説明

ツイストバルーン照明機

【課題】工事現場やイベント催事など、照明用に使用される照明機であり、ファンモーターを必要としないため、省電力でコストが安く、ファンモーターの故障や切り裂きによるバルーンの縮みがなく、照明機が軽くなり、運搬が容易であり、また、コンパクトに収納できるバルーン照明機を提供する。
【解決手段】バルーン23は、バルーン上端部10とバルーン下端部11に係止された弾性部材2によって、球形体を維持し、内蔵する照明装置により投光する。
バルーン23は、巻き取り手段5aが回転することによって、柱状物4に弾性部材2と張布材1が巻きつき、拡張及び収縮する。
バルーン23は、車輪15と伸縮自在なバルーン支持部6がついた台車8に発電機7を搭載し、バルーン支持部6の延長上にとりつけることもできる。また、折りたたみ可能な三脚20を取り付け、電線21により外部電力を電源とすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事現場やイベント催場などで、照明用に使用される移動が可能なバルー ン照明機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路などの新設や修復工事は、交通事情により、夜間に行われることも多く、そのた めに移動式の照明機が必要とされ、また、夜間のイベント催事などもいろいろな場所に おいて照明機が必要とされ、広範囲な投光とともに、外部への環境面や騒音など配慮が 求められている。
【0003】
発電機を掲載した投光機は、移動可能な台車と伸縮するポールの上部に照明部を配置
し、ポールを伸ばすことにより、高所から広範囲に投光でき、その投光が周囲にまぶし
すぎないよう、照明部の周りに照明の光を和らげるためのバルーンを設置し、そのバ ルーンは、ファンモーターによって送られてくる空気により膨らみ、バルーンの形を維 持するものがある。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
発電機を掲載した照明機は、移動が自在な台車に載置され、伸縮自在なマストの上部 に照明器具を備え、その照明器具を覆うように、数本の弾性部材によって形成されたバ ルーンを有し、マストに接した摺動部を上下することにより、バルーンの膨張や収縮さ せるものがある。(例えば、特許文献2参照)
【特許文献1】特許第3808081号公報
【特許文献2】特許第3864265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、照明部を覆うバルーンが、送られる空気により膨らみ球形を保つため に、照明のための電力と、空気を送るための電力とを同時に必要とし、大量の電力を消 費するうえに、空気を送る装置も設置するので、送風のための音もうるさく、ファン モーターの部品により自重も重くなり、ファンモーターの部品も含めると高価な機材となり、また、バルーンは、空気が漏れる亀裂やファンモーターの故障などにより、ふくらみを維持できない。
【0006】
特許文献2は、照明器具を覆うバルーンが数本のバネ部材によって形成され、摺動部 材を上下に動かすことによって膨張や収納するが、膨張や収縮するために、上下に摺動 するマストを収納部として必要とし、収納スペースをマストの上下に長く必要とするた め、収納がかさばる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
バルーンと
その内部にバルーンに当接した弾性部材と
バルーンと弾性部材が回転して巻きつく柱状物と
その柱状物に巻きつく巻き取り手段と
その柱状物の内側に照明装置を備えることにより上記目的が達成される。
【0008】
そして、バルーンの内側面に設けられた弾性部材は、
各々一端をバルーン上端部とバルーン下端部とに係止され、
弾性部材が、巻き取り手段によって、柱状物の外周に回転して巻きつく構造もでき る。
【0009】
それから、球形状のバルーンと
柱状物に連結したバルーン支柱部と
そのバルーンと通電可能な電気供給手段と
バルーンを設置する据え置き手段とを備える構造ができる。
【0010】
それから、球形状のバルーンの下側に巻き取り手段を備える構造もできる。
【0011】
そして、据え置き手段に移動式車輪を待つ台車を備えることもできる。
【0012】
そして、電気供給手段として発電機を備えることもできる。
【0013】
球形状のバルーンと、
その内側面のバルーンに当接した弾性部材と、
弾性部材が回転して巻きつく柱状物と、
その柱状物に直結する巻き取り手段と、
その柱状物の内側に照明装置とを備え、
柱状物に連結するバルーン支持部と、
そのバルーンと通電可能にする電気供給手段として電線を備え、
その据え置き手段として三脚を備える構造もできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、バルーンは、
内側に設けられた弾性部材が、各々一端をバルーン上端部とバルーン下端部とに係止 され、
バルーン下端部と直結した巻き取り手段を、バルーンの鉛直方向へ正転させることに よって、弾性部材が、柱状物の外周部に、回転して巻きつくため、柱状物の高さのま ま、コンパクトに収納することができ、
また、巻き取り手段をバルーンに鉛直方向へ反転させることによって、弾性部材が、 弧状に拡張するので、バルーンに孔が開いても縮まずバルーンを維持することができ る。
【0015】
球形状のバルーンと、柱状物に連結したバルーン支柱部と、通電可能な電気供給手段 と、据え置き手段と備えることにより、工事現場やイベント催事など、照明が必要な場 所に設置することができる。
【0016】
それから、柱状物の下側に巻き取り手段が配置されることにより、
直結して回動するバルーン下端部は、弾性部材の巻きつきを案内し、バルーンの収縮や 拡張をスムーズに行うことができる。
【0017】
そして、据え置き手段に移動式車輪を持つ台車を備えることにより、工事現場やイ ベント催事など、照明が必要な場所への移動を容易にし、使用範囲を広げることができ
る。
【0018】
そして、電気供給手段として、発電機を備えたことにより、工事現場やイベント催事
など、外部の電力がとれない場所でも、自発の電力によって照明を供給できる。
【0019】
本発明の照明機は、電気供給手段として電線を備え、外部から電源をとり、据え置
き手段として折りたたみ可能な三脚を備えることにより、
発電機を常設せず、容易に設置でき、手軽に運搬もでき、バルーン照明機の使用場所
も広がり、投光が必要な室内での使用も可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図1に示すように本発明に係る照明機は、
バルーン23が、バルーン上端部10とバルーン下端部11と当接して球形状を成 し、
弾性部材2が、張布材1の内側面に当接して、弾性部材止め具9によって係止され、
柱状物4は、バルーン上端部10とバルーン下端部11の間に配置し、
照明装置3が、柱状物の内側に設置されるもので、電球支持部材14によって、電球
16を配置し、
弾性部材2は、巻き取り手段5aが、直結するバルーン支持部6と、バルーン23の
鉛直方向に正転することにより、柱状物4の外周に巻きつき、張布材1は収納されるこ ととなり、
巻き取り手段5aが、バルーン23の鉛直方向に反転することにより、弾性部材2 は、 球形状に拡張し、張布材1が広がることとなる。
【0022】
それから、バルーン23は、上側に固定盤として、バルーン上端部10があり、その 外縁には所定の間隔で弾性部材2が係止され、
下側に、回転盤として、バルーン下端部11があり、その外縁には所定の間隔で弾性 部材2が係止され、
回動する巻き取り手段5aは、回転盤であるバルーン下端部11が所定の方向に回転 されることにより、弾性部材2が柱状物4の外周に巻きつく。
【0023】
弾性部材2は、1本の両端が係止具17により止められており、
それら複数本からなる弾性部材2は、各々一端をバルーン上端部10とバルーン下端 部11の外縁に、弾性部材止めボルト22により、止められる構造となり、
係止具17は、弾性部材留めボルト22によって係止され、可動する構造とし、収縮
時や拡張時に動くようにしたものであればよく、収納や拡張時には、外れない程度に動 くものとする。
【0024】
バルーン23は、投光範囲と照明装置3によって大きさは決定されれば良く、
照明装置3の投光を和らげるなどの効果が必要で、透光性のある布または合成樹脂性
フィルムなどの材料からなり、
それらに当接した弾性部材2は、6本から16本内外あってもよく、
所望の復元力に富むものであればよく、材質はスプリングワイヤーや形状記憶合金や樹 脂材などを用いる。
【0025】
回動する巻き取り手段5aは、回動を規制する回転止め具13aにより係止され、
収縮時には、回転止め具13aを解除し、ハンドル12aを鉛直方向に正転させるこ とにより、弾性部材2は、回転して、円柱状4に巻きつき、
拡張時には、回転止め具13aを解除し、ハンドル12aを鉛直方向に反転させるこ とにより、弾性部材2は拡張し、張布材1は球形状に広がるものである。
【0026】
弾性部材止め具9は、樹脂部品や金属部品などにより係止されて、弾性部材2と張布 材1の当接をさまたげないものであればよく、1本の弾性部材2に5箇所内外、係止さ れてもよい。
【0027】
柱状物4は、弾性部材2と張布材1が巻きつき収納するためのものであり、バルー
ン上端部10とバルーン下端部11との間に柱状に設けたものであり、
弾性部材2と張布材1が収縮時に、照明装置3の電球16の熱によって、焦げ付き
や焼損を防止するものであればよく、弾性部材2の収縮や拡張をささえる程度の金属や プラスティックなどの材質であればよい。
【0028】
バルーン23に内蔵する照明装置3は、回転盤であるバルーン下端部11の上側に、 電球16を支える固定された電球支持部14を備え、電球16は、投光範囲なども考慮 し、メタルハライド球などを用いることもできる。
【0029】
図2に示すように本発明に係る照明機は、
発電機7を電気供給手段とし、
据え置き手段に車輪15を待つ移動可能な台車8を備え、
その台車8に立設した三段階程度に伸縮自在なバルーン支持部6と、
そのバルーン支持部6の延長上に、図1で示した照明機を備えたものである。
【0030】
発電機7と照明装置3は、通電可能であり、配線24はバルーン支持部6の内部を 通管するか、または、バルーン支持部6に当接することもできる。
【0031】
図3は、拡張したバルーン23の斜視図であり、張布材1は、バルーン上端部10 とバルーン下端部11とに当接して、
その内側面に、弾性部材2が、弾性部材止め具9によって係止され、バルーン23の 形状を維持するものである。
【0032】
図4は、収縮し収納されたバルーン23の斜視図であり、バルーン支持部6に回動可 能にとりつけた巻き取り手段5aとハンドル12aは、
バルーン下端部11と連動して回転し、
張布材1が収納されると回転止め具13によって止められ、
張布材1と弾性部材2は、柱状物4に螺旋状に巻きつく形状で収納される。
【0033】
図5は、本発明の照明機の展開図であり、
バルーン支持部6からバルーン23の上端部の延長線上で、
バルーン23の上側に、回転盤としてバルーン上端部10と、巻き取り手段5bとハ ンドル12bとを配置し、柱状物4の下側に固定盤として、バルーン下端部11を配置 することにより、 弾性部材2は、バルーン上端部10と巻き取り手段5bとハンドル 12bと連動して、回転し、柱状物4に巻きつき、回転止め具13bによって規制され、 図2の照明機と巻き取り手段5aとハンドル12aと回転止め具13aを、バルーン 23の上側に取り付けることができる。
【0034】
図6は、本発明である照明機の展開図であり、バルーン支持部6の下側に、
折りたたみ可能な三脚20と、
バルーン23と連結する電線21により、外部から電力をとることができ、
照明機の使用範囲を広げ、室内での使用もできるものとする。
【0035】
図7は、バルーン23に内蔵する照明装置3の斜視図であり、柱状物4と電球16と の間に設置する照明保護枠体18は、バルーン下端部11に隣接して、固定されるもの で、外部からの衝撃などのよる電球16を保護するものであり、
また、電球が破損した場合に、破片など他への被害をおさえるものでもあり、
電球の熱に影響を受けず、投光をさえぎらないものであればよく、網目状の金属や合 成樹脂などの材質であってもよい。
【0036】
図8は、バルーン23の斜視図であり、張布材1に面状ファスナーやファスナーなど を用い、開閉される開閉窓19は、
張布材1の外側周のバルーン上端部10とバルーン下端部11の弧の間に位置し、電 球16の交換やバルーン23の内部の清掃などに支障のない長さや大きさであればよ い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る照明機の側面図である。
【図2】本発明に係る照明機の展開図である。
【図3】本発明に係る照明機のバルーンの斜視図である。
【図4】本発明に係る照明機の収縮時の斜視図である。
【図5】本発明に係る照明機の展開図である。
【図6】本発明に係る照明機の斜視図である。
【図7】本発明に係る照明機の照明装置の側面図である。
【図8】本発明に係る照明機のバルーン球体部の斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1 張布材
2 弾性部材
3 照明装置
4 柱状物
5a 巻き取り手段
5b 巻き取り手段
6 バルーン支持部
7 発電機
8 台車
9 弾性部材止め具
10 バルーン上端部
11 バルーン下端部
12a ハンドル
12b ハンドル
13a 回転止め具
13b 回転止め具
14 電球支持部材
15 車輪
16 電球
17 係止具
18 照明保護枠体
19 開閉窓
20 三脚
21 電線
22 弾性部材止めボルト
23 バルーン
24 配線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルーンと
前記バルーンに当接する弾性部材と
前記弾性部材が、回転して巻きつく柱状物と
前記柱状物に巻きつく巻き取り手段と
前記柱状物の内側に設けられた照明装置とを備えたことを特徴とするツイストバルーン照明機。
【請求項2】
請求項1記載の照明機において、
前記バルーンの内側面に設けられた前記弾性部材は、各々一端をバルーン上端部とバルーン下端部とに係止され、
前記弾性部材が、前記巻き取り手段によって、前記柱状物の外周に、回転して巻きつくことを特徴とするツイストバルーン照明機。
【請求項3】
請求項1及び2記載の照明機において、
前記柱状物に連結したバルーン支柱部と
前記バルーンと通電可能な電気供給手段と
前記バルーンを設置する据え置き手段とを備えたことを特徴とするツイストバルーン照明機。
【請求項4】
請求項1から3記載の照明機において、
バルーンの下側に巻き取り手段を備えることを特徴とするツイストバルーン照明機。
【請求項5】
請求項1から4記載の照明機において、
据え置き手段に移動式車輪を待つ台車を備えたことを特徴とするツイストバルーン照明機。
【請求項6】
請求項1から5記載の照明機において、
電気供給手段として発電機を備えたことを特徴とするツイストバルーン照明機。
【請求項7】
請求項1及び2記載の照明機において、
前記柱状物に連結したバルーン支柱部と
前記バルーンと通電可能にする電気供給手段として電線を備え
前記据え置き手段として三脚とを備えたことを特徴とするツイストバルーン照明機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−277095(P2008−277095A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118509(P2007−118509)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【特許番号】特許第4122368号(P4122368)
【特許公報発行日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(300007279)
【Fターム(参考)】