説明

チタンまたはチタン合金板の酸洗方法および酸洗液

【課題】 チタンストリップの製造工程の効率や製造コストを阻害せずに、チタン板の光沢度の均一性を確保するとともに、上記酸洗の溶け残りの問題を解決したチタンまたはチタン合金板の酸洗方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 チタンまたはチタン合金板を酸洗して、チタンまたはチタン合金板表面のスケールや酸素富化層を除去するに際し、シリコン、銅の一種または二種を10ppm以上、10000ppm以下含む硝弗酸水溶液によりチタンまたはチタン合金板を酸洗することとし、チタン板の光沢度の均一性を確保するとともに、酸洗の溶け残りを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタンまたはチタン合金板の、板間または同一の板内の光沢度を均一にできるチタンまたはチタン合金板の酸洗方法(以下、単にチタン板あるいはチタンストリップと言う)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、チタンストリップは、熱間圧延または熱間圧延と冷間圧延を経て製造されるのが一般的である。これらストリップは、多くの場合、圧延を行なった後に、歪み取りの為の大気中での焼鈍を行ない、その後圧延または焼鈍の際に発生したスケールや酸素富化層を、連続焼鈍酸洗ラインまたは酸洗ラインにおいて除去する。
【0003】
連続焼鈍酸洗ラインまたは酸洗ラインでは、ショットブラストやソルトバス等の処理によって、スケールや酸素富化層をある程度除去し、更に弗酸を含んだ酸洗液、例えば硝弗酸によってストリップ表面を清浄に酸洗して、金属光沢を有する熱延コイル(板)あるいは冷延コイル(板)とする。
【0004】
このような連続焼鈍酸洗ラインまたは酸洗ラインでは、チタン板間または同一のチタン板内の光沢度を均一にすることが難しい。
【0005】
このため、チタン板間または同一のチタン板内の光沢度を均一にする技術が従来から種々提案されている。例えば、特許文献1には、連続焼鈍酸洗ラインまたは酸洗ラインにおいてチタン板またはチタン合金板の酸洗仕上げを行なう際に、浸漬ロールを有する酸洗槽を複数回通板すると共に、チタン板またはチタン合金板が適宜反転して酸洗槽を通過する様にして操業することが提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、酸洗によって着色斑が発生したチタンまたはチタン合金部材を再酸洗して、素地チタンまたはチタン合金の溶解を抑制しつつ表面の酸化皮膜のみを実質的に除去する表面の美麗なチタンまたはチタン合金部材の製造方法が提案されている。
【特許文献1】特開2000−355781号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開平9−157872号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特に、近年の連続焼鈍酸洗ラインでは、酸洗力の変動により、酸洗の溶け残りの硬い部分(スケールや酸素富化層)がチタン板表面に残留しやすい、という問題がある。この溶け残りの硬い部分が表面にあると、後工程である圧延や成形などの工程で、チタン板表面のキズとなりやすく、あるいはチタン板表面にキズを付けやすく、製品チタン板の歩留りを低下させるという問題もある。
【0008】
この点、上記特許文献1、2の方法によれば、確かに、チタン板の光沢度の均一性や、上記酸洗の溶け残りの問題は解消される。しかし、上記特許文献1、2のように、酸洗槽を複数回通板する乃至再酸洗を行なう方法では、チタンストリップの製造工程の効率が低下し、また、製造コストも上昇する。
【0009】
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、チタンストリップの製造工程の効率や製造コストを阻害せずに、チタン板の光沢度の均一性を確保するとともに、上記酸洗の溶け残りの問題を解決したチタンまたはチタン合金板の酸洗方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明の要旨は、チタンまたはチタン合金板を酸洗して、チタンまたはチタン合金板表面のスケールや酸素富化層を除去するに際し、シリコン、銅の一種または二種を10ppm以上、10000ppm以下含む硝弗酸水溶液によりチタンまたはチタン合金板を酸洗することとする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は硝弗酸水溶液に、シリコン(Si)、銅(Cu)の一種または二種をを含有させる。シリコンや銅を含有させた場合、硝弗酸水溶液の酸洗力(チタンの溶解速度、酸洗速度)は低下する。しかし、この酸洗力の低下率は、シリコンや銅の含有量(濃度)にもよるが、連続焼鈍酸洗ラインまたは酸洗ラインにおける、チタン合金板表面のスケールや酸素富化層を除去する効率を低下させるほど大きくは無い。即ち、シリコンや銅による酸洗効率低下は、硝弗酸濃度の向上や酸洗温度の上昇など、酸洗条件の強化によって、酸洗力を回復できる程度でもある。
【0012】
しかも、興味深いことに、シリコンや銅による、この硝弗酸水溶液の酸洗力の低下効果は、逆に、硝弗酸水溶液の酸洗力の安定性をもたらす。この結果、チタン板間または同一のチタン板内の光沢度を均一にする。更に、チタン板表面に溶け残りの硬い部分(スケールや酸素富化層)が残留することを防止乃至抑制する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(シリコンや銅)
本発明の特徴であるシリコンや銅につき、以下に、その作用効果を説明する。酸洗液中に蓄積されるチタンイオンは弗酸(HF)と結合して錯体を形成して、弗酸を消耗させ、硝弗酸水溶液の酸洗力を著しく低下させる。この結果、酸洗力の変動をきたしやすく、酸洗反応が安定せず、チタン板の部位によって、酸洗量が異なることになる。その結果として、チタン板の部位によって、光沢度の違いが生じたり、チタン板表面に溶け残りの硬い部分が残留するものと考えられる。
【0014】
これに対して、シリコンや銅は、硝弗酸水溶液中で、シリコンイオンやケイ酸イオン、あるいは銅イオンとなって、チタンイオンと弗酸との結合に対するインヒビター(抗体)の役割を果たすものと推考される。即ち、酸洗によって溶解しつつあるチタン板表面には、弗酸(HF)が乖離したFが多く存在する。シリコンや銅のイオンは、チタン板表面上で、これらFと化学結合することが出来て、しやすく、チタンよりもイオンになりにくいと推考される。この結果、シリコンや銅イオンの存在が、上記インヒビター(抗体)の役割を果たし、上記チタンイオンの作用が抑制されるため、酸洗反応が安定し、チタン板の酸洗量が部位によらず一定化する。このため、チタン板の部位によって、光沢度の違いが生じたり、チタン板表面に溶け残りの硬い部分が残留しないものと考えられる。実際にも、シリコンや銅自体は、後述する最適濃度範囲内では弗酸を消耗させることは殆ど無い。
【0015】
また、シリコンや銅イオンによって、上記チタンイオンの作用が抑制されるため、副次的に、硝弗酸水溶液の酸洗力を低下させるものと推考される。但し、上記した通り、チタンイオンと違って、この酸洗力の低下率は、連続焼鈍酸洗ラインまたは酸洗ラインにおける、チタン合金板表面のスケールや酸素富化層を除去する効率を低下させるほど大きくは無く、硝弗酸濃度の向上や酸洗温度の上昇など、酸洗条件の強化によって、酸洗力を回復できる程度でもある。
【0016】
以上述べたように、硝弗酸水溶液のシリコンや銅の含有は、硝弗酸水溶液の酸洗力の安定化をもたらし、チタン板間または同一のチタン板内の光沢度を均一にし、チタン板表面に溶け残りの硬い部分が残留しないようにする効果をもたらす。
【0017】
なお、このような効果は、シリコンや銅に特有のもので、ナトリウム(Na)、アルミニウム(Al)、セレン(Ce)、マグネシウム(Mg)などにはこのような効果は無い。これら元素イオンは、シリコンや銅と異なり、チタン板表面上で、上記弗酸(HF)が乖離したFと化学結合しないか、チタンよりもイオンになりやすい。このため、チタンイオンと弗酸との結合に対するインヒビター(抗体)にはなりにくいものと推考される。
【0018】
このシリコンや銅イオンの効果を発揮させるためには、酸洗液(硝弗酸水溶液)中のシリコンや銅濃度の下限を、シリコンや銅の単独またはシリコンと銅の合計で10ppm以上、好ましくは50ppm以上とする。
【0019】
図1、2に、チタンの溶解量(酸洗力:縦軸)とシリコン濃度(ppm:横軸)との関係を示す。図1、2は、2%弗酸−10%硝酸の水溶液でシリコン濃度のみを変えた酸洗液で、浴温50℃、5分間、純チタン板を浸漬した際の、チタンの溶解量を調査したものである。図1はシリコン濃度が0〜2000ppm、図2はシリコン濃度が0〜200ppmの範囲である。
【0020】
図1、2から、シリコン濃度が10ppm未満の領域では、チタンの溶解量(酸洗力)が大きく低下、かつ変動し、シリコン濃度が10ppm以上でチタンの溶解量が安定に向かい、シリコン濃度が50ppm以上でチタンの溶解量が安定化することが分かる。
【0021】
図1、2からも分かる通り、シリコンや銅濃度が10ppm未満、より厳しくは50ppm未満では、チタンの溶解量(酸洗力)が大きく低下、かつ変動する。このため、実操業でも、特に、硝弗酸の濃度が比較的低くなった場合やチタンイオンの濃度が比較的高くなった場合に、シリコンや銅の上記酸洗力の安定化効果が発揮されない。このため、チタン板間または同一のチタン板内の光沢度が不均一となる、チタン板表面に溶け残りの硬い部分が残留する、などの可能性が生じる。
【0022】
通常のチタン板の酸洗ラインでは、酸洗液中に、上記本発明の濃度程度に、シリコンや銅が含有されることはまず無い。含有されたとしても、シリコンと銅の合計で10ppm未満である。言い換えると、通常の(従来の)チタン板の酸洗ラインでは、これまで、酸洗液中には、シリコンと銅の合計で10ppm未満程度しか含有されなかったために、上記酸洗力の安定化効果が発揮されず、チタン板間または同一のチタン板内の光沢度が不均一となる、チタン板表面に溶け残りの硬い部分が残留する、などの問題が生じていたと言える。また、同時に、シリコンと銅の合計で10ppm未満程度しか含有されなかったために、シリコンと銅による上記酸洗力の安定化効果が認識されることが無かったと言える。
【0023】
図1、2からも分かる通り、シリコンや銅濃度が高いほど、チタンの溶解量(酸洗力)は安定する。しかし、酸洗液(硝弗酸水溶液)中のシリコンや銅濃度が10000ppmを超えた場合には、実操業でも、特に、硝弗酸の濃度が低くなった場合やチタンイオンの濃度が高くなった場合に、酸洗液の酸洗力を低下させすぎ、チタン合金板表面のスケールや酸素富化層を除去する効率を低下させる可能性が高い。このため、シリコンや銅濃度の上限は、シリコンや銅の単独またはシリコンと銅の合計で10000ppm(1%)以下、好ましくは2000ppm以下とする。
【0024】
(シリコンや銅の含有方法)
前記した通り、通常のチタン板の酸洗ラインでは、酸洗液中にシリコンや銅が10ppm以上含有されることはまず無い。このため、酸洗液中にシリコンや銅を上記所定量含有させる場合には、新たに、シリコンや銅を、化合物あるいは金属や酸化物の形で、酸洗液中に添加して含有させるか、他のシリコンや銅を用いた半導体の酸洗分野などで用いられている、同じ硝弗酸の水溶液で、既にシリコンや銅を含有する酸洗液、廃酸洗液を用いる。通常のチタン板の酸洗ラインに用いる酸洗液に、これら酸洗液、特に、廃酸洗液を用いた場合、コスト的に有利となる。
【0025】
(酸洗液組成)
以下に、本発明の前提となる酸洗液組成について説明する。酸洗液組成は、基本的には、従来と同じ、硝弗酸水溶液が使用できる。この際、シリコンや銅によるこの硝弗酸水溶液の酸洗力の低下を前提とすると、操業上の酸洗効率を低下させない酸洗力(酸洗速度)を確保するためには、弗酸濃度を0.1〜5重量%、硝酸濃度を0.5〜30重量%とすることが好ましい。
弗酸濃度が0.1重量%未満、硝酸濃度が0.5%未満では、上記酸洗力が低下し、操業上の酸洗効率を低下させる。また、酸洗力の変動が大きくなり、チタン板間または同一のチタン板内の光沢度を不均一にするなり、チタン板表面に溶け残りの硬い部分が残留する、などの問題を生じる。
【0026】
一方、弗酸濃度が5重量%超、硝酸濃度が30重量%超となると、酸洗力(チタンの溶解力)が増し過ぎ、過剰なチタンイオンや弗化チタンイオンが生成して、却って、チタン板間または同一のチタン板内の光沢度を不均一にする。更に、酸洗コストにの上でも不利となる。なお、酸洗が連続処理ラインの場合など、酸洗処理中に酸洗浴の液組成が変化する等の理由で、酸洗浴液組成を特定しにくい場合、上記酸洗浴の液組成は、酸洗処理開始時を基準とし、酸洗中に、その組成範囲を大きく逸脱しないように管理する。
【0027】
(チタンイオン)
硝弗酸水溶液の酸洗力(酸洗速度)は、酸洗によって蓄積される、酸洗液中のチタンイオン濃度によって大きく変動し、これが、チタン板間または同一のチタン板内の光沢度を不均一にするなり、チタン板表面に溶け残りの硬い部分が残留する、などの問題を生じる大きな原因ともなっている。
【0028】
例えば、前記した特許文献1では、その段落0018で、チタンイオンは元来酸化性を有し、酸洗速度を高める作用があるが、ある含有量を越えると酸洗速度を低下させる作用があるとしている。そして、このしきい値が0.1g/l付近にあり、酸洗液中のチタンイオン濃度が0.1g/l未満(0g/lを含む)の値で酸洗すると酸洗反応が安定せず、部分的に酸洗量が異なることになり、その結果として光沢度の違いが生じるものと考えられるとしている。また、一方で、酸洗液中のチタンイオン濃度が余り大きくなると、チタンイオンが酸洗反応を大きく阻害し、酸洗反応が進み難くなるので、その上限は100g/lであることが好ましいとしている。
【0029】
この点、本発明でも、酸洗によって蓄積される酸洗液中のチタンイオン濃度は、2〜80g/lの範囲にすることが好ましい。
【0030】
この他、酸洗液中に、酢酸、蟻酸などの他の酸や、薬剤を含むことは、上記したシリコンによる硝弗酸水溶液の酸洗力の安定化効果や、酸洗液の酸洗力などを損なわない範囲で許容する。
【0031】
(酸洗液条件)
酸洗液の液温や浸漬時間も通常の処理ラインの酸洗条件と同じでよいが、液温は30〜70℃、浸漬時間は30秒〜10分間が好ましい。液温が低く過ぎたりや浸漬時間が短過ぎると、酸洗効果自体が達成されず、液温が高過ぎたりや浸漬時間が長過ぎると、チタン板間または同一のチタン板内の光沢度を不均一にする。また、酸焼けなどの別の問題も生じる。
【0032】
(適用酸洗ライン)
本発明酸洗方法は、チタンストリップの熱間圧延後の酸洗工程、または冷間圧延後の酸洗工程、更には、厚板の圧延ラインにおける酸洗工程、など、チタン板の製造工程における、連続焼鈍酸洗ラインやバッチ式の酸洗ラインなどの種々の酸洗工程に適用できる。またその前工程としても、焼鈍やソルトバス、ショットブラストなどの通常の工程が入って良い。
【0033】
(適用チタン板)
また、本発明酸洗方法は、純チタンやチタン合金にかかわらず、上記酸洗液の安定化効果とチタン板間または同一のチタン板内の光沢度均一化効果が発揮されるため、酸洗適用されるチタン板は、その種類を限定されない。
【実施例】
【0034】
冷延ままの厚さ1mmの純チタンコイルを、実操業連続焼鈍酸洗ラインにて、通板速度1〜50m/minにて、700℃の大気焼鈍後に、500℃〜550℃に加熱されたNaOH系等のアルカリ性溶融塩浴ソルトバスを浸漬通過させ、次いで、酸洗液組成を種々変えた浴温度50℃の酸洗槽に浸漬通過させた。
これら酸洗処理後の純チタンコイルから、幅500mm、長さ1000mmのチタン板を試験材として採取して、チタン板の部位による光沢度差とチタン板表面に溶け残りの硬い部分の残留の有無を評価した。この評価結果と、各例の酸洗開始時の酸洗浴の液組成も合わせて表1に示す。
【0035】
チタン板の光沢度評価は、チタン板両面全体の目視による光沢ムラの有無と、JISZ8741の方法に準拠したチタン板両面の光沢度の測定により行なった。光沢度の測定に際し、入射角、受光角はいずれも60°とした。光沢度測定は、チタン板両面の先後端および長さ方向中央部の計6個所で測定(いずれも幅方向中央部で測定)し、この内、最大と最小の光沢度の差(%)を求めた。そして、この光沢度の差が5%以内の場合、光沢度差が小さい(光沢度が均一)として○と評価した。光沢度の差が5%を超える場合、光沢度差が大きい(光沢度が均一でない)として×と評価した。
【0036】
チタン板表面に溶け残りの硬い部分の残留の有無も、チタン板の先後端および長さ方向中央部の計6個所の断面の100倍の光学顕微鏡による観察により評価した。
【0037】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0038】
以上説明したように、本発明によれば、チタンストリップの製造工程の効率や製造コストを阻害せずに、チタン板の光沢度の均一性を確保するとともに、上記酸洗の溶け残りの問題を解決したチタンまたはチタン合金板の酸洗方法を提供できる。このため、本発明は、特に、チタンストリップの連続焼鈍酸洗ラインに好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】酸洗液のチタンの溶解量とシリコン濃度との関係を示す説明図である。
【図2】酸洗液のチタンの溶解量とシリコン濃度との関係を示す説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタンまたはチタン合金板を酸洗して、チタンまたはチタン合金板表面のスケールや酸素富化層を除去するに際し、シリコン、銅の一種または二種を10ppm以上、10000ppm以下含む硝弗酸水溶液により酸洗することを特徴とするチタンまたはチタン合金板の酸洗方法。
【請求項2】
前記硝弗酸水溶液における、弗酸濃度を0.1〜5重量%、硝酸濃度を0.5〜30重量%とする請求項1に記載のチタンまたはチタン合金板の酸洗方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタンまたはチタン合金板を酸洗して、チタンまたはチタン合金板表面のスケールや酸素富化層を除去するに際し、シリコン、銅の一種または二種を10ppm以上、10000ppm以下含む硝弗酸水溶液により酸洗することを特徴とするチタンまたはチタン合金板の酸洗方法。
【請求項2】
前記硝弗酸水溶液における、弗酸濃度を0.1〜5重量%、硝酸濃度を0.5〜30重量%とする請求項1に記載のチタンまたはチタン合金板の酸洗方法。
【請求項3】
前記硝弗酸水溶液が、シリコン、銅の一種または二種を10ppm以上、2000ppm以下含む請求項1または2に記載のチタンまたはチタン合金板の酸洗方法。
【請求項4】
硝弗酸水溶液に、シリコン、銅の一種または二種を10ppm以上、10000ppm以下含むことを特徴とするチタンまたはチタン合金板の酸洗液。
【請求項5】
硝弗酸水溶液に、シリコン、銅の一種または二種を10ppm以上、2000ppm以下含む請求項4に記載のチタンまたはチタン合金板の酸洗液。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−188741(P2006−188741A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−2808(P2005−2808)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】