チャネル構造を有する半導体素子
【目的】 半導体素子が比較的小面積の単位素子となる区画を多数集積された構造を有し、かつ区画が共通の電極により並列接続される場合に、各区画の素子のオン電圧を均一化する、チャネル構造を有する半導体素子を提供することを目的とする。
【構成】 半導体単結晶の{111}面に半導体素子の区画が多数配設され、区画内にゲート領域で囲まれた格子状のチャネルが形成される構成において、チャネルの長辺が結晶の<112>方向にほぼ垂直となるように、好ましくは90°±10°となるように配設することを特徴とするチャネル構造を有する半導体素子としての構成を有する。
【構成】 半導体単結晶の{111}面に半導体素子の区画が多数配設され、区画内にゲート領域で囲まれた格子状のチャネルが形成される構成において、チャネルの長辺が結晶の<112>方向にほぼ垂直となるように、好ましくは90°±10°となるように配設することを特徴とするチャネル構造を有する半導体素子としての構成を有する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子に関し、特に単位素子を構成する区画内のチャネル配設構造に特徴を有するチャネル構造を有する半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自己ターンオフ機能を有するSI(Static Induction,静電誘導) サイリスタやゲートターンオフサイリスタは、比較的小面積の単位素子を構成する区画を同一の半導体単結晶基板上に多数製作し、共通のカソード電極で、各区画の単位素子が並列接続される。各区画の単位素子は一斉にターンオン, ターンオフさせるべく均一な特性であることが要求される。そのために、半導体接合の不純物濃度及び厚さの均一化や区画の配設方法等での工夫が行われているが、さらにSIサイリスタでは、区画内のチャネル配設構造における配慮が必要である。
【0003】図16は、従来のSIサイリスタの一例の一区画分の断面斜視図を示し、2はn形高抵抗層領域, 3はp形低抵抗のアノード領域, 4はn形中抵抗のバッファ領域, 5はp形のゲート (制御) 領域, 6はn形領域, 7はn形低抵抗のカソード領域, 8はチャネル領域である。
【0004】n形領域6の層の上部には、n形低抵抗からなるカソード領域7の層が重ねられてその上面にカソード電極11が配設され、そしてアノード領域3の上面にアノード電極9が設けられる。更に、各区画のカソード領域7とn形領域6の両層の周辺部は取り除かれ、格子状のゲート領域5の周辺部が露出されており、この露出面にゲート電極10が設けられている。
【0005】このように構成された多数の区画が単一の半導体基板内に多数配設されてSIサイリスタを形成している。図17は区画の配設例を示す図であって、ゲート領域5とチャネル領域8及びゲート電極10の内縁を取出して表わされた区画が3重のリング上に放射状に任意の角度θの位置に配設される。そして格子状のチャネル領域8の長さAの方向が、ゲート電極10の内縁に、ほぼ垂直になるように配設されている。
【0006】長さA=数百μmのチャネルが、区間B≒3mmの中に約100個並列配置された区画が、3重リングで合計数百個程度配設される。全ての区画のカソード電極は共通の電極が圧接されて並列接続される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】SIサイリスタ等の半導体素子が製作される半導体結晶の面方向 (図17に示される面) が{111}面の場合に、図16及び図17に示される素子の区画のオン電圧のばらつきは1割程度あることが特に埋込みゲートSIサイリスタにおいて実験の結果明らかになった。
【0008】図18に区画のオン電圧分布例を示す。このSIサイリスタの耐電圧特性はオフ電圧が2.5 kV級であって、ゲート・カソード間の耐電圧は約 100Vである。
【0009】図18のオン電圧分布において、図16の区画の配設角度θによりオン電圧が異り、角度が60°を周期として、VT に大・小のくり返し傾向が見られる。
【0010】区画のオン電圧のばらつきにより、素子全体のオン電圧が大きくなること、またオン電流分布が不均一になることから、ターンオン,ターンオフ動作が区画間で、不揃いになりやすい等の問題がある。
【0011】本発明の目的は、小半導体素子を構成する多数の区画のチャネル当りのオン電流を均一化し、オン電圧を比較的低い値に均一化するとともに、オン電流が均一化されることによりターンオン損失の低減化及びターンオフ特性及び可制御耐量が改善されたチャネル構造を有する半導体素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】半導体単結晶の{111}面にゲート領域で囲まれた格子状のチャネルが形成される場合に、チャネルの長辺が結晶の<112>方向にほぼ垂直となるように、好ましくは90°±10°となるように配設することを特徴とする。
【0013】従って、本発明の構成は以下に示す通りである。即ち、本発明は、半導体単結晶の{111}面に一導電形の制御領域で囲まれるチャネル構造が形成される半導体素子において、チャネル構造の実質的な長辺方向が、{111}面上において結晶の<112>方向にほぼ垂直となされたことを特徴とするチャネル構造を有する半導体素子としての構成を有する。
【0014】或いはまた、チャネル構造の実質的な長辺方向が結晶の<112>方向に対して90°±10°に形成されることを特徴とするチャネル構造を有する半導体素子としての構成を有する。
【0015】或いはまた、前記チャネル構造が放射状に配設されることを特徴とするチャネル構造を有する半導体素子としての構成を有する。
【0016】或いはまた、チャネル構造を囲み、ゲート領域に接触するゲート電極の内側の縁の実質的な長辺が結晶の<112>方向又は、<112>方向に対してほぼ垂直になされることを特徴とするチャネル構造を有する半導体素子としての構成を有する。
【0017】
【作用】図18のSIサイリスタの区画のオン電圧分布から、シリコン半導体単結晶の{111}面に形成された区画の長辺方向が結晶方向<112>にほぼ一致する場合のオン電圧が低いことがわかる。一方格子状のチャネルはその長辺が、区画の長辺方向に垂直に配置されていることから、チャネルの長辺が<112>方向に、ほぼ垂直な場合に、好ましくは90°±10°の場合に、オン電圧は低いと言える。
【0018】このような実験結果の理論的な解明は未だである。しかし、Peter Vossによる、"OBSERVATION OF THE INITIAL PHASES OF THYRISTOR TURN-ON",Solid State Electronics, 1974, Vol.17, pp. 879-880 と題する論文において、通常サイリスタをシリコン半導体単結晶の{111}面に製作した場合のターンオン初期には、リング状の補助サイリスタの〔12バー1〕〔2バー11〕〔112バー〕方向にオン電流が集中することが観測されている。
【0019】これらのことから、SIサイリスタ等のチャネル構造を有する場合には、チャネルの長辺方向が、<112>方向にほぼ垂直な場合に、オン電流はチャネル全体に一様に分布することにより、オン電圧が低いことが考えられる。
【0020】以上の実験結果に基づいて、全ての区画のチャネルをその長辺が<112>方向にほぼ垂直となるように配置することによって、各区画のオン電圧は、低くなり、しかも均一化され易くなる。
【0021】
【実施例】(実施例1)SIサイリスタ等のチャネル構造を有する半導体素子の区画が、リング上に放射状に配設される場合に、チャネルの長辺を図1に示されるように、結晶の<112>方向にほぼ垂直となるように配置する。図1の配設は6回対称であるから、素子全体のチャネルの配置は全てその長辺が<112>方向に垂直となる。図1には1つのリングを示してあるが、これを同心円の多重リングとすることにより、素子の大面積化が可能となる。
【0022】(実施例2)SIサイリスタ等のチャネル構造を有する半導体素子の区画のゲート電極の縁の長辺が図2に示されるように、結晶の<112>方向であって、チャネルの長辺が<112>方向にほぼ垂直となるように配置する。図2の配設は6回対称であるから、素子全体のチャネルの配置は全てその長辺が<112>方向ほぼ垂直になる。
【0023】(実施例3)SIサイリスタ等のチャネル構造を有する半導体素子のチャネルの長辺が図3に示されるように、<112>方向にほぼ垂直であって、素子の区画の、ゲート電極の縁の長辺とほぼ平行であることを特徴とする。
【0024】本発明によるチャネル構造を有する半導体素子の特徴は多くのデバイスにおいて適用可能である。即ち、本発明はチャネル構造の形成に特徴を有し、オン電圧の均一化等が図れることからチャネル構造を有する半導体素子であれば同様にその有効性が期待できる。以下にその代表的な構造例を示す。即ち、埋込みゲートSIサイリスタ, 平面ゲートSIサイリスタ, 埋込みゲートGTO, ビームベースサイリスタ, ビームゲートサイリスタ, ダブルゲートSIサイリスタ, ダブルゲートGTO, 埋込みゲートSIT, 埋込みゲート構造を有するバイポーラトランジスタ等においても同様に適用され、有効である。以下、図4乃至図15に本発明によるチャネル構造を有する半導体素子のチャネル近傍の模式的構造図或いはダブルゲート素子の模式的構造図の例を示す。
【0025】(構造例1)図4は埋込みゲートSIサイリスタ (もしくはSIT) の一区画分の模式的構造図であり、図1乃至図3等と対応している。{111}面に対して、<112>方向に一区画分の長手方向が配置され、各チャネルは<112>方向に対して実質的にほぼ垂直に配置されている。
【0026】図4において7はSIサイリスタのカソード領域もしくはSITのソース領域であり、3は同様にSIサイリスタのアノード領域もしくはSITのドレイン領域である。5は制御 (ゲート) 領域, 6はn形領域, 8はチャネル領域, 2は高抵抗層領域である。{111}面上において、チャネル領域8の長手方向は<112>方向に90°±10°内に形成され、ゲート電極の実質的な長手方向は、<112>方向に配置され、チャネル領域8の長手方向と実質的に垂直になされている。尚、図4においてはカソード (ソース) 電極, ゲート電極, アノード(ドレイン)電極については省略している。
【0027】(構造例2)図5は埋込みゲートGTO (もしくはバイポーラトランジスタ) の一構造例を示し、一区画分の模式的構造図である。平面的な配置パターンは図1乃至図3等と同様に対応している。
【0028】図5の構造的特徴は、pベース層50中にp+ ゲート領域5が埋込まれている点である。チャネル領域8は図4と同様に形成されており、その長手方向は<112>方向に対して実質的に垂直 (90°±10°内) である。領域3はGTOのアノード領域もしくはバイポーラトランジスタのコレクタ領域として働き、領域7はGTOのカソード領域もしくはバイポーラトランジスタのエミッタ領域として働く。各電極については省略してある。
【0029】(構造例3)図6の構造はビームベース(ゲート)サイリスタもしくはビームベース(ゲート)トランジスタの一区画分の模式的構造図である。図6の構造的特徴はpベース層50に接してp+ ゲート領域5がビームベース(ゲート)状に配置されている点である。{111}面上においてチャネル領域8の長手方向は<112>方向に実質的に垂直である。7はサイリスタのカソード領域もしくはトランジスタのエミッタ領域として働き、3はサイリスタのアノード領域もしくはトランジスタのコレクタ領域として働く。各電極については省略してある。
【0030】(構造例4)図7は図6と同様のビームベース(ゲート)サイリスタもしくはビームベース(ゲート)トランジスタの一区画分の模式的構造図である。図7R>7の構造的特徴はpベース層50とnカソード(エミッタ)7との間にpベース層50に接してp+ ビームベース(ゲート)5が配置されている点である。チャネル領域8の長手方向は{111}面上において<112>方向に対して実質的に垂直である。
【0031】(構造例5)図8はビームベース(ゲート)サイリスタもしくはビームベース(ゲート)トランジスタの一区画分の模式的構造図を示す。図8の構造的特徴は、ベース層50の厚さとビーム状のp+ ゲート5の厚さがほぼ等しく、かつ板状に形成されている点と、ベース層50はp- 層として形成され、実質的なチャネル領域8を形成している点である。6はn形領域である。3はサイリスタのアノード領域もしくはトランジスタのコレクタ領域であり、7はサイリスタのカソード領域もしくはトランジスタのソース領域である。図8の構造において、チャネル領域8の長手方向は{111}面上において<112>方向に対して実質的に垂直である。
【0032】(構造例6)図9は本発明のチャネル構造を有する半導体素子として、プレーナ構造のSIサイリスタもしくはSITの模式的構造図を示す。図9において、3はアノード領域もしくはドレイン領域,2は高抵抗層領域,5はp+ ゲート領域,8はn-チャネル領域,7はn+ カソード領域である。チャネル領域8の長手方向は{111}面上において<112>方向に対して実質的に垂直(90°±10°内)に形成されている。
【0033】(構造例7)図10はプレーナ構造のSIサイリスタもしくはSITの別の模式的構造例を示す。チャネル領域8がp- 層として形成されている点が図9と異なる。同様にチャネル領域8の長手方向は{111}面上において<112>方向に対して実質的に垂直(90°±10°内)に形成されている。
【0034】(構造例8)図11は本発明のチャネル構造を有する半導体素子としてプレーナ構造のビームベース(ゲート)GTOもしくはビームベース(ゲート)トランジスタの模式的構造図を示す。図11の構造的特徴は、ベース層50の表面において、ビーム状のベース(ゲート)構造(p+ 領域)5が形成されている点である。2は高抵抗層であり、3はアノード領域もしくはコレクタ領域、7はカソード領域もしくはエミッタ領域である。p+ ゲート5に挟まれた領域にチャネル領域8が形成されている。図11においても、チャネル領域8の長手方向は{111}面上において<112>方向に実質的に垂直(90°±10°)に配置されている。
【0035】(構造例9)図12は本発明のチャネル構造を有する半導体素子として、ダブルゲート構造のSIサイリスタの一区画分の模式的構造図である。図12において51は第1ゲート領域,52は第2ゲート領域を示し、81は第1チャネル領域,82は第2チャネル領域を示す。3はアノード領域,7はカソード領域,2は高抵抗層領域を示す。図12の構造においては、第1ゲート領域51及び第2ゲート領域52はともにほぼ平行に埋込まれて形成されており、従って、第1チャネル領域81及び第2チャネル領域82も実質的に対向しており、ほぼ平行に形成されている。第1チャネル領域,第2チャネル領域の長手方向は、{111}面上において<112>方向に対して実質的に垂直になるように配置されている。ダブルゲート構造は図12の構造に限定されるわけではなく、第1のゲートがプレーナ構造,第2のゲートが埋込みゲート構造であってもよく,或いはまたその逆の構造であってもよい。更にまた、両ゲートともにプレーナ構造として形成されていてもよい。本発明のチャネル構造を有する半導体素子の例としては、第1チャネル領域もしくは第2チャネル領域のいずれか一方がその長手方向において{111}面上<112>方向にほぼ垂直に形成されていてもよい。
【0036】(構造例10)図13は第1のゲートがプレーナ構造,第2のゲートが埋込み構造のダブルゲートSIサイリスタの一区画分の模式的構造図を示す。7はn+ カソード領域,51は第1のゲート領域,81は第1のチャネル領域を示す。2はn- 高抵抗層である。3はアノード領域,52は第2のゲート領域,82は第2のチャネル領域を示す。第2のゲート領域52はpアノード領域3中に埋込まれていると考えることができる。図1313においても、第1のチャネル領域81及び,第2のチャネル領域82は対向しており、その長手方向は、{111}面上において実質的に<112>方向にほぼ垂直になされている。第2ゲート領域52に対するゲート電極はアノード側主表面に形成してもよく、或いはまたカソード側主表面に形成してもよい。
【0037】(構造例11)図14は第1のゲートが埋込みゲートGTO構造,第2のゲートが埋込みゲートのSIゲート構造を有するサイリスタの一区画分の模式的構造図を示す。53は第1ベース層(p)であり、p+ 第1ゲート領域51がPベース層53中に埋込まれている。7はカソード領域,2はn- 高抵抗層である。52はn+ 第2ゲート領域であり、アノード領域3中に埋込まれている。図14の構造はダブルゲート構造の埋込みゲートGTOと考えることができる。図14において第1のチャネル領域81及び第2のチャネル領域82は互いに対向しており、その長手方向は{111}面上において、<112>方向に対して実質的に垂直となるように配置されている。
【0038】(構造例12)図15は第1ゲートがプレーナ構造のビームベース(ゲート)構造,第2ゲートが板状の埋込み構造のビームベース(ゲート)構造を有するサイリスタの一区画分の模式的構造図である。図15において、53は第1ベース層(p- )であり、54は第2ベース層(n- )を示す。51は第1ゲート領域であり、第1ベース層53とほぼ同じ厚さを有し、ビームゲート状に形成されている。52は第2ゲート領域であり、第2ベース層54とほぼ同じ厚さを有し、同じくビームゲート状に埋込まれている。図15の構造は第1ベース,第2ベースを有するダブルベース構造のサイリスタと考えることもできる。81は第1ゲート領域51で挟まれた第1のチャネル領域であり、82は第2ゲート領域52に挟まれた第2のチャネル領域である。これらの第1及び第2のチャネル領域81,82は互いに対向しており、その長手方向は{111}面上において<112>方向に実質的に垂直に配置されている。
【0039】
【発明の効果】チャネル構造を有する半導体素子を構成する多数の区画のチャネル当りのオン電流が、均一に分布する効果により次の素子特性の改善が期待される。
【0040】(1) 区画毎のオン電圧が、低い値に揃いやすくなり、ひいては素子全体のオン電圧の低減化が可能となる。
【0041】(2) ターンオンが早くなると共に、ターンオン損失の低減化が図れる。
【0042】(3) 各区画のオン電流が均一化されることにより、ターンオフ動作が揃いやすくなり、素子全体のターンオフ特性及び可制御耐量の改善を図れる。
【0043】本発明はチャネルの配置設計を変えることであって、従来の製造技術で製作可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としてのチャネル構造を有する半導体素子の区画及びチャネルの配設構造を示す平面的模式図
【図2】本発明の第2の実施例としてのチャネル構造を有する半導体素子の区画及びチャネルの配設構造を示す平面的模式図
【図3】本発明の第3の実施例としてのチャネル構造を有する半導体素子の区画及びチャネルの配設構造を示す平面的模式図
【図4】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例1)
【図5】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例2)
【図6】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例3)
【図7】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例4)
【図8】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例5)
【図9】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例6)
【図10】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例7)
【図11】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例8)
【図12】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例9)
【図13】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例10)
【図14】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例11)
【図15】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例12)
【図16】従来のSIサイリスタの一区画分の断面斜視図
【図17】図16の区画とチャネルの配設構造の平面図 (従来例)
【図18】図17の素子の各区画のオン電圧分布例
【符号の説明】
2 高抵抗層領域 (n- )(基板)
3 アノード領域 (ドレイン領域)(コレクタ領域)
4 バッファ領域
5 ゲート領域 (p型)
6 n形領域
7 カソード領域 (ソース領域)(エミッタ領域)
8 チャネル領域
9 アノード電極
10 ゲート電極
11 カソード電極
30 p- 層
50 ベース層
51 第1ゲート領域
52 第2ゲート領域
53 第1ベース層
54 第2ベース層
81 第1チャネル領域
82 第2チャネル領域
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子に関し、特に単位素子を構成する区画内のチャネル配設構造に特徴を有するチャネル構造を有する半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自己ターンオフ機能を有するSI(Static Induction,静電誘導) サイリスタやゲートターンオフサイリスタは、比較的小面積の単位素子を構成する区画を同一の半導体単結晶基板上に多数製作し、共通のカソード電極で、各区画の単位素子が並列接続される。各区画の単位素子は一斉にターンオン, ターンオフさせるべく均一な特性であることが要求される。そのために、半導体接合の不純物濃度及び厚さの均一化や区画の配設方法等での工夫が行われているが、さらにSIサイリスタでは、区画内のチャネル配設構造における配慮が必要である。
【0003】図16は、従来のSIサイリスタの一例の一区画分の断面斜視図を示し、2はn形高抵抗層領域, 3はp形低抵抗のアノード領域, 4はn形中抵抗のバッファ領域, 5はp形のゲート (制御) 領域, 6はn形領域, 7はn形低抵抗のカソード領域, 8はチャネル領域である。
【0004】n形領域6の層の上部には、n形低抵抗からなるカソード領域7の層が重ねられてその上面にカソード電極11が配設され、そしてアノード領域3の上面にアノード電極9が設けられる。更に、各区画のカソード領域7とn形領域6の両層の周辺部は取り除かれ、格子状のゲート領域5の周辺部が露出されており、この露出面にゲート電極10が設けられている。
【0005】このように構成された多数の区画が単一の半導体基板内に多数配設されてSIサイリスタを形成している。図17は区画の配設例を示す図であって、ゲート領域5とチャネル領域8及びゲート電極10の内縁を取出して表わされた区画が3重のリング上に放射状に任意の角度θの位置に配設される。そして格子状のチャネル領域8の長さAの方向が、ゲート電極10の内縁に、ほぼ垂直になるように配設されている。
【0006】長さA=数百μmのチャネルが、区間B≒3mmの中に約100個並列配置された区画が、3重リングで合計数百個程度配設される。全ての区画のカソード電極は共通の電極が圧接されて並列接続される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】SIサイリスタ等の半導体素子が製作される半導体結晶の面方向 (図17に示される面) が{111}面の場合に、図16及び図17に示される素子の区画のオン電圧のばらつきは1割程度あることが特に埋込みゲートSIサイリスタにおいて実験の結果明らかになった。
【0008】図18に区画のオン電圧分布例を示す。このSIサイリスタの耐電圧特性はオフ電圧が2.5 kV級であって、ゲート・カソード間の耐電圧は約 100Vである。
【0009】図18のオン電圧分布において、図16の区画の配設角度θによりオン電圧が異り、角度が60°を周期として、VT に大・小のくり返し傾向が見られる。
【0010】区画のオン電圧のばらつきにより、素子全体のオン電圧が大きくなること、またオン電流分布が不均一になることから、ターンオン,ターンオフ動作が区画間で、不揃いになりやすい等の問題がある。
【0011】本発明の目的は、小半導体素子を構成する多数の区画のチャネル当りのオン電流を均一化し、オン電圧を比較的低い値に均一化するとともに、オン電流が均一化されることによりターンオン損失の低減化及びターンオフ特性及び可制御耐量が改善されたチャネル構造を有する半導体素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】半導体単結晶の{111}面にゲート領域で囲まれた格子状のチャネルが形成される場合に、チャネルの長辺が結晶の<112>方向にほぼ垂直となるように、好ましくは90°±10°となるように配設することを特徴とする。
【0013】従って、本発明の構成は以下に示す通りである。即ち、本発明は、半導体単結晶の{111}面に一導電形の制御領域で囲まれるチャネル構造が形成される半導体素子において、チャネル構造の実質的な長辺方向が、{111}面上において結晶の<112>方向にほぼ垂直となされたことを特徴とするチャネル構造を有する半導体素子としての構成を有する。
【0014】或いはまた、チャネル構造の実質的な長辺方向が結晶の<112>方向に対して90°±10°に形成されることを特徴とするチャネル構造を有する半導体素子としての構成を有する。
【0015】或いはまた、前記チャネル構造が放射状に配設されることを特徴とするチャネル構造を有する半導体素子としての構成を有する。
【0016】或いはまた、チャネル構造を囲み、ゲート領域に接触するゲート電極の内側の縁の実質的な長辺が結晶の<112>方向又は、<112>方向に対してほぼ垂直になされることを特徴とするチャネル構造を有する半導体素子としての構成を有する。
【0017】
【作用】図18のSIサイリスタの区画のオン電圧分布から、シリコン半導体単結晶の{111}面に形成された区画の長辺方向が結晶方向<112>にほぼ一致する場合のオン電圧が低いことがわかる。一方格子状のチャネルはその長辺が、区画の長辺方向に垂直に配置されていることから、チャネルの長辺が<112>方向に、ほぼ垂直な場合に、好ましくは90°±10°の場合に、オン電圧は低いと言える。
【0018】このような実験結果の理論的な解明は未だである。しかし、Peter Vossによる、"OBSERVATION OF THE INITIAL PHASES OF THYRISTOR TURN-ON",Solid State Electronics, 1974, Vol.17, pp. 879-880 と題する論文において、通常サイリスタをシリコン半導体単結晶の{111}面に製作した場合のターンオン初期には、リング状の補助サイリスタの〔12バー1〕〔2バー11〕〔112バー〕方向にオン電流が集中することが観測されている。
【0019】これらのことから、SIサイリスタ等のチャネル構造を有する場合には、チャネルの長辺方向が、<112>方向にほぼ垂直な場合に、オン電流はチャネル全体に一様に分布することにより、オン電圧が低いことが考えられる。
【0020】以上の実験結果に基づいて、全ての区画のチャネルをその長辺が<112>方向にほぼ垂直となるように配置することによって、各区画のオン電圧は、低くなり、しかも均一化され易くなる。
【0021】
【実施例】(実施例1)SIサイリスタ等のチャネル構造を有する半導体素子の区画が、リング上に放射状に配設される場合に、チャネルの長辺を図1に示されるように、結晶の<112>方向にほぼ垂直となるように配置する。図1の配設は6回対称であるから、素子全体のチャネルの配置は全てその長辺が<112>方向に垂直となる。図1には1つのリングを示してあるが、これを同心円の多重リングとすることにより、素子の大面積化が可能となる。
【0022】(実施例2)SIサイリスタ等のチャネル構造を有する半導体素子の区画のゲート電極の縁の長辺が図2に示されるように、結晶の<112>方向であって、チャネルの長辺が<112>方向にほぼ垂直となるように配置する。図2の配設は6回対称であるから、素子全体のチャネルの配置は全てその長辺が<112>方向ほぼ垂直になる。
【0023】(実施例3)SIサイリスタ等のチャネル構造を有する半導体素子のチャネルの長辺が図3に示されるように、<112>方向にほぼ垂直であって、素子の区画の、ゲート電極の縁の長辺とほぼ平行であることを特徴とする。
【0024】本発明によるチャネル構造を有する半導体素子の特徴は多くのデバイスにおいて適用可能である。即ち、本発明はチャネル構造の形成に特徴を有し、オン電圧の均一化等が図れることからチャネル構造を有する半導体素子であれば同様にその有効性が期待できる。以下にその代表的な構造例を示す。即ち、埋込みゲートSIサイリスタ, 平面ゲートSIサイリスタ, 埋込みゲートGTO, ビームベースサイリスタ, ビームゲートサイリスタ, ダブルゲートSIサイリスタ, ダブルゲートGTO, 埋込みゲートSIT, 埋込みゲート構造を有するバイポーラトランジスタ等においても同様に適用され、有効である。以下、図4乃至図15に本発明によるチャネル構造を有する半導体素子のチャネル近傍の模式的構造図或いはダブルゲート素子の模式的構造図の例を示す。
【0025】(構造例1)図4は埋込みゲートSIサイリスタ (もしくはSIT) の一区画分の模式的構造図であり、図1乃至図3等と対応している。{111}面に対して、<112>方向に一区画分の長手方向が配置され、各チャネルは<112>方向に対して実質的にほぼ垂直に配置されている。
【0026】図4において7はSIサイリスタのカソード領域もしくはSITのソース領域であり、3は同様にSIサイリスタのアノード領域もしくはSITのドレイン領域である。5は制御 (ゲート) 領域, 6はn形領域, 8はチャネル領域, 2は高抵抗層領域である。{111}面上において、チャネル領域8の長手方向は<112>方向に90°±10°内に形成され、ゲート電極の実質的な長手方向は、<112>方向に配置され、チャネル領域8の長手方向と実質的に垂直になされている。尚、図4においてはカソード (ソース) 電極, ゲート電極, アノード(ドレイン)電極については省略している。
【0027】(構造例2)図5は埋込みゲートGTO (もしくはバイポーラトランジスタ) の一構造例を示し、一区画分の模式的構造図である。平面的な配置パターンは図1乃至図3等と同様に対応している。
【0028】図5の構造的特徴は、pベース層50中にp+ ゲート領域5が埋込まれている点である。チャネル領域8は図4と同様に形成されており、その長手方向は<112>方向に対して実質的に垂直 (90°±10°内) である。領域3はGTOのアノード領域もしくはバイポーラトランジスタのコレクタ領域として働き、領域7はGTOのカソード領域もしくはバイポーラトランジスタのエミッタ領域として働く。各電極については省略してある。
【0029】(構造例3)図6の構造はビームベース(ゲート)サイリスタもしくはビームベース(ゲート)トランジスタの一区画分の模式的構造図である。図6の構造的特徴はpベース層50に接してp+ ゲート領域5がビームベース(ゲート)状に配置されている点である。{111}面上においてチャネル領域8の長手方向は<112>方向に実質的に垂直である。7はサイリスタのカソード領域もしくはトランジスタのエミッタ領域として働き、3はサイリスタのアノード領域もしくはトランジスタのコレクタ領域として働く。各電極については省略してある。
【0030】(構造例4)図7は図6と同様のビームベース(ゲート)サイリスタもしくはビームベース(ゲート)トランジスタの一区画分の模式的構造図である。図7R>7の構造的特徴はpベース層50とnカソード(エミッタ)7との間にpベース層50に接してp+ ビームベース(ゲート)5が配置されている点である。チャネル領域8の長手方向は{111}面上において<112>方向に対して実質的に垂直である。
【0031】(構造例5)図8はビームベース(ゲート)サイリスタもしくはビームベース(ゲート)トランジスタの一区画分の模式的構造図を示す。図8の構造的特徴は、ベース層50の厚さとビーム状のp+ ゲート5の厚さがほぼ等しく、かつ板状に形成されている点と、ベース層50はp- 層として形成され、実質的なチャネル領域8を形成している点である。6はn形領域である。3はサイリスタのアノード領域もしくはトランジスタのコレクタ領域であり、7はサイリスタのカソード領域もしくはトランジスタのソース領域である。図8の構造において、チャネル領域8の長手方向は{111}面上において<112>方向に対して実質的に垂直である。
【0032】(構造例6)図9は本発明のチャネル構造を有する半導体素子として、プレーナ構造のSIサイリスタもしくはSITの模式的構造図を示す。図9において、3はアノード領域もしくはドレイン領域,2は高抵抗層領域,5はp+ ゲート領域,8はn-チャネル領域,7はn+ カソード領域である。チャネル領域8の長手方向は{111}面上において<112>方向に対して実質的に垂直(90°±10°内)に形成されている。
【0033】(構造例7)図10はプレーナ構造のSIサイリスタもしくはSITの別の模式的構造例を示す。チャネル領域8がp- 層として形成されている点が図9と異なる。同様にチャネル領域8の長手方向は{111}面上において<112>方向に対して実質的に垂直(90°±10°内)に形成されている。
【0034】(構造例8)図11は本発明のチャネル構造を有する半導体素子としてプレーナ構造のビームベース(ゲート)GTOもしくはビームベース(ゲート)トランジスタの模式的構造図を示す。図11の構造的特徴は、ベース層50の表面において、ビーム状のベース(ゲート)構造(p+ 領域)5が形成されている点である。2は高抵抗層であり、3はアノード領域もしくはコレクタ領域、7はカソード領域もしくはエミッタ領域である。p+ ゲート5に挟まれた領域にチャネル領域8が形成されている。図11においても、チャネル領域8の長手方向は{111}面上において<112>方向に実質的に垂直(90°±10°)に配置されている。
【0035】(構造例9)図12は本発明のチャネル構造を有する半導体素子として、ダブルゲート構造のSIサイリスタの一区画分の模式的構造図である。図12において51は第1ゲート領域,52は第2ゲート領域を示し、81は第1チャネル領域,82は第2チャネル領域を示す。3はアノード領域,7はカソード領域,2は高抵抗層領域を示す。図12の構造においては、第1ゲート領域51及び第2ゲート領域52はともにほぼ平行に埋込まれて形成されており、従って、第1チャネル領域81及び第2チャネル領域82も実質的に対向しており、ほぼ平行に形成されている。第1チャネル領域,第2チャネル領域の長手方向は、{111}面上において<112>方向に対して実質的に垂直になるように配置されている。ダブルゲート構造は図12の構造に限定されるわけではなく、第1のゲートがプレーナ構造,第2のゲートが埋込みゲート構造であってもよく,或いはまたその逆の構造であってもよい。更にまた、両ゲートともにプレーナ構造として形成されていてもよい。本発明のチャネル構造を有する半導体素子の例としては、第1チャネル領域もしくは第2チャネル領域のいずれか一方がその長手方向において{111}面上<112>方向にほぼ垂直に形成されていてもよい。
【0036】(構造例10)図13は第1のゲートがプレーナ構造,第2のゲートが埋込み構造のダブルゲートSIサイリスタの一区画分の模式的構造図を示す。7はn+ カソード領域,51は第1のゲート領域,81は第1のチャネル領域を示す。2はn- 高抵抗層である。3はアノード領域,52は第2のゲート領域,82は第2のチャネル領域を示す。第2のゲート領域52はpアノード領域3中に埋込まれていると考えることができる。図1313においても、第1のチャネル領域81及び,第2のチャネル領域82は対向しており、その長手方向は、{111}面上において実質的に<112>方向にほぼ垂直になされている。第2ゲート領域52に対するゲート電極はアノード側主表面に形成してもよく、或いはまたカソード側主表面に形成してもよい。
【0037】(構造例11)図14は第1のゲートが埋込みゲートGTO構造,第2のゲートが埋込みゲートのSIゲート構造を有するサイリスタの一区画分の模式的構造図を示す。53は第1ベース層(p)であり、p+ 第1ゲート領域51がPベース層53中に埋込まれている。7はカソード領域,2はn- 高抵抗層である。52はn+ 第2ゲート領域であり、アノード領域3中に埋込まれている。図14の構造はダブルゲート構造の埋込みゲートGTOと考えることができる。図14において第1のチャネル領域81及び第2のチャネル領域82は互いに対向しており、その長手方向は{111}面上において、<112>方向に対して実質的に垂直となるように配置されている。
【0038】(構造例12)図15は第1ゲートがプレーナ構造のビームベース(ゲート)構造,第2ゲートが板状の埋込み構造のビームベース(ゲート)構造を有するサイリスタの一区画分の模式的構造図である。図15において、53は第1ベース層(p- )であり、54は第2ベース層(n- )を示す。51は第1ゲート領域であり、第1ベース層53とほぼ同じ厚さを有し、ビームゲート状に形成されている。52は第2ゲート領域であり、第2ベース層54とほぼ同じ厚さを有し、同じくビームゲート状に埋込まれている。図15の構造は第1ベース,第2ベースを有するダブルベース構造のサイリスタと考えることもできる。81は第1ゲート領域51で挟まれた第1のチャネル領域であり、82は第2ゲート領域52に挟まれた第2のチャネル領域である。これらの第1及び第2のチャネル領域81,82は互いに対向しており、その長手方向は{111}面上において<112>方向に実質的に垂直に配置されている。
【0039】
【発明の効果】チャネル構造を有する半導体素子を構成する多数の区画のチャネル当りのオン電流が、均一に分布する効果により次の素子特性の改善が期待される。
【0040】(1) 区画毎のオン電圧が、低い値に揃いやすくなり、ひいては素子全体のオン電圧の低減化が可能となる。
【0041】(2) ターンオンが早くなると共に、ターンオン損失の低減化が図れる。
【0042】(3) 各区画のオン電流が均一化されることにより、ターンオフ動作が揃いやすくなり、素子全体のターンオフ特性及び可制御耐量の改善を図れる。
【0043】本発明はチャネルの配置設計を変えることであって、従来の製造技術で製作可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としてのチャネル構造を有する半導体素子の区画及びチャネルの配設構造を示す平面的模式図
【図2】本発明の第2の実施例としてのチャネル構造を有する半導体素子の区画及びチャネルの配設構造を示す平面的模式図
【図3】本発明の第3の実施例としてのチャネル構造を有する半導体素子の区画及びチャネルの配設構造を示す平面的模式図
【図4】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例1)
【図5】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例2)
【図6】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例3)
【図7】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例4)
【図8】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例5)
【図9】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例6)
【図10】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例7)
【図11】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例8)
【図12】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例9)
【図13】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例10)
【図14】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例11)
【図15】本発明のチャネル構造を有する半導体素子の一区画分の模式的構造図(構造例12)
【図16】従来のSIサイリスタの一区画分の断面斜視図
【図17】図16の区画とチャネルの配設構造の平面図 (従来例)
【図18】図17の素子の各区画のオン電圧分布例
【符号の説明】
2 高抵抗層領域 (n- )(基板)
3 アノード領域 (ドレイン領域)(コレクタ領域)
4 バッファ領域
5 ゲート領域 (p型)
6 n形領域
7 カソード領域 (ソース領域)(エミッタ領域)
8 チャネル領域
9 アノード電極
10 ゲート電極
11 カソード電極
30 p- 層
50 ベース層
51 第1ゲート領域
52 第2ゲート領域
53 第1ベース層
54 第2ベース層
81 第1チャネル領域
82 第2チャネル領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体単結晶の{111}面に一導電形の制御領域で囲まれるチャネル構造が形成される半導体素子において、チャネル構造の実質的な長辺方向が、{111}面上において結晶の<112>方向にほぼ垂直となされたことを特徴とするチャネル構造を有する半導体素子。
【請求項2】 チャネル構造の実質的な長辺方向が結晶の<112>方向に対して90°±10°に形成されることを特徴とする請求項1記載のチャネル構造を有する半導体素子。
【請求項3】 前記チャネル構造が放射状に配設されることを特徴とする請求項1もしくは2の内、いずれか1項記載のチャネル構造を有する半導体素子。
【請求項4】 チャネル構造を囲み、制御領域に接触する制御電極の内側の縁の実質的な長辺が結晶の<112>方向又は、<112>方向に対してほぼ垂直になされることを特徴とする請求項1もしくは2の内、いずれか1項記載のチャネル構造を有する半導体素子。
【請求項1】 半導体単結晶の{111}面に一導電形の制御領域で囲まれるチャネル構造が形成される半導体素子において、チャネル構造の実質的な長辺方向が、{111}面上において結晶の<112>方向にほぼ垂直となされたことを特徴とするチャネル構造を有する半導体素子。
【請求項2】 チャネル構造の実質的な長辺方向が結晶の<112>方向に対して90°±10°に形成されることを特徴とする請求項1記載のチャネル構造を有する半導体素子。
【請求項3】 前記チャネル構造が放射状に配設されることを特徴とする請求項1もしくは2の内、いずれか1項記載のチャネル構造を有する半導体素子。
【請求項4】 チャネル構造を囲み、制御領域に接触する制御電極の内側の縁の実質的な長辺が結晶の<112>方向又は、<112>方向に対してほぼ垂直になされることを特徴とする請求項1もしくは2の内、いずれか1項記載のチャネル構造を有する半導体素子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図16】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図16】
【図18】
【公開番号】特開平5−335552
【公開日】平成5年(1993)12月17日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−165422
【出願日】平成4年(1992)6月1日
【出願人】(000003115)東洋電機製造株式会社 (380)
【公開日】平成5年(1993)12月17日
【国際特許分類】
【出願日】平成4年(1992)6月1日
【出願人】(000003115)東洋電機製造株式会社 (380)
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