説明

ダブルノック機構

【課題】操作部が回転子を二方向から挟んで連結させることで操作部と回転子を同調させる仕組みを備えるダブルノック機構を提供する。
【解決手段】図1において回転子3の第1接触子30が支持部1の端面カム6と係わる。また回転子3の第2接触子31が操作部2の円筒溝カム20と係わる。なお回転子3の第2接触子31を操作部2の円筒溝カム20を構成する第1歯形状カム21と第2歯形状カム22が挟むように連結する。これにより第2歯形状カム22が回転子3に対し返しの役割を果たすことで操作部2が回転子3から離れないようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はダブルノック機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からプッシュロックスイッチ等に使用されている操作部を一回押すと押し込んだ状態を保持し、もう一回操作部を押し込むと元の状態に戻るオルタネイト動作を得るための機構は幾つか知られている。その中でもよく使用されているオルタネイト動作がダブルノック機構とハートカム式機構 (例えば、特許文献1及び2参照)である。
【0003】
まずダブルノック機構のオルタネイト動作は図8に示した方法が提案されていて主に筆記用具のボールペンに使用されている。その周知の仕組みは、支持部101に図7に示した端面カム6と、操作部102に端面カム103と、前記二種類の端面カムと係わる回転子104と、リフィル106と、操作部102により押し込まれた回転子104及びリフィル106を押し戻すコイルスプリング107により構成されている。ここで支持部101の端面カム6と操作部102の端面カム103を構成する歯形状の山部分のピッチを約0.5個分ずらして組み合わせる。それにより二つの端面カムと向き合って係わる回転子104は両方の端面カムと同時に噛み合うことができない構造とする。
【0004】
これによりコイルスプリング107による圧力で回転子104が操作部102の端面カム103と噛合い回転しようとする回転力を支持部101の端面カム6に回転子104が噛み合うことで防ぐ。ここで操作部102を押し込むことで回転子104が支持部101の端面カムの深溝61を往復運動し、カム溝が途切れた瞬間に回転子104は回転力を開放して回転し、操作部102の端面カム103と回転子104が噛み合う。さらに操作部102の押し込みを止めることでコイルスプリング107による圧力で今度は支持部101の端面カム6と回転子104が噛み合い、回転子104が端面カムの浅溝62でロックされる。もう一度操作部102を押し込むと回転子104が支持部101の端面カム6を往復運動し、回転子104の回転力を開放されることで横回転しロック解除をされ端面カムの深溝61へ移動する。以後この動作を繰り返し回転子104の位置を制御することで回転子104のコイルスプリング107側にあるリフィル等の位置を制御する。
【0005】
以上が従来からあるダブルノック機構の構成であり、長所としてコイルスプリング以外をプラスチック等の安価で大量生産可能な材質で製造でき、なおかつ部品点数が少なく組立工程も簡単であった。
【0006】
次にハートカム式機構のオルタネイト動作としては図9に示した方法が提案されていて、主に電子部品などに組み込むプッシュロックスイッチに使用されている。その周知の仕組みは、支持部に一端が前後左右に振り子のように動ける接触子202とそこに加圧する板バネ203とを組み合わせたものを備え、操作部201の側面にラチェット機構205を備えるハートカム204を備える。操作部201の押し込みやコイルスプリング等の押し戻しに連動してハートカム204が接触子202に対し縦にスライドして往復運動する際に、支持部に備える接触子202が振り子のように左右に振れることでハートカム204に対し横方向へ移動する。このとき接触子202がハートカム204を一定方向にのみトレースできるようにしたラチェット機構205に対し前後移動できるように板バネ203が接触子202に予圧し、ハートカム204を一定方向へ一周する間にスイッチのロックとロック解除を一回切り替え、以後この動作を繰り返し操作部の位置を制御する。
【0007】
以上がハートカム式機構の構成であり、長所として操作部自体が直接ロックされるため操作部へ新たに別の機能や他の部品との係わり合いを設けることができた。また、操作部がロックされている際には外見上の見た目にも操作部がロック位置に移動しているため目視で確認でき、総合的にダブルノック機構より汎用性が高かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−000895号公報
【特許文献2】特開2000−149710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし従来のこれらの方法には欠点があった。まずダブルノック機構の短所としては、回転子のみにロックが効き操作部自体はロックされずにいた。これは回転子がスイッチオンの位置で支持部にロックされた際に、回転子に対し一方向からしか力を加えられない操作部の端面カムが回転子と接触する力を失い、そのため操作部と回転子の間でバックラッシが生じてしまい回転子がロック後も操作部は自由に動いてしまった。よって操作部に新たな機能を付加することができず、またスイッチ内部で機械的にロックされているのかを外見上の目視で確認できないため、主に筆記用具に限定して使用されるだけで汎用性が極めて低かった。
【0010】
もう一方のハートカム式機構の短所としては、操作部自体を直接ロックするために金属製で細い棒状の接触子とそこに圧力を加える板バネを組み込むなど細かい部品の点数が多くなってしまった。よって組立工程がダブルノック機構よりも複雑になった。即ちオルタネイト動作としての効果を得るためのダブルノック機構とハートカム式機構は痛し痒しの関係であった。
【0011】
そこで本発明の目的は、ダブルノック機構の長所である弾性体以外の部品を全てプラスチック製で製造できることを活かし、さらに回転子だけでなく操作部も回転子と同時にロックする仕組みにして、回転子と操作部の間に生じるバックラッシを大幅に減らしてダブルノック機構の汎用性を向上させる。それにより従来ではハートカム式機構でなければ出来なかった分野へ組立工程の簡単なダブルノック機構を使用可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は支持部に端面カムと、操作部に第1歯形状カム及び第2歯形状カムから成る円筒溝カムと、操作部が貫通して連結する回転子に端面カムと係わる第1接触子及び円筒溝カムと係わる第2接触子と、操作部に押し込まれた回転子を押し戻す圧力を加える弾性体とを備えることを特徴とするダブルノック機構である。なおこれ以後の説明は操作部を上から下へ押す縦置き状態とする。
【0013】
これにより円筒溝カムを構成する第1歯形状カム及び第2歯形状カムが、回転子の第2接触子に対し上下二方向から挟んで係わるようになる。その際に第2歯形状カムは回転子に貫通させて連結した操作部が外れてしまうのを防ぐ返しの役割を担う。また回転子の第2接触子と円筒溝カムの第1歯形状カムの係わり方に対応して回転子の第2接触子と円筒溝カムの第2歯形状カムの係わり方を適宜に変化させて、第2接触子が円筒溝カムの第1歯形状カム及び第2歯形状カムの両方もしくは片方と常に接触させる。その際に操作部と回転子の間で起こる上下の往復運動が適宜に制限されバックラッシを大幅に防ぐ。よって回転子が支持部に対しロックされると、回転子に対して往復運動を適宜に制限されている操作部も回転子と同時にロックされることを特徴とする。
【0014】
ここで円筒溝カムとは第1歯形状カムと第2歯形状カムの二種類の歯形状カムが向き合って出来るカム溝のことである。また操作部に押し込まれた回転子を押し戻す圧力を加える弾性体とは、回転子を直接またはリフィル等を間に挟んで間接的に操作部に対して圧力を与える存在である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によりダブルノック機構において回転子がロックされた際に操作部が回転子に対しバックラッシを大幅に除去しつつロックされることになり、簡単に組み立てできるダブルノック機構のオルタネイト動作としての汎用性が向上し筆記用具以外へ用途が広がる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】操作部をロックするダブルノック機構の実施方法を分解斜視図で示した図である。
【図2】支持部の実施方法を正面図で示した図である。
【図3】操作部の実施方法を正面図で示した図である。
【図4】回転子の実施方法を(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は断面図で示した図である。
【図5】操作部をロックするダブルノック機構の実施方法を一部断面図で示した図である。
【図6】操作部と回転子を連結したときの係わり方の実施方法を(A)は正面図、(B)は一部を展開図で示した図である。
【図7】内部円筒局面に端面カムを備える支持部を展開図で示した図である。
【図8】従来のダブルノック機構の構成を分解斜視図で示した図である。
【図9】ハートカム式機構の構成を(A)は正面図、(B)は側面図で示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は請求項1の操作部をロックするダブルノック機構の実施方法を分解斜視図で示した図である。内部円筒局面に図7の端面カム6を備える支持部1と、円筒溝カム20を有する操作部2と、外側円筒局面に第1接触子及び内側円筒局面に第2接触子を有する回転子3と、回転子3に常に圧力を加えるコイルスプリング等の弾性体4と、弾性体4を支え支持部1一端に蓋をする支持部底面5とを備える。また図1においては支持部1と支持部底面5を結合するために、支持部結合用溝11と支持部底面結合用突起51とを組み合わせて結合させるが、接着剤等を使い結合させてもよい。また筆記用具のボールペンなどにおいては弾性体4はリフィル等に圧力を加えて、そのリフィルが回転子3に圧力を加える。さらに支持部底面5に代わり口金などを使用してリフィル先端のチップ出入り口を確保する。これより図を使い本発明の最良の形態を詳しく説明する。
【0018】
図2は支持部1の実施方法を正面図で示した図である。内部を円筒状にした支持部1の円筒局面に図7記載の深溝と浅溝を繰り返す端面カム6を備える。図2においては支持部1と端面カム6は部品成型時に一体化して製造することを想定しているが、支持部1と端面カム6を別に部品成型した後結合する方法もある。その場合は支持部1と図1の支持部底面5は別に部品成型せずに一体化していても支持部1内部に後からその他の操作部などの部品を組み合わせることが出来る。
【0019】
図3は操作部2の実施方法を正面図で示した図である。軸を円柱状にして第1歯形状カム21及び第2歯形状カム22から成る円筒溝カム20と、垂直移動用接触子23を備える。第1歯形状カム21の形状は、支持部1に備わる端面カム6の歯形状の山の数と同数の山を備える歯形状にする。第2歯形状カム22は第1歯形状カム21が垂直反転した形状を下側にスライドした形状にする。よって円筒溝カム20は第1歯形状カム21と第2歯形状カム22の歯形状カムの山同士と谷同士がお互いに向かい合った蛇腹状の構造になる。
【0020】
円筒溝カム20を構成する第1歯形状カム21と回転子3との関係は、操作部2を上から押し込んだ圧力、及び弾性体4による回転子3下からの圧力によりお互いが影響しあう。このときに回転子3は円筒溝カム20に対して回転力を得る。
【0021】
また第2歯形状カム22には以下の役割がある。それは操作部2を任意に押し込む場合、及び回転子3を挟んで弾性体4による間接的な圧力以外の不本意な動作により、回転子3との間で発生する大幅なバックラッシを生じさせないように係わる返しの役割である。さらに第2歯形状カム22の形状は上記で記載したように第1歯形状カム21をそのまま垂直反転させた形状でなくてもよい。具体的には第2歯形状カム22は回転子3が支持部1の端面カムの深溝61または端面カムの浅溝62にロックもしくはロック解除して停止状態のときのみ後述する回転子3の第2接触子31と接している箇所が在ればよい。そのため操作部2を押し込み回転子3へ圧力を掛け、回転子3が回転移動している状態のときは回転子3の第2接触子31と第2歯形状カム22は接する必要が無い。よってその箇所の第2歯形状カム22は無くてよい。そのため第2歯形状カム22の山一つ一つは回転子3の回転方向側半分の山から谷部分をなくす。これにより操作部2と回転子3を組み合わせて連結する際、第2歯形状カム22の一部欠落箇所と第2接触子31の幅が同一のため互い違いにさせて組み合わせることで、貫通させて連結することができる。
【0022】
また操作部2の円筒曲面には、操作部2が支持部1に対し上下に垂直移動のみ行うための垂直移動用接触子23がある。垂直移動用接触子23は図1に示すように支持部1に操作部2を組み込む際に、支持部1の端面カム6と操作部2の第1歯形状カム21にあるお互いの歯形状カムの山部分のピッチを約0,5個分横に移動した状態で組み合わせるためにある。
【0023】
図4は回転子の実施方法を(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は断面図で示した図である。回転子をリング状にしてリングの外側円筒曲面に支持部1の端面カム6と係わる第1接触子30を備える。さらにリングの内側円筒曲面に操作部2の円筒溝カム20と係わる第2接触子31を備える。第1接触子30の形状は図4(A)で示すように上部に傾斜を付けることで支持部1の端面カム6と係わる際に、回転子3の上下動の動きを横回転に変換する働きを持つ。さらに第1接触子30は支持部1の円筒溝カムの深溝61と係わる際に回転子3を上下動のみさせる働きを持つ。
【0024】
また第2接触子31の形状は図4(B)で示すように第1接触子30を回転子3のリング中心部へ向かって延長した形状とする。これにより第1接触子30と第2接触子31の上部に関しては同一の形状とする。だが第2接触子31下部の形状は図4(C)のように上部に対し対角を等しくした平行四辺形とする。具体的には平行四辺形の第2接触子31は内角が鋭角になる対角部分を上下に配置し、なおかつ上部の鋭角が回転子3の回転移動の進行方向側になるように配置する。
【0025】
また第1接触子30の数は図7参照の支持部1の端面カム6の山の数に対応し、山二つに対して第1接触子30を一つ設け、図4(B)においては四つ備える。第2接触子31の数は操作部2にある第1歯形状カム21の山の数に対応し山一つに対しそれぞれ一つずつの第2接触子31を設け図4(B)においては八つ備える。なお回転子上部32は図4(A)で示すように第2接触子31と同一の形状で一体化しつつ第2接触子31が無い箇所では両隣の第2接触子31の山と谷を直線で繋いだ形状とする。
【0026】
図5は操作部をロックするダブルノック機構の実施方法を一部断面図で示した図である。操作部2を回転子3に貫通させて連結し円筒溝カム20と第2接触子31を組み合わせる。支持部1の端面カム6に操作部2の垂直移動用接続子23及び回転子3の第1接触子30を組み合わせる。その後弾性体4を加えて支持部1と支持部底面5を結合する。すると端面カム6と円筒溝カム20の歯形状の山のピッチが約0,5ずれた構造となる。ここで回転子3の第1接触子30及び第2接触子31の一部が一体化している箇所、並びに回転子上部32において、端面カム6と円筒溝カム20の二種類のカムに同時に噛み合うことができない構造になる。これを利用して操作部2による上からの押し込みや、弾性体4による下からの圧力による縦エネルギーを回転子3の横回転のエネルギーに変換する。
【0027】
図6は操作部と回転子を連結したときの係わり方の実施方法を(A)は正面図、(B)は一部を展開図で示した図である。回転子3の横回転の仕組みとして、端面カム6と円筒溝カム20の二種類のカムと回転子3の接地面には上からは操作部2の押し込みにより、下からは弾性体4の圧力が働く。このとき操作部2からの押し込みの力が勝ると回転子3は下側へ押し込まれ円筒溝カム20と噛み合う。その後弾性体4からの圧力が勝ると今度は回転子3が上側へ押し戻され端面カム6と噛み合う。よって以上の動作を行うことで回転子3は操作部2の押し込みと弾性体4から得る上下へのエネルギーを横回転のエネルギーに変換する。さらに操作部2は回転子3と連結されているので、回転子3が支持部1の端面カム6を構成する端面カムの深溝61と端面カムの浅溝62の間を行き来して上下の高低差を保持する際に操作部2も上下の高低差を保持する。
【0028】
図6の(A1)(A2)(A3)(A4)は、操作部2の円筒溝カム20と回転子3の第2接触子31の一連の動きと組み合わせの関係を示した正面図である。また図6の(B1)(B2)(B3)(B4)は円筒溝カム20と第2接触子31の関係を示した一部の展開図である。ダブルノック機構の一連の動きは、操作部を押し込む前で回転子が初期状態でスイッチオフ、操作部を底まで押し込んで回転子が回転してスイッチオンになる状態、操作部への押し込みを解除することでスイッチオンのまま回転子をロック位置へ移行する状態、スイッチオンで回転子及び操作部をロックした状態、再度操作部を底まで押し込んで回転子が回転した状態、操作部への押し込みを解除することで回転子が初期状態へ移行してスイッチオフする状態、回転子及び操作部が初期状態でスイッチオフへ戻る、がある。
【0029】
図6(A1)は操作部2を押し込む前で回転子3が端面カムの深溝61にある初期状態でスイッチオフの状態である。回転子3は弾性体4の圧力により第1接触子30が支持部1の端面カム6を構成する端面カムの深溝61へ押し付けられることで上下動ならびに回転移動を停止した初期状態である。また円筒溝カム20と第2接触子31の歯形状の噛み合わせは図6(B1)のようになる。このとき回転子3は弾性体4等による下からの圧力を受けている。また支持部1に対して上下動のみできる操作部2は、円筒溝カム20の第1歯形状カム21と第2歯形状カム22が回転子3の第2接触子31の上下対辺との間でブレの原因となる隙間を打ち消しあうように接している。よって操作部2は上下動できず、回転子3と同様に支持部1に対して固定した状態となる。
【0030】
さらに図6(A2)は図6(A1)から操作部2を底まで押し込んで回転子3が回転してスイッチオンになる状態である。回転子3は支持部1の端面カム6の影響が無くなり回転力が開放され回転することで、第2接触子31が円筒溝カム20の第1歯形状カム21と噛み合っている。また円筒溝カム20と第2接触子31の歯形状の噛み合わせは図6(B2)のようになる。このとき第1歯形状カム21と第2接触子31がお互いに圧力を掛け合っているため第2接触子31は第2歯形状カム22との接点を設ける必要がない。よって第2歯形状カム22はこの状態の部分を欠落させる。なお操作部2を回転子3に貫通させて連結するときは、第2歯形状カム22と第二接触子31が干渉しないこの状態で行うとよい。
【0031】
さらに図6(A3)は図6(A2)から操作部2への押し込みを解除することでスイッチオンのまま回転子3をロック位置である端面カムの浅溝62へ移行する状態である。回転子3が弾性体4の圧力により操作部2を上へ押し戻しつつ、支持部1の端面カム6に沿って回転移動しスイッチオン状態をロックする移行する途中である。また円筒溝カム20と第2接触子31の歯形状の噛み合わせは図6(B3)のようになる。
【0032】
さらに図6(A4)は図6(A3)からスイッチオンで回転子3及び操作部2をロックした状態である。回転子3が操作部2に対し回転移動し第2接触子31は円筒溝カム20内をスライド移動し第1接触子30は支持部1の端面カム6へ押し付けられ回転子3がロックされる。また第2接触子31と円筒溝カム20の歯形状の噛み合わせは図6(B4)のようになる。このとき上下動のみできる操作部2は円筒溝カム20の第1歯形状カム21と第2歯形状カム22が第2接触子31の上下対辺との間でブレの原因となる隙間を打ち消しあうように接しているため上下動できない。よって回転子3と同様に操作部2も固定した状態となる。以上が操作部2を押し込む前で回転子3が初期状態でスイッチオフから、スイッチオンで回転子3及び操作部2をロックした状態になるときの円筒溝カム20と第2接触子31の関係である。またスイッチオンで回転子3及び操作部2をロックした状態から、回転子3及び操作部2が初期状態でスイッチオフへ戻るに移行する際の円筒溝カム20と第2接触子31の関係も同様の動きである。
【0033】
図7は内部を円筒状にした支持部1の円筒曲面にある端面カム6を展開図にして示した図ある。端面カム6は端面カムの深溝61と端面カムの浅溝62を交互に繰り返すことで構成する。回転子に備わる接触子が端面カムの深溝61と端面カムの浅溝62である歯形状カムのカム山を一つ越えるごとに支持部に対して上下に往復移動してスイッチとしての機能を得る。
【産業上の利用可能性】
【0034】
組み立てが容易なダブルノック機構の構造で汎用性の高いハートカム式が採用されていた分野へ使用可能なため産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0035】
1 支持部
2 操作部
3 回転子
4 弾性体
5 支持部底面
6 端面カム
11 支持部結合用溝
20 円筒溝カム
21 第1歯形状カム
22 第2歯形状カム
23 垂直移動用接触子
30 第1接触子
31 第2接触子
32 回転子上部
51 支持部底面結合用突起
61 端面カムの深溝
62 端面カムの浅溝
101 支持部
102 操作部
103 端面カム
104 回転子
106 リフィル
107 コイルスプリング
108 垂直移動用接触子
201 操作部
202 接触子
203 板バネ
204 ハートカム
205 ラチェット機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部に端面カムと、
操作部に第1歯形状カム及び第2歯形状カムから成る円筒溝カムと、
前記操作部が貫通して連結する回転子に前記端面カムと係わる第1接触子及び前記円筒溝カムと係わる第2接触子と、
前記操作部に押し込まれた前記回転子を押し戻す圧力を加える弾性体とを備えることを特徴とするダブルノック機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−222240(P2011−222240A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89138(P2010−89138)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【特許番号】特許第4676562号(P4676562)
【特許公報発行日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(708005541)
【Fターム(参考)】