説明

ダビング装置

【課題】ユーザが簡単な操作で、磁気テープメディアに記録されたアナログ映像音声情報を、デジタル記録メディアになるべく少ない容量で効率的にダビングを行う。
【解決手段】磁気テープメディアM21に記録されているテープ速度によって、デジタル記録メディアM22に記録するビットレートを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気テープメディアに記録されるアナログ映像音声情報を再生するアナログ再生機能と、ハードディスク(以下HDD)などのデジタル記録メディアに対してデジタル映像音声情報を記録する機能を有する複合機であり、特に磁気テープメディアの内容をHDDにダビングできるように構成された映像音声記録装置である。
【背景技術】
【0002】
例えば、映画などの映像音声情報を記録するのに、従来から知られているアナログ的に記録する磁気テープ(VHSテープ)や、近年の圧縮符号化技術の発達に伴い普及しているデジタル的に記録するHDDなどが用いられている。磁気テープを駆動させて情報を記録/再生する装置としてはVCP(ビデオカセットプレイヤー)などがあり、また、HDDドライブを駆動させて情報を記録/再生する装置としてはHDDレコーダまた、HDDレコーダとDVDレコーダの複合機などがある。
【0003】
ところで、最近では、上記のようなVCPとHDDレコーダとDVDレコーダが一体化した複合機が提案されている。このような複合機は、磁気テープに記録されている情報をHDDやDVDにダビングすることができる機能を有している。
【0004】
この種の複合機の従来技術として、例えば、特許文献1に示される映像音声記録再生装置が知られている。
【0005】
この映像音声記録再生装置では、磁気テープの内容をDVDにダビングする前に、DVDに空き領域があるか確認を行い、空き領域が無い場合は警告を発生し空き領域を確保するようにメッセージを出力し、空き領域が確保された後、磁気テープを巻き戻して高速で磁気テープを再生させ録画モードが切り換わる位置と無信号の領域と磁気テープの種類とコピーガード信号の有無とを含むテープ情報を検出してメモリに記憶させ、再度巻き戻しを行い、磁気テープに記録された映像音声情報が可能な限り1枚のDVDに収まるようにメモリに記憶されたテープ情報に従ってダビング時のビットレートを調整し磁気テープの無記録領域を除く映像音声情報をDVDにダビングするように構成されている。
【0006】
即ちこの構成によると、磁気テープが巻き戻され、高速で再生(早送り再生)され、この再生中に、テープ情報を検出し、再度始端まで巻き戻し再生を開始し、メモリに記憶された前記テープ情報に従ってダビング時のビットレートが調整されていき、磁気テープの無記録領域を除く映像音声情報がDVDに磁気テープに記録された映像音声情報が可能な限り1枚のDVDに収まるようにダビングされるように構成されている。
【特許文献1】実用新案登録第3092141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した映像音声記録再生装置では、標準、3倍などの異なったテープ速度で記録された番組を持つVHSテープを、HDDなどのデジタル記録メディアに、テープ速度ごとに異なったビットレートでダビングを行いたい場合、実際にダビングを開始するまでに、始端まで巻き戻しを行い、その後、終端まで高速再生を行い、その後巻き戻しを行った後でダビングが開始されるため、ダビングが開始するまでの時間が長くなるという課題を有している。
【0008】
また、ダビングの開始位置がテープ始端に特定されてしまうため、テープの前半部分に不要な番組が記録されている場合、不要な番組も一緒にダビングされてしまうため効率がよくないという課題を有している。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、ユーザが簡単な操作でVHSテープなどの磁気テープメディアに記録されているアナログ映像音声情報をテープ速度ごとにビットレートを調整しHDDなどデジタル記録メディアにダビングを行う動作をなるべく短時間で行うと共に、前記ダビング動作の開始点をユーザが任意に指定することができるダビング装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求工1の発明は、磁気テープメディアに記録されたアナログ映像音声情報を再生、及び、磁気テープメディアの早送り及び巻き戻しを行う、磁気テープメディア駆動再生装置と、
デジタル記録メディアに対して書込みを行うデジタル記録メディアアクセス装置と、
前記磁気テープメディア駆動再生装置によって再生されたアナログ映像音声情報をデジタル映像音声情報に変換し、前記デジタル記録メディアアクセス装置に出力するアナログデジタル変換装置と、
リモコンや本体キーやGUI画面入力などのユーザ入力及び、表示管やGUI画面表示などをのユーザに対する出力を行うユーザインターフェース部と、
前記磁気テープメディア駆動再生装置に対して磁気テープメディアの再生及び再生一時停止処理を行う磁気テープメディア再生手段と、
前記磁気テープメディア駆動再生装置に対して磁気テープメディアの早送り及び巻き戻し処理を行う磁気テープメディア駆動手段と、
前記磁気テープメディア再生手段が再生及び再生一時停止処理を行っている際に、前記磁気テープメディアに記録されている再生コントロール信号から再生テープ速度を検出する再生テープ速度検出手段と、
前記アナログデジタル変換装置に対してデジタル記録メディアへ前記磁気テープメディア駆動再生装置からのアナログ映像音声情報を任意のビットレートでデジタル映像音声情報に変換し前記デジタル記録メディアアクセス装置に出力させ、デジタル映像音声情報をデジタル記録メディアに対して書込みを行うように処理し、デジタル映像音声情報の書込み終了時に、記録方式に従い記録番組情報を前記デジタル記録メディアアクセス装置に出力することでし、前記デジタル記録メディアに対して記録番組情報の書込みを行うデジタル記録手段と、
前記磁気テープメディアに記録されている可能性があるテープ速度と、前記デジタル記録メディアに記録可能なビットレートの対応表が保持されているテープ速度−記録ビットレート変換テーブルを備えたダビング装置において、
前記ユーザインターフェイス部からダビング操作が入力された時、前記磁気テープメディア再生手段に対し、再生一時停止指示を行い、前記磁気テープメディア再生手段が再生一時停止中に、前記再生テープ速度検出手段からテープ速度情報を取得し、前記テープ速度−記録ビットレート変換テーブルと前記テープ速度情報を用いて求めた記録ビットレートでデジタル記録メディアへの記録と磁気テープメディアの再生が同時に行われるよう前記デジタル記録手段と前記磁気テープメディア再生手段に指令しダビングを開始する機能を有し、また、ダビング操作前に前記ユーザインターフェース部から、前記磁気テープメディアの早送り操作又は巻き戻し操作が入力されたとき、前記磁気テープメディア駆動手段に早送り又は巻き戻し指示を出力し、前記磁気テープメディアのダビング開始位置を指定することができる機能を有した制御部を備える事を特徴とするダビング装置を提供する。
【0011】
この構成において、前記ユーザインターフェイス部からダビング操作が入力された時、前記磁気テープメディア再生手段に対し、再生一時停止指示を行い前記磁気テープメディア再生手段が再生一時停止中に、前記再生テープ速度検出手段からテープ速度情報を取得し、前記テープ速度−記録ビットレート変換テーブルと前記テープ速度情報を用いて記録ビットレートを求める。
【0012】
そして、デジタル記録メディアへの記録と磁気テープメディアの再生が同時に行われるよう前記デジタル記録手段と前記磁気テープメディア再生手段に指令しダビングを開始する。
【0013】
また、請求項2の発明は請求項1記載のダビング装置において、ダビング中に前記再生テープ速度検出手段が再生テープ速度の変化を検出した時に、前記磁気テープメディア再生手段に対し再生一時停止を指示と、前記デジタル記録手段に対して記録停止と記録番組情報の書込み指示を行い、前記デジタル記録手段が記録番組情報の書込みが完了した時に、前記再生テープ速度検出手段からテープ速度情報を取得し、前記テープ速度−記録ビットレート変換テーブルと前記テープ速度情報を用いて求めた記録ビットレートでデジタル記録メディアへの記録と磁気テープメディアの再生が同時に行われるよう前記デジタル記録手段と前記磁気テープメディア再生手段に指令しダビングを開始する機能を有する制御部を備える事を特徴とするダビング装置を提供する。
【0014】
この構成において、ダビング中に前記再生テープ速度検出手段が再生テープ速度の変化を検出した時に、前記磁気テープメディア再生手段に対し再生一時停止を指示と、前記デジタル記録手段に対して記録停止と記録番組情報の書込み指示を行う。
【0015】
そして、前記再生テープ速度検出手段からテープ速度情報を取得し、前記テープ速度−記録ビットレート変換テーブルと前記テープ速度情報を用いて記録ビットレート求める。
【0016】
そして、デジタル記録メディアへの記録と磁気テープメディアの再生が同時に行われるよう前記デジタル記録手段と前記磁気テープメディア再生手段に指令しダビングを開始する。
【0017】
請求項3の発明は請求項1記載のダビング装置において、 前記ユーザインターフェース部からの操作によって、前記テープ速度−記録ビットレート変換テーブルの対応表の更新ができる事を特徴とするダビング装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1のダビング装置によれば、簡単なユーザ操作で例えばVHSテープなどの磁気テープメディアに記録されるアナログ映像音声情報を、なるべく短時間で任意のテープ位置から記録されているテープ速度別に異なったビットレートでダビングを行うことができ、HDDなどのデジタル記録メディアの容量を効率的に節約できる。
【0019】
また請求項2のダビング装置によれば、ダビング中にVHSテープなどの磁気テープメディアの記録テープ速度が変化した場合でも、テープ速度別に異なったビットレートでダビングを行うことができ、HDDなどのデジタル記録メディアの容量を効率的に節約できる。
【0020】
また請求項3ダビング装置によれば、ユーザがそのニーズに合わせてテープ速度−記録ビットレート変換テーブルをユーザ操作によって変更できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(実施の形態1)
以下に図を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明でのダビング装置の構成を示すブロック図である。
【0022】
図1において、1はアナログ映像音声情報を記録再生することができる磁気テープメディア、3は磁気テープメディア1に記録されたアナログ映像音声情報を再生、及び、磁気テープメディア1の早送り及び巻き戻しを行う、磁気テープメディア駆動再生装置である。
【0023】
2はデジタル映像音声情報を記録再生することができるデジタル記録メディア、5はデジタル記録メディア2に対して書込みを行うデジタル記録メディアアクセス装置、4は磁気テープメディア駆動再生装置3によって再生されたアナログ映像音声情報をデジタル映像音声情報に変換し、デジタル記録メディアアクセス装置5に出力するアナログデジタル変換装置である。11はリモコンや本体キーやGUI画面入力などのユーザ入力及び、表示管やGUI画面表示などのユーザに対する出力を行うユーザインターフェース部である。
【0024】
7は磁気テープメディア駆動再生装置3に対して磁気テープメディア1の再生及び再生一時停止処理を行う磁気テープメディア再生手段、12は磁気テープメディア駆動再生装置3に対して磁気テープメディアの早送り及び巻き戻し処理を行う磁気テープメディア駆動手段、8は磁気テープメディア再生手段7が再生及び再生一時停止処理を行っている際に、磁気テープメディア1に記録されている再生コントロール信号から再生テープ速度を検出する再生テープ速度検出手段である。
【0025】
6はアナログデジタル変換装置4に対してデジタル記録メディア2へ磁気テープメディア駆動再生装置3からのアナログ映像音声情報を任意のビットレートでデジタル映像音声情報に変換しデジタル記録メディアアクセス装置5に出力させ、デジタル映像音声情報をデジタル記録メディア2に対して書込みを行うように処理し、デジタル映像音声情報の書込み終了時に、記録方式に従い記録番組情報をデジタル記録メディアアクセス装置5に出力することでデジタル記録メディア2に対して記録番組情報の書込みを行うデジタル記録手段である。10は磁気テープメディアに記録されている可能性があるテープ速度と、デジタル記録メディア2に記録可能なビットレートの対応表が保持されているテープ速度−記録ビットレート変換テーブルである。
【0026】
9はユーザインターフェイス部11からダビング操作が入力された時、磁気テープメディア再生手段7に対し、再生一時停止指示を行い、磁気テープメディア再生手段7が再生一時停止中に、再生テープ速度検出手段8からテープ速度情報を取得し、テープ速度−記録ビットレート変換テーブル10と前記テープ速度情報を用いて求めた記録ビットレートでデジタル記録メディア2への記録と磁気テープメディア1の再生が同時に行われるようデジタル記録手段6と磁気テープメディア再生手段7に指令しダビングを開始する機能を有する制御部である。
【0027】
また制御部9はダビング中に再生テープ速度検出手段8が再生テープ速度の変化を検出した時に、磁気テープメディア再生手段7に対し再生一時停止の指示と、デジタル記録手段6に対して記録停止と記録番組情報の書込み指示を行い、デジタル記録手段6が記録番組情報の書込みが完了した時に、再生テープ速度検出手段8からテープ速度情報を取得し、テープ速度−記録ビットレート変換テーブル10とテープ速度情報を用いて求めた記録ビットレートでデジタル記録メディア2への記録と磁気テープメディア1の再生が同時に行われるようデジタル記録手段6と磁気テープメディア再生手段7に指令しダビングを開始する機能を有する。また制御部9はダビング操作前にユーザインターフェース部11から、磁気テープメディア1の早送り操作又は巻き戻し操作が入力されたとき、磁気テープメディア駆動手段3に早送り又は巻き戻し指示を出力し、前記磁気テープメディア1のダビング開始位置を指定することができる機能を有する。
【0028】
例えば、標準、3倍などの異なったテープ速度で記録された番組を持つVHSテープを、HDDなどのデジタル記録メディアに、テープ速度ごとに異なったビットレートでダビングを、簡単な操作でなるべく短時間で行い、また、前記ダビング操作の事前に、VHSテープのテープ位置を指定することで、ユーザが任意に開始位置を指定することができるダビング装置を得ることができる。
【0029】
次にVHSテープからHDDへのダビングの様子を説明する。図2はVHSテープからHDDメディアへのダビング動作を示す図である。図4は、テープ速度−記録ビットレート変換テーブル10の具体的な例を示した表である。
【0030】
図2において、M21はダビング元となるVHSテープメディアであり、PG21はVHSテープメディアM21に標準記録されている番組、PG22はVHSテープメディアM21に3倍記録されている番組、PG23はVHSテープメディアM21に標準記録されている番組、PG24はVHSテープメディアM21に3倍記録されている番組であり、PG21、PG22、PG23、PG24の順で連続してVHSテープメディアM21に記録されている。T21は、PG21、PG22、PG23、PG24の記録時間 (すなわち、PG21、PG22、PG23、PG24は同じ記録時間の番組である) である。
【0031】
M22はダビング先となるHDDメディアであり、PG25は、ダビング操作により、PG21のテープ速度(標準)と図4の表より求められた記録ビットレート4.6Mbpsで記録されたPG21の複写番組、PG26は、ダビング操作により、PG22のテープ速度(3倍)と図4の表より求められた記録ビットレート2.3Mbpsで記録されたPG22の複写番組、PG27は、ダビング操作により、PG23のテープ速度(標準)と図4の表より求められた記録ビットレート4.6Mbpsで記録されたPG23の複写番組、PG28は、ダビング操作により、PG24のテープ速度(3倍)と図4の表より求められた記録ビットレート2.3Mbpsで記録されたPG24の複写番組である。C21はPG25及びPG27の記録容量であり、C22はPG26及びPG28の記録容量であり、C22はC21のおよそ半分の容量となる。
【0032】
すなわち、同じ記録時間の番組であったとしても、テープ速度別に記録ビットレートを調整することで、効率的にHDDメディアM22の容量を節約することが可能である。
【0033】
また、図4の表の記録ビットレートをユーザインターフェイス部11から、例えば、GUIを用いて任意の値に変更する事ことで、ユーザがそのニーズに合わせて、記録ビットレートを調整することができる。
【0034】
次に磁気テープメディアからデジタル記録メディアにダビングする実施例の手順を詳細に説明する。図3はVHSテープからHDDメディアへのダビングの詳細手順を示すタイミングチャートである。図3において、M31はダビング元となるVHSテープメディアであり、磁気テープメディア1に相当し、M32はダビング先となるHDDメディアであり、デジタル記録メディア2に相当する。TC31は再生テープ速度検出手段8、磁気テープメディア再生手段7、磁気テープメディア駆動手段12、制御部9、ユーザインターフェース部11、デジタル記録手段6のタイミングチャートである。
【0035】
まず、ダビング開始位置指定操作A31として、ユーザインターフェース部11から巻き戻し又は早送り操作E31が制御部9に対して行われることで、制御部9は磁気テープメディア駆動手段12に対して、巻き戻し又は早送り指示E32を行う。この巻き戻し又は早送り指示E32を行うことで、磁気テープメディア駆動手段12は巻き戻し又は早送り処理J31を行い、テープ速度が標準で記録された番組PG31の先頭にダビング開始位置を決める。なお、本実施の形態ではダビング開始位置指定操作A31として、磁気テープメディア駆動手段12を用いているが、この操作は磁気テープメディア再生手段7を用いて、再生映像を確認しながら行うことも可能であり、どの方法を用いてダビング開始位置を指定するかはユーザが自由に選択することができる。
【0036】
ダビング開始位置指定操作A31が終了したら、ユーザインターフェース部11からダビング操作E33を行うと制御部9は再生一時停止指示E34を磁気テープメディア再生手段7に対して行い、磁気テープメディア再生手段7は再生一時停止処理J32を行う事で、PG31の先頭で再生一時停止状態になり、再生テープ速度検出手段8はテープ速度が標準であることを検知することができる。
【0037】
その後、制御部9は磁気テープメディア再生手段7に対して、再生指示E35と、再生テープ速度検出手段8が検出した標準のテープ速度と図4の表を用いて取得した記録ビットレート4.6Mbpsを指定して、デジタル記録手段6に録画指示E36を行うことで、磁気テープメディア再生手段7はPG31の再生処理J33を始め、デジタル記録手段6は録画処理J34を始めることにより、HDDメディアM32に4.6Mbpsで記録された番組PG33の作成を開始する。
【0038】
再生処理J33がテープ速度が3倍で記録された番組PG32にさしかかった瞬間に再生テープ速度検出手段8が検出するテープ速度が3倍に変化する。テープ速度の変化が発生した時に制御部9はデジタル記録手段6に対して録画停止指示E38と、磁気テープメディア再生手段7に対して、再生一時停止指示E37を行う事で、デジタル記録手段6は、番組情報記録処理J36を行い、磁気テープメディア再生手段7は再生一時停止処理J35を行う。
【0039】
番組情報記録処理J36が完了した時点で、4.6MbpsでPG31が複写された番組PG33の作成が完成する。PG33の作成が完成したら、制御部9は再び、磁気テープメディア再生手段7に対して、再生指示E39と、再生テープ速度検出手段8が検出した3倍のテープ速度と図4の表を用いて取得した記録ビットレート2.3Mbpsを指定して、デジタル記録手段6に録画指示E3Aを行うことで、磁気テープメディア再生手段7はPG32の再生処理J37を始め、デジタル記録手段6は録画処理J38を始めることにより、HDDメディアM32に2.3Mbpsで記録された番組PG34の作成を開始する。
【0040】
ダビングの終了要因が発生するまで上述した動作と同等の処理が繰り返される。
【0041】
以上から上記にて説明したように、本実施の形態によれば、簡単なユーザ操作で例えばVHSテープなどの磁気テープメディアに記録されるアナログ映像音声情報を、なるべく短時間で任意のテープ位置から記録されているテープ速度別に異なったビットレートでダビングを行うことができ、HDDなどのデジタル記録メディアの容量を効率的に節約できる。
【0042】
また、本実施の形態によれば、ダビング中にVHSテープなどの磁気テープメディアの記録テープ速度が変化した場合でも、テープ速度別に異なったビットレートでダビングを行うことができる。
【0043】
また、本実施の形態によれば、ユーザがそのニーズに合わせてテープ速度−記録ビットレート変換テーブルをユーザ操作によって変更できるダビング装置を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明にかかるダビング装置は、簡単なユーザ操作で例えばVHSテープなどの磁気テープメディアに記録されるアナログ映像音声情報を、なるべく短時間で任意のテープ位置から記録されているテープ速度別に異なったビットレートでダビングを行うことができ、HDDなどのデジタル記録メディアの容量を効率的に節約できるので、映像音声記録装置等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】ダビング装置の構成図
【図2】VHSテープからHDDメディアへのダビングの様子を示した図
【図3】VHSテープからHDDメディアへのダビングの詳細手順を示す図
【図4】テープ速度−記録ビットレート変換テーブル例を示した図
【符号の説明】
【0046】
1 磁気テープメディア
2 デジタル記録メディア
3 磁気テープメディア駆動再生装置
4 アナログデジタル変換装置
5 デジタル記録メディアアクセス装置
6 デジタル記録手段
7 磁気テープメディア再生手段
8 再生テープ速度検出手段
9 制御部
10 テープ速度−記録ビットレート変換テーブル
11 ユーザインターフェース部
12 磁気テープメディア駆動手段
M21 VHSテープメディア
M22 HDDメディア
PG22 番組
PG23 番組
PG24 番組
PG25 番組
PG26 番組
PG27 番組
PG28 番組
T21 記録時間
C21 記録容量
C22 記録容量
PG31 番組
PG32 番組
PG33 番組
PG34 番組
M31 VHSテープメディア
M32 HDDメディア
TC31 タイミングチャート
A31 ダビング開始位置指定操作
J31 巻き戻し又は早送り処理
J32 再生一時停止処理
J33 再生処理
J34 録画処理
J35 再生一時停止処理
J36 番組情報記録処理
J37 再生処理
J38 録画処理
E31 巻き戻し又は早送り操作
E32 巻き戻し又は早送り指示
E33 ダビング操作
E34 再生一時停止指示
E35 再生指示
E36 録画指示
E37 再生一時停止指示
E38 録画停止指示
E39 再生指示
E3A 録画指示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気テープメディアに記録されたアナログ映像音声情報を再生、及び、磁気テープメディアの早送り及び巻き戻しを行う、磁気テープメディア駆動再生装置と、
デジタル記録メディアに対して書込みを行うデジタル記録メディアアクセス装置と、
前記磁気テープメディア駆動再生装置によって再生されたアナログ映像音声情報をデジタル映像音声情報に変換し、前記デジタル記録メディアアクセス装置に出力するアナログデジタル変換装置と、
リモコンや本体キーやGUI画面入力などのユーザ入力及び、表示管やGUI画面表示などのユーザに対する出力を行うユーザインターフェース部と、
前記磁気テープメディア駆動再生装置に対して磁気テープメディアの再生及び再生一時停止処理を行う磁気テープメディア再生手段と、
前記磁気テープメディア駆動再生装置に対して磁気テープメディアの早送り及び巻き戻し処理を行う磁気テープメディア駆動手段と、
前記磁気テープメディア再生手段が再生及び再生一時停止処理を行っている際に、前記磁気テープメディアに記録されている再生コントロール信号から再生テープ速度を検出する再生テープ速度検出手段と、
前記アナログデジタル変換装置に対してデジタル記録メディアへ前記磁気テープメディア駆動再生装置からのアナログ映像音声情報を任意のビットレートでデジタル映像音声情報に変換し前記デジタル記録メディアアクセス装置に出力させ、デジタル映像音声情報をデジタル記録メディアに対して書込みを行うように処理し、デジタル映像音声情報の書込み終了時に、記録方式に従い記録番組情報を前記デジタル記録メディアアクセス装置に出力することで、前記デジタル記録メディアに対して記録番組情報の書込みを行うデジタル記録手段と、
前記磁気テープメディアに記録されている可能性があるテープ速度と、前記デジタル記録メディアに記録可能なビットレートの対応表が保持されているテープ速度−記録ビットレート変換テーブルを備えたダビング装置において、
前記ユーザインターフェース部からダビング操作が入力された時、前記磁気テープメディア再生手段に対し、再生一時停止指示を行い、前記磁気テープメディア再生手段が再生一時停止中に、前記再生テープ速度検出手段からテープ速度情報を取得し、前記テープ速度−記録ビットレート変換テーブルと前記テープ速度情報を用いて求めた記録ビットレートでデジタル記録メディアへの記録と磁気テープメディアの再生が同時に行われるよう前記デジタル記録手段と前記磁気テープメディア再生手段に指令しダビングを開始する機能を有し、また、ダビング操作前に前記ユーザインターフェース部から、前記磁気テープメディアの早送り操作又は巻き戻し操作が入力されたとき、前記磁気テープメディア駆動手段に早送り又は巻き戻し指示を出力し、前記磁気テープメディアのダビング開始位置を指定することができる機能を有した制御部を備えることを特徴とするダビング装置。
【請求項2】
前記制御部は、ダビング中に前記再生テープ速度検出手段が再生テープ速度の変化を検出した時に、前記磁気テープメディア再生手段に対し再生一時停止を指示と、前記デジタル記録手段に対して記録停止と記録番組情報の書込み指示を行い、前記デジタル記録手段が記録番組情報の書込みが完了した時に、前記再生テープ速度検出手段からテープ速度情報を取得し、前記テープ速度−記録ビットレート変換テーブルと前記テープ速度情報を用いて求めた記録ビットレートでデジタル記録メディアへの記録と磁気テープメディアの再生が同時に行われるよう前記デジタル記録手段と前記磁気テープメディア再生手段に指令しダビングを開始する機能を有することを特徴とする請求項1記載のダビング装置。
【請求項3】
前記ユーザインターフェース部からの操作によって、前記テープ速度−記録ビットレート変換テーブルの対応表の更新を行うことを特徴とする請求項1記載のダビング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−42247(P2007−42247A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228163(P2005−228163)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】