説明

チアジアゾリルオキシフェニルアミジン類及び殺菌剤としてのそれらの使用

本発明は、一般式(I)で表されるチアジアゾリルオキシフェニルアミジン、それらを調製する方法、望ましくない微生物を防除するための特許請求されているアミジン類の使用及び特許請求されているチアジアゾリルオキシフェニルアミジンを含んでいる前記目的のための作用剤に関する。本発明は、さらに、特許請求されている化合物を望ましくない微生物及び/又はそれらの生息環境に施用することによる望ましくない微生物の防除方法にも関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)で表されるチアジアゾリルオキシフェニルアミジン、それらを調製する方法、望ましくない微生物の駆除(combating)における本発明によるアミジン類の使用及び本発明によるチアジアゾリルオキシフェニルアミジンを含んでいる前記目的のための組成物に関する。本発明は、さらに、本発明の化合物を望ましくない微生物及び/又はそれらの生息環境に施用することによる望ましくない微生物を駆除する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
WO−A−00/046184には、殺菌剤としてのアミジン類の使用が開示されている。
【0003】
WO−A−03/093224には、殺菌剤としてのアリールアミジン誘導体の使用が開示されている。
【0004】
WO−A−03/024219には、選択された付加的な既知活性物質と組み合わせて少なくとも1種類のN2−フェニルアミジン誘導体を含んでいる殺菌剤組成物が開示されている。
【0005】
WO−A−04/037239には、N2−フェニルアミジン誘導体に基づく殺菌性薬物が開示されている。
【0006】
WO−A−07/031513には、チアジアゾリルで置換されているフェニルアミジン類並びにそれらの調製及び殺菌剤としての使用が開示されている。
【0007】
最先端技術において記載されているアミジン類の効果は良好であるが、多くの場合、未だ不充分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第00/046184号
【特許文献2】国際公開第03/093224号
【特許文献3】国際公開第03/024219号
【特許文献4】国際公開第04/037239号
【特許文献5】国際公開第07/031513号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、改善された殺菌効果を有するアミジン類を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、驚くべきことに、式(I)
【0011】
【化1】

〔上記式中、
は、水素、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−8−アルキル基、C4−8−アルケニル基若しくはC4−8−アルキニル基から選択され[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’から選択される1以上の基で置換されることが可能であり、その際、R’は、水素、C1−12−アルキル基、−SH又は−SR”であり、R”は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得るC1−12−アルキル基である];
は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12アルキニル基、又は、環状のC3−8−アルキル基、C4−8−アルケニル基若しくはC4−8−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基から選択され[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
は、−CN、−SH、−SR”、−OR”若しくは−(C=O)−R”(ここで、R”は、上記意味を有する)、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−8−アルキル基、C4−8−アルケニル基若しくはC4−8−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基から選択され[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
又は、
とR、RとR、又は、RとRは、それらが結合している原子と一緒に、又は、N、O、P及びSから選択されるさらなる原子と一緒に、R’基、OR’基、SR’基、NR’基又はSiR’基(ここで、R’は、上記意味を有する)で置換され得る4員〜7員の環を形成することができ;
は、水素、−X、−CN、−SH、−SR”、−OR”若しくは−(C=O)−R”(ここで、R”は、上記意味を有する)、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−8−アルキル基、C4−8−アルケニル基若しくはC4−8−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基からなる群から選択され[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基及びアミド(−CONR’)基(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
及びRは、互いに独立して、水素、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−12−アルキル基、C4−12−アルケニル基若しくはC4−12−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基から選択され[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基及びアミド(−CONR’)基(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
又は、
とRは、それらが結合している炭素原子と一緒に、又は、N、O、P及びSから選択されるさらなる原子と一緒に、R’基、OR’基、SR’基、NR’基又はSiR’基(ここで、R’は、上記意味を有する)で置換され得る3員〜7員の環を形成することができ;
は、水素、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、ニトロ(−NO)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基及びアミド(−CONR’)基、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−12−アルキル基、C4−12−アルケニル基若しくはC4−12−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基からなる群から選択され[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基及びアミド(−CONR’)基(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
nは、0、1、2、3及び4から選択される整数であり、ここで、n=2、3又は4である場合、R基は、異なった意味を有することが可能である〕
で表されるチアジアゾリルオキシフェニルアミジン及びその塩を用いて達成された。
【0012】
一般的な定義
本発明に関連して、用語「ハロゲン」(X)は、特に別途定義されていない限り、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択される元素を包含し、ここで、フッ素、塩素及び臭素を使用するのが好ましく、フッ素及び塩素を使用するのが特に好ましい。
【0013】
適切に置換されている基は、一置換されていても又は多置換されていてもよく、ここで、多置換における置換基は、同一であっても又は異なっていてもよい。
【0014】
1個以上のハロゲン原子(−X)で置換されているアルキル基は、例えば、トリフルオロメチル(CF)、ジフルオロメチル(CHF)、CFCH、ClCH又はCFCC1から選択される。
【0015】
本発明に関連して、アルキル基は、特に別途定義されていない限り、1若しくは2以上の単一不飽和若しくは二重不飽和、又は、酸素、窒素、リン及び硫黄から選択される1個又は2個以上のヘテロ原子を場合により示していてもよい、直鎖、分枝鎖又は環状の炭化水素基である。さらに、本発明によるアルキル基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基、アシル(−(C=O)R’)基及びアミド(−CONR’)基から選択されるさらなる基で場合により置換されていてもよく、その際、R’は、水素であるか、又は、窒素、酸素、リン及び硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を示していてもよいC1−12−アルキル基、好ましくは、C2−10−アルキル基、特に好ましくは、C3−8アルキル基である。
【0016】
1−12−アルキルの定義は、アルキル基に関して本明細書中で定義されている最大範囲を包含する。特に、この定義は、例えば、意味としてメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、1,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルなどを包含する。
【0017】
本発明に関連して、アルケニル基は、特に別途定義されていない限り、少なくとも1の単一不飽和(二重結合)を含んでいて、1若しくは2以上の単一若しくは二重の不飽和、又は、酸素、窒素、リン及び硫黄から選択される1個若しくは2個以上のヘテロ原子を場合により示していてもよい、直鎖、分枝鎖又は環状の炭化水素基である。さらに、本発明によるアルケニル基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基、アシル(−(C=O)R’)基及びアミド(−CONR’)基から選択されるさらなる基で場合により置換されていてもよく、その際、R’は、水素であるか、又は、窒素、酸素、リン及び硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を示していてもよいC1−12−アルキル基、好ましくは、C2−10−アルキル基、特に好ましくは、C3−8アルキル基である。
【0018】
2−12−アルケニルの定義は、アルケニル基に関して本明細書中で定義されている最大範囲を包含する。特に、この定義は、例えば、意味として以下のものを包含する:ビニル;アリル(2−プロペニル)、イソプロペニル(1−メチルエテニル);ブタ−1−エニル(クロチル)、ブタ−2−エニル、ブタ−3−エニル;ヘキサ−1−エニル、ヘキサ−2−エニル、ヘキサ−3−エニル、ヘキサ−4−エニル、ヘキサ−5−エニル;ヘプタ−1−エニル、ヘプタ−2−エニル、ヘプタ−3−エニル、ヘプタ−4−エニル、ヘプタ−5−エニル、ヘプタ−6−エニル;オクタ−1−エニル、オクタ−2−エニル、オクタ−3−エニル、オクタ−4−エニル、オクタ−5−エニル、オクタ−6−エニル、オクタ−7−エニル;ノナ−1−エニル、ノナ−2−エニル、ノナ−3−エニル、ノナ−4−エニル、ノナ−5−エニル、ノナ−6−エニル、ノナ−7−エニル、ノナ−8−エニル;デカ−1−エニル、デカ−2−エニル、デカ−3−エニル、デカ−4−エニル、デカ−5−エニル、デカ−6−エニル、デカ−7−エニル、デカ−8−エニル、デカ−9−エニル;ウンデカ−1−エニル、ウンデカ−2−エニル、ウンデカ−3−エニル、ウンデカ−4−エニル、ウンデカ−5−エニル、ウンデカ−6−エニル、ウンデカ−7−エニル、ウンデカ−8−エニル、ウンデカ−9−エニル、ウンデカ−10−エニル;ドデカ−1−エニル、ドデカ−2−エニル、ドデカ−3−エニル、ドデカ−4−エニル、ドデカ−5−エニル、ドデカ−6−エニル、ドデカ−7−エニル、ドデカ−8−エニル、ドデカ−9−エニル、ドデカ−10−エニル、ドデカ−11−エニル;ブタ−1,3−ジエニル、ペンタ−1,3−ジエニル。
【0019】
本発明に関連して、アルキニル基は、特に別途定義されていない限り、少なくとも1の二重不飽和(三重結合)を含んでいて、1若しくは2以上の単一若しくは二重の不飽和、又は、酸素、窒素、リン及び硫黄から選択される1個若しくは2個以上のヘテロ原子を場合により示していてもよい、直鎖、分枝鎖又は環状の炭化水素基である。さらに、本発明によるアルキニル基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基、アシル(−(C=O)R’)基及びアミド(−CONR’)基から選択されるさらなる基で場合により置換されていてもよく、その際、R’は、水素であるか、又は、窒素、酸素、リン及び硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を示していてもよい直鎖、分枝鎖若しくは環状のC1−12−アルキル基である。
【0020】
2−12−アルキニルの定義は、アルキニル基に関して本明細書中で定義されている最大範囲を包含する。特に、この定義は、例えば、意味として以下のものを包含する:エチニル(アセチレニル);プロパ−1−イニル、及び、プロパ−2−イニル。
【0021】
3−8−シクロアルキルの定義は、3〜8個の炭素環員を有する単環式飽和炭化水素基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルなどを包含する。
【0022】
本発明に関連して、アリール基は、特に別途定義されていない限り、酸素、窒素、リン及び硫黄から選択される1個又は2個以上のヘテロ原子を示していてもよい芳香族炭化水素基であり、ここで、該芳香族炭化水素基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基、アシル(−(C=O)R’)基及びアミド(−CONR’)基から選択されるさらなる基で場合により置換されていてもよく、その際、R’は、水素であるか、又は、窒素、酸素、リン及び硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を示していてもよいC1−12−アルキル基、好ましくは、C2−10−アルキル基、特に好ましくは、C3−8−アルキル基である。
【0023】
5−18−アリールの定義は、5〜18個の骨格原子[ここで、炭素原子はヘテロ原子で置き換えられていてもよい]を有するアリール基に関して本明細書中で定義されている最大範囲を包含する。特に、この定義は、例えば、意味として以下のものを包含する:シクロペンタジエニル、フェニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクタテトラエニル、ナフチル、及び、アントラセニル;2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、及び、1,3,4−トリアゾール−2−イル;1−ピロリル、1−ピラゾリル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1−イミダゾリル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,3,4−トリアゾール−1−イル;3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、2−ピラジニル、1,3,5−トリアジン−2−イル、及び、1,2,4−トリアジン−3−イル。
【0024】
本発明に関連して、アリールアルキル基(アラルキル基)は、特に別途定義されていない限り、アリール基で置換されているアルキル基であり、ここで、それは、C1−8−アルキレン鎖を示すことができ、並びに、該アリール骨格又は該アルキレン鎖において、酸素、窒素、リン及び硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子で置換されていてもよく、また、−R’基、ハロゲン−(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基、アシル(−(C=O)R’)基及びアミド(−CONR’)基から選択されるさらなる基で場合により置換されていてもよく、その際、R’は、水素であるか、又は、窒素、酸素、リン及び硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を示していてもよいC1−12−アルキル基、好ましくは、C2−10−アルキル基、特に好ましくは、C3−8−アルキル基である。
【0025】
7−19−アラルキル基の定義は、該骨格及びアルキレン鎖において合計で7〜19個の原子を有するアリールアルキル基に関して本明細書中で定義されている最大範囲を包含する。特に、この定義は、例えば、意味としてベンジル及びフェニルエチルを包含する。
【0026】
本発明に関連して、アルキルアリール基(アルカリール基)は、特に別途定義されていない限り、アルキル基で置換されているアリール基であり、ここで、それは、C1−8−アルキレン鎖を示すことができ、並びに、該アリール骨格又は該アルキレン鎖において、酸素、窒素、リン及び硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子で置換されていてもよく、また、−R’基、ハロゲン−(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基、アシル(−(C=O)R’)基及びアミド(−CONR’)基から選択されるさらなる基で場合により置換されていてもよく、その際、R’は、水素であるか、又は、窒素、酸素、リン及び硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を示していてもよいC1−12−アルキル基、好ましくは、C2−10−アルキル基、特に好ましくは、C3−8−アルキル基である。
【0027】
7−19−アルキルアリール基の定義は、該骨格及びアルキレン鎖において合計で7〜19個の原子を有するアルキルアリール基に関して本明細書中で定義されている最大範囲を包含する。特に、この定義は、例えば、意味としてトリル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル又は3,5−ジメチルフェニルを包含する。
【0028】
上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基及びアラルキル基は、1個以上のヘテロ原子(ここで、該ヘテロ原子は、特に別途定義されていない限り、窒素、酸素、リン及び硫黄から選択される)をさらに示し得る。これに関連して、該ヘテロ原子は、示されている炭素原子に取って代わる。
【0029】
本発明による化合物は、適切な場合には、種々の可能な異性体形態の混合物として、特に、立体異性体(例えば、E異性体及びZ異性体、トレオ異性体及びエリトロ異性体)の混合物として、及び、光学異性体の混合物として存在することができ、さらに、適切な場合には、互変異性体の混合物としても存在することができる。開示され、特許請求されているのは、E異性体とZ異性体の両方、さらに、トレオ異性体とエリトロ異性体の両方、及び、さらに、光学異性体、それら異性体の任意の混合物、及び、可能な互変異性体形態である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明によるアミジン類は、式(I)
【0031】
【化2】

で表される化合物又はそれらの塩、N−オキシド及び金属錯体、並びに、それらの立体異性体である。
【0032】
式(I)において、該基は、以下で定義されている意味を有する。下記定義は、全ての中間体に等しく当てはまる:
は、水素、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−8−アルキル基、C4−8−アルケニル基若しくはC4−8−アルキニル基から選択される[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’から選択される1以上の基で置換されることが可能であり、その際、R’は、水素、C1−12−アルキル基、−SH又は−SR”であり、R”は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得るC1−12−アルキル基である];
は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12アルキニル基、又は、環状のC3−8−アルキル基、C4−8−アルケニル基若しくはC4−8−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基から選択される[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
は、−CN、−SH、−SR”、−OR”若しくは−(C=O)−R”(ここで、R”は、上記意味を有する)、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−8−アルキル基、C4−8−アルケニル基若しくはC4−8−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基から選択される[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
本発明による代替的な実施形態では、RとR、RとR、又は、RとRは、それらが結合している原子と一緒に、又は、窒素、酸素、リン及び硫黄から選択されるさらなる原子と一緒に、R’基、OR’基、SR’基、NR’基又はSiR’基(ここで、R’は、上記意味を有する)で置換され得る4員〜7員の環を形成することができる;
は、水素、−X、−CN、−SH、−SR”、−OR”若しくは−(C=O)−R”(ここで、R”は、上記意味を有する)、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−8−アルキル基、C4−8−アルケニル基若しくはC4−8−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基からなる群から選択される[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基及びアミド(−CONR’)基(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
及びRは、互いに独立して、水素、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−12−アルキル基、C4−12−アルケニル基若しくはC4−12−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基から選択される[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基及びアミド(−CONR’)基(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
本発明による代替的な実施形態では、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒に、又は、窒素、酸素、リン及び硫黄から選択されるさらなる原子と一緒に、R’基、OR’基、SR’基、NR’基又はSiR’基(ここで、R’は、上記意味を有する)で置換され得る3員〜7員の環を形成することができる;
は、水素、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、ニトロ(−NO)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基及びアミド(−CONR’)基、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−12−アルキル基、C4−12−アルケニル基若しくはC4−12−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基からなる群から選択される[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基及びアミド(−CONR’)基(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
nは、0、1、2、3及び4から選択される整数であり、ここで、n=2、3又は4である場合、R基は、異なった意味を有することが可能である。
【0033】
式(I)において、該基は、以下で定義されている好ましい意味を有する。好ましいものとしての下記定義は、全ての中間体に等しく当てはまる:
は、水素、メルカプト基(−SH)又はC1−8−アルキル基からなる群から選択される;
は、直鎖又は分枝鎖のC1−8−アルキル基から選択される;
は、直鎖、分枝鎖及び脂環式のC1−8−アルキル基から選択される;
本発明による代替的な好ましい実施形態では、RとRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、又は、窒素及び酸素から選択されるさらなる原子と一緒に、1以上のC1−12−アルキル基で置換され得る5員又は6員の環を形成することができる;
は、−X(ハロゲン)、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基及びC1−5−ハロアルキル基からなる群から選択される;
及びRは、互いに独立して、水素又は直鎖C1−8−アルキル基から選択される;
は、水素、直鎖、分枝鎖、脂環式若しくはヘテロ環式のC1−12−アルキル基、ハロゲン原子及びC1−4−ハロアルキル基からなる群から選択される;
nは、0、1及び2から選択される整数であり、ここで、n=2である場合、R基は、異なった意味を有することが可能である。
【0034】
式(I)において、該基は、以下で定義されている特に好ましい意味を有する。特に好ましいものとしての下記定義は、全ての中間体に等しく当てはまる:
は、水素、メルカプト及びメチルからなる群から選択される;
は、メチル及びエチルからなる群から選択される;
は、メチル、エチル及びイソプロピルからなる群から選択される;
本発明による代替的な特に好ましい実施形態では、RとRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、ピペリジル基、ピロリジル基又は2,6−ジメチルモルホリニル基を形成することができる;
は、塩素原子、フッ素原子、−CF基、−CFH基及びメチル基からなる群から選択される;
及びRは、互いに独立して、水素、メチル基及びエチル基から選択されるか、又は、それらが結合している炭素原子と一緒に、シクロプロピル環を形成する;
は、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリメチルシリル基及びトリエチルシリル基からなる群から選択される。
【0035】
n=1であり且つRが該フェニル環の3位又は4位に位置している本発明の実施形態も好ましい。
【0036】
n=2である場合、2つのR基は、好ましくは、該フェニル環の、1,4位、2,5位、3,5位又は2,6位に位置している。
【0037】
さらに、本発明は、上記化合物の塩、N−オキシド及び金属錯体、並びに、それらの立体異性体にも関する。
【0038】
式(I)で表される化合物は、上記で定義した置換基の種類に応じて、酸性特性又は塩基性特性を示し、そして、無機酸若しくは有機酸との塩、又は、塩基との塩、又は、金属イオンとの塩を形成することが可能であり、また、適切な場合には、内部塩又は付加物を形成することもできる。
【0039】
金属イオンとして適しているものは、特に、第2主族元素(特に、カルシウム及びマグネシウム)のイオン、第3主族元素及び第4主族元素(特に、アルミニウム、スズ及び鉛)のイオン、さらに、第1亜族〜第8亜族の元素(特に、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛など)のイオンである。第4周期の元素の金属イオンが特に好ましい。これに関して、上記金属は、それら金属に適する種々の原子価で存在することができる。
【0040】
式(I)で表される化合物が、ヒドロキシル基、カルボキシル基又は酸性特性を誘導する別の基を有している場合、これらの化合物を塩基と反応させて塩を生成させることができる。
【0041】
適切な塩基は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属(特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウム)の水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩、さらに、アンモニア、(C−C)−アルキル基を有する第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミン、(C−C)−アルカノールのモノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン及びトリアルカノールアミン、並びに、コリン及びクロロコリンである。
【0042】
式(I)で表される化合物が、アミノ基、アルキルアミノ基又は塩基性特性を誘導する別の基を有している場合、これらの化合物を酸と反応させて塩を生成させることができる。
【0043】
無機酸の例は、ハロゲン化水素(例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素)、硫酸、リン酸及び硝酸、並びに、酸性塩(例えば、NaHSO及びKHSO)である。
【0044】
適切な有機酸は、例えば、ギ酸、炭酸及びアルカン酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸及びプロピオン酸)、さらに、グリコール酸、チオシアン酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、シュウ酸、アルキルスルホン酸(1個〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基を有するスルホン酸)、アリールスルホン酸又はアリールジスルホン酸(1又は2のスルホン酸基を有している芳香族基、例えば、フェニル及びナフチル)、アルキルホスホン酸(1個〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基を有するホスホン酸)、及び、アリールホスホン酸又はアリールジホスホン酸(1又は2のホスホン酸基を有している芳香族基、例えば、フェニル及びナフチル)であり、ここで、該アルキル基又はアリール基は、さらなる置換基を有することが可能である(例えば、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸など)。
【0045】
このようにして得られた塩は、同様に殺菌特性を示す。
【0046】
本発明に関連して、アミジンは、特に好ましくは、以下のものからなる群から選択される:N’−(4−{[3−(4−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例1);4−{[3−(4−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例2);N’−(5−クロロ−4−{[3−(4−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2−メチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例3);5−クロロ−4−{[3−(4−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2−メチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例4);N’−(2,5−ジメチル−4−{[3−(1−フェニルエチル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例5);N’−(2,5−ジメチル−4−{[3−(1−フェニルプロピル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例6);2,5−ジメチル−4−{[3−(1−フェニルプロピル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例7);2,5−ジメチル−4−{[3−(1−フェニルエチル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例8);N’−(4−{[3−(4−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例9);N’−[2,5−ジメチル−4−({3−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)フェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例10);N’−(4−{[3−(2,4−ジクロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例11);N’−(4−{[3−(2,4−ジクロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例12);2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)−4−({3−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)アニリン(実施例13);N’−(4−{[3−(5−ブロモ−2−メチルベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例14);N’−(4−{[3−(2,6−ジクロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例15);N−エチル−N’−(4−{[3−(3−メトキシベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチルイミドホルムアミド(実施例16);N’−[4−({3−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例17);4−({3−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例18);N’−[4−({3−[1−(4クロロフェニル)エチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例19);N’−[5−クロロ−4−({3−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例20);5−クロロ−4−({3−[1(4−クロロフェニル)エチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例21);N’−[5−クロロ−4−({3−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例22);N’−{4−[(3−ベンジル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)オキシ]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例23);N’−(2,5−ジメチル−4−{[3−(4−メチル−2−ニトロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例24);N’−[4−({3−[2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例25);4−({3−[2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例26);N’−[4−({3−[2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例27);N’−[5−クロロ−4−({3−[2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例28);5−クロロ−4−({3−[2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例29);N’−[5−クロロ−4−({3−[2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例30);N’−(4−{[3−(4−ブロモベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例31);N’−(4−{[3−(4−ブロモベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例32);4−{[3−(4−ブロモベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例33);4−{[3−(3−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例34);N’−(4−{[3−(3−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例35);4−[(3−ベンジル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)オキシ]−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例36);N’−[4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例37);4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例38);N’−[4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例39);N’−[5−クロロ−4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例40);N’−[5−クロロ−4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例41);N’−[2,5−ジメチル−4−({3−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)フェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例42);2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)−4−({3−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)アニリン(実施例43);5−クロロ−4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例44);4−{[3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例45);N’−(4−{[3−(1,3−ベンゾジオキソール5−イルメチル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例46);N’−(4−{[3−(3,4−ジクロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例47);4−{[3−(3,4−ジクロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例48);N−エチル−N’−(4−{[3−(2−メトキシベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチルイミドホルムアミド(実施例49);4−{[3−(2−メトキシベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例50);N’−(4−{[3−(3,4−ジクロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例51);N’−(4−{[3−(2,4−ジフルオロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例52)。
【0047】
本発明によるアミジン類の調製
本発明によるアミジン類は、以下のスキーム(Ia)及びスキーム(Ib)において示されている調製方法によって得ることができる。
【0048】
【化3】

【0049】
【化4】

【0050】
段階(a)
本発明による一実施形態では、以下の反応スキーム:
【0051】
【化5】

に従って、式(III)で表されるニトロベンゼン誘導体を式(II)で表されるチアジアゾリルアルコール又はそれから形成されるアルコキシドと反応させて、式(VI)で表されるニトロフェニルエーテルを生成させる。
【0052】
一般的な反応条件下で充分な離核性を示す全ての置換基は、脱離基zとして適している。適している脱離基としては、例えば、ハロゲン、トリフラート、メシラート、トシラート又はSOMeを挙げることができる。
【0053】
式(III)で表されるニトロベンゼン誘導体は、「The Journal of the Chemical Society, 1926, 2036」に従って得ることができる。
【0054】
上記反応は、好ましくは、塩基の存在下で実施する。
【0055】
適切な塩基は、そのような反応において通常使用される有機塩基及び無機塩基である。好ましくは、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、フッ化物、リン酸塩、炭酸塩及び炭酸水素塩からなる群から選択される塩基を使用する。これに関連して、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸セシウムが特に好ましい。さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)及びジアザビシクロウンデセン(DBU)。
【0056】
適切な場合には、パラジウム、銅、及び、それらの塩又は錯体からなる群から選択される触媒を使用することができる。
【0057】
該ニトロベンゼン誘導体と該フェノールの反応は、何も混ぜずに実施することができるか又は溶媒中で実施することができる。好ましくは、該反応は、一般的な反応条件下で不活性である標準的な溶媒から選択される溶媒中で実施する。
【0058】
好ましいのは、以下のものである:脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリンなど;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタンなど;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソールなど;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、イソブチロニトリル又はベンゾニトリルなど;アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン(NMP)又はヘキサメチルホスホルアミドなど;又は、これらのものと水の混合物、さらに、純水。
【0059】
上記反応は、減圧下、標準圧力下又は過剰圧力下、−20℃〜200℃の温度で実施することができる。好ましくは、該反応は、標準圧力下、50℃〜150℃の温度で実施する。
【0060】
段階(b)
本発明による代替的な実施形態では、以下の反応スキーム:
【0061】
【化6】

に従って、式(V)で表されるニトロフェノール誘導体又はそれから形成されるフェノキシドを式(IV)で表されるチアジアゾリル誘導体と反応させて、式(VI)で表されるニトロフェニルエーテルを生成させる。
【0062】
式(V)で表されるニトロフェノール誘導体は、「The Journal of the Chemical Society, 1926, 2036」に従って得ることができる。
【0063】
当該反応条件、溶媒、触媒及び適切な脱離基に関しては、段階(a)を参照することができる。
【0064】
段階(c)
本発明による代替的なさらなる実施形態では、以下の反応スキーム:
【0065】
【化7】

に従って、式(VII)で表されるアニリンを式(II)で表されるチアジアゾリルアルコール又はそれから形成されるアルコキシドと反応させて、式(VIII)で表されるアミノフェニルエーテルを生成させる。
【0066】
当該反応条件、溶媒、触媒及び適切な脱離基に関しては、段階(a)を参照することができる。
【0067】
段階(d)
本発明による代替的なさらなる実施形態では、以下の反応スキーム:
【0068】
【化8】

に従って、式(XII)で表されるアミノフェノールを式(IV)で表されるチアジアゾリル誘導体と反応させて、式(VIII)で表されるアミノフェニルエーテルを生成させる。
【0069】
当該反応条件、溶媒、触媒及び適切な脱離基に関しては、段階(a)及び段階(c)を参照することができる。
【0070】
段階(e)
段階(a)及び段階(b)において得られた式(VI)で表されるニトロフェニルエーテルを、以下の反応スキーム:
【0071】
【化9】

に従い、還元して、式(VIII)で表されるアニリンエーテルを生成させることができる。
【0072】
段階(e)による還元は、ニトロ基の還元に関する最先端の技術において記載されている全ての方法を使用して実施することができる。
【0073】
上記還元は、好ましくは、WO−A−0046184に記載されているように、濃塩酸中で塩化スズを用いて実施する。しかしながら、代替的に、該還元は、適切な場合には適切な水素化触媒(例えば、ラネーニッケル又はPd/C)の存在下で、水素ガスを用いて実施することもできる。当該反応条件は、最先端技術において既に記載されており、当業者は精通している。
【0074】
上記還元を液相中で実施する場合、当該反応は、一般的な反応条件に関して不活性である溶媒(例えば、トルエン)の中で実施する。
【0075】
段階(f)
本発明による式(I)で表されるアミジンを生成させるための、式(VIII)で表されるアニリンエーテルの段階(f)による反応は、スキーム(I)において上記で示されているように、以下の反応スキーム:
【0076】
【化10】

に従って、
(i)式(XIII)で表されるアミノアセタール;又は、
(ii)式(XIV)で表されるアミド;又は、
(iii)式(XVI)で表されるオルトエステルの存在下における式(XV)で表されるアミン;
を使用する種々の代替的な調製方法により実施することができる。
【0077】
本発明による調製方法の代替的な個々の実施形態(i)〜実施形態(iii)について、以下で簡潔に説明する。
【0078】
(i) スキーム(Ib)において段階(i)として示されている本発明の実施形態によれば、式(VIII)で表されるアニリンエーテルを、式(XIII)〔式中、R、R及びRは、上記で定義されているとおりであり、R11及びR12は、C1−8−アルキル基(好ましくは、C2−6−アルキル基、特に好ましくは、C3−5−アルキル基)から選択され、そして、それらが結合している酸素原子と一緒に、5員又は6の環を形成することができる〕で表されるアミノアセタールと反応させて、本発明による式(I)で表されるチアジアゾリルオキシフェニルアミジンを生成させる。
【0079】
式(XIII)で表されるアミノアセタールは、「JACS, 65, 1566(1943)」に記載されているホルムアミドから、アルキル化試薬(例えば、硫酸ジメチル)との反応により得ることができる。
【0080】
段階(i)による反応は、好ましくは、酸の存在下で実施する。
【0081】
適切な酸は、例えば、有機酸及び無機酸からなる群から選択され、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩酸(気体、水性又は有機溶液中)又は硫酸である。
【0082】
(ii) スキーム(Ib)において段階(ii)として示されている本発明の代替的な実施形態では、式(VIII)で表されるアニリンエーテルを、式(XIV)〔式中、R、R及びRは、上記で定義されているとおりである〕で表されるアミドと反応させて、本発明によるチアジアゾリルオキシフェニルアミジンを生成させる。
【0083】
段階(ii)による反応は、適切な場合には、ハロゲン化剤の存在下で実施する。適切なハロゲン化剤は、例えば、PCl、PCl、POCl又はSOClからなる群から選択される。
【0084】
さらに、該反応は、代替的に、カップリング剤の存在下で実施することもできる。
【0085】
適切なカップリング剤は、アミド結合を結合させるために通常使用されるカップリング剤である。例えば、以下のものを挙げることができる:酸ハロゲン化物を形成する化合物、例えば、ホスゲン、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リン、塩化ホスホリル又は塩化チオニルなど;無水物を形成する化合物、例えば、クロロホルメート、クロロギ酸メチル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチル又はメタンスルホニルクロリドなど;カルボジイミド類、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)など;又は、標準的な別のカップリング剤、例えば、五酸化リン、ポリリン酸、N,N’−カルボジイミダゾール、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、トリフェニルホスフィン/テトラクロロメタン、若しくは、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェートなど。
【0086】
段階(ii)による反応は、好ましくは、一般的な反応条件下で不活性である標準的な溶媒から選択される溶媒の中で実施する。好ましくは、以下のものを使用する:脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリンなど;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタンなど;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソールなど;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、イソブチロニトリル又はベンゾニトリルなど;アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン(NMP)又はヘキサメチルホスホルアミドなど;エステル類、例えば、酢酸メチル又は酢酸エチルなど;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)など;スルホン類、例えば、スルホランなど;アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなど;又は、これらの混合物。
【0087】
(iii) スキーム(Ib)において段階(iii)として示されている本発明の代替的なさらなる実施形態によれば、式(VIII)で表されるアニリンエーテルを、式(XVI)〔式中、Rは水素であり、R〜R10は、互いに独立して、C1−8−アルキル基(好ましくは、C2−6−アルキル基、特に好ましくは、C3−5−アルキル基)から選択され、そして、それらが結合している酸素原子と一緒に、5員又は6員の環を形成することができる〕で表されるオルトエステルの存在下に、式(XV)〔式中、R及びRは、上記で定義されているとおりである〕で表されるアミンと反応させて、本発明によるチアジアゾリルオキシフェニルアミジンを生成させる。
【0088】
段階(iii)による反応は、好ましくは、一般的な反応条件下で不活性である標準的な溶媒から選択される溶媒の中で実施する。好ましくは、以下のものを使用する:脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリンなど;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタンなど;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソールなど;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、イソブチロニトリル又はベンゾニトリルなど;アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン(NMP)又はヘキサメチルホスホルアミドなど;エステル類、例えば、酢酸メチル又は酢酸エチルなど;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)など;スルホン類、例えば、スルホランなど;アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなど;又は、これらのものと水の混合物、さらに、純水。
【0089】
段階(g)
本発明による代替的な実施形態では、以下の反応スキーム:
【0090】
【化11】

に従って、式(XII)で表されるアミノフェノールを、
(i)式(XIII)で表されるアミノアセタールと反応させて;又は、
(ii)式(XIV)で表されるアミドと反応させて;又は、
(iii)式(XVI)で表されるオルトエステルの存在下において、式(XV)で表されるアミンと反応させて;
式(X)で表されるアミジンを生成させることもできる。
【0091】
当該反応条件、溶媒及び触媒に関しては、段階(f)を参照することができる。
【0092】
本発明による式(I)で表される標的分子を生成させるための式(X)で表されるアミジンのさらなる反応は、例えば、段階(j)に記載されているように実施することができる。
【0093】
段階(h)
本発明による代替的な実施形態では、以下の反応スキーム:
【0094】
【化12】

に従い、式(VII)で表されるアミノフェニル誘導体を、
(i)式(XIII)で表されるアミノアセタールと反応させて;又は、
(ii)式(XIV)で表されるアミドと反応させて;又は、
(iii)式(XVI)で表されるオルトエステルの存在下において、式(XV)で表されるアミンと反応させて;
式(XI)で表されるアミジンを生成させることもできる。
【0095】
当該反応条件、溶媒及び触媒に関しては、段階(f)を参照することができる。
【0096】
本発明による式(I)で表される標的分子を生成させるための式(XI)で表されるアミジンのさらなる反応は、例えば、段階(i)に記載されているように実施することができる。
【0097】
段階(i)
本発明のさらなる実施形態によれば、段階(h)から得ることができる式(XI)で表されるアミジンを、以下の反応スキーム:
【0098】
【化13】

に従って、式(II)で表されるチアジアゾリルアルコール又はそれから形成されるアルコキシドと反応させて、本発明による式(I)で表される標的分子を生成させることができる。
【0099】
当該反応条件、溶媒及び触媒に関しては、段階(f)を参照することができる。
【0100】
段階(j)
本発明のさらなる実施形態によれば、段階(g)から得ることができる式(X)で表されるアミジンを、以下の反応スキーム:
【0101】
【化14】

に従って、式(IV)で表されるチアジアゾリル誘導体と反応させて、本発明による式(I)で表される標的分子を生成させることができる。
【0102】
当該反応条件、溶媒及び触媒に関しては、段階(f)並びに表(I)及び表(II)を参照することができる。
【0103】
式(I)で表されるアミジンを調製するための本発明による方法に関して、反応段階の以下の組合せが有利と見なされる:段階(a)と段階(e)と段階(f);段階(b)と段階(e)と段階(f);段階(c)と段階(f);段階(d)と段階(f);段階(h)と段階(i);及び/又は、段階(g)と段階(j)。
【0104】
本発明によるチアジアゾリルオキシフェニルアミジン類の調製は、適切な場合には、中間体を中間的に単離することなく実施する。
【0105】
チアジアゾリルオキシフェニルアミジン類の最後の精製は、適切な場合には、通常の精製方法で実施することができる。好ましくは、精製は、結晶化によって実施する。
【0106】
上記調製方法の段階(b)、段階(d)及び段階(j)で使用される式(IVa)〔式中、Zは塩素原子である〕で表されるチアジアゾリル誘導体は、例えば、下記スキーム:
【0107】
【化15】

に記載されている調製方法又はDE−A−960281若しくは「Chemische Berichte, 90, 182−7, 1957」に記載されている調製方法に従って得ることができる。:
式(VIa)で表される塩化物は、酸加水分化によって、式(II)で表されるアルコールに変換することができる。
【0108】
上記調製方法の段階(b)、段階(d)及び段階(j)で使用される式(IVb)〔式中、Zはトシル基である〕で表されるチアジアゾリル誘導体は、例えば、下記スキーム:
【0109】
【化16】

に記載されている調製方法に従って得ることができる。
【0110】
使用する一般式(XVII)で表されるカルボキサミドは、例えば、「Houben−Weyl VIII, pp.655 ff」中の指示に従って調製することができる。
【0111】
望ましくない微生物の駆除
本発明によるアミジン類は、強力な殺微生物作用(microbicidal action)を示し、植物保護及び材料物質の保護において、菌類及び細菌類などの望ましくない微生物を駆除するために使用することができる。
【0112】
植物保護
殺菌剤は、植物保護において、ネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)を駆除するために使用することができる。
【0113】
殺細菌剤は、植物保護において、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)及びストレプトマイセス科(Streptomycetaceae)を駆除するために使用することができる。
【0114】
上記総称に分類される、菌類病及び細菌病の数種類の病原体について、例として、非限定に以下のものを挙げることができる:
・ 例えば以下のようなうどんこ病の病原体に起因する、病害:
ブルメリア属各種(Blumeria species)、例えば、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis);
ポドスファエラ属各種(Podosphaera species)、例えば、ポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha);
スファエロテカ属各種(Sphaerotheca species)、例えば、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea);
ウンシヌラ属各種(Uncinula species)、例えば、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator);
・ 例えば以下のようなさび病の病原体に起因する、病害:
ギムノスポランギウム属各種(Gymnosporangium species)、例えば、ギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae);
ヘミレイア属各種(Hemileia species)、例えば、ヘミレイア・バスタトリクス(Hemileia vastatrix);
ファコプソラ属各種(Phakopsora species)、例えば、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae);
プッシニア属各種(Puccinia species)、例えば、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita);
ウロミセス属各種(Uromyces species)、例えば、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus);
・ 例えば以下のような卵菌類(Oomycetes)の群の病原体に起因する病害: ブレミア属各種(Bremia species)、例えば、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae);
ペロノスポラ属各種(Peronospora species)、例えば、ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae);
フィトフトラ属各種(Phytophthora species)、例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans);
プラスモパラ属各種(Plasmopara species)、例えば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola);
プセウドペロノスポラ属各種(Pseudoperonospora species)、例えば、プセウドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はプセウドペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis);
ピシウム属各種(Pythium species)、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum);
・ 例えば以下のものに起因する、斑点病(leaf spot disease)及び萎凋病(leaf wilts):
アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani);
セルコスポラ属各種(Cercospora species)、例えば、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola);
クラドスポリウム属各種(Cladosporium species)、例えば、クラドスポリウム・ククメリヌム(Cladosporium cucumerinum);
コクリオボルス属各種(Cochliobolus species)、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(分生子形態:Drechslera, 異名:Helminthosporium);
コレトトリクム属各種(Colletotrichum species)、例えば、コレトトリクム・リンデムタニウム(Colletotrichum lindemuthanium);
シクロコニウム属各種(Cycloconium species)、例えば、シクロコニウム・オレアギヌム(Cycloconium oleaginum);
ジアポルテ属各種(Diaporthe species)、例えば、ジアポルテ・シトリ(Diaporthe citri);
エルシノエ属各種(Elsinoe species)、例えば、エルシノエ・ファウセッチイ(Elsinoe fawcettii);
グロエオスポリウム属各種(Gloeosporium species)、例えば、グロエオスポリウム・ラエチコロル(Gloeosporium laeticolor);
グロメレラ属各種(Glomerella species)、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata);
グイグナルジア属各種(Guignardia species)、例えば、グイグナルジア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli);
レプトスファエリア属各種(Leptosphaeria species)、例えば、レプトスファエリア・マクランス(Leptosphaeria maculans);
マグナポルテ属各種(Magnaporthe species)、例えば、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea);
ミコスファエレラ属各種(Mycosphaerella species)、例えば、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)及びミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis);
ファエオスファエリア属各種(Phaeosphaeria species)、例えば、ファエオスファエリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum);
フィレノホラ属各種(Pyrenophora species)、例えば、フィレノホラ・テレス(Pyrenophora teres);
ラムラリア属各種(Ramularia species)、例えば、ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo−cygni);
リンコスポリウム属各種(Rhynchosporium species)、例えば、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis);
セプトリア属各種(Septoria species)、例えば、セプトリア・アピイ(Septoria apii);
チフラ属各種(Typhula species)、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata);
ベンツリア属各種(Venturia species)、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis);
・ 例えば以下のものに起因する、根及び茎の病害:
コルチシウム属各種(Corticium species)、例えば、コルチシウム・グラミネアルム(Corticium graminearum);
フサリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum);
ガエウマンノミセス属各種(Gaeumannomyces species)、例えば、ガエウマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis);
リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani);
タペシア属各種(Tapesia species)、例えば、タペシア・アクホルミス(Tapesia acuformis);
チエラビオプシス属各種(Thielaviopsis species)、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola);
・ 例えば以下のものに起因する、穂の病害(ear and panicle disease)(トウモロコシの穂軸を包含する):
アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria spp.);
アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus);
クラドスポリウム属各種(Cladosporium species)、例えば、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides);
クラビセプス属各種(Claviceps species)、例えば、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea);
フサリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum);
ジベレラ属各種(Gibberella species)、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae);
モノグラフェラ属各種(Monographella species)、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis);
・ 例えば以下のような黒穂病菌類(smuts)に起因する、病害:
スファセロテカ属各種(Sphacelotheca species)、例えば、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana);
チレチア属各種(Tilletia species)、例えば、チレチア・カリエス(Tilletia caries);
ウロシスチス属各種(Urocystis species)、例えば、ウロシスチス・オクルタ(Urocystis occulta);
ウスチラゴ属各種(Ustilago species)、例えば、ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda);
・ 例えば以下のものに起因する、果実の腐敗(fruit rot):
アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus);
ボトリチス属各種(Botrytis species)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);
ペニシリウム属各種(Penicillium species)、例えば、ペニシリウム・エキクスパンスム(Penicillium expansum)及びペニシリウム・プルプロゲヌム(Penicillium purpurogenum);
スクレロチニア属各種(Sclerotinia species)、例えば、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum);
ベルチシリウム属各種(Verticilium species)、例えば、ベルチシリウム・アルボアトルム(Verticilium alboatrum);
・ 例えば以下のものに起因する、種子伝染性及び土壌伝染性の腐敗病及び萎凋病(seed− and soil−borne rots and wilts)並びに実生の病害:
アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア・ブラシシコラ(Alternaria brassicicola);
アファノミセス属各種(Aphanomyces species)、例えば、アファノミセス・エウテイケス(Aphanomyces euteiches);
アスコキタ属各種(Ascochyta species)、例えば、アスコキタ・レンチス(Ascochyta lentis);
アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus);
クラドスポリウム属各種(Cladosporium species)、例えば、クラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum);
コクリオボルス属各種(Cochliobolus species)、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(分生子形態:Drechslera、Bipolaris 異名:Helminthosporium);
コレトトリクム属各種(Colletotrichum species)、例えば、コレトトリクム・ココデス(Colletotrichum coccodes);
フサリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum);
ジベレラ属各種(Gibberella species)、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae);
マクロホミナ属各種(Macrophomina species)、例えば、マクロホミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina);
モノグラフェラ属各種(Monographella species)、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis);
ペニシリウム属各種(Penicillium species)、例えば、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum);
ホマ属各種(Phoma species)、例えば、ホマ・リンガム(Phoma lingam);
ホモプシス属各種(Phomopsis species)、例えば、ホモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae);
フィトフトラ属各種(Phytophthora species)、例えば、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum);
ピレノホラ属各種(Pyrenophora species)、例えば、ピレノホラ・グラミネア(Pyrenophora graminea);
ピリクラリア属各種(Pyricularia species)、例えば、ピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae);
ピシウム属各種(Pythium species)、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum);
リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani);
リゾプス属各種(Rhizopus species)、例えば、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae);
スクレロチウム属各種(Sclerotium species)、例えば、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii);
セプトリア属各種(Septoria species)、例えば、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum);
チフラ属各種(Typhula species)、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata);
ベルチシリウム属各種(Verticillium species)、例えば、ベルチシリウム・ダーリアエ(Verticillium dahliae);
・ 例えば以下のものに起因する、がんしゅ病(canker)、こぶ(gall)及び天狗巣病(witches’ broom):
ネクトリア属各種(Nectria species)、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena);
・ 例えば以下のものに起因する、萎凋病(wilt):
モニリニア属各種(Monilinia species)、例えば、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa);
・ 例えば以下のものに起因する、葉、花及び果実の奇形:
タフリナ属各種(Taphrina species)、例えば、タフリナ・デホルマンス(Taphrina deformans);
・ 例えば以下のものに起因する、木本類の衰退性病害(degenerative disease):
エスカ属各種(Esca species)、例えば、ファエモニエラ・クラミドスポラ(Phaemoniella clamydospora)、ファエオアクレモニウム・アレオフィルム(Phaeoacremonium aleophilum)及びホミチポリア・メジテラネア(Fomitiporia mediterranea);
・ 例えば以下のものに起因する、花及び種子の病害:
ボトリチス属各種(Botrytis species)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);
・ 例えば以下のものに起因する、植物塊茎の病害:
リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani);
ヘルミントスポリウム属各種(Helminthosporium species)、例えば、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani);
・ 例えば以下のような細菌性病原体に起因する、病害:
キサントモナス属各種(Xanthomonas species)、例えば、キサントモナス・カムペストリス pv.オリザエ(Xanthomonas campestris pv. oryzae);
シュードモナス属各種(Pseudomonas species)、例えば、シュードモナス・シリンガエ pv.ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv. lachrymans);
エルウィニア属各種(Erwinia species)、例えば、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)。
【0115】
好ましくは、ダイズの以下の病害を駆除することができる:
・ 例えば以下のものに起因する、葉、茎、鞘及び種子の菌類病:
アルテルナリア斑点病(alternaria leaf spot)(Alternaria spec. atrans tenuissima)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporoides dematium var. truncatum)、褐紋病(brown spot)(Septoria glycines)、紫斑病(cercospora leaf spot and blight)(Cercospora kikuchii)、コアネホラ葉枯病(choanephora leaf blight)(Choanephora infundibulifera trispora(Syn.))、ダクツリオホラ斑点病(dactuliophora leaf spot)(Dactuliophora glycines)、べと病(Peronospora manshurica)、ドレクスレラ胴枯病(drechslera blight)(Drechslera glycini)、斑点病(frogeye leaf spot)(Cercospora sojina)、そばかす病(leptosphaerulina leaf spot)(Leptosphaerulina trifolii)、灰星病(phyllostica leaf spot)(Phyllosticta sojaecola)、黒点病(pod and stem blight)(Phomopsis sojae)、うどんこ病(Microsphaera diffusa)、ピレノカエタ斑点病(pyrenochaeta leaf spot)(Pyrenochaeta glycines)、葉腐病(rhizoctonia aerial, foliage, and web blight)(Rhizoctonia solani)、さび病(Phakopsora pachyrhizi)、黒とう病(Sphaceloma glycines)、ステムフィリウム葉枯病(stemphylium leaf blight)(Stemphylium botryosum)、褐色輪紋病(Corynespora cassiicola);
・ 例えば以下のものに起因する、根及び茎基部の菌類病:
黒根腐病(Calonectria crotalariae)、炭腐病(Macrophomina phaseolina)、赤かび病(fusarium blight or wilt, root rot, and pod and collar rot)(Fusarium oxysporum、Fusarium orthoceras、Fusarium semitectum、Fusarium equiseti)、ミコレプトジスクス根腐病(mycoleptodiscus root rot)(Mycoleptodiscus terrestris)、根腐病(neocosmospora)(Neocosmopspora vasinfecta)、黒点病(Diaporthe phaseolorum)、茎腐爛病(stem canker)(Diaporthe phaseolorum var. caulivora)、茎疫病(phytophthora rot)(Phytophthora megasperma)、落葉病(brown stem rot)(Phialophora gregata)、根茎腐敗病(pythium rot)(Pythium aphanidermatum、Pythium irregulare、Pythium debaryanum、Pythium myriotylum、Pythium ultimum)、リゾクトニア根腐病(rhizoctonia root rot, stem decay, and damping−off)(Rhizoctonia solani)、菌核病(sclerotinia stem decay)(Sclerotinia sclerotiorum)、スクレロチニアサウザンブライト病(sclerotinia southern blight)(Sclerotinia rolfsii)、チエラビオプシス根腐病(thielaviopsis root rot)(Thielaviopsis basicola)。
【0116】
本発明による活性物質は、植物における強力な強化活性(strengthening activity)も示す。本発明の活性物質は、従って、望ましくない微生物による攻撃に対して植物の内因性の防御を動員させるのにも適している。
【0117】
本発明に関連して、植物を強化する(抵抗性を誘導する)物質は、処理された植物が、その後で望ましくない微生物を接種されたときに、それらの望ましくない微生物に対して広範な抵抗性を示すように、植物の防御システムを刺激することができる物質を意味するものと理解される。
【0118】
この場合、望ましくない微生物は、植物病原性の菌類、細菌類及びウイルス類を意味するものと理解される。かくして、本発明による物質を用いて、処理後特定の期間、上記で記載した有害な病原体による攻撃から植物を保護することができる。保護が達成される期間は、植物が該活性物質で処理されてから、一般に、1〜10日間、好ましくは、1〜7日間である。
【0119】
植物病害を駆除するために必要とされる濃度の該活性物質に対して、植物は充分な耐性を有しているという事実により、植物の地上部の処理、植物の繁殖器官(plant propagation material)及び種子の処理、並びに、土壌の処理が可能である。
【0120】
これに関連して、本発明による活性物質は、穀類の病害〔例えば、プッシニア属各種(Puccinia species)〕、並びに、ブドウ栽培及び果実栽培及び野菜栽培における病害〔例えば、ボトリチス属各種(Botrytis species)、ベンツリア属各種(Venturia species)又はアルテルナリア属各種(Alternaria species)〕の駆除において使用して、特に良好な結果を得ることができる。
【0121】
本発明による活性物質は、さらにまた、作物の収量を増大させるのにも適している。さらに、本発明による活性物質は、毒性が低く、植物も充分な耐性を示す。
【0122】
本発明による活性物質は、特定の濃度及び施用量において、場合により、除草剤として使用することもできるし、植物の生長に影響を及ぼすために使用することもできるし、また、害虫(animal pest)を駆除するために使用することもできる。それらは、場合により、さらなる活性物質を合成するための中間体及び前駆物質として使用することもできる。
【0123】
本発明に従って、全ての植物及び植物の部分を処理することができる。本発明に関連して、植物というのは、望ましい及び望ましくない野生植物又は栽培植物(自然発生した栽培植物を包含する)のような全ての植物及び植物個体群を意味するものと理解される。栽培植物は、慣習的な育種法と最適化法により、又は、生物工学的方法と遺伝子工学的方法により、又は、それら方法を組み合わせたものにより得ることが可能な植物であることができる。そのような栽培植物には、トランスジェニック植物も包含され、また、品種の証明書に関する法律より保護され得る又は保護され得ない植物品種も包含される。植物の部分は、植物の地上及び地下の全ての部分及び全ての器官、例えば、枝条、葉、花及び根などを意味するものと理解され、挙げることができる例は、葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実及び種子などであり、また、根、塊茎及び根茎なども挙げることができる。植物の部分には、さらに、収穫作物(harvested crop)、並びに、栄養繁殖器官及び生殖繁殖器官(vegetative and generative propagation material)、例えば、挿木(cutting)、塊茎、根茎、取り木及び種子なども包含される。
【0124】
該活性物質を用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法を用いて、例えば、浸漬、散布、気化、噴霧、ばらまき(scattering)又は塗布(spreading)により、直接的に行うか、又は、植物若しくは植物の部分の周囲、生息環境若しくは貯蔵領域に作用させることにより行い、また、繁殖器官(propagation material)の場合、特に種子の場合は、さらに、1以上の層でコーティングすることにより行う。
【0125】
マイコトキシン
さらに、本発明の処理によって、収穫作物並びにその収穫作物から作られる食料及び飼料におけるマイコトキシンの含有量を低減させることが可能である。本発明に関連して、限定するものではないが、特に、以下のマイコトキシンを挙げることができる:デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール、15−Ac−DON、3−Ac−DON、T2−トキシン、HT2−トキシン、フモニシン類、ゼアラレノン、モニリホルミン、フザリン、ジアセトキシシルペノール(DAS)、ベアウベリシン(beauvericin)、エンニアチン、フサロプロリフェリン(fusaroproliferin)、フサレノール(fusarenol)、オクラトキシン類、パツリン、エルゴットアルカロイド類及びアフラトキシン類;これらは、例えば、以下の菌類によってもたらされる:フサリウム属各種(Fusarium spec.)、例えば、フサリウム・アクミナツム(Fusarium acuminatum)、フサリウム・アベナセウム(F. avenaceum)、フサリウム・クロオクウェレンセ(F. crookwellense)、フサリウム・クルモルム(F. culmorum)、フサリウム・グラミネアルム(F. graminearum)(ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae))、フサリウム・エクイセチ(F. equiseti)、フサリウム・フジコロイ(F. fujikoroi)、フサリウム・ムサルム(F. musarum)、フサリウム・オキシスポルム(F. oxysporum)、フサリウム・プロリフェラツム(F. proliferatum)、フサリウム・ポアエ(F. poae)、フサリウム・プセウドグラミネアルム(F. pseudograminearum)、フサリウム・サムブシヌム(F. sambucinum)、フサリウム・シルピ(F. scirpi)、フサリウム・セミテクツム(F. semitectum)、フサリウム・ソラニ(F. solani)、フサリウム・スポロトリコイデス(F. sporotrichoides)、フサリウム・ラングセチアエ(F. langsethiae)、フサリウム・セブグルチナンス(F. subglutinans)、フサリウム・トリシンクツム(F. tricinctum)、フサリウム・ベルチシリオイデス(F. verticillioides)など、及び、さらに、アスペルギルス属各種(Aspergillus spec.)、ペニシリウム属各種(Penicillium spec.)、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)、スタキボトリス属各種(Stachybotrys spec.)など。
【0126】
材料物質の保護(material protection)
材料物質の保護においては、望ましくない微生物による攻撃及び破壊から工業材料を保護するするために、本発明の物質を用いることができる。
【0127】
本発明に関連して、工業材料とは、工業において使用するために製造された非生体材料を意味するものと理解される。例えば、微生物による変化又は破壊から本発明の活性物質で保護すべき工業材料は、接着剤、サイズ、紙及び板紙、織物、皮革、材木、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑油、並びに、微生物によって攻撃又は破壊され得る別の材料などであり得る。保護すべき材料物質に関して、微生物の増殖によって悪影響を受け得る製造プラントの部品、例えば、冷却水循環路なども、挙げることができる。本発明に関して、工業材料として、好ましくは、接着剤、サイズ、紙及び板紙、皮革、材木、塗料、冷却用潤滑油及び熱媒液を挙げることができ、特に好ましくは、木材を挙げることができる。
【0128】
工業材料を腐敗又は変性させ得る微生物の挙げることができる例は、細菌類、菌類、酵母菌類、藻類及び粘菌類(slime organisms)である。本発明の活性物質は、好ましくは、菌類、特に、カビ、木材を脱色及び破壊する菌類〔担子菌類(Basidiomycetes)〕に対して活性を示し、並びに、粘菌類及び藻類に対して活性を示す。
【0129】
例として、以下の属の微生物を挙げることができる:
アルテルナリア(Alternaria)、例えば、アルテルナリア・テヌイス(Alternaria tenuis);
アスペルギルス(Aspergillus)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger);
カエトミウム(Chaetomium)、例えば、カエトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum);
コニオホラ(Coniophora)、例えば、コニオホラ・プエタナ(Coniophora puetana);
レンチヌス(Lentinus)、例えば、レンチヌス・チグリヌス(Lentinus tigrinus);
ペニシリウム(Penicillium)、例えば、ペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum);
ポリポルス(Polyporus)、例えば、ポリポルス・ベルシコロル(Polyporus versicolor);
アウレオバシジウム(Aureobasidium)、例えば、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans);
スクレロホマ(Sclerophoma)、例えば、スクレロホマ・ピチオフィラ(Sclerophoma pityophila);
トリコデルマ(Trichoderma)、例えば、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride);
エシェリキア(Escherichia)、例えば、エシェリキア・コリ(Escherichia coli);
シュードモナス(Pseudomonas)、例えば、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa);
スタフィロコッカス(Staphylococcus)、例えば、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)。
【0130】
製剤
本発明は、本発明によるチアジアゾリルオキシフェニルアミジン類のうちの少なくとも1種類を含んでいる、望ましくない微生物を駆除するための組成物に関する。
【0131】
本発明のチアジアゾリルオキシフェニルアミジン類は、上記のために、それらの個々の物理的及び/又は化学的特性に応じて、溶液剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末剤(powders)、泡剤(foams)、ペースト剤、粒剤、エーロゾル剤、ポリマー物質中に微細にカプセル化したもの及び種子用コーティング材料中に微細にカプセル化したもの、並びに、ULV冷煙霧製剤(cold−fogging formulation)及びULV熱煙霧製剤(hot−fogging formulation)のような標準的な製剤に変換することができる。
【0132】
これらの製剤は、既知方法で、例えば、場合により界面活性剤(即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡形成剤)を使用して、該活性物質を増量剤(即ち、液体溶媒、加圧下の液化ガス及び/又は固体担体)と混合させることにより、製造する。増量剤として水を使用する場合、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。使用可能な液体溶媒は、本質的に、芳香族炭化水素、例えば、キシレン、トルエン若しくはアルキルナフタレン類、塩素化芳香族炭化水素又は塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類若しくは塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン若しくはパラフィン類、例えば、石油留分、アルコール類、例えば、ブタノール若しくはグリコール及びそれらのエーテル及びエステル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン若しくはシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどであり、さらに、水も使用可能である。液化ガス増量剤又は担体は、標準温度及び標準圧力下では気体形態である液体、例えば、エーロゾル噴射剤、例えば、ハロゲン化炭化水素類、さらに、ブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素などを意味するものと理解される。使用可能な固体担体は、例えば、粉砕された天然鉱物、例えば、カオリン、粘土(argillaceous earth)、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又は珪藻土、並びに、粉砕された合成鉱物、例えば、高分散シリカ、酸化アルミニウムナ及びシリケートなどである。粒剤用の使用可能な固体担体は、例えば、粉砕及び分別された天然岩石、例えば、方解石、軽石、大理石、海泡石及び苦灰岩、さらに、無機粉末及び有機粉末から形成された合成顆粒、並びに、有機材料(例えば、おがくず、ココナッツの殻、トウモロコシの穂軸及びタバコの茎など)から形成された顆粒などである。使用可能な乳化剤及び/又は泡形成剤は、例えば、非イオン性及びアニオン性の乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類、及び、タンパク質加水分解産物などである。使用可能な分散剤は、例えば、リグノスルファイト廃液及びメチルセルロースなどである。
【0133】
上記製剤において、固着剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、並びに、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然ポリマー及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、並びに、天然リン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、並びに、合成リン脂質などを使用することができる。使用可能な別の添加剤は、鉱油及び植物油である。
【0134】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian Blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0135】
上記製剤は、一般に、0.1〜95重量%の活性物質、好ましくは、0.5〜90重量%の活性物質を含有する。
【0136】
上記製剤は、本発明によるチアジアゾリルオキシフェニルアミジンを望ましくない微生物及び/又はそれらの生息環境に施用する、望ましくない微生物を駆除するための本発明の方法において、使用することが可能である。
【0137】
種子処理
植物の種子を処理することによる植物病原性菌類の駆除は、長い間知られており、継続的に改良が加えられている。それにもかかわらず、種子の処理においては、必ずしも満足のいくように解決することができるわけではない一連の問題が生じる。従って、播種後又は植物の出芽後に植物保護組成物を追加で施用することを不要とするか又は少なくとも大幅に低減するような、種子及び発芽中の植物を保護する方法を開発することは望ましい。さらに、使用する活性物質によって植物自体に損傷を与えることなく、植物病原性菌類による攻撃から種子及び発芽中の植物が最適に保護され得るように、使用する活性物質の量を最適化することも望ましい。特に、種子を処理する方法は、最少量の植物保護組成物を消費して種子及び発芽中の植物を最適に保護するために、トランスジェニック植物の内因性の殺菌特性も含むべきである。
【0138】
本発明は、従って、特に、本発明の組成物で種子を処理することによる種子及び発芽中の植物を植物病原性菌類の攻撃から保護する方法にも関する。
【0139】
本発明は、さらに、種子及び発芽中の植物を植物病原性菌類から保護するために種子を処理するための、本発明による組成物の使用にも関する。
【0140】
さらに、本発明は、植物病原性菌類から保護するために本発明の組成物で処理された種子にも関する。
【0141】
本発明の有利な点の1つは、本発明組成物が際だった浸透移行特性を有しているので、当該組成物で種子を処理することにより、植物病原性菌類から種子自体が保護されるのみではなく、その種子から出芽後に生じた植物も植物病原性菌類から保護されるということである。かくして、播種時の作物の即時処理又は播種後間もなくの処理を省くことができる。
【0142】
さらに、本発明の混合物が、特に、トランスジェニック種子でも使用可能であるということは、有利な点として考慮されるべきである。
【0143】
本発明の組成物は、農業で、温室内で、森林で、又は、園芸において用いられる任意の植物品種の種子を保護するのに適している。これに関連して関係する種子は、特に、穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、アワ及びエンバクなど)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、マメ類、コーヒー、ビート(例えば、テンサイ及び飼料ビートなど)、ラッカセイ、野菜(例えば、トマト、キュウリ、タマネギ及びレタスなど)、芝生及び観賞植物の種子である。穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ及びエンバクなど)、トウモロコシ及びイネの種子を処理することは、特に重要である。
【0144】
本発明に関連して、本発明の組成物は、種子に対して、単独で施用するか、又は、適切な製剤中に含ませて施用する。好ましくは、種子は、処理中に損傷が生じないほど充分に安定な状態で処理する。一般に、種子の処理は、収穫と播種の間の任意の時点で実施することができる。通常、植物から分離されていて、莢、殻、柄、皮、毛又は果肉が取り除かれている種子を使用する。かくして、例えば、収穫され、不純物が取り除かれ、含水量が15重量%未満となるまで乾燥された種子を使用することができる。あるいは、乾燥後に例えば水で処理され、その後再度乾燥された種子を使用することもできる。
【0145】
一般に、種子の処理においては、種子に施用する本発明組成物の量及び/又はさらなる添加剤の量を、種子の発芽が悪影響を受けないように又はその種子から生じた植物が損傷を受けないように選択することについて、注意しなくてはならない。このことは、とりわけ、特定の施用量で薬害作用を示し得る活性物質の場合には、留意しなくてはならない。
【0146】
本発明の組成物は、直接に施用することが可能であり、従って、さらなる成分を一切含ませることなく、また、希釈することなく、施用することが可能である。一般に、該組成物は、適切な製剤の形態で種子に施用するのが好ましい。種子を処理するための適切な製剤及び方法は、当業者には知られており、例えば、以下の文献に記載されている:US 4,272,417A、US 4,245,432A、US 4,808,430A、US 5,876,739A、US 2003/0176428A1、WO 2002/080675A1、WO 2002/028186A2。
【0147】
本発明に従って使用可能な活性物質組合せは、慣習的な種子粉衣製剤、例えば、溶液剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末剤、泡剤、スラリー剤又は種子用の別のコーティング材量、及び、さらに、ULV製剤に変換することができる。
【0148】
これらの製剤は、既知方法で、活性物質又は活性物質組合せを、慣習的な添加剤、例えば、慣習的な増量剤、及び、さらに、溶媒又は希釈剤、着色剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、防腐剤、第2の増粘剤、粘着剤、ジベレリン類などと混合させ、及び、さらに、水と混合させることによって、調製する。
【0149】
本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる適切な着色剤には、そのような目的に関して慣習的な全ての着色剤が包含される。これに関連して、水中であまり溶解しない顔料と水中で溶解する染料の両方を使用することができる。例として、「Rhodamin B」、「C.I.Pigment Red 112」、及び、「C.I.Solvent Red 1」の記載で知られている着色剤を挙げることができる。
【0150】
本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる適切な湿潤剤には、農薬活性物質の製剤において慣習的な、湿潤を促進する全ての物質が包含される。好ましくは、アルキルナフタレンスルホネート類、例えば、ジイソプロピルナフタレンスルホネート又はジイソブチルナフタレンスルホネートなどを使用する。
【0151】
本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる適切な分散剤及び/又は乳化剤には、農薬活性物質の製剤において慣習的な非イオン性、アニオン性及びカチオン性の全ての分散剤が包含される。好ましくは、非イオン性若しくはアニオン性の分散剤又は非イオン性若しくはアニオン性の分散剤の混合物を使用する。適切な非イオン性分散剤として、特に、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー類、アルキルフェノールポリグリコールエーテル類及びトリスチリルフェノールポリグリコールエーテル類、並びに、それらのリン酸化誘導体又は硫酸化誘導体を挙げることができる。適切なアニオン性分散剤は、特に、リグノスルホネート類、ポリアクリル酸塩類及びアリールスルホネート/ホルムアルデヒド縮合物である。
【0152】
本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる消泡剤には、農薬活性物質の製剤において慣習的な全ての泡抑制物質が包含される。好ましくは、シリコーン消泡剤及びステアリン酸マグネシウムを使用することができる。
【0153】
本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる防腐剤には、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質が包含される。例として、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマールを挙げることができる。
【0154】
本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる適切な第2の増粘剤には、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質が包含される。好ましくは、セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、変性クレー及び高分散シリカが適している。
【0155】
本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる適切な粘着剤には、種子粉衣において使用可能な全ての慣習的な結合剤が包含される。好ましくは、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びチロースを挙げることができる。
【0156】
本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる適切なジベレリンには、好ましくは、ジベレリンA1、ジベレリンA3(=ジベレリン酸)、ジベレリンA4及びジベレリンA7が包含される。特に好ましくは、ジベレリン酸を使用する。ジベレリン類は知られている(cf. R.Wegler, “Chemie der Pflanzenschutz− und Schadlingsbekampfungsmittel” [Chemistry of Plant Protection and Pest Control Agents], Vol.2, Springer Verlag, 1970, pp.401−412)。
【0157】
本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤は、さまざまな大部分の種の種子を処理するために、直接的に使用することができるか、又は、予め水で希釈したあとで使用することができる。かくして、濃厚製剤(concentrate)又は水で希釈することによって濃厚製剤から得ることができる組成物は、穀類、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク及びライコムギなどの種子を粉衣するのに使用可能であり、並びに、さらに、トウモロコシ、イネ、ナタネ、エンドウマメ、インゲンマメ、ワタ、ヒマワリ及びビートの種子を粉衣するのに使用可能であり、又は、さまざまな大部分の種類の野菜の種子を粉衣するのに使用可能である。本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤又はそれらの希釈された組成物は、トランスジェニック植物の種子を粉衣するのにも使用可能である。これに関連して、発現により形成された物質との相互作用において、付加的な相乗効果が生じることもあり得る。
【0158】
種子粉衣に慣習的に使用可能な全ての混合機は、本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤又は水を添加することによってその種子粉衣製剤から調製される組成物を用いて種子を処理するのに適している。具体的にいえば、種子粉衣手順は、以下のようなものである:種子を混合機の中に入れる;毎回所望される量の種子粉衣製剤を、そのまま単独で添加するか又は予め水で希釈したあとで添加する;及び、該製剤が当該種子の表面に均質に分配されるまで混合を行う。適切な場合には、続いて、乾燥工程を行う。
【0159】
本発明に従って使用可能な種子粉衣製剤の施用量は、比較的広い範囲内で変えることができる。それは、当該製剤中の活性化合物のそれぞれの含有量及び種子に依存する。該活性物質組合せの施用量は、一般に、種子1kg当たり0.001〜50gであり、好ましくは、種子1kg当たり0.01〜15gである。
【0160】
既知殺菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺虫剤との混合物
本発明によるアミジン類は、それだけで、若しくは、その製剤中に含ませて、使用することが可能であり、さらに、例えば、活性スペクトルを拡大するか若しくは抵抗性の発達を防止するために、既知殺菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤若しくは殺虫剤と混合させて使用することも可能である。
【0161】
除草剤のような別の既知活性物質と混合させることも可能であり、又は、肥料と混合させることも可能であり、及び、長調節物質、薬害軽減剤若しくは情報化学物質と混合させることも可能である。
【0162】
さらに、本発明による式(I)で表される化合物は、極めて優れた抗真菌活性も示す。それらは、極めて広い抗真菌活性スペクトルを有しており、特に、皮膚糸状菌及び出芽中の菌類(budding fungi)、カビ及び二相性真菌類に対して〔例えば、カンジダ属各種(Candida species)、例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)に対して〕、並びに、エピデルモフィトン・フロコスム(Epidermophyton floccosum)、アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)及びアスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)、トリコフィトン属各種(Trichophyton species)、例えば、トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、ミクロスポロン属各種(Microsporon species)、例えば、ミクロスポロン・カニス(Microsporon canis)及びミクロスポロン・アウドウイニイ(Microsporon audouinii)などに対して、極めて広い抗真菌活性スペクトルを有している。これら菌類のリストは、包含され得る真菌スペクトルを決して限定するものではなく、単に例示的なものである。
【0163】
従って、本発明によるチアジアゾリルオキシフェニルアミジン類は、医療用途及び非医療用途の両方において使用することができる。
【0164】
本発明の活性物質は、それだけでも施用することができるし、それらの製剤の形態又はそれら製剤から調製される施用形態、例えば、即時使用可能な(ready−to−use)溶液剤、懸濁液剤、水和剤、ペースト剤、可溶性粉末剤(soluble powders)、粉剤(dusts)及び顆粒剤などの形態でも施用用することができる。施用は、標準的な方法で、例えば、灌水、散布、噴霧、ばらまき、散粉、泡状散布(foaming)、塗布(spreading)などにより行う。さらに、本発明の活性物質は、微量散布法(ultra−low−volume method)により施用することも可能であり、又は、該活性物質の組成物若しくは該活性物質自体を土壌中に注入することも可能である。
【0165】
植物の種子を処理することもできる。
【0166】
本発明によるチアジアゾリルオキシフェニルアミジン類を殺菌剤として使用する場合、その施用量は、施用の種類に応じて、比較的広い範囲内で変えることができる。植物の部分の処理では、該活性物質の施用量は、一般に、0.1〜10000g/ha、好ましくは、10〜1000g/haである。種子の処理では、該活性物質の施用量は、一般に、種子1kg当たり0.001〜50g、好ましくは、種子1kg当たり0.01〜10gである。土壌処理では、該活性物質の施用量は、一般に、0.1〜10000g/ha、好ましくは、1〜5000g/haである。
【0167】
GMOs
本発明による処理方法は、遺伝子組換え生物(GMO)、例えば、植物又は種子などの処理において使用することができる。遺伝子組換え植物(又は、トランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。表現「異種遺伝子」は、本質的に、供給されたか又は当該植物の外部で構築された遺伝子であって、核のゲノム、葉緑体のゲノム又はミトコンドリアのゲノムの中に導入されたときに、興味深いタンパク質若しくはポリペプチドを発現することにより、又は、その植物内に存在している別の1つ若しくは複数の遺伝子をダウンレギュレート若しくはサイレンシングすることにより、当該形質転換された植物に新しい又は改善された作物学的特性又は別の特性を付与する遺伝子を意味する〔例えば、アンチセンス技術、コサプレッション技術又はRNA干渉−RNAi技術などを使用する〕。ゲノム内に位置している異種遺伝子は、導入遺伝子とも称される。植物ゲノム内におけるその特異的な位置によって定義される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子導入イベントと称される。
【0168】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分(diet))に応じて、本発明の処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)も生じ得る。かくして、例えば、本発明により使用し得る活性物質及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、促進された成熟、収穫量の増加、果実の大きさの増大、植物の高さの増大、葉の緑色の向上、より早い開花、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、果実内の糖度の上昇、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上などが可能であり、ここで、これらは、実際に予期された効果を超える。
【0169】
特定の施用量において、本発明による活性物質組合せは、植物において強化効果(strengthening effect)も示し得る。従って、本発明の活性物質組合せは、望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類による攻撃に対して植物の防御システムを動員させるのに適している。これは、適切な場合には、本発明による組合せの例えば菌類に対する強化された活性の理由のうちの1つであり得る。本発明に関連して、植物を強化する(抵抗性を誘導する)物質は、処理された植物が、その後で望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類を接種されたときに、それらの望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類に対して実質的な程度の抵抗性を示すように、植物の防御システムを刺激することができる物質又は物質の組合せを意味するものと理解される。この場合、望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類は、植物病原性の菌類、細菌類及びウイルス類を意味するものと理解される。従って、処理後特定の期間、上記病原体による攻撃から植物を保護するために、本発明の物質を用いることができる。保護がもたらされる期間は、植物が該活性物質で処理されてから、一般に、1〜10日間、好ましくは、1〜7日間である。
【0170】
本発明に従って処理するのが好ましい植物及び植物品種には、特に有利で有益な形質を植物に付与する遺伝物質を有している全ての植物(育種によって得られたものであろうと、及び/又は、生物工学的方法によって得られたものであろうと)が包含される。
【0171】
本発明に従って処理するのが同様に好ましい植物及び植物品種は、1以上の生物的ストレスに対して抵抗性を示す。即ち、そのような植物は、害虫及び有害微生物に対して、例えば、線虫類、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類、ウイルス類及び/又はウイロイド類などに対して、良好な防御を示す。
【0172】
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、1以上の非生物的ストレスに対して抵抗性を示す植物である。非生物的なストレス状態としては、例えば、渇水、低温に晒されること、熱に晒されること、浸透ストレス、湛水、土壌中の増大した塩分、より多くの鉱物に晒されること、オゾンに晒されること、強い光に晒されること、利用可能な窒素養分が限られていること、利用可能なリン養分が限られていること、日陰回避などを挙げることができる。
【0173】
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、増大した収量特性を特徴とする植物である。そのような植物における増大した収量は、例えば、改善された植物の生理機能、生長及び発育、例えば、水の利用効率、水の保持効率、改善された窒素の利用性、強化された炭素同化作用、改善された光合成、上昇した発芽効率及び促進された成熟などの結果であり得る。収量は、さらに、改善された植物の構成(architecture)によっても影響され得る(ストレス条件下及び非ストレス条件下)。そのような改善された植物の構成としては、早咲き、ハイブリッド種子産生のための開花制御、実生の活力、植物の寸法、節間の数及び距離、根の成長、種子の寸法、果実の寸法、莢の寸法、莢又は穂の数、1つの莢又は穂当たりの種子の数、種子の体積、強化された種子充填、低減された種子分散、低減された莢の裂開及び耐倒伏性などがある。収量についてのさらなる形質としては、種子の組成、例えば、炭水化物含有量、タンパク質含有量、油含有量及び油の組成、栄養価、抗栄養化合物の低減、改善された加工性並びに向上した貯蔵安定性などがある。
【0174】
本発明に従って処理し得る植物は、雑種強勢(これは、結果として、一般に、増加した収量、向上した活力、向上した健康状態並びに生物的及び非生物的ストレス因子に対する向上した抵抗性をもたらす)の特性を既に呈しているハイブリッド植物である。そのような植物は、典型的には、雄性不稔交配母体近交系(inbred male−sterile parent line)(雌性親)を別の雄性稔性交配母体近交系(inbred male−fertile parent line)(雄性親)と交雑させることによって作られる。ハイブリッド種子は、典型的には、雄性不稔植物から収穫され、そして、栽培者に販売される。雄性不稔植物は、場合により(例えば、トウモロコシにおいて)、雄穂を除去することによって〔即ち、雄性繁殖器官又は雄花を機械的に除去することによって〕、作ることができる。しかしながら、より典型的には、雄性不稔性は、植物ゲノム内の遺伝的決定基の結果である。その場合、及び、特に種子がハイブリッド植物から収穫される所望の生産物である場合、典型的には、雄性不稔性に関与する遺伝的決定基を含んでいる該ハイブリッド植物において雄性稔性を確実に完全に回復させることは有用である。これは、雄性不稔性に関与する遺伝的決定基を含んでいるハイブリッド植物において雄性稔性を回復させることが可能な適切な稔性回復遺伝子を雄性親が有していることを確実なものとすることによって達成することができる。雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、細胞質内に存在し得る。細胞質雄性不稔(CMS)の例は、例えば、アブラナ属各種(Brassica species)に関して記述された。しかしながら、雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、核ゲノム内にも存在し得る。雄性不稔性植物は、遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によっても得ることができる。雄性不稔性植物を得る特に有用な方法は、WO 89/10396に記載されており、ここでは、例えば、バルナーゼなどのリボヌクレアーゼを雄ずい内のタペータム細胞において選択的に発現させる。次いで、タペータム細胞内においてバルスターなどのリボヌクレアーゼインヒビターを発現させることによって、稔性を回復させることができる。
【0175】
本発明に従って処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、除草剤耐性植物、即ち、1種類以上の所与の除草剤に対して耐性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、当該除草剤耐性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0176】
除草剤耐性植物は、例えば、グリホセート耐性植物、即ち、除草剤グリホセート又はその塩に対して耐性にされた植物である。例えば、グリホセート耐性植物は、酵素5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換させることによって得ることができる。そのようなEPSPS遺伝子の例は、以下のものである:細菌サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(突然変異CT7)、細菌アグロバクテリウム属各種(Agrobacterium sp.)のCP4遺伝子、ペチュニアのEPSPSをコードする遺伝子、トマトのEPSPSをコードする遺伝子又はオヒシバ属(Eleusine)のEPSPSをコードする遺伝子。それは、突然変異EPSPSであることも可能である。グリホセート耐性植物は、さらにまた、グリホセートオキシドレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、グリホセートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、上記遺伝子の自然発生突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることもできる。
【0177】
別の除草剤抵抗性植物は、例えば、酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤(例えば、ビアラホス、ホスフィノトリシン又はグルホシネート)に対して耐性にされている植物である。そのような植物は、当該除草剤を解毒する酵素を発現させるか、又は、阻害に対して抵抗性を示すグルタミンシンターゼ酵素の突然変異を発現させることによって、得ることができる。そのような有効な一解毒酵素は、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする酵素である(例えば、ストレプトマイセス属各種(Streptomyces species)に由来するbarタンパク質又はpatタンパク質)。外因性のホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する植物は、記述されている。
【0178】
さらなる除草剤耐性植物は、さらにまた、酵素ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性にされている植物である。ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ類は、パラ−ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)がホモゲンチセートに変換される反応を触媒する酵素である。HPPD阻害薬に対して耐性を示す植物は、自然発生抵抗性HPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、又は、突然変異HPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、形質転換させることができる。HPPD阻害薬に対する耐性は、さらにまた、HPPD阻害薬による天然HPPD酵素の阻害にもかかわらずホモゲンチセートを形成させることが可能な特定の酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによっても得ることができる。HPPD阻害薬に対する植物の耐性は、さらにまた、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えて酵素プレフェナートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによって改善することもできる。
【0179】
さらなる除草剤抵抗性植物は、アセトラクテートシンターゼ(ALS)阻害薬に対して耐性にされている植物である。既知ALS阻害薬としては、例えば、スルホニル尿素系除草剤、イミダゾリノン系除草剤、トリアゾロピリミジン系除草剤、ピリミジニルオキシ(チオ)ベンゾエート系除草剤、及び/又は、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系除草剤などがある。ALS酵素(「アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)」としても知られている)における種々の突然変異体は、種々の除草剤及び除草剤の群に対する耐性を付与することが知られている。スルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物の作製については、国際公開WO 1996/033270に記述されている。さらなるスルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物についても、例えば、WO 2007/024782に記述されている。
【0180】
イミダゾリノン及び/又はスルホニル尿素に対して耐性を示す別の植物は、誘導された突然変異誘発、当該除草剤の存在下での細胞培養における選抜又は突然変異育種によって得ることができる。
【0181】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、昆虫抵抗性トランスジェニック植物、即ち、特定の標的昆虫による攻撃に対して抵抗性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような昆虫抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0182】
本明細書中で使用される場合、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」には、以下のものをコードするコード配列を含んでいる少なくとも1の導入遺伝子を含んでいる任意の植物が包含される:
(1) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、オンライン「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/」において記載されている殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、Cryタンパク質類(Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry2Ab、Cry3Aa、又は、Cry3Bb)のタンパク質又はその殺虫活性を示す一部分;又は、
(2) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する第2の別の結晶タンパク質又はその一部分の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質又はその一部分、例えば、Cry34結晶タンパク質とCry35結晶タンパク質で構成されているバイナリートキシン;又は、
(3) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する2種類の異なった殺虫性結晶タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド、例えば、トウモロコシイベントMON98034で産生されるCry1A.105タンパク質(WO 2007/027777);又は、
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、トウモロコシイベントMON863若しくはMON88017におけるCry3Bb1タンパク質又はトウモロコシイベントMIR604におけるCry3Aタンパク質;又は、
(5) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する殺虫性分泌タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/home/Neil_Crickmore/Bt/vip.html」において挙げられている栄養生長期殺虫性タンパク質(vegetative insecticidal protein)(VIP)、例えば、VIP3Aaタンパク質類のタンパク質;又は、
(6) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する第2の分泌タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、VIP1Aタンパク質とVIP2Aタンパク質で構成されているバイナリートキシン;又は、
(7) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する異なった分泌タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド;又は、
(8) 上記(1)〜(3)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、ワタイベントCOT102におけるVIP3Aaタンパク質。
【0183】
もちろん、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、本明細書中で使用されている場合、上記クラス(1)〜(8)のいずれか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組合せを含んでいる任意の植物も包含する。一実施形態では、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、又は、同一の標的昆虫種に対して殺虫活性を示すが作用機序は異なっている(例えば、当該昆虫内の異なった受容体結合部位に結合する)異なったタンパク質を用いることによって当該植物に対する昆虫の抵抗性の発達を遅延させるために、昆虫抵抗性植物は、上記クラス(1)〜(8)のいずれか1つのタンパク質をコードする2つ以上の導入遺伝子を含んでいる。
【0184】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、非生物的ストレスに対して耐性を示す。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのようなストレス抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。特に有用なストレス耐性植物としては、以下のものなどがある:
(a) 植物細胞内又は植物内におけるポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能な導入遺伝子を含んでいる植物;
(b) 植物又は植物細胞のPARGコード化遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能なストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物;
(c) ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼ又はニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを包含するニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ生合成経路の植物機能性酵素(plant−functional enzyme)をコードするストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物。
【0185】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、収穫された生産物の改変された量、品質及び/若しくは貯蔵安定性、並びに/又は、収穫された生産物の特定の成分の改変された特性を示す。例えば:
(1) 野生型の植物細胞又は植物において合成された澱粉と比較して、その物理化学的特性〔特に、アミロース含有量若しくはアミロース/アミロペクチン比、枝分かれ度、平均鎖長、側鎖分布、粘性挙動、ゲル化強度(gelling strength)、澱粉粒径及び/又は澱粉粒子形態〕において改変されていて、特定の用途により適した変性澱粉を合成するトランスジェニック植物;
(2) 非澱粉炭水化物ポリマーを合成するか又は遺伝子組換えがなされていない野生型植物と比較して改変された特性を有する非澱粉炭水化物ポリマーを合成するトランスジェニック植物。その例は、ポリフルクトース(特に、イヌリン型及びレバン型のポリフルクトース)を産生する植物、α−1,4−グルカン類を産生する植物、α−1,6−分枝 α−1,4−グルカン類を産生する植物、及び、アルテルナンを産生する植物である;
(3) ヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物。
【0186】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変された繊維特性を有する植物(例えば、ワタ植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された繊維特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) セルロースシンターゼ遺伝子の改変された形態を含んでいる植物(例えば、ワタ植物);
(b) rsw2相同核酸又はrsw3相同核酸の改変された形態を含んでいる植物(例えば、ワタ植物);
(c) スクロースリン酸シンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物);
(d) スクロースシンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物);
(e) 繊維細胞に基づいた原形質連絡のゲーティングのタイミングが(例えば、繊維選択的β−1,3−グルカナーゼのダウンレギュレーションを介して)改変されている植物(例えば、ワタ植物);
(f) 反応性が(例えば、nodCを包含するN−アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子の発現及びキチンシンターゼ遺伝子の発現を介して)改変されている繊維を有する植物(例えば、ワタ植物)。
【0187】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変されたオイルプロフィール特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変されたオイル特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) オレイン酸含有量が高いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物);
(b) リノレン酸含有量が低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物);
(c) 飽和脂肪酸のレベルが低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)。
【0188】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、1種類以上の毒素をコードする1種類以上の遺伝子を含んでいる植物である。そのようなトランスジェニック植物は、下記商品名で販売されている:YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、BiteGard(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、BT−Xtra(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)、Nucotn 33B(登録商標)(ワタ)、NatureGard(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Protecta(登録商標)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)。挙げることができる除草剤耐性植物の例は、下記商品名で販売されているトウモロコシ品種、ワタ品種及びダイズ品種である:Roundup Ready(登録商標)(グリホセートに対する耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、ナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン系に対する耐性)及びSCS(登録商標)(スルホニル尿素系に対する耐性、例えば、トウモロコシ)。挙げることができる除草剤抵抗性植物(除草剤耐性に関して慣習的な方法で品種改良された植物)としては、Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されている品種などがある。
【0189】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる植物であり、それらは、例えば、国又は地域のさまざまな規制機関のデータベースに記載されている〔例えば、「http://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspx」及び「http://www.agbios.com/dbase.php」を参照されたい〕。
【実施例】
【0190】
調製実施例
本発明の化合物は、実施例のアミジン基内のC=N二重結合に関連して、E異性体又はZ異性体として存在し得る。純粋なE異性体及び純粋なZ異性体及びE異性体とZ異性体の任意の混合物は、全て、特許請求されている。
【0191】
【化17】

【0192】
【表1】












logP値は、EEC Directive 79/831, Annex V.A8に従い、下記方法を用いて、逆相カラム(C 18)でのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)により測定した:
[a] 測定は、溶離液として0.1%水性リン酸及びアセトニトリルを用いて、酸性領域内で、pH2.3で実施する;
10%アセトニトリルから95%アセトニトリルまでの直線勾配;
[b] 酸性領域内におけるLC−MSの測定は、溶離液として0.1%水性ギ酸及びアセトニトリル(0.1%ギ酸含有)を用いて、pH2.7で実施する;
10%アセトニトリルから95%アセトニトリルまでの直線勾配;
[c] 中性領域内におけるLC−MSの測定は、溶離液として0.001モル炭酸水素アンモニウム水溶液及びアセトニトリルを用いて、pH7.8で実施する;
10%アセトニトリルから95%アセトニトリルまでの直線勾配。
【0193】
較正は、logP値が知られている非分枝鎖アルカン−2−オン(3個〜16個の炭素原子含有)を用いて実施する(logP値は、連続する2種類のアルカノンの間の線形補間により、保持時間から求める)。
【0194】
【表2】











NMR化学シフトδ(ppm)は、特に別途示されていない限り、内部標準としてテトラメチルシランを使用し、d−DMSO溶媒中で、400MHzで測定した。
: CH(CHに関する七重線は、示されなかった;
**: CDCN溶媒に含まれている。
以下の略語を用いてシグナルの分離を記述する:
s=一重線;d=二重線;t=三重線;q=四重線;m=多重線。
【0195】
合成実施例
実施例35: N’−(4−{[3−(3−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド
1.85g(5.15mmol)の4−{[3−(3−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルアニリンを10mLのトルエンに溶解させ、1.37g(10.31mmol)のN−エチル−N−メチルホルムアミドジメチルアセタールで処理する。その反応混合物を12時間還流し、次いで、冷却し、減圧下に溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製する。0.59gの生成物が得られる(純度99.0%、収率27.3%;logP(pH2.3)=2.31)。
【0196】
出発化合物の合成
4−{[3−(3−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルアニリン
3.86g(28.1mmol)の2,5−ジメチル−4−ヒドロキシアニリンを50mLのアセトニトリルの中に入れ、周囲温度で、4.66g(33.8mmol)の炭酸カリウムを添加する。その混合物を周囲温度で30分間撹拌する。次いで、11.0g(28.1mmol)の3−(3−クロロベンジル)−5−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1,2,4−チアジアゾールを添加し、その反応混合物を50℃で12時間撹拌する。冷却後、その混合物を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮する。その残渣を取ってジクロロメタンの中に入れ、水で2回抽出し、NaSOで脱水し、減圧下に溶媒を除去する。6.86gの生成物が得られる(純度96.4%、収率68.0%、logP(pH2.3)=3.68)。
【0197】
3−(3−クロロベンジル)−5−{(4−メチルフェニル)スルホニル}−1,2,4−チアジアゾール
13.00g(52.6mmol)の5−(3−クロロベンジル)−1,3,4−オキサチアゾール−2−オン及び10.50g(55.2mmol)のシアン化トシルを、15mLの1,2−ジクロロベンゼンの中で、160℃で、1時間撹拌する。次いで、その反応混合物を冷却し、カラムクロマトグラフィーで精製する。11.2gの生成物が得られる(純度93.3%、収率54.5%)。
【0198】
5−(3−クロロベンジル)−1,3,4−オキサチアゾール−2−オン
7.32g(55.9mmol)のクロロカルボニルスルフェニルクロリド及び7.90g(46.6mmol)の2−(3−クロロフェニル)アセトアミドを、50mLのトルエンの中で、80℃で、3時間撹拌する。得られた粗製生成物は、それ以上精製することなくさらに反応させる。
【0199】
実施例37: N’−[4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5ジメチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド
0.30g(0.81mmol)の4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルアニリンを3mLのトルエン及び0.75mLのメタノールに溶解させ、0.32g(2.42mmol)のN−エチル−N−メチルホルムアミドジメチルアセタールで処理する。その反応混合物を18時間還流し、次いで、冷却し、減圧下に溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製する。0.22gの生成物が得られる(純度99.3%、収率61.7%;logP(pH2.3)=2.28)。
【0200】
出発化合物の合成
4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルアニリン
0.70g(5.12mmol)の2,5−ジメチル−4−ヒドロキシアニリンを18mLのアセトニトリルの中に入れ、周囲温度で、0.85g(6.14mmol)の炭酸カリウムを添加する。その混合物を周囲温度で30分間撹拌する。次いで、2.0g(5.12mmol)の3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−5−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1,2,4−チアジアゾールを添加し、その反応混合物を50℃で12時間撹拌する。冷却後、その反応混合物を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮する。その残渣を取ってジクロロメタンの中に入れ、水で2回抽出し、NaSOで脱水し、減圧下に溶媒を除去する。不純物を含んでいない1.46gの生成物が得られる(収率76.9%、logP(pH2.3)=4.44)。
【0201】
3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−5−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1,2,4−チアジアゾール
5.00g(19.71mmol)の5−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,3,4−オキサチアゾール−2−オン及び3.75g(20.69mmol)のシアン化トシルを、14mLの1,2−ジクロロベンゼンの中で、160℃で、1時間撹拌する。次いで、その反応混合物を冷却し、10mLのペンタンを添加する。沈澱物を濾過し、減圧下に乾燥させる。6.43gの生成物が得られる(純度86.7%、収率72.3%;logP(pH2.3)=4.97)。
【0202】
5−(3−クロロベンジル)−1,3,4−オキサチアゾール−2−オン
31.78g(242.7mmol)のクロロカルボニルスルフェニルクロリド及び39.57g(202.3mmol)の1−(4−クロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミドを、300mLのトルエンの中で、70℃で、4時間撹拌する。次いで、その反応混合物を冷却し、減圧下に溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製する。36.92gの生成物が得られる(純度98.2%、収率70.6%、logP(pH2.3)=3.59)。
【0203】
生物学的実施例
実施例1: アルテルナリア(Alternaria)試験(トマト)/保護
溶媒: 24.5重量部のアセトン
24.5重量部のジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
(ポリオキシエチレン(16)トリステアリルフェニルエーテル)
適切な活性物質組成物を調製するために、1重量部の活性物質を所与量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水を用いて希釈して、所望の濃度とする。
【0204】
保護効果について試験するために、幼植物に、該活性物質組成物を所与の施用量で噴霧する。噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)の胞子の水性懸濁液を用いて接種する。次いで、その植物を、約20℃で相対湿度100%のインキュベーション室内に置く。
【0205】
評価は、上記接種の3日後に行う。これに関連して、0%は、対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、発生が観察されないことを意味する。
【0206】
この試験において、本発明による下記化合物は、活性物質の濃度100ppmで、70%以上の効力を示す:1、2、3、5、6、7、8、9、10、11、13、15、17、19、22、23、24、25、26、27、28、29、31、32、35、36、37、38、39、40、42、43、44、45、46、47、49、51、52、54、55、56、58、59、60、61、62、64、65、67、68、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、88、89、90、94、96、97、98、99、100、102、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、116、117、118、119、120、及び、123。
【0207】
実施例2: ウロミセス(Uromyces)試験(インゲンマメ)/保護
溶媒: 24.5重量部のアセトン
24.5重量部のジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
(ポリオキシエチレン(16)トリステアリルフェニルエーテル)
適切な活性物質組成物を調製するために、1重量部の活性物質を所与量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水を用いて希釈して、所望の濃度とする。
【0208】
保護効果について試験するために、幼植物に、該活性物質組成物を所与の施用量で噴霧する。噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、インゲンマメのさび病病原体であるウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)の胞子の水性懸濁液を用いて接種する。次いで、その植物を、1日間、約20℃で相対湿度100%のインキュベーション室内に維持する。
【0209】
次いで、その植物を、約21℃で相対湿度約90%の温室内に置く。
【0210】
評価は、上記接種の10日後に行う。これに関連して、0%は、対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、発生が観察されないことを意味する。
【0211】
この試験において、本発明による下記化合物は、活性物質の濃度100ppmで、70%以上の効力を示す:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、17、18、19、20、22、23、24、25、26、27、28、31、32、34、35、36、37、40、42、43、47、48、49、50、51、52、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、67、68、69、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、84、89、90、93、94、95、96、97、98、99、100、102、104、105、106、108、109、110、111、112、113、114、116、117、118、119、120、及び、123。
【0212】
実施例3: スファエロテカ(Sphaerotheca)試験(キュウリ)/保護
溶媒: 49重量部のN,N−ジメチルホルムアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
(ポリオキシエチレン(16)トリステアリルフェニルエーテル)
適切な活性物質組成物を調製するために、1重量部の活性物質を所与量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水を用いて希釈して、所望の濃度とする。
【0213】
保護効果について試験するために、キュウリ幼植物に、該活性物質組成物を所与の施用量で噴霧する。その処理の1日後、該植物に、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)の胞子の懸濁液を用いて接種する。次いで、その植物を、相対湿度70%で温度23℃の温室内に置く。
【0214】
評価は、上記接種の7日後に行う。これに関連して、0%は、対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、発生が観察されないことを意味する。
【0215】
この試験において、本発明による下記化合物は、活性物質の濃度500ppmで、70%以上の効力を示す:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、38、39、37、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、及び、123。
【0216】
実施例4: プッシニア・トリチシナ(Puccinia triticina)試験(コムギ)/保護
溶媒: 50重量部のN,N−ジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
(ポリオキシエチレン(16)トリステアリルフェニルエーテル)
適切な活性物質組成物を調製するために、1重量部の活性物質を所与量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水を用いて希釈して、所望の濃度とする。
【0217】
保護効果について試験するために、幼植物に、該活性物質組成物を所与の施用量で噴霧する。噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、プッシニア・トリチシナ(Puccinia triticina)の胞子の懸濁液を噴霧する。その植物を、48時間、20℃で相対湿度100%のインキュベーション室内に維持する。その植物を、約20℃の温度で相対湿度約80%の温室内に置く。
【0218】
評価は、上記接種の8日後に行う。これに関連して、0%は、対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、発生が観察されないことを意味する。
【0219】
この試験において、本発明による下記化合物は、活性物質の濃度500ppmで、70%以上の効力を示す:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、23、24、25、26、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、49、51、52、55、57、58、59、60、61、62、63、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、89、90、93、94、95、96、97、98、99、100、102、103、104、105、106、107、108、109、110、及び、111。
【0220】
実施例5: セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)試験(コムギ)/保護
溶媒: 50重量部のN,N−ジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
(ポリオキシエチレン(16)トリステアリルフェニルエーテル)
適切な活性物質組成物を調製するために、1重量部の活性物質を所与量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水を用いて希釈して、所望の濃度とする。
【0221】
保護効果について試験するために、幼植物に、該活性物質組成物を所与の施用量で噴霧する。噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)の胞子の懸濁液を噴霧する。その植物を、48時間、20℃で相対湿度100%のインキュベーション室内に維持する。その植物を、その後、さらに60時間、15℃、相対湿度100%で、透明なフードの下に置く。その植物を、約15℃の温度で相対湿度80%の温室内に置く。
【0222】
評価は、上記接種の21日後に行う。これに関連して、0%は、対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、発生が観察されないことを意味する。
【0223】
この試験において、本発明による下記化合物は、活性物質の濃度500ppmで、70%以上の効力を示す:1、2、3、4、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、19、23、24、25、26、28、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、39、40、41、42、44、45、46、47、49、50、51、52、55、57、58、59、60、61、62、63、64、65、67、68、69、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、89、90、94、95、96、97、98、99、100、102、104、105、106、107、108、109、110、及び、111。
【0224】
実施例6: ファコプソラ(Phakopsora)試験(ダイズ)/保護
溶媒: 28.5重量部のアセトン
乳化剤: 1.5重量部のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
(ポリオキシエチレン(16)トリステアリルフェニルエーテル)
適切な活性物質組成物を調製するために、1重量部の活性物質を所与量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水を用いて希釈して、所望の濃度とする。
【0225】
保護効果について試験するために、幼植物に、該活性物質組成物を所与の施用量で噴霧する。その噴霧の1日後、該植物に、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)の胞子の水性懸濁液を噴霧する。その植物を、20℃で相対湿度80%の温室内に置く。
【0226】
評価は、上記接種の11日後に行う。これに関連して、0%は、対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、発生が観察されないことを意味する。
【0227】
この試験において、本発明による下記化合物は、活性物質の濃度500ppmで、80%以上の効力を示す:1、2、3、5、11、17、20、24、25、31、32、35、37、40、49、52、55、61、62、64、68、69、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、89、90、94、95、97、99、100、及び、104。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔上記式中、
は、水素、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−8−アルキル基、C4−8−アルケニル基若しくはC4−8−アルキニル基から選択され[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’から選択される1以上の基で置換されることが可能であり、その際、R’は、水素、C1−12−アルキル基、−SH又は−SR”であり、R”は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得るC1−12−アルキル基である];
は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12アルキニル基、又は、環状のC3−8−アルキル基、C4−8−アルケニル基若しくはC4−8−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基から選択され[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
は、−CN、−SH、−SR”、−OR”若しくは−(C=O)−R”(ここで、R”は、上記意味を有する)、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−8−アルキル基、C4−8−アルケニル基若しくはC4−8−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基から選択され[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
又は、
とR、RとR、又は、RとRは、それらが結合している原子と一緒に、又は、N、O、P及びSから選択されるさらなる原子と一緒に、R’基、OR’基、SR’基、NR’基又はSiR’基(ここで、R’は、上記意味を有する)で置換され得る4員〜7員の環を形成することができ;
は、水素、−X、−CN、−SH、−SR”、−OR”若しくは−(C=O)−R”(ここで、R”は、上記意味を有する)、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−8−アルキル基、C4−8−アルケニル基若しくはC4−8−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基からなる群から選択され[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基及びアミド(−CONR’)基(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
及びRは、互いに独立して、水素、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−12−アルキル基、C4−12−アルケニル基若しくはC4−12−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基から選択され[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基及びアミド(−CONR’)基(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
又は、
とRは、それらが結合している炭素原子と一緒に、又は、N、O、P及びSから選択されるさらなる原子と一緒に、R’基、OR’基、SR’基、NR’基又はSiR’基(ここで、R’は、上記意味を有する)で置換され得る3員〜7員の環を形成することができ;
は、水素、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、ニトロ(−NO)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基及びアミド(−CONR’)基、又は、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基若しくはC2−12−アルキニル基、又は、環状のC3−12−アルキル基、C4−12−アルケニル基若しくはC4−12−アルキニル基、又は、C5−18−アリール基、C7−19−アラルキル基若しくはC7−19−アルカリール基からなる群から選択され[ここで、上記で記載した全ての環式基の環系内において、1個以上の炭素原子は、N、O、P及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられることが可能であり、並びに、上記で記載した全ての基は、−R’基、ハロゲン(−X)基、アルコキシ(−OR’)基、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)基、アミノ(−NR’)基、シリル(−SiR’)基、カルボキシル(−COOR’)基、シアノ(−CN)基及びアミド(−CONR’)基(ここで、R’は、上記意味を有する)から選択される1以上の基で置換され得る];
nは、0、1、2、3及び4から選択される整数であり、ここで、n=2、3又は4である場合、R基は、異なった意味を有することが可能である〕
で表されるチアジアゾリルオキシフェニルアミジン及びその塩。
【請求項2】
が、水素、メルカプト基(−SH)又はC1−8−アルキル基からなる群から選択され;
が、直鎖又は分枝鎖のC1−8−アルキル基から選択され;
が、直鎖、分枝鎖及び脂環式のC2−8−アルキル基から選択され;
又は、
とRが、それらが結合している窒素原子と一緒に、又は、窒素及び酸素から選択されるさらなる原子と一緒に、1以上のC1−12−アルキル基で置換され得る5員〜6員の環を形成することができ;
が、−X、直鎖若しくは分枝鎖のC1−12−アルキル基及びC1−5−ハロアルキル基からなる群から選択され;
及びRが、互いに独立して、水素又は直鎖C1−8−アルキル基から選択され;
が、水素、直鎖、分枝鎖、脂環式若しくはヘテロ環式のC1−12−アルキル基、ハロゲン原子及びC1−4−ハロアルキル基からなる群から選択され;
nが、0、1及び2から選択される整数であり、ここで、n=2である場合、R基は、異なった意味を有することが可能である;
請求項1に記載の式(I)で表されるチアジアゾリルオキシフェニルアミジン及びその塩。
【請求項3】
が、水素、メルカプト及びメチルからなる群から選択され;
が、メチル及びエチルからなる群から選択され;
が、メチル、エチル及びイソプロピルからなる群から選択され;
又は、
とRが、それらが結合している窒素原子と一緒に、ピペリジル基、ピロリジル基又は2,6−ジメチルモルホリニル基を形成し;
が、塩素原子、フッ素原子、−CF基、−CFH基及びメチル基からなる群から選択され;
及びRが、互いに独立して、水素、メチル基及びエチル基から選択されるか、又は、それらが結合している炭素原子と一緒に、シクロプロピル環を形成し;
が、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリメチルシリル基及びトリエチルシリル基からなる群から選択される;
請求項1及び2のいずれかに記載の式(I)で表されるチアジアゾリルオキシフェニルアミジン及びその塩。
【請求項4】
n=1であり且つRが該フェニル環の3位又は4位に位置している、請求項1〜3の一項に記載の式(I)で表されるチアジアゾリルオキシフェニルアミジン。
【請求項5】
n=2であり且つ2つのR基が、該フェニル環の、1,4位、2,5位又は2,6位に位置している、請求項1〜3の一項に記載の式(I)で表されるチアジアゾリルオキシフェニルアミジン。
【請求項6】
N’−(4−{[3−(4−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例1);4−{[3−(4−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例2);N’−(5−クロロ−4−{[3−(4−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2−メチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例3);5−クロロ−4−{[3−(4−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2−メチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例4);N’−(2,5−ジメチル−4−{[3−(1−フェニルエチル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例5);N’−(2,5−ジメチル−4−{[3−(1−フェニルプロピル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例6);2,5−ジメチル−4−{[3−(1−フェニルプロピル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例7);2,5−ジメチル−4−{[3−(1−フェニルエチル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例8);N’−(4−{[3−(4−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例9);N’−[2,5−ジメチル−4−({3−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)フェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例10);N’−(4−{[3−(2,4−ジクロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例11);N’−(4−{[3−(2,4−ジクロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例12);2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)−4−({3−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)アニリン(実施例13);N’−(4−{[3−(5−ブロモ−2−メチルベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例14);N’−(4−{[3−(2,6−ジクロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例15);N−エチル−N’−(4−{[3−(3−メトキシベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチルイミドホルムアミド(実施例16);N’−[4−({3−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例17);4−({3−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例18);N’−[4−({3−[1−(4クロロフェニル)エチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例19);N’−[5−クロロ−4−({3−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例20);5−クロロ−4−({3−[1(4−クロロフェニル)エチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例21);N’−[5−クロロ−4−({3−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例22);N’−{4−[(3−ベンジル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)オキシ]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例23);N’−(2,5−ジメチル−4−{[3−(4−メチル−2−ニトロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例24);N’−[4−({3−[2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例25);4−({3−[2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例26);N’−[4−({3−[2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例27);N’−[5−クロロ−4−({3−[2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例28);5−クロロ−4−({3−[2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例29);N’−[5−クロロ−4−({3−[2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例30);N’−(4−{[3−(4−ブロモベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例31);N’−(4−{[3−(4−ブロモベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例32);4−{[3−(4−ブロモベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例33);4−{[3−(3−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例34);N’−(4−{[3−(3−クロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例35);4−[(3−ベンジル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)オキシ]−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例36);N’−[4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例37);4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例38);N’−[4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例39);N’−[5−クロロ−4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例40);N’−[5−クロロ−4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例41);N’−[2,5−ジメチル−4−({3−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)フェニル]−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例42);2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)−4−({3−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)アニリン(実施例43);5−クロロ−4−({3−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル}オキシ)−2−メチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例44);4−{[3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例45);N’−(4−{[3−(1,3−ベンゾジオキソール5−イルメチル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例46);N’−(4−{[3−(3,4−ジクロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチル−N−(プロパン−2−イル)イミドホルムアミド(実施例47);4−{[3−(3,4−ジクロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例48);N−エチル−N’−(4−{[3−(2−メトキシベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチルイミドホルムアミド(実施例49);4−{[3−(2−メトキシベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチル−N−(ピペリジン−1−イルメチリデン)アニリン(実施例50);N’−(4−{[3−(3,4−ジクロロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例51);N’−(4−{[3−(2,4−ジフルオロベンジル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]オキシ}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(実施例52)からなる群から選択される、請求項1〜5の一項に記載のチアジアゾリルオキシフェニルアミジン。
【請求項7】
請求項1〜6の一項に記載のチアジアゾリルオキシフェニルアミジンを調製する方法であって、以下の段階(a)〜段階(j)のうちの少なくとも1を含んでいる前記方法:
(a) 以下の反応スキーム:
【化2】

に従って、式(III)で表されるニトロベンゼン誘導体を式(II)で表されるチアジアゾリルアルコールと反応させること;
(b) 以下の反応スキーム:
【化3】

に従って、式(V)で表されるニトロフェノール誘導体を式(IV)で表されるチアジアゾリル誘導体と反応させること;
(c) 以下の反応スキーム:
【化4】

に従って、式(VII)で表されるアニリンを式(II)で表されるチアジアゾリルアルコールと反応させること;
(d) 以下の反応スキーム:
【化5】

に従って、式(XII)で表されるアミノフェノールを式(IV)で表されるチアジアゾリル誘導体と反応させること;
(e) 以下の反応スキーム:
【化6】

に従って、式(VI)で表されるニトロフェノキシエーテルを還元して、式(VIII)で表されるアニリンエーテルを生成させること;
(f) 以下の反応スキーム:
【化7】

に従って、式(VIII)で表されるアニリンエーテルを、
(i)式(XIII)で表されるアミノアセタールと反応させること;又は、
(ii)式(XIV)で表されるアミドと反応させること;又は、
(iii)式(XVI)で表されるオルトエステルの存在下において、式(XV)で表されるアミンと反応させること;
(g) 以下の反応スキーム:
【化8】

に従って、式(XII)で表されるアミノフェノールを、
(i)式(XIII)で表されるアミノアセタールと反応させること;又は、
(ii)式(XIV)で表されるアミドと反応させること;又は、
(iii)式(XVI)で表されるオルトエステルの存在下において、式(XV)で表されるアミンと反応させること;
(h) 以下の反応スキーム:
【化9】

に従って、式(VII)で表されるアミノフェノールを、
(i)式(XIII)で表されるアミノアセタールと反応させること;又は、
(ii)式(XIV)で表されるアミドと反応させること;又は、
(iii)式(XVI)で表されるオルトエステルの存在下において、式(XV)で表されるアミンと反応させること;
(i) 以下の反応スキーム:
【化10】

に従って、式(XI)で表されるアミジンを式(II)で表されるチアジアゾリルアルコールと反応させること;
(j) 以下の反応スキーム:
【化11】

に従って、式(XI)で表されるアミジンを式(IV)で表されるチアジアゾリル誘導体と反応させること;
ここで、上記スキームにおいて、
Zは、脱離基であり;
〜Rは、上記意味を有し;
並びに、
〜R10は、互いに独立して、水素、C1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基、C2−12−アルキニル基、C5−18−アリール基、C7−19−アリールアルキル基及びC7−19−アルキルアリール基からなる群から選択され、また、何れの場合にも、RとR、RとR10、又は、RとR10は、それらが結合している原子と一緒に、及び、適切な場合には、さらなる炭素原子、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と一緒に、5員、6員又は7員の環を形成することができ;
11及びR12は、互いに独立して、水素、C1−12−アルキル基、C2−12−アルケニル基、C2−12−アルキニル基、C5−18−アリール基及びC7−19−アリールアルキル基からなる群から選択され、また、R11及びR12は、それらが結合している原子と一緒に、5員、6員又は7員の環を形成することができる。
【請求項8】
式(II)
【化12】

〔式中、R、R、R及びnは、上記意味を有する〕
で表されるチアジアゾリルアルコール。
【請求項9】
式(IV)
【化13】

〔式中、Zは、ハロゲン、トリフラート、メシラート、トシラート又はSOMeからなる群から選択される脱離基であり、並びに、R、R、R及びnは上記意味を有する〕
で表されるチアジアゾリル誘導体。
【請求項10】
式(VIII)
【化14】

〔式中、R〜R、Y及びnは、上記意味を有する〕
で表されるチアジアゾリルアミノフェニルエーテル。
【請求項11】
式(VI)
【化15】

〔式中、R〜R、Y及びnは、上記意味を有する〕
で表されるチアジアゾリルニトロフェニルエーテル。
【請求項12】
請求項1〜6の一項に記載の少なくとも1種類のチアジアゾリルオキシフェニルアミジンを含んでいる、望ましくない微生物を駆除するための組成物。
【請求項13】
望ましくない微生物の駆除における、請求項1〜6のいずれかに記載のチアジアゾリルオキシフェニルアミジン又はそれらの混合物の使用。
【請求項14】
望ましくない微生物を駆除する方法であって、請求項1〜6の一項に記載のチアジアゾリルオキシフェニルアミジンを当該微生物及び/又はそれらの生息環境に施用することを特徴とする、前記方法。
【請求項15】
請求項1〜6の一項に記載の少なくとも1種類のチアジアゾリルオキシフェニルアミジンで処理された種子。

【公表番号】特表2011−525509(P2011−525509A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515173(P2011−515173)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004419
【国際公開番号】WO2009/156098
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】