説明

チオ糖類の調製およびその使用

単糖類−S−Hで示されるチオ単糖類の調製工程であって、前記単糖類が式(P)単糖類−S−(P)に対応する化合物を対象として含み、バーチ還元する少なくとも4つの糖単位からなる(前記(P)はO−またはS−保護基(s)を示す)、チオ単糖類の調製工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチオ糖類の合成を含む、糖タンパク質を製造するのに有用な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第WO2005/00862号公報には、チオ糖類を伴うSH基を有し、セレニウム反応を使用するタンパク質のカップリングのための工程が記載されている。これは化合物タンパク質−S−Se−Rと単糖類−SHまたはタンパク質−SHとR−Se−S−単糖類が反応し、タンパク質−S−S−単糖類を生成することを示し得る。Rは置換されてもよいアルキル、フェニル、ピリジルまたはナフチルと定義される。
【0003】
多糖類の合成において、糖単位のカップリングはOHのような官能基の選択的保護を必要とする。アセチルおよびベンジルを含む、この目的のための種々の保護基が知られている。最終段階でそのような基の除去が必要となる。
【特許文献1】WO2005/00862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
BoonsらのChemistry & Biology(2003)10,87およびCarbohydrate Research(2004),339,181に、後述する化合物78のチオ−五糖類が開示されている。該調製はグリコシルクロリドとチオ酢酸カリウムが反応し、次いで脱保護することによるものである。本工程は再現性が容易ではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、Boonsらによって記載された工程の実用化が低い単糖類に限定されること、および既知の五糖類およびより高い単糖類をバーチ還元によって調製できるという発見に一部基づく。本発明の最初の態様によると、それゆえ、式単糖類−S−Hの多糖類の調製工程は、液体アンモニア中でアルカリ金属を伴う(P)単糖類−S−(P)の反応からなる(前記(P)はO−またはベンジルまたはアセチルのようなS−保護基を示す)。
【0006】
単糖類−S−Hは国際公開第WO2005/00862号公報に記載の手順により糖タンパク質に変換できる。Rは任意の適切な基となり得、例えば上記に定義したものであり、しかし関連する反応が生じる場合があれば、その正確な式は重要ではない。一方、本発明のさらなる態様では、二量化が可能となり得、式単糖類−S−S−単糖類の二量体を生じ、次いで糖タンパク質の調製は1またはそれ以上の二量体を伴う利用可能なSH基を含むタンパク質の反応からなる。
【0007】
チオ十糖類47およびその二量体48は、新規な化合物であり、それらは本発明のさらなる態様を構成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明(後述する化合物46および77に図示)で使用するブロック剤は通常、エステルまたはエーテルとしてブロックされたすべてのOH基およびSH基を有する。保護基は脂肪族化合物または芳香族化合物であり得、12個以内の炭素原子を有し得る。好ましい例としてはアセチルおよびベンジルである。
【0009】
反応物はまたブロックされたアミノ基も含み得る。それらは必ずしもバーチ還元により影響されない。
【0010】
反応物および生成物は少なくとも4、好ましくは少なくとも5、例えば10、15または20以内の単糖類単位を有する。
【0011】
バーチ還元は液体アンモニア中でLi、NaまたはK、好ましくはNaのようなアルカリ金属を利用する。
【0012】
上記に示すように、新規な反応の生成物は国際公開第WO2005/00862号公報に記載の工程を用い、糖タンパク質に変換され得る。一方、タンパク質−SHとの反応より前に、例えば、シンプルにはチオ糖類水溶液の空気への曝露により二量体が調整され得る。
【0013】
本発明により製造される糖タンパク質は、1またはそれ以上、例えば2、3または4つの−S−S−単糖類基を有する。通常の従来技術の1つにより、容易に理解されるものとして、そのような基の数はタンパク質上の利用可能なSH基の数に依存する。
【0014】
いくつかのタンパク質は利用可能なSH基を有する。それらは修飾され得ず、1またはそれ以上のCys残渣を含む;発明中で使用するタンパク質−SHは、例えば、国際公開第WO2005/00862号公報に記載の部位特異的突然変異誘発法により調製され得る。修飾され得る有用なタンパク質の例は、エリスロポエチンおよびグルコセレブロシダーゼである。後述する実施例では、SBL変種およびS156Cをモデルタンパク質として使用している。
【0015】
以下に本発明の実施例を示す。特に;
1)十糖類47、その二量体(化合物48)およびカップリング、以下の三糖類7、12および29により示される部分のそれぞれの合成;および
2)五糖類78、その二量体(化合物79)およびカップリング、以下の二糖類60および70のそれぞれの合成を記載する。
【0016】
次の略語を使用する:
OTCA トリクロロアセトイミドエート
Lev レブリニル
PMP p−メトキシフェニル
NPhth フタルイミド
Pent 4−ペンテニル
TBDMS tert−ブチルジメチルシリル
ガソリンは40℃〜60℃の範囲の沸点留分を指す。
【0017】
[化合物1 ベンジルα−D−マンノピラノシド]
【0018】
【化1】

【0019】
D−マンノース(60g)をベンジルアルコール(400mL)に加えた。24時間後、塩化アセチル(24mL)を加え、混合物を60℃で2時間攪拌した。次いで、混合物を室温で夜通し保管した。次いで、混合物を減圧下(約10mbar)116℃に加熱し、余分なベンジルアルコールを除去した。乾燥フラッシュクロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:メタノール(100:0)→(92:8)]により得た固体を、イソプロパノール−ガソリンから再結晶し、化合物1を得た(26.6g)。
【0020】
[化合物2 ベンジル3,4−O−(2’,3’−ジメトキシブタン−2’,3’−ジイル)−α−D−マンノピラノシド]
【0021】
【化2】

【0022】
ブタン−2,3−ジオン(1.27g)、オルトギ酸トリメチル(39.3g)およびカンファースルホン酸(1.72g)を化合物1の乾燥メタノール(200mL)溶液の混合物に加え、混合物をアルゴン雰囲気下16時間還流した。次いでトリエチルアミン(50mL)、続いて水(200mL)およびジクロロメタン(300mL)を加えた。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。結合有機フラクションを乾燥し(MgSO)、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(80:20)]により、化合物2を得た(20.2g)。
【0023】
[化合物3 1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−デオキシ−フタルイミド−D−グルコピラノーゼ]
【0024】
【化3】

【0025】
ナトリウムメトキシド(13.5g)をD−(+)グルコサミン 塩酸塩(53.9g)のメタノール溶液の懸濁液に加えた。1時間後、反応物を冷えた水浴に保管し、無水フタル酸(36.9g)を加えた。次いで、トリエチルアミン(34.7g)を15分間加えた。2日後、沈殿物をろ取し、メタノール(2×20mL)で洗浄し、減圧下蒸発させた。ピリジン(675g)を加え、攪拌された混合物を0℃に冷やし、1時間無水酢酸を加えた。1日後、室温で混合物を0℃に冷やしエタノール(270mL)を30分間加えた。3時間後、混合物を減圧下蒸発させ、ジクロロメタン(1L)に溶解した。混合物を1M塩酸(2×500mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(2×500mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。メタノールからの再結晶により化合物3を得た(41.8g)。母液を減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(50:50)により、さらに化合物3を得た(35.1g)。
【0026】
[化合物4 フェニルセレニル−3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノーゼ]
【0027】
【化4】

【0028】
ボロン三フッ化ホウ素エーテル(17.5mL)を化合物3(52.4g)およびフェニルセレノール(14.6mL)の攪拌された乾燥ジクロロメタン溶液(750mL)にアルゴン雰囲気下で加えた。20時間後、トリエチルアミン(30mL)を滴下した。次いで混合物を水(2×250mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(50:50)により得た生成物を、酢酸エチル−ガソリンからの再結晶により化合物4を得た(44g)。
【0029】
[化合物5 ベンジル−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→6)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,4−ジ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド]
【0030】
【化5】

【0031】
化合物4(10.5g)、化合物2(1.5g)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン(5.2g)および粉末活性分子篩(〜10g)を乾燥ジクロロメタンに加え、混合物をアルゴン雰囲気下で1時間攪拌した。次いでメチルトリフラート(2.1mL)を加えた。17時間後、メチルトリフラート(0.34mL)を加え、さらに2.5時間後メチルトリフラート(0.25mL)を加えた。合計40時間後、トリエチルアミン(4mL)を加え、混合物をセライトろ過し、減圧下蒸発させ、酢酸エチル(400mL)に溶解した。結果として生じる溶液を水(2×40mL)および食塩水(80mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(50:50)→(67:33)]により化合物(4.1g)を得、トリフルオロ酢酸(45mL)および水(5mL)の混合物に溶解した。2分後、混合物を減圧下濃縮し、ジクロロメタン(75mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(75mL)を加えた。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2×75mL)で抽出した。結合有機フラクションを乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(80:20)→(90:10)]により、化合物(1.84g)を得、乾燥ピリジン(50mL)に溶解し、0℃に冷やした。無水酢酸(25mL)を混合物に滴下し攪拌し、反応物を室温に暖めた。18時間後、混合物を0℃に冷やし、水(100mL)および酢酸エチル(300mL)を加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチルおよび結合有機フラクションで抽出し、2M塩酸(2×125mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(125mL)および食塩水(125mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(67:33)→(75:25)]により化合物5を得た(3.3g)。
【0032】
[化合物6 3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→6)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,4−ジ−O−アセチル−D−マンノピラノース]
【0033】
【化6】

【0034】
水酸化パラジウム(1.5g、20%炭素吸着)を化合物5(1.7g)のエタノール溶液(250mL)の攪拌された溶液に加えた。混合物を水素パージし、水素雰囲気下で2日間攪拌した。次いで混合物をセライトろ過し、減圧下蒸発させ、化合物6を得た(1.39g)。
【0035】
[化合物7 3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→6)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,4−ジ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシル トリクロロアセトイミドエート]
【0036】
【化7】

【0037】
トリクロロアセトニトリル(0.32mL)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.005mL)を化合物6(0.35g)および活性化した粉末分子篩(〜0.3g)のジクロロメタン(370mL)溶液の攪拌された混合物に、アルゴン雰囲気下、室温で加えた。1時間後、トリクロロアセトニトリル(0.2mL)を加えた。3時間後、混合物をセライトろ過し、減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン:トリエチルアミン(60:40:1)]により化合物7を得た(0.36g)。
【0038】
[化合物8 4’−ペンテニル α−D−マンノピラノース]
【0039】
【化8】

【0040】
カンファースルホン酸(0.2g)をD−マンノース(15g)および4−ペンテン−1−オール(100g)の攪拌された混合物に加え、混合物を100℃に加熱した。20時間後、混合物を減圧下蒸発させ、残渣をクロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル]により化合物8を得た(17.1g)。
【0041】
[化合物9 4’−ペンテニル 3,6−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノース]
【0042】
【化9】

【0043】
ビス[トリ−n−ブチルティン(IV)]オキシド(61g)を化合物8(16.9g)のトルエン(500mL)溶液の攪拌された化合物に加えた。混合物を試薬が溶解するまで90℃に加熱した。次いで装置をディーン・スタークコンデンサーで適合させ、混合物を145℃で4時間加熱した。混合物を室温まで冷やし、減圧下蒸発させ、臭化ベンジル(100mL)を加えた。混合物を90℃で20時間加熱し、室温まで冷やし、減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(20:80)→(33:67)]により化合物9を得た(23g)。
【0044】
[化合物10 3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−D−グルコピラノース]
【0045】
【化10】

【0046】
ベンジルアミン(12.8mL)を化合物3(50.8g)のテトラヒドロフラン(320mL)溶液の攪拌された溶液に加えた。24時間後、1M塩酸(22mL)を加え、混合物を5分間攪拌した。ジクロロメタン(1L)および1M塩酸(200mL)を加え、有機層を分離した。水層をジクロロメタン(3×300mL)で抽出し、結合抽出物を乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、ジクロロメタン:酢酸エチル(50:50)]により化合物10を得た(20.8g)。
【0047】
[化合物11 3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−D−グルコピラノシル トリクロロアセトイミドエート]
【0048】
【化11】

【0049】
トリクロロアセトニトリル(12.2mL)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.037mL)を化合物10(5.5g)のジクロロメタン(35mL)溶液の攪拌された溶液に、アルゴン雰囲気下で加えた。30分後、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.037mL)を加えた。1時間後、混合物を減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン:トリエチルアミン(40:60:1)]により化合物11を得た(6.01g)。
【0050】
[化合物12 4’−ペンテニル 3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,6−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシド]
【0051】
【化12】

【0052】
化合物9(2.57g)、化合物11(9.54g)および粉末活性分子篩(3.5g)をジクロロメタン(100mL)中、0℃10分間および室温で20分間攪拌した。トリメチルシリルトリフラート(0.108mL)を加え、1.5時間後トリエチルアミン(0.8mL)を加えた。混合物をセライトろ過し、減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(40:60)→(45:55)]により化合物12を得た(6.56g)。
【0053】
[化合物13 p−メトキシフェニル 3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0054】
【化13】

【0055】
ボロン三フッ化ホウ素エーテル(40.4mL)を化合物3(76.9g)およびp−メトキシフェノール(50g)の攪拌されたジクロロメタン溶液(950mL)に0℃で加えた。1時間後、混合物を室温まで暖めた。24時間後、混合物を水(×2)、1M水酸化ナトリウム(×2)、水(×2)および食塩水で順次洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。酢酸エチル−ガソリンからの再結晶により化合物13を得た(62.5g)。
【0056】
[化合物14 p−メトキシフェニル 4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0057】
【化14】

【0058】
ナトリウムメトキシド(0.5g)を化合物13(33.2g)のメタノール(450mL)溶液の攪拌された溶液に加えた。20時間後、Dowex50WX2(〜スパチュラで2杯)を加えた。30分後、溶液を中性にした。メタノール(100mL)を加え、混合物を加熱し沈殿物を溶解し、ろ過、減圧下蒸発させた。トルエン(50mL)を加え、混合物を減圧下蒸発させた。アセトニトリル(350mL)、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(20.2mL)およびp−トルエンスルホン酸(2.41g)を加えた。20時間後、トリエチルアミン(4.7mL)を加え、混合物を減圧下蒸発させ、メタノールからの再結晶により化合物14を得た(25.5g)。
【0059】
[化合物15 p−メトキシフェニル 3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0060】
【化15】

【0061】
水素化ナトリウム(1.78g、60%油性懸濁液)を化合物14(15g)の攪拌されたN,N−ジメチルホルムアミド溶液(80mL)にアルゴン雰囲気下0℃で加えた。15分後、臭化ベンジル(80mL)を加え、混合物を室温まで暖めた。6時間後、水素化ナトリウム(1.0g、60%油性懸濁液)および臭化ベンジル(4.0mL)を加えた。24時間後、メタノール(10mL)を加え、混合物を減圧下蒸発させた。生成物を酢酸エチルに溶解し、食塩水(×3)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(30:70)→(40:60)]により固体を得た。これを、酢酸エチル−ガソリンからの再結晶により化合物15を得た(12g)。化合物15の2回目の収集を用いた(1.8g)。
【0062】
[化合物16 p−メトキシフェニル 3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0063】
【化16】

【0064】
p−トルエンスルホン酸(0.6g)を化合物15(13.0g)のメタノール(260mL)溶液および1,4−ジオキサン(145mL)の攪拌された溶液に加えた。混合物を1.5時間還流し、次いで室温まで冷やし、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(60:40)]により化合物16を得た(10.48g)。
【0065】
[化合物17 p−メトキシフェニル 3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−6−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノシド]
【0066】
【化17】

【0067】
イミダゾール(3.5g)およびtert−ブチルジメチルシリルクロリド(3.81g)を化合物16(10.4g)の攪拌された無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液にアルゴン雰囲気下0℃で加えた。2時間後、混合物を減圧下蒸発させ、酢酸エチルを加え生成物を溶解した。混合物を水(×2)および食塩水(×2)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(30:70)]により化合物17を得た(12.43g)。
【0068】
[化合物18 p−メトキシフェニル 3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0069】
【化18】

【0070】
化合物14(22.7g)を粉末活性分子篩(〜5g)のテトラヒドロフラン(800mL)溶液の攪拌された混合物にアルゴン雰囲気下0℃で加えた。1時間後、シアノホウ化水素ナトリウム(50g)およびメチルオレンジ(1少量)を加えた。1,4−ジオキサン溶液の4M塩化水素をできるたけ早く加え、色落ちしないピンク色に発展するまで沸騰した(〜170mL)。24時間後、混合物を氷水に注ぎ、次いでセライトろ過した。混合物をジクロロメタン(×2)で抽出し、結合抽出物を2M塩酸(〜200mL)で24時間攪拌した。次いで、有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム(×2)および水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(30:70)]により化合物18を得た(21.2g)。
【0071】
[化合物19 p−メトキシフェニル 3,6−ジ−O−ベンジル−4−O−レブリニル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0072】
【化19】

【0073】
N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(11.8g)をレブリン酸(13.3g)のジクロロメタン(80mL)溶液の攪拌された溶液に0℃で加えた。10分後、混合物を室温まで暖め、3時間攪拌した。次いで、混合物を化合物18(6.8g)のピリジン(70mL)溶液にろ過し、ジクロロメタン(20mL)で洗浄した。3日後、混合物を氷水に注ぎ、30分間攪拌した。混合物をジクロロメタンで抽出し、抽出物を2M塩酸(×2)、飽和炭酸水素ナトリウム(×2)および水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(40:60)→(50:50)]により化合物19を得た(7.83g)。
【0074】
[化合物20 3,6−ジ−O−ベンジル−4−O−レブリニル−2−デオキシ−2−フタルイミド−D−グルコピラノ−ス]
【0075】
【化20】

【0076】
硝酸セリウムアンモニウム(28.1g)を化合物19(7.82g)のトルエン(115mL)溶液、アセトニトリル(84mL)および水(37mL)の激しく攪拌された混合物に加えた。2時間後、酢酸エチルを加え、混合物を水(×2)で洗浄し、結合した水様の抽出物を酢酸エチルで再抽出した。結合有機層を飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、化合物20を得た(6.64g)。
【0077】
[化合物21 3,6−ジ−O−ベンジル−4−O−レブリニル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル トリクロロアセトイミドエ−ト]
【0078】
【化21】

【0079】
トリクロロアセトニトリル(11.3mL)を化合物20(6.64g)および粉末活性分子篩(〜2g)のジクロロメタン(71mL)溶液の攪拌された混合物に加えた。2時間後、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.56mL)を加えた。1時間後、混合物をセライトろ過し、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン:トリエチルアミン(44:55:1)]により化合物21を得た(5.63g)。
【0080】
[化合物22 p−メトキシフェニル 3,6−ジ−O−ベンジル−4−O−レブリニル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−6−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノシド]
【0081】
【化22】

【0082】
化合物21(2.51g)、化合物18(1.66g)および粉末活性分子篩(〜1g)を攪拌されたジクロロメタン(75mL)に加えた。20分後、混合物を−78℃まで冷やし、ボロン三フッ化ホウ素エ−テル(0.32mL)を加えた。5時間後、−78℃の混合物をゆっくり夜通し0℃まで暖めた。次いで混合物を室温まで暖め、ジクロロメタン(100mL)で洗浄セライトろ過した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(30:70)]により化合物22を得た(2.02g)。
【0083】
[化合物23 p−メトキシフェニル 3,6−ジ−O−ベンジル−4−O−レブリニル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0084】
【化23】

【0085】
p−トルエンスルホン酸を化合物22(2.0g)のアセトニトリル(21.5mL)溶液および水(1.2mL)の攪拌された混合物に加え、pHを3に調整した。3.5時間後、酢酸エチルを加え、混合物を水、飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、乾燥し(MgSO)、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(50:50)→(75:25)]により化合物23を得た(1.49g)。
【0086】
[化合物24 1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−L−フコピラノース]
【0087】
【化24】

【0088】
無水酢酸(57mL)をL−(−)−フコース(8.2g)のピリジン(80mL)溶液の攪拌された溶液に0℃で10分間加えた。2時間後、混合物を室温まで暖めた。20時間後、混合物を減圧下蒸発させ、水(200mL)を加えた。混合物をジクロロメタン(×4)で抽出し、結合抽出物を1M塩酸(×2)、飽和炭酸水素ナトリウム(×2)、および水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、乾燥し(MgSO)、化合物24を得た(15.6g)。
【0089】
[化合物25 フェニル 2,3,4−トリ−O−アセチル−1−チオ−β−L−フコピラノシド]
【0090】
【化25】

【0091】
チオフェノール(10.5mL)およびボロン三フッ化ホウ素エ−テル(16.3mL)を化合物24(15.6g)のジクロロメタン(160mL)溶液の攪拌された溶液に0℃で加えた。10分後、混合物を室温まで暖めた。2時間後、ジクロロメタン(80mL)を加え、混合物を1M塩酸(×2)および水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(20:80)]により化合物25を得た(14.8g)。
【0092】
[化合物26 フェニル 1−チオ−β−L−フコピラノシド]
【0093】
【化26】

【0094】
ナトリウムメトキシド(0.12g)を化合物25(14.8g)のメタノール(70mL)溶液の攪拌された溶液にアルゴン雰囲気下で加えた。18時間後、Dowex50WX2(スパチュラで1杯)を加えた。30分後、混合物をろ過し、減圧下蒸発させ、化合物26を得た(8.9g)。
【0095】
[化合物27 フェニル 2,3,4−トリ−O−ベンジル−1−チオ−β−L−フコピラノシド]
【0096】
【化27】

【0097】
水素化ナトリウム(10.6g、60%油性懸濁液)を化合物26(8.9g)のN,N−ジメチルホルムアミド(140mL)溶液の攪拌された溶液に0℃で加えた。15分後、水素の発生が中断したとき、臭化ベンジル(17.3mL)を加えた。混合物を室温まで暖め、2時間後、水素化ナトリウム(0.5g、60%油性懸濁液)を加えた。2時間後、水(10mL)をゆっくり加え、混合物を酢酸エチル(500mL)に加えた。混合物を水(×3)および食塩水で洗浄した。ガソリンを加え、混合物を乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(20:80)→(50:50)]により固体生成物を得、酢酸エチル−ガソリンから再結晶し、化合物27を得た(11.7g)。
【0098】
[化合物28 p−メトキシフェニル 3,6−ジ−O−ベンジル−4−O−レブリニル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0099】
【化28】

【0100】
化合物23(1.0g)、化合物28(0.486g)および粉末活性分子篩(〜1g)を攪拌されたジエチルエーテル(47mL)にアルゴン雰囲気下で30分間加えた。次いで混合物を−78℃まで冷やし、N−ヨードスクシンイミド(0.532g)および銀トリフレート(0.255g)を加えた。混合物を−78℃で夜通し攪拌した後、室温まで暖め、ジクロロメタンを加え、混合物をセライトろ過し、10%チオ硫酸ナトリウムと食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(40:60)]により化合物28を得た(0.874g)。
【0101】
[化合物29 p−メトキシフェニル 3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0102】
【化29】

【0103】
ヒドラジン一水和物(1.35mL)を化合物28(4.03g)のピリジン(76.5mL)溶液および酢酸(19.8mL)の攪拌された溶液に加えた。50分後、酢酸エチルを加え、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(×3)および食塩水で洗浄した。洗浄水を酢酸エチルで抽出した。結合有機フラクションを飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(30:70)→(50:50)]により化合物29を得た(0.266g)。
【0104】
<集合>
[化合物30 エチル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−チオ−β−D−グルコピラノース]
【0105】
【化30】

【0106】
エタンチオール(10.3g)をグルコースペンタアセテート(50g)の乾燥ジクロロメタン(100mL)溶液の攪拌された溶液に加えた。混合物を0℃まで冷やし、ボロン三フッ化ホウ素エ−テル(19.5mL)を滴下した。8時間後、混合物を冷やした飽和炭酸水素ナトリウム(250mL)に注ぎ、有機層を分離した。水層をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。結合有機抽出物を水および食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、ガソリン−ジクロロメタン(2回)から再結晶し、化合物30を得た(42.8g)。
【0107】
[化合物31 エチル 1−チオ−β−D−グルコピラノース]
【0108】
【化31】

【0109】
ナトリウムメトキシド(0.275g)を化合物30(20g)のメタノール(125mL)溶液の攪拌された溶液に加えた。4時間後、Dowex50WX2)を加え、混合物を中性化し、混合物をろ過し、減圧下蒸発させ、化合物31を得た(11.1g)。
【0110】
[化合物32 エチル4,6−O−ベンジリデン−1−チオ−β−D−グルコピラノース]
【0111】
【化32】

【0112】
ベンズアルデヒドジメチルアセタール(14.9g)およびカンファ−スルホン酸(1.13g)を化合物31(11g)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)溶液の混合物に加えた。混合物を60℃で4時間、189mbaで加熱した。次いで混合物を室温まで冷やし、トリエチルアミンを加え、混合塩基を作った。混合物を減圧下蒸発させ、酢酸エチル(200mL)に溶解した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム、水および食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。酢酸エチル−ガソリンから再結晶し、化合物32を得た(10.5g)。
【0113】
[化合物33 エチル4,6−O−ベンジリデン−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−1−チオ−β−D−グルコピラノース]
【0114】
【化33】

【0115】
イミダゾール(1.96g)を化合物32(6g)およびtert−ブチルジメチルシリルクロリド(3.46g)のN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)溶液の攪拌された溶液に0℃で加えた。混合物を室温まで暖め、夜通し攪拌した。酢酸エチルを加え、混合物を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(40:60)]により化合物33を得た(8.07g)。
【0116】
[化合物34 エチル4,6−O−ベンジリデン−2−O−レブリニル−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−1−チオ−β−D−グルコピラノース]
【0117】
【化34】

【0118】
N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(7.78g)および4−ジメチルアミノピリジン(2.52g)を化合物33(8.05g)のジクロロメタン(150mL)溶液の攪拌された溶液に0℃で加えた。10分後、レブリン酸(4.37g)のジクロロメタン(50mL)溶液を滴下し、混合物を室温まで暖めた。5時間後、混合物をろ過し、ろ液を飽和炭酸水素ナトリウムおよび水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(15:85)]により化合物34を得た(8.9g)。
【0119】
[化合物35 p−メトキシフェニル 4,6−O−ベンジリデン−2−O−レブリニル−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0120】
【化35】

【0121】
化合物34(1.53g)および化合物29(3.25g)を夜通し減圧下で保管した。次いでN−lodoスクシンイミド(0.785g)、粉末活性分子篩およびジクロロメタン(40mL)を加え、混合物を攪拌した。5分後、混合物を0℃まで冷やし、トリメチルシリルトリフラ−ト(0.53mL)を加えた。30分後、混合物を室温まで30分間暖めた。混合物をセライトろ過し、ろ液を10%チオ硫酸ナトリウム、飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(50:50)]により化合物35を得た(3.54g)。
【0122】
[化合物36 p−メトキシフェニル 4,6−O−ベンジリデン−2−O−レブリニル−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0123】
【化36】

【0124】
トリエチルアミン トリフッ化水素(6.81mL)を化合物35(3.88g)の乾燥テトラヒドロフラン(15mL)溶液の攪拌された混合物に滴下した。55時間後、ジクロロメタンを加え、混合物を飽和重炭酸水素ナトリウムで繰り返し洗浄し、次いで食塩水で洗浄した。混合物を乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(40:60)→(60:40)]により化合物36を得た(3.01g)。
【0125】
[化合物37 p−メトキシフェニル {3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,6−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−4,6−O−ベンジリデン−2−O−レブリニル−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0126】
【化37】

【0127】
化合物36(2.0g)および化合物12(2.9g)を3時間減圧下で保管した。N−lodoスクシンイミド(1.28g)、粉末活性分子篩およびジクロロメタン(35mL)を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下で攪拌し、トリメチルシリルトリフラ−ト(0.33mL)を加えた。45分後、混合物をセライトろ過し、10%チオ硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(50:50)]により生成物を得、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:トルエン(40:60)]により化合物37を得た(2.34g)。
【0128】
[化合物38 p−メトキシフェニル {3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,6−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0129】
【化38】

【0130】
酢酸ヒドラジン(0.149g)を化合物37(2.369g)のメタノール(21mL)溶液およびテトラヒドロフラン(7mL)の混合物に加え、混合物を夜通し攪拌した。混合物を減圧下蒸発させ、ジクロロメタンを加え、混合物を水と食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(70:30)]により化合物38を得た(1.84g)。
【0131】
[化合物39 p−メトキシフェニル {3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,6−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−4,6−O−ベンジリデン−2−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0132】
【化39】

【0133】
ピリジン(1.05g)を化合物38(0.75g)のジクロロメタン(15mL)溶液にアルゴン雰囲気下で加えた。混合物を攪拌し、0℃まで冷やし、無水トリフルオロメタンスルホン酸(1.12g)を滴下した。30分後、混合物を室温まで暖め、6時間攪拌した。ジクロロメタンを加え、混合物を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥した(MgSO)。テトラ酢酸ブチルアンモニウム(1.12g)および乾燥トルエン(20mL)を加え、反応槽を20時間超音波槽に保管し、混合物をクロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(50:50)→(60:40)]により化合物39を得た(0.573g)。
【0134】
[化合物40 p−メトキシフェニル {3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,6−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−2−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0135】
【化40】

【0136】
エタンチオール(1.82mL)を化合物39(1.41g)のジクロロメタン(20mL)溶液の攪拌された溶液に加えた。混合物を0℃まで冷やし、ボロン三フッ化ホウ素エ−テル(0.13mL)のジクロロメタン(1mL)溶液を滴下し、混合物を室温まで暖めた。1時間後、ボロン三フッ化ホウ素エ−テル(0.07mL)のジクロロメタン(0.5mL)溶液を加えた。1時間後、過剰なトリエチルアミン、ジクロロメタンを順次加え、混合物を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(70:30)]により化合物40を得た(0.763g)。
【0137】
[化合物41 p−メトキシフェニル {3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,6−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−{3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→6)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,4−ジ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシル−(1→6)}−2−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0138】
【化41】

【0139】
化合物40(0.33g)および化合物7(0.192g)を減圧下で保管した。5時間後、粉末活性分子篩(0.3g)およびジクロロメタン(8.5mL)を加え、混合物をアルゴン雰囲気下で攪拌した。20分後、混合物を0℃まで冷やし、トリメチルシリルトリフラ−ト(0.0043mL)のジクロロメタン(0.5mL)溶液を滴下した。1時間後、混合物をセライトろ過し、ろ液を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。放射状クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(75:25)]により化合物41を得た(0.302g)。
【0140】
[化合物42 p−メトキシフェニル {3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,6−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−{3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→6)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,4−ジ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシル−(1→6)}−2,4−ジ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0141】
【化42】

【0142】
無水酢酸(0.75mL)を化合物41(0.159g)のピリジン(4mL)溶液の攪拌された溶液に加えた。20時間後、酢酸エチルを加え、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム、水および食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ化合物42(0.163g)を得、さらなる精製をせずに用いた。
【0143】
[化合物43 {3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,6−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−{3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→6)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,4−ジ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシル−(1→6)}−2,4−ジ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−D−グルコピラノース]
【0144】
【化43】

【0145】
硝酸セリウムアンモニウムを化合物42のアセトニトリル(2mL)溶液、トルエン(1mL)および水(0.5mL)の激しく攪拌された混合物に加えた。40分後、酢酸エチルを加え、混合物を水および飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ化合物43(0.152g)を得、さらなる精製をせずに用いた。
【0146】
[化合物44 {3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,6−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−{3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→6)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,4−ジ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシル−(1→6)}−2,4−ジ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル トリクロロアセトイミドエ−ト]
【0147】
【化44】

【0148】
トリクロロアセトニトリル(0.40mL)を化合物43(0.150g)のジクロロメタン(1mL)溶液の攪拌された溶液にアルゴン雰囲気下で加えた。混合物を0℃まで冷やし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.00176mL)を加えた。混合物を室温まで暖めた。2.5時間後、混合物をクロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン:トリエチルアミン(75:25:2)]により化合物44を得た(0.122g)。
【0149】
[化合物45 ベンジル{3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,6−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−{3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→6)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,4−ジ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシル−(1→6)}−2,4−ジ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−1−チオ−β−D−グルコピラノシド]
【0150】
【化45】

【0151】
ベンジルメルカプタン(5.6g)を化合物44(0.118g)および粉末活性分子篩のジクロロメタン(1mL)溶液の攪拌された混合物にアルゴン雰囲気下で加えた。5分後、混合物を0℃まで冷やし、トリメチルシリルトリフラ−ト(ジクロロメタン1mL中のトリメチルシリルトリフラ−ト溶液0.02mLの0.05mL)を加えた。40分後、トリメチルシリルトリフラ−ト(ジクロロメタン1mL中の溶液0.02mLの0.025mL)を加えた。2時間後、トリメチルシリルトリフラ−ト(ジクロロメタン1mL中の溶液0.02mLの0.012mL)を加えた。30分後、トリメチルシリルトリフラ−ト(ジクロロメタン1mL中の溶液0.02mLの0.012mL)を加えた。30分後、過剰なトリエチルアミン、酢酸エチルを順次加え、混合物をセライトろ過した。ろ液を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(70:30)]および放射状クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(65:35)]により化合物45を得た(0.042g)。
【0152】
[化合物46 ベンジル{3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,6−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−{3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→6)−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−3,4−ジ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシル−(1→6)}−2,4−ジ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル−(1→6)]−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−アセトアミド−1−チオ−β−D−グルコピラノシド]
【0153】
【化46】

【0154】
エチレンジアミン(1mL)を化合物45(0.041g)のn−ブタノール(4mL)溶液の攪拌された混合物に加え、18時間85℃で加熱した。混合物を減圧下蒸発させ、トルエンを加え、減圧下蒸発させた。ピリジン(5mL)、無水酢酸(1mL)を順次加えた。アルゴン雰囲気下で夜通し攪拌した後、酢酸エチル(150mL)を加え、混合物を水(10mL)で洗浄した。混合物を乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、放射状クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル]により化合物46を得た(0.024g)。
【0155】
[化合物47 {2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−{2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→6)−[2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−D−マンノピラノシル−(1→6)}−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[α−L−フコピラノシル−(1→6)]−2−デオキシ−2−アセトアミド−1−チオ−β−D−グルコピラノース]
【0156】
【化47】

【0157】
ナトリウム(0.005g)をアンモニア液(10mL)に−78℃で加えた。10分後、化合物46(0.024g)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に加えた。20分後、塩化アンモニウム(0.019g)を加え、混合物を室温まで暖めた。サイズ排除クロマトグラフィー[バイオラッド P2ゲル、0.04M]により化合物47を得た(0.008g)。
【0158】
[化合物48 2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−{2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→6)−[2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−D−マンノピラノシル−(1→6)}−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[α−L−フコピラノシル−(1→6)]−2−デオキシ−2−アセトアミド−1−チオ−β−D−グルコピラノースの二硫化物]
【0159】
【化48】

【0160】
水中の化合物47をチオールが完全に二硫化物に変換されるまで空気雰囲気下で保管した(約5日)。
【0161】
<SBL−化合物47共役>
化合物48(10mg/mL溶液の20μL)および炭酸アンモニウム緩衝液(pH8.6)(50μL)をサブチリシン バシラス・レンタス(SBL)S156C変種(炭酸アンモニウム緩衝液(pH8.6)50mMの100μL中の溶液0.4mgの50μL)に加えた。混合して45分後、5μLアリコートを用いて質量分析(ESI−TOF)により分析したところ、SBL−化合物47共役への変換を示した(測定質量28600、理論値28598)。
【0162】
<SBL−化合物47共役(PMSF不活性化される)>
フッ化フェニルメチルスルフォニル(PMSF)(エタノール1.0M溶液の3μL)および炭酸アンモニウム緩衝液(pH8.6)(50μL)をサブチリシン バシラス・レンタス(SBL)変種(炭酸アンモニウム緩衝液(pH8.6)50mMの100μL中の溶液0.4mgの50μL)に加えた。5分後、混合物を50mM炭酸アンモニウム緩衝液(pH8.6)で前平衡したZeba脱塩スピンカラム(ピアス)で脱塩した。化合物48(20mg/mL溶液の20μL)を加えた。混合して2時間後、5μLアリコートを用いて質量分析(ESI−TOF)により分析したところ、SBL−化合物47共役への変換(PMSF不活性化される)を示した(測定質量28752、理論値28752)。
【0163】
[化合物49 ブロモ−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド]
【0164】
【化49】

【0165】
臭化水素の33%酢酸(80mL)溶液をマンノースペンタアセテート(10g)の乾燥ジクロロメタン(50mL)溶液の攪拌された混合物に加えた。4時間後、ジクロロメタン(100mL)および水(100mL)を加え、有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2×25mL)で抽出した。結合有機フラクションを飽和炭酸水素ナトリウム、水および食塩水で洗浄し、混合物を乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、化合物49(8.06g)を得、さらなる精製をせずに用いた。
【0166】
[化合物50 1,2−O−(エキソ−1−メトキシエチリデン)−3,4,6−トリ−O−アセチル−β−D−マンノピラノース]
【0167】
【化50】

【0168】
メタノ−ル(1.58mL)および2,6−ルチジン(4.53mL)を化合物49(8.0g)の乾燥ジクロロメタン(40mL)溶液の攪拌された溶液に加え、混合物を55℃に暖めた。24時間後、混合物を室温まで冷やし、水で洗浄し(3×20mL)、乾燥し(NaSO)、減圧下蒸発させた。ガソリン−ジエチルエーテルで粉末化し、続いてろ過し、化合物50を得た(5.05g)。
【0169】
[化合物51 1,2−O−(エキソ−1−メトキシエチリデン)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−マンノピラノース]
【0170】
【化51】

【0171】
ナトリウムメトキシド(0.452g)を化合物50(30g)のメタノール(250mL)溶液の攪拌された混合物に加えた。3時間後、混合物を減圧下蒸発させ、N,N−ジメチルホルムアミド(200mL)を加えた。混合物を0℃まで冷やし、水素化ナトリウム(15.0g、60%油性懸濁液)をそれらの3ロットに15分間隔で加えた。1時間後、臭化ベンジル(40mL)を滴下した。24時間後、混合物が透明になるまでメタノールを滴下した。酢酸エチル(500mL)を加え、混合物を水(5×100mL)および食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下蒸発させた。ガソリン−ジエチルエーテルで粉末化し、続いてろ過し、化合物50を得た(5.05g)。
【0172】
[化合物52 1,2−ジ−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノース]
【0173】
【化52】

【0174】
水(300mL)を化合物51(23g)の酢酸(450mL)溶液の攪拌された混合物に加えた。6時間後、酢酸エチルおよび水を加え、有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。結合有機フラクションを水、飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、混合物を乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。ピリジン(150mL)、無水酢酸(17.8g)を順次加え、混合物をアルゴン雰囲気下で夜通し攪拌した。酢酸エチル(300mL)を加え、混合物を20%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび水で洗浄し、混合物を乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、化合物52を得(22.7g)、さらなる精製をせずに用いた。
【0175】
[化合物53 2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−D−マンノピラノース]
【0176】
【化53】

【0177】
ベンジルアミド(3.0g)を化合物52(10g)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に加え、混合物を夜通し攪拌した。2M塩酸(50mL)、酢酸エチルを順次加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。結合有機フラクションを1M塩酸および食塩水で洗浄し、混合物を乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン:(20:80)]により化合物53を得た(8.9g)。
【0178】
[化合物54 2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシルトリクロロアセトイミドエ−ト]
【0179】
【化54】

【0180】
化合物53(4.2g)、トリクロロアセトニトリル(8.5mL)および粉末活性分子篩(〜1g)をジクロロメタン(40mL)中、アルゴン雰囲気下で攪拌した。1時間後、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(0.25mL)を加えた。1.5時間後、混合物をセライトろ過し、減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン:トリエチルアミン(33:66:1)]により化合物54を得た(5.32g)。
【0181】
[化合物55 エチル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−チオ−β−D−グルコピラノシド]
【0182】
【化55】

【0183】
エタンチオール(2.46mL)をグルコースペンタアセテート(10g)の乾燥ジクロロメタン(40mL)溶液の攪拌された溶液に加えた。混合物を0℃まで冷やし、ボロン三フッ化ホウ素エ−テル(3.9mL)を滴下し、混合物を夜通し攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウムを加え、有機層を分離した。水層をジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。結合有機フラクションを水および食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。ガソリン−ジエチルエーテルで粉末化し、化合物55を得た(7.2g)。
【0184】
[化合物56 エチル 1−チオ−β−D−グルコピラノシド]
【0185】
【化56】

【0186】
ナトリウムメトキシドを化合物55(20g)の乾燥メタノール(125mL)溶液の攪拌された混合物に加えた。4時間後、Dowex樹脂(50×2)を混合物に加え中性化した。混合物をろ過し、ろ液を減圧下蒸発させ、化合物56(11.1g)を得た。
【0187】
[化合物57 エチル 4,6−O−ベンジリデン−1−チオ−β−D−グルコピラノシド]
【0188】
【化57】

【0189】
ベンズアルデヒドジメチルアセタール(14.9g)およびカンファ−スルホン酸(1.13g)を化合物56(11g)および乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)の混合物に加えた。混合物を189mbaで4時間、60℃まで加熱した。過剰なトリエチルアミンを加え、混合物を減圧下蒸発させた。酢酸エチルを加え、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム、水および食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。酢酸エチル−ガソリン(2回)から再結晶し、化合物57を得た(10.5g)。
【0190】
[化合物58 エチル 2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)−4,6−O−ベンジリデン−1−チオ−β−D−グルコピラノシド]
【0191】
【化58】

【0192】
化合物54(5.48g)、化合物57(2.44g)および粉末活性分子篩(〜1.5g)を乾燥ジクロロメタン(300mL)に加え1時間攪拌した。混合物を−78℃まで冷やし、トリメチルシリルトリフラ−ト(0.141mL)を加えた。18時間後、混合物を室温まで暖めセライトろ過した。ろ液を飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。酢酸エチル−ガソリンから再結晶し、化合物58を得た(1.99g)。母液をクロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(10:90)→(30:70)]、酢酸エチル−ガソリンから再結晶し、さらに化合物58を得た(0.42g)。
【0193】
[化合物59 エチル 2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)−4,6−O−ベンジリデン−2−O−レブリニル−1−チオ−β−D−グルコピラノシド]
【0194】
【化59】

【0195】
化合物58(3.25g)、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.7g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.05g)およびレブリン酸(0.959g)をジクロロメタン中でアルゴン雰囲気下攪拌した。20時間後、4−ジメチルアミノピリジン(0.05g)を加え、さらに6時間後、無水レブリン酸(レブリン酸(1.92g)およびN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.7g)のジクロロメタン溶液(15mL)から調製した)およびトリエチルアミン(5mL)を加えた。3日後、混合物をセライトろ過し、水で洗浄した。水フラクションをジクロロメタンで抽出し、結合有機フラクションを飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(30:70)]により、化合物59を得た(3.65g)。
【0196】
[化合物60 1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−D−グルコピラノ−ス]
【0197】
【化60】

【0198】
ナトリウムメトキシド(13.5g)をD−(+)−グルコサミン塩酸塩(53.9g)のメタノール溶液の攪拌された懸濁液に加えた。1時間後、反応物を冷たい水槽に保管し、無水フタル酸(36.9g)を加えた。次いでトリエチルアミン(34.7mL)を15分間加えた。2日後、沈殿物をろ過によりろ取し、メタノール(2×20mL)で洗浄し、減圧下蒸発させた。ピリジン(675mL)を加え、攪拌された混合物を0℃まで冷やし、無水酢酸(675mL)を1時間加えた。1日後、室温の混合物を0℃まで冷やし、30分間エタノール(270mL)を加えた。3時間後、混合物を減圧下蒸発させ、ジクロロメタン(1L)に溶解した。混合物を1M塩酸(2×500mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(2×500mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。メタノールから再結晶し、化合物60を得た(41.8g)。母液を減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(50:50)]により、さらなる化合物60を得た(35.1g)。
【0199】
[化合物61 p−メトキシフェニル 3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0200】
【化61】

【0201】
ボロン三フッ化ホウ素エ−テル(40.4mL)化合物60(76.9gおよびp−メトキシフェノール(50g)のジクロロメタン溶液(950mL)の攪拌された溶液に0℃で加えた。1時間後、混合物を室温まで暖めた。24時間後、混合物を水(×2)、1M水酸化ナトリウム(×2)、水(×2)、および食塩水の順で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。酢酸エチル−ガソリンから再結晶し、化合物61を得た(62.5g)。
【0202】
[化合物62 p−メトキシフェニル 4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0203】
【化62】

【0204】
ナトリウムメトキシド(0.5g)を化合物61(33.2g)のメタノール溶液(450mL)の攪拌された溶液に加えた。20時間後、Dowex50WX2(〜スパチュラで2杯)を加えた。30分後、溶液を中性にした。メタノール(100mL)を加え、混合物を加熱し沈殿物を溶解し、ろ過、減圧下蒸発させた。トルエン(50mL)を加え、混合物を減圧下蒸発させた。アセトニトリル(350mL)、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(20.2mL)およびp−トルエンスルホン酸(2.41g)を加え、混合物を攪拌した。20時間後、トリエチルアミン(4.7mL)を加え、混合物を減圧下蒸発させ、メタノールからの再結晶により化合物62を得た(25.5g)。
【0205】
[化合物63 p−メトキシフェニル 3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0206】
【化63】

【0207】
水素化ナトリウム(1.78g、60%油性懸濁液)を化合物62(15g)の攪拌されたN,N−ジメチルホルムアミド溶液(80mL)にアルゴン雰囲気下0℃で加えた。15分後、臭化ベンジル(7.1mL)を加え、混合物を室温まで暖めた。6時間後、水素化ナトリウム(1.0g、60%油性懸濁液)および臭化ベンジル(4.0mL)を加えた。24時間後、メタノール(10mL)を加え、混合物を減圧下蒸発させた。生成物を酢酸エチルに溶解し、食塩水(×3)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(30:70)→(40:60)]により固体を得た。これを、酢酸エチル−ガソリンからの再結晶により化合物63を得た(12g)。化合物63の2回目の収集を用いた(1.8g)。
【0208】
[化合物64 p−メトキシフェニル 3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0209】
【化64】

【0210】
化合物63(22.7g)を粉末活性分子篩(〜5g)のテトラヒドロフラン(800mL)溶液の攪拌された混合物にアルゴン雰囲気下0℃で加えた。1時間後、シアノホウ化水素ナトリウム(50g)およびメチルオレンジ(1少量)を加えた。1,4−ジオキサン溶液の4M塩化水素をできるたけ早く加え、色落ちしないピンク色に発展するまで沸騰した(〜170mL)。24時間後、混合物を氷水に注ぎ、次いでセライトろ過した。混合物をジクロロメタン(×2)で抽出し、結合抽出物を2M塩酸(〜200mL)で24時間攪拌した。次いで、有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム(×2)および水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(30:70)]により化合物64を得た(21.2g)。
【0211】
[化合物65 p−メトキシフェニル 3,6−ジ−O−ベンジル−4−O−レブリニル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0212】
【化65】

【0213】
N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(11.8g)をレブリン酸(13.3g)のジクロロメタン(80mL)溶液の攪拌された溶液に0℃で加えた。10分後、混合物を室温まで暖め、3時間攪拌した。次いで、混合物を化合物64(6.8g)のピリジン(70mL)溶液にろ過し、ジクロロメタン(20mL)で洗浄した。3日後、混合物を氷水に注ぎ、30分間攪拌した。混合物をジクロロメタンで抽出し、抽出物を2M塩酸(×2)、飽和炭酸水素ナトリウム(×2)および水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(40:60)→(50:50)]により化合物65を得た(7.83g)。
【0214】
[化合物66 3,6−ジ−O−ベンジル−4−O−レブリニル−2−デオキシ−2−フタルイミド−D−グルコピラノース]
【0215】
【化66】

【0216】
硝酸セリウムアンモニウム(28.1g)を化合物65(7.82g)のトルエン(115mL)溶液、アセトニトリル(84mL)および水(37mL)の激しく攪拌された混合物に加えた。2時間後、酢酸エチルを加え、混合物を水(×2)で洗浄し、結合した水様の抽出物を酢酸エチルで再抽出した。結合有機層を飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、化合物66を得た(6.64g)。
【0217】
[化合物67 3,6−ジ−O−ベンジル−4−O−レブリニル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル トリクロロアセトイミドエ−ト]
【0218】
【化67】

【0219】
トリクロロアセトニトリル(11.3mL)を化合物66(6.64g)および粉末活性分子篩(〜2g)のジクロロメタン(71mL)溶液の攪拌された混合物に加えた。2時間後、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.56mL)を加えた。1時間後、混合物をセライトろ過し、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン:トリエチルアミン(44:55:1)]により化合物67を得た(5.63g)。
【0220】
[化合物68 p−メトキシフェニル 3,6−ジ−O−ベンジル−4−O−レブリニル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0221】
【化68】

【0222】
化合物67(7.94g)、化合物64(6.45g)および粉末活性分子篩(〜3g)をジクロロメタン(155mL)に加え30分間攪拌した。次いで混合物を−78℃まで冷やし、トリメチルシリルトリフラ−ト(0.196mL)を加えた。4時間後、混合物を室温まで暖め、セライトろ過した。ろ液を飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、(30:70)→(40:60)]により化合物68を得た(2.72g)。
【0223】
[化合物69 p−メトキシフェニル 3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0224】
【化69】

【0225】
酢酸(46mL)およびヒドラジン一水和物(3.2mL)を化合物68(7.32g)のピリジン(178mL)溶液の攪拌された混合物に加えた。50分後、酢酸エチルを加え、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(×3)および食塩水で洗浄した。抽出液を酢酸エチルで抽出し、結合有機フラクションを飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。トルエンを加え、混合物を減圧下蒸発させた。トルエンの追加および減圧下蒸発を2回繰り返した。ジクロロメタンを加え、混合物を減圧下蒸発させた。ジクロロメタンの追加および減圧下蒸発を2回繰り返した。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(30:70)→(50:50)]により化合物69を得た(6.36g)。
【0226】
[化合物70 p−メトキシフェニル 2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)−4,6−O−ベンジリデン−2−O−レブリニル−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0227】
【化70】

【0228】
化合物59(3.65g)、化合物69(4.36g)および粉末活性分子篩(〜3g)をジクロロメタン(500mL)に加え、混合物をアルゴン雰囲気下で攪拌した。1時間後、メチルトリフラート(2.17mL)を加えた。22時間後、トリエチルアミン(30mL)を加えた。15分後、混合物をセライトろ過し、ろ液を水および食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(30:70)→(40:60)]により不純な化合物70を得た。ジクロロメタン(35mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.43g)、トリエチルアミン(5mL)および4−ヘキシル−塩化ベンゾイル(1.56mL)を加えた。20時間後、酢酸エチル、水および食塩水を加えた。有機フラクションを分離し、水フラクションを酢酸エチルで抽出した。結合有機フラクションを1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(30:70)→(50:50)]により、化合物70(5.09g)を得た。
【0229】
[化合物71 p−メトキシフェニル 2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)−4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0230】
【化71】

【0231】
酢酸ヒドラジン(0.86g)を化合物70(5.9g)のメタノール(250mL)溶液の混合物に加え、混合物を夜通し60℃で加熱した。混合物を冷やし、飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)およびジクロロメタン(200mL)を加えた。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。結合抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(50:50)]により化合物71を得た(4.0g)。
【0232】
[化合物72 p−メトキシフェニル 2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)−4,6−O−ベンジリデン−2−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0233】
【化72】

【0234】
化合物71(4.4g)および無水ピリジン(6.3mL)をジクロロメタン(50mL)に溶解した。混合物を0℃まで冷やし、無水トリフルオロメタンスルホン酸(5.6mL)を加えた。混合物を室温まで2時間暖め、ジクロロメタンおよび飽和炭酸水素ナトリウムを加えた。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。トルエン(100mL)およびテトラ−酢酸ブチルアンモニウム(5.1g)を加え、反応槽を16時間超音波槽に保管した。混合物を減圧下蒸発させ、クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(50:50)]により化合物72を得た(3.0g)。
【0235】
[化合物73 p−メトキシフェニル 2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)−2−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0236】
【化73】

【0237】
p−トルエンスルホン酸(0.032g)を化合物72(3.09g)のメタノール溶液(50mL)および1,4−ジオキサン(30mL)の混合物に加えた。混合物を85℃で2時間加熱し、次いで室温まで冷やした。水(100mL)およびジクロロメタン(100mL)を加え、有機層を分離した。水層をジクロロメタン(2×50mL)で抽出し、結合有機フラクションを炭酸水素ナトリウム(100mL)および食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(50:50)→(67:33)]により化合物73を得た(1.5g)。
【0238】
[化合物74 p−メトキシフェニル 2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→6)−[2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)]−2−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0239】
【化74】

【0240】
化合物73(0.500g)、化合物6(0.184g)および粉末活性分子篩を乾燥ジクロロメタン(30mL)中、アルゴン雰囲気下で攪拌した。混合物を−40℃まで冷やし、トリメチルシリルトリフラ−ト(0.003mL)を加えた。2時間後、混合物をセライトろ過し、ろ液を飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(33:67)→(50:50)]により、化合物74を得た(0.40g)。
【0241】
[化合物75 2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→6)−[2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)]−2,4−ジ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−1−O−アセチル−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド]
【0242】
【化75】

【0243】
硝酸セリウムアンモニウム(0.185g)を化合物74(0.15g)のアセトニトリル(3mL)、トルエン(2mL)および水(1mL)の激しく攪拌された混合物に加えた。25分後、酢酸エチルを加え、混合物を水、飽和炭酸水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。ジクロロメタン(2mL)およびピリジン(2.2mL)を加え、次いで無水酢酸(0.7mL)を滴下した。混合物を20時間攪拌し、ジクロロメタンを加えた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム、水および食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(50:50)]により、化合物75を得た(0.127g)。
【0244】
[化合物76 ベンジル 2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→6)−[2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)]−2,4−ジ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−1−チオ−β−D−グルコピラノシド]
【0245】
【化76】

【0246】
ボロン三フッ化ホウ素エ−テル(0.009mL)を化合物75(0.123g)およびベンジルメルカプタン(0.013mL)の乾燥ジクロロメタン(2mL)の攪拌された混合物に加えた。2時間後、ジクロロメタン(50mL)を加え、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム、水および食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。放射状クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(40:60)]により化合物76を得た(0.103g)。
【0247】
[化合物77 ベンジル 2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→6)−[2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル−(1→3)]−2,4−ジ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−2−アセトアミド−1−チオ−β−D−グルコピラノシド]
【0248】
【化77】

【0249】
エチレンジアミン(2mL)を化合物76(0.096g)およびn−ブタノール(10mL)溶液の攪拌された混合物にアルゴン雰囲気下で加え、混合物を80℃で加熱した。20時間後、混合物を減圧下蒸発させた。トルエン(20mL)を加え、混合物を減圧下蒸発させた。トルエン追加および減圧下蒸発を2回繰り返した。ピリジン(5mL)および無水酢酸(1mL)を加え、混合物を16時間アルゴン雰囲気下で攪拌した。酢酸エチルを加え、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム、水および食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下蒸発させた。クロマトグラフィー[SiO、酢酸エチル:ガソリン(70:30)]により化合物77を得た(0.069g)。
【0250】
[化合物78 α−D−マンノピラノシル−(1→6)−[α−D−マンノピラノシル−(1→3)]−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−2−デオキシ−2−アセトアミド−1−チオ−β−D−グルコピラノース]
【0251】
【化78】

【0252】
ナトリウム(0.010g)を−78℃の液体アンモニア(10mL)に加えた。10分後、化合物77(0.030g)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を加えた。30分後、塩化アンモニウム(0.038g)を加え、混合物を室温まで暖めた。水(1mL)を加え、混合物をサイズ排除クロマトグラフィー[バイオラッド P2ゲル、0.04M炭酸アンモニウム]および凍結乾燥により化合物78を得た(0.009g)。
【0253】
[化合物79 α−D−マンノピラノシル−(1→6)−[α−D−マンノピラノシル−(1→3)]−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−2−デオキシ−2−アセトアミド−1−チオ−β−D−グルコピラノースの二硫化物]
【0254】
【化79】

【0255】
水中の化合物78をチオールが完全に二硫化物に変換されるまで空気雰囲気下で保管した(約5日)。
【0256】
<SBL−化合物78共役の合成(PMSFで不活性化される)>
フッ化フェニルメチルスルフォニル(PMSF)(エタノール1.0M溶液の6μL)をサブチリシン バシラス・レンタス(SBL)S156C変種(0.3g)の炭酸アンモニウム緩衝溶液(pH8.6)(100μL)に加えた。5分後、混合物を50mM炭酸アンモニウム緩衝液(pH8.6)で前平衡したZeba脱塩スピンカラム(ピアス)で脱塩した。化合物31(4mg/mL水溶液の25μL)を加えた。2時間後、5μLアリコートを用いて質量分析(ESI−TOF)により分析したところ、SBL−化合物78共役への変換(PMSFで不活性化される)を示した(測定質量27792、理論値27793)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単糖類−S−Hで示されるチオ単糖類の調製工程であって、前記単糖類が式(P)単糖類−S−(P)に対応する化合物を対象として含み、バーチ還元する少なくとも4つの糖単位からなる(前記(P)はO−またはS−保護基(s)を示す)、チオ単糖類の調製工程。
【請求項2】
前記(P)がアシルまたはベンジルである、請求項1記載の工程。
【請求項3】
前記(P)がアセチルまたはベンジルである、請求項1記載の工程。
【請求項4】
前記、単糖類−S−Hが、
式(化合物78)
【化78】

すなわち、α−D−マンノピラノシル−(1→6)−[α−D−マンノピラノシル−(1→3)]−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−2−デオキシ−2−アセトアミド−1−チオ−β−D−グルコピラノシルで示される、請求項1〜3のいずれかに記載の工程。
【請求項5】
前記、単糖類−S−Hが、
式(化合物47)
【化47】

すなわち、{2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−D−マンノピラノシル−(1→3)}−{2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→6)−[2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→2)]α−D−マンノピラノシル−(1→6)}β−D−マンノピラノシル−(1→4)−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−[α−L−フコピラノシル−(1→6)]−2−デオキシ−2−アセトアミド−1−チオ−β−D−グルコピラノシルで示される、請求項1〜3のいずれかに記載の工程。
【請求項6】
単糖類−SHを単糖類−S−Se−Rに変換し、および後者をタンパク質−SHと反応する(前記Rは有機基である)、前記いずれかの請求項に記載の工程からなる単糖類−S−S−タンパク質で示される、糖タンパク質の調製方法。
【請求項7】
単糖類−SHとタンパク質−S−Se−Rが反応する(前記Rは請求項6で定義する)、前記いずれかの請求項に記載の工程からなる単糖類−S−S−タンパク質で示される、糖タンパク質の調製方法。
【請求項8】
単糖類−SHの二量化を可能とし、および二量体が単糖類−S−S−単糖類とタンパク質−SHと反応する、前記いずれかの請求項に記載の工程からなる単糖類−S−S−タンパク質で示される、糖タンパク質の調製方法。
【請求項9】
請求項5に記載の化合物。
【請求項10】
請求項5に記載の化合物を二硫化した、
式(化合物48)
【化48】

で示される化合物。

【公表番号】特表2009−526031(P2009−526031A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553821(P2008−553821)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000398
【国際公開番号】WO2007/091040
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(508238196)グリコフォーム リミテッド (1)
【Fターム(参考)】