説明

ティッシュケース

【課題】ポップアップ形式で折り畳んだ多量のティシュペーパーを使い切るまで、容易に、連続して取り出せるようにするとともに、単一の板紙から折り畳み接着によって容易に作製できるティッシュケース(ティッシュペーパー収納箱)を提供する。
【解決手段】前面板(6)を介在して延在する上・下板(2,4)に、それぞれ独立した取り出し口(2a,4a)を形成し、また、後面板(8,10)は、前面板(6)を半分した高さでそれぞれ上・下板(2,4)から延在するようにし、下部後面板(10)からは仕切り板(12)が延在するようにする。これにより、組立時に仕切り板(12)によって上下二つの収蔵室(24,26)が形成されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティシュペーパーの束を収納するティシュペーパー収納箱(ティッシュケース)に関する。より詳細には、ポップアップ形式で折り畳んだティシュペーパーの束を収納する収蔵室を上下に分離構成することによって、多量のティッシュペーパーを収納できるようにしつつ、収納されたティッシュペーパーを使い切るまで、ティッシュペーパーのポップアップが途中で途切れることなく、連続して容易に取り出すことができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ティッシュケースは、一つの収蔵室内に、相互に連結性を持つティッシュペーパーを収蔵し、途中切れ無しに取り出して使用できるように構成されるもので、かかるケースには、一定期間使用できるような十分な量のティッシュが収納されなければならない。また、収蔵量が少ない場合には重さが軽くなり、ティッシュの取り出しと同時にケースも全体的に持ち上げられるという使用上の不便さを考慮する必要がある。そのため、収蔵室の高さは、ふんわりとした厚み重視型の場合、例えば約11cmと高くしてきた。つまり、一つの大きい収蔵室内に多量のティッシュを収蔵してきた。例えば、二枚重ねで一組としたティシュペーパーを150組300枚〜200組400枚程度収納する。
【0003】
このように、ケースの収蔵室を高く形成し、多量のティッシュが収蔵されるようにする場合、ティッシュペーパーの長期使用ができ且つ重量感によって容易にティッシュペーパーを取り出せるという利点がある反面、収蔵室の高さが高い分、ティッシュの使用によって残留量が半分以下に減ると、残留しているティッシュペーパーと取り出し口間の距離が増加するため、後続するティッシュペーパーと分離されてティッシュペーパーが取り出されることがあり、後続のティッシュペーパーを取り出すのに多くの不便が生じるという問題があった。
【特許文献1】特開2007-076660
【特許文献2】特開平07-257667
【特許文献3】特開平07-315458
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、収蔵室を上下二つに分離構成し、収蔵されたティッシュを全部使うまで連続して取り出せるようにしたティッシュケースを提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、単一の板紙を使った折り畳み及び接着によって上下二つの収蔵室を持つケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、後面板を上下に分割してそれぞれ上板と下板から延在するようにし、上部後面板からは仕切り板が延在するようにし、折り畳みによって仕切り板が収蔵室を上下に区画することによって、それぞれ上・下板に形成された取り出し口からティッシュを取り出せるようにしたティッシュケースによって達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明のティッシュケースAは、上・下収蔵室24,26によって多量のティッシュ(ティッシュペーパー)28,30を収蔵し、ティッシュの長期使用を可能にし、かつ、重量感によって使い勝手のよさを向上させることができる。なお、収蔵室24,26を上下に分離構成してそれぞれの取り出し口2a,4aからティッシュを取り出せるようにし、その分、上・下収蔵室24,26の各底面から取り出し口までの高さを低くしたため、収蔵されたティッシュ28,30は使い切るまで途中で切れる現象なしに取り出して使用可能になり、非常に便利な使用が図られるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施例を、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。図面中、同一の構成要素には可能な限り同一の参照符号を付し、関連する公知技術や機能についての具体的な説明は、本発明の要旨が曖昧になるのを避けるために適宜省略するものとする。
【0009】
図1は、実施例のティッシュケースを展開した斜視図であり、図2は、該ティッシュケースを展開した平面構成図である。本発明のティッシュケースは、直方体状に組み立てた際に、天板及び底板をなす上・下板2,4と、ティッシュケースの長手方向に沿った垂直壁をなす前・後面板6,8,10と、ティッシュケース内部の空間を上下に仕切る仕切り板12と、ティッシュケースの長手方向両端部の垂直壁をなすための側板14,16及び副側板18,20,22とが、それぞれ折り畳み線を介在して互いに延在形成されるように単一の板紙で構成される。
【0010】
上・下板2,4は、それぞれ、前面板6から折り畳み線を介して延在しており、上・下板2,4の左右の縁からは、折り畳み線を介して、矩形状の側板14,16が延在する。ティッシュケースの左右の端面にて、これら上下の側板14,16は、先端部が互いに重なるように延びており、この部分で、接着剤により貼りあわされる。接着剤は、上下の側板14,16のいずれかまたは両方に予め塗布しておくことができる。
【0011】
一方、上・下板2,4の中央部にはそれぞれ取り出し口2a,4aが形成されている。ここで、上・下板2,4に形成される取り出し口2a,4aは、一般的なティッシュケースと同様に、切り取り線による切り取り部の切り取りによって開放するようにするか、または、あらかじめ取り出し口を穿設しておけばよく、その背面(組立時に内側に来る面)には中央線に沿って切開された樹脂シートを貼り付けておき、この樹脂シートの切開部にティッシュが挟み込まれて固定されるようにする。
【0012】
他方、前面板6は、本発明ティッシュケースAの高さを決定するもので、適正高さに形成され、また、左右の両縁からは折り畳み線を介在して矩形状の副側板18が延在している。図示の例で、前面板6の幅(組立時の高さ)は、上・下板2,4の幅(組立時の前後方向寸法)に等しい。また、副側板18の突出寸法は、これら幅の1/2よりも小さく、したがって、側板14,16の突出寸法よりも小さい。
【0013】
後面板8,10は、ティッシュケースAの後方の垂直壁を上下に等分したもので、上部後面板8は、上板2から折り畳み線を介在して延在しており、下部後面板10は、下板4から折り畳み線を介在して延在している。上下の後面板8,10における左右の縁からは、それぞれ、副側板20,22が折り畳み線を介在して延在している。なお、副側板20,22の端部からは、上下に支え部20a,22aが延在する。詳しくは、上部後面板8の左右の副側板20における先端部(図示の例では根元部以外の箇所)の下端から直角台形状(根元側に斜辺)の支え部20aが延在され、これと上下に対称となるように、下部後面板10の左右の副側板22における先端部の上端から、直角台形状の支え部22aが延在される。また、上部後面板8の端部からは折り畳み線を介在して接着部8aが延在する。
【0014】
また、仕切り板12は、上部後面板8から折り畳み線を介在して延在しており、仕切り板の端部からは接着部12aが折り畳み線を介在して延在している。
【0015】
本発明のティッシュケースは、上・下板2,4、前・後面板6,8,10及び仕切り板12等がいずれも延在形成されているので、図1及び図2に示すように、1枚の板紙原紙から打ち抜き等により得られる単一の板紙で製作することができる。
【0016】
図3乃至図5は、本発明の組立を段階別に示す図で、本発明は、組立順序に特別な限定はないが、好ましくは、まず、下板4から前面板6、下部後面板10、仕切り板12及び仕切り板12が持つ接着部12aをそれぞれ折り畳み線に沿ってお互い直角をなすようにして折り畳んだ後、接着部12aを介して仕切り板12を前面板6の背面中央部に接着固定することによって下部収蔵室26を形成する。
【0017】
下部収蔵室26の形成後には、前面板6から上板2、上部後面板8及びこの上部後面板8が持つ接着部8aをそれぞれ折り畳み線に沿ってお互い直角をなすようにして折り畳む。そして、この後、接着部8aを仕切り板12に接着固定することによって、下部収蔵室26の上部に独立した上部収蔵室24を形成する。
【0018】
ここで、上部後面板8が持つ接着部8aは、必ずしも仕切り板12に接着しなくても良く、下部後面板10の端部に接着固定しても良い。
【0019】
上・下収蔵室24,26の形成後には、前・後面板6,8,10が持つ副側板18,20,22を折り畳み線に沿って内側に直角に折り畳み、続いて、上・下板2,4が持つ側板14,16を折り畳み線に沿って直角に折り畳み、側板14,16間の重畳部位を介して接着固定することによって、完成した形態のティッシュケースAが得られる。
【0020】
ただし、このような組立過程において、上下収蔵室24,26内にはティッシュ28,30が収納される。また、後面板8,10が持つ副側板20,22はそれぞれ、その支え部20a,22aを介して仕切り板12と接触するので、副側板としての機能を発揮し、ティッシュケースAに充分な強度を持たせる。なお、支え部20a,22aを適宜に折り曲げまたは湾曲させることで、仕切り板12を上下から挟み込んで支持することができる。
【0021】
本発明は、説明の便宜のために収蔵室24,26を上下に区別しているが、上下区別なしに選択的に使用すればいい。使用に当っては、まず、上部板2が持つ切り取り部を切り取って取り出し口2aを開いた後、上部収蔵室24に収納されたティッシュ28を取り出して使用すればよい。
【0022】
また、本発明のティッシュケースAは、たとえ全体高さは高くても、上部収蔵室24の高さは、全体高さの半分くらいで、仕切り板12から取り出し口2aまでの高さが低い。そのため、上部収蔵室24内に収蔵されているティッシュ28を全部使用するまでティッシュが互いに連続して取り出されるので、ポップアップのためのティッシュの連鎖が途中で切れる現象なしに、便利に使用することができる。
【0023】
なお、上部収蔵室24内に収蔵されたティッシュ28を使い切ると、ケースAをひっくり返して下部収蔵室26が上部にくるようにし、下板4に形成された切り取り部を切り取った後、取り出し口4aを通して下部収蔵室26内に収蔵されたティッシュ30を取り出して使用すれば良い。この場合にも同様に、仕切り板12から取り出し口4aまでの高さは、ケースAの全体高さの半分くらいで、収蔵されたティッシュ30が使いきれるまで連続して取り出されるので、ティッシュの取り出しが途中で切れることがなく、極めて便利な使用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例のティッシュケースを展開した斜視図である。
【図2】図1のティッシュケースを展開した平面構成図である。
【図3】図1のティッシュケースの1次折り畳み時の斜視図である。
【図4】図1のティッシュケースの2次折り畳み時の斜視図である。
【図5】図1のティッシュケースの組立完成時の斜視図である。
【図6】図1のティッシュケースの断面構成図である。
【符号の説明】
【0025】
A ティッシュケース 2 上板 2a 取り出し口
4 下板 4a 取り出し口 6 前面板
8,10 後面板 8a 接着部 12 仕切り板
12a 接着部 14,16 側板 18,20,22 副側板
20a,22a 支え部 24,26 収蔵室 28,30 ティッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両側に副側板(18)を持つ前面板(6)と、
前面板(6)の上下縁から延在形成され、かつ、独立した取り出し口(2a,4a)を有し、左右両縁から側板(14,16)がそれぞれ延在する上・下板(2,4)と、
前面板(6)を2等分した高さにまで、それぞれ上・下板(2,4)から延在形成され、それぞれの左右両縁から副側板(20,22)が延在する上部及び下部の後面板(8,10)と、
下部後面板(10)の上端から前面板(6)にまで延在形成されて、ケース内部を上下二つの収蔵室(24,26)に仕切る仕切り板(12)と、
から構成されることを特徴とするティッシュケース。
【請求項2】
前記上部後面板(8)の下端から、仕切り板(12)または下部後面板(10)との接着を行うための接着部(8a)が延在し、仕切り板(12)の前方端から、前面板(6)との接着を行うための接着部(12a)が延在し、
上部後面板(8)の左右の副側板(20)における先端部の下端、及び、下部後面板(10)の左右の副側板(22)における先端部の上端から、支え部(20a,22a)が、それぞれ延在され、仕切り板(12)に接触することを特徴とする請求項1に記載のティッシュケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−255945(P2009−255945A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106708(P2008−106708)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(508116207)
【Fターム(参考)】