チケットとチケットの無効を確認する無効確認システムとそれを実現するためのコンピュータプログラムとその方法
【目的】チケットが無効になっていることを確実に且つ容易に確認すること、遠く離れた場所からもチケットが無効になっていることを確認できるようにすることを目的とする。
【解決手段】本体部2と切離部3とからなるチケット1であり、本体部2はチケットの無効を確認するための無効確認情報の第1の要素となる第1要素情報(情報5)を有する。切離部3は前記無効確認情報の第2の要素となる第2要素情報(情報6)を有する。第1要素情報と第2要素情報は切離部3を本体部2から切離して組合わせることにより無効確認情報7になる。これをバーコードリーダ13などで読込み、無効確認情報7の正当性を確認する。
【解決手段】本体部2と切離部3とからなるチケット1であり、本体部2はチケットの無効を確認するための無効確認情報の第1の要素となる第1要素情報(情報5)を有する。切離部3は前記無効確認情報の第2の要素となる第2要素情報(情報6)を有する。第1要素情報と第2要素情報は切離部3を本体部2から切離して組合わせることにより無効確認情報7になる。これをバーコードリーダ13などで読込み、無効確認情報7の正当性を確認する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌手のコンサートやスポーツイベントなどの入場チケット、またはその他様々な分野で利用されるチケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、イベント会場等に入場するためのチケットには、図11に示すような紙チケット(チケット41)が多く使われている。以下、紙チケットの構成や販売方法の現状について説明する。
(1)このチケット41の構成は次の通りである。チケット41は、本体部42と切離部43とからなり、本体部42と切離部43との境には、切離部43を容易に本体部42から切離すことができるようミシン目44が設けられている。入場者は、イベント会場の入口でこのチケット41を係員に提示し、係員は本体部42から切離部43を切離し(もぎり)、切離部43を回収すると共に、本体部42を入場者に返却し、入場者は本体部42を持って会場に入る。
(2)また、チケットの販売方法には様々なものがあるが、その中でも「事前予約によるチケット販売」という方法が多く利用されている。これはチケット購入者が電話やインターネット等を利用してチケットの購入申込を行い、後日チケット販売者から購入者の自宅等にチケットが郵送されてくるという販売方法である。
【0003】
【特許文献1】実開平3−19078
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紙チケット(チケット41)の現状は以上の通りであるが、これでは次のような事態に対応できないという問題がある。
例えば、チケットの購入希望者が電話予約をする際にイベント会場のB席のチケットを希望したが、チケット販売員が誤ってA席のチケット(例えば、座席番号「A−50」のチケット)を発行・郵送してしまったとする。この場合、チケット販売者は顧客からA席のチケットを送り返してもらい、チケット返却を確認した後にB席のチケットを再度発行・郵送する。そして、返却された「座席番号:A−50」のチケットについては改めて他の顧客に販売すればよい。しかし、これでは顧客に返送という余計な手間をかけることになる。また、チケット返却を確認した後に郵送するのではB席のチケットが顧客の手に届くのが遅くなり、顧客の不満を増大させてしまう。
【0005】
この問題を解決するには、チケット販売者は送ったA席のチケットを顧客に破棄してもらい、チケットの返却を経ることなく即座にB席のチケットを郵送する。そして、A席(座席番号:A−50)のチケットについてはチケット販売者が再発行して改めて他の顧客に販売すればよい。
しかし、顧客が本当にA席のチケットを破棄してくれたか否か(チケットが無効になったか否か)を確認することは容易でなく、もし顧客が破棄を怠りそれを確認できなかった場合、A席「A−50」のチケットを2つ販売してしまうという問題が生じる。これはチケットの販売業務において、あってはならない誤りであり、チケット販売者の信用を大きく損ねるものである。
そこで、誤って送ったチケットの破棄又は無効を容易に確認できるチケットやそれを確認するためのシステム等が求められるところである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、次の構成のチケットである。また、次の手段を備えるシステム、次のような処理を行う方法、コンピュータを次のように機能させるコンピュータプログラムである。
(1) 本体部と切離部とからなるチケットであって、
前記本体部は前記チケットの無効を確認するための無効確認情報の第1の要素となる第1要素情報を有し、前記切離部は前記無効確認情報の第2の要素となる第2要素情報を有し、前記第1要素情報と前記第2要素情報は前記切離部を前記本体部から切離して組合わせることにより前記無効確認情報になることを特徴とするチケット。
(2) 前記第1要素情報と前記第2要素情報は、前記本体部と前記切離部とを切離さない状態で前記チケットを折曲げるか、又は湾曲させた場合でも組合わせることができない位置に表されているチケット。
(3) 前記第1要素情報及び前記第2要素情報には複写防止手段が施されているチケット。
(4) 情報を入力するための入力手段と情報を処理するための処理手段とを備える装置であり、
前記処理手段は、チケットの本体部に表されている第1要素情報とチケットの切離部に表されている第2要素情報を組合わせてなる無効確認情報を前記入力手段から入力するための処理を行う手段、前記無効確認情報が無効を確認するための正当な情報であるか否かを判断するための正否判断処理を行う手段を備える。
(5) 前記処理手段は、前記正否判断処理において前記無効確認情報が正当であると判断した場合、前記チケットを再発行する際に前記チケットが再発行されたチケットであることを表す再発行告知情報を付加する手段を備える。
【実施例1】
【0007】
本発明の実施例を図に基づいて説明する。図1はイベント会場等に入場するためのチケット1である。このチケット1は、本体部2と切離部3とからなり、本体部2と切離部3との境には、切離部3を容易に本体部2から切離すことができるようミシン目4が設けられている。
本体部2の表面にはイベントの内容(○月○日 ○○ドーム……)が印刷されており、更にはバーコードによる情報5(第1要素情報)が印刷されている。なお、この情報5は本体部2の上面縁に情報5の最終部分(最後の情報を表すバー)がほぼ接する位置に印刷されているものである。
また、切離部3の表面にもバーコードによる情報6(第2要素情報)が印刷されている。この情報6は切離部3の上面縁に情報6の開始部分(最初の情報を表すバー)がほぼ接する位置に印刷されているものである。
【0008】
このチケット1はチケット購入者である山田太郎さんが電話で予約をし、チケット販売者から郵送されてきたものである。山田さんは電話で予約を行う際、「B席」を希望したが、チケット1には「座席番号:A−50」(A席)とある。これはチケット販売者が誤って発行・郵送したものであり、山田さんがチケット販売者に苦情を言うと、チケット販売者から「B席のチケットを直ぐに郵送するので、郵送したチケット1(座席番号:A−50)が無効になっていることを確認させてほしい。無効を確認するには携帯電話で無効確認情報を読み取ってこちらまで送信してほしい。」と言われた。
【0009】
山田さんの携帯電話11には、図2に示すとおり、情報を処理する携帯電話11の処理装置12、情報(バーコード)を読取るためのバーコードリーダ13、情報を表示するための表示モニタ、情報を送受信するための情報送受信装置(図示せず)、情報を記憶するための記憶装置(図示せず)が備えられているものとする。携帯電話11の記憶装置にはコンピュータプログラムが記憶されており、携帯電話11の処理装置12はこのコンピュータプログラムの命令に従って様々な処理を行う。
携帯電話11は無線などの手段でインターネット15(或は、その他の通信手段)と接続されており、インターネット15を介して他の装置と情報の送受信が可能となっている。
インターネット15にはサーバー16が接続されている。このサーバー16(コンピュータ)には情報を処理する処理装置17、情報を記憶する記憶装置(図示せず)、情報を表示する表示モニタ18、情報を送受信するための情報送受信装置(図示せず)が備えられている。サーバー16の記憶装置にはコンピュータプログラムが記憶されており、処理装置17はこのコンピュータプログラムの命令に従って様々な処理を行う。なお、このサーバー16はチケット販売者の事務所内に設置されているものであり、チケット販売者はいつでも表示モニタ18の表示内容を確認できるものとする。
【0010】
山田さんは携帯電話11を使って無効確認情報を読み取るための作業を行う。具体的には、次の作業を行う。
(1)まず、山田さんは図1のチケット1の本体部2から切離部3をミシン目4に沿って切離す。これにより図1のチケット1は図3のようになる。なお、この時点でチケット1は無効となり、これを用いてイベント会場に入場することはできなくなる。
(2)次に、図4のように本体部2の上面縁と切離部3の上面縁とを合わせる(情報5と情報6の位置が一致するように合わせる)。これにより情報5と情報6との組合わせによる無効確認情報7が完成する。即ち、情報5と情報6を各々別々に読取ってもバーコードとしての桁数が足りないため認識不能となり有益な情報として全く機能しないが、情報5と情報6を組合わせることにより(結合させることにより)バーコードとして認識可能な情報となり、これがチケット1の無効を確認するための1つの有益な情報(無効確認情報7)となるのである。
【0011】
(3)次に、この無効確認情報7をバーコードリーダ13により読取る(情報を入力する)。即ち、携帯電話11の処理装置12は情報を読取るための処理を行う。これにより例えば確認データ「4901750417017」が読取られたものとする。
(4)次に、携帯電話11の処理装置12は情報送受信装置からインターネット15を介して、確認データ「座席番号:A−50、無効確認情報:4901750417017、返送先:○○○@×××.com」を送信し、これを受信したサーバー16の処理装置17はこの確認データを記憶装置に記憶する。なお、座席番号と返送先は山田さんが携帯電話11の入力ボタン(テンキー)を利用して入力したものとする。
(5)次に、サーバー16の処理装置17はこの確認データが無効確認情報として正当であるか否かを判断する(正否判断処理を行う)。サーバー16の記憶装置には無効データが複数記憶されている(図5)。サーバー16の処理装置17は複数の無効データの中に無効確認情報「4901750417017」が存在するか否かを判断し、存在する場合は表示モニタ18に「座席番号A−50、無効の確認がとれました。」などのメッセージを表示する。これをみたチケット販売者は無効確認がとれたことを認識し、直ちにチケット(B席のチケット)の発送を行う。また、処理装置17は、確認データに含まれる返送先(○○○@×××.com)に「座席番号:A−50、無効の確認がとれました。至急新しいチケットを郵送いたします。」などのメッセージを作成し、それをインターネット15を介して携帯電話11に送信する。そして、これを受信した携帯電話11の処理装置12は記憶装置に記憶するとともに表示モニタ14に「無効の確認がとれました。至急新しいチケットを郵送いたします。」を表示する。
これにより山田さんは正式なチケットがすぐに送られてくることを知り安心する。なお、本実施例ではチケット販売者から山田さんにチケットを郵送することとしているが、チケット販売者が利用するサーバーからインターネット等を介して山田さんの携帯電話11に電子チケットを送信してもよい。このようにすれば即座に山田さんは正規のチケットを入手することができる。
このように無効確認情報7は本体部2から切離部3を切離さないと完成しない情報なので、確実にチケット1を無効にすることができる。また、チケット1が無効になったか否かを離れた場所からでも直ぐに、しかも簡単・確実に確認することができる。更に、山田さん(チケット購入者)がチケット1をチケット販売者に返送する手間を省くことができる。
なお、本実施例では、バーコードリーダ13が入力手段としての役割を果し、携帯電話11の処理装置12及び処理装置17が処理手段としての役割を果す。
【0012】
(6)次に、無効確認情報が正当と判断されたので、サーバー16の処理装置17はチケット(無効にしたA−50のチケット)の再発行処理を行う。処理装置17は、再発行データ「○月○日 ○○ドーム ○○コンサート、座席番号:A−50」と付加情報「再発行」を作成し、これらをサーバー16に接続された印刷装置(図示せず)から印刷する。これにより図10のようなチケット(通常の情報の他に「再発行」という文字が印刷されたチケット)が作成され、これは後日他の人に販売されることとなる。このようにすれば、仮に山田さんが無効にしたはずの「A−50」のチケットをコンサート会場に持参して、「A−50」に座る権利を主張しても、その後正規に「A−50」のチケットを購入した人のチケットには「再発行」と印刷されているので、会場の係員は「再発行」と印刷されたチケットが正規のチケットであると認識でき、山田さんの不当な要求を拒否することができる。なお、本実施例では付加情報を「再発行」としているが他の情報であってもよい。例えば、何らかの図形にして顧客には再発行であると分からないようにしてもよい。また、本実施例では、この付加情報が再発行告知情報としての役割を果たす。
【0013】
次に、情報5と情報6の印刷位置について説明する。情報5及び情報6は、本体部2と切離部3とを切離さない状態でチケット1を折曲げるか、又は湾曲させた際に組合わせることができない位置に印刷すること(表すこと)が好ましい。例えば、図6のように本体部2の左側面縁のやや下部に情報5を印刷し、切離部3の右側面縁のやや下部に情報6を印刷すると、図7のようにチケット1を湾曲させて(或は、折曲げて)本体部2の左側面縁と切離部3の右側面縁とを合わせることにより、無効確認情報7を完成させることが可能になってしまう。即ち、切離部3を本体部2から切離すことなく(チケット1を無効にすることなく)無効確認情報7を完成させることができてしまう。もし、これを許せば「座席番号:A−50」のチケットが2つ存在するという問題が生じてしまう。よって、情報5及び情報6は、チケット1を折曲げるか、又は湾曲させた際に組合わせることができない位置に印刷することが好ましいのである。
【0014】
次に、情報5及び情報6にコピー防止手段(複写防止手段)を施すことに関して説明する。本発明は、本体部2から切離部3を切離し、情報5と情報6とを組合わせることにより無効確認情報7を完成させるものである。しかし、図8のようにチケット1をコピー機を利用してコピー用紙31にコピー(複写)し、コピー用紙31(複写物)に表された情報33(複写された情報6)とチケット1の情報5とを合わせると無効確認情報7を完成させることが可能になってしまう。もし、これを許せば「座席番号:A−50」のチケットが2つ存在するという問題が生じてしまう。よって、チケット1の情報5と情報6にはコピー(複写)防止手段を施す必要がある。即ち、情報5及び情報6をコピー用紙31にコピーした場合でもコピーされた情報5及び情報6は無効を確認するための情報として機能しない情報にする必要がある。
【0015】
例えば、コピーをした際はコピー用紙31に表された情報35及び情報36の部分が黒く塗りつぶされ、読取不能、或は認識不能にするコピー防止手段を講じる必要があるのである(図9符号35、符号36)。このようにすればコピーによって不正に無効確認情報7を完成させるという問題を回避できるのである。なお、コピー防止手段の詳細については特開昭62−199899など多数の文献において開示されている。
また、ここではコピー用紙31(複写物)に表されたチケット32(複写されたチケット1)の情報33(複写された情報6)とチケット1の情報5とを合わせる場合について説明したが、コピー用紙31(複写物)に表された情報34(複写された情報5)とチケット1の情報6とを合わせる場合も同じである。
【0016】
なお、上記実施例においては特定のケースについて説明したが、本発明はこれら特定のケースに限るものではない。例えば、次のようなケースであっても構わない。
(1)上記実施形態では、無効確認情報をバーコードで印刷しているが、これに限るものではない。例えば、最近普及しはじめた2次元バーコードでもよく、その他あらゆる情報表示手段で利用できるものである。
(2)上記実施例では、情報5を本体部の上面縁にほぼ接するようにしているが、情報5をミシン目にほぼ接するようにしてもよい。また、情報6を切離部の上面縁にほぼ接するようにしているが、情報6をミシン目にほぼ接するようにしてもよい。
(3)上記実施例では、チケット販売者が紙のチケットをチケット購入者に郵送するケースについて説明しているがこれに限るものではない。例えば、次のケースであってもよい。
近年、紙のチケットではなく、電子チケットが広く普及し始めている。電子チケットはチケット販売者から直接チケット購入者の携帯電話等に送られる場合もあるが、特開2002−245379のように、一旦ウェブサーバー上の保管場所に送られる場合もある。一旦ウェブサーバー上の保管場所に保管するのは、電子チケットの譲渡が容易になるからである(なお、この点については特開2002−245379に詳細に記載されている)。この場合、チケット購入者はウェブサーバー上にある電子チケットをダウンロードし、印刷して紙チケットにするのであるが、紙チケットにした後に誰かにこのチケットを譲渡する必要が生じた場合、そのまま手渡しで紙チケットを譲渡してもよいが、遠方の人に譲渡する場合は再度ウェブサーバー上の保管場所に戻してから譲渡した方が便利な場合がある。
本発明は、このような場合にも利用できるものである。即ち、本発明により紙チケットが無効になったことを確認したチケット販売者が再度ウェブサーバー上の保管場所に電子チケットを再発行・送信することにより、ウェブサーバー上の保管場所に戻した状態と同じになり、遠方の人にも容易に移転できるのである。
また、紙チケットを印刷する際に、印刷機のトラブルによりうまく紙チケットに印刷できなかった場合でも、本発明を利用してチケットの無効を確認し、チケットの再発行を行うことができるのである。
本発明は、このようにチケットの再発行が必要になる様々なケースで利用できるものである。
【0017】
(4)データの内容は実施例で説明したデータに限らない。即ち、同様の役割を果たすことができれば、他のどのようなデータであっても構わない。
(5)ハードウェアも実施例で説明したものに限らない。即ち、同様の役割を果たすことができれば、他のどのようなハードウェアであっても構わない。例えば、無効確認情報を読み取るのは携帯電話でなくてもよく、これをチケット購入者が所有するコンピュータ(PC)としてもよいし、コンビニエンスストア等に設置されている情報端末としてのよい。また、無効確認情報の読取処理と、無効確認情報の正当性確認処理を1つの装置(コンピュータ)で行うようにしてもよい。特に、コンビニエンスストア等の情報端末であればこのように1台の装置で行うことができる。
(6)処理の内容や手順についても実施例で説明したものに限らない。即ち、同様の役割を果たすことができれば、他のどのような処理内容・処理手順であっても構わない。
(7)上記実施形態に登場するデータ(データレコード、ファイル)のデータ(データ項目)は、原則として各々関連づけられて(対応づけられて)記憶装置に記憶されているものとする。図面に表されたものについても同様である。
【0018】
本発明には次のような効果がある。
(1)本発明を利用すれば、チケットが無効になっていることを確実に且つ容易に確認することができる。
(2)本発明を利用すれば、遠く離れた場所からもチケットが無効になっていることを確認できる。即ち、チケット購入者はチケットを返送する手間を省くことができる。また、これによりチケット販売者は迅速に正式なチケットを発送することができる。
(3)第1要素情報と第2要素情報とを、本体部2と切離部3とを切離さない状態でチケット1を折曲げるか、又は湾曲させた際に組合わせることができない位置に印刷すれば、チケットを無効にすることなく無効確認情報が完成してしまうという不都合を回避でき、これにより同一のチケットを2枚以上販売してしまうという事態を防止できる。
(4)第1要素情報及び第2要素情報にコピー防止手段を施せば、複写による不正行為を防止できる。即ち、チケットを無効にすることなく無効確認情報が完成してしまうという不都合を回避でき、これにより同一のチケットを2枚以上販売してしまうという事態を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明で利用するチケットを表した図である。
【図2】本発明で利用する装置及びそれらの結びつきを表した図である。
【図3】チケットを切離した状態を表した図である。
【図4】第1要素情報と第2要素情報とを組合わせた状態を表した図である。
【図5】無効データを表した図である。
【図6】チケットを表した図である。
【図7】チケットを湾曲させた状態を表した図である。
【図8】複写したバーコードとチケットのバーコードを組合わせた状態を表した図である。
【図9】チケットをコピーした状態を表した図である。
【図10】再発行されたチケットを表した図である。
【図11】従来のチケットを表した図である。
【符号の説明】
【0020】
1 チケット
2 チケットの本体部
3 チケットの切離部
4 ミシン目
5 第1要素情報
6 第2要素情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌手のコンサートやスポーツイベントなどの入場チケット、またはその他様々な分野で利用されるチケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、イベント会場等に入場するためのチケットには、図11に示すような紙チケット(チケット41)が多く使われている。以下、紙チケットの構成や販売方法の現状について説明する。
(1)このチケット41の構成は次の通りである。チケット41は、本体部42と切離部43とからなり、本体部42と切離部43との境には、切離部43を容易に本体部42から切離すことができるようミシン目44が設けられている。入場者は、イベント会場の入口でこのチケット41を係員に提示し、係員は本体部42から切離部43を切離し(もぎり)、切離部43を回収すると共に、本体部42を入場者に返却し、入場者は本体部42を持って会場に入る。
(2)また、チケットの販売方法には様々なものがあるが、その中でも「事前予約によるチケット販売」という方法が多く利用されている。これはチケット購入者が電話やインターネット等を利用してチケットの購入申込を行い、後日チケット販売者から購入者の自宅等にチケットが郵送されてくるという販売方法である。
【0003】
【特許文献1】実開平3−19078
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紙チケット(チケット41)の現状は以上の通りであるが、これでは次のような事態に対応できないという問題がある。
例えば、チケットの購入希望者が電話予約をする際にイベント会場のB席のチケットを希望したが、チケット販売員が誤ってA席のチケット(例えば、座席番号「A−50」のチケット)を発行・郵送してしまったとする。この場合、チケット販売者は顧客からA席のチケットを送り返してもらい、チケット返却を確認した後にB席のチケットを再度発行・郵送する。そして、返却された「座席番号:A−50」のチケットについては改めて他の顧客に販売すればよい。しかし、これでは顧客に返送という余計な手間をかけることになる。また、チケット返却を確認した後に郵送するのではB席のチケットが顧客の手に届くのが遅くなり、顧客の不満を増大させてしまう。
【0005】
この問題を解決するには、チケット販売者は送ったA席のチケットを顧客に破棄してもらい、チケットの返却を経ることなく即座にB席のチケットを郵送する。そして、A席(座席番号:A−50)のチケットについてはチケット販売者が再発行して改めて他の顧客に販売すればよい。
しかし、顧客が本当にA席のチケットを破棄してくれたか否か(チケットが無効になったか否か)を確認することは容易でなく、もし顧客が破棄を怠りそれを確認できなかった場合、A席「A−50」のチケットを2つ販売してしまうという問題が生じる。これはチケットの販売業務において、あってはならない誤りであり、チケット販売者の信用を大きく損ねるものである。
そこで、誤って送ったチケットの破棄又は無効を容易に確認できるチケットやそれを確認するためのシステム等が求められるところである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、次の構成のチケットである。また、次の手段を備えるシステム、次のような処理を行う方法、コンピュータを次のように機能させるコンピュータプログラムである。
(1) 本体部と切離部とからなるチケットであって、
前記本体部は前記チケットの無効を確認するための無効確認情報の第1の要素となる第1要素情報を有し、前記切離部は前記無効確認情報の第2の要素となる第2要素情報を有し、前記第1要素情報と前記第2要素情報は前記切離部を前記本体部から切離して組合わせることにより前記無効確認情報になることを特徴とするチケット。
(2) 前記第1要素情報と前記第2要素情報は、前記本体部と前記切離部とを切離さない状態で前記チケットを折曲げるか、又は湾曲させた場合でも組合わせることができない位置に表されているチケット。
(3) 前記第1要素情報及び前記第2要素情報には複写防止手段が施されているチケット。
(4) 情報を入力するための入力手段と情報を処理するための処理手段とを備える装置であり、
前記処理手段は、チケットの本体部に表されている第1要素情報とチケットの切離部に表されている第2要素情報を組合わせてなる無効確認情報を前記入力手段から入力するための処理を行う手段、前記無効確認情報が無効を確認するための正当な情報であるか否かを判断するための正否判断処理を行う手段を備える。
(5) 前記処理手段は、前記正否判断処理において前記無効確認情報が正当であると判断した場合、前記チケットを再発行する際に前記チケットが再発行されたチケットであることを表す再発行告知情報を付加する手段を備える。
【実施例1】
【0007】
本発明の実施例を図に基づいて説明する。図1はイベント会場等に入場するためのチケット1である。このチケット1は、本体部2と切離部3とからなり、本体部2と切離部3との境には、切離部3を容易に本体部2から切離すことができるようミシン目4が設けられている。
本体部2の表面にはイベントの内容(○月○日 ○○ドーム……)が印刷されており、更にはバーコードによる情報5(第1要素情報)が印刷されている。なお、この情報5は本体部2の上面縁に情報5の最終部分(最後の情報を表すバー)がほぼ接する位置に印刷されているものである。
また、切離部3の表面にもバーコードによる情報6(第2要素情報)が印刷されている。この情報6は切離部3の上面縁に情報6の開始部分(最初の情報を表すバー)がほぼ接する位置に印刷されているものである。
【0008】
このチケット1はチケット購入者である山田太郎さんが電話で予約をし、チケット販売者から郵送されてきたものである。山田さんは電話で予約を行う際、「B席」を希望したが、チケット1には「座席番号:A−50」(A席)とある。これはチケット販売者が誤って発行・郵送したものであり、山田さんがチケット販売者に苦情を言うと、チケット販売者から「B席のチケットを直ぐに郵送するので、郵送したチケット1(座席番号:A−50)が無効になっていることを確認させてほしい。無効を確認するには携帯電話で無効確認情報を読み取ってこちらまで送信してほしい。」と言われた。
【0009】
山田さんの携帯電話11には、図2に示すとおり、情報を処理する携帯電話11の処理装置12、情報(バーコード)を読取るためのバーコードリーダ13、情報を表示するための表示モニタ、情報を送受信するための情報送受信装置(図示せず)、情報を記憶するための記憶装置(図示せず)が備えられているものとする。携帯電話11の記憶装置にはコンピュータプログラムが記憶されており、携帯電話11の処理装置12はこのコンピュータプログラムの命令に従って様々な処理を行う。
携帯電話11は無線などの手段でインターネット15(或は、その他の通信手段)と接続されており、インターネット15を介して他の装置と情報の送受信が可能となっている。
インターネット15にはサーバー16が接続されている。このサーバー16(コンピュータ)には情報を処理する処理装置17、情報を記憶する記憶装置(図示せず)、情報を表示する表示モニタ18、情報を送受信するための情報送受信装置(図示せず)が備えられている。サーバー16の記憶装置にはコンピュータプログラムが記憶されており、処理装置17はこのコンピュータプログラムの命令に従って様々な処理を行う。なお、このサーバー16はチケット販売者の事務所内に設置されているものであり、チケット販売者はいつでも表示モニタ18の表示内容を確認できるものとする。
【0010】
山田さんは携帯電話11を使って無効確認情報を読み取るための作業を行う。具体的には、次の作業を行う。
(1)まず、山田さんは図1のチケット1の本体部2から切離部3をミシン目4に沿って切離す。これにより図1のチケット1は図3のようになる。なお、この時点でチケット1は無効となり、これを用いてイベント会場に入場することはできなくなる。
(2)次に、図4のように本体部2の上面縁と切離部3の上面縁とを合わせる(情報5と情報6の位置が一致するように合わせる)。これにより情報5と情報6との組合わせによる無効確認情報7が完成する。即ち、情報5と情報6を各々別々に読取ってもバーコードとしての桁数が足りないため認識不能となり有益な情報として全く機能しないが、情報5と情報6を組合わせることにより(結合させることにより)バーコードとして認識可能な情報となり、これがチケット1の無効を確認するための1つの有益な情報(無効確認情報7)となるのである。
【0011】
(3)次に、この無効確認情報7をバーコードリーダ13により読取る(情報を入力する)。即ち、携帯電話11の処理装置12は情報を読取るための処理を行う。これにより例えば確認データ「4901750417017」が読取られたものとする。
(4)次に、携帯電話11の処理装置12は情報送受信装置からインターネット15を介して、確認データ「座席番号:A−50、無効確認情報:4901750417017、返送先:○○○@×××.com」を送信し、これを受信したサーバー16の処理装置17はこの確認データを記憶装置に記憶する。なお、座席番号と返送先は山田さんが携帯電話11の入力ボタン(テンキー)を利用して入力したものとする。
(5)次に、サーバー16の処理装置17はこの確認データが無効確認情報として正当であるか否かを判断する(正否判断処理を行う)。サーバー16の記憶装置には無効データが複数記憶されている(図5)。サーバー16の処理装置17は複数の無効データの中に無効確認情報「4901750417017」が存在するか否かを判断し、存在する場合は表示モニタ18に「座席番号A−50、無効の確認がとれました。」などのメッセージを表示する。これをみたチケット販売者は無効確認がとれたことを認識し、直ちにチケット(B席のチケット)の発送を行う。また、処理装置17は、確認データに含まれる返送先(○○○@×××.com)に「座席番号:A−50、無効の確認がとれました。至急新しいチケットを郵送いたします。」などのメッセージを作成し、それをインターネット15を介して携帯電話11に送信する。そして、これを受信した携帯電話11の処理装置12は記憶装置に記憶するとともに表示モニタ14に「無効の確認がとれました。至急新しいチケットを郵送いたします。」を表示する。
これにより山田さんは正式なチケットがすぐに送られてくることを知り安心する。なお、本実施例ではチケット販売者から山田さんにチケットを郵送することとしているが、チケット販売者が利用するサーバーからインターネット等を介して山田さんの携帯電話11に電子チケットを送信してもよい。このようにすれば即座に山田さんは正規のチケットを入手することができる。
このように無効確認情報7は本体部2から切離部3を切離さないと完成しない情報なので、確実にチケット1を無効にすることができる。また、チケット1が無効になったか否かを離れた場所からでも直ぐに、しかも簡単・確実に確認することができる。更に、山田さん(チケット購入者)がチケット1をチケット販売者に返送する手間を省くことができる。
なお、本実施例では、バーコードリーダ13が入力手段としての役割を果し、携帯電話11の処理装置12及び処理装置17が処理手段としての役割を果す。
【0012】
(6)次に、無効確認情報が正当と判断されたので、サーバー16の処理装置17はチケット(無効にしたA−50のチケット)の再発行処理を行う。処理装置17は、再発行データ「○月○日 ○○ドーム ○○コンサート、座席番号:A−50」と付加情報「再発行」を作成し、これらをサーバー16に接続された印刷装置(図示せず)から印刷する。これにより図10のようなチケット(通常の情報の他に「再発行」という文字が印刷されたチケット)が作成され、これは後日他の人に販売されることとなる。このようにすれば、仮に山田さんが無効にしたはずの「A−50」のチケットをコンサート会場に持参して、「A−50」に座る権利を主張しても、その後正規に「A−50」のチケットを購入した人のチケットには「再発行」と印刷されているので、会場の係員は「再発行」と印刷されたチケットが正規のチケットであると認識でき、山田さんの不当な要求を拒否することができる。なお、本実施例では付加情報を「再発行」としているが他の情報であってもよい。例えば、何らかの図形にして顧客には再発行であると分からないようにしてもよい。また、本実施例では、この付加情報が再発行告知情報としての役割を果たす。
【0013】
次に、情報5と情報6の印刷位置について説明する。情報5及び情報6は、本体部2と切離部3とを切離さない状態でチケット1を折曲げるか、又は湾曲させた際に組合わせることができない位置に印刷すること(表すこと)が好ましい。例えば、図6のように本体部2の左側面縁のやや下部に情報5を印刷し、切離部3の右側面縁のやや下部に情報6を印刷すると、図7のようにチケット1を湾曲させて(或は、折曲げて)本体部2の左側面縁と切離部3の右側面縁とを合わせることにより、無効確認情報7を完成させることが可能になってしまう。即ち、切離部3を本体部2から切離すことなく(チケット1を無効にすることなく)無効確認情報7を完成させることができてしまう。もし、これを許せば「座席番号:A−50」のチケットが2つ存在するという問題が生じてしまう。よって、情報5及び情報6は、チケット1を折曲げるか、又は湾曲させた際に組合わせることができない位置に印刷することが好ましいのである。
【0014】
次に、情報5及び情報6にコピー防止手段(複写防止手段)を施すことに関して説明する。本発明は、本体部2から切離部3を切離し、情報5と情報6とを組合わせることにより無効確認情報7を完成させるものである。しかし、図8のようにチケット1をコピー機を利用してコピー用紙31にコピー(複写)し、コピー用紙31(複写物)に表された情報33(複写された情報6)とチケット1の情報5とを合わせると無効確認情報7を完成させることが可能になってしまう。もし、これを許せば「座席番号:A−50」のチケットが2つ存在するという問題が生じてしまう。よって、チケット1の情報5と情報6にはコピー(複写)防止手段を施す必要がある。即ち、情報5及び情報6をコピー用紙31にコピーした場合でもコピーされた情報5及び情報6は無効を確認するための情報として機能しない情報にする必要がある。
【0015】
例えば、コピーをした際はコピー用紙31に表された情報35及び情報36の部分が黒く塗りつぶされ、読取不能、或は認識不能にするコピー防止手段を講じる必要があるのである(図9符号35、符号36)。このようにすればコピーによって不正に無効確認情報7を完成させるという問題を回避できるのである。なお、コピー防止手段の詳細については特開昭62−199899など多数の文献において開示されている。
また、ここではコピー用紙31(複写物)に表されたチケット32(複写されたチケット1)の情報33(複写された情報6)とチケット1の情報5とを合わせる場合について説明したが、コピー用紙31(複写物)に表された情報34(複写された情報5)とチケット1の情報6とを合わせる場合も同じである。
【0016】
なお、上記実施例においては特定のケースについて説明したが、本発明はこれら特定のケースに限るものではない。例えば、次のようなケースであっても構わない。
(1)上記実施形態では、無効確認情報をバーコードで印刷しているが、これに限るものではない。例えば、最近普及しはじめた2次元バーコードでもよく、その他あらゆる情報表示手段で利用できるものである。
(2)上記実施例では、情報5を本体部の上面縁にほぼ接するようにしているが、情報5をミシン目にほぼ接するようにしてもよい。また、情報6を切離部の上面縁にほぼ接するようにしているが、情報6をミシン目にほぼ接するようにしてもよい。
(3)上記実施例では、チケット販売者が紙のチケットをチケット購入者に郵送するケースについて説明しているがこれに限るものではない。例えば、次のケースであってもよい。
近年、紙のチケットではなく、電子チケットが広く普及し始めている。電子チケットはチケット販売者から直接チケット購入者の携帯電話等に送られる場合もあるが、特開2002−245379のように、一旦ウェブサーバー上の保管場所に送られる場合もある。一旦ウェブサーバー上の保管場所に保管するのは、電子チケットの譲渡が容易になるからである(なお、この点については特開2002−245379に詳細に記載されている)。この場合、チケット購入者はウェブサーバー上にある電子チケットをダウンロードし、印刷して紙チケットにするのであるが、紙チケットにした後に誰かにこのチケットを譲渡する必要が生じた場合、そのまま手渡しで紙チケットを譲渡してもよいが、遠方の人に譲渡する場合は再度ウェブサーバー上の保管場所に戻してから譲渡した方が便利な場合がある。
本発明は、このような場合にも利用できるものである。即ち、本発明により紙チケットが無効になったことを確認したチケット販売者が再度ウェブサーバー上の保管場所に電子チケットを再発行・送信することにより、ウェブサーバー上の保管場所に戻した状態と同じになり、遠方の人にも容易に移転できるのである。
また、紙チケットを印刷する際に、印刷機のトラブルによりうまく紙チケットに印刷できなかった場合でも、本発明を利用してチケットの無効を確認し、チケットの再発行を行うことができるのである。
本発明は、このようにチケットの再発行が必要になる様々なケースで利用できるものである。
【0017】
(4)データの内容は実施例で説明したデータに限らない。即ち、同様の役割を果たすことができれば、他のどのようなデータであっても構わない。
(5)ハードウェアも実施例で説明したものに限らない。即ち、同様の役割を果たすことができれば、他のどのようなハードウェアであっても構わない。例えば、無効確認情報を読み取るのは携帯電話でなくてもよく、これをチケット購入者が所有するコンピュータ(PC)としてもよいし、コンビニエンスストア等に設置されている情報端末としてのよい。また、無効確認情報の読取処理と、無効確認情報の正当性確認処理を1つの装置(コンピュータ)で行うようにしてもよい。特に、コンビニエンスストア等の情報端末であればこのように1台の装置で行うことができる。
(6)処理の内容や手順についても実施例で説明したものに限らない。即ち、同様の役割を果たすことができれば、他のどのような処理内容・処理手順であっても構わない。
(7)上記実施形態に登場するデータ(データレコード、ファイル)のデータ(データ項目)は、原則として各々関連づけられて(対応づけられて)記憶装置に記憶されているものとする。図面に表されたものについても同様である。
【0018】
本発明には次のような効果がある。
(1)本発明を利用すれば、チケットが無効になっていることを確実に且つ容易に確認することができる。
(2)本発明を利用すれば、遠く離れた場所からもチケットが無効になっていることを確認できる。即ち、チケット購入者はチケットを返送する手間を省くことができる。また、これによりチケット販売者は迅速に正式なチケットを発送することができる。
(3)第1要素情報と第2要素情報とを、本体部2と切離部3とを切離さない状態でチケット1を折曲げるか、又は湾曲させた際に組合わせることができない位置に印刷すれば、チケットを無効にすることなく無効確認情報が完成してしまうという不都合を回避でき、これにより同一のチケットを2枚以上販売してしまうという事態を防止できる。
(4)第1要素情報及び第2要素情報にコピー防止手段を施せば、複写による不正行為を防止できる。即ち、チケットを無効にすることなく無効確認情報が完成してしまうという不都合を回避でき、これにより同一のチケットを2枚以上販売してしまうという事態を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明で利用するチケットを表した図である。
【図2】本発明で利用する装置及びそれらの結びつきを表した図である。
【図3】チケットを切離した状態を表した図である。
【図4】第1要素情報と第2要素情報とを組合わせた状態を表した図である。
【図5】無効データを表した図である。
【図6】チケットを表した図である。
【図7】チケットを湾曲させた状態を表した図である。
【図8】複写したバーコードとチケットのバーコードを組合わせた状態を表した図である。
【図9】チケットをコピーした状態を表した図である。
【図10】再発行されたチケットを表した図である。
【図11】従来のチケットを表した図である。
【符号の説明】
【0020】
1 チケット
2 チケットの本体部
3 チケットの切離部
4 ミシン目
5 第1要素情報
6 第2要素情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と切離部とからなるチケットであって、
前記本体部は前記チケットの無効を確認するための無効確認情報の第1の要素となる第1要素情報を有し、前記切離部は前記無効確認情報の第2の要素となる第2要素情報を有し、前記第1要素情報と前記第2要素情報は前記切離部を前記本体部から切離して組合わせることにより前記無効確認情報になることを特徴とするチケット。
【請求項2】
前記第1要素情報と前記第2要素情報は、前記本体部と前記切離部とを切離さない状態で前記チケットを折曲げるか、又は湾曲させた場合でも組合わせることができない位置に表されていることを特徴とする請求項1記載のチケット。
【請求項3】
前記第1要素情報及び前記第2要素情報には複写防止手段が施されていることを特徴とする請求項1乃至2記載のチケット。
【請求項4】
情報を入力するための入力手段と情報を処理するための処理手段とを備える装置であり、
前記処理手段は、チケットの本体部に表されている第1要素情報とチケットの切離部に表されている第2要素情報を組合わせてなる無効確認情報を前記入力手段から入力するための処理を行う手段、前記無効確認情報が無効を確認するための正当な情報であるか否かを判断するための正否判断処理を行う手段を備えることを特徴とする無効確認装置。
【請求項5】
前記処理手段は、前記正否判断処理において前記無効確認情報が正当であると判断した場合、前記チケットを再発行する際に前記チケットが再発行されたチケットであることを表す再発行告知情報を付加する手段を備えることを特徴とする請求項4記載の無効確認装置。
【請求項6】
情報を入力するための入力手段と情報を処理するための処理手段とを備える装置における前記処理装置に処理を命令するものであり、
前記処理手段を、チケットの本体部に表されている第1要素情報とチケットの切離部に表されている第2要素情報を組合わせてなる無効確認情報を前記入力手段から入力するための処理を行う手段、前記無効確認情報が無効を確認するための正当な情報であるか否かを判断するための正否判断処理を行う手段として機能させることを特徴とする無効確認のためのコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記処理手段を、前記正否判断処理において前記無効確認情報が正当であると判断した場合、前記チケットを再発行する際に前記チケットが再発行されたチケットであることを表す再発行告知情報を付加する手段として機能させることを特徴とする請求項6記載の無効確認のためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
情報を入力するための入力手段と情報を処理するための処理手段とを備える装置であり、
前記処理手段は、チケットの本体部に表されている第1要素情報とチケットの切離部に表されている第2要素情報を組合わせてなる無効確認情報を前記入力手段から入力するための処理を行い、前記無効確認情報が無効を確認するための正当な情報であるか否かを判断するための正否判断処理を行うことを特徴とする無効確認方法。
【請求項9】
前記処理手段は、前記正否判断処理において前記無効確認情報が正当であると判断した場合、前記チケットを再発行する際に前記チケットが再発行されたチケットであることを表す再発行告知情報を付加することを特徴とする請求項8記載の無効確認方法。
【請求項1】
本体部と切離部とからなるチケットであって、
前記本体部は前記チケットの無効を確認するための無効確認情報の第1の要素となる第1要素情報を有し、前記切離部は前記無効確認情報の第2の要素となる第2要素情報を有し、前記第1要素情報と前記第2要素情報は前記切離部を前記本体部から切離して組合わせることにより前記無効確認情報になることを特徴とするチケット。
【請求項2】
前記第1要素情報と前記第2要素情報は、前記本体部と前記切離部とを切離さない状態で前記チケットを折曲げるか、又は湾曲させた場合でも組合わせることができない位置に表されていることを特徴とする請求項1記載のチケット。
【請求項3】
前記第1要素情報及び前記第2要素情報には複写防止手段が施されていることを特徴とする請求項1乃至2記載のチケット。
【請求項4】
情報を入力するための入力手段と情報を処理するための処理手段とを備える装置であり、
前記処理手段は、チケットの本体部に表されている第1要素情報とチケットの切離部に表されている第2要素情報を組合わせてなる無効確認情報を前記入力手段から入力するための処理を行う手段、前記無効確認情報が無効を確認するための正当な情報であるか否かを判断するための正否判断処理を行う手段を備えることを特徴とする無効確認装置。
【請求項5】
前記処理手段は、前記正否判断処理において前記無効確認情報が正当であると判断した場合、前記チケットを再発行する際に前記チケットが再発行されたチケットであることを表す再発行告知情報を付加する手段を備えることを特徴とする請求項4記載の無効確認装置。
【請求項6】
情報を入力するための入力手段と情報を処理するための処理手段とを備える装置における前記処理装置に処理を命令するものであり、
前記処理手段を、チケットの本体部に表されている第1要素情報とチケットの切離部に表されている第2要素情報を組合わせてなる無効確認情報を前記入力手段から入力するための処理を行う手段、前記無効確認情報が無効を確認するための正当な情報であるか否かを判断するための正否判断処理を行う手段として機能させることを特徴とする無効確認のためのコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記処理手段を、前記正否判断処理において前記無効確認情報が正当であると判断した場合、前記チケットを再発行する際に前記チケットが再発行されたチケットであることを表す再発行告知情報を付加する手段として機能させることを特徴とする請求項6記載の無効確認のためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
情報を入力するための入力手段と情報を処理するための処理手段とを備える装置であり、
前記処理手段は、チケットの本体部に表されている第1要素情報とチケットの切離部に表されている第2要素情報を組合わせてなる無効確認情報を前記入力手段から入力するための処理を行い、前記無効確認情報が無効を確認するための正当な情報であるか否かを判断するための正否判断処理を行うことを特徴とする無効確認方法。
【請求項9】
前記処理手段は、前記正否判断処理において前記無効確認情報が正当であると判断した場合、前記チケットを再発行する際に前記チケットが再発行されたチケットであることを表す再発行告知情報を付加することを特徴とする請求項8記載の無効確認方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−31364(P2006−31364A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208712(P2004−208712)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(398002617)ぴあ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(398002617)ぴあ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
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