説明

ツイストドリルおよびラミネート材の穿孔方法

【課題】ドリルの性能を維持しつつ、外バリおよびバリキャップの形成を抑えるツイストドリルを提供する。
【解決手段】金属用ツイストドリルは、130度の角度Aを持つ先端(18)を形成する内側切削刃を含む。各切削刃(55、57)の外側周辺部は、外側切削部(59、61)を形成する。外側切削部は、対応する内側切削刃に対して反対方向へ傾斜すると共に、ツイストドリルの回転軸に対して直角な面に対して3度の角度Bを形成する。外側切削部の切削刃の幅Dは、ツイストドリルの直径の10.5%である。金属用ツイストドリルは、バリ突出量の少ない孔を穿設できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツイストドリルに関し、更に詳細には金属や複合材料を切削する溝付超硬ドリルに関する。
【背景技術】
【0002】
ツイストドリル(ツイストドリルビットとも言う)は、ドリルを回転させる装置(例えばドリルチャック)へ取り付けられる一端部と他端部を有する軸部と、穿孔あるいは加工される材料(すなわち、ワーク)を切削する切削刃を有する切削先端部とを含む。金属製のワークに穿孔するための金属用ツイストドリルの場合、通常の切削刃は切削先端部の中央から外縁へ向け実質的に径方向へ延びている。軸部と先端部との間には通常穿孔時にツイストドリルを安定させ、切削屑を孔から排出する作用を持つ溝付本体部が設けられている。
非常に多くのツイストドリルのデザインが知られており、切削先端部の形状もワークにより様々である。例えば、木材用ツイストドリルでは金属ワーク用とは異なった形状である。小さな形状の変更でも能力に大きな影響を与えることが認識されている。
【0003】
金属用ツイストドリルという特定の分類において、ツイストドリルで穿孔する際に、経験では切削刃に局部的な高温と高圧が作用し、ワーク(すなわち穿孔される材料)から除去される材料の一部が可塑化される。この可塑化した材料は孔の外縁へ流動し、ドリルの切削刃から効率的に「押し出され」、孔の開口縁の周囲に外バリを形成する。更に、ドリルの切削先端部がワークを「貫通」する際に、材料の「バリキャップ」がしばしば形成される。
【0004】
従来の、金属ワーク穿孔用のツイストドリルを図1(a)、(b)に示す。ツイストドリルの切削先端部1の中央部であって、中間薄厚部4の間にチゼルエッジ3が設けられている。切削刃5、7は切削先端部の内側部分から切削先端部の最外縁まで延設され、前記部分において切削刃はチゼルエッジ3の各端部へ連結されている。第1及び第2の小面9、11(第1及び第2または1次及び2次逃げ部)が切削刃の背面から延び、切削刃の逃げ空間を形成している。チゼルエッジ3は前記小面を研摩する際に形成される。
【0005】
切削刃5、7、第1及び第2の小面(逃げ部)9、11が角度130度の「先端」17を形成する。ドリルが回転すると、チゼルエッジ3がワークの素材を押し出し、切削刃5、7がワークの素材内部へ切り込む。
【0006】
ツイストドリルには筒状ランド、すなわち縁部13が最外側に設けられ、使用中のドリルを支持する。
「先端」17と筒状ランド部13は金属用ツイストドリルの特徴点であり、通常他の用途のツイストドリルには見られない。
孔15はツイストドリルを貫通しており、使用中に切削液を切削刃5、7に供給する。この孔あるいは溝を特徴とする金属用ツイストドリルもある。
ツイストドリルには溝が形成され、排出面19によりワークから切り出された加工済材(チップ)は前記溝に誘導され、切削刃から離れ、孔部から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5078554
【特許文献2】英国特許公報GB2184046A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
使用中、切削刃5、7は同時に穿孔されるワークと噛合う。上述のとおり、切削先端部(すなわち先端17)がワーク表面を「破砕」するとき、切削刃は高温になり高圧が発生する。これにより、ワーク素材が可塑化する。この可塑化は金属ワークまたは金属(例えばアルミニウム、チタン、ニッケル、鋼鉄、ステンレス鋼、合金およびそれらを組み合わせたもの)を含むワークに起きる。同じような繊維移動という課題が、炭素繊維やガラス繊維で強化された複合材料からなる特定の樹脂ワークに起きる。さらにバリの発生や、2層以上の異なった素材、例えば金属と複合材(例:炭素強化樹脂)から成る特定のワークにおける繊維移動や層間剥離といった課題もある。
【0009】
切削刃により可塑化された材料は、通常の「チップ」の動作は行わず、排出面9により直ちに螺旋状溝へ誘導される。そして、回転するドリルの端部である切削刃の外端へ移動することができ、そこで冷却され外バリとなる。バリキャップも同じようなメカニズムで形成される。公知の金属用ツイストドリルで形成された外バリとバリキャップを図3(a)に示す。
【0010】
外バリおよび/またはバリキャップがワークに存在すると、更なる加工やバリ取り作業により余分な素材を除去する必要があり、大きな課題である。これにより製造工程が増加し、複雑化やコスト高を招来する。これは、硬質金属ワークおよび金属含有ワークの独特の課題点である。
【0011】
この課題を解決するためいくつかの試みがなされたが、許容できるレベルに外バリを顕著に減少させることができず、また工具の性能にも悪影響が少なからずあった。例えば、切削先端部の外周縁に面取りをする必要があったり、あるいは先端切削部の先端角度を大きく(平坦な先端部を形成)する必要がある。どちらの場合も、それでも外バリの課題がある。
【0012】
更に、バリを減少させるために、ドリルの軸線方向から見た場合にドリルの外周部に対して鋭角的に切削先端部に向けて曲がる外側部分を有する切削刃を設けることが提案された(米国特許第5078554参照)。この特徴的な鋭角に形成することにより、加工された素材を加工孔の中央に誘導するとされる。この手段は加工された素材の可塑化という課題を直接解決することにはならず、むしろ可塑化された素材を再度誘導するものである。この特徴的な「鋭角」構造により更にダメージが大きくなる傾向がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明はドリルの性能を維持しつつ、外バリおよびバリキャップの形成といった課題を解決することを目的とする。
最も抽象的に言えば、本発明は、金属用(例えば鋼鉄穿孔用)のツイストドリルの切削刃が、切削刃の内側切削部により形成される「先端」対して反対方向へ傾斜する外側切削部を有することにより、素材の可塑化を減少させ、可塑化された素材の流動を阻止することを提案するものである。
【0014】
本発明の第1の態様は、軸部と、使用時にツイストドリルの回転中心となる回転軸と、切削刃を有する切削先端部とを具備し、該切削刃の内側切削部が先端を形成し、該先端の角度が110度から160度であり、前記切削刃の径方向外側部分は、前記内側切削部に対して軸方向に反対向きに傾斜する外側切削部を含むことを特徴とするツイストドリルである。この構成では、前記傾斜が、通常正の角度を有するとみなされる残りの切削刃(すなわち内側切削部により構成される先端)の傾斜に対して外側切削部は軸方向へ「負」の角度を持っていると考えられる。
好適には、前記軸部は、ツイストドリルを回転する手段と連結される後部取付端を含み、切削先端部はドリルの先端に位置している。また、好適には、外側切削部の径方向外側部分は、外側切削部の径方向内側部分に対して軸方向前方に配置されている。
【0015】
用語「先端」および「先端角度」の用語は当業者にはよく知られており、通常先端角度は正の角度とみなされている。例えば、本発明に係る実施態様の先端角度は、図2(b)でAで示されている。誤解を避けるため、先端角度は、ドリルの軸線および2個の切削刃と平行な面から突出する第1および第2切削刃の間に含まれる角度である。
用語「本体」は当業者にはよく知られている用語である。誤解を避けるため、本体はドリルの一部であり、切削端部から軸部の始まる部分までである。
用語「前方」および「後方」はツイストドリルの構成を理解するために便宜的に使用するものである。それらはドリルの使用に当たって参照されるものでも限定されるものでもない。
【0016】
好適には、切削先端部には2以上の切削刃(例えば2、3、4、5または6個の切削刃)が含まれている。最も好適には、2個の切削刃、すなわち第1の切削刃と第2の切削刃を含むのが良い。
好適には、各切削刃は前記先端を形成する内側切削部を含む。また、好適には、各切削刃は外側切削部を含む。
好適には、浅いV字形の「谷」または「峰」が内側切削部と外側切削部の間に形成されている。内側切削部と外側切削部の対峙する傾斜によりこの谷または峰を形成し(すなわち外側切削部を「ディッシング」することにより)、廃棄する素材を工具の刃の孔からドリルの螺旋溝へ誘導できる。また、外側切削部は、ドリルがワーク表面を破砕したときにワークの可塑化および流動を抑制する。
【0017】
好適には、切削刃は連続しており、すなわち外側切削部は連続的に(途切れることなく)内側部分から外側部分まで延びる切削先端部の一部である。好適には、内側切削部および外側切削部は連結している。
外側切削部の径方向最外側部分は、好適には切削先端部の外周縁に位置する。好適には、ツイストドリルは安定性とワーク特に鋼鉄製のワーク内部を穿孔する際の支持のために筒状ランド部(マージン)を含んでいる。好適には、外側切削部は筒状ランド部の外縁(外周部)まで延びている。
ツイストドリルは、一方が溝の先端に、他方が溝の後端に設けられたダブル筒状ランドを含んでもよい。この場合、安定性と支持性が改善される。
更に好適には、外側切削部と内側切削部との組み合わせた長さが少なくともツイストドリル本体の直径に等しくなるようにする。
【0018】
本発明の実施形態では、ツイストドリルがワーク表面を破壊した際にワークの素材にかかる圧力を減じることができる。また、当該実施形態では、従来のツイストドリルと比べ切削刃の温度を低下できる。テストの結果では、これらの大きな効果は外側切削部によることが分かった。特に、外側切削部の「負」の角度(「ディッシング」角度)がこれらの改善に寄与するものと思われる。また、「谷」または「峰」は切削先端部の圧力を低下させ、および/または圧力を好適に分散させ、更にドリルがワーク表面を破壊したときにワーク素材の可塑化および流動を抑制できるものと思われる。
【0019】
いずれの場合も、本発明の実施形態では穿孔に伴い、後で詳しく説明するとおり外バリの高さを減じることができる。更に、本発明の実施形態で外バリキャップが形成されても、穿孔の内壁とバリキャップとを連結する素材の厚さをかなり薄くできるので、従来の金属用ツイストドリルで形成されたバリキャップと比べて簡単に除去できる。
【0020】
外側切削部は、好適には工具の回転軸に対して直角な平面に対して1度から15度未満の角度で傾斜し、更に好適には2度から10度、もっと好適には2度から10度未満、更には2度から8度、更には2度から6度、更には2度から5度、最も好適には2度から4度傾斜している。この角度は図2(b)において角度Bで示す。
上述のとおり、傾斜した外側切削部は通常負の角度(ディッシング角)を持つものとみなされている。この場合、上記のバリを少なくする刃の好適な角度は負の角度である。
好適にはツイストドリルはチゼルエッジを含む。この場合、好適には切削刃の内側端部はチゼルエッジの各端部と連結している。好適には、切削先端部は中間薄厚部を含んでいる。
【0021】
図2(b)に符号Aで示される先端の角度は110度から155度であり、好適には115度から150度であり、更に好適には115度から145度であり、更に好適には118度から140度であり、最も好適には130度から140度である。実際には先端角度の下限は、110度、115度、120度、125度、128度および130度から選択できる(すなわち、少なくとも選択された値の先端角度である)。先端角度の上限(下限とは無関係)は、140度、145度、150度、155度および160度から選択できる(すなわち単なる選択された値の角度である)。
これらの上限値と下限値は個々に設定してもよいし、または範囲を設定するために組み合わせてもよい。特に、好適な範囲は、128度から160度、128度から155度、128度から150度、128度から145度、128度から140度である。他の好適な範囲は、130度から160度、130度から155度、130度から150度、130度から145度である。
【0022】
好適には、外側切削部の幅は、ツイストドリルの直径の5%から50%であり、更に好適には5%から40%であり、更に好適には5%から30%であり、更に好適には5%から20%であり、最も好適には10%から20%である。
一般的には外側切削部の幅は、ツイストドリルの直径の5%、7.5%、10%、12.5%、15%および17.5%が好適である。好適には外側切削部の幅は、ツイストドリルの直径の12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、25%、27.5%および30%から単に選択した値である。これらの値は、個々に設定してもよいし、または範囲を設定するために組み合わせてもよい。特に好適な範囲は、5%から17.5%、5%から15%、5%から12.5%、5%から10%である。また、7.5%から15%、7.5%から12.5%、7.5%から10%も好適である。
誤解を避けるため、外側切削部の幅は、内側切削部と外側切削部が連結する場所(すなわち上述の「谷」)から外側切削部の外端までを計測した長さである。これは図2(a)に符号Dで示してある。
【0023】
先端の幅(図2(b)に符号Cで示す)は、好適にはドリルの直径の50%から90%である。好適には、少なくともドリルの直径の50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%から選択した単なる値である。好適には、当該幅は少なくともドリルの直径の75%、80%、85%、90%、95%から選択した単なる値である。これらの値は、個々に設定してもよいし、または範囲を設定するために組み合わせてもよい。特に好適な範囲は、70%から95%、70%から90%、70%から85%、70%から80%である。また、75%から95%、75%から90%、75%から85%も好適である。更に、80%から95%、80%から90%が好適である。ドリルの直径は、切削先端部で測定したドリルのマージン上の直径である。
【0024】
ツイストドリルの回転軸に沿って見た場合(切削先端部方向から眺めた場合)、外側切削部を含む切削刃は、径方向へ直線に形成されている。言い換えると、切削刃は切削先端部の内側部分から外側部分(例えば図1Aの切削先端部に示す)へ直線的に延びている。しかし、切削刃の形状は直線でなくてもよいし、曲がっていてもよい。ある好適な実施形態においては、切削刃の形状、特に内側切削部の形状は曲がっている。曲げる(湾曲させる)ことにより、凸または凹形になる。好適には凸形状がよい。凸形状の切削刃の例が英国特許公報GB2184046A、特に図3および4、1頁45〜106行目に開示されている。
【0025】
好適な実施形態において、外側切削部は径方向に同じ形状(回転軸方向に沿って見た場合、すなわち端部から見た場合)に形成され、他の切削刃の部分(例えば内側切削部)も構成する。しかし、他の実施形態では、切削刃は径方向の形状が他の切削刃の部分の形状と異なっている。例えば、好適な実施形態において、切削先端部を軸線方向から見た場合(端部から見た場合)、外側切削部は他の部分と共に径方向へ角度をもって形成されている。例えば、外側切削部は、内側切削部に対して径方向へ傾斜している。外側切削部は、他の部分と共に180度未満、例えば140度から180度未満、の角度を形成すればよい。好適な角度は、160度を越え、180度未満である。この場合、外側切削部は切削刃の他の部分の前方で、ツイストドリルの切削方向へ延びてもよい。
【0026】
好適な実施形態において、切削先端部は少なくとも1個の逃げ面(小面または逃げ部)を持ち、該逃げ面は(好適には各)切削刃の背面から切削方向とは反対の方向へ延び、逃げを形成している。好適には、逃げ面は5度から20度、さらに好適には6度から10度の逃げ角を形成する。好適には、切削先端部は切削刃に対応して2個、さらに好適には3個の小面/逃げ面を含む。好適には、第2の逃げ面は第1の逃げ面の後方へ延びる。好適には、第2の逃げ面の角度は約10度から30度であり、さらに好適には約17度から25度である。
好適には切削先端部は、約5度から20度、さらに好適には約6度から10度の逃げ角を形成するために(好適には各)切削刃から直ちに後方へ延びる第1の逃げ面と、約10度から30度、さらに好適には17度から25度の逃げ角を形成するために第1の逃げ面から後方へ延びる第2の逃げ面とを持つ。
【0027】
また、好適には、ツイストドリルは、切削方向と反対の方向へ外側切削部の後方から延びる1以上の逃げ面を有する。好適には、逃げ面の逃げ角は、第1の逃げ面および第2の逃げ面それぞれについて上記と同じである。通常は内側切削部と外側切削部はそれぞれ1個以上の対応する逃げ面をもつ。好適には、外側切削部に付随する逃げ面はテーパ状に形成され、外側切削部から後方へ行くほど幅狭になる。好適には、テーパ状部は、ツイストドリルの外周の約5%から40%、さらに好適には約5%から20%の長さ、外側切削部から後方へ延びている。実施形態では、逃げ面の長さは約1mmから10mm、好適には約1mmから5mmである。
また、外側切削部に対応する逃げ面はテーパ状でなくてもよく、この場合逃げ面の縁は平行である。
好適には、外側切削部に付随する逃げ面の幅は、外側切削部で計測した場合に、外側切削部の幅と等しい。言い換えると、逃げ面の最も幅広の部分は、好適には一体となっている外側切削部の幅と等しい。
【0028】
好適には、ツイストドリルは2または3個の螺旋溝を有する。好適には、ツイストドリルの直径は、1mmから50mm、さらに好適には1mmから20mm、もっと好適には1mmから15mm、最も好適には2mmから15mmである。
【0029】
好適な実施形態として、ツイストドリルの回転手段と連結するための後端部アッタチメントと、使用時にツイストドリルの回転中心となる回転軸と、前側の切削先端部と、本体の逃げ部を形成する筒状のランドとを具備し、該切削刃の内側切削部が先端を形成し、切削先端部は、それぞれの内刃が角度115度から155度である先端を形成する第1の切削刃と第2の切削刃を含み、第1の切削刃と第2の切削刃の径方向外側部分は、それぞれ前記内側切削部に対して反対軸方向へ傾斜する外側切削部を含み、前記外側切削部の前記回転軸に対して直角な平面に対する角度が2度を越え10度未満の角度であり、前記外側切削部の幅は、前記切削刃においてツイストドリルの直径の5%から30%である。好適には、外側切削部の幅は、ツイストドリルの直径の5%から15%である。
【0030】
実施形態の中には、一個以上の冷却液または潤滑剤を前記切削先端部へ供給するためのチャネルまたは溝を含む。好適には、チャネルまたは溝はツイストドリルの後端から前側の切削先端部へ延びる。
実施形態において、外側切削部の外側の角には面取りが施されている。これによりドリルの寿命が延びる。面取りは半径0.2から0.8mm、好適には0.2から0.5mmがよく、ドリルの半径による。面取りは約45度の角度にする。
【0031】
好適には金属用ツイストドリルはカーバイド製である。好適なカーバイドは、タングステンカーバイドである。また、材料としては高速度鋼(HSS),HSCo、HSCoXP、窒化珪素、PCD(多結晶ダイアモンド)やこれらの組み合わせ(例えば金属ドリルにPCDを被覆したもの)を使用できる。
好適にはツイストドリルは一部または全部が窒化チタンアルミニウム(TiAlN)にコーティングされている。好適には、コーティングは耐磨耗コーティングであり、摩擦係数がコーティングなしの場合より小さいほうがよい。TiN、TiCN、AlTiN、DLC(ダイアモンド状カーボン)、ダイアモンド、AlCrNを含むコーティングも採用できる。
【0032】
更に本発明は、軸部と、使用時にツイストドリルの回転中心となる回転軸と、切削刃を有し、該切削刃は内側切削部が先端を形成し、該先端の角度が110度から160度であり、前記切削刃の径方向外側部分は、前記内側切削部に対して反対軸方向へ傾斜する外側切削部を含む切削先端部と、前記外側切削部が最も外側の縁まで延設されている筒状ランドと、前記切削刃の後方から切削方向と反対方向へ延設された第1の逃げ面と、該第1の逃げ面から前記切削方向と反対方向へ延設された第2の逃げ面とを有するツイストドリルである。第1の態様の好適な特徴点をこの態様に適用してもよい。
【0033】
更なる態様としては、軸部と、使用時にツイストドリルの回転中心となる回転軸と、切削刃を有し、該切削刃は内側切削部が先端を形成し、該先端の角度が128度から160度であり、前記切削刃の径方向外側部分は、前記内側切削部に対して反対軸方向へ傾斜する外側切削部と、前記外側切削部が最も外側の縁まで延設されている筒状ランドとを具備するツイストドリルである。好適には先端角度が130度から160度である。第1の態様の好適な特徴点をこの態様に適用してもよい。
【0034】
更なる本発明の態様としては、金属材料穿孔用のツイストドリルの製造方法であり、(i)ねじれ溝を形成するためにドリルブランクを刻設し、(ii)内側切削部が先端を形成し、該先端の角度が110度から160度である切削刃を該溝の端部に形成し、(iii)前記内側切削部に対して反対軸方向へ傾斜する前記切削刃の径方向外側部分を外側切削部として形成する方法である。
好適には、工程(i)には2または3個螺旋溝を形成する工程を含む。好適には、工程(ii)には各溝の端部に小面を形成する工程を含み、好適には2または3個の切削刃を形成する。
また、工程(ii)では切削刃を形成するために切削先端部を円錐形グラインダで研摩する工程を含む。
好適には、各溝の端部に小面を形成する工程は各切削刃の後方に第1の小面を形成し、その後方に第2の小面を形成する工程を含む。好適には、各小面を形成する工程は研削工程を含む。
好適には、外側切削部を形成する工程は、切削刃の径方向外側部分に小面を形成する工程を含む。あるいは、外側切削部は円錐形グラインダで形成する。上述の態様の好適な特徴点をこの態様に適用してもよい。
【0035】
更なる態様として、本発明は先端の角度が110度から160度の切削先端部を持つツイストドリルを製造する方法において、外側切削部を切削刃の外側部分に形成し、該外側切削部は切削刃の内側切削部に対して反対の軸方向へ傾斜することを特徴とする方法である。
好適には、外側切削部を形成する工程は、ツイストドリルの切削刃を再形成(好適には再研摩)する工程を含む。好適には、第1の小面と第2の小面を再研摩する工程を含む。
好適には、改善されたツイストドリルは第1の切削刃と第2の切削刃を有し、先端角度は115度から155度である。上述の態様の好適な特徴点をこの態様に適用してもよい。
【0036】
更なる本発明の態様は、上述の実施形態のツイストドリルを使用してラミネート材を穿孔するラミネート材の穿孔方法である。
従って、本発明は、上述の態様のツイストドリルをラミネート材の穿孔に使用する方法も含む。
本発明に係るツイストドリルは、層間剥離の問題を抑制できるので、特にラミネート材(多層材)の穿孔に好適である。ラミネート材における層間剥離または引き剥がしは従来のツイストドリルを使用する上での問題点である。特に、この問題は、炭素繊維とアルミニウムを積層してなる「積層」材料(すなわち炭素繊維材料の層と、炭素繊維強化プラスチックとアルミニウムから成るCFRP/Alアルミニウムの層から成る)を利用する航空宇宙産業において顕著である。更に、炭素繊維層はドリル孔の入り口側で磨耗したり裂けたりする。実質的な外バリがアルミニウムの出口側に形成される。
【0037】
本発明に係る実施形態のツイストドリルは、層間剥離の問題を抑制できるだけでなく、繊維または炭素繊維複合材のような繊維含有材料の磨耗や裂けを抑制できる。そこで、本発明に係る方法では、ラミネート材は好適には例えば炭素繊維含有層のような繊維含有層を含む。好適には、ラミネート材は、例えばアルミニウム含有層のような金属含有層を含む。
好適には、ラミネート材は繊維含有層と金属含有層を含む(好適には炭素繊維含有層とアルミニウム含有層)。特に好適なラミネート材は炭素繊維強化プラスチックとアルミニウムから成るCFRP/Alである。
好適には、穿孔は炭素繊維含有層から始める(すなわち、入口孔を炭素繊維含有層に形成する)。好適には、アルミニウム含有層を最後に穿孔する(すなわち、出口孔をアルミニウム含有層に形成する)。
本発明に係るツイストドリルは、特に2層以上、例えば3、4、5または6層のラミネート材に好適に用いることができる。
【0038】
更なる本発明の実施形態は、上述の実施形態のツイストドリルを繊維含有材料の穿孔に使用する繊維含有材料の穿孔方法である。上述のように、本発明に係るツイストドリルは繊維含有材料の磨耗や裂けを抑制することができる。
上述の各態様の好適な特徴点をこの態様に適用できる。更に、上述の各態様は他の1以上の態様と組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の実施の形態のツイストドリルは、ドリルの性能を維持しつつ、外バリおよびバリキャップの形成を抑えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来のツイストドリルを示す。
【図2】本発明の実施の形態のツイストドリルを示す。
【図3】従来のツイストドリルを用いた外バリ形成試験(a)と、本発明のツイストドリルを用いた外バリ形成試験を示す。
【図4】従来のツイストドリルを用いてCFRP/Alラミネート材で行った試験の結果を示す。
【図5】本発明に係るツイストドリルを用いてCFRP/Alラミネート材で行った試験の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、従来の、例えばドルマー・ツールズ(シェフィールド)社製のCDXツイストドリルの切削端部を示す。このドリルについては既に説明した。
図2(a)、(b)は、カーバイド製の金属用ツイストドリルである本発明の一実施形態を示す。他の材料製、例えばHSS鋼等でもよい。
ツイストドリルの切削先端部51は、図1(a)、(b)に示す従来のツイストドリルと共通の多くの特徴を持ち、同じ構造部分については同じ参照符号を付す。
【0042】
この実施形態が図1の従来のツイストドリルと異なるのは、切削刃が内側切削刃55、57と、この内側部分の径方向外側の外側切削部59、61を有することである。
内側切削刃は、「正」の角度、この例では130度の角度Aを持つ先端18を形成している。他の先端角度でもよく、好適には115度から155度の範囲である。
【0043】
各切削刃55、57の外周部分が外側切削部59、61である。外側切削部は、回転軸に直角な平面に対して角度B、例えば3度、傾斜している。外側切削部の傾斜は先端の角度に対して逆の傾斜なので、外側切削部の角度は負の角度、すなわち−3度とみなすことができる。他の角度でもよく、好適には2度(−2度)を超え、更に好適には2度を超えて15度までである。
【0044】
切削刃の部分で測定した場合、外側切削部の幅Dはツイストドリルの直径の10.5%である。他には、10%から30%が好適である。
第3の小面69は各外側切削部から後方へ延び、逃げ部を形成している。
先端の幅Cは、ツイストドリルの直径の75%である。他には、50%から90%が好適である。
【0045】
軸方向から見た場合(ツイストドリルを端面または平面から見た場合)、内側切削部の形状は直線形状であり、図1に示す従来のツイストドリルと同様である。しかし、他の好適な実施形態において、内側切削刃は、径方向へ曲がった形状(好適には凸状)に形成されている。図2(a)に示す実施形態では、外側切削部の形状はカーブしており、外側切削部の外側縁は他の切削刃の前方に、すなわち切削方向に位置している。言い換えると、カーブした外側切削部は切削刃を導いている。可能な他の形状としては、例えば直線の切削刃、またはカーブした内側切削刃と直線の外側切削部がある。
【0046】
本実施形態の切削刃は、ダイアモンド研摩工具により研摩されている。他の公知の仕上方法、研摩方法も切削刃に適用できる。
この実施形態では、ツイストドリルの直径は6.0mmである。他には1mmから50mmが好適であり、更に好適なのは1mmから20mmである。
図2(a)、(b)に示すツイストドリルの主な特徴を次の表に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
(ツイストドリルの製造方法)
本発明の実施形態のドリルの製造方法について説明する。
ドリルの空隙の形成には、次の加工工程および研摩工程が必要である。
二重螺旋溝の形成工程、
本体逃げ部の研削工程(すなわちマージン13の形成工程)、
第2の逃げ部(11)の研削工程、
第1の逃げ部(9)の研削工程、
第1の逃げ部(9)上の第3の小面(69)の研削工程、
中間薄厚部(4)の研削工程、
切削刃(55、57、59、61)の研摩工程。
【0049】
(従来のツイストドリルの改善方法)
ドーマー・ツールズ(シェフィールド)社製の従来のCDXドリルを再研削して図2(a)、(b)に示す外側切削部を形成した。
工程は上述の製造方法であるが、溝または本体逃げ部を形成する必要が無い点が異なる。したがって、再研削工程は第3の小面を研削する工程の前に第1及び第2の小面を再研削して外側切削部を形成した。
【0050】
(バリ高さの検討)
本発明に係るツイストドリルで外バリの高さを減少させることが分かった。図3(a)に、従来のツイストドリル(ドーマー・ツールズ(シェフィールド)社製のCDXドリル)を使用して金属ワーク(EN 3B)に穿孔した際の外バリを示す。更に、このドリルは除去の難しいバリキャップも形成した。
【0051】
同じ穿孔条件で、同じワーク(EN 3B)に本発明に係るツイストドリル(すなわち図2(a)、(b)と同等のドリル)で穿孔したところバリの高さは遥かに低かった。更に、ほとんどバリキャップは形成されず、できたものも基材に薄く連結されているだけなので容易に除去できた。
【0052】
本発明に係るツイストドリルは、種々の金属や複合材料の穿孔に使用でき、全ての場合において外バリの高さを減じることができる。しかし、最も良い結果を出したワークは、炭素鋼、チタン、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、黄銅、および炭素繊維やガラス等で強化されたプラスチック等の複合材料で形成されたワークである。実施形態では、複合材料(すなわち、異種材料で形成された複数の層から成るワーク)を穿孔する場合でも「層間剥離」を抑制できる。
【0053】
AMG1.2(EN 3Bと同等)の場合、バリ高さを最高80から90%減少させることができた。図3(a)には図1に示す種類の従来のドリルを使った試験の結果を示す。従来のドリルではバリ高さは0.8から1.0mmであった。これに対して、図2に示す本発明に係るツイストドリルでは常に外バリの高さは0.1から0.2mmであった。
AMG1.2(EN 3Bと同等)の切削条件は次のとおりである。
スピンドル速度 3500rpm、
穿孔速度 875mm/分、
穿孔深さ 39mm。
このツイストドリルで、上記穿孔深さの孔654個を穿孔するに相当する約25.5分の切削を行った。
【0054】
(穿孔深さおよび磨耗の検討)
本発明に係るツイストドリルを使用した試験によると、下記パラメータを使用した場合、38分を超える穿孔が可能である。
出願人は、通常、30分の穿孔を薦めるが、これはこの新型ドリルにとっては容易である。
本発明に係るツイストドリルの磨耗特性を得るための試験によれば、ツイストドリルの切削効率および失敗率は、図1の従来の金属ドリルの性能と同等であることを示している。
【0055】
(検討1)
試験は図2(a)、(b)に示すツイストドリルと同等のツイストドリルで下記の機械設定とパラメータを用い、AMG 1.2(EN 3Bと同等)で行った。
・垂直マシニングセンター
・冷却剤使用 20バー
【0056】
【表2】

【0057】
本試験において、直径10.1mmと8.2mmのドリルで穿孔した。
516個の孔(1個のドリルにつき258個の孔)を穿孔した後、切削刃は未だ切れ味が良かった。常に、外バリの高さは低く、試験はドリルがダメになるまで続けた。
試験結果によると、外バリの高さを大きく減少させることができ、切削性能も維持された。
【0058】
(検討2)
試験は図2(a)、(b)に示すツイストドリルと同等のツイストドリルで複数の試験を行った。
機械設定は次のとおりである。
・垂直マシニングセンター
・冷却剤使用 20バー
・冷却剤濃度 7から8%
ドリルの直径は8.2mmで、最善の穿孔パラメータは次のとおりと判明した。
【0059】
【表3】

【0060】
それぞれの場合、8.2mmのドリルは、平均切削量38.85mの寿命という好結果であった。目標は確実に少なくとも切削量30mを出すことであり、楽に目標を超えることができた。
ドリルの作り出した削りくずは、短いチップで特に直ぐに外へ出るので許容できるものであった。生産性がよく、従来のツイストドリルと同等であった。
主な性能の判断基準は、バリ高さの抑制であり、本発明のツイストドリルの形状により、常に抑制できその外バリ高さは約0.1mmであった。中には「外キャップ」が形成されたが、ワークを損傷することなく容易に除去できた。
【0061】
上述のように、最近の航空機(例えばA380、B787、A400M、JSF)に使用される炭素繊維や炭素繊維アルミニウム積層素材の更なる進歩により、この新しい積層素材の穿孔が必要になり、一方で孔の大きさ、面処理、外バリについて厳格な性能基準を維持が求められている。これらの積層素材には、層間剥離、磨耗、孔の腐食、裂け、過度の工具の劣化という問題がある。
炭素繊維とアルミニウムの組み合わせは、それぞれの加工特性が大いに異なるので冒険である。それにもかかわらず、本発明に係る実施形態のツイストドリルを使用することにより、下記に示すように層間剥離、磨耗、孔の腐食、裂けを抑制できた。更に、公知の工具と比較して、工具の寿命の延伸を達成できた。
【0062】
(CFRP/Al試験結果)
(A)従来のツイストドリル
現在の航空宇宙産業で使用されているドリルの設計では、炭素繊維アルミニウム積層素材(CFRP/Al)に穿孔する場合、要求される孔の仕様に穿孔できない。図4(a)、(b)には現在の形状のドリルで穿孔された例を示す。
図4(a)、(b)が明示するのは従来のツイストドリルでCFRP/Al積層素材に穿孔した際の共通の問題点である。図4(a)は磨耗し裂けが生じたCFRP素材を示し、図4(b)は、穿孔時に許容できない大きな「王冠」状のバリを示している。
上述の試験は次の条件で行われた。
・乾燥穿孔
・速度:3130rpm
・送り量:239mm/分
・深さ:24.0mm(Al 12.0mm/CFRP 12.0mm)
118度の角度を有する円錐状ドリル(傾斜した外側切削部の無いもの)を使用した。
従来のツイストドリルの工具寿命は、工具破損までに10から15孔であった。
【0063】
(B)本発明に係るツイストドリル
図5(a)、(b)が明示するのは新しい先端形状がもたらす性能上の利点である。図5(a)は裂けを最小限にとどめ、磨耗の無い炭素繊維複合素材を示し、図5(b)はアルミニウムを貫通した際に外バリが形成されていないことを示す。
この試験は上記と同一の条件で行われ、ドリルは図2(a)、(b)に示す物と同等のドリルを使用した。また特徴的なのは工具の寿命であり、10孔から100孔へ延ばすことができた。これは、工具の寿命を現在の基準の10倍である。
本発明の範囲から逸脱することなく、当業者にとって自明であるような、本発明の上述した実施形態の改変を行い得ることは理解されよう。
【符号の説明】
【0064】
1 切削先端部
3 チゼルエッジ
4 中間薄厚部
5、7 切削刃
9 第1の小面
11 第2の小面
13 筒状ランド部
15 孔
17、18 先端
19 排出面
51 切削先端部
55、57 内側切削刃
59、61 外側切削部
69 第3の小面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部と、
使用時にツイストドリルの回転中心となる回転軸と、
切削刃を有する切削先端部とを具備し、該切削刃の内側切削部が先端を形成し、該先端の角度が130度から160度であり、
前記切削刃の径方向外側部分は、前記内側切削部に対し軸方向に反対向きに傾斜する外側切削部を含み、前記内側切削部と前記外側切削部とは連結しており、前記外側切削部は、前記回転軸に直角な平面に対して2度から8度の角度で傾斜し、前記外側切削部は筒状のランド部の最も外側の縁まで延設されていることを特徴とするツイストドリル。
【請求項2】
前記外側切削部の幅は、ツイストドリルの直径の5%から15%であることを特徴とする請求項記載のツイストドリル。
【請求項3】
タングステンカーバイドから成ることを特徴とする請求項1または2記載のツイストドリル。
【請求項4】
金属からなる基材に多結晶ダイヤモンドが被覆されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載のツイストドリル。
【請求項5】
前記外側切削部と前記先端とが連結され、V字形の「谷」または「峰」が前記先端と前記外側切削部との間に形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載のツイストドリル。
【請求項6】
前記ツイストドリルは、チゼルエッジを含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載のツイストドリル。
【請求項7】
(i)ねじれ溝を形成するためにドリルブランクを刻設し、筒状のランド部を形成し、
(ii)内側切削部が先端を形成し、該先端の角度が128度から160度である切削刃を該溝の端部に形成し、
(iii)外側切削部を前記切削刃の径方向外側部分に形成し、該外側切削部は前記内側切削部に対して軸方向に反対向きに傾斜し、前記内側切削部と前記外側切削部とを連結させてツイストドリルの回転軸に直角な平面に対して2度から8度の角度となるよう前記外側切削部を形成すると共に、前記筒状のランド部の最も外側の縁まで延設していることを特徴とする金属穿孔用のツイストドリルの製造方法。
【請求項8】
前記先端の角度は、130度から160度であることを特徴とする請求項記載のツイストドリルの製造方法。
【請求項9】
先端の角度が128度から160度の切削先端部と、切削刃と、筒状のランド部とを持つツイストドリルを製造する方法において、
外側切削部を切削刃の外側部分に形成し、該外側切削部は切削刃の内側切削部に対して軸方向に反対向きに傾斜し、前記内側切削部と前記外側切削部とを連結させて、ツイストドリルの回転軸に直角な平面に対して2度から8度の角度となるよう前記外側切削部を形成すると共に、前記筒状のランド部の最も外側の縁まで延設していることを特徴とするツイストドリルの製造方法。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか一項記載のツイストドリルを使用することを特徴とするラミネート材の穿孔方法。
【請求項11】
前記ラミネート材は、炭素繊維複合部材層とアルミニウム含有層を含むことを特徴とする請求項10記載のラミネート材の穿孔方法。
【請求項12】
前記ラミネート材は、CFPR/Al材であることを特徴とする請求項11記載のラミネート材の穿孔方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−99851(P2013−99851A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−44218(P2013−44218)
【出願日】平成25年3月6日(2013.3.6)
【分割の表示】特願2008−524586(P2008−524586)の分割
【原出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(508034831)ドーマー ツールズ  リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】DORMER TOOLS LIMITED
【Fターム(参考)】