり、かつプレイヤがその所定の組み合わせにBETしていた場合、当該プレイヤに対して、BETした量に応じて当籤確率が異なる追加ボーナスの抽籤処理を実施するようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のダイスを振って、各ダイスの出目を予測するダイスゲーム方法、及びそのようなダイスゲーム方法を実施するダイスゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、遊技場やカジノには様々なゲーム機が設置されており、その中に、複数のダイスを振って、各ダイスの出目を予測してBET操作を行うダイスゲーム機がある。ダイスゲームは、様々なルールや、それを実施できる装置が提案されており、例えば、特許文献1には、プレイヤがBET操作した後、ディーラがダイスを振り、その結果が所定の組み合わせとなった場合、プレイヤがダイスを振って高配当を得ることが可能なゲーム方法が開示されている。また、古くから馴染みのあるダイスゲームとして、3つのダイスを振った際の出目を予測して、BET操作を行うSICBO(シック・ボー)と称されるものが知られている。
【0003】
シック・ボーは、古代中国のダイスゲームとして広く知られており、3つのダイスが振られた後に出る各ダイスの出目の数、又は数の組み合わせを予測してBETするダイスゲームである。BETの仕方、及び配当率は、プレイヤが着座した際のテーブル上に表示されており(画像表示装置によって表示しても良い)、テーブル上には、1つのダイスの出目を予測してBETする領域、2つのダイスが同じ出目であると予測してBETする領域、3つのダイスが同じ出目であると予測してBETする領域、2つのダイスの出目の組み合わせを予測してBETする領域、及び3つのダイスの出目の合計値を予測してBETする領域等が設けられている。配当については、地域や国等の事情によって一律に定めることはできないが、出現確率に応じて、1:1から1:180程度に設定されている。
【特許文献1】米国特許第5413351号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したような特許文献1に提案されているダイスゲームは、特殊なルールに従って実施されることから、馴染みがなく興趣に欠けるという問題がある。また、一般的に広く知られているシック・ボーは、馴染みがあることから、プレイヤを楽しませることはできるものの、BETする種類が限られていることから、興趣を向上する観点から更に改良する余地がある。具体的には、出現頻度が低く、配当が最も高い(1:180程度)BET領域は、プレイヤが興奮感をもってBET操作すると考えられるが、このBET領域は、3つのダイスが同じ出目となること(ダイスの出目の組み合わせが(1,1,1)(2,2,2)…(6,6,6)になること)を予測するだけであり、BET時における興奮感に欠けてしまう。また、プレイヤが得られる配当についても上限があることから、プレイヤにとっては興味が失せてしまうこともある。
【0005】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、より興趣の向上が図れるダイスゲーム方法、及びダイスゲーム機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、請求項1に係るダイスゲーム方法は、複数のダイスが転動する遊技部と、前記遊技部で転動する前記複数のダイスの出目を予測してBET可能なプレイヤ端末との間で実施される方法であって、前記遊技部で決定される前記複数のダイスの出目が所定の組み合わせとなり、かつプレイヤがその所定の組み合わせにBETしていた場合、当該プレイヤに対して、前記BETした量に応じて当籤確率が異なる追加ボーナスの抽籤処理を行うことを特徴とする。
【0007】
このようなダイスゲーム方法では、遊技部において、複数のダイスの出目が所定の組み合わせとなり、かつプレイヤがその所定の組み合わせにBETしていた場合、そのプレイヤには、追加ボーナスの抽籤処理が実施されるため、より多くの遊技価値を獲得する可能性が生じ、興趣の向上が図れるようになる。また、BET量に応じて当籤確率が異なる(BET量が多くなると、当籤確率が向上する)ことから、プレイヤは、そのような追加ボーナスを獲得するために、積極的に所定の組み合わせにBETするようになり、ダイスの出目に対する興奮感が向上するようになる。
【0008】
また、請求項2に係る発明によれば、前記所定の組み合わせに対してプレイヤがBETした際、そのBET量の内、所定の割合で蓄積処理を実行し、前記追加ボーナスの抽籤処理による入賞が成立した際に、それまでの蓄積量で払い出しを実行することを特徴とする。
【0009】
このようなダイスゲーム方法では、プレイヤが所定の組み合わせにBETした際、そのBET量が所定の割合(BET量全部を含む)でゲーム毎に蓄積されて行くことから、最終的に、追加ボーナスの抽籤処理による入賞が成立した際の払い出し量が膨大となり、プレイヤは、より興味をもってゲームを行うようになる。
【0010】
また、上記した目的を達成するために、請求項3に係るダイスゲーム機は、複数のダイスが転動する遊技部と、前記遊技部で転動し、停止したときの前記複数のダイスの出目を予測して、BET操作を可能にするBET表示部を備えたプレイヤ端末と、前記遊技部における複数のダイスの転動、及び停止動作を制御すると共に、前記プレイヤ端末からのBET操作、及び配当に応じた遊技価値の払出し処理を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記遊技部で決定される前記複数のダイスの出目が所定の組み合わせとなり、かつプレイヤがその所定の組み合わせにBETしていた場合、当該プレイヤに対して、前記BETした量に応じて当籤確率が異なる追加ボーナスの抽籤処理を実施するようにしたことを特徴とする。
【0011】
このようなダイスゲーム機によれば、例えば、筐体の中央領域に、複数のダイスが転動、停止する遊技部を設置し、その周囲に、複数のプレイヤが参加できるプレイヤ端末を設置することが可能となり、プレイヤは、遊技部で実行される複数のダイスの出目の結果を予測して、プレイヤ端末からBET操作することが可能となる。そして、このようなダイスゲーム機では、遊技部において、複数のダイスの出目が所定の組み合わせとなり、かつプレイヤがその所定の組み合わせにBETしていた場合、そのプレイヤには、追加ボーナスの抽籤処理が実施されるため、より多くの遊技価値を獲得する可能性が生じ、興趣の向上が図れるようになる。また、BET量に応じて当籤確率が異なる(BET量が多くなると、当籤確率が向上する)ことから、プレイヤは、そのような追加ボーナスを獲得するために、積極的に所定の組み合わせにBETするようになり、ダイスの出目に対する興奮感が向上するようになる。
【0012】
また、請求項4に係る発明によれば、前記制御部は、前記プレイヤがBETした際のBET量の内、所定の割合で蓄積処理を実行し、前記追加ボーナスの抽籤処理による入賞が成立した際、その入賞が成立したプレイヤ端末に対して、それまでの蓄積量の払い出し処理を実行することを特徴とする。
【0013】
このようなダイスゲーム機では、プレイヤのBET量が所定の割合でゲーム毎に蓄積されて行くことから、最終的に、追加ボーナスの抽籤処理による入賞が成立した際の払い出し量が膨大となり、プレイヤは、より興味をもってゲームを行うようになる。なお、この場合、蓄積処理は、プレイヤ端末の全てのBET操作を対象にして、その中から所定の割合で蓄積しても良いし、プレイヤが前記所定の組み合わせに対してBETした際、そのBET量から所定の割合で蓄積しても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、より興趣の向上が図れるダイスゲーム方法、及びダイスゲーム機が得られるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明におけるダイスゲームは、複数のダイスが転動する遊技部と、プレイヤ用に設置されるプレイヤ用端末との間で実施され、プレイヤは、前記遊技部で行われる複数のダイスの出目を予測してBET操作が行えるように構成される。そして、前記遊技部で実施されるダイスの出目が予め定められた組み合わせとなり、かつプレイヤがそのような出目となることを予測してBET操作を行っていることを条件に、そのプレイヤに対して、追加のボーナスの抽籤処理が実施される。
【0016】
具体的には、以下の実施形態のように、遊技部では、例えば、3つのダイスが振られ、プレイヤは、その出目を予測してBET操作が行えるようになっている。BET操作は、後述するように、例えば、図1に示すBETテーブルのBETエリア41(遊技部のダイスの出目を予測する)が対象となっており、プレイヤはBETエリア41のいずれかにチップ表示することでBET操作を行う。この場合、特定のダイスの組み合わせ(本実施形態では、出現頻度が低く、配当が高く設定されているゾロ目)となっているBET部41EにBET操作することで、追加ボーナスの抽籤処理の権利を獲得できるように設定されている。すなわち、BET部41EにBET操作し、実際の遊技部3における3つのダイスの出目がBETしたものと一致した場合、プレイヤは追加ボーナスの抽籤処理の権利を獲得することが可能となる。なお、ここでの抽籤処理による当籤確率は、プレイヤがBETした量に応じて変化するように設定されている。
【0017】
以下、本発明に係るダイスゲーム方法、及びダイスゲーム機について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0018】
図2は、ダイスゲーム機の一実施形態を示す斜視図であり、図3は、図2に示すダイスゲーム機の遊技部(3つのダイスが転動すると共に、停止する部分)を拡大して示す図、図4は、遊技部におけるダイスの回収から放出に至る経路を模式的に示す図である。
【0019】
ダイスゲーム機1は、本体部分となる筐体2と、筐体2の上面の略中央部に設けられ、1つ以上のダイスが転動し、停止するダイスゲーム実施部3(以下、遊技部3と称する)と、遊技部3の周囲に、遊技部3を取り囲むようにして設置された複数個(本実施形態では10個)のプレイヤ端末4とを備えている。
【0020】
前記プレイヤ端末4は、プレイヤによってBET操作が行える構成であれば良く、少なくとも、貨幣や遊技に使用するメダル等の遊技媒体を投入する遊技媒体受付装置5と、プレイヤにより所定の指示が入力される複数のコントロールボタン等からなるコントロール部6と、ゲームを行うに際して、主にBETテーブルに関する画像を表示させる画像表示装置7とを備えている。そして、プレイヤが画像表示装置7に表示される画像を見ながら、コントロール部6等を操作することにより、遊技部3で連続的に実施されるゲームに参加することができる。
【0021】
各プレイヤ端末4が設置された筐体2の側面には、プレイヤが所持する遊技媒体を払出す払出口8がそれぞれ設けられている。更に、各プレイヤ端末4の画像表示装置7の右上には音楽、効果音等を流すスピーカ9が設けられている。
【0022】
前記遊技部3では、複数のダイスを転動させ、かつ停止させるようになっている。本実施形態では、従来から知られているシック・ボーと同様、遊技部3で3つのダイスD1,D2,D3が用いられる構成となっている。
【0023】
前記遊技部3は、全体的に略円形状に形成されており、遊技を実行するに際して、上記したダイスD1,D2,D3が放出されるダイス放出部3aと、ここから順次放出されるダイスD1,D2,D3を転動させる回転板3bと、回転板3b上で転動するダイスを最終的に停止させる停止板3cとを備えている。
【0024】
前記ダイス放出部3aは、遊技部3を構成する円形の外枠3Fに設置されており、ここから回転板3bに向けて順次(同時でも良い)、ダイスD1〜D3を放出する。
【0025】
前記回転板3bは、図4に示すように、円形の外枠3Fから緩やかに内側に向け下降傾斜した、いわゆるすり鉢状に形成されており、その下面部に複数の駆動ローラ3dが当接した状態で回転可能に支持されている。そして、遊技の開始と共に、回転板駆動モータ3Aによって複数の駆動ローラ3dが回転駆動されることにより、回転板3bは回転駆動される。なお、回転板3bの表面には、所定間隔をおいて突起3h(例えば、略90°間隔で径方向に延出するように形成される)が形成されており、回転板3bが回転駆動された際、各ダイスを弾いて転動させ易くしている。
【0026】
また、前記停止板3cは、すり鉢状の回転板3bの底部分で円形の板状に構成されており、回転板3b上で転動するダイスD1,D2,D3が、回転板3bの停止に伴って、その傾斜に沿って落下し最終的に停止する領域である。すなわち、ダイス放出部3aから放出されるダイスD1,D2,D3は、回転板3bの回転によってその表面で転動し、回転板3bが停止することで、回転板の傾斜表面に沿って落下し、最終的に停止板3c上で停止する。
【0027】
前記停止板3cは、図4に示すように、停止板駆動モータ3Bによってスライド駆動されるよう構成されており、停止板3cがスライド駆動されることで、ダイスD1,D2,D3は、回転板3bの底部に形成された当接部3b´に当て付きながら、回収/放出機構10に向けて落下する。
【0028】
前記回収/放出機構10は、停止板3cから落下するダイスを受ける収容部10aと、収容部10a内のダイスを前記ダイス放出部3aに向けて搬送する搬送機構10bと、搬送機構10bを駆動する搬送駆動モータ3Cとを備えている。この場合、回収/放出機構10は、後述する出目検出装置15によって、停止板3c上に停止した各ダイスの出目の検出が終了した後、各ダイスを回収し、再びダイス放出部3aから回転板3bに向けてダイスを放出できる構成であれば良く、その構造については、特定の形態に限定されることはない。すなわち、例えば、搬送機構10bは、空気圧によってダイスを収容部10aからダイス放出部3aに向けて搬送する構成、コンベアのような搬送体によってダイスを収容部10aからダイス放出部3aに向けて搬送する構成等、様々な形態で実施することが可能である。
【0029】
なお、前記遊技部3は、その上方全体が半球状の透明アクリル製のカバー部材12によって覆われており、各ダイスの転動範囲を規制している。
【0030】
前記遊技部3では、カバー部材12の頂部に、各ダイスの停止の出目を検出する出目検出装置15が設置されている。本実施形態の出目検出装置15は、図5のブロック図に示すように、被写体であるダイスを撮影する撮像素子(CCDカメラ)17と、撮像素子からの撮像信号を処理し、ダイス毎の出目を検出する出目検出回路18とを備えている。
【0031】
前記撮像素子17は、停止板3c上のダイスを撮影すべく、予め焦点レンズ17aによって焦点が停止板3cに一致されており、かつ露出制御されている。前記出目検出回路18は、撮像素子からの撮像信号を受信して被写体(ダイス)の位置を認識する被写体認識部19、ダイス毎の出目を特定する認識処理部21、ダイスの出目に関する比較データを格納した出目データ格納部22、制御RAM23、及びこれらを制御する制御CPU24を備えており、これらのユニットはバスを介して接続され、各ユニットは、制御CPU24によって制御される構造となっている。
【0032】
具体的には、撮像素子17上で結像したダイスの撮像信号は、被写体認識部19において像の強度分布が測定される。図6に模式的に示すように、強度分布を測定することにより、停止板3c上のダイスD1,D2,D3の位置(表面状態)を特定することが可能となる。そして、ここで特定された3つダイスは、認識処理部21において、出目デ―タ格納部22に予め格納されている出目パターン(6つの出目パターン)との間で比較処理を行い、これにより、ダイス毎に露出している出目が特定される。
【0033】
このようにして、3つのダイス夫々に特定された出目情報は、制御RAM23に格納され、遊技媒体の払出し処理を実行するに際して、インターフェース25を介して後述するメイン制御部に対して送信される。すなわち、出目検出装置15は、遊技部3で停止した3つのダイスD1,D2,D3毎に出目を検知し、その出目情報を、ダイスゲーム機全体を制御するメイン制御部に送信する。
【0034】
次に、上記したコントロール部6及び画像表示装置7の構成について説明する。
コントロール部6は、図2に示すように、プレイヤ端末4の画像表示装置7の側部に設けられ、プレイヤにより操作される各ボタンを備えている。具体的には、プレイヤ端末4に対向する位置から見て左側から順にBET確定ボタン30、払い戻し(CASHOUT)ボタン31、ヘルプ(HELP)ボタン32が配置されている。
【0035】
BET確定ボタン30は、画像表示装置7によるBET操作の後にBETを確定する際に押下されるボタンである。そして、BETが確定され、且つ、遊技中に前記遊技部3において、各ダイスの出目に応じた領域にBETしていた場合に入賞となる。入賞した場合には、配当テーブルに基づいて、BETしたチップの枚数に応じたクレジットが、プレイヤの現在所有するクレジットに加算される。
【0036】
払い戻しボタン31は、通常、ゲーム終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン31が押下されると、ゲーム等によって獲得した現在プレイヤが所有するクレジットに応じた遊技媒体が払出口8から払い戻される。
【0037】
ヘルプボタン32は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン32が押下されると、その直後に画像表示装置7上に各種の操作情報を示したヘルプ画面が表示される。
【0038】
前記画像表示装置7は、図1に示すように、タッチパネル35が前面に取り付けられた所謂タッチパネル方式の液晶ディスプレイであり、液晶画面36上に表示されたアイコンを指等で押圧することによりその選択が可能となっている。
【0039】
なお、図1は、遊技中に、画像表示装置7に表示される表示画面の一例を示した図である。この図に示すように、ダイスゲーム機1の遊技中において、画像表示装置7には、当回分の遊技部3における各ダイスD1,D2,D3の出目を予測するテーブル式ベッティングボードが表示される。BET操作は、画像表示装置7に表示されるBET画面40を見ながら手持ちのクレジットを使用して行うことができる。
【0040】
ここで、BET画面40について具体的に説明する。
BET画面40には、ダイス表示されるBETエリア41が、マス目状に配列表示されており、タッチパネル35を指で押圧(接触)してBETエリア41を指定し、指定した部分にチップを表示させることでBET操作が成される。なお、このBETエリア41は、遊技部3で実施される3つのダイスD1,D2,D3の出目を予測してBET操作を行う領域である。
【0041】
前記BET画面40の下方には、画面左から順に、単位BETボタン43、払い戻し結果表示部45、クレジット数表示部46が表示されている。
【0042】
前記単位BETボタン43は、プレイヤが指定したBETエリア41にチップをベットする為のボタンである。単位BETボタンは、1BETボタン43A、5BETボタン43B、10BETボタン43C、100BETボタン43Dの4種類で構成される。なお、BET操作を誤った場合、Re−BETボタン43Eを接触することで、BET操作をやりなおすことが可能となっている。
【0043】
プレイヤは、先ず、BETするBETエリア41にあるBET部を、指等で画面を直接押すことにより、カーソル47で指定する。その状態で、1BETボタン43Aを押下すると、チップを1枚毎(1BETボタン43Aを指等で押す毎に「1」→「2」→「3」→・・・の順にBET枚数が増加)にBETすることができる。同様に、5BETボタン43Bを押下すると、チップを5枚単位(5BETボタン43Bを指等で押す毎に「5」→「10」→「15」→・・・の順にBET枚数が増加)でBETすることができ、10BETボタン43Cを押下すると、チップを10枚単位(10BETボタン43Cを指等で押す毎に「10」→「20」→「30」→・・・の順にBET枚数が増加)でベットすることができ、更に、100BETボタン43Dを押下すると、チップを100枚単位(100BETボタン43Dを指等で押す毎に「100」→「200」→「300」→・・・の順にBET枚数が増加)でベットすることができる。BETエリア41には、現時点までにおいてBETしたチップの枚数がチップマーク48として表示され、チップマーク48上に表示された数字が、チップのBET枚数を示す。
【0044】
また、払い戻し結果表示部45には、前回のゲームにおけるプレイヤのチップのBET枚数、及び払い戻しのクレジット数が表示される。払い戻しクレジット数よりBET枚数を引いた数が、前回のゲームによりプレイヤが新たに獲得したクレジット数である。
【0045】
更に、クレジット数表示部46には、現在のプレイヤが所有するクレジット数が表示される。このクレジット数は、チップをベットした際にはそのBET枚数(チップ1枚につき1クレジット)に応じて減少する。また、BETしたチップが入賞し、クレジットの払い戻しがなされた場合には、払い戻し枚数分のクレジット数が増加する。なお、プレイヤが所有するクレジット数が0となった場合には、遊技終了となる。
【0046】
そして、BET画面40の上部には、棒状のBETタイマーグラフ49が設けられている。BETタイマーグラフ49は、プレイヤがBETすることが可能な残り時間を表示するグラフであり、ゲーム開始時より赤いグラフが徐々に右側に延び始め、最も右側まで延びたときに現在のゲームにおけるBET可能な時間が終了する。各プレイヤ端末4において、プレイヤのBET時間が終了したとき、ダイスD1〜D3は、順次、ダイス放出部3aから回転板3bに向けて投入される。
【0047】
ここで、BET画面40のBETエリア41について説明する。BETエリア41は、複数のBET部を備えており、そのBET部にチップすることでBET操作される。
【0048】
図において、BET部41A,41Bは、ダイスD1〜D3の合計値を予測してBETする部分である。すなわち、合計値が4〜10であると予測するのであれば、BET部41Aを選択し、合計値が11〜17であると予測するのであれば、BET部41Bを選択する。配当は1:1(1枚のBETに対して2枚の払い出し)に設定されており、合計値が3又は18である場合(1,1,1又は6,6,6の出目)、プレイヤのロスとなる。
【0049】
BET部41Cは、3つのダイスの内、2つのダイスが同じ出目になると予測してBETする部分である。すなわち、3つのダイスの内、(1,1)(2,2)(3,3)(4,4)(5,5)(6,6)のいずれかが出現することを予測してBETする部分であり、配当は1:10に設定されている。
【0050】
BET部41Dは、3つのダイス全てが同じ出目になると予測してBETする部分である。すなわち、3つのダイスが、(1,1,1)(2,2,2)(3,3,3)(4,4,4)(5,5,5)(6,6,6)のいずれかが出現することを予測してBETする部分であり、配当は1:30に設定されている。
【0051】
BET部41Eは、3つのダイス全てが同じ出目であり、かつその数字を予測してBETする部分である。すなわち、3つのダイスが、(1,1,1)(2,2,2)(3,3,3)(4,4,4)(5,5,5)(6,6,6)となり、かつその数字を予測してBETする部分であり、配当は1:180に設定されている。なお、このBET部41EへのBET操作は、後述する追加ボーナスの抽籤処理実行へのトリガと成り得る。
【0052】
BET部41Fは、3つのダイス合計値を予測してBETする部分である。合計値の出現頻度に応じて配当が設定されており、合計値が4又は17の場合、1:60に、合計値が5又は16の場合、1:30に、合計値が6又は15の場合、1:18に、合計値が7又は14の場合、1:12に、合計値が8又は13の場合、1:8に、合計値が9又は12の場合、1:7に、そして、合計値が10又は11の場合、1:6に設定されている。
【0053】
BET部41Gは、3つのダイスの内、2つのダイスの出目を予測してBETする部分であり、配当は1:5に設定されている。
【0054】
BET部41Hは、ダイスの出目を予測してBETする領域であり、予測した出目に一致したダイスの数に応じて配当が設定されている。例えば、出目を「1」と予測してBETした場合において、3つのダイスの出目に「1」が1つ含まれていたときの配当は1:1、「1」が2つ含まれていたときの配当は1:2、「1」が3つ含まれていたときの配当は1:10に設定されている。
【0055】
また、本実施形態のダイスゲーム機は、遊技部3における3つのダイスが所定の組み合わせとなり、かつプレイヤがその所定の組み合わせにBETしていた際、そのBET操作を実行したプレイヤ端末に対して、追加ボーナスの抽籤処理を実施するよう構成されている。この場合、追加ボーナスの抽籤処理は、後述するダイスゲーム機の動作を制御するメイン制御部80において実施されるようになっており、具体的には、メイン制御部を構成するCPUが所定範囲の中から乱数を抽出し、その抽出した乱数の値を、抽籤テーブルを参照することで当籤を決定するようにしている。この抽籤処理によって当籤すると、そのプレイヤは、通常のダイスゲームで得られる配当に加え、この追加ボーナスによる特別な配当を得ることが可能となる。
【0056】
本実施形態では、追加ボーナスの配当に関し、ダイスゲーム機の制御部が、各プレイヤ端末から実施されるBET量について所定の割合で蓄積処理(遊技媒体の蓄積処理)を行い、当籤が成立した際、その蓄積した遊技媒体を払い出す形態(プログレッシブ機能)を採用している。このため、抽籤処理によって、当籤が成立しない期間が長くなるほど、当籤した際の配当が増加することになる。
【0057】
上記した構成において、「遊技部3における3つのダイスが所定の組み合わせになる」とは、3つのダイスが何れも同じ出目(ゾロ目)になること、としており、プレイヤが、この出目の出現を予測してBETしていた場合、当該プレイヤに対して追加ボーナス(抽籤処理)を実施するように構成される。すなわち、図1に示すBETテーブルにおいて、プレイヤが6通りあるゾロ目のパターンに関するBET部41EにBETしており、かつ遊技部3で停止した3つのダイスの組み合わせが、そのBETに当籤した場合に、当該プレイヤに対して追加ボーナス(抽籤処理)が実施される。
【0058】
また、この抽籤処理において、その当籤する確率は、プレイヤがBET部41EにBETしたBET量によって可変するように設定されている。すなわち、BET量が多いほど(プレイヤにとっては、それだけ高い配当を得るためにリスクが大きくなる)、当籤する確率が高くなるように設定されている。BET量に応じて当籤確率を変化させるのは、上記した抽籤テーブルによって決定される。
【0059】
また、BET量の蓄積処理については、プレイヤが行うBET操作全てを対象にし、その中から所定の割合で蓄積しても良いが、本実施形態では、プレイヤが、BET部41EにBETしたBET量を全て蓄積するようにしている。これは、3つのダイスの出目の結果がゾロ目になるのは確率的に少なく(6/216)、また、プレイヤが、そのようなゾロ目を予測してBET部41EにBET操作することが少ないことから、上記したような蓄積処理をしても、特に不都合が生じることはない。
【0060】
もちろん、追加ボーナスに当籤した際の払い出しに関しては、上記したようなプログレッシブ機能によらず、予め定められている払い出し枚数を付与するようにしても良い。
【0061】
次に、上記したダイスゲーム機1の制御系に係る構成について、図7を参照して説明する。図7は、ダイスゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。
【0062】
ダイスゲーム機1のメイン制御部80は、メイン制御用のCPU81、ROM82、RAM83、及びこれらの間で相互にデータ転送を行うバス84を核として構成されるマイクロコンピュータ85を有している。
【0063】
前記CPU81は、I/Oインターフェース90を介して、遊技部3を駆動する各種装置、具体的には、回転板駆動モータ3A、停止板駆動モータ3B、ダイスの回収/放出機構10の主たる駆動部である搬送駆動モータ3C等に接続されている。また、I/Oインターフェース90には、上述した出目検出装置15が接続されており、出目検出装置15との間で、遊技動作が終了した旨の信号、及び停止板3c上で停止した3つのダイスの夫々の出目に関する信号の送受信を行う。さらに、I/Oインターフェース90には、通信インターフェース95が接続されており、この通信インターフェース95を介して、メイン制御部80は、各プレイヤ端末4との間で、BET情報、配当情報等、各種のデータの送受信を行う。
【0064】
前記メイン制御部80におけるROM82は、例えば、半導体メモリ等により構成されており、ダイスゲーム機1の基本的な機能を実現させるためのプログラム、具体的には、遊技部3を駆動する各種装置を制御するプログラム、上記したプログレッシブ機能を実現するためのプログラム、各プレイヤ端末4を主導的に制御するためのプログラム等を記憶すると共に、ダイスゲームや抽籤処理を実行する上で参照される配当テーブル、抽籤テーブル等が格納されている。
【0065】
前記RAM83は、CPU81で演算された各種データを一時的に記憶するメモリであり、例えば、各プレイヤ端末4から送信されるチップのBET情報、各プレイヤ端末4から送信されるチップのBET量を所定の割合で蓄積して行くBET蓄積情報、遊技部3における遊技結果である出目検出装置15から送信される各ダイスD1〜D3の出目情報、及びCPU81により実行された処理の結果に関するデータ等を一時的に記憶する。
【0066】
そして、前記CPU81は、ROM82及びRAM83に記憶されたデータやプログラムに基づいて、遊技部3を駆動する回転板駆動モータ3A、停止板駆動モータ3B、搬送駆動モータ3Cを制御し、遊技部3の回転板3bへのダイスの投入、及び停止板3cからダイスを回収して再びダイスが投入できるように、ダイス放出部3aへ向けてのダイスの搬送、並びに、停止板3c上に停止した各ダイスの出目の確認処理等、遊技の進行に伴う制御処理を実行する。
【0067】
また、CPU81は、遊技の進行に伴う制御処理に加え、各プレイヤ端末4との間でデータの送受信を行い、各プレイヤ端末4を主導的に制御して遊技を進行させる機能を有する。具体的には、各プレイヤ端末4から送信されるBET情報を受け付けると共に、遊技の結果であるダイスD1,D2,D3の出目と、各プレイヤ端末4から送信されたBET情報に基づいて、BETされたチップの入賞判定処理を行い、各プレイヤ端末4において払い出されるクレジット数を、配当テーブルを参照して計算する。
【0068】
また、CPU81は、上記した入賞判定処理を行う際に、追加ボーナスが成立しているか否かの判定処理をプレイヤ端末毎に行い、追加ボーナスが成立した際に、該当するプレイヤ端末毎に抽籤処理を実施する。この抽籤処理に際しては、所定のBET部41EにBETしたBET量に応じて、当籤結果が異なるように設定された抽籤テーブルが参照され、当籤が成立した際、そのプレイヤ端末に対して当籤した旨の信号を送信すると共に、それまで蓄積した遊技媒体に関する情報を送信する。
【0069】
上記した抽籤処理は、例えば、CPU81に、乱数発生器やサンプリング回路等を接続しておき、任意の乱数を抽出することで実行したり、CPU81の動作プログラム上で、乱数をサンプリングすることで実行することが可能であり、特定の手法に限定されることはない。或いは、プレイヤに、別途、特別なゲームを実施させ、そのゲーム結果によって当籤させても良い(当選確率は、BET量に応じて異なるように設定されている)。
【0070】
図8は、抽籤処理を行う際に参照される抽籤テーブルの一例を示す図である。
上述したように、CPUでは、1回の抽籤処理(1つのプレイヤ端末の抽籤処理)において、予め定められた乱数範囲(例えば、0から10000の範囲)の中から任意の乱数値を1つ抽出する。そして、CPUは、抽出した乱数値を、図8に示す抽籤テーブルと参照し、当籤か否かを判定する。この際、図8の抽籤テーブルに示すように、当該プレイヤ(追加ボーナスを獲得したプレイヤ)が、図1に示すBET部41EにBETしたチップの数量に応じて当籤確率が変化する(チップ数が多いほど、当籤確率は上昇する)ように設定されている。
【0071】
なお、図8に示す抽籤テーブルは一例を示すものであり、取り得る乱数範囲、BET量に応じた当籤確率については、適宜、変形することが可能である。
【0072】
次に、上記したメイン制御部80のCPU81に接続されたプレイヤ端末4の制御系に係る構成について説明する。
図9は、本実施形態に係るプレイヤ端末4の制御系を模式的に示すブロック図である。
【0073】
プレイヤ端末4は、上記したコントロール部6、画像表示装置7、スピーカ9等を設置した本体部100、及び、本体部100に取り付けられた遊技媒体受付装置5とを備えており、さらに本体部100は、プレイヤ端末制御部110、及びいくつかの周辺装置機器を備えている。
【0074】
前記プレイヤ端末制御部110は、プレイヤ端末制御用のCPU111と、ROM112と、RAM113とを備えている。
【0075】
前記ROM112は、例えば、半導体メモリ等により構成されており、プレイヤ端末4の基本的な機能を実現させるためのプログラム、その他プレイヤ端末4の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。
【0076】
前記RAM113は、前記CPU111で演算された各種データ、プレイヤが現在所有するクレジット数、プレイヤによるチップのBET状況等を一時的に記憶しておくメモリである。
【0077】
また、CPU111には、コントロール部6(図2参照)に設けられたBET確定ボタン30、払い戻しボタン31、ヘルプボタン32がそれぞれ接続されている。そして、CPU111は、各ボタンの押下等により出力される操作信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。具体的には、プレイヤの操作が入力されたことを受けてコントロール部6から供給される入力信号、並びに、ROM112、RAM113に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果を上述したメイン制御部80のCPU81に送信する。
【0078】
さらに、CPU111は、メイン制御部80のCPU81からの命令信号を受信し、プレイヤ端末4を構成する周辺機器等を制御し、プレイヤ端末4におけるダイスゲームを進行させる。
【0079】
また、CPU111は、処理の内容によっては、プレイヤの操作が入力されたことを受けてコントロール部6から供給される入力信号、及び、ROM112とRAM113とに記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果に基づいてプレイヤ端末4を構成する周辺機器を制御し、プレイヤ端末4におけるダイスゲームを進行させる。なお、どちらの方法で処理を行うかについては、その処理の内容に応じて処理ごとに設定される。例えば、各ダイスの出目に対する遊技媒体の払い出し処理は前者に該当し、プレイヤよるBET操作処理は後者に該当する。
【0080】
また、CPU111には、ホッパー114が接続されており、CPU111からの命令信号により、ホッパー114は、所定枚数の遊技媒体を、払出口8から払い出す。
【0081】
更に、CPU111には、液晶駆動回路120を介して画像表示装置7が接続されている。液晶駆動回路120は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。前記プログラムROMには、画像表示装置7での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されており、画像ROMには、例えば、画像表示装置7で表示される画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPUは、CPU111で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から画像表示装置7に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAMは、前記画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、画像表示装置7に出力するものである。尚、ビデオRAMは、VDPで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0082】
前記画像表示装置7の前面には、上述したようにタッチパネル35が取り付けられており、タッチパネル35の操作情報は、CPU111に対して送信される。タッチパネル35は、上記したBET画面40において、プレイヤのチップのBET操作を検知する。具体的には、BET画面40のBETエリア41の選択、単位ベットボタン43の操作等がタッチパネル35を接触操作することで行われ、その情報がCPU111に送信される。そして、その情報に基づいてRAM113に、現在のプレイヤのBET情報(BET画面40において指定したBETエリア41、並びにベットしたチップの枚数)が随時記憶される。更に、そのBET情報は、メイン制御部80のCPU81に対して送信され、RAM83のBET情報記憶エリアに記憶される。
【0083】
更に、音出力回路126及びスピーカ9がCPU111に接続されており、スピーカ9は、音出力回路126からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生する。また、CPU111には、データ受信部127を介して、貨幣やメダル等の遊技媒体を投入する装置である遊技媒体受付装置5が接続されている。前記データ受信部127は、遊技媒体受付装置5から送信されたクレジット信号を受信し、CPU111は、送信されたクレジット信号に基づいて、RAM113に記憶されたプレイヤのクレジット数を増加させる。
【0084】
次に、上記のように構成されるダイスゲーム機1の制御動作について、プレイヤ端末4でプレイヤが遊技する際の操作に基づいて説明する。
【0085】
図10は、ダイスゲーム機1のメイン制御部80とプレイヤ端末4との間で実施されるダイスゲームの手順の制御動作を示すフローチャートである。
【0086】
最初、ダイスゲーム機1では、BET受付処理を行う(ステップ;ST01)。このBET受付処理の間に、プレイヤ端末4に着座したプレイヤは、遊技媒体受付装置5に、硬貨、メダル等の遊技媒体を投入すると共に、それに応じて画像表示装置7のBET画面40(図1参照)を見ながら、上述したBET操作を行う。BET受付処理中、各プレイヤ端末におけるBET画面40には、BETタイマーグラフ49が表示されており、メイン制御部80は、この時間内にBET操作を受け付ける。なお、BET画面40のクレジット数表示部46には、BET操作毎に、BET可能な枚数(残存チップ量)が減算表示されて行く。
【0087】
上記したBET操作では、プレイヤは、遊技部3における3つのダイスの出目を予測したBET操作が行えるようになっており、BETエリア41の各BET部41A〜41Gに対して、上述した操作方法によってBET操作することができる。なお、プレイヤがBETした部分には、図1に示すように、チップマーク48が表示される。
【0088】
メイン制御部80は、各プレイヤ端末から上記したBET操作を受け付けると、プレイヤ端末毎に、BET内容をRAM83の所定の記憶領域に書き込むと共に、そのBETの一部を貯留する(ST02)。ここでの貯留処理は、各プレイヤ端末におけるBET操作の内、BET部41EにBETしたチップ枚数(遊技媒体の量)全てが貯留されるように設定され、各プレイヤ端末においてBET部41EにBETしたチップ枚数は、順次、RAM83の所定の記憶領域に書き込まれる。
【0089】
上記した動作は、BET受付時間が経過するまで実行され(ST03)、BET受付時間が終了すると、メイン制御部80のCPU81は、遊技部3に駆動信号を送信し、遊技部3を駆動する(ST04)。このとき、遊技部3では、3つのダイスD1〜D3が転動している。
【0090】
そして、所定時間が経過した後、遊技部3の停止処理を行い(ST05)、この状態で、出目検出処理を行う(ST06)。出目検出処理は、上記出目検出装置15が駆動され、表面に露出した3つのダイスの出目情報が検出される。3つのダイスの出目情報は、メイン制御部80に送信され、CPU81は、RAM83に格納されているプレイヤ端末毎のBET情報との間で入賞判定処理を実行する(ST07)。
【0091】
この際、入賞と判定されなければ(ST08,NO)、プレイヤのロスとなり、その結果をプレイヤ端末に送信する(ST09)。各プレイヤ端末では、BET画面40の払い出し結果表示部45に、「LOSS」表示する等の結果表示処理が行われる。
【0092】
一方、上記ST08で入賞と判定されていれば、引き続き、その入賞態様が、ゾロ目(3つのダイスが同一の出目状態)であったか否かが判定される(ST10)。ここでダイスの出目がゾロ目でなければ(ST10、NO)、そのまま所定の配当テーブルを参照して配当量の計算(クレジット量加算処理;ST11)を実行し、その結果をRAM83の所定の作業領域に格納した後、各プレイヤ端末4に入賞判定信号を送信する(ST09)。各プレイヤ端末4のCPU111は、メイン制御部80から送信される入賞判定信号に基づいて、液晶駆動回路120を駆動制御し、BET画面40に表示されている払い出し結果表示部45、及びクレジット数表示部46の更新処理を行う。また、必要に応じて、各プレイヤ端末4のCPU111は、液晶駆動回路120及び音出力回路126を駆動して、画像演出や音による演出を実施する。
【0093】
また、上記ST10において、ダイスの出目がゾロ目であったと判定された場合、メイン制御部80のCPU81は、引き続き抽籤処理を行う(ST12)。この抽籤処理は、上述したように、CPU81において任意の乱数を抽出することで実行され、抽出した乱数値、及び当該プレイヤがBET部41EにBETした枚数に基づき、図8に示した抽籤テーブルを参照して当籤か否かが決定される。
【0094】
この抽籤処理において、追加ボーナスに当籤していなければ(ST13、NO)、上記したST11及びST09の処理に従って、配当量の計算、及び配当結果のプレイヤ端末に対する送信処理が実行される。
【0095】
一方、ST12の抽籤処理において、予め定められた乱数値が抽出されることで、追加ボーナスの当籤、いわゆるジャックポットとなり(ST13、YES)、クレジット量加算処理(ST14)を実行する。ここでの配当量の計算は、抽籤処理を行う前の遊技部3における遊技結果によって獲得した配当に加え、それまでのダイスゲームの実施に際して貯留されたBET量(ST02においてRAM83に書き込まれた貯留量)が該当しており、その合算した配当量の計算結果をRAM83の所定の作業領域に格納した後、プレイヤ端末4に送信する(ST09)。
【0096】
なお、追加ボーナスに当籤(ジャックポットが成立)した際、プレイヤ端末では、BET画面40の払い出し結果表示部45に、BET量と獲得した遊技媒体の量を表示する等の結果表示処理が行われる。また、もちろん、該当するプレイヤ端末の画像表示装置7等において、別途、特別な演出を実施するようにしても良い。
【0097】
そして、全てのプレイヤ端末において、上述した手順が終了した後、メイン制御部80のCPU81は、次の遊技に移行すべく、回収/放出機構10を駆動し、停止板3c上のダイスを回収し(ST15)、1回のゲームが終了する。
【0098】
以上のように構成されるダイスゲーム機1、及びダイスゲーム機によるダイスゲームでは、遊技部3において、3つのダイスの出目が所定の組み合わせ(ゾロ目)となり、かつプレイヤがその所定の組み合わせにBETしていた場合、そのプレイヤには、追加ボーナスの抽籤処理が実施されるため、より多くの遊技価値を獲得する可能性が生じ、興趣の向上が図れるようになる。特に、この抽籤処理に際しては、そのBET量に応じて当籤確率が異なる(BET量が多くなると、当籤確率が向上する)ことから、プレイヤは、そのような追加ボーナスの獲得を目指して積極的に所定の組み合わせにBETするようになり、ダイスの出目に対する興奮感が向上するようになる。
【0099】
また、本実施形態では、追加ボーナスに当籤した際の配当を、各プレイヤ端末において所定の組み合わせ(ゾロ目)にBETした際のBET量がゲーム毎に蓄積されて行くことから、最終的に、追加ボーナスの抽籤処理による入賞が成立した際の払い出し量が膨大となり、プレイヤは、より興味をもってゲームを行うようになると共に、多数のプレイヤをゲームに積極的に参加させることができる。
【0100】
以上、本発明のダイスゲーム機及びダイスゲーム方法の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
【0101】
例えば、遊技部3において、ダイスを転動し停止するための具体的な方法、各ダイスの出目の判別手段、ダイスの回収方法等は、適宜変形することが可能である。例えば、ダイスは、振動板上で転動するような構成であっても良いし、回収されること無く、遊技部内で常時露出した状態にあっても良い。また、遊技部3では、実際にダイスを転動させるのではなく、画像表示装置を用いて、ダイスを転動、停止させる画像を表示するようにしても良い。
【0102】
また、遊技部3で使用されるダイスについては、上記した実施形態の個数に限定されることはなく、種々変形することが可能であり、それに応じてBETする方法や種類についても適宜変形することが可能である。また、追加ボーナスが成立するための条件(複数のダイスの出目の組み合わせ)や、その抽籤の方法、BET量に応じて変化する当籤確率、並びに、その配当についても適宜変形することが可能である。また、上述したBET部における配当や抽籤テーブルについては、一例を示したに過ぎず、地域毎、規制等によって適宜変形することが可能である。
【0103】
さらに、本発明は、単純にディーラがダイスを扱うようなテーブルゲームでも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】BET操作を可能にするBET画面の表示例を示す図。
【図2】本発明に係るダイスゲーム機の一例を示した全体構成を示す斜視図。
【図3】遊技部の構成を示す平面図。
【図4】遊技部の構造の概略構成を示す図。
【図5】出目検出装置の一例を示したブロック図。
【図6】図5に示す出目検出装置で得られる各ダイスの撮像例を示す図。
【図7】ダイスゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図。
【図8】追加ボーナスの抽籤処理を実行するに当たって参照される抽籤テーブルの一例を示す図。
【図9】プレイヤ端末の制御系を模式的に示すブロック図。
【図10】ダイスゲーム機のメイン制御部とプレイヤ端末との間で実施されるダイスゲームの手順の制御動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0105】
1 ダイスゲーム機
3 遊技部
4 プレイヤ端末
6 コントロール部
7 画像表示装置
35 タッチパネル
40 BET画面
80 メイン制御部
D1〜D3 ダイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のダイスが転動する遊技部と、前記遊技部で転動する前記複数のダイスの出目を予測してBET可能なプレイヤ端末との間で実施されるダイスゲーム方法であって、
前記遊技部で決定される前記複数のダイスの出目が所定の組み合わせとなり、かつプレイヤがその所定の組み合わせにBETしていた場合、当該プレイヤに対して、前記BETした量に応じて当籤確率が異なる追加ボーナスの抽籤処理を行うことを特徴とするダイスゲーム方法。
【請求項2】
前記所定の組み合わせに対してプレイヤがBETした際、そのBET量の内、所定の割合で蓄積処理を実行し、前記追加ボーナスの抽籤処理による入賞が成立した際に、それまでの蓄積量で払い出しを実行することを特徴とする請求項1に記載のダイスゲーム方法。
【請求項3】
複数のダイスが転動する遊技部と、
前記遊技部で転動し、停止したときの前記複数のダイスの出目を予測して、BET操作を可能にするBET表示部を備えたプレイヤ端末と、
前記遊技部における複数のダイスの転動、及び停止動作を制御すると共に、前記プレイヤ端末からのBET操作、及び配当に応じた遊技価値の払出し処理を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記遊技部で決定される前記複数のダイスの出目が所定の組み合わせとなり、かつプレイヤがその所定の組み合わせにBETしていた場合、当該プレイヤに対して、前記BETした量に応じて当籤確率が異なる追加ボーナスの抽籤処理を実施するようにしたことを特徴とするダイスゲーム機。
【請求項4】
前記制御部は、前記プレイヤがBETした際のBET量の内、所定の割合で蓄積処理を実行し、前記追加ボーナスの抽籤処理による入賞が成立した際、その入賞が成立したプレイヤ端末に対して、それまでの蓄積量の払い出し処理を実行することを特徴とする請求項3に記載のダイスゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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