チョコレート製品及び材料並びに新規な水中油型懸濁物の製造方法
本発明は、例えば食用水中油型懸濁物を製造するためにココア材料及び乳材料を操作し、水分又は水分活性レベルを低下させるために場合により懸濁物を乾燥するための新規な手段及び方法を提供する。一実施形態においては、ココアデンプン及び/又はタンパク質によって形成されるゲルネットワークを生成させるために、ココア製品が使用される。この懸濁物は、乳タンパク質及びココア固体で形成され、且つ分散成分としての結晶化ココアバター、及び連続相すなわち水相としての水又は脱脂乳も含み、懸濁物を場合により乾燥して水分含有量を減少させ、且つ/又は最終的な質感若しくは特性を操作する。本発明によって可能なこの組成物、製品、及び材料は、従来のチョコレートと同じココア含有量を有し、且つ/又はチョコレート製品に関する同一性の規格の範囲内に入る、低カロリー若しくは減カロリー又は無糖のチョコレート製品又はチョコレート材料のための新規な方法及び成分を提供する。加えて、本発明の使用によって、チョコレート製品又はチョコレート材料の粘度はココアバターの含有量に特定の依存をすることなく容易に変化させることができるので、チョコレート製品の製造及び包装の選択肢が拡がる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年12月8日に出願され、係属中の米国特許出願第11/006820号の優先権の利益を主張し、且つ米国特許出願第11/006820号の一部継続出願であり、2005年4月5日に出願され、係属中である米国特許出願第11/098540号の優先権の利益を主張し、かつそれぞれの全体を参照として本願に取り入れる。
【0002】
本発明は、食品及び食品材料、特にココア含有製品のタンパク質成分及び多糖類/デンプン成分を、食品材料及び最終食品として操作する新規な方法に関する。一態様において、本発明は、ココアのデンプン及び/若しくはタンパク質、又は乳タンパク質及びココア固体によって形成されているゲルネットワークを含み、また分散している成分としての結晶化したココアバター及び懸濁物の連続相すなわち水相としての水又は乳若しくは脱脂乳をも含む、チョコレート組成物を包含する。従来は、チョコレート組成物には、組成物及び懸濁物の連続層としてココアバターを、一般に、分散層としての砂糖、乳固体及びココア固体と共に使用した。液体ココア組成物及び固体ココア組成物の両方が、伝統的にこの標準に従っていた。しかし、本発明によって得られる組成物、製品、及び材料は、ココア材料及び/又は他の材料のデンプン及びタンパク質成分のゲル形成能力を利用して、好都合な性質を有する広い範囲の水中油型懸濁物を作り出すことができる。例えば、従来のチョコレートと同じココア含有量を有し、且つ/又はチョコレート製品の同一性の規格の範囲内に入っていながら、低カロリー又は減カロリーのチョコレートの製品又は材料のためのレシピを考案することができる。好ましい一実施形態において、本発明は、最終の製品又は組成物の水分活性を制御して、製品及び組成物に微生物学的安定性を与えるための乾燥段階を包含する。加えて、本発明の使用によって、特定のココアバター含有量に依存することなくチョコレートの製品又は材料の粘度を容易に変化させることができるので、チョコレート製品の製造及び包装の選択肢が拡がる。
【背景技術】
【0003】
従来、チョコレートの製品及び材料は、連続層としての脂肪又は油を有する懸濁物として存在する。ココアバターの多形結晶は、これらの懸濁物の微細構造の重要な部分を形成し、ココアバターの結晶化を制御する方法は周知である。一般に、ココアバター結晶を最も安定な形態に設定することが望ましい。脂肪懸濁物内の形態の相違の把握に失敗すると、貧弱な色及びブルーミングという結果がもたらされる。
【0004】
製造の観点からは、チョコレート組成物の粘度を変えるためには、ココアバターの含有量が高いと粘度の高い最終の製品又は材料が得られるというように、ココアバターの含有量が変えられてきた。チョコレートの加工又は包装中に、ある材料の流動性又は溶解性を増大させるためには加熱を使用することができるが、加熱はココアを含有している組成物の性質を変えるための方法としては使用されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に言えば、本発明は、特にココア及び菓子製品の分野において、現在ほとんど脂肪又は油のエマルジョンだけに依存している、食品及び材料の製造技術の短所に対処する。本発明の水中油型懸濁物の使用は、新しくて向上した製品、特にココア製品及びココア材料のための安定な水中油型懸濁物の考案におけるより高い柔軟性を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水中油型懸濁物中に、結晶化し且つゼラチン化した構造を有する食品の製品及び材料に関する。本発明の方法、食品及び食品材料によって可能となり且つ実証されたゼラチン化した構造、結晶化した構造、及び水中油型懸濁物の組合せは、食品加工分野に数多くの利点を提供する。例えば、本発明は、より広い温度範囲にわたって向上した粘度特性を持つ製品を提供し、質感、味、口当り、及び粘度などの他の望ましい特徴を維持しつつ、無糖又は低カロリー若しくは減カロリー製品の製造を可能にする。さらに、本発明は、方法及び材料、又はより具体的には、チョコレート製造分野では標準的な慣行が不適切又は望ましくないと報告されている水分レベルを組み入れると言うことができる。例えば、Beckett(「工業的チョコレート製造及び使用(Industrial Chocolate Manufacture and Use)」、3d Ed.、Beckett ed.、1999、Blackwell Science Ltd.、特に9章及び20章を参照されたい)は、追加の脂肪を使用するという要件を避けるため、及び微生物増殖の可能性を避けるか又は最小限に抑えるために、チョコレートの加工中は水分を除去することが必要であると注記している。加えて、Minifie(「チョコレート、ココア、及び菓子(Chocolate,Cocoa,and Confectionery)」)、3d Ed.、Aspen Publishing、特に5章を参照されたい)は、所望の粘度を維持するために、チョコレートの加工において水の導入を最小限に抑えることの重要性を注記している。従って、一態様において本発明は、ココア及び/又はチョコレートの食品材料又は製品のための水中油型溶液中の水相として水又は水に基づく溶液を使用することによって、通常のチョコレート製品及びチョコレート材料の製造と比較して、直感に反した方法及び材料を利用する。しかし、場合によっては、本発明による最終の製品又は組成物の水分含有量又は水分活性は、微生物学的な増殖又は混入を減少又は排除するために望ましいレベルまで操作することができる。加えて、当業者なら水分レベルを操作することによって最終製品についての所望の微細構造又は特徴を選択することができる。例えば、最終の水分レベルに応じて、同じ製品が塑性状態から脆くてパリパリした製品まで変わることが可能である。好ましい一実施例においては、同じチョコレート製品で約0.85の水分活性(Aw)を有するものは通常クリーム状の滑らかなペーストであるが、約0.6のAwではどちらかというとカラメルのように腰のあるものになり、約0.3では乾いたチップのようにパリパリして脆い。通常は、水分活性の抑制は乾燥工程又は最終乾燥工程によるが、任意の知られているか又は利用可能な方法を使用することができる。
【0007】
一実施形態において、食品材料は、少なくとも約2%又は少なくとも約3%のココア固体及び少なくとも約2%又は少なくとも約3%のココアバターを含む油又は脂肪の相を含み、このココア固体は室温の最終材料又は製品中では懸濁物になっており及び/又は少なくとも部分的に結晶化している。ココア又はチョコレートを含むさまざまな実施形態において、さまざまな添加されたココア含有製品の1つ又は複数からのココアバター及びココア固体の含有量は、約2%〜約3%のココアバター、約3%〜約5%のココアバター、約5%〜10%以上のココアバター、及び約2%〜約3%のココア固体、約3%〜約5%のココア固体、及び約5%〜10%以上のココア固体、及びこれらの範囲の任意の組合せを含む範囲の最終の重量パーセント値を生じるように選択することができる。一態様において本発明は、ゼラチン化された及び/又は本明細書で記載しているような水中油型懸濁物を有さないか、或いはこれを生じるようには処理されていない、先行の又は従来のチョコレートと乳の混合物を包含しない。一般に、先行のチョコレートと乳混合物は、当業者なら理解するように、安定な懸濁物を形成しない。
【0008】
本発明の、又は本発明において使用する食品材料又は食品は、いかなる特別の状態又は温度、例えば室温、にも限定されない。室温において結晶化又は部分的に結晶化した構造への言及は、その食品材料又は食品が、室温にあるときに、結晶化した又は部分的に結晶化した構造又は微細構造を呈する能力があることを意味する。従って、部分的に、懸濁物は結晶化した構造を有する。食品材料は、例えば少なくとも約5%の乳固体と、少なくとも約5%の栄養炭水化物甘味料の組成物のように、水又は乳又は脱脂乳を含む水相をさらに含む。少なくともココア固体、又は他のココア製品中に存在する可溶性デンプン又は多糖類とタンパク質は、懸濁物中でゲルネットワークを形成する能力がある。従って、部分的には、懸濁物はゼラチン化された構造を有する。少なくともココアからの不溶性粒子、例えばココアセル壁物質は、ゲルネットワーク内に分散されて懸濁物の部分を形成する。ココア含有組成物が、決まったように言及されているが、本発明はココア含有組成物には限定されない。他の食品材料又は食用組成物も使用することができる。
【0009】
特定の一実施形態において、本発明の食品材料は、最終の材料形態又は製品形態中に少なくとも約15重量%、又は少なくとも約18重量%、又は少なくとも約20重量%のココア固体を有する。従って、本発明の方法及び材料及び製品は、所望の市場又は特有の規制状況下で存在し得るチョコレート、ミルクチョコレート、ビタースイートチョコレート、及びホワイトチョコレートに関する同一性の規格の範囲内に入るさまざまなチョコレート製品の製造において使用することができる。さらに、人工又は栄養価のない甘味料は、本発明と関連して、低カロリー又は低炭水化物製品又は無糖製品を製造するために使用することができる。ビタミンの食品添加物及び/又はミネラルの食品添加物も、チョコレート又はココア含有食品の栄養素含有量を向上させるために場合により加えることができる。
【0010】
他の一態様において、本発明は、ココアバター、乳脂肪及び/又は他の食用脂肪、及び場合により乳化剤を含む、脂肪又は油の相の組成物が、水又は乳を含む水相又は連続相と混合される、食品材料を作製する方法を含む。混合は、食品及び食品材料の業界に知られているさまざまな方法によって行うことができ、具体的にはホモジナイザー法、ダイナミックミキサー法、又はスタティックミキサー法が含まれる。水中油型懸濁物を調製した後、この油又は脂肪の相と水相又は連続相との混合物を、例えばココア固体のタンパク質成分とデンプン成分がゲルネットワークを生成する条件下において加熱することができる。一般的に言えば、ゲルネットワークは、機能的には、処理前又は加熱前の形態と比較して増大した粘度を有するゼラチン化した組成物である。これはタンパク質及び/又は炭水化物を含有する成分などのバイオポリマー含有成分、特にココア固体などのココア製品及び乳固体などの乳製品から調製することができる。当業者なら、本明細書に記載した組成物を含む組成物の粘度を測定する方法及び装置に精通している。本発明をいかなる特定の機序にも限定するものではないが、ココア含有組成物などの食品材料の組成物中のタンパク質及び/又は可溶性炭水化物若しくはデンプン成分は、組成物の成分に応じた特定の処理又は加熱過程によって効果的に膨潤又は水で飽和させることができる。好ましい処理においては、ゲルネットワークの形成は、ココア含有組成物の場合は約52℃〜約68℃の範囲まで加熱することによって効率的に起こる。同じココア含有組成物におけるゲルネットワークの形成は、機械的せん断を用いて又は用いずに、長期間放置することによっても起こり得る。機能的には、処理又は加熱段階は、ゲルネットワークを形成するために、既存の状態から自然のタンパク質の立体配置を崩壊させ且つ/又は炭水化物又はデンプン又はバイオポリマーの成分を膨潤させる。ココア製品の成分の膨潤は長時間を要し且つ/又は機械的な処理を使用する可能性があるので、本発明による好ましいゲルネットワークの調製方法は加熱による。
【0011】
ゲルネットワークが形成されたとき又はゲルネットワークが形成された後で、処理又は加熱工程の中に、先に記載したように、任意選択の乾燥工程を組み入れることができるが、或いは乾燥又は加熱工程を追加で使用して最終製品又は最終組成物の水分活性のレベルを低減又は操作することもできる。この加熱又は乾燥段階は、ゲルネットワークを形成するための処理又は加熱とは分けることができるが、或いは製品又は組成物からの水分の蒸発を観測することによって、これをゲルネットワークを形成するための処理又は加熱工程の部分として組み入れることもできる。一般的には、製品若しくは組成物から水分を加熱、乾燥、又は蒸発させて所望の水分活性レベルを実現するためには任意の方法を使用することができる。チョコレート又はココアを含有する製品又は組成物に関しては、水分活性のレベルは好ましくは約0.9未満、より好ましくは約0.75〜約0.65、又は0.65未満であり、約0.33以下という低さであってもよい。実際に、本発明の下にある最終の製品又は材料に対しては水分活性のいくつかの範囲を使用することができ、例えば約0.9〜約0.8、約0.85〜約0.8、約0.8〜約0.75、約0.75〜約0.65、約0.65〜約0.55、約0.55〜約0.45、約0.45〜約0.4、約0.4〜約0.35、約0.35〜約0.3、又は約0.35未満、又は約0.9未満、又はこれらの範囲の任意の組合せである。
【0012】
チルドミラー装置又は電気抵抗若しくは静電容量装置など、水分活性の任意の適当な測定を使用することができる。前述の水分活性レベルに加えて、最終の製品又は組成物に安全な水分レベル、例えば、製造、貯蔵及び/又は流通に関して選択された条件下で、最終製品又は組成物中の望ましくない微生物の増殖を防ぐのに十分な低い水分レベルなど、を機能的に与えるために乾燥工程を使用することができる。一部のチョコレート製品については、普通の安定な貯蔵及び流通の条件に対して約0.65未満の水分活性レベルが望まれる。しかし、ある種の微細構造及び/又は製品の密度及び/又は製品の特徴が望まれる場合は、より高い又はより低い水分活性を選択することができる。こうして、最終製品は、クリーミーなプディング様の製品又は組成物から、パリパリしたチップ様の製品又は組成物までの相違があり得る。当業者なら、深床(deep bed)乾燥機、トレー乾燥機、ベルト乾燥機、流動床乾燥機、トンネル乾燥機、日光又は太陽熱乾燥機、加熱表面乾燥機、回転ドラム式(drum/roller)乾燥機、調理用エクストルーダー、真空乾燥機及び真空棚乾燥機、凍結乾燥機、並びに他のどの乾燥機又は水分蒸発装置或いは水分活性レベルを操作する方法にも精通している。
【0013】
図5及び6の顕微鏡写真においては、処理又は加熱されたココア成分と、従来のココア加工の後の同じ成分の間の相違を見ることができる。一般に、本発明の方法は、ココア含有組成物又は懸濁物の微細構造を可能にし、ココアバター小滴は、直径が約0.5〜約100ミクロン、又はより好ましくは直径が約0.5〜約30ミクロンであり得る。さらに、使用したココア製品の炭水化物又はデンプン成分又は使用したココア製品からの細胞成分は、本発明の方法及び製品中で目に見えるほど膨潤しているが(図6参照)、図5の従来の暗いチョコレート組成物においては、比較すれば、これらは通常懸濁物中の結晶化した及び/又は無定形の成分として存在する。加えて、図6の懸濁物中の砂糖は、図5の従来の組成物中に示されている結晶構造ではなく、連続相中に溶解しており、それ故により均一で滑らかな質感になる。
【0014】
図7及び8は、水分活性レベルを低下させる又は操作するための乾燥工程後の顕微鏡写真である。水分を約4%すなわち約0.3の水分活性まで低下させることによって、最終チョコレート製品は、乾いた又はパリパリの構造にすることができ、且つ/又は蔗糖は部分的に再結晶化することもあり得る(図に示されているように)。低水分製品はこうしてカラメル様又はパリパリのチップの質感になることができる。従って、連続水相から水又は水分レベルを低下又は操作することは、当業者が製品又は組成物に対して微生物学的安定性及び最終質感における柔軟性を達成することを可能にする。例えば、すべての成分を、まず過剰の水に溶解させ、次いで組成物にゲルネットワーク構造を形成させ、水又は水分レベルを低下させることが、最初はカラメル様の高い粘性のある、又は比較的高粘性の、水中油型懸濁物を生じる。さらに乾燥させること又は水分をさらに低下させることが、パリパリのチョコレート製品を作り出し、その際、本質的に固定化された及び又は部分的に結晶化した蔗糖又は砂糖の構造が形成される。こうして、本発明は任意の選択された菓子製品及び特にチョコレート製品に対して、大いに独特の質感及び粘度の可能性を提供する。
【0015】
他の一態様において、本発明は、ココアバター含有組成物中のココアバターの融点よりも低い温度において、新規な水中油型懸濁物を提供する。本発明のこの態様及び他の態様においてココアバターが、脂肪又は油相の役割をするものとして論じられている。しかし、ココアリカー又はココアパウダーなどの、他のココア含有製品も使用することができる。加えて、当業者ならココア製品に乳化剤及び/又は親水コロイド及び/又は他のバイオポリマーを加えることには精通しており、また乳化剤及び親水コロイド並びにタンパク質及びデンプンの組成物を場合により加えること、又は本発明の食品材料、製品及び組成物中のココアバターによって置き換えることができる。ココアバター又は他のココア製品の他に、追加の脂肪成分を本発明の食品の材料又は製品を製造する方法において加えることができ、特に室温を超える、又は約25℃以上、又は35℃以上の融点を有するものが含まれる。以下に示すように、例えば分画された及び/又は水素化された及び/又はエステル交換されたパーム核油、パーム油、ココナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、カノーラ油、及びコーン油、又はココアバター代用品は、室温より高い融点を有する食用油として使用することができる。
【0016】
特定の態様において、本発明は、食品材料を加工して加工された製品又は組成物にすることを含む。加工された製品又は組成物は、食品及び菓子業界の任意の方法によって調製することができる。例えば、工程段階は、成分、例えばビタミン、ミネラル、ナッツ、ピーナッツ、ピーナッツバター、アーモンド、カラメル、食用含有物、食品等級のガス、及び1つ又は複数のさまざまな利用可能な材料を加えることを含む。加工は、同様に又は加えて、被覆、成形、型成形、押出成形、コーティング、注入、ベーキング、凍結、包装、積層、ロール加工、切断、沈澱、パニング、注型、又は任意の他の利用可能な方法によって販売可能な食品を製造することを含む(Minifie、「チョコレート、ココア、及び菓子(Chocolate,Cocoa,and Confectionery)」、3d ed.、Aspen Publishers参照)。加えて、例えば材料又は食品からほとんどすべての不溶な粒子を除去するためにろ過及び分離工程を含むことができる。先に指摘したとおり、他の又は代わりの加工段階は、微生物学的に安定な製品にふさわしい水分活性レベルを実現するための、組成物又は最終製品の乾燥を含んでもよい。
【0017】
先に指摘したように、ゲルネットワークを形勢するために好ましい工程は加熱である。ココア製品含有組成物の場合は、混合された油相及び水相の加熱は、ゲルネットワークを形成させるのに十分な時間、約68℃に加熱することを含む。一般に、ココア含有製品の場合、ココアデンプンは約52℃〜約68℃の温度に置かれた場合にゲルネットワークを形成することができ、従って、ココアデンプンをこの温度に到達させる任意の加熱工程が十分なはずである。より長い時間を採用する場合は、他のより低い温度を選択し、使用することもできる。より高い加熱温度、例えば約121℃で約8.5分間、又は約150℃で少なくとも約4秒間を任意選択の加工方法又は任意選択の滅菌方法において使用することができる。他の方法には、混合物をゲルネットワークを形成するのに十分な時間、室温で放置すること、又は、例えば高圧ホモジナイザーを用いる、高せん断条件を使用することが含まれる。
【0018】
多くの製造できる可能性がある食品の一部においては、本発明の食品材料を、さらにミルクチョコレート、スイートチョコレート、ビタースイートチョコレート、セミスイートチョコレート、又はホワイトチョコレートを含有する製品に加工することができる。加えて、製品は、下記の実施例で示すとおり、チョコレートリカー、ココアパウダー、ヘビークリーム、無水乳脂肪、乳清タンパク質濃縮物、無脂肪乳タンパク質、全乳粉末、砂糖、レシチン、バニリン、及び脱脂乳の1つ又は複数を含むことができる。
【0019】
より一般的な態様において、本発明は、1つ又は複数のココア含有製品を使用する水中油型懸濁物の調製を含む。ココア含有製品は、普通に入手可能なカカオ豆の加工された形態、又はある程度加工された形態である。先に指摘したとおり、カカオ豆製品からのタンパク質及びデンプン成分を使用して、ある種の微細構造環境を作り出すことができる。化学プロセスにおける水中油型エマルジョンの製造は新しくはないが、特にココア含有製品、より一般的には食品のための水中油型懸濁物の使用は一般的ではない。加えて、チョコレート製品に関する多くの同一性の規格の1つ又は複数に当てはまるチョコレート製品のための水中油型懸濁物の使用は、これまでには記載されていない。他の1つの一般的態様において、本発明は、水中油型懸濁物内における食用のゼラチン化及び結晶化した微細構造を、ココア製品、乳製品、フルーツ製品、ベリー製品、又は野菜製品などの、ゲルネットワークを形成するバイオポリマーを含有する製品を使用して調製することを含む。バイオポリマーのゲルネットワークを形成する量を使用し、懸濁物は水相及び分散された油又は脂肪の相を含み、この中でゲルネットワークは懸濁物が加熱された後にバイオポリマーから形成されることができ、油又は脂肪の相の成分は室温において少なくとも部分的に結晶化し、懸濁物中に安定に存在する。「懸濁物中に安定に存在する」という句によって、3ヵ月まで、又は6ヵ月まで、又は8ヵ月まで、又は12ヵ月まで、又は18ヵ月まで、又は24ヵ月まで又はそれ以上の期間、懸濁物の成分はほぼ懸濁物のままに留まる。分散相の微細構造は、懸濁物中にある間は直径が約100μm以下の寸法を有するように選択することができる。これらの懸濁物から製造された食品材料は、元々はココア含有製品、フルーツ含有製品、ベリー含有製品、又は他の類似の製品、或いは親水コロイド含有製品でさえある形態で提供されたバイオポリマーを有することができる。この食品材料は、加えて又は代わりに、室温において少なくとも部分的に結晶化した油相又は脂肪相中の成分を含み、ココアバター、分画及び/又は水素化された及び/又はエステル交換されたパーム核油、パーム油、ココナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、カノーラ油、コーン油、17−ステリン、ココアバター代用品又は等価物、乳脂肪、又は室温において、又は約20℃において、又は約25℃において、又は約30℃において少なくとも部分的に固体又は結晶化している任意の油又は脂肪の1つ又は複数から選択することができる。加えて、本発明は、はっきり言えば、記載されている食品材料の任意のもの又は本開示の全体を通じて記載されている方法によって製造された任意の食品材料を含む最終食品を包含する。
【0020】
本明細書において論じる水中油型懸濁物は、例えば連続媒体すなわち連続相中の油滴及び/又は不溶性粒子の懸濁物のことであり、一方、エマルジョンは、対照的に、連続相においてはすべての成分が溶解している。食品レオロジー分野では一般に、懸濁物は少なくとも1つの固体が連続相に分散されており、連続相は少なくとも1つの液体である(例えば、「ファン・ノストランドの科学事典(Van Nostrand’s Scientific Encyclopedia)、D.Van Nostrand Co.,Inc.、Priceton,New Jersy、4th ed.1968,620頁及び1782頁;「食品のレオロジー(Rheologie der Lebensmittel)」、Weipert/Tsceuschner/Windhab,Behr’s Verlag,Hamburg,Germany、1993、108頁及び122頁、参照)。本発明の食用水中油型懸濁物は、水性連続相内にほぼ安定に懸濁している油滴の分散相及び不溶性粒子を指すが、エマルジョンにおいてはすべての分散層成分は液体でなければならず、また連続相中に単に混合されているだけであり、一般に、安定には懸濁していない。さらに、エマルジョンは必ずしも本明細書で述べたようなゲルネットワークを採らない。事実、本明細書で記載しているような食用水中油型懸濁物を製造するために使用されるココア系ゲルネットワークの報告はない。このように、一般的に本発明の懸濁物は、ゲルネットワーク又はゼラチン化した連続水相中に分散している結晶性及び/又は不溶性小滴及び/又は粒子の分散体を含む。好ましい実施形態としてココア系水中油型懸濁物を記載しているが、他のバイオポリマー含有組成物も使用することができる。
【0021】
ココア系水中油型懸濁物を製造する方法の一態様においては、その方法は、ココアバターを含む1つ又は複数のココア製品を含み、且つココアタンパク質及び/又はデンプン若しくは炭水化物成分を有する脂肪相を、水相と混合することを含む。好ましい実施形態においては、最終の非脂肪ココア固体含有量は、最終懸濁物の少なくとも約2重量%、又は約3重量%、又は約4重量%以上である。好ましい実施形態においても、水相は、水、砂糖若しくは甘味料、又は両方、及び/又は乳及び/又は脱脂乳、及び/又はクリームを含む。他の液体又は溶液も水相として使用することができ、本発明は、はっきり言って、乳又は乳製品なしで調製されたチョコレート組成物又はココア組成物、乳なしのチョコレート飲料又はココア飲料さえも含む。混合されるとすぐに、膨潤又は加熱段階が起こり、ココアタンパク質及びココアデンプンの成分からなるゲルネットワークが形成される。ゲルネットワークの形成は、当業において知られているさまざまな方法によって検出することができ、それらの方法には顕微鏡観察、直接的粘度測定、超音波法、及び光散乱法が含まれる。粘度測定を使用する場合は、1つの好ましい検出可能な変化は、ずり速度として測定するときに、加熱後のどの時点で懸濁物の粘度が増加するかである。より具体的には、測定可能な30sec−1のずり速度において粘度の増加が少なくとも約2倍である。任意選択の乾燥すなわち水分活性を低下させる前記の工程において、連続相から水分を減少させることは粘度のさらなる上昇を生じ、これは所望の最終水分レベル及び所望の最終質感に依存する。当業者なら理解するとおり、ある水分活性レベルにおいて最終製品の質感及び/又は密度は、まるで固体であるかのように安定化する。顕微鏡観察を使用する場合は、当業者ならゲルの形成を、最終懸濁物への影響、及び懸濁物内の成分部分の外観によって判定することができる。例えば、ココア含有組成物中のデンプン顆粒は、膨潤前には視覚化することができるが、ゼラチン化の後はできない。ココアバターの小滴は、ほぼ室温の懸濁物中で、0.5〜100μm、又は0.5〜30μmの範囲で視覚化することができる。やはり、任意選択の乾燥すなわち水分低下工程を採用する場合には、ある種の砂糖又は成分は、最終の製品又は組成物の顕微鏡視野中で部分的に再結晶化することがある。
【0022】
本開示を通じて、出願人らは雑誌の論文、特許文書、刊行された参考書、ウェブページ、及びその他の情報源に言及する。当業者なら引用した情報源の任意のものの全内容を、本発明の態様を模倣及び使用するために、使用することができる。それぞれの及びすべての引用した情報源は、明確に、その全体を参照により本明細書に組み入れる。これらの情報源の部分を、許可又は要求に応じて本文書に含めることがある。しかし、本開示において明確に定義又は説明するすべての用語及び句の意味は、これらの情報源のいずれの内容によっても変更されてはならない。以下の説明及び実施例は、単に本発明の範囲及び本開示の内容の例となるものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。実際に、当業者なら、以下に挙げる実施例に対する多数の変更を、本発明の範囲を逸脱することなく考案し、構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
一般に及び本発明において使用するときも、本明細書において記載するさまざまなチョコレート及びココアを含有する製品及び組成物は、Minifie(「チョコレート、ココア、及び菓子(Chocolate,Cocoa,and Confectionary)」、3d ed.、Aspen Publishers)で使用されているその用語に言及するものであり、明確に、参照により本明細書に組み入れる。カカオ豆は、自然界のカカオ豆のことであり、ココア豆とも呼ばれ、ココア含有製品は、ココア豆に由来する製品又はココア豆に由来する何らかの成分を有する製品である。ニブは、殻を含まないカカオ豆のことであり、乾燥物規格で脂肪約54%及び無脂肪固体46%である。無脂肪ココア固体は、加工されたチョコレートリカーの無脂肪固体である。ココアパウダーは、通常10%〜12%の全脂肪を有するココア固体のことであり、脂肪は一般にココアバターである。ブレックファストココアは、20〜24%の脂肪を有するココア固体であり、脂肪は一般にココアバターである。チョコレートリカー(又はココアリカー)は、粉砕されたココアニブであり、これはココアバターとココア固体に分けることができる。ココアバターは、チョコレートリカーの脂肪成分であり、チョコレートリカーの残りの部分はココア固体又はココアマスである。当業者なら理解しているように、食品材料中のココア固体のある量又はパーセンテージは、とりわけ、ココアパウダー、チョコレートリカー、又は必要な量のココア固体を含有している他のチョコレート材料又はココア材料のある量を使用又は添加することによって達成することができる。同様に、食品材料中のココアバターのある量又はパーセンテージは、とりわけ、チョコレートリカー又は必要な量のココアバターを含有している他のチョコレート又はココアの材料のある量を使用又は添加することによって達成することができる。さらに、多くの異なる国が、ココア又はココア製品を含有する食品を、一定の範囲又は一定の材料を有するものとして具体的に規定しているが、チョコレート、ミルクチョコレート、及びダークチョコレートという用語は、米国の食品業界において共通に使用されているとおりであり、別途に記載のない限りは、特定の含有量を示唆しない。加えて、特定の酸化防止剤又はポリフェノールのレベルを有するココア含有製品は要求されていないが、本発明は、従来のココア含有製品と比較して、酸化防止剤又はポリフェノール化合物の、高められた、変更された、又は増加されたレベルを有するココア含有製品の使用を包含する。他の栄養的、治療的、又は予防的材料も、当業において知られているように添加することができる。
【0024】
先に記載したように、1つの一般的態様において、本発明はココア含有製品にゲルネットワーク又はゼラチン化構造を作る方法を提供する。以下の表は、水中のココアパウダーにゼラチン化された懸濁物を生成させるための加熱工程の使用の結果を表す。
【0025】
表1: さまざまな水中のココアパウダー組成物の、90℃まで加熱する前後の粘度値。
【表1】
【0026】
表1及び図1に示した結果は、さまざまな水中のココアパウダーの組合せと粘度測定によって決定した機能性ゲルネットワークの生成を比較している。ココアパウダー及び水は、まずローターステーターミキサー中で約5秒間〜約1分間又は2分間混合する。ほとんど瞬間的に最小の小滴のサイズを生成するホモジナイザー又は高圧ホモジナイザーを使用することができる。次いで、水中のココアパウダーの組成物を熱処理してゲルネットワークを生成させる。より具体的には、ココアパウダーを水に溶解させ、サンプル12.2mlを、同軸シリンダーDIN 53 019 TA Instruments AR2000 Rheometerに注入する。温度掃引を25℃から90℃まで10℃/分で行い、90℃に8分間保ち、90℃から25℃まで10℃/分で冷却し、25℃で40分間保つ。30/秒のずり速度を使用する。ココアパウダー約5%の濃度では、粘度に対する効果は小さいが、加熱前の組成物と比較すると粘度は上昇した。ココアパウダー約10%からは、粘度の上昇は約2倍以上である。たとえ8mPaの低いレベルでも、ココア含有製品及び材料の粘度に影響を及ぼす可能性がある。当業者なら承知しているように、組成物の粘度及び微細構造の変化を観測する能力は、安定化を含むいくつかの加工上の利点を有する。約15%以上では、測定可能な粘度の顕著な上昇がある。ココア製品中のタンパク質及びデンプン成分は、過去に考察されている(例えば、Voigt et al.,Food Chemistry 47: 145〜151頁(1993);Schneider and Keeney,J.Food Sci.45: 555頁(1981);Gellinger et al.,Starch/Starke 76〜79頁(1981)を参照されたい)。しかし、これらの報告のどれも、ココア成分のゼラチン化を、食品の製品及び材料を水中油型懸濁物として製造するために、又はココアを用いて安定な懸濁物を製造するために使用することの利点には言及していない。実際に、本発明の安定な懸濁物は、何ヵ月、又は約3ヵ月〜約2年の間安定なココア又はチョコレートの製品を調製するために使用することができる。従前の方法を使用する等価な製品、例えばチョコレートドリンクすなわち飲み物などは、安定な懸濁物では留まらず、かき混ぜるか又は振とうしなければならない。さらに、本発明の製品及び材料は、例えば凍結温度、凍結及び解凍条件、及び長期間の室温貯蔵などのより広い温度範囲にわたって優れた特徴を提供するように考案することができる。現在使用されている食品エマルジョンは、これらの特徴を持っていない。加えて、任意選択の乾燥又は水分活性低下の工程は、さらなる質感又は粘度の選択肢及び/又は微生物学的安定性を提供することができる。先に記載し、また実施例において示すように、水分活性レベルは、クリーミーな製品については約0.85、噛み応えのある製品については約0.65、及びパリパリした製品については0.35の範囲内にあることができる。
【0027】
この基本原理を使用し、またココア含有組成物のゲルネットワークを生成する能力を使用しつつ、さまざまなココア含有組成物及び他の製品を使用する実施例を使用することができる。加えて、広く使用されている他の材料、及びある種のチョコレート製品に関する同一性の規格によって規定されている他の材料を使用することができる。例えば、チョコレートリカー(ココア及びココアバター)、ココアバター、乳、濃縮乳、蒸発乳、加糖濃縮乳、乾燥乳、脱脂乳、濃縮脱脂乳、蒸発脱脂乳又は加糖濃縮脱脂乳、ココアパウダー、ヘビークリーム、香味料、乳清タンパク質、無水乳脂肪、無脂肪乳タンパク質、全乳粉末、豆乳、豆乳タンパク質、レシチン、砂糖、及びさまざまなコーンシロップを使用することができる。一般に水分レベルすなわち水分活性レベルは、チョコレート製品の同一性の規格において一般には言及されていない。従って、本発明は、チョコレート製品において以前に使用されていたものについて、さまざまな材料を操作するため及びさまざまな材料を置き換えるために使用することができる。ココア含有ゲルネットワークは実施例において詳細に説明されているが、本発明はココア系ゲルネットワーク及びココア製品を含む懸濁物には限定されない。フルーツ又はフルーツピューレ、タンパク質、親水コロイド、多糖類などを含有するものなどの、他のバイオポリマー組成物が、ゲルネットワークを生成するために使用することができ、また室温よりも高い、又は約20℃よりも高い、又は約20〜25℃よりも高い融点を有する少なくとも1つの脂肪成分と組み合わせることができる。加えて、フルーツ製品、ナッツ、ナッツ製品、及び他のより大きい粒子の添加物などの他の材料又は追加の材料を、本発明のゼラチン化/結晶化懸濁物、例えばある種のフルーツプディング組成物中で使用することができる。実際に、材料のどの相性のよい群又は組でも、その成分が、選択されたバイオポリマー成分のゲルネットワーク形成性を大幅に阻害したり、大幅に破壊したり、大幅に低下させたりしない限りは、選択することができる。
【実施例】
【0028】
食品及び菓子の業者に入手可能な通常の材料及び代用品を使用して、上記のココアパウダーなどのココア製品を、ゲルネットワークを生成させるための溶液中で組み合わせることができる。一例として、下記の実施例1〜3において、材料は、まず脂肪又は油相材料(例えばチョコレートリカーなどのココアバター含有製品)及び水又は水性材料(例えば乳又は脱脂乳)として調製することができる。加えて、1つ又は複数のチョコレート製品又は本発明の食品材料の代表的な材料には、大豆レシチン又はレシチン、クリーム、乳脂肪、バター、濃縮乳、蒸発乳、濃縮脱脂乳、蒸発脱脂乳、濃縮バター乳、乾燥バター乳、麦芽乳、乾燥乳、甘味料、及び植物脂肪が含まれる。脂肪又は油相材料を混合した後、2群の材料(すなわち、水相及び油相)を混合し、及び/又はホモジナイズし、ココア系成分とのゲルネットワークを誘起するために所望の温度、例えば65℃、又は約52℃〜約68℃まで加熱する。1つの任意選択の段階として、ゲルネットワークの形成に加えて滅菌のために、約120℃で15分間の加熱を使用することができる。当業者なら使用のために選択する又は適合させることができる超高温滅菌又は高温加圧滅菌に精通している。或いは、より長時間後には、溶液中での膨潤が起こり得る。
【0029】
以下の国を含むさまざまな国についての同一性の規格を使用して個々の実施例を選択することができる。
【0030】
チョコレート製品に対する同一性の米国規格:セミスイート又はビタースイートチョコレートに関しては、チョコレートリカー35%以上及び乳固体合計12%未満;ミルクチョコレートに関しては、チョコレートリカー10%以上、乳脂肪3.39%以上、及び合計乳固体12%以上;ホワイトチョコレートに関しては、乳脂肪3.5%以上、乳固体合計14%以上、ココアバター20%以上、及び栄養炭水化物甘味料55%以下。
【0031】
CODEXチョコレート規格:チョコレートに関しては、ココア固体35%以上、ココアバター18%以上、及び無脂肪ココア固体14%以上;スイートチョコレートに関しては、ココア固体合計30%以上、ココアバター18%以上、及び無脂肪ココア固体12%以上;ミルクチョコレートに関しては、ココア固体合計25%以上、無脂肪ココア固体2.5%以上、乳固体12%〜14%、及び乳脂肪2.5%〜3.5%;ホワイトチョコレートに関しては、ココアバター20%以上、乳固体14%以上、及び乳脂肪2.5%〜3.5%。
【0032】
ブラジルの同一性の規格:チョコレート(ミルク及びダーク)、ココア固体合計25%以上;ホワイトチョコレートに関しては、ココアバター固体合計20%以上。
【0033】
ココア及びチョコレート製品に関するヨーロッパの規格:チョコレート、ココア固体合計35%以上、ココアバター18%以上、及び無脂肪ココア固体14%以上;ミルクチョコレートに関しては、ココア固体合計25%以上、無脂肪ココア固体2.5%以上、乳固体14%以上、乳脂肪3.5%以上、及び脂肪合計(ココアバター、ココアバター等価物(CBE)、及び乳脂肪)25%以上;ホワイトチョコレートに関しては、ココアバター20%以上、乳固体14%以上、乳脂肪3.5%以上。
【0034】
ココア及びチョコレート製品に関するカナダの規格:ビタースイート又はセミスイートチョコレートに関しては、(リカー、ココアバター又はココアパウダーからの)ココア固体合計35%以上、ココアバター18%以上、無脂肪ココア固体14%以上、及び乳固体5%以下;ミルクチョコレートに関しては、(リカー、ココアバター又はココアパウダーからの)ココア固体合計25%以上、ココアバター15%以上、無脂肪ココア固体2.5%以上、乳固体合計12%以上、乳脂肪3.39%以上;ホワイトチョコレートに関しては、ココアバター20%以上、乳固体14%以上、乳脂肪3.5%以上。
【0035】
メキシコの同一性の規格:チョコレートに関しては、ココア固体合計35%以上、ココアバター18%以上、無脂肪ココア固体14%以上;ビターチョコレートに関しては、ココア固体合計40%以上、ココアバター22%以上、無脂肪ココア固体18%以上;セミビターチョコレート、ココア固体30%以上、ココアバター15.6%以上、無脂肪ココア固体14%以上;ミルクチョコレート、ココア固体合計25%以上、ココアバター20%以上、無脂肪ココア固体2.5%以上、乳固体合計14%以上、乳脂肪2.5%以上、並びにココア及び乳脂肪40%以上;ホワイトチョコレートに関しては、ココア固体合計20%以上、ココアバター20%以上、乳固体合計14%以上、乳脂肪3.5%以上、並びにココア及び乳固体合計34%以上。
【0036】
以下の3つの実施例は、使用可能なチョコレート製品材料における可能な変更を明らかにしている。これらのレシピ(配合)は、上記の、又はその件に対するあらゆる他のチョコレート製品又は材料についての同一性の規格に従う又はそれらを考慮に入れるために操作することができる。少なくともカロリーの低下及びコストの低下には好都合な性質がある。その他の利点には、粘度レベルを操作する能力及び所望の微細構造を生成する能力が含まれる。以下の実施例において挙げるパーセンテージはおおよそであり、当業者ならパーセンテージを、及びレシピに追加する成分さえも、本発明から逸脱することなく変化させることができる。
【0037】
実施例の最初の組は、本発明のゲルネットワーク形成の態様に最も直接的に関連し、水分活性を減少させる工程は示されていない。実施例6以降は、特に本発明の乾燥すなわち水分活性を操作する方法を示す。
【0038】
(実施例1)
【表2】
【0039】
(実施例2)
【表3】
【0040】
(実施例3)
【表4】
【0041】
上記の3つの個々の実施例から得られるチョコレート製品はすべて、総体的に軽くて優しい香味の、軽い質感でチョコレート風味の組成物となる。上に挙げたカロリーの低減(カロリー低減率[%])は、Hershey’s Milk Chocolateバーとの比較による。これらのような製品は、室温で安定であり、質感又は口当たりを悪化させることなく凍結し、解凍することができる。加えて、本発明は、同一性規格のチョコレート製品を調製するコストを低下させ、また同一性規格のチョコレート製品の全カロリーを低下させる。
【0042】
図6のチョコレート製品は、前記のとおり簡単な調製方法を使用した。図5ののサンプルは、米国市場の従来のセミスイートチョコレート製品である。顕微鏡観察用のサンプルを調製するために、1部を、図5には10部の鉱油と、及び図6には脱塩水と、スパチュラを使用して手で混合する。滴の約1/4をきれいなスライドガラス上に溶着させ、スパチュラで拡げ、カバーガラスを被せて均一な厚さに押さえる。画像は16倍の対物(レンズ)を使用して透過補償偏光で見ることができ、デジタルカメラで画像を捉えた。図6は、本発明のゼラチン化/結晶化水中油型懸濁物の微細構造を示している。ココア豆材料及びココアバター油小滴の微粒子を見ることができる。
【0043】
(実施例4)
以下のレシピは、ココア製品を使用しない本発明の水中油型懸濁物を製造するために使用することができるが、ココア製品を使用することもできる。イチゴの種などのナッツ及びフルーツの粒子は、懸濁物中の不溶性粒子の部分となることができる。上記のように、示されているパーセンテージは、近似値であり、当業者は、パーセンテージを変更すること及び他の材料を加えることが、本発明を逸脱することなくできる。
【表5】
【0044】
上記のそれぞれの場合において、すべての材料をローターステーターミキサー中で混合し、次いで約68℃まで加熱する。製品は、包装の前に長時間加熱又は超高温若しくは超高温及び加圧条件によって滅菌することができる。上記のものなどのフルーツプディング実施例は、破砕ナッツなどの添加材料が、例えば4ヶ月以上の期間にわたって、懸濁物のままであれば、安定な製品を製造することが可能になる。
【0045】
(実施例5)
下記のレシピは、本発明のチョコレート液又はホットチョコレートの実施形態に言及する。上記のように、すべての材料は、おおよそのパーセンテージとして挙げてあり、当業者は、パーセンテージを変更すること及び他の材料を使用することが、本発明を逸脱することなくできる。
【表6】
【0046】
レシピ1及び2は、乳を缶の中で40℃まで加熱し、液化装置を3分間通過させて混合し、1500psiでホモジナイズし、第二段階は5psiでホモジナイズし、次にMicro Thermic UHTプロセッサーを260℃で8秒間通過させる。
【表7】
【0047】
上記のレシピ3には、すべての材料を一緒にローター/ステーターミキサーを用いて混合し、開放した中で約90℃まで加熱する。
【0048】
それぞれの場合に、得られた上記レシピ1〜3の懸濁物は、室温において安定に留まり、良好なチョコレート香味及び良好な口当たりを有する。
【0049】
水分活性の低減/粘度及び質感の操作。上記のように、調製中又は水中油型懸濁物の創製後に、組成物は最終製品又は最終組成物を製造するために乾燥すなわち水分活性レベルを操作することができる。下記の実施例においては、最初の水中油型懸濁物を、バッチ式ローター/ステーターミキサーを用いて9000rpmで30秒間混合し、300/30bar(Soavi Panda 2K)でホモジナイズし、開放の大気圧調理器(Bottom Line 0306040)に移す。温度を280°F、ローター速度を40rpmに設定する。さまざまな時期のサンプル(サンプル01〜06)を、水分及び水分活性を測定するために鍋から取り出す。サンプル06の残りをトレー上に拡げ(高さ6mm)、53℃及び−100kPaの真空オーブン(Cole−Palmer N−05053−20)に入れてサンプル07を製造する。水分活性を、Decagon Aqualab露点計(CX−2T)を使用して決定し、水分を、Turbo Karl Fischer計器(Metrohm Titrino Titrator 701/10)を使用して測定する。
【0050】
(実施例6)
【表8】
【0051】
(実施例7)
【表9】
【0052】
(実施例8)
【表10】
【0053】
(実施例9)
【表11】
【0054】
(実施例10)
【表12】
【0055】
(実施例11)
【表13】
【0056】
(実施例12)
【表14】
【0057】
(実施例13)
【表15】
【0058】
加えて、上記の実施例のいずれにおいても、又は本発明全般において、微細化された粒子、材料、脂肪滴などは、特定の材料に加えて又はその代用物として使用することができる。微細化された成分は、さらに特定の製品に関する所望の微細構造を規定するか、又はその製品に有益な安定性の特徴を提供することがある。当業者は、任意の微細化技法及び/又は使用する製品を選択できることもある。
【0059】
(実施例14)
【表16】
【0060】
(実施例15)
【表17】
【0061】
(実施例17)
【表18】
【0062】
(実施例18)
【表19】
【0063】
(実施例19)
【表20】
【0064】
(実施例20)
【表21】
【0065】
(実施例21)
【表22】
【0066】
(実施例22)
【表23】
【0067】
(実施例23)
【表24】
【0068】
(実施例24)
【表25】
【0069】
(実施例25)
【表26】
【0070】
(実施例26)
【表27】
【0071】
(実施例28)
【表28】
【0072】
(実施例29)
【表29】
【0073】
(実施例30)
【表30】
【0074】
(実施例31)
【表31】
【0075】
(実施例32)
【表32】
【0076】
(実施例33)
【表33】
【0077】
(実施例34)
【表34】
【0078】
上記実施例14〜34は、水分活性レベルの「最初の」水分含有量、又は上記のようにある時間(例えば、サンプル01〜06)乾燥後の水分含有量又は水分活性を記載している。乾燥時間の長さを変えることによって、所望の水分活性レベルを有し、所望の物理的特性及び/又は微生物学的安定性を有する製品を調製することができる。上記の実施例において示されたように、水分活性レベルは、0.3未満、及び約0.2という低さにさえに低下させることができ、このレベルはパリパリの最終製品を製造する。より短い乾燥時間は、約0.9、又は0.85以下の水分活性をもたらす。明らかに、当業者は、本発明の水中油型懸濁物を、水分活性を低下させる工程と組み合わせて使用して、より所望の特徴、質感、又は微生物学的安定性側面の1つを有するさまざまな最終製品又は組成物を製造することができる。
【0079】
上記で提示した実施例及び本出願の内容は、本発明によって製造することのできる多くの食品材料及び食品の実施例を規定し記載している。どの実施例も、また記載のどの部分も、全体としての本発明の範囲又は付帯の特許請求項の意味の範囲に対する限定と解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】ゲルネットワークを形成するための加熱又は処理の工程中で、水分活性レベルを低下させるためのどの乾燥工程よりも前の時間にわたる、さまざまなココア組成物の粘度のグラフである。それぞれの組成物中で使用されたココアパウダーの水中のレベルはそれぞれの曲線の隣に表示されている(5%、10%、15%、20%、25%、及び30%)。加熱温度は、最上部に表示されている。この結果は、ココアパウダーの成分からの、高粘度ゲルネットワークの形成に対する加熱の影響を示している。それぞれの場合において、加熱の間に粘度の何らかの変化又は上昇が見られる。しかし、ココアパウダー15%以上では粘度の顕著な上昇が明らかである。
【図2】異なる温度における水分活性の変化に伴う粘度の変化のデータポイントを示すグラフである。一般に、水分活性の低下に伴って粘度が上昇する。
【図3】ココアバター及び脱脂乳組成物の粘度特性を、さまざまな(5%、10%、15%、20%、及び25%)ココアバターの濃度について及び温度変化にわたって示すグラフである。これらの温度及びこれらの時間では、粘度における変化は組成物中のココアバター小滴の結晶化状態の変化を表している。0〜10分では、それぞれの組成物は20℃に維持され、10分においてそれぞれの組成物は15分において45℃になるまで加熱され、そこでこの温度が12分間維持された。加熱時間後、組成物は20℃まで戻らせた。変化する温度にわたる粘度測定(値)は、ココアバター小滴中の油の溶融を反映している。従来のココア及びチョコレートの組成物の場合のように、ココアバターの含有量が高いほど粘度は高い。ここで及び本開示を通じて、別途の記載がない限り、TA Instruments AR2000同軸シリンダーを使用する(DIN 53 019、ずり速度30/秒)。
【図4】従来の組成物(「結晶化懸濁物」)と、本発明の組成物(結晶化/ゼラチン化水中油型懸濁物)の間の相違を表す概略図である。従来の組成物においては、ココアバターは懸濁物中の連続相である。ココアバターのレベル、ココアバター中の成分の溶解性、及び懸濁物の物理的性質が、とりわけ、必然的に、特徴、及び世界の多くの国におけるチョコレートに関する同一性の規格の範囲内に入るチョコレートの製品又は材料を製造することを望む場合に利用可能な添加物を、限定する。一般に、親水性の分子は、ココアバターのような油又は油相中に可溶ではない。従って、こうした油と親水性(物質)の組合せの微細構造は、懸濁物と呼ばれる。しかし、1つの脂肪又は油は、別の脂肪又は油の中に、時には添加された乳化剤と共に、溶解させることができる。対照的に、本発明の水中油型懸濁物は、実際には水相であり得る連続相を含み、添加物及び成分の種類と割合は増加され、脂肪又は油には限定されない。
【図5】希釈された従来のチョコレート組成物を示す顕微鏡写真である。砂糖結晶が(1)で指し示されている。ココアからのセル壁粒子が(2)で指し示されている。連続相は(3)と標識されている。
【図6】希釈された本発明のココア組成物すなわち本発明の方法によって調製されたものの顕微鏡写真である。懸濁物の水相又は連続相は(3)で印がつけられている。数字(1)は、デンプン及び/又はタンパク質成分、ここではココアからのものによって形成されたゲルネットワークの断片又は要素を指しており、ココアのセル壁成分を含み得る。結晶化したココアバター小滴が、懸濁物中に存在し、(2)の中に指摘されているように、小滴からの屈折が脂質又は脂肪の小滴として見られる。
【図7】油中に希釈された、任意選択の乾燥すなわち水分活性レベル低下の工程によって調製された乾燥ココア組成物の調製からのサンプルの、顕微鏡写真である。部分的に再結晶化した蔗糖が標識されている。
【図8】油中に希釈された、任意選択の乾燥すなわち水分活性レベル低下の工程によって調製された乾燥ココア組成物の調製からのサンプルの、顕微鏡写真である。部分的に再結晶化した蔗糖が標識されている。
【図9】部分的に乾燥された本発明の水中油型懸濁物のカラメル様の粘度が見られる写真である。
【図10】非常に低い水分活性を有するパリパリした質感を実現するための任意選択の乾燥工程後の本発明の水中油型懸濁物の写真である。
【図11】フルーツピューレから造り、乾燥させた本発明の水中油型懸濁物の顕微鏡写真である。不溶性のフルーツ粒子が標識されており、構造中のエアーポケット又は細胞が、水分が乾燥して無くなった場所に存在している。このような構造の水分活性は低いと思われる。
【図12】水分含有量の変化に従う水分活性レベルの変化のデータポイント及び予測グラフ(Lewicki P.P.,Journal of Food Engineering 43(2000)、31〜40頁を参照されたい)である。表されたグラフの相違は成分の相違を反映することになるが、塩組成物の水分活性は一般に同じ水分含有量のグルコース組成物の水分活性よりも低いからである。
【図13】従来のチョコレートドリンク(「o」脱脂乳+チョコレートシロップ、及び「◆」5時間後)と本発明によって調製された組成物(「▲」)の比較を示すグラフである。本発明の組成物については、粘度がずっと高い。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年12月8日に出願され、係属中の米国特許出願第11/006820号の優先権の利益を主張し、且つ米国特許出願第11/006820号の一部継続出願であり、2005年4月5日に出願され、係属中である米国特許出願第11/098540号の優先権の利益を主張し、かつそれぞれの全体を参照として本願に取り入れる。
【0002】
本発明は、食品及び食品材料、特にココア含有製品のタンパク質成分及び多糖類/デンプン成分を、食品材料及び最終食品として操作する新規な方法に関する。一態様において、本発明は、ココアのデンプン及び/若しくはタンパク質、又は乳タンパク質及びココア固体によって形成されているゲルネットワークを含み、また分散している成分としての結晶化したココアバター及び懸濁物の連続相すなわち水相としての水又は乳若しくは脱脂乳をも含む、チョコレート組成物を包含する。従来は、チョコレート組成物には、組成物及び懸濁物の連続層としてココアバターを、一般に、分散層としての砂糖、乳固体及びココア固体と共に使用した。液体ココア組成物及び固体ココア組成物の両方が、伝統的にこの標準に従っていた。しかし、本発明によって得られる組成物、製品、及び材料は、ココア材料及び/又は他の材料のデンプン及びタンパク質成分のゲル形成能力を利用して、好都合な性質を有する広い範囲の水中油型懸濁物を作り出すことができる。例えば、従来のチョコレートと同じココア含有量を有し、且つ/又はチョコレート製品の同一性の規格の範囲内に入っていながら、低カロリー又は減カロリーのチョコレートの製品又は材料のためのレシピを考案することができる。好ましい一実施形態において、本発明は、最終の製品又は組成物の水分活性を制御して、製品及び組成物に微生物学的安定性を与えるための乾燥段階を包含する。加えて、本発明の使用によって、特定のココアバター含有量に依存することなくチョコレートの製品又は材料の粘度を容易に変化させることができるので、チョコレート製品の製造及び包装の選択肢が拡がる。
【背景技術】
【0003】
従来、チョコレートの製品及び材料は、連続層としての脂肪又は油を有する懸濁物として存在する。ココアバターの多形結晶は、これらの懸濁物の微細構造の重要な部分を形成し、ココアバターの結晶化を制御する方法は周知である。一般に、ココアバター結晶を最も安定な形態に設定することが望ましい。脂肪懸濁物内の形態の相違の把握に失敗すると、貧弱な色及びブルーミングという結果がもたらされる。
【0004】
製造の観点からは、チョコレート組成物の粘度を変えるためには、ココアバターの含有量が高いと粘度の高い最終の製品又は材料が得られるというように、ココアバターの含有量が変えられてきた。チョコレートの加工又は包装中に、ある材料の流動性又は溶解性を増大させるためには加熱を使用することができるが、加熱はココアを含有している組成物の性質を変えるための方法としては使用されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に言えば、本発明は、特にココア及び菓子製品の分野において、現在ほとんど脂肪又は油のエマルジョンだけに依存している、食品及び材料の製造技術の短所に対処する。本発明の水中油型懸濁物の使用は、新しくて向上した製品、特にココア製品及びココア材料のための安定な水中油型懸濁物の考案におけるより高い柔軟性を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水中油型懸濁物中に、結晶化し且つゼラチン化した構造を有する食品の製品及び材料に関する。本発明の方法、食品及び食品材料によって可能となり且つ実証されたゼラチン化した構造、結晶化した構造、及び水中油型懸濁物の組合せは、食品加工分野に数多くの利点を提供する。例えば、本発明は、より広い温度範囲にわたって向上した粘度特性を持つ製品を提供し、質感、味、口当り、及び粘度などの他の望ましい特徴を維持しつつ、無糖又は低カロリー若しくは減カロリー製品の製造を可能にする。さらに、本発明は、方法及び材料、又はより具体的には、チョコレート製造分野では標準的な慣行が不適切又は望ましくないと報告されている水分レベルを組み入れると言うことができる。例えば、Beckett(「工業的チョコレート製造及び使用(Industrial Chocolate Manufacture and Use)」、3d Ed.、Beckett ed.、1999、Blackwell Science Ltd.、特に9章及び20章を参照されたい)は、追加の脂肪を使用するという要件を避けるため、及び微生物増殖の可能性を避けるか又は最小限に抑えるために、チョコレートの加工中は水分を除去することが必要であると注記している。加えて、Minifie(「チョコレート、ココア、及び菓子(Chocolate,Cocoa,and Confectionery)」)、3d Ed.、Aspen Publishing、特に5章を参照されたい)は、所望の粘度を維持するために、チョコレートの加工において水の導入を最小限に抑えることの重要性を注記している。従って、一態様において本発明は、ココア及び/又はチョコレートの食品材料又は製品のための水中油型溶液中の水相として水又は水に基づく溶液を使用することによって、通常のチョコレート製品及びチョコレート材料の製造と比較して、直感に反した方法及び材料を利用する。しかし、場合によっては、本発明による最終の製品又は組成物の水分含有量又は水分活性は、微生物学的な増殖又は混入を減少又は排除するために望ましいレベルまで操作することができる。加えて、当業者なら水分レベルを操作することによって最終製品についての所望の微細構造又は特徴を選択することができる。例えば、最終の水分レベルに応じて、同じ製品が塑性状態から脆くてパリパリした製品まで変わることが可能である。好ましい一実施例においては、同じチョコレート製品で約0.85の水分活性(Aw)を有するものは通常クリーム状の滑らかなペーストであるが、約0.6のAwではどちらかというとカラメルのように腰のあるものになり、約0.3では乾いたチップのようにパリパリして脆い。通常は、水分活性の抑制は乾燥工程又は最終乾燥工程によるが、任意の知られているか又は利用可能な方法を使用することができる。
【0007】
一実施形態において、食品材料は、少なくとも約2%又は少なくとも約3%のココア固体及び少なくとも約2%又は少なくとも約3%のココアバターを含む油又は脂肪の相を含み、このココア固体は室温の最終材料又は製品中では懸濁物になっており及び/又は少なくとも部分的に結晶化している。ココア又はチョコレートを含むさまざまな実施形態において、さまざまな添加されたココア含有製品の1つ又は複数からのココアバター及びココア固体の含有量は、約2%〜約3%のココアバター、約3%〜約5%のココアバター、約5%〜10%以上のココアバター、及び約2%〜約3%のココア固体、約3%〜約5%のココア固体、及び約5%〜10%以上のココア固体、及びこれらの範囲の任意の組合せを含む範囲の最終の重量パーセント値を生じるように選択することができる。一態様において本発明は、ゼラチン化された及び/又は本明細書で記載しているような水中油型懸濁物を有さないか、或いはこれを生じるようには処理されていない、先行の又は従来のチョコレートと乳の混合物を包含しない。一般に、先行のチョコレートと乳混合物は、当業者なら理解するように、安定な懸濁物を形成しない。
【0008】
本発明の、又は本発明において使用する食品材料又は食品は、いかなる特別の状態又は温度、例えば室温、にも限定されない。室温において結晶化又は部分的に結晶化した構造への言及は、その食品材料又は食品が、室温にあるときに、結晶化した又は部分的に結晶化した構造又は微細構造を呈する能力があることを意味する。従って、部分的に、懸濁物は結晶化した構造を有する。食品材料は、例えば少なくとも約5%の乳固体と、少なくとも約5%の栄養炭水化物甘味料の組成物のように、水又は乳又は脱脂乳を含む水相をさらに含む。少なくともココア固体、又は他のココア製品中に存在する可溶性デンプン又は多糖類とタンパク質は、懸濁物中でゲルネットワークを形成する能力がある。従って、部分的には、懸濁物はゼラチン化された構造を有する。少なくともココアからの不溶性粒子、例えばココアセル壁物質は、ゲルネットワーク内に分散されて懸濁物の部分を形成する。ココア含有組成物が、決まったように言及されているが、本発明はココア含有組成物には限定されない。他の食品材料又は食用組成物も使用することができる。
【0009】
特定の一実施形態において、本発明の食品材料は、最終の材料形態又は製品形態中に少なくとも約15重量%、又は少なくとも約18重量%、又は少なくとも約20重量%のココア固体を有する。従って、本発明の方法及び材料及び製品は、所望の市場又は特有の規制状況下で存在し得るチョコレート、ミルクチョコレート、ビタースイートチョコレート、及びホワイトチョコレートに関する同一性の規格の範囲内に入るさまざまなチョコレート製品の製造において使用することができる。さらに、人工又は栄養価のない甘味料は、本発明と関連して、低カロリー又は低炭水化物製品又は無糖製品を製造するために使用することができる。ビタミンの食品添加物及び/又はミネラルの食品添加物も、チョコレート又はココア含有食品の栄養素含有量を向上させるために場合により加えることができる。
【0010】
他の一態様において、本発明は、ココアバター、乳脂肪及び/又は他の食用脂肪、及び場合により乳化剤を含む、脂肪又は油の相の組成物が、水又は乳を含む水相又は連続相と混合される、食品材料を作製する方法を含む。混合は、食品及び食品材料の業界に知られているさまざまな方法によって行うことができ、具体的にはホモジナイザー法、ダイナミックミキサー法、又はスタティックミキサー法が含まれる。水中油型懸濁物を調製した後、この油又は脂肪の相と水相又は連続相との混合物を、例えばココア固体のタンパク質成分とデンプン成分がゲルネットワークを生成する条件下において加熱することができる。一般的に言えば、ゲルネットワークは、機能的には、処理前又は加熱前の形態と比較して増大した粘度を有するゼラチン化した組成物である。これはタンパク質及び/又は炭水化物を含有する成分などのバイオポリマー含有成分、特にココア固体などのココア製品及び乳固体などの乳製品から調製することができる。当業者なら、本明細書に記載した組成物を含む組成物の粘度を測定する方法及び装置に精通している。本発明をいかなる特定の機序にも限定するものではないが、ココア含有組成物などの食品材料の組成物中のタンパク質及び/又は可溶性炭水化物若しくはデンプン成分は、組成物の成分に応じた特定の処理又は加熱過程によって効果的に膨潤又は水で飽和させることができる。好ましい処理においては、ゲルネットワークの形成は、ココア含有組成物の場合は約52℃〜約68℃の範囲まで加熱することによって効率的に起こる。同じココア含有組成物におけるゲルネットワークの形成は、機械的せん断を用いて又は用いずに、長期間放置することによっても起こり得る。機能的には、処理又は加熱段階は、ゲルネットワークを形成するために、既存の状態から自然のタンパク質の立体配置を崩壊させ且つ/又は炭水化物又はデンプン又はバイオポリマーの成分を膨潤させる。ココア製品の成分の膨潤は長時間を要し且つ/又は機械的な処理を使用する可能性があるので、本発明による好ましいゲルネットワークの調製方法は加熱による。
【0011】
ゲルネットワークが形成されたとき又はゲルネットワークが形成された後で、処理又は加熱工程の中に、先に記載したように、任意選択の乾燥工程を組み入れることができるが、或いは乾燥又は加熱工程を追加で使用して最終製品又は最終組成物の水分活性のレベルを低減又は操作することもできる。この加熱又は乾燥段階は、ゲルネットワークを形成するための処理又は加熱とは分けることができるが、或いは製品又は組成物からの水分の蒸発を観測することによって、これをゲルネットワークを形成するための処理又は加熱工程の部分として組み入れることもできる。一般的には、製品若しくは組成物から水分を加熱、乾燥、又は蒸発させて所望の水分活性レベルを実現するためには任意の方法を使用することができる。チョコレート又はココアを含有する製品又は組成物に関しては、水分活性のレベルは好ましくは約0.9未満、より好ましくは約0.75〜約0.65、又は0.65未満であり、約0.33以下という低さであってもよい。実際に、本発明の下にある最終の製品又は材料に対しては水分活性のいくつかの範囲を使用することができ、例えば約0.9〜約0.8、約0.85〜約0.8、約0.8〜約0.75、約0.75〜約0.65、約0.65〜約0.55、約0.55〜約0.45、約0.45〜約0.4、約0.4〜約0.35、約0.35〜約0.3、又は約0.35未満、又は約0.9未満、又はこれらの範囲の任意の組合せである。
【0012】
チルドミラー装置又は電気抵抗若しくは静電容量装置など、水分活性の任意の適当な測定を使用することができる。前述の水分活性レベルに加えて、最終の製品又は組成物に安全な水分レベル、例えば、製造、貯蔵及び/又は流通に関して選択された条件下で、最終製品又は組成物中の望ましくない微生物の増殖を防ぐのに十分な低い水分レベルなど、を機能的に与えるために乾燥工程を使用することができる。一部のチョコレート製品については、普通の安定な貯蔵及び流通の条件に対して約0.65未満の水分活性レベルが望まれる。しかし、ある種の微細構造及び/又は製品の密度及び/又は製品の特徴が望まれる場合は、より高い又はより低い水分活性を選択することができる。こうして、最終製品は、クリーミーなプディング様の製品又は組成物から、パリパリしたチップ様の製品又は組成物までの相違があり得る。当業者なら、深床(deep bed)乾燥機、トレー乾燥機、ベルト乾燥機、流動床乾燥機、トンネル乾燥機、日光又は太陽熱乾燥機、加熱表面乾燥機、回転ドラム式(drum/roller)乾燥機、調理用エクストルーダー、真空乾燥機及び真空棚乾燥機、凍結乾燥機、並びに他のどの乾燥機又は水分蒸発装置或いは水分活性レベルを操作する方法にも精通している。
【0013】
図5及び6の顕微鏡写真においては、処理又は加熱されたココア成分と、従来のココア加工の後の同じ成分の間の相違を見ることができる。一般に、本発明の方法は、ココア含有組成物又は懸濁物の微細構造を可能にし、ココアバター小滴は、直径が約0.5〜約100ミクロン、又はより好ましくは直径が約0.5〜約30ミクロンであり得る。さらに、使用したココア製品の炭水化物又はデンプン成分又は使用したココア製品からの細胞成分は、本発明の方法及び製品中で目に見えるほど膨潤しているが(図6参照)、図5の従来の暗いチョコレート組成物においては、比較すれば、これらは通常懸濁物中の結晶化した及び/又は無定形の成分として存在する。加えて、図6の懸濁物中の砂糖は、図5の従来の組成物中に示されている結晶構造ではなく、連続相中に溶解しており、それ故により均一で滑らかな質感になる。
【0014】
図7及び8は、水分活性レベルを低下させる又は操作するための乾燥工程後の顕微鏡写真である。水分を約4%すなわち約0.3の水分活性まで低下させることによって、最終チョコレート製品は、乾いた又はパリパリの構造にすることができ、且つ/又は蔗糖は部分的に再結晶化することもあり得る(図に示されているように)。低水分製品はこうしてカラメル様又はパリパリのチップの質感になることができる。従って、連続水相から水又は水分レベルを低下又は操作することは、当業者が製品又は組成物に対して微生物学的安定性及び最終質感における柔軟性を達成することを可能にする。例えば、すべての成分を、まず過剰の水に溶解させ、次いで組成物にゲルネットワーク構造を形成させ、水又は水分レベルを低下させることが、最初はカラメル様の高い粘性のある、又は比較的高粘性の、水中油型懸濁物を生じる。さらに乾燥させること又は水分をさらに低下させることが、パリパリのチョコレート製品を作り出し、その際、本質的に固定化された及び又は部分的に結晶化した蔗糖又は砂糖の構造が形成される。こうして、本発明は任意の選択された菓子製品及び特にチョコレート製品に対して、大いに独特の質感及び粘度の可能性を提供する。
【0015】
他の一態様において、本発明は、ココアバター含有組成物中のココアバターの融点よりも低い温度において、新規な水中油型懸濁物を提供する。本発明のこの態様及び他の態様においてココアバターが、脂肪又は油相の役割をするものとして論じられている。しかし、ココアリカー又はココアパウダーなどの、他のココア含有製品も使用することができる。加えて、当業者ならココア製品に乳化剤及び/又は親水コロイド及び/又は他のバイオポリマーを加えることには精通しており、また乳化剤及び親水コロイド並びにタンパク質及びデンプンの組成物を場合により加えること、又は本発明の食品材料、製品及び組成物中のココアバターによって置き換えることができる。ココアバター又は他のココア製品の他に、追加の脂肪成分を本発明の食品の材料又は製品を製造する方法において加えることができ、特に室温を超える、又は約25℃以上、又は35℃以上の融点を有するものが含まれる。以下に示すように、例えば分画された及び/又は水素化された及び/又はエステル交換されたパーム核油、パーム油、ココナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、カノーラ油、及びコーン油、又はココアバター代用品は、室温より高い融点を有する食用油として使用することができる。
【0016】
特定の態様において、本発明は、食品材料を加工して加工された製品又は組成物にすることを含む。加工された製品又は組成物は、食品及び菓子業界の任意の方法によって調製することができる。例えば、工程段階は、成分、例えばビタミン、ミネラル、ナッツ、ピーナッツ、ピーナッツバター、アーモンド、カラメル、食用含有物、食品等級のガス、及び1つ又は複数のさまざまな利用可能な材料を加えることを含む。加工は、同様に又は加えて、被覆、成形、型成形、押出成形、コーティング、注入、ベーキング、凍結、包装、積層、ロール加工、切断、沈澱、パニング、注型、又は任意の他の利用可能な方法によって販売可能な食品を製造することを含む(Minifie、「チョコレート、ココア、及び菓子(Chocolate,Cocoa,and Confectionery)」、3d ed.、Aspen Publishers参照)。加えて、例えば材料又は食品からほとんどすべての不溶な粒子を除去するためにろ過及び分離工程を含むことができる。先に指摘したとおり、他の又は代わりの加工段階は、微生物学的に安定な製品にふさわしい水分活性レベルを実現するための、組成物又は最終製品の乾燥を含んでもよい。
【0017】
先に指摘したように、ゲルネットワークを形勢するために好ましい工程は加熱である。ココア製品含有組成物の場合は、混合された油相及び水相の加熱は、ゲルネットワークを形成させるのに十分な時間、約68℃に加熱することを含む。一般に、ココア含有製品の場合、ココアデンプンは約52℃〜約68℃の温度に置かれた場合にゲルネットワークを形成することができ、従って、ココアデンプンをこの温度に到達させる任意の加熱工程が十分なはずである。より長い時間を採用する場合は、他のより低い温度を選択し、使用することもできる。より高い加熱温度、例えば約121℃で約8.5分間、又は約150℃で少なくとも約4秒間を任意選択の加工方法又は任意選択の滅菌方法において使用することができる。他の方法には、混合物をゲルネットワークを形成するのに十分な時間、室温で放置すること、又は、例えば高圧ホモジナイザーを用いる、高せん断条件を使用することが含まれる。
【0018】
多くの製造できる可能性がある食品の一部においては、本発明の食品材料を、さらにミルクチョコレート、スイートチョコレート、ビタースイートチョコレート、セミスイートチョコレート、又はホワイトチョコレートを含有する製品に加工することができる。加えて、製品は、下記の実施例で示すとおり、チョコレートリカー、ココアパウダー、ヘビークリーム、無水乳脂肪、乳清タンパク質濃縮物、無脂肪乳タンパク質、全乳粉末、砂糖、レシチン、バニリン、及び脱脂乳の1つ又は複数を含むことができる。
【0019】
より一般的な態様において、本発明は、1つ又は複数のココア含有製品を使用する水中油型懸濁物の調製を含む。ココア含有製品は、普通に入手可能なカカオ豆の加工された形態、又はある程度加工された形態である。先に指摘したとおり、カカオ豆製品からのタンパク質及びデンプン成分を使用して、ある種の微細構造環境を作り出すことができる。化学プロセスにおける水中油型エマルジョンの製造は新しくはないが、特にココア含有製品、より一般的には食品のための水中油型懸濁物の使用は一般的ではない。加えて、チョコレート製品に関する多くの同一性の規格の1つ又は複数に当てはまるチョコレート製品のための水中油型懸濁物の使用は、これまでには記載されていない。他の1つの一般的態様において、本発明は、水中油型懸濁物内における食用のゼラチン化及び結晶化した微細構造を、ココア製品、乳製品、フルーツ製品、ベリー製品、又は野菜製品などの、ゲルネットワークを形成するバイオポリマーを含有する製品を使用して調製することを含む。バイオポリマーのゲルネットワークを形成する量を使用し、懸濁物は水相及び分散された油又は脂肪の相を含み、この中でゲルネットワークは懸濁物が加熱された後にバイオポリマーから形成されることができ、油又は脂肪の相の成分は室温において少なくとも部分的に結晶化し、懸濁物中に安定に存在する。「懸濁物中に安定に存在する」という句によって、3ヵ月まで、又は6ヵ月まで、又は8ヵ月まで、又は12ヵ月まで、又は18ヵ月まで、又は24ヵ月まで又はそれ以上の期間、懸濁物の成分はほぼ懸濁物のままに留まる。分散相の微細構造は、懸濁物中にある間は直径が約100μm以下の寸法を有するように選択することができる。これらの懸濁物から製造された食品材料は、元々はココア含有製品、フルーツ含有製品、ベリー含有製品、又は他の類似の製品、或いは親水コロイド含有製品でさえある形態で提供されたバイオポリマーを有することができる。この食品材料は、加えて又は代わりに、室温において少なくとも部分的に結晶化した油相又は脂肪相中の成分を含み、ココアバター、分画及び/又は水素化された及び/又はエステル交換されたパーム核油、パーム油、ココナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、カノーラ油、コーン油、17−ステリン、ココアバター代用品又は等価物、乳脂肪、又は室温において、又は約20℃において、又は約25℃において、又は約30℃において少なくとも部分的に固体又は結晶化している任意の油又は脂肪の1つ又は複数から選択することができる。加えて、本発明は、はっきり言えば、記載されている食品材料の任意のもの又は本開示の全体を通じて記載されている方法によって製造された任意の食品材料を含む最終食品を包含する。
【0020】
本明細書において論じる水中油型懸濁物は、例えば連続媒体すなわち連続相中の油滴及び/又は不溶性粒子の懸濁物のことであり、一方、エマルジョンは、対照的に、連続相においてはすべての成分が溶解している。食品レオロジー分野では一般に、懸濁物は少なくとも1つの固体が連続相に分散されており、連続相は少なくとも1つの液体である(例えば、「ファン・ノストランドの科学事典(Van Nostrand’s Scientific Encyclopedia)、D.Van Nostrand Co.,Inc.、Priceton,New Jersy、4th ed.1968,620頁及び1782頁;「食品のレオロジー(Rheologie der Lebensmittel)」、Weipert/Tsceuschner/Windhab,Behr’s Verlag,Hamburg,Germany、1993、108頁及び122頁、参照)。本発明の食用水中油型懸濁物は、水性連続相内にほぼ安定に懸濁している油滴の分散相及び不溶性粒子を指すが、エマルジョンにおいてはすべての分散層成分は液体でなければならず、また連続相中に単に混合されているだけであり、一般に、安定には懸濁していない。さらに、エマルジョンは必ずしも本明細書で述べたようなゲルネットワークを採らない。事実、本明細書で記載しているような食用水中油型懸濁物を製造するために使用されるココア系ゲルネットワークの報告はない。このように、一般的に本発明の懸濁物は、ゲルネットワーク又はゼラチン化した連続水相中に分散している結晶性及び/又は不溶性小滴及び/又は粒子の分散体を含む。好ましい実施形態としてココア系水中油型懸濁物を記載しているが、他のバイオポリマー含有組成物も使用することができる。
【0021】
ココア系水中油型懸濁物を製造する方法の一態様においては、その方法は、ココアバターを含む1つ又は複数のココア製品を含み、且つココアタンパク質及び/又はデンプン若しくは炭水化物成分を有する脂肪相を、水相と混合することを含む。好ましい実施形態においては、最終の非脂肪ココア固体含有量は、最終懸濁物の少なくとも約2重量%、又は約3重量%、又は約4重量%以上である。好ましい実施形態においても、水相は、水、砂糖若しくは甘味料、又は両方、及び/又は乳及び/又は脱脂乳、及び/又はクリームを含む。他の液体又は溶液も水相として使用することができ、本発明は、はっきり言って、乳又は乳製品なしで調製されたチョコレート組成物又はココア組成物、乳なしのチョコレート飲料又はココア飲料さえも含む。混合されるとすぐに、膨潤又は加熱段階が起こり、ココアタンパク質及びココアデンプンの成分からなるゲルネットワークが形成される。ゲルネットワークの形成は、当業において知られているさまざまな方法によって検出することができ、それらの方法には顕微鏡観察、直接的粘度測定、超音波法、及び光散乱法が含まれる。粘度測定を使用する場合は、1つの好ましい検出可能な変化は、ずり速度として測定するときに、加熱後のどの時点で懸濁物の粘度が増加するかである。より具体的には、測定可能な30sec−1のずり速度において粘度の増加が少なくとも約2倍である。任意選択の乾燥すなわち水分活性を低下させる前記の工程において、連続相から水分を減少させることは粘度のさらなる上昇を生じ、これは所望の最終水分レベル及び所望の最終質感に依存する。当業者なら理解するとおり、ある水分活性レベルにおいて最終製品の質感及び/又は密度は、まるで固体であるかのように安定化する。顕微鏡観察を使用する場合は、当業者ならゲルの形成を、最終懸濁物への影響、及び懸濁物内の成分部分の外観によって判定することができる。例えば、ココア含有組成物中のデンプン顆粒は、膨潤前には視覚化することができるが、ゼラチン化の後はできない。ココアバターの小滴は、ほぼ室温の懸濁物中で、0.5〜100μm、又は0.5〜30μmの範囲で視覚化することができる。やはり、任意選択の乾燥すなわち水分低下工程を採用する場合には、ある種の砂糖又は成分は、最終の製品又は組成物の顕微鏡視野中で部分的に再結晶化することがある。
【0022】
本開示を通じて、出願人らは雑誌の論文、特許文書、刊行された参考書、ウェブページ、及びその他の情報源に言及する。当業者なら引用した情報源の任意のものの全内容を、本発明の態様を模倣及び使用するために、使用することができる。それぞれの及びすべての引用した情報源は、明確に、その全体を参照により本明細書に組み入れる。これらの情報源の部分を、許可又は要求に応じて本文書に含めることがある。しかし、本開示において明確に定義又は説明するすべての用語及び句の意味は、これらの情報源のいずれの内容によっても変更されてはならない。以下の説明及び実施例は、単に本発明の範囲及び本開示の内容の例となるものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。実際に、当業者なら、以下に挙げる実施例に対する多数の変更を、本発明の範囲を逸脱することなく考案し、構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
一般に及び本発明において使用するときも、本明細書において記載するさまざまなチョコレート及びココアを含有する製品及び組成物は、Minifie(「チョコレート、ココア、及び菓子(Chocolate,Cocoa,and Confectionary)」、3d ed.、Aspen Publishers)で使用されているその用語に言及するものであり、明確に、参照により本明細書に組み入れる。カカオ豆は、自然界のカカオ豆のことであり、ココア豆とも呼ばれ、ココア含有製品は、ココア豆に由来する製品又はココア豆に由来する何らかの成分を有する製品である。ニブは、殻を含まないカカオ豆のことであり、乾燥物規格で脂肪約54%及び無脂肪固体46%である。無脂肪ココア固体は、加工されたチョコレートリカーの無脂肪固体である。ココアパウダーは、通常10%〜12%の全脂肪を有するココア固体のことであり、脂肪は一般にココアバターである。ブレックファストココアは、20〜24%の脂肪を有するココア固体であり、脂肪は一般にココアバターである。チョコレートリカー(又はココアリカー)は、粉砕されたココアニブであり、これはココアバターとココア固体に分けることができる。ココアバターは、チョコレートリカーの脂肪成分であり、チョコレートリカーの残りの部分はココア固体又はココアマスである。当業者なら理解しているように、食品材料中のココア固体のある量又はパーセンテージは、とりわけ、ココアパウダー、チョコレートリカー、又は必要な量のココア固体を含有している他のチョコレート材料又はココア材料のある量を使用又は添加することによって達成することができる。同様に、食品材料中のココアバターのある量又はパーセンテージは、とりわけ、チョコレートリカー又は必要な量のココアバターを含有している他のチョコレート又はココアの材料のある量を使用又は添加することによって達成することができる。さらに、多くの異なる国が、ココア又はココア製品を含有する食品を、一定の範囲又は一定の材料を有するものとして具体的に規定しているが、チョコレート、ミルクチョコレート、及びダークチョコレートという用語は、米国の食品業界において共通に使用されているとおりであり、別途に記載のない限りは、特定の含有量を示唆しない。加えて、特定の酸化防止剤又はポリフェノールのレベルを有するココア含有製品は要求されていないが、本発明は、従来のココア含有製品と比較して、酸化防止剤又はポリフェノール化合物の、高められた、変更された、又は増加されたレベルを有するココア含有製品の使用を包含する。他の栄養的、治療的、又は予防的材料も、当業において知られているように添加することができる。
【0024】
先に記載したように、1つの一般的態様において、本発明はココア含有製品にゲルネットワーク又はゼラチン化構造を作る方法を提供する。以下の表は、水中のココアパウダーにゼラチン化された懸濁物を生成させるための加熱工程の使用の結果を表す。
【0025】
表1: さまざまな水中のココアパウダー組成物の、90℃まで加熱する前後の粘度値。
【表1】
【0026】
表1及び図1に示した結果は、さまざまな水中のココアパウダーの組合せと粘度測定によって決定した機能性ゲルネットワークの生成を比較している。ココアパウダー及び水は、まずローターステーターミキサー中で約5秒間〜約1分間又は2分間混合する。ほとんど瞬間的に最小の小滴のサイズを生成するホモジナイザー又は高圧ホモジナイザーを使用することができる。次いで、水中のココアパウダーの組成物を熱処理してゲルネットワークを生成させる。より具体的には、ココアパウダーを水に溶解させ、サンプル12.2mlを、同軸シリンダーDIN 53 019 TA Instruments AR2000 Rheometerに注入する。温度掃引を25℃から90℃まで10℃/分で行い、90℃に8分間保ち、90℃から25℃まで10℃/分で冷却し、25℃で40分間保つ。30/秒のずり速度を使用する。ココアパウダー約5%の濃度では、粘度に対する効果は小さいが、加熱前の組成物と比較すると粘度は上昇した。ココアパウダー約10%からは、粘度の上昇は約2倍以上である。たとえ8mPaの低いレベルでも、ココア含有製品及び材料の粘度に影響を及ぼす可能性がある。当業者なら承知しているように、組成物の粘度及び微細構造の変化を観測する能力は、安定化を含むいくつかの加工上の利点を有する。約15%以上では、測定可能な粘度の顕著な上昇がある。ココア製品中のタンパク質及びデンプン成分は、過去に考察されている(例えば、Voigt et al.,Food Chemistry 47: 145〜151頁(1993);Schneider and Keeney,J.Food Sci.45: 555頁(1981);Gellinger et al.,Starch/Starke 76〜79頁(1981)を参照されたい)。しかし、これらの報告のどれも、ココア成分のゼラチン化を、食品の製品及び材料を水中油型懸濁物として製造するために、又はココアを用いて安定な懸濁物を製造するために使用することの利点には言及していない。実際に、本発明の安定な懸濁物は、何ヵ月、又は約3ヵ月〜約2年の間安定なココア又はチョコレートの製品を調製するために使用することができる。従前の方法を使用する等価な製品、例えばチョコレートドリンクすなわち飲み物などは、安定な懸濁物では留まらず、かき混ぜるか又は振とうしなければならない。さらに、本発明の製品及び材料は、例えば凍結温度、凍結及び解凍条件、及び長期間の室温貯蔵などのより広い温度範囲にわたって優れた特徴を提供するように考案することができる。現在使用されている食品エマルジョンは、これらの特徴を持っていない。加えて、任意選択の乾燥又は水分活性低下の工程は、さらなる質感又は粘度の選択肢及び/又は微生物学的安定性を提供することができる。先に記載し、また実施例において示すように、水分活性レベルは、クリーミーな製品については約0.85、噛み応えのある製品については約0.65、及びパリパリした製品については0.35の範囲内にあることができる。
【0027】
この基本原理を使用し、またココア含有組成物のゲルネットワークを生成する能力を使用しつつ、さまざまなココア含有組成物及び他の製品を使用する実施例を使用することができる。加えて、広く使用されている他の材料、及びある種のチョコレート製品に関する同一性の規格によって規定されている他の材料を使用することができる。例えば、チョコレートリカー(ココア及びココアバター)、ココアバター、乳、濃縮乳、蒸発乳、加糖濃縮乳、乾燥乳、脱脂乳、濃縮脱脂乳、蒸発脱脂乳又は加糖濃縮脱脂乳、ココアパウダー、ヘビークリーム、香味料、乳清タンパク質、無水乳脂肪、無脂肪乳タンパク質、全乳粉末、豆乳、豆乳タンパク質、レシチン、砂糖、及びさまざまなコーンシロップを使用することができる。一般に水分レベルすなわち水分活性レベルは、チョコレート製品の同一性の規格において一般には言及されていない。従って、本発明は、チョコレート製品において以前に使用されていたものについて、さまざまな材料を操作するため及びさまざまな材料を置き換えるために使用することができる。ココア含有ゲルネットワークは実施例において詳細に説明されているが、本発明はココア系ゲルネットワーク及びココア製品を含む懸濁物には限定されない。フルーツ又はフルーツピューレ、タンパク質、親水コロイド、多糖類などを含有するものなどの、他のバイオポリマー組成物が、ゲルネットワークを生成するために使用することができ、また室温よりも高い、又は約20℃よりも高い、又は約20〜25℃よりも高い融点を有する少なくとも1つの脂肪成分と組み合わせることができる。加えて、フルーツ製品、ナッツ、ナッツ製品、及び他のより大きい粒子の添加物などの他の材料又は追加の材料を、本発明のゼラチン化/結晶化懸濁物、例えばある種のフルーツプディング組成物中で使用することができる。実際に、材料のどの相性のよい群又は組でも、その成分が、選択されたバイオポリマー成分のゲルネットワーク形成性を大幅に阻害したり、大幅に破壊したり、大幅に低下させたりしない限りは、選択することができる。
【実施例】
【0028】
食品及び菓子の業者に入手可能な通常の材料及び代用品を使用して、上記のココアパウダーなどのココア製品を、ゲルネットワークを生成させるための溶液中で組み合わせることができる。一例として、下記の実施例1〜3において、材料は、まず脂肪又は油相材料(例えばチョコレートリカーなどのココアバター含有製品)及び水又は水性材料(例えば乳又は脱脂乳)として調製することができる。加えて、1つ又は複数のチョコレート製品又は本発明の食品材料の代表的な材料には、大豆レシチン又はレシチン、クリーム、乳脂肪、バター、濃縮乳、蒸発乳、濃縮脱脂乳、蒸発脱脂乳、濃縮バター乳、乾燥バター乳、麦芽乳、乾燥乳、甘味料、及び植物脂肪が含まれる。脂肪又は油相材料を混合した後、2群の材料(すなわち、水相及び油相)を混合し、及び/又はホモジナイズし、ココア系成分とのゲルネットワークを誘起するために所望の温度、例えば65℃、又は約52℃〜約68℃まで加熱する。1つの任意選択の段階として、ゲルネットワークの形成に加えて滅菌のために、約120℃で15分間の加熱を使用することができる。当業者なら使用のために選択する又は適合させることができる超高温滅菌又は高温加圧滅菌に精通している。或いは、より長時間後には、溶液中での膨潤が起こり得る。
【0029】
以下の国を含むさまざまな国についての同一性の規格を使用して個々の実施例を選択することができる。
【0030】
チョコレート製品に対する同一性の米国規格:セミスイート又はビタースイートチョコレートに関しては、チョコレートリカー35%以上及び乳固体合計12%未満;ミルクチョコレートに関しては、チョコレートリカー10%以上、乳脂肪3.39%以上、及び合計乳固体12%以上;ホワイトチョコレートに関しては、乳脂肪3.5%以上、乳固体合計14%以上、ココアバター20%以上、及び栄養炭水化物甘味料55%以下。
【0031】
CODEXチョコレート規格:チョコレートに関しては、ココア固体35%以上、ココアバター18%以上、及び無脂肪ココア固体14%以上;スイートチョコレートに関しては、ココア固体合計30%以上、ココアバター18%以上、及び無脂肪ココア固体12%以上;ミルクチョコレートに関しては、ココア固体合計25%以上、無脂肪ココア固体2.5%以上、乳固体12%〜14%、及び乳脂肪2.5%〜3.5%;ホワイトチョコレートに関しては、ココアバター20%以上、乳固体14%以上、及び乳脂肪2.5%〜3.5%。
【0032】
ブラジルの同一性の規格:チョコレート(ミルク及びダーク)、ココア固体合計25%以上;ホワイトチョコレートに関しては、ココアバター固体合計20%以上。
【0033】
ココア及びチョコレート製品に関するヨーロッパの規格:チョコレート、ココア固体合計35%以上、ココアバター18%以上、及び無脂肪ココア固体14%以上;ミルクチョコレートに関しては、ココア固体合計25%以上、無脂肪ココア固体2.5%以上、乳固体14%以上、乳脂肪3.5%以上、及び脂肪合計(ココアバター、ココアバター等価物(CBE)、及び乳脂肪)25%以上;ホワイトチョコレートに関しては、ココアバター20%以上、乳固体14%以上、乳脂肪3.5%以上。
【0034】
ココア及びチョコレート製品に関するカナダの規格:ビタースイート又はセミスイートチョコレートに関しては、(リカー、ココアバター又はココアパウダーからの)ココア固体合計35%以上、ココアバター18%以上、無脂肪ココア固体14%以上、及び乳固体5%以下;ミルクチョコレートに関しては、(リカー、ココアバター又はココアパウダーからの)ココア固体合計25%以上、ココアバター15%以上、無脂肪ココア固体2.5%以上、乳固体合計12%以上、乳脂肪3.39%以上;ホワイトチョコレートに関しては、ココアバター20%以上、乳固体14%以上、乳脂肪3.5%以上。
【0035】
メキシコの同一性の規格:チョコレートに関しては、ココア固体合計35%以上、ココアバター18%以上、無脂肪ココア固体14%以上;ビターチョコレートに関しては、ココア固体合計40%以上、ココアバター22%以上、無脂肪ココア固体18%以上;セミビターチョコレート、ココア固体30%以上、ココアバター15.6%以上、無脂肪ココア固体14%以上;ミルクチョコレート、ココア固体合計25%以上、ココアバター20%以上、無脂肪ココア固体2.5%以上、乳固体合計14%以上、乳脂肪2.5%以上、並びにココア及び乳脂肪40%以上;ホワイトチョコレートに関しては、ココア固体合計20%以上、ココアバター20%以上、乳固体合計14%以上、乳脂肪3.5%以上、並びにココア及び乳固体合計34%以上。
【0036】
以下の3つの実施例は、使用可能なチョコレート製品材料における可能な変更を明らかにしている。これらのレシピ(配合)は、上記の、又はその件に対するあらゆる他のチョコレート製品又は材料についての同一性の規格に従う又はそれらを考慮に入れるために操作することができる。少なくともカロリーの低下及びコストの低下には好都合な性質がある。その他の利点には、粘度レベルを操作する能力及び所望の微細構造を生成する能力が含まれる。以下の実施例において挙げるパーセンテージはおおよそであり、当業者ならパーセンテージを、及びレシピに追加する成分さえも、本発明から逸脱することなく変化させることができる。
【0037】
実施例の最初の組は、本発明のゲルネットワーク形成の態様に最も直接的に関連し、水分活性を減少させる工程は示されていない。実施例6以降は、特に本発明の乾燥すなわち水分活性を操作する方法を示す。
【0038】
(実施例1)
【表2】
【0039】
(実施例2)
【表3】
【0040】
(実施例3)
【表4】
【0041】
上記の3つの個々の実施例から得られるチョコレート製品はすべて、総体的に軽くて優しい香味の、軽い質感でチョコレート風味の組成物となる。上に挙げたカロリーの低減(カロリー低減率[%])は、Hershey’s Milk Chocolateバーとの比較による。これらのような製品は、室温で安定であり、質感又は口当たりを悪化させることなく凍結し、解凍することができる。加えて、本発明は、同一性規格のチョコレート製品を調製するコストを低下させ、また同一性規格のチョコレート製品の全カロリーを低下させる。
【0042】
図6のチョコレート製品は、前記のとおり簡単な調製方法を使用した。図5ののサンプルは、米国市場の従来のセミスイートチョコレート製品である。顕微鏡観察用のサンプルを調製するために、1部を、図5には10部の鉱油と、及び図6には脱塩水と、スパチュラを使用して手で混合する。滴の約1/4をきれいなスライドガラス上に溶着させ、スパチュラで拡げ、カバーガラスを被せて均一な厚さに押さえる。画像は16倍の対物(レンズ)を使用して透過補償偏光で見ることができ、デジタルカメラで画像を捉えた。図6は、本発明のゼラチン化/結晶化水中油型懸濁物の微細構造を示している。ココア豆材料及びココアバター油小滴の微粒子を見ることができる。
【0043】
(実施例4)
以下のレシピは、ココア製品を使用しない本発明の水中油型懸濁物を製造するために使用することができるが、ココア製品を使用することもできる。イチゴの種などのナッツ及びフルーツの粒子は、懸濁物中の不溶性粒子の部分となることができる。上記のように、示されているパーセンテージは、近似値であり、当業者は、パーセンテージを変更すること及び他の材料を加えることが、本発明を逸脱することなくできる。
【表5】
【0044】
上記のそれぞれの場合において、すべての材料をローターステーターミキサー中で混合し、次いで約68℃まで加熱する。製品は、包装の前に長時間加熱又は超高温若しくは超高温及び加圧条件によって滅菌することができる。上記のものなどのフルーツプディング実施例は、破砕ナッツなどの添加材料が、例えば4ヶ月以上の期間にわたって、懸濁物のままであれば、安定な製品を製造することが可能になる。
【0045】
(実施例5)
下記のレシピは、本発明のチョコレート液又はホットチョコレートの実施形態に言及する。上記のように、すべての材料は、おおよそのパーセンテージとして挙げてあり、当業者は、パーセンテージを変更すること及び他の材料を使用することが、本発明を逸脱することなくできる。
【表6】
【0046】
レシピ1及び2は、乳を缶の中で40℃まで加熱し、液化装置を3分間通過させて混合し、1500psiでホモジナイズし、第二段階は5psiでホモジナイズし、次にMicro Thermic UHTプロセッサーを260℃で8秒間通過させる。
【表7】
【0047】
上記のレシピ3には、すべての材料を一緒にローター/ステーターミキサーを用いて混合し、開放した中で約90℃まで加熱する。
【0048】
それぞれの場合に、得られた上記レシピ1〜3の懸濁物は、室温において安定に留まり、良好なチョコレート香味及び良好な口当たりを有する。
【0049】
水分活性の低減/粘度及び質感の操作。上記のように、調製中又は水中油型懸濁物の創製後に、組成物は最終製品又は最終組成物を製造するために乾燥すなわち水分活性レベルを操作することができる。下記の実施例においては、最初の水中油型懸濁物を、バッチ式ローター/ステーターミキサーを用いて9000rpmで30秒間混合し、300/30bar(Soavi Panda 2K)でホモジナイズし、開放の大気圧調理器(Bottom Line 0306040)に移す。温度を280°F、ローター速度を40rpmに設定する。さまざまな時期のサンプル(サンプル01〜06)を、水分及び水分活性を測定するために鍋から取り出す。サンプル06の残りをトレー上に拡げ(高さ6mm)、53℃及び−100kPaの真空オーブン(Cole−Palmer N−05053−20)に入れてサンプル07を製造する。水分活性を、Decagon Aqualab露点計(CX−2T)を使用して決定し、水分を、Turbo Karl Fischer計器(Metrohm Titrino Titrator 701/10)を使用して測定する。
【0050】
(実施例6)
【表8】
【0051】
(実施例7)
【表9】
【0052】
(実施例8)
【表10】
【0053】
(実施例9)
【表11】
【0054】
(実施例10)
【表12】
【0055】
(実施例11)
【表13】
【0056】
(実施例12)
【表14】
【0057】
(実施例13)
【表15】
【0058】
加えて、上記の実施例のいずれにおいても、又は本発明全般において、微細化された粒子、材料、脂肪滴などは、特定の材料に加えて又はその代用物として使用することができる。微細化された成分は、さらに特定の製品に関する所望の微細構造を規定するか、又はその製品に有益な安定性の特徴を提供することがある。当業者は、任意の微細化技法及び/又は使用する製品を選択できることもある。
【0059】
(実施例14)
【表16】
【0060】
(実施例15)
【表17】
【0061】
(実施例17)
【表18】
【0062】
(実施例18)
【表19】
【0063】
(実施例19)
【表20】
【0064】
(実施例20)
【表21】
【0065】
(実施例21)
【表22】
【0066】
(実施例22)
【表23】
【0067】
(実施例23)
【表24】
【0068】
(実施例24)
【表25】
【0069】
(実施例25)
【表26】
【0070】
(実施例26)
【表27】
【0071】
(実施例28)
【表28】
【0072】
(実施例29)
【表29】
【0073】
(実施例30)
【表30】
【0074】
(実施例31)
【表31】
【0075】
(実施例32)
【表32】
【0076】
(実施例33)
【表33】
【0077】
(実施例34)
【表34】
【0078】
上記実施例14〜34は、水分活性レベルの「最初の」水分含有量、又は上記のようにある時間(例えば、サンプル01〜06)乾燥後の水分含有量又は水分活性を記載している。乾燥時間の長さを変えることによって、所望の水分活性レベルを有し、所望の物理的特性及び/又は微生物学的安定性を有する製品を調製することができる。上記の実施例において示されたように、水分活性レベルは、0.3未満、及び約0.2という低さにさえに低下させることができ、このレベルはパリパリの最終製品を製造する。より短い乾燥時間は、約0.9、又は0.85以下の水分活性をもたらす。明らかに、当業者は、本発明の水中油型懸濁物を、水分活性を低下させる工程と組み合わせて使用して、より所望の特徴、質感、又は微生物学的安定性側面の1つを有するさまざまな最終製品又は組成物を製造することができる。
【0079】
上記で提示した実施例及び本出願の内容は、本発明によって製造することのできる多くの食品材料及び食品の実施例を規定し記載している。どの実施例も、また記載のどの部分も、全体としての本発明の範囲又は付帯の特許請求項の意味の範囲に対する限定と解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】ゲルネットワークを形成するための加熱又は処理の工程中で、水分活性レベルを低下させるためのどの乾燥工程よりも前の時間にわたる、さまざまなココア組成物の粘度のグラフである。それぞれの組成物中で使用されたココアパウダーの水中のレベルはそれぞれの曲線の隣に表示されている(5%、10%、15%、20%、25%、及び30%)。加熱温度は、最上部に表示されている。この結果は、ココアパウダーの成分からの、高粘度ゲルネットワークの形成に対する加熱の影響を示している。それぞれの場合において、加熱の間に粘度の何らかの変化又は上昇が見られる。しかし、ココアパウダー15%以上では粘度の顕著な上昇が明らかである。
【図2】異なる温度における水分活性の変化に伴う粘度の変化のデータポイントを示すグラフである。一般に、水分活性の低下に伴って粘度が上昇する。
【図3】ココアバター及び脱脂乳組成物の粘度特性を、さまざまな(5%、10%、15%、20%、及び25%)ココアバターの濃度について及び温度変化にわたって示すグラフである。これらの温度及びこれらの時間では、粘度における変化は組成物中のココアバター小滴の結晶化状態の変化を表している。0〜10分では、それぞれの組成物は20℃に維持され、10分においてそれぞれの組成物は15分において45℃になるまで加熱され、そこでこの温度が12分間維持された。加熱時間後、組成物は20℃まで戻らせた。変化する温度にわたる粘度測定(値)は、ココアバター小滴中の油の溶融を反映している。従来のココア及びチョコレートの組成物の場合のように、ココアバターの含有量が高いほど粘度は高い。ここで及び本開示を通じて、別途の記載がない限り、TA Instruments AR2000同軸シリンダーを使用する(DIN 53 019、ずり速度30/秒)。
【図4】従来の組成物(「結晶化懸濁物」)と、本発明の組成物(結晶化/ゼラチン化水中油型懸濁物)の間の相違を表す概略図である。従来の組成物においては、ココアバターは懸濁物中の連続相である。ココアバターのレベル、ココアバター中の成分の溶解性、及び懸濁物の物理的性質が、とりわけ、必然的に、特徴、及び世界の多くの国におけるチョコレートに関する同一性の規格の範囲内に入るチョコレートの製品又は材料を製造することを望む場合に利用可能な添加物を、限定する。一般に、親水性の分子は、ココアバターのような油又は油相中に可溶ではない。従って、こうした油と親水性(物質)の組合せの微細構造は、懸濁物と呼ばれる。しかし、1つの脂肪又は油は、別の脂肪又は油の中に、時には添加された乳化剤と共に、溶解させることができる。対照的に、本発明の水中油型懸濁物は、実際には水相であり得る連続相を含み、添加物及び成分の種類と割合は増加され、脂肪又は油には限定されない。
【図5】希釈された従来のチョコレート組成物を示す顕微鏡写真である。砂糖結晶が(1)で指し示されている。ココアからのセル壁粒子が(2)で指し示されている。連続相は(3)と標識されている。
【図6】希釈された本発明のココア組成物すなわち本発明の方法によって調製されたものの顕微鏡写真である。懸濁物の水相又は連続相は(3)で印がつけられている。数字(1)は、デンプン及び/又はタンパク質成分、ここではココアからのものによって形成されたゲルネットワークの断片又は要素を指しており、ココアのセル壁成分を含み得る。結晶化したココアバター小滴が、懸濁物中に存在し、(2)の中に指摘されているように、小滴からの屈折が脂質又は脂肪の小滴として見られる。
【図7】油中に希釈された、任意選択の乾燥すなわち水分活性レベル低下の工程によって調製された乾燥ココア組成物の調製からのサンプルの、顕微鏡写真である。部分的に再結晶化した蔗糖が標識されている。
【図8】油中に希釈された、任意選択の乾燥すなわち水分活性レベル低下の工程によって調製された乾燥ココア組成物の調製からのサンプルの、顕微鏡写真である。部分的に再結晶化した蔗糖が標識されている。
【図9】部分的に乾燥された本発明の水中油型懸濁物のカラメル様の粘度が見られる写真である。
【図10】非常に低い水分活性を有するパリパリした質感を実現するための任意選択の乾燥工程後の本発明の水中油型懸濁物の写真である。
【図11】フルーツピューレから造り、乾燥させた本発明の水中油型懸濁物の顕微鏡写真である。不溶性のフルーツ粒子が標識されており、構造中のエアーポケット又は細胞が、水分が乾燥して無くなった場所に存在している。このような構造の水分活性は低いと思われる。
【図12】水分含有量の変化に従う水分活性レベルの変化のデータポイント及び予測グラフ(Lewicki P.P.,Journal of Food Engineering 43(2000)、31〜40頁を参照されたい)である。表されたグラフの相違は成分の相違を反映することになるが、塩組成物の水分活性は一般に同じ水分含有量のグルコース組成物の水分活性よりも低いからである。
【図13】従来のチョコレートドリンク(「o」脱脂乳+チョコレートシロップ、及び「◆」5時間後)と本発明によって調製された組成物(「▲」)の比較を示すグラフである。本発明の組成物については、粘度がずっと高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ココアバターを含む脂肪相を準備すること、
水、砂糖若しくは甘味料又は両方、及びココアタンパク質を含有する1つ又は複数のココア製品、デンプン、又はセル壁材料を含む水相を準備すること、
両相を混合すること、
混合された両相を加熱してココアタンパク質及び/又はココアデンプン成分からなるゲルネットワークを形成させること、
を含み、加熱後に懸濁物の粘度が上昇する、ココア系水中油型懸濁物を製造する方法。
【請求項2】
脱脂乳が水相中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
濃縮乳、蒸発乳、全乳、豆乳、又は全乳粉末が、水相中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
粘度の上昇が測定可能な30sec−1のずり速度で少なくとも約2倍である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
混合がほぼ室温において0.5〜100μmの範囲の懸濁物中のココアバターの小滴をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
混合がほぼ室温において0.5〜30μmの範囲の懸濁物中のココアバターの小滴をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
混合がほぼ室温において0.5〜100μmの範囲の懸濁物中の不溶性ココア粒子をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
混合がほぼ室温において0.5〜30μmの範囲の懸濁物中の不溶性ココア粒子をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法から製造された食品又は食品材料。
【請求項10】
直径が約0.5mm以上の食用粒子をさらに含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法から製造された食品又は食品材料。
【請求項11】
ナッツ、粉砕ナッツ、パリパリした食用含有物、フルーツ粒子、及び固体又は液体フィリングの1つ又は複数をさらに含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法から製造された食品又は食品材料。
【請求項12】
室温において少なくとも部分的に結晶化している少なくとも1つの脂肪成分を含む脂肪相を準備すること、
水、及びタンパク質、デンプン、又はセル壁材料などのバイオポリマーを含有している1つ又は複数の製品を含む水相を準備すること、
両相を混合すること、
混合された両相を加熱してタンパク質及び/又はデンプン及び/又はセル壁材料成分からなるゲルネットワークを形成させること、
を含み、加熱後に懸濁物の粘度が上昇する、食用水中油型懸濁物を製造する方法。
【請求項13】
乳化剤を加えることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
乳化剤がレシチンである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
脂肪相が、ココアバター、分画及び/又は水素化及び/又はエステル交換されたパーム核油、パーム油、ココナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、カノーラ油、及びコーン油の1つ又は複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
水相が、ココア固体、フルーツピューレ、ベリーピューレ、乳、豆乳、蒸発乳、豆乳、及び濃縮乳の1つ又は複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
バイオポリマーが、ココア製品、フルーツ製品、親水コロイド、ベリー製品、及び野菜製品の1つ又は複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
ゲルネットワークを形成する量のバイオポリマー、水相、及び分散された油又は脂肪の相を含む水中油型懸濁物内にゼラチン化及び結晶化した構造を有し、ゲルネットワークは懸濁物が加熱された後にバイオポリマーから形成される能力があり、油又は脂肪の相の成分は室温において少なくとも部分的に結晶化し、直径が約100μm以下の微細構造として懸濁物中に安定に存在する、食品又は食品材料。
【請求項19】
バイオポリマーが、ココア含有製品、フル−ツ含有製品、又はベリー含有製品の形態で最初に準備される、請求項18に記載の食品又は食品材料。
【請求項20】
室温において少なくとも部分的に結晶化する油又は脂肪の相の成分が、ココアバター、分画及び/又は水素化及び/又はエステル交換されたパーム核油、パーム油、ココナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、カノーラ油、コーン油、及び乳脂肪の1つ又は複数である、請求項18に記載の食品又は食品材料。
【請求項21】
ココアバター及び任意選択で乳化剤を含む脂肪又は油の相を準備すること、
水及びココア固体を含む水相又は連続相を準備すること、
油又は脂肪の相を水相又は連続相と、ココアバター又は任意選択の乳化剤の融点を超える温度において混合すること、
混合された相をココア固体のタンパク質成分及びデンプン成分がゲルネットワークを生成する条件下において処理又は加熱すること、及び
乾燥して水分活性レベルを約0.9以下に低下させること
を含む、食品又は食品材料を製造する方法。
【請求項22】
親水コロイド、乳タンパク質、植物性タンパク質、フルーツタンパク質、デンプン、又は多糖の1つ又は複数の添加によって、ゲルネットワークのタンパク質成分及びデンプン成分をさらに加える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
乳化剤が存在する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
食品等級のガスを通気又は泡立てによって加えることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
1つ又は複数のビタミンの食品添加物又はミネラルの食品添加物が水相又は連続相中に存在する、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
実質的にすべての不溶性粒子を除去することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
混合相を処理又は加熱することが混合相を約68℃以上に加熱することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
混合相を処理又は加熱することが混合物を室温でゲルネットワークを形成するのに十分な時間放置することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
油又は脂肪の相を水相又は連続相と混合することが、スタティックミキサー、ホモジナイザー、又はダイナミックミキサーを用いて混合することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
食品材料が、ダークチョコレート、ミルクチョコレート、ビタースイートチョコレート、セミスイートチョコレート、又はホワイトチョコレートを含む製品にさらに加工される、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
チョコレートリカー、ココアパウダー、ヘビークリーム、無水乳脂肪、乳清タンパク質濃縮物、無脂肪乳タンパク質、豆乳、全乳粉末、砂糖、レシチン、バニリン、及び脱脂乳の1つ又は複数を脂肪若しくは油の相又は水相又は連続相の一方又は両方に加えることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
ココア固体が、高められた又は増加されたレベルの酸化防止剤又はポリフェノールを含有する、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
約0.85未満の水分活性を有する、請求項21に記載の方法によって製造された食品又は食品材料。
【請求項34】
約0.65未満の水分活性を有する、請求項33に記載の食品又は食品材料。
【請求項35】
約0.55未満の水分活性を有する、請求項33に記載の食品又は食品材料。
【請求項36】
約0.45未満の水分活性を有する、請求項33に記載の食品又は食品材料。
【請求項37】
約0.35未満の水分活性を有する、請求項33に記載の食品又は食品材料。
【請求項38】
室温において少なくとも部分的に結晶化している少なくとも1つの脂肪成分を含む脂肪相を準備すること、
水、及びタンパク質、デンプン、又はセル壁材料などのバイオポリマーを含有している1つ又は複数の製品を含む水相を準備すること、
両相を混合すること、
混合された両相を加熱してタンパク質及び/又はデンプン及び/又はセル壁材料成分からなるゲルネットワークを形成させること、及び
混合された両相を乾燥して水分活性レベルを低下させること
を含む、食用製品又は食用材料又は食用組成物を製造する方法。
【請求項39】
乳化剤を加えることをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
乳化剤がレシチンである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
脂肪相が、ココアバター、チョコレートリカー、分画及び/又は水素化及び/又はエステル交換されたパーム核油、パーム油、ココナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、カノーラ油、及びコーン油の1つ又は複数を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
水相が、ココア固体、フルーツピューレ、ベリーピューレ、乳、豆乳、蒸発乳、豆乳、及び濃縮乳の1つ又は複数を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
バイオポリマーが、ココア製品、フルーツ製品、親水コロイド、ベリー製品、及び野菜製品の1つ又は複数を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
水分活性が約0.85未満である、請求項38に記載の方法によって製造された食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項45】
約0.65未満の水分活性を有する、請求項44に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項46】
約0.55未満の水分活性を有する、請求項44に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項47】
約0.45未満の水分活性を有する、請求項44に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項48】
約0.35未満の水分活性を有する、請求項44に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項49】
人工甘味料、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、イソマルツロース、又はマルチトールの1つ又は複数を有する、請求項44に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項50】
減カロリー又は低カロリー又は無糖製品に加工された、請求項49に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項51】
1つ又は複数のビタミンの食品添加物又はミネラルの食品添加物を有する、請求項44に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項52】
ナッツ、ピーナッツ、アーモンド、ピーナッツバター、カラメル、及び食用含有物の1つ又は複数をさらに含む、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項53】
ナッツ、ピーナッツ、アーモンド、ピーナッツバター、カラメル、及び食用含有物の1つ又は複数をさらに含む、請求項33に記載の食品又は食品材料。
【請求項54】
ナッツ、ピーナッツ、アーモンド、ピーナッツバター、カラメル、及び食用含有物の1つ又は複数をさらに含む、請求項44に記載の食品又は食品材料。
【請求項55】
水中油型懸濁物中に結晶化し且つゼラチン化した構造を有し、本質的に少なくとも約2%のココアバターからなる油相又は脂肪相を含み、ココアバターは室温において少なくとも部分的に結晶化しており、本質的に少なくとも約4%の無脂肪ココア固体からなる水相をさらに含み、少なくともココア固体中に存在する可溶性の多糖類及びタンパク質は懸濁物中でゲルネットワークに少なくとも部分的に形成されており、少なくともココア固体からの不溶性粒子は懸濁物中に分散されている、食品又は食品材料。
【請求項56】
少なくとも約5%の乳固体を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項57】
ココアバター含有量がチョコレートリカーとして供給される、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項58】
無脂肪ココア固体含有量がココアパウダーとして供給される、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項59】
ココアバター含有量が加工チョコレート製品として供給される、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項60】
少なくとも1つの乳化剤を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項61】
少なくとも1つの乳化剤がレシチンである、請求項60に記載の食品又は食品材料。
【請求項62】
ココアバター含有量が少なくとも約18%である、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項63】
少なくとも約35%の合計ココア固体及び少なくとも約10%のココアリカーを有する、請求項56に記載の食品又は食品材料。
【請求項64】
チョコレート含有製品に加工される、請求項63に記載の食品又は食品材料。
【請求項65】
少なくとも約10%のチョコレートリカー及び少なくとも約12%の合計乳固体を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項66】
セミスイートチョコレート又はミルクチョコレートを含有する製品に加工される、請求項65に記載の食品又は食品材料。
【請求項67】
少なくとも約5%の栄養炭水化物甘味料を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項68】
少なくとも約5%の栄養炭水化物甘味料を有する、請求項65に記載の食品又は食品材料。
【請求項69】
少なくとも約35%の合計ココア固体を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項70】
人工甘味料、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、イソマルツロース、又はマルチトールの1つ又は複数を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項71】
減カロリー又は低カロリー又は無糖製品に加工された、請求項67に記載の食品又は食品材料。
【請求項72】
チョコレートプディング製品に加工される、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項73】
ココア含有飲料に加工される、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項74】
1つ又は複数のビタミンの食品添加物又はミネラルの食品添加物を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項75】
ココア固体が、高められた又は増加されたレベルの酸化防止剤又はポリフェノールを有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項76】
濃縮乳、蒸発乳、加糖濃縮乳、乾燥乳、脱脂乳、濃縮脱脂乳、蒸発脱脂乳、加糖濃縮脱脂乳、ココアパウダー、ヘビークリーム、バニリン、乳清タンパク質、無水乳脂肪、無脂肪乾燥乳タンパク質、全乳粉末、豆乳、豆乳タンパク質、レシチン、及び砂糖の1つ又は複数を含む、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項77】
ココアバター及び任意選択で乳化剤を含む脂肪又は油の相を準備すること、
水及びココア固体を含む水相又は連続相を準備すること、
油又は脂肪の相を水相又は連続相と、ココアバター又は任意選択の乳化剤の融点を超える温度において混合すること、
混合された相をココア固体のタンパク質成分及びデンプン成分がゲルネットワークを生成する条件下において処理又は加熱すること
を含む、食品又は食品材料を製造する方法。
【請求項78】
脂肪又は油の相が、約25℃以上の融点を有する追加の脂肪成分をさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
親水コロイド、多糖、及び乳タンパク質、植物性タンパク質、フルーツタンパク質、デンプン、又は多糖の1つ又は複数の添加によってゲルネットワークの他のタンパク質及びデンプンの成分を加える、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
乳化剤が存在する、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
通気又は泡立てによって食品等級のガスを加えることをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
1つ又は複数のビタミンの食品添加物又はミネラルの食品添加物が水相又は連続相中に存在する、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
実質的にすべての不溶性粒子を除去することをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項84】
混合相を処理又は加熱することが、混合相を約121℃に約8.5分間加熱することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項85】
混合相を処理又は加熱することが、混合相を約150℃で少なくとも約4秒間加熱することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項86】
混合相を処理又は加熱することが、混合相を約68℃に加熱することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項87】
混合相を処理又は加熱することが、混合物を室温でゲルネットワークを形成するのに十分な時間放置することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項88】
油又は脂肪の相を水相又は連続相と混合することが、スタティックミキサー、ホモジナイザー、又はダイナミックミキサーを用いて混合することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項89】
食品又は食品材料が、ダークチョコレート、ミルクチョコレート、ビタースイートチョコレート、セミスイートチョコレート、又はホワイトチョコレートにさらに加工される、請求項77に記載の方法。
【請求項90】
チョコレートリカー、ココアパウダー、ヘビークリーム、無水乳脂肪、乳清タンパク質濃縮物、無脂肪乳タンパク質、豆乳、全乳粉末、砂糖、レシチン、バニリン、及び脱脂乳の1つ又は複数を、脂肪若しくは油の相又は水相又は連続相の一方又は両方に加えることをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項91】
最終懸濁物中のココアバター含有量が少なくとも約18%である、請求項77に記載の方法。
【請求項92】
最終懸濁物中のココアバター含有量が少なくとも約15%である、請求項77に記載の方法。
【請求項93】
最終懸濁物中のココアバター含有量が少なくとも約20%である、請求項77に記載の方法。
【請求項94】
ココア製品及び乳製品を添加して、少なくとも約10%のココアリカー及び約12%の合計乳固体を含む最終懸濁物を製造する、請求項77に記載の方法。
【請求項95】
ココア製品及び乳製品を添加して、少なくとも約2.5%の無脂肪ココア固体を含めて少なくとも約25%の合計ココア固体を含み、約12%以上の乳固体及び約2.5%以上の乳脂肪をさらに含む最終懸濁物を製造する、請求項77に記載の方法。
【請求項96】
乳製品を添加して、約2.5%以上の乳脂肪を含めて少なくとも約14%の乳固体を有する最終懸濁物を製造することをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項97】
ココア製品を添加して、少なくとも約35%の合計ココア固体を有する最終懸濁物を製造する、請求項77に記載の方法。
【請求項98】
ココア固体が、高められた又は増加されたレベルの酸化防止剤又はポリフェノールを含有する、請求項77に記載の方法。
【請求項99】
請求項77から98までのいずれか一項に記載の方法によって製造された食品又は食品材料。
【請求項100】
水中油型懸濁物中に結晶化し且つゼラチン化した構造を有する食品又は食品材料であって、前記食品材料は少なくとも約2%のココアバターから本質的になる油相又は脂肪相を含み、ココアバターは室温において少なくとも部分的に結晶化しており、少なくとも約4%の無脂肪ココア固体から本質的になる水相をさらに含み、少なくともココア固体中に存在する可溶性の多糖類及びタンパク質は少なくとも部分的に懸濁物中でゲルネットワークに形成されており、少なくともココア固体からの不溶性粒子は懸濁物中に分散されており、約0.9以下の水分活性レベルを有する食品又は食品材料。
【請求項101】
少なくとも約5%の乳固体を有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項102】
ココアバター含有量がチョコレートリカーとして供給される、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項103】
無脂肪ココア固体含有量がココアパウダーとして供給される、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項104】
ココアバター含有量が加工チョコレート製品として供給される、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項105】
少なくとも1つの乳化剤を有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項106】
少なくとも1つの乳化剤がレシチンである、請求項105に記載の食品又は食品材料。
【請求項107】
ココアバター含有量が少なくとも約18%である、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項108】
少なくとも約35%の合計ココア固体及び少なくとも約10%のココアリカーを有する、請求項101に記載の食品又は食品材料。
【請求項109】
チョコレート含有製品に加工される、請求項108に記載の食品又は食品材料。
【請求項110】
少なくとも約10%のチョコレートリカー及び少なくとも約12%の合計乳固体を有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項111】
セミスイートチョコレート又はミルクチョコレート含有製品に加工される、請求項110に記載の食品又は食品材料。
【請求項112】
少なくとも約5%の栄養炭水化物甘味料を有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項113】
少なくとも約5%の栄養炭水化物甘味料を有する、請求項110に記載の食品又は食品材料。
【請求項114】
少なくとも約35%の合計ココア固体を有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項115】
1つ又は複数の人工甘味料、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、イソマルツロース、又はマルチトールを有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項116】
減カロリー又は低カロリー又は無糖製品に加工された、請求項112に記載の食品又は食品材料。
【請求項117】
1つ又は複数のビタミンの食品添加物又はミネラルの食品添加物を有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項118】
ココア固体が、高められた又は増加されたレベルの酸化防止剤又はポリフェノールを有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項119】
食品材料が、濃縮乳、蒸発乳、加糖濃縮乳、乾燥乳、脱脂乳、濃縮脱脂乳、蒸発脱脂乳、加糖濃縮脱脂乳、ココアパウダー、ヘビークリーム、バニリン、乳清タンパク質、無水乳脂肪、無脂肪乾燥乳タンパク質、全乳粉末、豆乳、豆乳タンパク質、レシチン、及び砂糖の1つ又は複数を含む、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項120】
ゼラチン化した水中油型懸濁物を少なくとも部分的に含む構造を有し、乳製品及びココア固体を含む水相、並びにココアバターを含む脂肪相を含み、少なくともココア固体中に存在する可溶性多糖類及びタンパク質はゲルネットワークを少なくとも部分的に形成しており、少なくともココア固体からの不溶性粒子は懸濁物中に分散されているチョコレート飲料。
【請求項121】
乳製品が、全乳、脱脂乳、2%脂肪乳、又はクリームから選択される、請求項120に記載のチョコレート飲料。
【請求項122】
1つ又は複数の甘味料をさらに含む、請求項121に記載のチョコレート飲料。
【請求項123】
懸濁物中に約室温において存在するココアバター小滴が約0.5〜30μmの範囲である、請求項120に記載のチョコレート飲料。
【請求項124】
ゼラチン化した水中油型懸濁物を少なくとも部分的に含む構造を有し、ココア固体を含む水相及びココアバターを含む脂肪相を含み、少なくともココア固体中に存在する可溶性多糖類及びタンパク質はゲルネットワークを少なくとも部分的に形成しており、少なくともココア固体からの不溶性粒子は懸濁物中に分散されているチョコレート飲料。
【請求項125】
1つ又は複数の甘味料をさらに含む、請求項124に記載のチョコレート飲料。
【請求項126】
懸濁物中に約室温において存在するココアバター小滴が約0.5〜30μmの範囲である、請求項124に記載のチョコレート飲料。
【請求項1】
ココアバターを含む脂肪相を準備すること、
水、砂糖若しくは甘味料又は両方、及びココアタンパク質を含有する1つ又は複数のココア製品、デンプン、又はセル壁材料を含む水相を準備すること、
両相を混合すること、
混合された両相を加熱してココアタンパク質及び/又はココアデンプン成分からなるゲルネットワークを形成させること、
を含み、加熱後に懸濁物の粘度が上昇する、ココア系水中油型懸濁物を製造する方法。
【請求項2】
脱脂乳が水相中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
濃縮乳、蒸発乳、全乳、豆乳、又は全乳粉末が、水相中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
粘度の上昇が測定可能な30sec−1のずり速度で少なくとも約2倍である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
混合がほぼ室温において0.5〜100μmの範囲の懸濁物中のココアバターの小滴をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
混合がほぼ室温において0.5〜30μmの範囲の懸濁物中のココアバターの小滴をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
混合がほぼ室温において0.5〜100μmの範囲の懸濁物中の不溶性ココア粒子をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
混合がほぼ室温において0.5〜30μmの範囲の懸濁物中の不溶性ココア粒子をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法から製造された食品又は食品材料。
【請求項10】
直径が約0.5mm以上の食用粒子をさらに含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法から製造された食品又は食品材料。
【請求項11】
ナッツ、粉砕ナッツ、パリパリした食用含有物、フルーツ粒子、及び固体又は液体フィリングの1つ又は複数をさらに含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法から製造された食品又は食品材料。
【請求項12】
室温において少なくとも部分的に結晶化している少なくとも1つの脂肪成分を含む脂肪相を準備すること、
水、及びタンパク質、デンプン、又はセル壁材料などのバイオポリマーを含有している1つ又は複数の製品を含む水相を準備すること、
両相を混合すること、
混合された両相を加熱してタンパク質及び/又はデンプン及び/又はセル壁材料成分からなるゲルネットワークを形成させること、
を含み、加熱後に懸濁物の粘度が上昇する、食用水中油型懸濁物を製造する方法。
【請求項13】
乳化剤を加えることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
乳化剤がレシチンである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
脂肪相が、ココアバター、分画及び/又は水素化及び/又はエステル交換されたパーム核油、パーム油、ココナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、カノーラ油、及びコーン油の1つ又は複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
水相が、ココア固体、フルーツピューレ、ベリーピューレ、乳、豆乳、蒸発乳、豆乳、及び濃縮乳の1つ又は複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
バイオポリマーが、ココア製品、フルーツ製品、親水コロイド、ベリー製品、及び野菜製品の1つ又は複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
ゲルネットワークを形成する量のバイオポリマー、水相、及び分散された油又は脂肪の相を含む水中油型懸濁物内にゼラチン化及び結晶化した構造を有し、ゲルネットワークは懸濁物が加熱された後にバイオポリマーから形成される能力があり、油又は脂肪の相の成分は室温において少なくとも部分的に結晶化し、直径が約100μm以下の微細構造として懸濁物中に安定に存在する、食品又は食品材料。
【請求項19】
バイオポリマーが、ココア含有製品、フル−ツ含有製品、又はベリー含有製品の形態で最初に準備される、請求項18に記載の食品又は食品材料。
【請求項20】
室温において少なくとも部分的に結晶化する油又は脂肪の相の成分が、ココアバター、分画及び/又は水素化及び/又はエステル交換されたパーム核油、パーム油、ココナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、カノーラ油、コーン油、及び乳脂肪の1つ又は複数である、請求項18に記載の食品又は食品材料。
【請求項21】
ココアバター及び任意選択で乳化剤を含む脂肪又は油の相を準備すること、
水及びココア固体を含む水相又は連続相を準備すること、
油又は脂肪の相を水相又は連続相と、ココアバター又は任意選択の乳化剤の融点を超える温度において混合すること、
混合された相をココア固体のタンパク質成分及びデンプン成分がゲルネットワークを生成する条件下において処理又は加熱すること、及び
乾燥して水分活性レベルを約0.9以下に低下させること
を含む、食品又は食品材料を製造する方法。
【請求項22】
親水コロイド、乳タンパク質、植物性タンパク質、フルーツタンパク質、デンプン、又は多糖の1つ又は複数の添加によって、ゲルネットワークのタンパク質成分及びデンプン成分をさらに加える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
乳化剤が存在する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
食品等級のガスを通気又は泡立てによって加えることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
1つ又は複数のビタミンの食品添加物又はミネラルの食品添加物が水相又は連続相中に存在する、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
実質的にすべての不溶性粒子を除去することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
混合相を処理又は加熱することが混合相を約68℃以上に加熱することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
混合相を処理又は加熱することが混合物を室温でゲルネットワークを形成するのに十分な時間放置することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
油又は脂肪の相を水相又は連続相と混合することが、スタティックミキサー、ホモジナイザー、又はダイナミックミキサーを用いて混合することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
食品材料が、ダークチョコレート、ミルクチョコレート、ビタースイートチョコレート、セミスイートチョコレート、又はホワイトチョコレートを含む製品にさらに加工される、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
チョコレートリカー、ココアパウダー、ヘビークリーム、無水乳脂肪、乳清タンパク質濃縮物、無脂肪乳タンパク質、豆乳、全乳粉末、砂糖、レシチン、バニリン、及び脱脂乳の1つ又は複数を脂肪若しくは油の相又は水相又は連続相の一方又は両方に加えることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
ココア固体が、高められた又は増加されたレベルの酸化防止剤又はポリフェノールを含有する、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
約0.85未満の水分活性を有する、請求項21に記載の方法によって製造された食品又は食品材料。
【請求項34】
約0.65未満の水分活性を有する、請求項33に記載の食品又は食品材料。
【請求項35】
約0.55未満の水分活性を有する、請求項33に記載の食品又は食品材料。
【請求項36】
約0.45未満の水分活性を有する、請求項33に記載の食品又は食品材料。
【請求項37】
約0.35未満の水分活性を有する、請求項33に記載の食品又は食品材料。
【請求項38】
室温において少なくとも部分的に結晶化している少なくとも1つの脂肪成分を含む脂肪相を準備すること、
水、及びタンパク質、デンプン、又はセル壁材料などのバイオポリマーを含有している1つ又は複数の製品を含む水相を準備すること、
両相を混合すること、
混合された両相を加熱してタンパク質及び/又はデンプン及び/又はセル壁材料成分からなるゲルネットワークを形成させること、及び
混合された両相を乾燥して水分活性レベルを低下させること
を含む、食用製品又は食用材料又は食用組成物を製造する方法。
【請求項39】
乳化剤を加えることをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
乳化剤がレシチンである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
脂肪相が、ココアバター、チョコレートリカー、分画及び/又は水素化及び/又はエステル交換されたパーム核油、パーム油、ココナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、カノーラ油、及びコーン油の1つ又は複数を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
水相が、ココア固体、フルーツピューレ、ベリーピューレ、乳、豆乳、蒸発乳、豆乳、及び濃縮乳の1つ又は複数を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
バイオポリマーが、ココア製品、フルーツ製品、親水コロイド、ベリー製品、及び野菜製品の1つ又は複数を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
水分活性が約0.85未満である、請求項38に記載の方法によって製造された食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項45】
約0.65未満の水分活性を有する、請求項44に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項46】
約0.55未満の水分活性を有する、請求項44に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項47】
約0.45未満の水分活性を有する、請求項44に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項48】
約0.35未満の水分活性を有する、請求項44に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項49】
人工甘味料、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、イソマルツロース、又はマルチトールの1つ又は複数を有する、請求項44に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項50】
減カロリー又は低カロリー又は無糖製品に加工された、請求項49に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項51】
1つ又は複数のビタミンの食品添加物又はミネラルの食品添加物を有する、請求項44に記載の食品又は食品材料又は食品組成物。
【請求項52】
ナッツ、ピーナッツ、アーモンド、ピーナッツバター、カラメル、及び食用含有物の1つ又は複数をさらに含む、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項53】
ナッツ、ピーナッツ、アーモンド、ピーナッツバター、カラメル、及び食用含有物の1つ又は複数をさらに含む、請求項33に記載の食品又は食品材料。
【請求項54】
ナッツ、ピーナッツ、アーモンド、ピーナッツバター、カラメル、及び食用含有物の1つ又は複数をさらに含む、請求項44に記載の食品又は食品材料。
【請求項55】
水中油型懸濁物中に結晶化し且つゼラチン化した構造を有し、本質的に少なくとも約2%のココアバターからなる油相又は脂肪相を含み、ココアバターは室温において少なくとも部分的に結晶化しており、本質的に少なくとも約4%の無脂肪ココア固体からなる水相をさらに含み、少なくともココア固体中に存在する可溶性の多糖類及びタンパク質は懸濁物中でゲルネットワークに少なくとも部分的に形成されており、少なくともココア固体からの不溶性粒子は懸濁物中に分散されている、食品又は食品材料。
【請求項56】
少なくとも約5%の乳固体を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項57】
ココアバター含有量がチョコレートリカーとして供給される、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項58】
無脂肪ココア固体含有量がココアパウダーとして供給される、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項59】
ココアバター含有量が加工チョコレート製品として供給される、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項60】
少なくとも1つの乳化剤を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項61】
少なくとも1つの乳化剤がレシチンである、請求項60に記載の食品又は食品材料。
【請求項62】
ココアバター含有量が少なくとも約18%である、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項63】
少なくとも約35%の合計ココア固体及び少なくとも約10%のココアリカーを有する、請求項56に記載の食品又は食品材料。
【請求項64】
チョコレート含有製品に加工される、請求項63に記載の食品又は食品材料。
【請求項65】
少なくとも約10%のチョコレートリカー及び少なくとも約12%の合計乳固体を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項66】
セミスイートチョコレート又はミルクチョコレートを含有する製品に加工される、請求項65に記載の食品又は食品材料。
【請求項67】
少なくとも約5%の栄養炭水化物甘味料を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項68】
少なくとも約5%の栄養炭水化物甘味料を有する、請求項65に記載の食品又は食品材料。
【請求項69】
少なくとも約35%の合計ココア固体を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項70】
人工甘味料、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、イソマルツロース、又はマルチトールの1つ又は複数を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項71】
減カロリー又は低カロリー又は無糖製品に加工された、請求項67に記載の食品又は食品材料。
【請求項72】
チョコレートプディング製品に加工される、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項73】
ココア含有飲料に加工される、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項74】
1つ又は複数のビタミンの食品添加物又はミネラルの食品添加物を有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項75】
ココア固体が、高められた又は増加されたレベルの酸化防止剤又はポリフェノールを有する、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項76】
濃縮乳、蒸発乳、加糖濃縮乳、乾燥乳、脱脂乳、濃縮脱脂乳、蒸発脱脂乳、加糖濃縮脱脂乳、ココアパウダー、ヘビークリーム、バニリン、乳清タンパク質、無水乳脂肪、無脂肪乾燥乳タンパク質、全乳粉末、豆乳、豆乳タンパク質、レシチン、及び砂糖の1つ又は複数を含む、請求項55に記載の食品又は食品材料。
【請求項77】
ココアバター及び任意選択で乳化剤を含む脂肪又は油の相を準備すること、
水及びココア固体を含む水相又は連続相を準備すること、
油又は脂肪の相を水相又は連続相と、ココアバター又は任意選択の乳化剤の融点を超える温度において混合すること、
混合された相をココア固体のタンパク質成分及びデンプン成分がゲルネットワークを生成する条件下において処理又は加熱すること
を含む、食品又は食品材料を製造する方法。
【請求項78】
脂肪又は油の相が、約25℃以上の融点を有する追加の脂肪成分をさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
親水コロイド、多糖、及び乳タンパク質、植物性タンパク質、フルーツタンパク質、デンプン、又は多糖の1つ又は複数の添加によってゲルネットワークの他のタンパク質及びデンプンの成分を加える、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
乳化剤が存在する、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
通気又は泡立てによって食品等級のガスを加えることをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
1つ又は複数のビタミンの食品添加物又はミネラルの食品添加物が水相又は連続相中に存在する、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
実質的にすべての不溶性粒子を除去することをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項84】
混合相を処理又は加熱することが、混合相を約121℃に約8.5分間加熱することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項85】
混合相を処理又は加熱することが、混合相を約150℃で少なくとも約4秒間加熱することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項86】
混合相を処理又は加熱することが、混合相を約68℃に加熱することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項87】
混合相を処理又は加熱することが、混合物を室温でゲルネットワークを形成するのに十分な時間放置することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項88】
油又は脂肪の相を水相又は連続相と混合することが、スタティックミキサー、ホモジナイザー、又はダイナミックミキサーを用いて混合することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項89】
食品又は食品材料が、ダークチョコレート、ミルクチョコレート、ビタースイートチョコレート、セミスイートチョコレート、又はホワイトチョコレートにさらに加工される、請求項77に記載の方法。
【請求項90】
チョコレートリカー、ココアパウダー、ヘビークリーム、無水乳脂肪、乳清タンパク質濃縮物、無脂肪乳タンパク質、豆乳、全乳粉末、砂糖、レシチン、バニリン、及び脱脂乳の1つ又は複数を、脂肪若しくは油の相又は水相又は連続相の一方又は両方に加えることをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項91】
最終懸濁物中のココアバター含有量が少なくとも約18%である、請求項77に記載の方法。
【請求項92】
最終懸濁物中のココアバター含有量が少なくとも約15%である、請求項77に記載の方法。
【請求項93】
最終懸濁物中のココアバター含有量が少なくとも約20%である、請求項77に記載の方法。
【請求項94】
ココア製品及び乳製品を添加して、少なくとも約10%のココアリカー及び約12%の合計乳固体を含む最終懸濁物を製造する、請求項77に記載の方法。
【請求項95】
ココア製品及び乳製品を添加して、少なくとも約2.5%の無脂肪ココア固体を含めて少なくとも約25%の合計ココア固体を含み、約12%以上の乳固体及び約2.5%以上の乳脂肪をさらに含む最終懸濁物を製造する、請求項77に記載の方法。
【請求項96】
乳製品を添加して、約2.5%以上の乳脂肪を含めて少なくとも約14%の乳固体を有する最終懸濁物を製造することをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項97】
ココア製品を添加して、少なくとも約35%の合計ココア固体を有する最終懸濁物を製造する、請求項77に記載の方法。
【請求項98】
ココア固体が、高められた又は増加されたレベルの酸化防止剤又はポリフェノールを含有する、請求項77に記載の方法。
【請求項99】
請求項77から98までのいずれか一項に記載の方法によって製造された食品又は食品材料。
【請求項100】
水中油型懸濁物中に結晶化し且つゼラチン化した構造を有する食品又は食品材料であって、前記食品材料は少なくとも約2%のココアバターから本質的になる油相又は脂肪相を含み、ココアバターは室温において少なくとも部分的に結晶化しており、少なくとも約4%の無脂肪ココア固体から本質的になる水相をさらに含み、少なくともココア固体中に存在する可溶性の多糖類及びタンパク質は少なくとも部分的に懸濁物中でゲルネットワークに形成されており、少なくともココア固体からの不溶性粒子は懸濁物中に分散されており、約0.9以下の水分活性レベルを有する食品又は食品材料。
【請求項101】
少なくとも約5%の乳固体を有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項102】
ココアバター含有量がチョコレートリカーとして供給される、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項103】
無脂肪ココア固体含有量がココアパウダーとして供給される、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項104】
ココアバター含有量が加工チョコレート製品として供給される、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項105】
少なくとも1つの乳化剤を有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項106】
少なくとも1つの乳化剤がレシチンである、請求項105に記載の食品又は食品材料。
【請求項107】
ココアバター含有量が少なくとも約18%である、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項108】
少なくとも約35%の合計ココア固体及び少なくとも約10%のココアリカーを有する、請求項101に記載の食品又は食品材料。
【請求項109】
チョコレート含有製品に加工される、請求項108に記載の食品又は食品材料。
【請求項110】
少なくとも約10%のチョコレートリカー及び少なくとも約12%の合計乳固体を有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項111】
セミスイートチョコレート又はミルクチョコレート含有製品に加工される、請求項110に記載の食品又は食品材料。
【請求項112】
少なくとも約5%の栄養炭水化物甘味料を有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項113】
少なくとも約5%の栄養炭水化物甘味料を有する、請求項110に記載の食品又は食品材料。
【請求項114】
少なくとも約35%の合計ココア固体を有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項115】
1つ又は複数の人工甘味料、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、イソマルツロース、又はマルチトールを有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項116】
減カロリー又は低カロリー又は無糖製品に加工された、請求項112に記載の食品又は食品材料。
【請求項117】
1つ又は複数のビタミンの食品添加物又はミネラルの食品添加物を有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項118】
ココア固体が、高められた又は増加されたレベルの酸化防止剤又はポリフェノールを有する、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項119】
食品材料が、濃縮乳、蒸発乳、加糖濃縮乳、乾燥乳、脱脂乳、濃縮脱脂乳、蒸発脱脂乳、加糖濃縮脱脂乳、ココアパウダー、ヘビークリーム、バニリン、乳清タンパク質、無水乳脂肪、無脂肪乾燥乳タンパク質、全乳粉末、豆乳、豆乳タンパク質、レシチン、及び砂糖の1つ又は複数を含む、請求項100に記載の食品又は食品材料。
【請求項120】
ゼラチン化した水中油型懸濁物を少なくとも部分的に含む構造を有し、乳製品及びココア固体を含む水相、並びにココアバターを含む脂肪相を含み、少なくともココア固体中に存在する可溶性多糖類及びタンパク質はゲルネットワークを少なくとも部分的に形成しており、少なくともココア固体からの不溶性粒子は懸濁物中に分散されているチョコレート飲料。
【請求項121】
乳製品が、全乳、脱脂乳、2%脂肪乳、又はクリームから選択される、請求項120に記載のチョコレート飲料。
【請求項122】
1つ又は複数の甘味料をさらに含む、請求項121に記載のチョコレート飲料。
【請求項123】
懸濁物中に約室温において存在するココアバター小滴が約0.5〜30μmの範囲である、請求項120に記載のチョコレート飲料。
【請求項124】
ゼラチン化した水中油型懸濁物を少なくとも部分的に含む構造を有し、ココア固体を含む水相及びココアバターを含む脂肪相を含み、少なくともココア固体中に存在する可溶性多糖類及びタンパク質はゲルネットワークを少なくとも部分的に形成しており、少なくともココア固体からの不溶性粒子は懸濁物中に分散されているチョコレート飲料。
【請求項125】
1つ又は複数の甘味料をさらに含む、請求項124に記載のチョコレート飲料。
【請求項126】
懸濁物中に約室温において存在するココアバター小滴が約0.5〜30μmの範囲である、請求項124に記載のチョコレート飲料。
【図1】
【図2】
【図3】
【図12】
【図13】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図12】
【図13】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−522622(P2008−522622A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545621(P2007−545621)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/044418
【国際公開番号】WO2006/063130
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(507101484)ザ ハーシー カンパニー (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/044418
【国際公開番号】WO2006/063130
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(507101484)ザ ハーシー カンパニー (7)
【Fターム(参考)】
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