チューブ型固体電解質燃料電池
【課題】集電効率にすぐれ、電極や集電体の作製が容易なチューブ型固体電解質燃料電池を提供する。
【解決手段】導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に、導電性不織布円筒体として成形された第1の孔部を複数設け、該第1の孔部にチューブ型燃料電池セルが挿入され、不織布シートと一体化されたチューブ型固体電解質燃料電池。このチューブ型固体電解質燃料電池にあっては、チューブ型燃料電池セルが、導電線を挿入した多孔質導電性円筒体の外周部に電極、固体電解質および電極を順次積層させた円柱状積層体で構成され、集電効率の点からは、好ましくは導電性不織布円筒体として形成された第1の孔部を複数設けた導電性不織布シートよりなる第1の集電体には、第1の孔部より口径の小さい導電性不織布円筒体として形成された第2の孔部を複数設け、該第2の孔部には導電線よりなる第2の集電体が挿入され、一体化されて用いられる。
【解決手段】導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に、導電性不織布円筒体として成形された第1の孔部を複数設け、該第1の孔部にチューブ型燃料電池セルが挿入され、不織布シートと一体化されたチューブ型固体電解質燃料電池。このチューブ型固体電解質燃料電池にあっては、チューブ型燃料電池セルが、導電線を挿入した多孔質導電性円筒体の外周部に電極、固体電解質および電極を順次積層させた円柱状積層体で構成され、集電効率の点からは、好ましくは導電性不織布円筒体として形成された第1の孔部を複数設けた導電性不織布シートよりなる第1の集電体には、第1の孔部より口径の小さい導電性不織布円筒体として形成された第2の孔部を複数設け、該第2の孔部には導電線よりなる第2の集電体が挿入され、一体化されて用いられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ型固体電解質燃料電池に関する。さらに詳しくは、電極や集電体の作製が容易なチューブ型固体電解質燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
固体電解質燃料電池の構造は、固体高分子形電解質であって、主流のスタック構造によって代表されるような平板型のものと、固体酸化物燃料電池(solid oxide fuel cell;SOFC)で一部採用されているチューブ型のものに大別される。チューブ型固体電解質燃料電池は、ガスシール性にすぐれ、大面積化が容易であることから小型化が可能とされるが、平板型のものと比べて燃料極や空気極などの電極の作製や集電体の作製が困難であるという問題を有している。
【0003】
さらに、その集電方法としては、固体電解質燃料電池のアノード側電極とカソード側電極に金属ワイヤをらせん状に巻付け、電池を取出す方法が提案されているが、電極と金属ワイヤとの接触面積が小さいため、接触抵抗が大きくなるという問題がみられる。また、金属マイクロフィラメントや金属ファブリック網を電極に巻付ける方法も提案されているが、金以外の金属では剛性が高いため、やはり電極との接触面積が小さく、接触抵抗が大きくなる。
【特許文献1】特表平8−507896号公報
【特許文献2】特開2003−59508号公報
【特許文献3】特表2005−518075号公報
【0004】
これに対し、内筒部や外周部に金属めっきを施し、集電体とすれば、電極-集電体間の接触抵抗は低減されるものの、電解質への燃料ガスや空気の拡散が阻害されるために、発電効率が著しく低下する。また、SOFCでは一般的であるインタコネクタによる集電は、インタコネクタの形成が難しく、また燃料電池の構成が複雑になるという問題がみられる。
【0005】
また、複数の貫通孔を有する多孔質基体が、その貫通孔内に固体電解質層を空気極層と燃料極層で狭持した筒状燃料電池を備えた燃料電池ブロックにおいて、導電性の多孔質基体にチューブ型の燃料電池要素を挿入した構成のものが提案されているが、ここで用いられている多孔質基体はそれ自体がブロック状を呈し、柔軟性に欠けるばかりではなく、集電のための構成が煩雑になったり、集電時の効率的な導電性の発現に欠けるなどの問題が考えられる。
【特許文献4】特開2005−174846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、集電効率にすぐれ、電極や集電体の作製が容易なチューブ型固体電解質燃料電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる本発明の目的は、導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に、導電性不織布円筒体として成形された第1の孔部を複数設け、該第1の孔部にチューブ型燃料電池セルが挿入され、不織布シートと一体化されたチューブ型固体電解質燃料電池によって達成される。
【0008】
このチューブ型固体電解質燃料電池にあっては、チューブ型燃料電池セルが、導電線を挿入した多孔質導電性円筒体の外周部に電極、固体電解質および電極を順次積層させた円柱状積層体で構成され、集電効率の点からは、好ましくは導電性不織布円筒体として形成された第1の孔部を複数設けた導電性不織布シートよりなる第1の集電体には、第1の孔部より口径の小さい導電性不織布円筒体として形成された第2の孔部を複数設け、該第2の孔部には導電線よりなる第2の集電体が挿入され、一体化されて用いられる。かかる第2の集電体は、第2の孔部を形成させ、そこに挿入する代りに、導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に設けられた第1の孔部相互間に導電線を織り込んで、一体化して用いることもできる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1〜5記載のチューブ型固体電解質燃料電池によれば、複数本のチューブ型燃料電池セルで発生した電流は、チューブ型燃料電池セルが挿入されている導電性不織布シートによって燃料電池全体から集電されるために抵抗が均一となり、集電効率が向上する。
【0010】
請求項6〜9記載のチューブ型固体電解質燃料電池にあっては、第2の集電体が用いられているため、さらに集電効率の向上が図られる。
【0011】
請求項10〜11記載のチューブ型固体電解質燃料電池にあっては、チューブ型燃料電池セルが周辺の燃料電池セル群または第2の集電体によって固定され、補強される。
【0012】
請求項12〜14記載のチューブ型固体電解質燃料電池にあっては、無機円柱体よりなる支持体によって補強することにより、燃料電池の構成要素であるチューブ型燃料電池セルにクラックや割れを生じ難い効果を高め得るばかりではなく、燃料電池発電時の昇温または降温によって発生するチューブ型燃料電池セル群およびモジュールの熱膨張または熱収縮、さらにこれに伴って生ずる熱応力を、筒状ケース内に収容してモジュール化する際に用いられたOリングやガスケット等で吸収することができる。
【0013】
また、請求項15〜18記載のチューブ型固体電解質燃料電池の製造法によれば、チューブ型固体電解質燃料電池の製造を容易なものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
導電性不織布シート9よりなる第1の集電体の面方向には、導電性不織布円筒体1として形成された第1の孔部が複数設けられ、この第1の孔部にはチューブ型燃料電池セルが挿入され、導電性不織布シート9と一体化される。チューブ型燃料電池セルは、導電線6を挿入した多孔質導電性円筒体2の外周部に電極3、固体電解質4および電極5を順次積層して形成される円柱状積層体よりなる。
【0015】
導電性不織布シートとしては、カーボン繊維不織布シート、ステンレス鋼繊維、銅繊維等の金属繊維の不織布シート等が用いられ、好ましくはカーボン繊維の不織布シートが用いられる。カーボン繊維としては、その繊維径が約5〜50μm、好ましくは約10〜30μmで、繊維長が約5〜100mm、好ましくは約30〜80mmのものが用いられ、その不織布シートの形成はボンディングプロセスによって行われ、膜厚は約50〜500μm、好ましくは約100〜250μm程度のものが一般に用いられる。
【0016】
チューブ型燃料電池セルは、導電線を挿入した多孔質導電性円筒体の外周部に電極、固体電解質および電極を順次積層させた円柱状積層体として形成される。
【0017】
導電性不織布円筒体1の内径は、円柱状積層体の最外周層となる電極層5の外径と同じくして、それと不織布シートとの接触面積をなるべく最大となるように設定される。円柱状積層体の一層を形成する多孔質導電性円筒体2の内周面には、その内周面の内径と外径を同じくして、接触面積をなるべく最大とした導電線6が挿入される。この導電線6は、電気抵抗の少ない単線であることが好ましく、またそこに耐腐食性を付与するために金めっきを施したもの、例えば金めっきSUS線等であってもよい。導電線6は、一般にアノード側電極用として用いられるが、カソード側電極用としても用いることができる。
【0018】
多孔質導電性円筒体は、炭化チタン、ホウ素化チタン、珪素化チタンTiSi等を焼結し、円筒状としたものが用いられる。好ましくは、珪素化チタンTiSi2粉末を高分子物質の有機溶媒溶液中に高充填した製膜原液から複合中空糸膜を乾湿式紡糸して製膜し、得られた複合中空糸膜を約1300〜1800℃、好ましくは約1350〜1600℃で焼成し、その際少くとも400℃以上の加熱温度範囲では真空または不活性雰囲気環境下で焼成して得られた、珪素化チタンTiSiを主成分として形成された導電性多孔質中空糸膜が用いられる。
【0019】
また、固体電解質としては、一般に固体高分子型電解質または固体酸化物電解質が用いられる。
【0020】
本発明の好ましい態様においては、導電性不織布シート9よりなる第1の集電体の面方向に、第1の孔部1よりも口径の小さい導電性不織布円筒体8として形成された第2の孔部を複数設け、この第2の孔部には導電線7が第2の集電体として挿入され、一体化される。導電線6および7において、一方の導電線を燃料側電極としてのアノード側電極とし、他方の導電線を空気側電極としてのカソード側電極として用いられる。
【0021】
導電性不織布シート9に設けられる第1の孔部1と第2の孔部8とは、図1の縦断面図および図2の平面図に示される如く、交互に設けられることが好ましいが、特にこれに限定されない。また、これらの孔部の配列は平行であればよい。これらの孔部は、例えば1枚の導電性不織布シートを間隔を置いて、一般には等間隔でループ部を形成させ、ループ部の基部を縫い合わせて円筒状孔部を形成させてもよく、あるいは2枚のシートを円筒状孔部形成1個所当り円筒体の半周に相当する長さで2個所柔軟性を有する繊維、好ましくは導電性繊維で縫い合わせ、この縫い合わせ部分を第1の孔部(および第2の孔部)としてもよい。また、1枚の長い導電性不織布シートを用い、第1の孔部分および第2の孔部分を形成させる部分で、他の幅の狭い導電性不織布シートと縫い合わせて円筒体とすることもできる。第1の孔部および第2の孔部の間は、好ましくは導電性不織布円筒体と同材質の導電性不織布シート9で一体的に接続されている。
【0022】
導電性不織布円筒体として第2の孔部を形成させる代りに、導電性不織布シート9よりなる第1の集電体の面方向に設けられた第1の孔部1相互間に導電線7が第2の集電体として織り込まれ、一体化されてもよく、かかる態様の縦断面図が図3に示され、そこの織り込み方向の断面図が図4に示されている。このような構成をとることにより、不織布シートと導電線とは密に固定され、良好な接触状態を保つことができる。ただし、これら両者間の接触面積が小さく、接触抵抗が大となるようであれば、非接触部分を銀ペースト等の導電性接着剤を用いて接着してもよい。
【0023】
また、集電を行うため、その太さが約0.5〜2μmの各導電線6、7はそれらをそれぞれ間接的または直接的に挿入させた導電性不織布円筒体部分よりも長さが長く設定されるが、その設定方向は片側のみ突き出るように挿入され、その片側の方向も第1の孔部と第2の孔部とでは反対方向となるように設定される(図2参照)。
【0024】
導電性不織布シートよりなる第1の集電体は、好ましくは導電線よりなる第2の集電体と共に、ロール状に捲かれた状態もしくは折り畳まれた状態、好ましくはロール状に捲かれた状態とされ、そのような状態でチューブ型燃料電池セルが固定され、その断面図が図5として示される。
【0025】
このようにロール状に捲かれた状態で固定されたチューブ型燃料電池セル群は、モジュールケース内に収容され、モジュール化される。モジュール化の態様も、そこで用いられる筒状ケースの形状により特に限定されるものではないが、例えば図5(第2の孔部を設けた場合)あるいは図6(第2の集電体としての導電線を織り込んだ場合)に示される如くロール状に捲かれた状態で円筒状ケース内に収容するなどして用いられる。
【0026】
図7は、図5に示された態様において、円筒状ケース内に収容してモジュール化した状態を示す中心線縦断面図(ただし、内部は正面図)であり、また図8はその正面図である。ロール状に捲かれたチューブ型燃料電池セル群は、モジュールケース10内に収容され、燃料ガス部と空気部とを分けるように、第1の孔部の端部をポッティング剤11によってシールする。ポッティング剤としては接着剤が用いられ、作動温度に応じてエポキシ樹脂等の有機系接着剤やアルミナ等の無機系接着剤を用いることができる。あるいは、ポッティング部に円筒状体を固定するための貫通孔を設けた無機系支持板を設置する方法を用いることもできる。なお、符号13は燃料ガス入口、14は燃料ガス出口、15は空気入口、16は空気出口である。また、符号25はモジュールケース末端側ポッティング部であり、それの形成は燃料ガスの入口13および出口14からポッティング剤を注入することにより行われる。
【特許文献5】特開2004−267852号公報
【0027】
モジュールケース10端面部には、それぞれアノード側導電線6およびカソード側導電線7を接続し、導通させるための集電体12、12′がそれぞれ設けられる。集電体は、各導電線6、7の端部を挿入できるような貫通孔(図示せず)を設けた金属製円板で形成され、貫通孔部では各導電線が半田等の導電性材料で封止固定することが行われる。
【0028】
本発明の円筒型固体電解質燃料電池は、このようにして構成され、用いられるが、一体に接続された、ロール状に捲かれた導電性不織布シートよりなるチューブ型燃料電池セル群は、さらにその外周部に好ましくは複数本の無機円柱体を均等に配することにより、その機械的安定性をさらに確保することができる。図9および図10の断面図には、無機円柱体21、21′、21′′を3本均等に配した状態が示されている。
【0029】
無機円柱体としては、チューブ型燃料電池セルと熱膨張係数が大きく異ならなければ任意の材質のものを使用し得るが、強度やコストなどの面からはアルミナ、ムライト、ジルコニア等の円柱体であることが好ましく、一般にはその太さが約3〜6mm程度のものが用いられる。無機円柱体の配し方は、チューブ型燃料電池セルと無機円柱体とを一束にする際、チューブ型燃料電池セル型を弱い緊迫力で傷付けずにまとめることのできる方法であれば何でもよく、一応とめるだけであるので例えば輪ゴムを用いるなど汎用の方法を用いることができる。
【0030】
その外周部に無機円柱体を配した円筒状セル群は、その両端部を円筒体に挿入し、円筒体挿入部をポッティングした上で、筒状ケース内に収容され、モジュール化された状態で用いられる。図11は、図5に示された態様において、円筒状ケース内に収容してモジュール化した状態を示す中心線縦断面図(ただし、内部は正面図)であり、3本の無機円柱体21、21′、21′′を配したチューブ型燃料電池セル群はその両端部で円筒体22に挿入され、チューブ型燃料電池セル群間、これと無機円柱体および円筒体との間をそれぞれポッティング23し、またOリング24でシールした上で、筒状ケース10内に収容され、モジュール化される。なお、符号25は筒状ケース両末端ポッティング部である。
【0031】
このモジュール化に際しては、例えば下記特許文献5に記載されるような方法が用いられる。まず、チューブ型燃料電池セル群間、これと無機円柱体および円筒体との間で、端部における仮接着が行われる。仮接着は、常温以上の融点、好ましくは常温乃至約70℃の融点を有し、溶媒抽出、加熱溶融等の除去手段で容易に除去できる有機化合物であれば任意のものを用いることができ、例えばポリエチレングリコール#1540(融点44〜48℃)、ポリエチレングリコール#6000(融点56〜63℃)、n-テトラデシルアルコール(融点38℃)、パラフィン(融点42〜70℃)、1-エイコサノール(融点64〜66℃)等を、仮接着すべき両者間に溶融または有機溶媒溶液などとして流し込み、固化させることによって行われる。また、この仮接着部分は、空気や液体が漏れることがないように、封止状態であることが求められる。
【特許文献5】特開2001−353426号公報
【0032】
円筒体としては、一般に長さが約30〜100mm程度に設定された樹脂製円筒体であって、その外周面にOリング、ガスケット等が嵌装できる溝や切欠きを有するものが用いられる。また、その材質は、発電時に環境に耐え得るものであればどのような種類の樹脂であってもよいが、例えば固体高分子形電解質燃料電池にあっては、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリエーテルスルホン等のポリスルホン系樹脂製のものが好んで用いられる。
【0033】
末端部を仮接着した後、長さ方向中央部側から上記各要素の間隙間にポッティング剤が充填される。ポッティング剤としては、前述の如きものが用いられ、ポッティング剤の固化後、仮接着剤である有機化合物の除去が行われる。末端部におけるこのような封止方法は、一方の末端部について行われた後、他方の末端部について行われる。
【0034】
このようにして両末端部をポッティング層で固定した、無機円筒体を配したチューブ型燃料電池セル群と樹脂円筒体との一体化物は、モジュールケースに挿入され、円筒体外表面とケース内表面間をゴム製またはエラストマー製のOリング、ガスケット等で封止する。
【0035】
次いで、モジュールケース両端部をアルミ箔、セロファン等の導電線を突き刺すことができるようなシートで仮封止し、モジュール両端を上記の如きポッティング剤25で充填する。次いで、導電線の本数分の孔を穿設した金属板からなる集電板12をモジュール両端に配置し、導電線6、7を集電板12、12′の孔の部分に挿入する。集電板と導電線との間の隙間は、半田や導電性接着剤等の導電性材料を用いて封止され、固定される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るチューブ型固体電解質燃料電池の一実施態様の断面図である。
【図2】本発明に係るチューブ型固体電解質燃料電池の一実施態様の平面図である。
【図3】本発明に係るチューブ型固体電解質燃料電池の他の実施態様の断面図である。
【図4】一方の導電性線状体をシート状導電性織物に織り込んだ状態を示す織り込み方向の断面図である。
【図5】本発明のチューブ型固体電解質燃料電池の一実施態様をロール状に捲いた状態を示す断面図である。
【図6】本発明の円筒型固体電解質燃料電池の他の実施態様をロール状に捲いた状態を示す断面図である。
【図7】円筒状ケースに収容してモジュール化した状態を示す中心線縦面図(ただし、内部は正面図)である。
【図8】モジュール化した円筒型固体電解質燃料電池を円筒状ケースに収容した状態を示す正面図である。
【図9】本発明のチューブ型固体電解質燃料電池の一実施態様で、無機円柱体を配したものの断面図である。
【図10】本発明のチューブ型固体電解質燃料電池の他の実施態様で、無機円柱体を配したものの断面図である。
【図11】無機円柱体を配し、円筒状ケースに収容してモジュール化した状態を示す中心線縦面図(ただし、内部は正面図)である。
【符号の説明】
【0037】
1 導電性不織布円筒体(第1の孔部)
2 多孔質導電性円筒体
3 電極
4 固体電解質
5 電極
6 導電線
7 導電線
8 導電性不織布円筒体(第2の孔部)
9 導電性不織布シート
11 ポッティング層
12、12′ 集電体
21、21′、21′′ 無機円柱体
22 円筒体
23 ポッティング部
24 Oリング
25 ポッティング部
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ型固体電解質燃料電池に関する。さらに詳しくは、電極や集電体の作製が容易なチューブ型固体電解質燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
固体電解質燃料電池の構造は、固体高分子形電解質であって、主流のスタック構造によって代表されるような平板型のものと、固体酸化物燃料電池(solid oxide fuel cell;SOFC)で一部採用されているチューブ型のものに大別される。チューブ型固体電解質燃料電池は、ガスシール性にすぐれ、大面積化が容易であることから小型化が可能とされるが、平板型のものと比べて燃料極や空気極などの電極の作製や集電体の作製が困難であるという問題を有している。
【0003】
さらに、その集電方法としては、固体電解質燃料電池のアノード側電極とカソード側電極に金属ワイヤをらせん状に巻付け、電池を取出す方法が提案されているが、電極と金属ワイヤとの接触面積が小さいため、接触抵抗が大きくなるという問題がみられる。また、金属マイクロフィラメントや金属ファブリック網を電極に巻付ける方法も提案されているが、金以外の金属では剛性が高いため、やはり電極との接触面積が小さく、接触抵抗が大きくなる。
【特許文献1】特表平8−507896号公報
【特許文献2】特開2003−59508号公報
【特許文献3】特表2005−518075号公報
【0004】
これに対し、内筒部や外周部に金属めっきを施し、集電体とすれば、電極-集電体間の接触抵抗は低減されるものの、電解質への燃料ガスや空気の拡散が阻害されるために、発電効率が著しく低下する。また、SOFCでは一般的であるインタコネクタによる集電は、インタコネクタの形成が難しく、また燃料電池の構成が複雑になるという問題がみられる。
【0005】
また、複数の貫通孔を有する多孔質基体が、その貫通孔内に固体電解質層を空気極層と燃料極層で狭持した筒状燃料電池を備えた燃料電池ブロックにおいて、導電性の多孔質基体にチューブ型の燃料電池要素を挿入した構成のものが提案されているが、ここで用いられている多孔質基体はそれ自体がブロック状を呈し、柔軟性に欠けるばかりではなく、集電のための構成が煩雑になったり、集電時の効率的な導電性の発現に欠けるなどの問題が考えられる。
【特許文献4】特開2005−174846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、集電効率にすぐれ、電極や集電体の作製が容易なチューブ型固体電解質燃料電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる本発明の目的は、導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に、導電性不織布円筒体として成形された第1の孔部を複数設け、該第1の孔部にチューブ型燃料電池セルが挿入され、不織布シートと一体化されたチューブ型固体電解質燃料電池によって達成される。
【0008】
このチューブ型固体電解質燃料電池にあっては、チューブ型燃料電池セルが、導電線を挿入した多孔質導電性円筒体の外周部に電極、固体電解質および電極を順次積層させた円柱状積層体で構成され、集電効率の点からは、好ましくは導電性不織布円筒体として形成された第1の孔部を複数設けた導電性不織布シートよりなる第1の集電体には、第1の孔部より口径の小さい導電性不織布円筒体として形成された第2の孔部を複数設け、該第2の孔部には導電線よりなる第2の集電体が挿入され、一体化されて用いられる。かかる第2の集電体は、第2の孔部を形成させ、そこに挿入する代りに、導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に設けられた第1の孔部相互間に導電線を織り込んで、一体化して用いることもできる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1〜5記載のチューブ型固体電解質燃料電池によれば、複数本のチューブ型燃料電池セルで発生した電流は、チューブ型燃料電池セルが挿入されている導電性不織布シートによって燃料電池全体から集電されるために抵抗が均一となり、集電効率が向上する。
【0010】
請求項6〜9記載のチューブ型固体電解質燃料電池にあっては、第2の集電体が用いられているため、さらに集電効率の向上が図られる。
【0011】
請求項10〜11記載のチューブ型固体電解質燃料電池にあっては、チューブ型燃料電池セルが周辺の燃料電池セル群または第2の集電体によって固定され、補強される。
【0012】
請求項12〜14記載のチューブ型固体電解質燃料電池にあっては、無機円柱体よりなる支持体によって補強することにより、燃料電池の構成要素であるチューブ型燃料電池セルにクラックや割れを生じ難い効果を高め得るばかりではなく、燃料電池発電時の昇温または降温によって発生するチューブ型燃料電池セル群およびモジュールの熱膨張または熱収縮、さらにこれに伴って生ずる熱応力を、筒状ケース内に収容してモジュール化する際に用いられたOリングやガスケット等で吸収することができる。
【0013】
また、請求項15〜18記載のチューブ型固体電解質燃料電池の製造法によれば、チューブ型固体電解質燃料電池の製造を容易なものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
導電性不織布シート9よりなる第1の集電体の面方向には、導電性不織布円筒体1として形成された第1の孔部が複数設けられ、この第1の孔部にはチューブ型燃料電池セルが挿入され、導電性不織布シート9と一体化される。チューブ型燃料電池セルは、導電線6を挿入した多孔質導電性円筒体2の外周部に電極3、固体電解質4および電極5を順次積層して形成される円柱状積層体よりなる。
【0015】
導電性不織布シートとしては、カーボン繊維不織布シート、ステンレス鋼繊維、銅繊維等の金属繊維の不織布シート等が用いられ、好ましくはカーボン繊維の不織布シートが用いられる。カーボン繊維としては、その繊維径が約5〜50μm、好ましくは約10〜30μmで、繊維長が約5〜100mm、好ましくは約30〜80mmのものが用いられ、その不織布シートの形成はボンディングプロセスによって行われ、膜厚は約50〜500μm、好ましくは約100〜250μm程度のものが一般に用いられる。
【0016】
チューブ型燃料電池セルは、導電線を挿入した多孔質導電性円筒体の外周部に電極、固体電解質および電極を順次積層させた円柱状積層体として形成される。
【0017】
導電性不織布円筒体1の内径は、円柱状積層体の最外周層となる電極層5の外径と同じくして、それと不織布シートとの接触面積をなるべく最大となるように設定される。円柱状積層体の一層を形成する多孔質導電性円筒体2の内周面には、その内周面の内径と外径を同じくして、接触面積をなるべく最大とした導電線6が挿入される。この導電線6は、電気抵抗の少ない単線であることが好ましく、またそこに耐腐食性を付与するために金めっきを施したもの、例えば金めっきSUS線等であってもよい。導電線6は、一般にアノード側電極用として用いられるが、カソード側電極用としても用いることができる。
【0018】
多孔質導電性円筒体は、炭化チタン、ホウ素化チタン、珪素化チタンTiSi等を焼結し、円筒状としたものが用いられる。好ましくは、珪素化チタンTiSi2粉末を高分子物質の有機溶媒溶液中に高充填した製膜原液から複合中空糸膜を乾湿式紡糸して製膜し、得られた複合中空糸膜を約1300〜1800℃、好ましくは約1350〜1600℃で焼成し、その際少くとも400℃以上の加熱温度範囲では真空または不活性雰囲気環境下で焼成して得られた、珪素化チタンTiSiを主成分として形成された導電性多孔質中空糸膜が用いられる。
【0019】
また、固体電解質としては、一般に固体高分子型電解質または固体酸化物電解質が用いられる。
【0020】
本発明の好ましい態様においては、導電性不織布シート9よりなる第1の集電体の面方向に、第1の孔部1よりも口径の小さい導電性不織布円筒体8として形成された第2の孔部を複数設け、この第2の孔部には導電線7が第2の集電体として挿入され、一体化される。導電線6および7において、一方の導電線を燃料側電極としてのアノード側電極とし、他方の導電線を空気側電極としてのカソード側電極として用いられる。
【0021】
導電性不織布シート9に設けられる第1の孔部1と第2の孔部8とは、図1の縦断面図および図2の平面図に示される如く、交互に設けられることが好ましいが、特にこれに限定されない。また、これらの孔部の配列は平行であればよい。これらの孔部は、例えば1枚の導電性不織布シートを間隔を置いて、一般には等間隔でループ部を形成させ、ループ部の基部を縫い合わせて円筒状孔部を形成させてもよく、あるいは2枚のシートを円筒状孔部形成1個所当り円筒体の半周に相当する長さで2個所柔軟性を有する繊維、好ましくは導電性繊維で縫い合わせ、この縫い合わせ部分を第1の孔部(および第2の孔部)としてもよい。また、1枚の長い導電性不織布シートを用い、第1の孔部分および第2の孔部分を形成させる部分で、他の幅の狭い導電性不織布シートと縫い合わせて円筒体とすることもできる。第1の孔部および第2の孔部の間は、好ましくは導電性不織布円筒体と同材質の導電性不織布シート9で一体的に接続されている。
【0022】
導電性不織布円筒体として第2の孔部を形成させる代りに、導電性不織布シート9よりなる第1の集電体の面方向に設けられた第1の孔部1相互間に導電線7が第2の集電体として織り込まれ、一体化されてもよく、かかる態様の縦断面図が図3に示され、そこの織り込み方向の断面図が図4に示されている。このような構成をとることにより、不織布シートと導電線とは密に固定され、良好な接触状態を保つことができる。ただし、これら両者間の接触面積が小さく、接触抵抗が大となるようであれば、非接触部分を銀ペースト等の導電性接着剤を用いて接着してもよい。
【0023】
また、集電を行うため、その太さが約0.5〜2μmの各導電線6、7はそれらをそれぞれ間接的または直接的に挿入させた導電性不織布円筒体部分よりも長さが長く設定されるが、その設定方向は片側のみ突き出るように挿入され、その片側の方向も第1の孔部と第2の孔部とでは反対方向となるように設定される(図2参照)。
【0024】
導電性不織布シートよりなる第1の集電体は、好ましくは導電線よりなる第2の集電体と共に、ロール状に捲かれた状態もしくは折り畳まれた状態、好ましくはロール状に捲かれた状態とされ、そのような状態でチューブ型燃料電池セルが固定され、その断面図が図5として示される。
【0025】
このようにロール状に捲かれた状態で固定されたチューブ型燃料電池セル群は、モジュールケース内に収容され、モジュール化される。モジュール化の態様も、そこで用いられる筒状ケースの形状により特に限定されるものではないが、例えば図5(第2の孔部を設けた場合)あるいは図6(第2の集電体としての導電線を織り込んだ場合)に示される如くロール状に捲かれた状態で円筒状ケース内に収容するなどして用いられる。
【0026】
図7は、図5に示された態様において、円筒状ケース内に収容してモジュール化した状態を示す中心線縦断面図(ただし、内部は正面図)であり、また図8はその正面図である。ロール状に捲かれたチューブ型燃料電池セル群は、モジュールケース10内に収容され、燃料ガス部と空気部とを分けるように、第1の孔部の端部をポッティング剤11によってシールする。ポッティング剤としては接着剤が用いられ、作動温度に応じてエポキシ樹脂等の有機系接着剤やアルミナ等の無機系接着剤を用いることができる。あるいは、ポッティング部に円筒状体を固定するための貫通孔を設けた無機系支持板を設置する方法を用いることもできる。なお、符号13は燃料ガス入口、14は燃料ガス出口、15は空気入口、16は空気出口である。また、符号25はモジュールケース末端側ポッティング部であり、それの形成は燃料ガスの入口13および出口14からポッティング剤を注入することにより行われる。
【特許文献5】特開2004−267852号公報
【0027】
モジュールケース10端面部には、それぞれアノード側導電線6およびカソード側導電線7を接続し、導通させるための集電体12、12′がそれぞれ設けられる。集電体は、各導電線6、7の端部を挿入できるような貫通孔(図示せず)を設けた金属製円板で形成され、貫通孔部では各導電線が半田等の導電性材料で封止固定することが行われる。
【0028】
本発明の円筒型固体電解質燃料電池は、このようにして構成され、用いられるが、一体に接続された、ロール状に捲かれた導電性不織布シートよりなるチューブ型燃料電池セル群は、さらにその外周部に好ましくは複数本の無機円柱体を均等に配することにより、その機械的安定性をさらに確保することができる。図9および図10の断面図には、無機円柱体21、21′、21′′を3本均等に配した状態が示されている。
【0029】
無機円柱体としては、チューブ型燃料電池セルと熱膨張係数が大きく異ならなければ任意の材質のものを使用し得るが、強度やコストなどの面からはアルミナ、ムライト、ジルコニア等の円柱体であることが好ましく、一般にはその太さが約3〜6mm程度のものが用いられる。無機円柱体の配し方は、チューブ型燃料電池セルと無機円柱体とを一束にする際、チューブ型燃料電池セル型を弱い緊迫力で傷付けずにまとめることのできる方法であれば何でもよく、一応とめるだけであるので例えば輪ゴムを用いるなど汎用の方法を用いることができる。
【0030】
その外周部に無機円柱体を配した円筒状セル群は、その両端部を円筒体に挿入し、円筒体挿入部をポッティングした上で、筒状ケース内に収容され、モジュール化された状態で用いられる。図11は、図5に示された態様において、円筒状ケース内に収容してモジュール化した状態を示す中心線縦断面図(ただし、内部は正面図)であり、3本の無機円柱体21、21′、21′′を配したチューブ型燃料電池セル群はその両端部で円筒体22に挿入され、チューブ型燃料電池セル群間、これと無機円柱体および円筒体との間をそれぞれポッティング23し、またOリング24でシールした上で、筒状ケース10内に収容され、モジュール化される。なお、符号25は筒状ケース両末端ポッティング部である。
【0031】
このモジュール化に際しては、例えば下記特許文献5に記載されるような方法が用いられる。まず、チューブ型燃料電池セル群間、これと無機円柱体および円筒体との間で、端部における仮接着が行われる。仮接着は、常温以上の融点、好ましくは常温乃至約70℃の融点を有し、溶媒抽出、加熱溶融等の除去手段で容易に除去できる有機化合物であれば任意のものを用いることができ、例えばポリエチレングリコール#1540(融点44〜48℃)、ポリエチレングリコール#6000(融点56〜63℃)、n-テトラデシルアルコール(融点38℃)、パラフィン(融点42〜70℃)、1-エイコサノール(融点64〜66℃)等を、仮接着すべき両者間に溶融または有機溶媒溶液などとして流し込み、固化させることによって行われる。また、この仮接着部分は、空気や液体が漏れることがないように、封止状態であることが求められる。
【特許文献5】特開2001−353426号公報
【0032】
円筒体としては、一般に長さが約30〜100mm程度に設定された樹脂製円筒体であって、その外周面にOリング、ガスケット等が嵌装できる溝や切欠きを有するものが用いられる。また、その材質は、発電時に環境に耐え得るものであればどのような種類の樹脂であってもよいが、例えば固体高分子形電解質燃料電池にあっては、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリエーテルスルホン等のポリスルホン系樹脂製のものが好んで用いられる。
【0033】
末端部を仮接着した後、長さ方向中央部側から上記各要素の間隙間にポッティング剤が充填される。ポッティング剤としては、前述の如きものが用いられ、ポッティング剤の固化後、仮接着剤である有機化合物の除去が行われる。末端部におけるこのような封止方法は、一方の末端部について行われた後、他方の末端部について行われる。
【0034】
このようにして両末端部をポッティング層で固定した、無機円筒体を配したチューブ型燃料電池セル群と樹脂円筒体との一体化物は、モジュールケースに挿入され、円筒体外表面とケース内表面間をゴム製またはエラストマー製のOリング、ガスケット等で封止する。
【0035】
次いで、モジュールケース両端部をアルミ箔、セロファン等の導電線を突き刺すことができるようなシートで仮封止し、モジュール両端を上記の如きポッティング剤25で充填する。次いで、導電線の本数分の孔を穿設した金属板からなる集電板12をモジュール両端に配置し、導電線6、7を集電板12、12′の孔の部分に挿入する。集電板と導電線との間の隙間は、半田や導電性接着剤等の導電性材料を用いて封止され、固定される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るチューブ型固体電解質燃料電池の一実施態様の断面図である。
【図2】本発明に係るチューブ型固体電解質燃料電池の一実施態様の平面図である。
【図3】本発明に係るチューブ型固体電解質燃料電池の他の実施態様の断面図である。
【図4】一方の導電性線状体をシート状導電性織物に織り込んだ状態を示す織り込み方向の断面図である。
【図5】本発明のチューブ型固体電解質燃料電池の一実施態様をロール状に捲いた状態を示す断面図である。
【図6】本発明の円筒型固体電解質燃料電池の他の実施態様をロール状に捲いた状態を示す断面図である。
【図7】円筒状ケースに収容してモジュール化した状態を示す中心線縦面図(ただし、内部は正面図)である。
【図8】モジュール化した円筒型固体電解質燃料電池を円筒状ケースに収容した状態を示す正面図である。
【図9】本発明のチューブ型固体電解質燃料電池の一実施態様で、無機円柱体を配したものの断面図である。
【図10】本発明のチューブ型固体電解質燃料電池の他の実施態様で、無機円柱体を配したものの断面図である。
【図11】無機円柱体を配し、円筒状ケースに収容してモジュール化した状態を示す中心線縦面図(ただし、内部は正面図)である。
【符号の説明】
【0037】
1 導電性不織布円筒体(第1の孔部)
2 多孔質導電性円筒体
3 電極
4 固体電解質
5 電極
6 導電線
7 導電線
8 導電性不織布円筒体(第2の孔部)
9 導電性不織布シート
11 ポッティング層
12、12′ 集電体
21、21′、21′′ 無機円柱体
22 円筒体
23 ポッティング部
24 Oリング
25 ポッティング部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に、導電性不織布円筒体として形成された第1の孔部を複数設け、該第1の孔部にチューブ型燃料電池セルが挿入され、不織布シートと一体化されたチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項2】
導電性不織布シートがカーボン繊維不織布シートである請求項1記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項3】
チューブ型燃料電池セルが、導電線を挿入した多孔質導電性円筒体の外周部に電極、固体電解質および電極を順次積層させた円柱状積層体である請求項1記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項4】
多孔質導電性円筒体が珪素化チタンTiSiを主成分として形成された導電性多孔質中空糸膜である請求項3記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項5】
固体電解質が固体高分子形電解質または固体酸化物電解質である請求項3記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項6】
導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に、第1の孔部より口径の小さい導電性不織布円筒体として形成された第2の孔部を複数設け、該第2の孔部に導電線が第2の集電体として挿入され、一体化された請求項1記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項7】
導電性不織布シートに第1の孔部と第2の孔部とが交互に設けられた請求項6記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項8】
導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に設けられた第1の孔部相互間に、導電線が第2の集電体として織り込まれ、一体化された請求項1記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項9】
一方の導電線電極を燃料側電極としてのアノード側電極とし、他方の導電線電極を空気側電極としてのカソード側電極とした請求項6または8記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項10】
導電性不織布シートよりなる第1の集電体がロール状に捲かれた状態もしくは折り畳まれた状態とされ、そのような状態でチューブ型燃料電池セルが固定された請求項1、6または8記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項11】
筒状ケース内に収容され、モジュール化された状態で用いられる請求項10記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項12】
ロール状に捲かれあるいは折り畳まれた状態のチューブ型燃料電池セル群の外周部に無機円柱体を配してなる請求項10記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項13】
その外周部に無機円柱体を配したチューブ型燃料電池セル群を円筒体に挿入し、チューブ型燃料電池セル群両端部をポッティングした請求項12記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項14】
筒状ケース内に収容され、モジュール化された状態で用いられる請求項13記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項15】
導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に、チューブ型燃料電池セルを挿入可能な、導電性不織布円筒体よりなる第1の孔部を複数設け、該孔部にチューブ型燃料電池セルを挿入し、一体化することを特徴とするチューブ型固体電解質燃料電池の製造法。
【請求項16】
チューブ型燃料電池セルが、導電線を挿入した多孔質導電性円筒体の外周部に電極、固体電解質および電極を順次積層させた円柱状積層体である請求項15記載のチューブ型固体電解質燃料電池の製造法。
【請求項17】
導電性不織布シートの面方向に、導電体を挿入可能な導電性不織布円筒体よりなる第2の孔部を複数設け、第1の孔部より口径の小さい第2の孔部に導電線を第2の集電体として挿入し、一体化する請求項15または16記載のチューブ型固体電解質燃料電池の製造法。
【請求項18】
導電性不織布シートの面方向に設けられた第1の孔部相互間に、導電線が第2の集電体として織り込まれ、一体化された請求項15または16記載のチューブ型固体電解質燃料電池の製造法。
【請求項1】
導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に、導電性不織布円筒体として形成された第1の孔部を複数設け、該第1の孔部にチューブ型燃料電池セルが挿入され、不織布シートと一体化されたチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項2】
導電性不織布シートがカーボン繊維不織布シートである請求項1記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項3】
チューブ型燃料電池セルが、導電線を挿入した多孔質導電性円筒体の外周部に電極、固体電解質および電極を順次積層させた円柱状積層体である請求項1記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項4】
多孔質導電性円筒体が珪素化チタンTiSiを主成分として形成された導電性多孔質中空糸膜である請求項3記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項5】
固体電解質が固体高分子形電解質または固体酸化物電解質である請求項3記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項6】
導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に、第1の孔部より口径の小さい導電性不織布円筒体として形成された第2の孔部を複数設け、該第2の孔部に導電線が第2の集電体として挿入され、一体化された請求項1記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項7】
導電性不織布シートに第1の孔部と第2の孔部とが交互に設けられた請求項6記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項8】
導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に設けられた第1の孔部相互間に、導電線が第2の集電体として織り込まれ、一体化された請求項1記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項9】
一方の導電線電極を燃料側電極としてのアノード側電極とし、他方の導電線電極を空気側電極としてのカソード側電極とした請求項6または8記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項10】
導電性不織布シートよりなる第1の集電体がロール状に捲かれた状態もしくは折り畳まれた状態とされ、そのような状態でチューブ型燃料電池セルが固定された請求項1、6または8記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項11】
筒状ケース内に収容され、モジュール化された状態で用いられる請求項10記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項12】
ロール状に捲かれあるいは折り畳まれた状態のチューブ型燃料電池セル群の外周部に無機円柱体を配してなる請求項10記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項13】
その外周部に無機円柱体を配したチューブ型燃料電池セル群を円筒体に挿入し、チューブ型燃料電池セル群両端部をポッティングした請求項12記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項14】
筒状ケース内に収容され、モジュール化された状態で用いられる請求項13記載のチューブ型固体電解質燃料電池。
【請求項15】
導電性不織布シートよりなる第1の集電体の面方向に、チューブ型燃料電池セルを挿入可能な、導電性不織布円筒体よりなる第1の孔部を複数設け、該孔部にチューブ型燃料電池セルを挿入し、一体化することを特徴とするチューブ型固体電解質燃料電池の製造法。
【請求項16】
チューブ型燃料電池セルが、導電線を挿入した多孔質導電性円筒体の外周部に電極、固体電解質および電極を順次積層させた円柱状積層体である請求項15記載のチューブ型固体電解質燃料電池の製造法。
【請求項17】
導電性不織布シートの面方向に、導電体を挿入可能な導電性不織布円筒体よりなる第2の孔部を複数設け、第1の孔部より口径の小さい第2の孔部に導電線を第2の集電体として挿入し、一体化する請求項15または16記載のチューブ型固体電解質燃料電池の製造法。
【請求項18】
導電性不織布シートの面方向に設けられた第1の孔部相互間に、導電線が第2の集電体として織り込まれ、一体化された請求項15または16記載のチューブ型固体電解質燃料電池の製造法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−328939(P2007−328939A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157114(P2006−157114)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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