ダクト入りシートパッドの製造方法
【課題】別体のシール部材を使用することなく、低コストにして、汎用シール部材と同様のシール性が確保できるダクト入りシートパッドの製造方法を提供する。
【解決手段】エア導入部61が設けられると共にダクト経路にエア噴出口が複数設けられた配風用ダクト6を、発泡型7にセットし、該ダクト6が埋設されるシートパッド1を発泡成形し、乗員当接側のシートパッド表面1aに成形された複数の空気吹き出し口に各エア噴出口が合致し、且つシートパッド1の裏面からエア導入部61が突出するダクト入りシートパッドの製造方法であって、発泡型7へのダクト6のセット又はダクト6のセット後の型閉じにより、エア導入部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲むよう、発泡型7に凹みを形成して、シートパッド1の発泡成形で、空所70kに流入した発泡原料によって、エア導入部61の外周面61aを取り巻くガスケット用弾性シール部5も発泡成形される。
【解決手段】エア導入部61が設けられると共にダクト経路にエア噴出口が複数設けられた配風用ダクト6を、発泡型7にセットし、該ダクト6が埋設されるシートパッド1を発泡成形し、乗員当接側のシートパッド表面1aに成形された複数の空気吹き出し口に各エア噴出口が合致し、且つシートパッド1の裏面からエア導入部61が突出するダクト入りシートパッドの製造方法であって、発泡型7へのダクト6のセット又はダクト6のセット後の型閉じにより、エア導入部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲むよう、発泡型7に凹みを形成して、シートパッド1の発泡成形で、空所70kに流入した発泡原料によって、エア導入部61の外周面61aを取り巻くガスケット用弾性シール部5も発泡成形される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用座席シートを構成するシートクッション用シートパッドで、ダクトをインサート成形で一体化したダクト入りシートパッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に搭載される座席シートの座部や背もたれを構成するシートクッションは乗員が座って直かに接する部分であり、暑い季節になると乗員はその箇所が汗ばむ一方、冬の季節を向かえると冷たく感じることがある。こうしたことから、シートパッド内部に配風ダクトを設けて温度調整される座席シートが提案されている(例えば特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−165725号公報
【特許文献2】特開昭58−41512号公報
【0004】
ここで、配風ダクトは接続用相手部材と連結する必要があるが、その連結に、特許文献1、2は共に別体のシール部材を用意している。特許文献1では、段落0014に「排気口部材8と排気ダクトの間には、排気漏れ防止部材9が設けられている。排気漏れ防止部材9は、樹脂やゴムなどの弾性材料から形成」されるとし、排気漏れ防止部材9を介在させて排気口部材8と排気ダクトとを連結し、シール性を確保する。特許文献2の自動車用座席シートの通風装置でも、図5に別体のシール部を介在させて、両通風管材を接続する様子が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、特許文献1,2の技術は、形状が多少異なっても一般的な配管接続と同じようにガスケット用シール部材が用いられている。シール部材を別途準備し、さらに、これを配管接続時に組付けていかねばならず、部品点数の増加、組付け費、部品在庫管理などコストアップ要因になっている。
一方、シール部材をなくしてしまうと、エア漏れを回避するために配風ダクトと接続相手部材の両製品精度が必要になりコスト上昇につながり、また車両走行中に、こすれ音等が発生する虞れがある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するもので、シートパッドに配設した配風用ダクトと接続用相手部材との接続に、別体のシール部材を使用することなく、低コストにして、汎用シール部材と同様のシール性が確保できるようにしたダクト入りシートパッドの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、エア導入部(61)が設けられると共にダクト経路にエア噴出口(64)が複数設けられた配風用ダクト(6)を、発泡型(7)にセットし、その後、発泡原料(m)の注入及び型閉じを経て、該ダクト(6)が埋設されるシートパッド(1)を発泡成形し、乗員当接側のシートパッド表面(1a)に成形された複数の空気吹き出し口(20)に前記各エア噴出口(64)が合致し、且つ該シートパッド(1)の裏面(1b)から前記エア導入部(61)が突出するダクト入りシートパッドの製造方法であって、前記発泡型(7)への前記ダクト(6)のセット又は該ダクト(6)のセット後の型閉じにより、前記エア導入部(61)の外周面(61a)を環状空所(70k)が取り囲むよう、該発泡型(7)に凹み(73)を形成して、前記シートパッド(1)の発泡成形で、該空所(70k)に流入した前記発泡原料(m)によって、該エア導入部(61)の外周面(61a)を取り巻くガスケット用弾性シール部(5)も発泡成形されることを特徴とするダクト入りシートパッドの製造方法にある。
ここで、「発泡原料(m)の注入及び型閉じを経て」では、発泡原料(m)の注入と型閉じの順序は問わない。
請求項2の発明たるダクト入りシートパッドの製造方法は、請求項1で、ダクト(6)として、前記エア導入部(61)側に捨て袋(6d)を残したままの捨て袋付きブロー成形ダクトが用いられ、そのダクト(6)を前記発泡型(7)にセットした後、該ダクト(6)が埋設される前記シートパッド(1)を発泡成形し、しかる後、該捨て袋(6d)を含めて、前記エア導入部(61)よりも先端側部分(TP)が切除されることを特徴とする。請求項3の発明たるダクト入りシートパッドの製造方法は、請求項1又は2で、エア導入部(61)の先端部(62)を、先端に向け導入部外径が小さくなるよう形成し、且つ、その先端部(62)の外周面を前記弾性シール部(5)が取り巻くことを特徴とする。請求項4の発明たるダクト入りシートパッドの製造方法は、請求項1〜3で、エア導入部(61)の先端部(62)の外周面に凹凸部分(62b)を形成し、且つ、前記弾性シール部(5)が該凹凸部分(62b)に覆着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のダクト入りシートパッドの製造方法は、シートパッドの発泡成形で、ガスケット用弾性シール部が同時に発泡成形され、この弾性シール部でシール性を確保して該ダクトと接続用相手部材とが連結可能になり、部品点数の削減、部品取付け工数の削減等に寄与し、低コスト化、生産性向上等に優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のダクト入りシートパッドの製造方法一形態で、その製法に用いる発泡型の説明断面図である。
【図2】図1の下型に配風用ダクトをセットした説明である。
【図3】図2の下型に発泡原料を注入する様子を示す説明断面図である。
【図4】図3の発泡原料注入後に型閉じした様子を示す説明断面図である。
【図5】ダクト入りシートパッドが発泡成形された説明断面図である。
【図6】図5の発泡成形後に脱型されたダクト入りシートパッドの裏面側から見た全体斜視図である。
【図7】図6に係るダクト入りシートパッドの表面側から見た全体斜視図である。
【図8】図7のシートパッドを二点鎖線で表すダクト入りシートパッドの表面側から見た全体斜視図である。
【図9】図8のIX-IX線矢視図である。
【図10】図7のX-X線矢視図である。
【図11】図7のXI-XI線矢視図である。
【図12】(イ)が図5に代わる発泡成形工程の要部断面図、(ロ)が捨て袋をカットする説明断面図、(ハ)が相手部材をエア導入部へ接続する様子の説明断面図である。
【図13】別態様のダクト入りシートパッドの製造方法で、図5や図12(ハ)に代わるダクト入りシートパッドの要部断面図である。
【図14】図13に代わるダクト入りシートパッドの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るダクト入りシートパッドの製造方法について詳述する。図1〜図14は本発明のダクト入りシートパッドの製造方法の一形態で、図1はその製法に用いる発泡型の説明断面図、図2は図1の下型に配風用ダクトをセットした説明断面図、図3は図2の下型に発泡原料を注入する様子を示す説明断面図、図4は図3の発泡原料注入後に型閉じした様子を示す説明断面図、図5はダクト入りシートパッドが発泡成形された説明断面図である。図6〜図8は図5の発泡成形後に脱型されたダクト入りシートパッドの全体斜視図、図9は図8のIX-IX線矢視図、図10は図7のX-X線矢視図、図11は図7のXI-XI線矢視図、図12〜図14は図1〜図11のダクト入りシートパッドの製造方法に代わる他態様図を示す。尚、図11はダクト流路60を判り易くするため、便宜的にダクトに係るエア導入部と横筒部とを同一断面上に描く。
【0011】
ダクト入りシートパッドの製造方法は、発泡型7を用いて、該発泡型7に配風用ダクト6(以下、単に「ダクト」という。)をセットした後、発泡原料mの注入及び型閉じを経て、シートパッド1を発泡成形する。そして、該シートパッド1の成形で、ガスケット用弾性シール部5を一緒に発泡成形する。ダクト6入りシートパッド1は車両用座席シートの座部やバックレストのシートクッションSに使用される。ここでは車両用座席シート用座部向けのダクト6入りシートパッド1に適用する。発泡成形に先立ち、ダクト6,発泡型7が用意される。
【0012】
ダクト6は、シートパッド1の発泡成形で、シートパッド1に埋設一体化されるプロピレン樹脂等からなる樹脂製管状部材である。本実施形態は図8,図9のような平面視略H字状した配風流路60を有するブロー成形ダクト6で、車幅方向に配される横筒部6bの両端から一対の縦筒部6aが車両前後方向へ延びる。
ダクト6の表面側には、エア噴出口64が複数開設される。本発明の「表面側」とは乗員が座部に腰掛ける時に当接する面の側をいう。ここでのダクト6は、その表面側に短管からなるエア噴出口64用のノズル部65を複数立設する。
【0013】
一方、ダクト6の裏面側には、エア導入部61が設けられる。エア導入部61はダクト6の樹脂成形で一体形成され、横筒部6bの裏面中央に立設する。シートパッド1の発泡成形で、ダクト主要部が埋設されるインサート用ダクト6であるが、シートパッド裏面1bから筒状エア導入部61が突出する。ダクト6入りシートパッド1が出来上がった段階で、シートパッド1の裏面1bほぼ中央から、先端口がエア導入口eになるエア導入部61が突出する(図6)。
詳しくは、前記横筒部6bの略中央で膨出部6b1が張出す(図8,図9)。膨出部6b1はその先端部で裏面側へと屈曲し、そのまま延設されてエア導入口eを形成する円筒状のエア導入部61となる。エア導入部61が、略同一平面上にあるダクト6の主要部に対し、起立するよう形成される。尚、ダクト6に図8のごとくの舌片状クリップ67,取付孔671を設けるが、他図はそれらの図示を省略する。
【0014】
本ダクト入りシートパッドの製造方法に用いる発泡型7は、図1のごとくの分割型で、下型7a(一の分割型)と上型7b(他の分割型)とを備える。符号7cはヒンジを示す。ヒンジ7cを支点にして図4のごとく型閉じすると、全体が椀状にへこむ下型7aの型面71と、一部に凹み73を有するものの全体的に平坦な上型7bの型面76とで、ダクト6入りシートパッド1のキャビティ70がつくられる。図1〜図11に示す本製法では、下型7aの型面71でシートパッド表面1a側を成形し、上型7bの型面76でシートパッド裏面1b側を成形する(図5)。
下型7aには、メイン部2の上半部用型面を中央にして、その両脇にサイド部3の上半部用型面が形成されている。そして、下型7aにはメイン部2用型面の各所を柱状に盛り上げて、複数の隆起部72が形成される。各隆起部72の上面は平坦面72aとする。シートパッド1が成形されると、該隆起部72によって乗員当接側のシートパッド表面1aに空気吹き出し口20が設けられる。
【0015】
さらに、発泡型7へダクト6をセットした後の型閉じで、エア導入部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲むよう、該発泡型7(ここでは上型7b)に凹み73が形成される。凹み73はシートパッド裏面1bを構成するメイン部2用型面76aよりも深く彫り込まれており、発泡型7へのダクト6のセット時、略同一平面上にあるダクト6の主要部に対し起立するエア導入部61が、該凹み73に収容される。前記隆起部72の平坦面72aにエア噴出口64を塞ぐようにノズル部65の先端面65bを当てて、ダクト6を下型7aにセットした後の型閉じで、エア導入部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲むよう、上型7bには円柱状凹み73が形成される。上型7bには、さらに円柱状凹み73の円底面中央に一段深く彫り込んだ窪み74が形成される。型閉じによって、下型7aに予めセットされたダクト6のエア導入口e周りのエア導入部端面61bが、該窪み74に当接する。
尚、上型7bに、環状空所70kよりも窪み74を一段深く設けたが、窪み74をなしにして、単に円柱状凹み73の円底面中央にエア導入部61に係るエア導入口e周りの端面61bを当接させてもよい。また、型閉じを伴わずに下型7aへのダクト6のセットだけで、エア導入部外周面61aを環状空所70kが取り囲むよう、下型7aに凹み73を形成することもできる(後述)。下型7aの型面には、縦溝41aと横溝41bを形成する吊溝41用突部が設けられるが、図示を省略する。
【0016】
前記発泡型7及びダクト6を用いて、ダクト6入りシートパッド1が例えば次のように製造される。
まず、発泡型7を図1の型開状態とする。この型開状態の下型7aにダクト6をセットする。各ノズル部65を下方側にし、各エア噴出口64を塞ぐようにして、ノズル先端面65bを隆起部72の平坦面72aへ当接させ、ダクト6をセットする(図2)。シートパッド1が出来上がった段階で、シートパッド表面1aに成形される複数の空気吹き出し口20に各エア噴出口64を合致させるためである。ダクト6は、ほぼ同一平面上に形成されたダクト主部を水平に配し、該ダクト主部からエア導入部61が上方へ突出する姿態でセットされる。
本実施形態はさらにダクト6のセットと相前後して、図1のごとく上型7bの型面7に不織布91をセットする。ダクト6入りシートパッド1が成形された時点で、不織布91がダクト6を覆って、シートパッド裏面1bに該不織布91を一体被着させるためである(図9〜図11)。尚、図2〜図5では不織布91の図示を省く。
【0017】
次に、型開状態のまま、下型7aのキャビティ70を形成する椀状へこみの型面71に、注入ホースh等を使用してシートパッド成形用ウレタン発泡原液等の発泡原料mを所定量注入する(図3)。続いて、上型7bを作動させ型閉じする(図4)。この型閉じで、ダクト6がインサートセットされたシートパッド1用キャビティ70ができる。さらに、上型7bと下型7aとの型閉じで、円柱状凹み73へエア導入部61が挿入されることとなり、エア導入部外周面61aを環状空所70kが取り囲む。エア導入部61の筒状先端面61bが前記窪み74に当接してエア導入口eを塞ぐ。且つ上型7bにはエア導入部61を包み込む大きめの凹み73が形成されており、この凹み73によって、エア導入筒部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲むようになる(図4)。該環状空所70kはシートパッド1用キャビティ70につながっている。
尚、本実施形態は発泡型7にダクト6をセットした後、発泡原料mを注入し、その後、型閉じしたが、発泡型7にダクト6をセットした後、型閉じし、その後、発泡原料mを注入することもできる。
【0018】
前記型閉じの後、主工程の発泡成形に移る。図4の型閉じ状態を所定時間維持し、ダクト6が埋設一体化されるシートパッド1を発泡成形する。このシートパッド1の発泡成形で、空所70kに流入する発泡原料mによって、エア導入部61の外周面61aを取り巻くガスケット用弾性シール部5が同時に発泡成形される(図5)。隆起部72の平坦面72aにエア導入口eを塞ぐようにノズル部65が当接するので、乗員当接側のシートパッド表面1aに成形される空気吹き出し口20にエア噴出口64が合致する。また、シートパッド裏面1bを構成するメイン部用型面76aよりも凹み73を一段と深く彫り込み、且つエア導入部61の外周面61aに環状空所70kを有するエア導入部61よりも一回り大きく該凹み73を形成するので、シートパッド裏面1bからエア導入部61,弾性シール部5が突出する。
【0019】
シートパッド1及び弾性シール部5の発泡成形を終え、脱型すれば、所望のダクト6入りシートパッド1を得る(図6〜図11)。メイン部2の両脇にサイド部3を形成し、表面1aに空気吹き出し口20を形成したシートパッド1である。
接続用相手部材8を介してエア導入部61へ送り込まれる空調エアは、図9の矢印のごとく、横筒部6b,縦筒部6aの流路60、エア噴出口64を通って、空気吹き出し口20から吹き出す。シートパッド1(座部)に座る乗員Mの臀部Buや脚部THに心地よい空調エアを送る(図10,図11)。そして、厚肉円筒状弾性シール部5が、シートパッド裏面1bから隆起して、筒状エア導入部61の先端部62を僅かに残してエア導入部61の略全周面61aを包み込む(図6)。シートパッド1の裏面1bから突出するエア導入部61の外周面61aに、ガスケット用円筒状弾性シール部5が当接して取り巻くダクト6入りシートパッド1が出来上がる。
【0020】
上記製造されたダクト6入りシートパッド1は、乗員当接側のシートパッド表面1aに成形された複数の空気吹き出し口20に各エア噴出口64が合致し、またシートパッド1の裏面1bからエア導入部61が突出する。さらに、シートパッド1の裏面1bから突出したエア導入部61に対し、その外周面61aを弾性シール部5が厚肉円筒状に覆う。しかも、該弾性シール部5がシートパッド1の発泡成形過程で一緒に造られる所望のダクト6入りシートパッド1になっている。該ダクト6入りシートパッド1に表皮99を被せると、車両用座席シートの座部用シートクッションSになる。
【0021】
図12は、他態様のダクト入りシートパッドの製造方法で、図5に代わる発泡成形工程の要部断面図を表す。図12のダクト6は膨出部6b1,エア導入部61周りの拡大図である。
図1〜図11のダクト入りシートパッドの製造方法は、ブロー成形ダクト6を用いたが、エア導入部61がブロー成形後に捨て袋6dをカットした最終形状ダクト6になっていた。ここでは、エア導入部61側に、ブロー成形でできた捨て袋6dを残したままのダクト6を用いて、シートパッド1,弾性シール部5の発泡成形までを終える。脱型後、捨て袋6dを含めた不要部分(エア導入部61よりも先端側部分TP)を切除して、所望のダクト6入りシートパッド1とする。
【0022】
尚、図12の製法に用いる発泡型7は、図1〜図5と違って、発泡型7が造るシートパッド1用キャビティ70の上下位置関係が逆になっている。下型7aの型面71でシートパッド裏面1b側を成形し、上型7bの型面76でシートパッド表面1a側を成形する。上型7bには型面76の各所を柱状に盛り上げて、図示しない隆起部72が複数形成される。
また、下型7aへのダクト6のセットにより、エア導入部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲むよう、下型7aにエア導入部61の直径よりも一回り大きな直径の円柱状凹み73が形成される。さらに、捨て袋6dを残したままのダクト6を用いることから、ダクト6の下型7aへのセットで捨て袋6dが収容されるよう、下型7aの凹み73には、さらに一段深くした捨て袋用半球状窪み75が彫り込まれている。
【0023】
図12のダクト入りシートパッドの製造方法は、型開状態の下型7aにダクト6をセットする。エア導入部61側に捨て袋6dが残っている捨て袋付きブロー成形ダクト6を用い、そのダクト6を図12の下型7aにセットする。捨て袋部分6dを半球状窪み75に収容すると、大きめの凹み73を設けたことによって、エア導入部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲む。次いで、下型7aに発泡原料mを注入し、型閉じとする。
その後、図5と同様、ダクト6を埋設するシートパッド1、さらに弾性シール部5を発泡成形する(図12のイ)。発泡成形工程では、エア導入部61側に捨て袋6dを残した捨て袋付きブロー成形ダクト6を用いるので、エア導入口eからの発泡原料mの流路60内への侵入がなく、より好ましくなっている。シートパッド1及び弾性シール部5の発泡成形を終え、脱型後、捨て袋6dを含めて、エア導入部61よりも先端側部分TPを切除する(図12のロ)。トリミング治具によって、エア導入部61の筒状端面61bと弾性シール部5の先端面51を面一にカットして、所望のダクト6入りシートパッド1を得る。符号6cは切除されるエア導入部61側の不要部分、符号59は切除される弾性シール部5側の不要部分を示す。エア導入部61の外周面に、接続用相手部材8とのガスケット用弾性シール部5が設けられる。
【0024】
また、図13は、別態様のダクト入りシートパッドの製造方法で、図5や図12(ハ)に代わるダクト6入りシートパッド1の要部断面図を表す。エア導入部61は、その先端部62が先端に向け導入部外径が小さくなるよう形成される。このエア導入部61を有するブロー成形ダクト6を用いて、図1〜図11又は図12のダクト入りシートパッドの製造方法と同じように製造する。図示しない発泡型7へのダクト6のセット又はダクト6のセット後の型閉じにより、エア導入部61を収容し、且つエア導入部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲む凹み73が、発泡型7に形成される。そうして、シートパッド1の発泡成形時に、空所70kに流入した発泡原料mによって弾性シール部5を発泡成形し、エア導入部61の外周面61a、さらにその先端部62の外周面に弾性シール部5を覆着させる。エア導入部61の先端部62が先端に向け導入部外径が小さくなっているが、図13のごとく、その縮径部分62aにも弾性シール部5が取り巻くよう設けられる。
【0025】
図14は、図12,図13と異なる別態様のダクト入りシートパッドの製造方法で、ダクト6入りシートパッド1の要部断面図を表す。図13を発展させた別態様のダクト入りシートパッドの製造方法である。
エア導入部61の先端部62が先端に向け導入部外径が小さくなるよう形成され、さらにその先端部62の外周面に凹凸部分62bが設けられる。ここでの凹凸部分62bは、外周面よりもへこむ筋状凹部分とする。先端部62の外周面を周回する凹部分62bが離間して二箇所設けられる。前記図13の説明と同様、発泡型7に凹み73を形成して、シートパッド1の発泡成形時に、空所70kへ流入する発泡原料mによって弾性シール部5を発泡成形し、エア導入部61の外周面61a、さらにその先端部62の縮径部分62a及び凹部分62bに弾性シール部5を覆着させる。エア導入部61に係る先端部62の縮径部分62a及び凹部分62bにも弾性シール部5が取り巻くように設けられる。
【0026】
このように構成したダクト入りシートパッドの製造方法によれば、発泡型7への前記ダクト6のセット(図4,図5)、又は該ダクト6のセット後の型閉じ(図12)により、エア導入部61の外周面61aを、環状空所70kで取り囲む凹み73が発泡型7に設けられる。そして、シートパッド1の発泡成形で、該空所70kへ発泡原料mが流入することによって、エア導入部61の外周面61aにガスケット用弾性シール部5を発泡成形できる。環状空所70kがシートパッド1用キャビティ70に導通しているので、特段の作業等を要することなく、弾性シール部5をシートパッド1と同時成形できる。この弾性シール部5の存在によって、別体の汎用ガスケット等を介在させなくても、図12(ハ)のごとく相手部材8の嵌合部を、弾性シール部5付き筒状エア導入部61へ差し込むだけで、ダクト6と接続用相手部材8との連結が可能になる。図13(イ)のように、相手部材8の本体81につながる筒状嵌合部80の内径D2よりも、弾性シール部5の筒外径D1を大きくして、相手部材8を白抜き矢印のごとく嵌入すれば、図12(ハ)や図13(ロ)のごとく、エア導入部61と相手部材8との間に弾性シール部5が圧縮状態で介在するので、シール性を保ってエア導入部61と相手部材8とを容易に連結できる。従来のように、別体のシール部材を必要としないので、部品点数増加、これを組付ける手間、部品在庫管理などのコストアップを解消できる。
【0027】
また、エア導入部61側に、捨て袋6dを残したままの捨て袋付きブロー成形ダクト6が用いられると、発泡成形時にエア導入口eからダクト流路60内へ発泡原料mが進入するのを防止でき、品質向上につながる。そのダクト6を発泡型7にセット後、該ダクト6を埋設するシートパッド1を発泡成形し、しかる後、該捨て袋6dを含めて、エア導入部61よりも先端側部分TPを切除すると、エア導入口eが脱型後に開口するので、発泡成形工程で、発泡原料mがダクト流路60内へ侵入することがない。発泡成形時にはエア導入口eが捨て袋6dで塞がれているので、その周囲の型面の仕上げも楽になり、型費低減に優れた効果を発揮する。
【0028】
さらに、エア導入部61の先端部62を、先端に向け導入部外径が小さくなるよう形成し、且つ、その先端部62の外周面を弾性シール部5が取り巻くと、エア導入部61に相手部材8を嵌入する際、エア導入部61の外径が小さくなる縮径部分62aで、弾性シール部5が嵌入の動きに同伴するのをくい止める。エア導入部61へ向けて相手部材8を図13(イ)の白抜き矢印方向に嵌入接続する際、弾性シール部5が白抜き矢印方向へと同伴移動し難くなっている。導入部外径が小さくなる縮径部分62aによって弾性シール部5が該縮径部分62aにとどまる。該弾性シール部5でシール性が円滑維持されることとなりより好ましくなる。
【0029】
ここで、ダクト6が埋設一体化されるシートパッド1と共にエア導入部外周面61aに弾性シール部5が発泡成形されるが、本実施形態で用いたウレタン原料からなるシートパッド1,弾性シール部5と、配風用ダクト6として使用されるポリプロピレン樹脂等からなる成形品とは、接着性が悪い。エア導入部61の外周面61aを弾性シール部5が単に取り巻くだけでは、相手部材8を図13(イ)の白抜き矢印方向に動かし、エア導入部61へ嵌入すると、弾性シール部5が相手部材8の動きに引きずられて、ガスケットとしての機能発揮できなくなる虞れがある。しかるに、縮径部分62aにも弾性シール部5が被覆するので、縮径部分62aよりもエア導入口e側の部位の弾性シール部5がストッパとなって、相手部材8のエア導入部61への嵌入動きに同調しなくなる。相手部材8との接続時の作業性向上、弾性シール部5によるシール性維持に極めて有効となる。
その他、本製法では、ウレタン製シートパッド1との接着性に劣るプロピレン樹脂製ダクト6を、シートパッド裏面1b側に配設するが、不織布91が該ダクト6を覆ってシートパッド裏面1bに一体被着するので、両者の一体感が高まり好適となっている。
【0030】
加えて、図14のごとく、エア導入部61の先端部62の外周面に凹凸部分62bを形成し、且つ、弾性シール部5が凹凸部分62bに覆着すると、弾性シール部5によるシール性,接続時の作業性が一段と向上する。図14(イ)のエア導入部61へ向けて相手部材8を白抜き矢印方向に嵌入接続する際、縮径部分62aのみならず凹部分62bに入り込んでいる弾性シール部5がストッパになって、弾性シール部5の本体が白抜き矢印方向へと同伴移動するのを阻止する。エア導入部61への相手部材8の連結で、凹部分62bがシール性,作業性をさらに高めることとなりより一層有益となる。
【0031】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。シートパッド1,弾性シール部5,ダクト6,発泡型7等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。例えば、実施形態はエア噴出口64用のノズル部65を設けたが、ノズル部65を設けずに、ダクト6に孔を直接開けて、これをエア噴出口64とすることもできる。
【符号の説明】
【0032】
1 シートパッド
1a 表面(シートパッド表面)
1b 裏面(シートパッド裏面)
20 空気吹き出し口
6 配風用ダクト(ダクト)
61 エア導入部
61a 外周面
62 先端部
62b 凹凸部分(凹部分)
64 エア噴出口
6d 捨て袋
7 発泡型
70k 環状空所(空所)
73 凹み
m 発泡原料
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用座席シートを構成するシートクッション用シートパッドで、ダクトをインサート成形で一体化したダクト入りシートパッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に搭載される座席シートの座部や背もたれを構成するシートクッションは乗員が座って直かに接する部分であり、暑い季節になると乗員はその箇所が汗ばむ一方、冬の季節を向かえると冷たく感じることがある。こうしたことから、シートパッド内部に配風ダクトを設けて温度調整される座席シートが提案されている(例えば特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−165725号公報
【特許文献2】特開昭58−41512号公報
【0004】
ここで、配風ダクトは接続用相手部材と連結する必要があるが、その連結に、特許文献1、2は共に別体のシール部材を用意している。特許文献1では、段落0014に「排気口部材8と排気ダクトの間には、排気漏れ防止部材9が設けられている。排気漏れ防止部材9は、樹脂やゴムなどの弾性材料から形成」されるとし、排気漏れ防止部材9を介在させて排気口部材8と排気ダクトとを連結し、シール性を確保する。特許文献2の自動車用座席シートの通風装置でも、図5に別体のシール部を介在させて、両通風管材を接続する様子が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、特許文献1,2の技術は、形状が多少異なっても一般的な配管接続と同じようにガスケット用シール部材が用いられている。シール部材を別途準備し、さらに、これを配管接続時に組付けていかねばならず、部品点数の増加、組付け費、部品在庫管理などコストアップ要因になっている。
一方、シール部材をなくしてしまうと、エア漏れを回避するために配風ダクトと接続相手部材の両製品精度が必要になりコスト上昇につながり、また車両走行中に、こすれ音等が発生する虞れがある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するもので、シートパッドに配設した配風用ダクトと接続用相手部材との接続に、別体のシール部材を使用することなく、低コストにして、汎用シール部材と同様のシール性が確保できるようにしたダクト入りシートパッドの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、エア導入部(61)が設けられると共にダクト経路にエア噴出口(64)が複数設けられた配風用ダクト(6)を、発泡型(7)にセットし、その後、発泡原料(m)の注入及び型閉じを経て、該ダクト(6)が埋設されるシートパッド(1)を発泡成形し、乗員当接側のシートパッド表面(1a)に成形された複数の空気吹き出し口(20)に前記各エア噴出口(64)が合致し、且つ該シートパッド(1)の裏面(1b)から前記エア導入部(61)が突出するダクト入りシートパッドの製造方法であって、前記発泡型(7)への前記ダクト(6)のセット又は該ダクト(6)のセット後の型閉じにより、前記エア導入部(61)の外周面(61a)を環状空所(70k)が取り囲むよう、該発泡型(7)に凹み(73)を形成して、前記シートパッド(1)の発泡成形で、該空所(70k)に流入した前記発泡原料(m)によって、該エア導入部(61)の外周面(61a)を取り巻くガスケット用弾性シール部(5)も発泡成形されることを特徴とするダクト入りシートパッドの製造方法にある。
ここで、「発泡原料(m)の注入及び型閉じを経て」では、発泡原料(m)の注入と型閉じの順序は問わない。
請求項2の発明たるダクト入りシートパッドの製造方法は、請求項1で、ダクト(6)として、前記エア導入部(61)側に捨て袋(6d)を残したままの捨て袋付きブロー成形ダクトが用いられ、そのダクト(6)を前記発泡型(7)にセットした後、該ダクト(6)が埋設される前記シートパッド(1)を発泡成形し、しかる後、該捨て袋(6d)を含めて、前記エア導入部(61)よりも先端側部分(TP)が切除されることを特徴とする。請求項3の発明たるダクト入りシートパッドの製造方法は、請求項1又は2で、エア導入部(61)の先端部(62)を、先端に向け導入部外径が小さくなるよう形成し、且つ、その先端部(62)の外周面を前記弾性シール部(5)が取り巻くことを特徴とする。請求項4の発明たるダクト入りシートパッドの製造方法は、請求項1〜3で、エア導入部(61)の先端部(62)の外周面に凹凸部分(62b)を形成し、且つ、前記弾性シール部(5)が該凹凸部分(62b)に覆着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のダクト入りシートパッドの製造方法は、シートパッドの発泡成形で、ガスケット用弾性シール部が同時に発泡成形され、この弾性シール部でシール性を確保して該ダクトと接続用相手部材とが連結可能になり、部品点数の削減、部品取付け工数の削減等に寄与し、低コスト化、生産性向上等に優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のダクト入りシートパッドの製造方法一形態で、その製法に用いる発泡型の説明断面図である。
【図2】図1の下型に配風用ダクトをセットした説明である。
【図3】図2の下型に発泡原料を注入する様子を示す説明断面図である。
【図4】図3の発泡原料注入後に型閉じした様子を示す説明断面図である。
【図5】ダクト入りシートパッドが発泡成形された説明断面図である。
【図6】図5の発泡成形後に脱型されたダクト入りシートパッドの裏面側から見た全体斜視図である。
【図7】図6に係るダクト入りシートパッドの表面側から見た全体斜視図である。
【図8】図7のシートパッドを二点鎖線で表すダクト入りシートパッドの表面側から見た全体斜視図である。
【図9】図8のIX-IX線矢視図である。
【図10】図7のX-X線矢視図である。
【図11】図7のXI-XI線矢視図である。
【図12】(イ)が図5に代わる発泡成形工程の要部断面図、(ロ)が捨て袋をカットする説明断面図、(ハ)が相手部材をエア導入部へ接続する様子の説明断面図である。
【図13】別態様のダクト入りシートパッドの製造方法で、図5や図12(ハ)に代わるダクト入りシートパッドの要部断面図である。
【図14】図13に代わるダクト入りシートパッドの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るダクト入りシートパッドの製造方法について詳述する。図1〜図14は本発明のダクト入りシートパッドの製造方法の一形態で、図1はその製法に用いる発泡型の説明断面図、図2は図1の下型に配風用ダクトをセットした説明断面図、図3は図2の下型に発泡原料を注入する様子を示す説明断面図、図4は図3の発泡原料注入後に型閉じした様子を示す説明断面図、図5はダクト入りシートパッドが発泡成形された説明断面図である。図6〜図8は図5の発泡成形後に脱型されたダクト入りシートパッドの全体斜視図、図9は図8のIX-IX線矢視図、図10は図7のX-X線矢視図、図11は図7のXI-XI線矢視図、図12〜図14は図1〜図11のダクト入りシートパッドの製造方法に代わる他態様図を示す。尚、図11はダクト流路60を判り易くするため、便宜的にダクトに係るエア導入部と横筒部とを同一断面上に描く。
【0011】
ダクト入りシートパッドの製造方法は、発泡型7を用いて、該発泡型7に配風用ダクト6(以下、単に「ダクト」という。)をセットした後、発泡原料mの注入及び型閉じを経て、シートパッド1を発泡成形する。そして、該シートパッド1の成形で、ガスケット用弾性シール部5を一緒に発泡成形する。ダクト6入りシートパッド1は車両用座席シートの座部やバックレストのシートクッションSに使用される。ここでは車両用座席シート用座部向けのダクト6入りシートパッド1に適用する。発泡成形に先立ち、ダクト6,発泡型7が用意される。
【0012】
ダクト6は、シートパッド1の発泡成形で、シートパッド1に埋設一体化されるプロピレン樹脂等からなる樹脂製管状部材である。本実施形態は図8,図9のような平面視略H字状した配風流路60を有するブロー成形ダクト6で、車幅方向に配される横筒部6bの両端から一対の縦筒部6aが車両前後方向へ延びる。
ダクト6の表面側には、エア噴出口64が複数開設される。本発明の「表面側」とは乗員が座部に腰掛ける時に当接する面の側をいう。ここでのダクト6は、その表面側に短管からなるエア噴出口64用のノズル部65を複数立設する。
【0013】
一方、ダクト6の裏面側には、エア導入部61が設けられる。エア導入部61はダクト6の樹脂成形で一体形成され、横筒部6bの裏面中央に立設する。シートパッド1の発泡成形で、ダクト主要部が埋設されるインサート用ダクト6であるが、シートパッド裏面1bから筒状エア導入部61が突出する。ダクト6入りシートパッド1が出来上がった段階で、シートパッド1の裏面1bほぼ中央から、先端口がエア導入口eになるエア導入部61が突出する(図6)。
詳しくは、前記横筒部6bの略中央で膨出部6b1が張出す(図8,図9)。膨出部6b1はその先端部で裏面側へと屈曲し、そのまま延設されてエア導入口eを形成する円筒状のエア導入部61となる。エア導入部61が、略同一平面上にあるダクト6の主要部に対し、起立するよう形成される。尚、ダクト6に図8のごとくの舌片状クリップ67,取付孔671を設けるが、他図はそれらの図示を省略する。
【0014】
本ダクト入りシートパッドの製造方法に用いる発泡型7は、図1のごとくの分割型で、下型7a(一の分割型)と上型7b(他の分割型)とを備える。符号7cはヒンジを示す。ヒンジ7cを支点にして図4のごとく型閉じすると、全体が椀状にへこむ下型7aの型面71と、一部に凹み73を有するものの全体的に平坦な上型7bの型面76とで、ダクト6入りシートパッド1のキャビティ70がつくられる。図1〜図11に示す本製法では、下型7aの型面71でシートパッド表面1a側を成形し、上型7bの型面76でシートパッド裏面1b側を成形する(図5)。
下型7aには、メイン部2の上半部用型面を中央にして、その両脇にサイド部3の上半部用型面が形成されている。そして、下型7aにはメイン部2用型面の各所を柱状に盛り上げて、複数の隆起部72が形成される。各隆起部72の上面は平坦面72aとする。シートパッド1が成形されると、該隆起部72によって乗員当接側のシートパッド表面1aに空気吹き出し口20が設けられる。
【0015】
さらに、発泡型7へダクト6をセットした後の型閉じで、エア導入部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲むよう、該発泡型7(ここでは上型7b)に凹み73が形成される。凹み73はシートパッド裏面1bを構成するメイン部2用型面76aよりも深く彫り込まれており、発泡型7へのダクト6のセット時、略同一平面上にあるダクト6の主要部に対し起立するエア導入部61が、該凹み73に収容される。前記隆起部72の平坦面72aにエア噴出口64を塞ぐようにノズル部65の先端面65bを当てて、ダクト6を下型7aにセットした後の型閉じで、エア導入部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲むよう、上型7bには円柱状凹み73が形成される。上型7bには、さらに円柱状凹み73の円底面中央に一段深く彫り込んだ窪み74が形成される。型閉じによって、下型7aに予めセットされたダクト6のエア導入口e周りのエア導入部端面61bが、該窪み74に当接する。
尚、上型7bに、環状空所70kよりも窪み74を一段深く設けたが、窪み74をなしにして、単に円柱状凹み73の円底面中央にエア導入部61に係るエア導入口e周りの端面61bを当接させてもよい。また、型閉じを伴わずに下型7aへのダクト6のセットだけで、エア導入部外周面61aを環状空所70kが取り囲むよう、下型7aに凹み73を形成することもできる(後述)。下型7aの型面には、縦溝41aと横溝41bを形成する吊溝41用突部が設けられるが、図示を省略する。
【0016】
前記発泡型7及びダクト6を用いて、ダクト6入りシートパッド1が例えば次のように製造される。
まず、発泡型7を図1の型開状態とする。この型開状態の下型7aにダクト6をセットする。各ノズル部65を下方側にし、各エア噴出口64を塞ぐようにして、ノズル先端面65bを隆起部72の平坦面72aへ当接させ、ダクト6をセットする(図2)。シートパッド1が出来上がった段階で、シートパッド表面1aに成形される複数の空気吹き出し口20に各エア噴出口64を合致させるためである。ダクト6は、ほぼ同一平面上に形成されたダクト主部を水平に配し、該ダクト主部からエア導入部61が上方へ突出する姿態でセットされる。
本実施形態はさらにダクト6のセットと相前後して、図1のごとく上型7bの型面7に不織布91をセットする。ダクト6入りシートパッド1が成形された時点で、不織布91がダクト6を覆って、シートパッド裏面1bに該不織布91を一体被着させるためである(図9〜図11)。尚、図2〜図5では不織布91の図示を省く。
【0017】
次に、型開状態のまま、下型7aのキャビティ70を形成する椀状へこみの型面71に、注入ホースh等を使用してシートパッド成形用ウレタン発泡原液等の発泡原料mを所定量注入する(図3)。続いて、上型7bを作動させ型閉じする(図4)。この型閉じで、ダクト6がインサートセットされたシートパッド1用キャビティ70ができる。さらに、上型7bと下型7aとの型閉じで、円柱状凹み73へエア導入部61が挿入されることとなり、エア導入部外周面61aを環状空所70kが取り囲む。エア導入部61の筒状先端面61bが前記窪み74に当接してエア導入口eを塞ぐ。且つ上型7bにはエア導入部61を包み込む大きめの凹み73が形成されており、この凹み73によって、エア導入筒部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲むようになる(図4)。該環状空所70kはシートパッド1用キャビティ70につながっている。
尚、本実施形態は発泡型7にダクト6をセットした後、発泡原料mを注入し、その後、型閉じしたが、発泡型7にダクト6をセットした後、型閉じし、その後、発泡原料mを注入することもできる。
【0018】
前記型閉じの後、主工程の発泡成形に移る。図4の型閉じ状態を所定時間維持し、ダクト6が埋設一体化されるシートパッド1を発泡成形する。このシートパッド1の発泡成形で、空所70kに流入する発泡原料mによって、エア導入部61の外周面61aを取り巻くガスケット用弾性シール部5が同時に発泡成形される(図5)。隆起部72の平坦面72aにエア導入口eを塞ぐようにノズル部65が当接するので、乗員当接側のシートパッド表面1aに成形される空気吹き出し口20にエア噴出口64が合致する。また、シートパッド裏面1bを構成するメイン部用型面76aよりも凹み73を一段と深く彫り込み、且つエア導入部61の外周面61aに環状空所70kを有するエア導入部61よりも一回り大きく該凹み73を形成するので、シートパッド裏面1bからエア導入部61,弾性シール部5が突出する。
【0019】
シートパッド1及び弾性シール部5の発泡成形を終え、脱型すれば、所望のダクト6入りシートパッド1を得る(図6〜図11)。メイン部2の両脇にサイド部3を形成し、表面1aに空気吹き出し口20を形成したシートパッド1である。
接続用相手部材8を介してエア導入部61へ送り込まれる空調エアは、図9の矢印のごとく、横筒部6b,縦筒部6aの流路60、エア噴出口64を通って、空気吹き出し口20から吹き出す。シートパッド1(座部)に座る乗員Mの臀部Buや脚部THに心地よい空調エアを送る(図10,図11)。そして、厚肉円筒状弾性シール部5が、シートパッド裏面1bから隆起して、筒状エア導入部61の先端部62を僅かに残してエア導入部61の略全周面61aを包み込む(図6)。シートパッド1の裏面1bから突出するエア導入部61の外周面61aに、ガスケット用円筒状弾性シール部5が当接して取り巻くダクト6入りシートパッド1が出来上がる。
【0020】
上記製造されたダクト6入りシートパッド1は、乗員当接側のシートパッド表面1aに成形された複数の空気吹き出し口20に各エア噴出口64が合致し、またシートパッド1の裏面1bからエア導入部61が突出する。さらに、シートパッド1の裏面1bから突出したエア導入部61に対し、その外周面61aを弾性シール部5が厚肉円筒状に覆う。しかも、該弾性シール部5がシートパッド1の発泡成形過程で一緒に造られる所望のダクト6入りシートパッド1になっている。該ダクト6入りシートパッド1に表皮99を被せると、車両用座席シートの座部用シートクッションSになる。
【0021】
図12は、他態様のダクト入りシートパッドの製造方法で、図5に代わる発泡成形工程の要部断面図を表す。図12のダクト6は膨出部6b1,エア導入部61周りの拡大図である。
図1〜図11のダクト入りシートパッドの製造方法は、ブロー成形ダクト6を用いたが、エア導入部61がブロー成形後に捨て袋6dをカットした最終形状ダクト6になっていた。ここでは、エア導入部61側に、ブロー成形でできた捨て袋6dを残したままのダクト6を用いて、シートパッド1,弾性シール部5の発泡成形までを終える。脱型後、捨て袋6dを含めた不要部分(エア導入部61よりも先端側部分TP)を切除して、所望のダクト6入りシートパッド1とする。
【0022】
尚、図12の製法に用いる発泡型7は、図1〜図5と違って、発泡型7が造るシートパッド1用キャビティ70の上下位置関係が逆になっている。下型7aの型面71でシートパッド裏面1b側を成形し、上型7bの型面76でシートパッド表面1a側を成形する。上型7bには型面76の各所を柱状に盛り上げて、図示しない隆起部72が複数形成される。
また、下型7aへのダクト6のセットにより、エア導入部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲むよう、下型7aにエア導入部61の直径よりも一回り大きな直径の円柱状凹み73が形成される。さらに、捨て袋6dを残したままのダクト6を用いることから、ダクト6の下型7aへのセットで捨て袋6dが収容されるよう、下型7aの凹み73には、さらに一段深くした捨て袋用半球状窪み75が彫り込まれている。
【0023】
図12のダクト入りシートパッドの製造方法は、型開状態の下型7aにダクト6をセットする。エア導入部61側に捨て袋6dが残っている捨て袋付きブロー成形ダクト6を用い、そのダクト6を図12の下型7aにセットする。捨て袋部分6dを半球状窪み75に収容すると、大きめの凹み73を設けたことによって、エア導入部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲む。次いで、下型7aに発泡原料mを注入し、型閉じとする。
その後、図5と同様、ダクト6を埋設するシートパッド1、さらに弾性シール部5を発泡成形する(図12のイ)。発泡成形工程では、エア導入部61側に捨て袋6dを残した捨て袋付きブロー成形ダクト6を用いるので、エア導入口eからの発泡原料mの流路60内への侵入がなく、より好ましくなっている。シートパッド1及び弾性シール部5の発泡成形を終え、脱型後、捨て袋6dを含めて、エア導入部61よりも先端側部分TPを切除する(図12のロ)。トリミング治具によって、エア導入部61の筒状端面61bと弾性シール部5の先端面51を面一にカットして、所望のダクト6入りシートパッド1を得る。符号6cは切除されるエア導入部61側の不要部分、符号59は切除される弾性シール部5側の不要部分を示す。エア導入部61の外周面に、接続用相手部材8とのガスケット用弾性シール部5が設けられる。
【0024】
また、図13は、別態様のダクト入りシートパッドの製造方法で、図5や図12(ハ)に代わるダクト6入りシートパッド1の要部断面図を表す。エア導入部61は、その先端部62が先端に向け導入部外径が小さくなるよう形成される。このエア導入部61を有するブロー成形ダクト6を用いて、図1〜図11又は図12のダクト入りシートパッドの製造方法と同じように製造する。図示しない発泡型7へのダクト6のセット又はダクト6のセット後の型閉じにより、エア導入部61を収容し、且つエア導入部61の外周面61aを環状空所70kが取り囲む凹み73が、発泡型7に形成される。そうして、シートパッド1の発泡成形時に、空所70kに流入した発泡原料mによって弾性シール部5を発泡成形し、エア導入部61の外周面61a、さらにその先端部62の外周面に弾性シール部5を覆着させる。エア導入部61の先端部62が先端に向け導入部外径が小さくなっているが、図13のごとく、その縮径部分62aにも弾性シール部5が取り巻くよう設けられる。
【0025】
図14は、図12,図13と異なる別態様のダクト入りシートパッドの製造方法で、ダクト6入りシートパッド1の要部断面図を表す。図13を発展させた別態様のダクト入りシートパッドの製造方法である。
エア導入部61の先端部62が先端に向け導入部外径が小さくなるよう形成され、さらにその先端部62の外周面に凹凸部分62bが設けられる。ここでの凹凸部分62bは、外周面よりもへこむ筋状凹部分とする。先端部62の外周面を周回する凹部分62bが離間して二箇所設けられる。前記図13の説明と同様、発泡型7に凹み73を形成して、シートパッド1の発泡成形時に、空所70kへ流入する発泡原料mによって弾性シール部5を発泡成形し、エア導入部61の外周面61a、さらにその先端部62の縮径部分62a及び凹部分62bに弾性シール部5を覆着させる。エア導入部61に係る先端部62の縮径部分62a及び凹部分62bにも弾性シール部5が取り巻くように設けられる。
【0026】
このように構成したダクト入りシートパッドの製造方法によれば、発泡型7への前記ダクト6のセット(図4,図5)、又は該ダクト6のセット後の型閉じ(図12)により、エア導入部61の外周面61aを、環状空所70kで取り囲む凹み73が発泡型7に設けられる。そして、シートパッド1の発泡成形で、該空所70kへ発泡原料mが流入することによって、エア導入部61の外周面61aにガスケット用弾性シール部5を発泡成形できる。環状空所70kがシートパッド1用キャビティ70に導通しているので、特段の作業等を要することなく、弾性シール部5をシートパッド1と同時成形できる。この弾性シール部5の存在によって、別体の汎用ガスケット等を介在させなくても、図12(ハ)のごとく相手部材8の嵌合部を、弾性シール部5付き筒状エア導入部61へ差し込むだけで、ダクト6と接続用相手部材8との連結が可能になる。図13(イ)のように、相手部材8の本体81につながる筒状嵌合部80の内径D2よりも、弾性シール部5の筒外径D1を大きくして、相手部材8を白抜き矢印のごとく嵌入すれば、図12(ハ)や図13(ロ)のごとく、エア導入部61と相手部材8との間に弾性シール部5が圧縮状態で介在するので、シール性を保ってエア導入部61と相手部材8とを容易に連結できる。従来のように、別体のシール部材を必要としないので、部品点数増加、これを組付ける手間、部品在庫管理などのコストアップを解消できる。
【0027】
また、エア導入部61側に、捨て袋6dを残したままの捨て袋付きブロー成形ダクト6が用いられると、発泡成形時にエア導入口eからダクト流路60内へ発泡原料mが進入するのを防止でき、品質向上につながる。そのダクト6を発泡型7にセット後、該ダクト6を埋設するシートパッド1を発泡成形し、しかる後、該捨て袋6dを含めて、エア導入部61よりも先端側部分TPを切除すると、エア導入口eが脱型後に開口するので、発泡成形工程で、発泡原料mがダクト流路60内へ侵入することがない。発泡成形時にはエア導入口eが捨て袋6dで塞がれているので、その周囲の型面の仕上げも楽になり、型費低減に優れた効果を発揮する。
【0028】
さらに、エア導入部61の先端部62を、先端に向け導入部外径が小さくなるよう形成し、且つ、その先端部62の外周面を弾性シール部5が取り巻くと、エア導入部61に相手部材8を嵌入する際、エア導入部61の外径が小さくなる縮径部分62aで、弾性シール部5が嵌入の動きに同伴するのをくい止める。エア導入部61へ向けて相手部材8を図13(イ)の白抜き矢印方向に嵌入接続する際、弾性シール部5が白抜き矢印方向へと同伴移動し難くなっている。導入部外径が小さくなる縮径部分62aによって弾性シール部5が該縮径部分62aにとどまる。該弾性シール部5でシール性が円滑維持されることとなりより好ましくなる。
【0029】
ここで、ダクト6が埋設一体化されるシートパッド1と共にエア導入部外周面61aに弾性シール部5が発泡成形されるが、本実施形態で用いたウレタン原料からなるシートパッド1,弾性シール部5と、配風用ダクト6として使用されるポリプロピレン樹脂等からなる成形品とは、接着性が悪い。エア導入部61の外周面61aを弾性シール部5が単に取り巻くだけでは、相手部材8を図13(イ)の白抜き矢印方向に動かし、エア導入部61へ嵌入すると、弾性シール部5が相手部材8の動きに引きずられて、ガスケットとしての機能発揮できなくなる虞れがある。しかるに、縮径部分62aにも弾性シール部5が被覆するので、縮径部分62aよりもエア導入口e側の部位の弾性シール部5がストッパとなって、相手部材8のエア導入部61への嵌入動きに同調しなくなる。相手部材8との接続時の作業性向上、弾性シール部5によるシール性維持に極めて有効となる。
その他、本製法では、ウレタン製シートパッド1との接着性に劣るプロピレン樹脂製ダクト6を、シートパッド裏面1b側に配設するが、不織布91が該ダクト6を覆ってシートパッド裏面1bに一体被着するので、両者の一体感が高まり好適となっている。
【0030】
加えて、図14のごとく、エア導入部61の先端部62の外周面に凹凸部分62bを形成し、且つ、弾性シール部5が凹凸部分62bに覆着すると、弾性シール部5によるシール性,接続時の作業性が一段と向上する。図14(イ)のエア導入部61へ向けて相手部材8を白抜き矢印方向に嵌入接続する際、縮径部分62aのみならず凹部分62bに入り込んでいる弾性シール部5がストッパになって、弾性シール部5の本体が白抜き矢印方向へと同伴移動するのを阻止する。エア導入部61への相手部材8の連結で、凹部分62bがシール性,作業性をさらに高めることとなりより一層有益となる。
【0031】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。シートパッド1,弾性シール部5,ダクト6,発泡型7等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。例えば、実施形態はエア噴出口64用のノズル部65を設けたが、ノズル部65を設けずに、ダクト6に孔を直接開けて、これをエア噴出口64とすることもできる。
【符号の説明】
【0032】
1 シートパッド
1a 表面(シートパッド表面)
1b 裏面(シートパッド裏面)
20 空気吹き出し口
6 配風用ダクト(ダクト)
61 エア導入部
61a 外周面
62 先端部
62b 凹凸部分(凹部分)
64 エア噴出口
6d 捨て袋
7 発泡型
70k 環状空所(空所)
73 凹み
m 発泡原料
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エア導入部(61)が設けられると共にダクト経路にエア噴出口(64)が複数設けられた配風用ダクト(6)を、発泡型(7)にセットし、その後、発泡原料(m)の注入及び型閉じを経て、該ダクト(6)が埋設されるシートパッド(1)を発泡成形し、乗員当接側のシートパッド表面(1a)に成形された複数の空気吹き出し口(20)に前記各エア噴出口(64)が合致し、且つ該シートパッド(1)の裏面(1b)から前記エア導入部(61)が突出するダクト入りシートパッドの製造方法であって、
前記発泡型(7)への前記ダクト(6)のセット又は該ダクト(6)のセット後の型閉じにより、前記エア導入部(61)の外周面(61a)を環状空所(70k)が取り囲むよう、該発泡型(7)に凹み(73)を形成して、前記シートパッド(1)の発泡成形で、該空所(70k)に流入した前記発泡原料(m)によって、該エア導入部(61)の外周面(61a)を取り巻くガスケット用弾性シール部(5)も発泡成形されることを特徴とするダクト入りシートパッドの製造方法。
【請求項2】
前記ダクト(6)として、前記エア導入部(61)側に捨て袋(6d)を残したままの捨て袋付きブロー成形ダクトが用いられ、そのダクト(6)を前記発泡型(7)にセットした後、該ダクト(6)が埋設される前記シートパッド(1)を発泡成形し、しかる後、該捨て袋(6d)を含めて、前記エア導入部(61)よりも先端側部分(TP)が切除される請求項1記載のダクト入りシートパッドの製造方法。
【請求項3】
前記エア導入部(61)の先端部(62)を、先端に向け導入部外径が小さくなるよう形成し、且つ、その先端部(62)の外周面を前記弾性シール部(5)が取り巻く請求項1又は2に記載のダクト入りシートパッドの製造方法。
【請求項4】
前記エア導入部(61)の先端部(62)の外周面に凹凸部分(62b)を形成し、且つ、前記弾性シール部(5)が該凹凸部分(62b)に覆着する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のダクト入りシートパッドの製造方法。
【請求項1】
エア導入部(61)が設けられると共にダクト経路にエア噴出口(64)が複数設けられた配風用ダクト(6)を、発泡型(7)にセットし、その後、発泡原料(m)の注入及び型閉じを経て、該ダクト(6)が埋設されるシートパッド(1)を発泡成形し、乗員当接側のシートパッド表面(1a)に成形された複数の空気吹き出し口(20)に前記各エア噴出口(64)が合致し、且つ該シートパッド(1)の裏面(1b)から前記エア導入部(61)が突出するダクト入りシートパッドの製造方法であって、
前記発泡型(7)への前記ダクト(6)のセット又は該ダクト(6)のセット後の型閉じにより、前記エア導入部(61)の外周面(61a)を環状空所(70k)が取り囲むよう、該発泡型(7)に凹み(73)を形成して、前記シートパッド(1)の発泡成形で、該空所(70k)に流入した前記発泡原料(m)によって、該エア導入部(61)の外周面(61a)を取り巻くガスケット用弾性シール部(5)も発泡成形されることを特徴とするダクト入りシートパッドの製造方法。
【請求項2】
前記ダクト(6)として、前記エア導入部(61)側に捨て袋(6d)を残したままの捨て袋付きブロー成形ダクトが用いられ、そのダクト(6)を前記発泡型(7)にセットした後、該ダクト(6)が埋設される前記シートパッド(1)を発泡成形し、しかる後、該捨て袋(6d)を含めて、前記エア導入部(61)よりも先端側部分(TP)が切除される請求項1記載のダクト入りシートパッドの製造方法。
【請求項3】
前記エア導入部(61)の先端部(62)を、先端に向け導入部外径が小さくなるよう形成し、且つ、その先端部(62)の外周面を前記弾性シール部(5)が取り巻く請求項1又は2に記載のダクト入りシートパッドの製造方法。
【請求項4】
前記エア導入部(61)の先端部(62)の外周面に凹凸部分(62b)を形成し、且つ、前記弾性シール部(5)が該凹凸部分(62b)に覆着する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のダクト入りシートパッドの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−368(P2012−368A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140412(P2010−140412)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
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