チャック装置
【課題】串に挿した食品、例えば、ダンゴやとり塊の表面を回転しつつ満遍なく焼いたり炙ったりするときに好適な串棒のチャック装置を提供する。
【解決手段】本願チャック装置は、同一高さに配列された複数の回転ドラムを備え、該各回転ドラム内にはドラム面の中心穴を通して挿し込まれた串先を把持するバネ体を一体回転可能に設けたことを特徴とし、ドラム面の中心穴に串先を挿すだけで串棒を把持回転させることができ、セット作業を迅速化する。ダンゴやとり塊と一緒に串棒の回転を即時に自動的に行わせ、串ダンゴや串焼きとりの焼き作業が他の仕込み作業や客への接待などと併行でき、しかも、これらの食品に火の当たらない部位ができたり、芯まで火が通らなかったり、２面しか焦げ目が付かなかったり、ある面だけが焦げ過ぎたり、串棒が燃えてしまったりすることが一切なく、これらの食品の見た目や姿が美しく、味も均一化する。
【解決手段】本願チャック装置は、同一高さに配列された複数の回転ドラムを備え、該各回転ドラム内にはドラム面の中心穴を通して挿し込まれた串先を把持するバネ体を一体回転可能に設けたことを特徴とし、ドラム面の中心穴に串先を挿すだけで串棒を把持回転させることができ、セット作業を迅速化する。ダンゴやとり塊と一緒に串棒の回転を即時に自動的に行わせ、串ダンゴや串焼きとりの焼き作業が他の仕込み作業や客への接待などと併行でき、しかも、これらの食品に火の当たらない部位ができたり、芯まで火が通らなかったり、２面しか焦げ目が付かなかったり、ある面だけが焦げ過ぎたり、串棒が燃えてしまったりすることが一切なく、これらの食品の見た目や姿が美しく、味も均一化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、串に挿した食品、例えば、ダンゴやとり塊の表面を回転しつつ満遍なく焼いたり炙ったりするときに好適な串棒のチャック装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
串棒に刺した食品を焼いたり炙ったりする際、表面を満遍なく火に当てるように回転させることが重要である。食品に火の当たらない部位ができたり、芯まで火が通らなかったり、２面しか焦げ目が付かなかったり、ある面だけが焦げ過ぎたり、串棒が燃えてしまったりすることがあると、食品として好ましくなかったばかりでなく、見た目や姿が悪く、味も不均一となった。このため、この種の食品では、常に、串棒を回転させ、食品の焼き具合を監視する必要があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、串ダンゴや串焼きとりは、焼き上がる（芯まで火が通す）までには所定の時間が掛かるが、その時間中も串棒を回転させたり、食品の焼き具合を確認し続けるため、その作業に掛かり切りになり、他の仕込み作業や客への接待などに少なからず支障をきたしていた。
【０００４】
本発明は上記の問題を解消するためのもので、その目的とするところは、串を回転させる作業を自動的に行わせ、串ダンゴや串焼きとりが他の仕込み作業や客への接待などと併行して行えるようにした串棒のチャック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記目的を達成するため、本発明に係るチャック装置は、同一高さに配列された複数の回転ドラムを備え、該各回転ドラム内にはドラム面の中心穴を通して挿し込まれた串先を把持するバネ体を一体回転可能に設けたことを特徴とし、ドラム面の中心穴に串先を挿すだけで迅速に串棒を把持回転させ得るように構成した。
【０００６】
また、請求項２に記載のチャック装置は、前記バネ体が、嘴型バネと、該嘴型バネのくちばし部をバネに抗して半開き状に拡開させた平面凹型板とからなり、該平面凹型板の両翼部の先端をドラム面の中心穴を挟んで対設した小穴に係合してなることを特徴とし、ドラム面の中心穴から串先を軽く挿すだけで容易に把持できるように構成した。
【０００７】
更に、請求項３に記載のチャック装置は、前記複数の回転ドラムが、１つの動力源からチェーン連繋した各スプロケットと、フレームに支持された中空ボルトを貫通したスプロケット軸を介して回転ドラムの背側に螺合した背板と一体に連結したことを特徴とし、複数の回転ドラムが一つの動力源で同速にて回転できるとともに構造至簡に構成した。
【０００８】
更にまた、請求項４に記載のチャック装置は、前記回転ドラムのドラム面の中心穴が、外面から内面に向けて狭窄したテーパー状になっていることを特徴とし、ドラム面の外面の穴径を大きくし、串をラフに刺すことができるように構成した。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、同一高さに配列された複数の回転ドラムを備え、該各回転ドラム内にはドラム面の中心穴を通して挿し込まれた串先を把持するバネ体を一体回転可能に設けたことを特徴としているから、ドラム面の中心穴に串先を挿すだけで串棒を把持回転させることができ、セット作業を迅速化するとともに、ダンゴやとり塊と一緒に串棒の回転を即時に自動的に行わせることが可能となる。したがって、串ダンゴや串焼きとりの焼き作業が他の仕込み作業や客への接待などと併行でき、しかも、これらの食品に火の当たらない部位ができたり、芯まで火が通らなかったり、２面しか焦げ目が付かなかったり、ある面だけが焦げ過ぎたり、串棒が燃えてしまったりすることが一切なく、これらの食品の見た目や姿が美しく、味も均一化するという優れた効果を奏する。
【００１０】
また、請求項２に記載の発明によれば、前記バネ体が、嘴型バネと、該嘴型バネのくちばし部をバネに抗して半開き状に拡開させた平面凹型板とからなり、該平面凹型板の両翼部の先端をドラム面の中心穴を挟んで対設した小穴に係合してなることを特徴としているから、ドラム面の中心穴から串先を軽く挿すだけで半開き状に拡開したくちばし部に容易に把持させることができるという優れた効果を奏する。
【００１１】
更に、請求項３に記載の発明によれば、前記複数の回転ドラムが、１つの動力源からチェーン連繋した各スプロケットと、フレームに支持された中空ボルトを貫通したスプロケット軸を介して回転ドラムの背側に螺合した背板と一体に連結したことを特徴としているから、各回転ドラムを同速にて回転させることができ、各串の焼き具合を一定化できるとともに装置全体が構造至簡になるという優れた効果を奏する。
【００１２】
更にまた、請求項４に記載の発明によれば、前記回転ドラムのドラム面の中心穴が、外面から内面に向けて狭窄したテーパー状になっていることを特徴としているから、ドラム面の外面の穴径を大きくし、串棒の先端が多少ズレても即時中心に修正できるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
次に、本発明の実施の態様を添付図面に基づいて説明する。図１は本願チャック装置の外観を示す部分斜視図、図２は回転ドラムの一部切欠分解斜視図、図３は串先を把持している状態の回転ドラムの縦断側面図、図４は串先を把持している状態の回転ドラムの横断平面図、図５は回転ドラムの動力源及びチェーン連繋状態を示す背板を外した裏面図である。
【００１４】
本願チャック装置１は、図１の如く、フレーム２に同一高さに配列された複数個の回転ドラム３を備えている。これらの回転ドラム３は、１つの動力源４からチェーン５により連繋して回転する各スプロケット６を持つ駆動部により一体的に回転されるようになっている（図５参照）。この駆動部は、前記フレーム２に取り付けた天井板２ａと背面板２ｂ及び側板２ｃによりカバーされ、駆動油等の飛び散ることや埃などの侵入を有効に防止している。
【００１５】
前記本願チャック装置１の回転ドラム３の前方には、火種（ガスバーナー、炭、電器など）が設備された細長コンロＫが置かれ、前記回転ドラム３のドラム面３ａに設けた中心穴７に挿し込んだダンゴ串棒（とり塊の串棒）８の基部を、コンロＫの手前上縁に立ち上げた支持板Ｓの凹溝Ｓ′に載置できるようにしている。換言すれば、ダンゴ串棒８はコンロＫを挟んで支持板Ｓの凹溝Ｓ′と、回転ドラム３との間に渡されている。
【００１６】
前記回転ドラム３内には、そのドラム面３ａに設けた中心穴７を通して挿し込まれた串棒８の先端（焼きとり用串は尖鋭、ダンゴ用串は非尖鋭）８ａを把持するバネ体９が一体回転可能に設けられている。このバネ体９は、いわゆるバインダークリップ（ＬＩＯＮ＝文房具）として市販されているものから、把手となる針金を取り除いてなる嘴型バネを利用している。すなわち、嘴型バネ１０には平面凹型板１１を噛ませてくちばし部１０ａを半開き（通った串先を把持できる程度）にし、かつ、その平面凹型板１１の両脇１１ａ、１１ｂの先端を、ドラム面３ａの中心穴７を挟んで左右に対設した小穴１２ａ、１２ｂに係合し、回転ドラム３とバネ体９とが一体回転可能にしている。
【００１７】
前記平面凹型板１１を、嘴型バネ１０に、図２の如く、噛ませ易くするため、その両脇１１ａ、１１ｂのうち、少なくとも一方の外側を外に向けて薄くなるように加工しておくと良い。また、前記平面凹型板１１は、その凹部の中央に突起１１ｃを設け、ダンゴ串棒８の先端８ａが突き当たるように構成している。すなわち、ダンゴ串棒８の場合には、最先のダンゴＤから先の先端８ａまでの寸法をほぼ８ｍｍとするが、焼きとり用の串棒８の先端８ａでは特に決められていないため、平面凹型板１１に凹部中央の突起は取り除かれることとな。
【００１８】
前記平面凹型板１１を嘴型バネ１０に噛ませてくちばし部１０ａを、前述の如く、半開きにしたのは、前記ドラム面３ａの中心穴７から挿し込んだ串棒８の先端８ａをバネのくちばし部１０ａをこじ開けて把持させるに比して、スムーズに入り込ませ、かつ、把持させるようにするためである。また、前記中心穴７をドラム面３ａの外面から内面に向けて狭窄したテーパー状にしたのは、外面の穴径を大きくし、串棒８の先端８ａが、中心穴７から多少ズレても、すなわち、ラフに挿入しても、中心向けてに修正できるようにするためである。
【００１９】
前記回転ドラム３の駆動部を構成するスプロケット６は、図３、図４の如く、フレーム２を挟んでナット１３、１４により固定された中空ボルト（中空軸）１５を貫通したスプロケット軸１６を介して前記回転ドラム３の背側に螺合した背板（キャップ体）１７に一体に連結し、該スプロケット６の回転が回転ドラム３にそのまま伝達されるようになっている。このスプロケット６は、前記回転ドラム３背側に螺合した背板（キャップ体）１７が締まる方向に回転するように駆動されることは勿論である。
【００２０】
前記嘴型バネ１０は、回転ドラム３のドラム面３ａの小穴１２ａ、１２ｂに、嘴型バネ１０に噛ませた平面凹型板１１の両脇１１ａ、１１ｂの先端が係合することにより回転ドラム３と一体化し、かつ、回転ドラム３の背側に螺合した背板（キャップ体）１７の内面により安定的に押えられている。
【実施例】
【００２１】
いま、１５ｍｍφのダンゴ４個を連珠状に刺したダンゴ串棒８の基部を手指で把持し、その先端８ａを一定方向に駆動されている回転ドラム３のドラム面３ａに設けた中心穴７に、火種（ガスバーナを燃焼）のある細長コンロを跨いで挿し込むと、回転ドラム３内にはこれと一体回転可能に設置されているバネ体９を構成する嘴型バネ１０の半開きになっているくちばし部１０ａに把持され、串棒８が回されるから、その串棒８の基部をコンロの手前上縁に立ち上げた支持板Ｓの凹溝Ｓ′にソット載置するようにすると、ダンゴ串棒８火種のあるコンロ上でそのまま回転し続ける。
【００２２】
上記作業は、予め、ダンゴ４個を連珠状に刺したダンゴ串が多数用意されていると、串棒８の基部を持ってその先端８ａを回転ドラム３のドラム面３ａに設けた中心穴７に挿し込むだけであり、素人であっても簡単であり、実験の結果、素人でも１分間に３０本が挿せることが判った。
【００２３】
また、次々と挿し込まれた串棒８のダンゴは、その挿した順から焼き上がるが、焦げ目が満遍なく付くので、その姿が美麗であることが判ったし、更に、回転しつつ加熱されるため、火がダンゴの芯まで通る時間と焦げ目がきれいにできる具合とのズレが少ないことも判った。
【産業上の利用可能性】
【００２４】
本願チャック装置１は、ダンゴやとり塊を串棒に刺して準備しておく限り、コンロに掛けるセット作業が手早く行え、ダンゴやとり塊を満遍なく焼くために串棒を回転させる作業が自動的となり、他の仕込み作業や客への接待作業と併行できる。したがって、串ダンゴや焼きとりを出す居酒屋やレストラン等において極めて有効であり、広く産業に利用できることから産業上の利用可能性は極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】本願チャック装置の外観を示す部分斜視図である。
【図２】回転ドラムの一部切欠分解斜視図である。
【図３】串先を把持している状態の回転ドラムの縦断側面図である。
【図４】串先を把持している状態の回転ドラムの横断平面図である。
【図５】回転ドラムの動力源及びチェーン連繋状態を示す背板を外した裏面図である。
【符号の説明】
【００２６】
１ 本願チャック装置
２ フレーム
２ａ 天井板
２ｂ 背面板
２ｃ 側板
３ 回転ドラム
３ａ ドラム面
４ 動力源
５ チェーン
６ スプロケット
７ 中心穴
８ 串棒
９ バネ体
１０ 嘴型バネ
１０ａ くちばし部
１１ 平面凹型板
１１ａ、１１ｂ 平面凹型板の両脇部
１２ａ、１２ｂ 小穴
１３、１４ ナット
１５ 中空ボルト（中空軸）
１６ スプロケット軸
１７ 背板（キャップ体）
Ｋ 細長コンロ
Ｓ 支持板
Ｓ′ 凹溝
【技術分野】
【０００１】
本発明は、串に挿した食品、例えば、ダンゴやとり塊の表面を回転しつつ満遍なく焼いたり炙ったりするときに好適な串棒のチャック装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
串棒に刺した食品を焼いたり炙ったりする際、表面を満遍なく火に当てるように回転させることが重要である。食品に火の当たらない部位ができたり、芯まで火が通らなかったり、２面しか焦げ目が付かなかったり、ある面だけが焦げ過ぎたり、串棒が燃えてしまったりすることがあると、食品として好ましくなかったばかりでなく、見た目や姿が悪く、味も不均一となった。このため、この種の食品では、常に、串棒を回転させ、食品の焼き具合を監視する必要があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、串ダンゴや串焼きとりは、焼き上がる（芯まで火が通す）までには所定の時間が掛かるが、その時間中も串棒を回転させたり、食品の焼き具合を確認し続けるため、その作業に掛かり切りになり、他の仕込み作業や客への接待などに少なからず支障をきたしていた。
【０００４】
本発明は上記の問題を解消するためのもので、その目的とするところは、串を回転させる作業を自動的に行わせ、串ダンゴや串焼きとりが他の仕込み作業や客への接待などと併行して行えるようにした串棒のチャック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記目的を達成するため、本発明に係るチャック装置は、同一高さに配列された複数の回転ドラムを備え、該各回転ドラム内にはドラム面の中心穴を通して挿し込まれた串先を把持するバネ体を一体回転可能に設けたことを特徴とし、ドラム面の中心穴に串先を挿すだけで迅速に串棒を把持回転させ得るように構成した。
【０００６】
また、請求項２に記載のチャック装置は、前記バネ体が、嘴型バネと、該嘴型バネのくちばし部をバネに抗して半開き状に拡開させた平面凹型板とからなり、該平面凹型板の両翼部の先端をドラム面の中心穴を挟んで対設した小穴に係合してなることを特徴とし、ドラム面の中心穴から串先を軽く挿すだけで容易に把持できるように構成した。
【０００７】
更に、請求項３に記載のチャック装置は、前記複数の回転ドラムが、１つの動力源からチェーン連繋した各スプロケットと、フレームに支持された中空ボルトを貫通したスプロケット軸を介して回転ドラムの背側に螺合した背板と一体に連結したことを特徴とし、複数の回転ドラムが一つの動力源で同速にて回転できるとともに構造至簡に構成した。
【０００８】
更にまた、請求項４に記載のチャック装置は、前記回転ドラムのドラム面の中心穴が、外面から内面に向けて狭窄したテーパー状になっていることを特徴とし、ドラム面の外面の穴径を大きくし、串をラフに刺すことができるように構成した。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、同一高さに配列された複数の回転ドラムを備え、該各回転ドラム内にはドラム面の中心穴を通して挿し込まれた串先を把持するバネ体を一体回転可能に設けたことを特徴としているから、ドラム面の中心穴に串先を挿すだけで串棒を把持回転させることができ、セット作業を迅速化するとともに、ダンゴやとり塊と一緒に串棒の回転を即時に自動的に行わせることが可能となる。したがって、串ダンゴや串焼きとりの焼き作業が他の仕込み作業や客への接待などと併行でき、しかも、これらの食品に火の当たらない部位ができたり、芯まで火が通らなかったり、２面しか焦げ目が付かなかったり、ある面だけが焦げ過ぎたり、串棒が燃えてしまったりすることが一切なく、これらの食品の見た目や姿が美しく、味も均一化するという優れた効果を奏する。
【００１０】
また、請求項２に記載の発明によれば、前記バネ体が、嘴型バネと、該嘴型バネのくちばし部をバネに抗して半開き状に拡開させた平面凹型板とからなり、該平面凹型板の両翼部の先端をドラム面の中心穴を挟んで対設した小穴に係合してなることを特徴としているから、ドラム面の中心穴から串先を軽く挿すだけで半開き状に拡開したくちばし部に容易に把持させることができるという優れた効果を奏する。
【００１１】
更に、請求項３に記載の発明によれば、前記複数の回転ドラムが、１つの動力源からチェーン連繋した各スプロケットと、フレームに支持された中空ボルトを貫通したスプロケット軸を介して回転ドラムの背側に螺合した背板と一体に連結したことを特徴としているから、各回転ドラムを同速にて回転させることができ、各串の焼き具合を一定化できるとともに装置全体が構造至簡になるという優れた効果を奏する。
【００１２】
更にまた、請求項４に記載の発明によれば、前記回転ドラムのドラム面の中心穴が、外面から内面に向けて狭窄したテーパー状になっていることを特徴としているから、ドラム面の外面の穴径を大きくし、串棒の先端が多少ズレても即時中心に修正できるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
次に、本発明の実施の態様を添付図面に基づいて説明する。図１は本願チャック装置の外観を示す部分斜視図、図２は回転ドラムの一部切欠分解斜視図、図３は串先を把持している状態の回転ドラムの縦断側面図、図４は串先を把持している状態の回転ドラムの横断平面図、図５は回転ドラムの動力源及びチェーン連繋状態を示す背板を外した裏面図である。
【００１４】
本願チャック装置１は、図１の如く、フレーム２に同一高さに配列された複数個の回転ドラム３を備えている。これらの回転ドラム３は、１つの動力源４からチェーン５により連繋して回転する各スプロケット６を持つ駆動部により一体的に回転されるようになっている（図５参照）。この駆動部は、前記フレーム２に取り付けた天井板２ａと背面板２ｂ及び側板２ｃによりカバーされ、駆動油等の飛び散ることや埃などの侵入を有効に防止している。
【００１５】
前記本願チャック装置１の回転ドラム３の前方には、火種（ガスバーナー、炭、電器など）が設備された細長コンロＫが置かれ、前記回転ドラム３のドラム面３ａに設けた中心穴７に挿し込んだダンゴ串棒（とり塊の串棒）８の基部を、コンロＫの手前上縁に立ち上げた支持板Ｓの凹溝Ｓ′に載置できるようにしている。換言すれば、ダンゴ串棒８はコンロＫを挟んで支持板Ｓの凹溝Ｓ′と、回転ドラム３との間に渡されている。
【００１６】
前記回転ドラム３内には、そのドラム面３ａに設けた中心穴７を通して挿し込まれた串棒８の先端（焼きとり用串は尖鋭、ダンゴ用串は非尖鋭）８ａを把持するバネ体９が一体回転可能に設けられている。このバネ体９は、いわゆるバインダークリップ（ＬＩＯＮ＝文房具）として市販されているものから、把手となる針金を取り除いてなる嘴型バネを利用している。すなわち、嘴型バネ１０には平面凹型板１１を噛ませてくちばし部１０ａを半開き（通った串先を把持できる程度）にし、かつ、その平面凹型板１１の両脇１１ａ、１１ｂの先端を、ドラム面３ａの中心穴７を挟んで左右に対設した小穴１２ａ、１２ｂに係合し、回転ドラム３とバネ体９とが一体回転可能にしている。
【００１７】
前記平面凹型板１１を、嘴型バネ１０に、図２の如く、噛ませ易くするため、その両脇１１ａ、１１ｂのうち、少なくとも一方の外側を外に向けて薄くなるように加工しておくと良い。また、前記平面凹型板１１は、その凹部の中央に突起１１ｃを設け、ダンゴ串棒８の先端８ａが突き当たるように構成している。すなわち、ダンゴ串棒８の場合には、最先のダンゴＤから先の先端８ａまでの寸法をほぼ８ｍｍとするが、焼きとり用の串棒８の先端８ａでは特に決められていないため、平面凹型板１１に凹部中央の突起は取り除かれることとな。
【００１８】
前記平面凹型板１１を嘴型バネ１０に噛ませてくちばし部１０ａを、前述の如く、半開きにしたのは、前記ドラム面３ａの中心穴７から挿し込んだ串棒８の先端８ａをバネのくちばし部１０ａをこじ開けて把持させるに比して、スムーズに入り込ませ、かつ、把持させるようにするためである。また、前記中心穴７をドラム面３ａの外面から内面に向けて狭窄したテーパー状にしたのは、外面の穴径を大きくし、串棒８の先端８ａが、中心穴７から多少ズレても、すなわち、ラフに挿入しても、中心向けてに修正できるようにするためである。
【００１９】
前記回転ドラム３の駆動部を構成するスプロケット６は、図３、図４の如く、フレーム２を挟んでナット１３、１４により固定された中空ボルト（中空軸）１５を貫通したスプロケット軸１６を介して前記回転ドラム３の背側に螺合した背板（キャップ体）１７に一体に連結し、該スプロケット６の回転が回転ドラム３にそのまま伝達されるようになっている。このスプロケット６は、前記回転ドラム３背側に螺合した背板（キャップ体）１７が締まる方向に回転するように駆動されることは勿論である。
【００２０】
前記嘴型バネ１０は、回転ドラム３のドラム面３ａの小穴１２ａ、１２ｂに、嘴型バネ１０に噛ませた平面凹型板１１の両脇１１ａ、１１ｂの先端が係合することにより回転ドラム３と一体化し、かつ、回転ドラム３の背側に螺合した背板（キャップ体）１７の内面により安定的に押えられている。
【実施例】
【００２１】
いま、１５ｍｍφのダンゴ４個を連珠状に刺したダンゴ串棒８の基部を手指で把持し、その先端８ａを一定方向に駆動されている回転ドラム３のドラム面３ａに設けた中心穴７に、火種（ガスバーナを燃焼）のある細長コンロを跨いで挿し込むと、回転ドラム３内にはこれと一体回転可能に設置されているバネ体９を構成する嘴型バネ１０の半開きになっているくちばし部１０ａに把持され、串棒８が回されるから、その串棒８の基部をコンロの手前上縁に立ち上げた支持板Ｓの凹溝Ｓ′にソット載置するようにすると、ダンゴ串棒８火種のあるコンロ上でそのまま回転し続ける。
【００２２】
上記作業は、予め、ダンゴ４個を連珠状に刺したダンゴ串が多数用意されていると、串棒８の基部を持ってその先端８ａを回転ドラム３のドラム面３ａに設けた中心穴７に挿し込むだけであり、素人であっても簡単であり、実験の結果、素人でも１分間に３０本が挿せることが判った。
【００２３】
また、次々と挿し込まれた串棒８のダンゴは、その挿した順から焼き上がるが、焦げ目が満遍なく付くので、その姿が美麗であることが判ったし、更に、回転しつつ加熱されるため、火がダンゴの芯まで通る時間と焦げ目がきれいにできる具合とのズレが少ないことも判った。
【産業上の利用可能性】
【００２４】
本願チャック装置１は、ダンゴやとり塊を串棒に刺して準備しておく限り、コンロに掛けるセット作業が手早く行え、ダンゴやとり塊を満遍なく焼くために串棒を回転させる作業が自動的となり、他の仕込み作業や客への接待作業と併行できる。したがって、串ダンゴや焼きとりを出す居酒屋やレストラン等において極めて有効であり、広く産業に利用できることから産業上の利用可能性は極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】本願チャック装置の外観を示す部分斜視図である。
【図２】回転ドラムの一部切欠分解斜視図である。
【図３】串先を把持している状態の回転ドラムの縦断側面図である。
【図４】串先を把持している状態の回転ドラムの横断平面図である。
【図５】回転ドラムの動力源及びチェーン連繋状態を示す背板を外した裏面図である。
【符号の説明】
【００２６】
１ 本願チャック装置
２ フレーム
２ａ 天井板
２ｂ 背面板
２ｃ 側板
３ 回転ドラム
３ａ ドラム面
４ 動力源
５ チェーン
６ スプロケット
７ 中心穴
８ 串棒
９ バネ体
１０ 嘴型バネ
１０ａ くちばし部
１１ 平面凹型板
１１ａ、１１ｂ 平面凹型板の両脇部
１２ａ、１２ｂ 小穴
１３、１４ ナット
１５ 中空ボルト（中空軸）
１６ スプロケット軸
１７ 背板（キャップ体）
Ｋ 細長コンロ
Ｓ 支持板
Ｓ′ 凹溝
【特許請求の範囲】
【請求項１】
同一高さに配列された複数の回転ドラムを備え、その各回転ドラム内にはドラム面の中心穴を通して挿し込まれた串先を把持するバネ体を一体回転可能に設けたことを特徴とするチャック装置。
【請求項２】
前記バネ体が、嘴型バネと、該嘴型バネのくちばし部をバネに抗して半開き状に拡開させた平面凹型板とからなり、該平面凹型板の両翼部の先端をドラム面の中心穴を挟んで対設した小穴に係合してなることを特徴とする請求項１に記載のチャック装置。
【請求項３】
前記複数の回転ドラムが、１つの動力源からチェーン連繋した各スプロケットと、フレームに支持された中空ボルトを貫通したスプロケット軸を介して回転ドラムの背側に螺合した背板と一体に連結したことを特徴とする請求項１又は２に記載のチャック装置。
【請求項４】
前記回転ドラムのドラム面の中心穴が、外面から内面に向けて狭窄したテーパー状になっていることを特徴とする請求項１〜３のうちの１に記載のチャック装置。
【請求項１】
同一高さに配列された複数の回転ドラムを備え、その各回転ドラム内にはドラム面の中心穴を通して挿し込まれた串先を把持するバネ体を一体回転可能に設けたことを特徴とするチャック装置。
【請求項２】
前記バネ体が、嘴型バネと、該嘴型バネのくちばし部をバネに抗して半開き状に拡開させた平面凹型板とからなり、該平面凹型板の両翼部の先端をドラム面の中心穴を挟んで対設した小穴に係合してなることを特徴とする請求項１に記載のチャック装置。
【請求項３】
前記複数の回転ドラムが、１つの動力源からチェーン連繋した各スプロケットと、フレームに支持された中空ボルトを貫通したスプロケット軸を介して回転ドラムの背側に螺合した背板と一体に連結したことを特徴とする請求項１又は２に記載のチャック装置。
【請求項４】
前記回転ドラムのドラム面の中心穴が、外面から内面に向けて狭窄したテーパー状になっていることを特徴とする請求項１〜３のうちの１に記載のチャック装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１１−１０９５９（Ｐ２０１１−１０９５９Ａ）
【公開日】平成２３年１月２０日（２０１１．１．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１５９２２９（Ｐ２００９−１５９２２９）
【出願日】平成２１年７月３日（２００９．７．３）
【出願人】（５９９００４２９８）有限会社町田工業所 (4)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１月２０日（２０１１．１．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年７月３日（２００９．７．３）
【出願人】（５９９００４２９８）有限会社町田工業所 (4)
【Ｆターム（参考）】
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