説明

テストストリップ射出機構

本発明は、測定器(200)からテストストリップ(100)を射出するためのテストストリップ射出機構(300)を目的とする。このテストストリップ機構は、少なくとも1つのフィン(316)と、テストストリップ上に配された複数の接触パッドと接触するように構成された複数の離間して置かれたテストストリップコネクタ(101、102、103、104)と、を有するプッシャアセンブリ(306)を含み、このフィンは、テストストリップが射出されるまで、隣接するテストストリップコネクタの間に押し込み、そしてテストストリップの近位端を押すように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定器からテストストリップを射出するためのテストストリップ射出機構に関する。
【背景技術】
【0002】
測定器は、血液など生理液中の分析物を計測するためのテストストリップを使用することができる。例えば、測定器及びテストストリップを用いて、糖尿病患者は血糖値を電気化学的に測定することができる。測定が行われてから、別の測定がされ得る前に、使用済みのテストストリップを取り外さなくてはならない。テストストリップを手で取り出す際に、使用者の指に血液が付着する場合があり、これは不快なだけでなく、使用者の血液が別の人に付いた場合の二次汚染の危険もまたもたらす場合がある。加えて、使用者が同一の測定器を使用して複数の患者の試験を行う病院環境においては、二次汚染の危険はなお更高い。したがって、特許出願者らは、二次汚染の危険を低減するために、使用者と使用済みテストストリップとの相互作用を最低限にすることが望まれると考える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、測定器からテストストリップを取り出すためのテストストリップ射出機構を目的とする。このテストストリップ機構は、少なくとも1つのフィンを有するプッシャアセンブリと、テストストリップ上に配された複数の接触パッドと接触するように構成された複数の離間して置かれたテストストリップコネクタと、を具備し、フィンがテストストリップが射出するまで、隣接するテストストリップコネクタの間に押し込み、そしてテストストリップの近位端を押すように構成される。
【0004】
上記の本発明の一実施形態において、テストストリップ射出機構はプッシャアセンブリを含むことができ、このプッシャアセンブリは、射出プロセス中に、複数の離間しておかれたテストストリップコネクタがテストストリップの近位上端を上からはじくようにするために、テストストリップを前進させる。
【0005】
上記の本発明の一実施形態において、テストストリップ射出機構は、テストストリップ射出機構を実質的に包囲するように構成されるハウジングを含むことができ、プッシャアセンブリは配置されるときにハウジングの外側から延出しない。この実施形態において、テストストリップ射出機構は、射出を促進するためにテストストリップ射出機構の向きを手動操作せずにテストストリップを射出することができる。この実施形態において、複数の離間して置かれたテストストリップコネクタは、テストストリップに力を付与することができ、この力は約0.36ニュートン〜約0.84ニュートンの範囲が可能である。
【0006】
上記の本発明の一実施形態において、テストストリップ射出機構は下部及び上部を含むことができ、複数の離間して置かれたテストストリップコネクタが上部の上に配され、プッシャアセンブリが下部の上に配される。テストストリップ射出機構は、更に、上部と下部との間に配されたほぼ平面の部分を含み、このほぼ平面の部分は、隣接するテストストリップコネクタ間に少なくとも1つのフィンを導くように構成された少なくとも1つのスロットを有する。このほぼ平面の部分はプリント基板であってよい。
【0007】
上記の本発明による一実施形態において、テストストリップ射出機構は複数の離間して置かれたテストストリップコネクタを含むことができ、これらのコネクタは、ほぼ平面の部分に対して最小間隙距離を有するように構成され、この最小間隙は、テストストリップの高さの約0%〜約60%の範囲が可能である。本発明の別の実施形態において、最小間隙は、テストストリップの高さの約30%〜約60%の範囲が可能である。本発明の更に別の実施形態において、最小間隙は、約0.1ミリメートル〜約0.2ミリメートルの範囲が可能である。
【0008】
上記の本発明による一実施形態において、テストストリップ射出機構は、3つの隣接するテストストリップコネクタの間を移動するように構成された2つのフィンを有するプッシャアセンブリを含んでもよい。
【0009】
上記の本発明による一実施形態において、テストストリップ射出機構は、射出の際にテストストリップと同じ方向に動くように構成されたスライド可能なボタンに動作可能に取り付けられたプッシャアセンブリを含むことができる。テストストリップ射出機構は、更に、テストストリップの射出後にプッシャアセンブリを初期状態に戻すための付勢部材を含むことができる。
【0010】
上記の本発明による一実施形態において、テストストリップ射出機構は、ハウジングに浮揚可能に取り付けられたプッシャアセンブリを含むことができる。
【0011】
本発明によるテストストリップコネクタのリフォーム方法において、この方法は、ほぼ平面の部分からの最小間隙距離を有するテストストリップコネクタを提供する工程と、シムの高さと一致する既定の高さまでテストストリップコネクタを第1の方向に屈曲するようにシムをテストストリップコネクタに挿入する工程と、テストストリップコネクタからシムを取り外して、テストストリップコネクタが第1の方向と反対の第2の方向に弛緩することを可能にする工程と、を含むことができる。テストストリップコネクタへのシムの挿入とテストストリップコネクタからのシムの取り外しの結果、最小間隙距離は初期の最小間隙距離に比べて既定値まで増加する。この方法の一実施形態において、シムは、シムの挿入前の最小間隙距離より大きい既定の高さを有することができる。この方法の一実施形態において、シムを挿入後の最小間隙距離は、約0.1ミリメートル〜約0.2ミリメートルの範囲が可能である。
【0012】
本発明によるテストストリップコネクタのリフォーム方法の代替方法において、この方法は、テストストリップコネクタが第1の位置から第2の位置まで上方に動くようにリフォーム用付属品をテストストリップコネクタと噛み合わせる工程を含む。リフォーム用付属品は上段及び下段を有し、上段はテストストリップコネクタを上方に押し上げるように構成され、下段はブラケットの下部を上方に押し上げるように構成される。ブラケットはテストストリップコネクタを保持するように構成される。リフォーム用付属品を取り外すと、テストストリップコネクタは弛緩して、第1の位置より上方の第3の位置になる。次に、ほぼ平面の部分をブラケットに取り付けると、テストストリップコネクタとほぼ平面の部分との間に最小間隙距離が形成される。この方法の一実施形態において、最小間隙距離は、約0.1ミリメートル〜約0.2ミリメートルの範囲が可能である。
【0013】
本発明によるテストストリップを射出する方法において、この方法は、プッシャアセンブリが少なくとも1つのフィンを有する所に、プッシャアセンブリが配置される射出ボタンを作動する工程と、複数のテストストリップコネクタの間で少なくとも1つのフィンを動かす工程と、少なくとも1つのフィンで、測定器から外向き方向にテストストリップの近位端を押す一方で、テストストリップコネクタがテストストリップの上面に接触する工程と、テストストリップコネクタがテストストリップの上面近位端に接触するように近位端を引き続き前進させる工程と、テストストリップコネクタがテストストリップの上面近位端を上からはじくことによってテストストリップを測定器から射出させる工程と、を含むことができる。
【0014】
上記の本発明によるテストストリップを射出する方法において、この方法は、テストストリップコネクタがテストストリップの上面に接触しているが上面近位端には接触していないときにテストストリップの上面にほぼ垂直にテストストリップコネクタ力を付与するテストストリップコネクタを更に含むことができる。この方法の一実施形態において、テストストリップコネクタ力は、約0.36ニュートン〜約0.84ニュートンの範囲が可能である。
【0015】
上記の本発明によるテストストリップを射出する方法において、この方法は、更に、少なくとも1つのフィンを介して、反対の摩擦力より大きいプッシャ力を付与するプッシャアセンブリを含むことができる。摩擦力は、上面に対しほぼ垂直なテストストリップコネクタ力と、テストストリップとほぼ平面の部分との間の摩擦係数との積に比例する。
【0016】
上記の本発明によるテストストリップを射出する方法において、この方法は、更に、外に向かうテストストリップコネクタ力が反対の摩擦力より大きいときにテストストリップを射出するために十分なテストストリップコネクタ力を付与することができるテストストリップコネクタを含むことができる。
【0017】
本発明の新規な特徴は、添付の「特許請求の範囲」に詳細に記載される。本発明の特徴及び利点は、次の、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の発明を実施するための形態、並びに添付の図面を参照することによって、より理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】テストストリップが接続された測定器の概略平面図。
【図2】テストスリップが設置されていない、図1の測定器の概略側面図。
【図3】図1に図示したテストストリップの平面図。
【図4】生理液試料中の分析物を測定するためのキットの概略ブロック図。
【図5A】使用者が本発明によるテストストリップ射出機構を使用して使用済みのテストストリップを廃棄する様子を描いた略図。
【図5B】使用者が本発明によるテストストリップ射出機構を使用して使用済みのテストストリップを廃棄する様子を描いた略図。
【図5C】使用者が本発明によるテストストリップ射出機構を使用して使用済みのテストストリップを廃棄する様子を描いた略図。
【図6】本発明の一実施形態による、解体されたテストストリップ射出機構の上面分解斜視図。
【図7】本発明の一実施形態による、解体されたテストストリップ射出機構の下部の上面分解斜視図。
【図8】テストストリップが挿入された初期状態の、本発明の一実施形態によるテストストリップ射出機構の概略上面斜視図。
【図9】テストストリップの射出されているプロセス中の、本発明の一実施形態によるテストストリップ射出機構の概略上面斜視図。
【図10】テストストリップが射出された後の、本発明の一実施形態によるテストストリップ射出機構の概略上面斜視図。
【図11】本発明の一実施形態によるテストストリップコネクタ、導入スロット、及びフィンの概略頂面図。
【図12】本発明の一実施形態によるテストストリップコネクタ、導入スロット、及びフィンの概略正面図。
【図13】テストストリップコネクタがテストストリップの頂部と接触した第1の状態での、本発明の一実施形態によるテストストリップ射出機構の概略側断面図。
【図14】テストストリップコネクタがテストストリップの近位端と接触した第2の状態での、本発明の一実施形態によるテストストリップ射出機構の概略側断面図。
【図15】テストストリップコネクタがテストストリップの近位端を上からはじくことで推進力を付与する第3の状態での、本発明の一実施形態によるテストストリップ射出機構の概略側断面図。
【図16】テストストリップがテストストリップコネクタから放れて遊離である第4の状態での、本発明の一実施形態によるテストストリップ射出機構の概略側断面図。
【図17】本発明の一実施形態によるテストストリップコネクタをリフォームする方法に用いられるシムの上面斜視図。
【図18】本発明の方法に従ってテストストリップコネクタをリフォームするためにストリップポートコネクタに挿入されつつある、図17のシムの上面斜視図。
【図19】本発明の方法に従ってテストストリップコネクタをリフォームするためにストリップポートコネクタに挿入された、図17のシムの上面斜視図。
【図20】本発明の代替実施形態によるテストストリップコネクタのリフォーム方法に用いられるリフォーム用付属品の斜視図であり、プリント基板(PCB)に装着されていないストリップポートコネクタの上部と噛み合っているリフォーム用付属品が図示。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、測定器200及びテストストリップ100の概略平面図である。図1及び2に図示したように、測定器200は、射出ボタン201と、視覚的ディスプレイ202と、ハウジング204と、チュートリアルボタン206と、ストリップポートコネクタ208とを含むことができる。図1に図示したように、テストストリップ100をストリップポートコネクタ208に挿入することができる。図1に図示したように、血液試料94を入口90に適用して、試料受け入れチャンバ92を充填し、測定を実行することができる。測定器200は、また、生理学的試料が試料受け入れチャンバ92を充填したかどうかを特定するように構成される好適な回路を含むことができる。
【0020】
図3は、遠位端3及び近位端4を有するテストストリップ100の上面図を図示する。テストストリップ100は、少なくとも1つのワーキング電極及び参照電極を含むことができる。より具体的には、図3に図示したように、テストストリップ100は参照電極10、第1のワーキング電極12、及び第2のワーキング電極14を含む。テストストリップ100は、更に、近位端4に隣接して配されたストリップ検出バー17を含むことができる。ストリップ検出バー17は、テストストリップ100が測定器200に適正に挿入されると同時に測定器200のスイッチを入れるように構成され得る。複数の接触パッドを近位端4に配し、少なくとも1つのワーキング電極及び1つの参照電極との電気的接続を形成することができる。一実施形態において、複数の接触パッドは、第1の接触パッド13、第2の接触パッド15、及び参照接触パッド11を含むことができ、これらは、第1のワーキング電極12、第2のワーキング電極14、及び参照電極10にそれぞれ電気的に接続される。市販されているテストストリップの実施形態の一例は、ワンタッチ(登録商標)ウルトラ(登録商標)(OneTouch(登録商標)Ultra(登録商標))ブドウ糖テストストリップ(カリフォルニア州ミルピタス(95035)所在)である。
【0021】
図4は、測定器200、テストストリップ100、及び突き刺し装置400を含むキット500の概略図である。突き刺し装置400は、血液試料を摘出するために指先を突き刺すように構成され得る。測定器200は、ストリップポートコネクタ208、試験電圧ユニット106、電流測定ユニット107、テストストリップ射出機構300、マイクロプロセッサユニット212、メモリユニット210、及び視覚的ディスプレイ202を含むことができる。ハウジング204は、ストリップポートコネクタ208、試験電圧ユニット106、電流測定ユニット107、テストストリップ射出機構300、マイクロプロセッサユニット212、メモリユニット210、及び視覚的ディスプレイ202を実質的に包囲するように構成され得る。
【0022】
ストリップポートコネクタ208は、図4が示すように、テストストリップ100の近位端4を受け入れ、少なくとも1つのワーキング電極及び1つの参照電極と電気的接続を形成するように構成され得る。ストリップポートコネクタ208は、対応する複数の接触パッドに電気的に接続するように構成された複数の離間して置かれたテストストリップコネクタを含むことができる。複数の離間して置かれたテストストリップコネクタは、参照コネクタ101、第2のコネクタ102、第1のコネクタ103、及び2つのストリップ保持コネクタ104を含むことができる。ストリップポートコネクタ208は、参照コネクタ101、第2のコネクタ102、及び第1のコネクタ103をそれぞれ介して、参照接触パッド11、第2の接触パッド15、及び第1の接触パッド13への電気的接続を形成することができる。加えて、ストリップポートコネクタ208は、2つのストリップ保持コネクタ104を介してストリップ検出バー17上の2点への電気的接続を形成することができる。複数のテストストリップコネクタ(例えば101、102、103、及び104)は、電流を運ぶために好適な導電材料で作製することができる。導電材料は、金メッキベリリウム/銅合金又は金メッキ含リン青銅合金でよい。望ましい特性のために導電材料を選択すると、テストストリップコネクタは、電流に対して比較的低い表面抵抗及び高い可撓性絶対値を含むことができる。
【0023】
試験電圧ユニット106は、図4に図示したように、第1のコネクタ103と参照コネクタ101との間に第1の試験電圧を付与し、かつまた第2のコネクタ102と参照コネクタ101との間に第2の試験電圧を付与するように構成された電子回路を含むことができる。試験電圧ユニット106は、また、定電位電解装置とも呼ばれる場合がある。試験電圧ユニット106は、また、電流測定ユニット107、ストリップ保持コネクタ104、及びマイクロプロセッサユニット212と通信することができる。
【0024】
電流測定ユニット107は、図4が示すように、第1の試験電圧及び第2の試験電圧の付与の結果生じる1つ以上の試験電流の規模を測定するように構成された電子回路を含むことができる。電流測定ユニット107は、電流電圧変換器及び/又はアナログデジタル変換器(A/D)を含むことができる。電流測定ユニット107は、試験電圧ユニット106及びマイクロプロセッサユニット212と通信することができる。
【0025】
メモリユニット210は当業者に既知の任意の好適なメモリユニットでよく、例えば、図4が示すような、ソリッドステート不揮発性メモリ(NVM)ユニット又は光学ディスクベースのメモリユニットである。一実施形態において、メモリユニット210は、揮発性メモリ部分と不揮発性メモリ部分との両方を含むことができる。メモリユニット210は、測定器200及びテストストリップ100を使用してブドウ糖測定を実行するためのソフトウェア使用説明書を含むように構成され得る。メモリユニット210は、マイクロプロセッサ212と通信するように構成され得る。
【0026】
図4に図示したように、視覚的ディスプレイ202は、液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンなどを含む当業者に既知の任意の好適なディスプレイスクリーンでよい。視覚的ディスプレイ202を用いて、測定器200の操作の仕方を使用者に伝えるためのユーザーインターフェイスを図示することができる。図1に図示したように、視覚的ディスプレイ202は、また、日付、時刻、及びブドウ糖濃度値の表示など、測定器200の操作に関係する他の機能を実行するために使用することができる。
【0027】
図4に図示したように、マイクロプロセッサユニット212は、測定器200及びテストストリップ100での生理液の測定を制御及び操作するように構成され得る。より具体的には、試験電圧ユニット106、電流測定ユニット107、視覚的ディスプレイ202、及びメモリユニット210の機能を制御するようにマイクロプロセッサユニット212を動作可能に連結することができる。
【0028】
図5A〜5Cは、使用者が本発明の一実施形態によるテストストリップ射出機構を使用して使用済みのテストストリップを廃棄する様子を描いた略図である。分析物測定プロセスが実行された後、別のテストストリップ100をストリップポートコネクタ208に挿入する前に、別のテストストリップ100を取り外す必要がある。取り出しを開始するために、図5A〜5Cに図示されるように、使用者は射出ボタン201を前方にスライドすることができる。射出ボタン201をスライドする動きによって、テストストリップ100は、図4Cに図示されるように測定器200から完全に分離される。本発明を用いれば、テストストリップ100の射出を促進する重力を引き起こすために測定器200を振る必要、あるいは測定器200を縦に握る必要はない。テストストリップ100の射出後、使用者は、図5Aに図示されるように新しいテストストリップを挿入する必要がある。
【0029】
図6は、テストストリップ射出機構300の上面斜視図であり、この機構は、図5A〜5Cで前述したスライド可能な射出ボタン201を使用する。テストストリップ射出機構300は、上部308、プリント基板(PCB)318、及び下部304を含む。プリント基板318は、ほぼ平面の部分と呼ばれる場合があることに注意されたい。複数のポスト(302、303、310)を使用し、穴(322、324)と導入スロット(320、326)と穴(328)とを通して、プリント基板318を上部308と下部304との間に挟むことができる。上部308は4つの下方ポスト310を含み、これらは、図6に図示したようにプリント基板318に配された4つの対応する穴324を通して導かれる。そうすることによって、次に、下方ポスト310は下部304の4つの穴328に納まることができる。下部304は2つの上方ポスト303を含み、これらは、図6に図示したようにプリント基板318に配された2つの対応する穴322を通して導かれる。
【0030】
複数の離間して置かれたテストストリップコネクタ(101、102、103、104)は、図6に図示したように、上部308に配される。上部308は、テストストリップコネクタ(101、102、103、104)を保持するためのブラケットの形状であることができる。複数のテストストリップコネクタは、参照コネクタ101、第2のコネクタ102、第1のコネクタ103、及びストリップ保持コネクタ104を含むことができる。複数のストリップ接触子(101、102、103、104)は、電気的接続を提供することに加えて、図13に図示したように、テストストリップ100を実質的に静止させるために十分な大きさの力を付与するように構成される。
【0031】
図7は、棹314と、バネ312の形状である付勢部材とを含む下部304の解体斜視図を示す。棹314は、遠位棹部分313と近位棹部分315とを含む。下部は、遠位棹結合穴330と近位棹結合穴334とを含む。棹314は、近位棹部分315を近位棹結合穴334に装着し、遠位棹部分313を遠位棹結合穴330に取り付けることによって、下部304に硬く装着することができる。遠位棹部分313は、ネジ山機構構成を用いて遠位棹結合穴330と結合することができる。バネ312は、棹314を下部304に装着する前に、棹314を中心として棹314の周囲に装着することができる。プッシャアセンブリ306は、バネ312の一端を押すように構成される付勢部材停止部332を含むことができる。バネ312のもう一方の端は、図6及び7に図示したように、近位棹結合穴330に近い下部304の内側壁部分を押すことができる。バネ312は、テストストリップ100を射出するために作動ポスト302を介してスライド可能な射出ボタン201が作動されたときに圧縮され得る。この射出プロセスの後、バネ312は、非圧縮状態になり、プッシャアセンブリ306をその初期状態に戻す。
【0032】
図6及び7において、プッシャアセンブリ306は、降下がもたらす損傷から射出機構300を堅固に守るハウジング204に浮揚可能に取り付けられたものとして図示されている。より具体的には、プッシャアセンブリ306は、下部304に硬く拘束されておらず、棒314及びプリント基板18の導入スロット(320、326)とスライド可能に係合している。しかし、棒314及びプリント基板18は下部304に硬く拘束されて、結果的にハウジング204に結合される。
【0033】
射出プロセス中に、プッシャアセンブリ306がテストストリップコネクタ(101、102、又は103)に接触しないようにするために、図6に示したようなテストストリップ射出機構300をどのように構成するかについて、次に説明する。変形によって後のテストストリップ100との電気的接続が阻止される場合があるため、プッシャアセンブリ306はテストストリップコネクタ(101、102、又は103)と接触してはならない。プッシャアセンブリ306は、図6及び7に図示されたような2つのフィン316及び作動ポスト302を含む。図8〜10が示すように、2つのフィン316は、射出プロセスの期間、テストストリップ100の近位端4を押すように構成される。作動ポスト302は、射出ボタン201のスライド可能な動きが作動ポスト302(図示せず)の対応する動きも引き起こすように射出ボタン201に動作可能に接続される。
【0034】
フィン316は、測定器200からテストストリップ100を機械的に押し出すことを可能にするリブ、突起、又は付属物の形であってもよい。図7の実施形態には2つのフィン316が使用されているが、プッシャアセンブリ306は、テストストリップを射出するために1つ以上のフィンを有するように構成されることが可能である。射出をほぼ直線的に生じさせるよう、テストストリップ100の近位端4にほぼ対称に力が付与されるように、フィンをプッシャアセンブリ306に配列することができる。
【0035】
図8〜10に図示したように、作動ポスト302は、射出されるテストストリップ100と同方向に動くようにスライド可能に作動される。配置プロセスの期間、作動ポスト302を導くのを補助するために、プリント基板18は、図8〜10に図示されるように、ほぼ直線の動きをもたらすのを補助するための対応する導入スロット320を有するように適合される。配置プロセスの期間に、2つのフィン316を導くのを補助するために、プリント基板18は、また、図8〜10に図示されたように、ほぼ直線の動きをもたらすのを補助するための2つの対応する導入スロット326を有するように適合される。
【0036】
ほぼ直線の動きを促進するのを補助することに加えて、2つの導入スロット326は、図11及び12に図示されたように、2つのフィン316がテストストリップコネクタ(101、102、又は103)と接触しないことを確実にするのを補助する。図11の概略上面図及び図12の概略側面図は、それぞれ、2つの導入スロット326及び2つのフィン316の位置に対するテストストリップコネクタ(101、102、又は103)を図示する。2つのフィン316は、図11及び12に図示するように、隣接するテストストリップコネクタ(101、102、103)の間に押し込むように構成される。第1のコネクタ103、第2のコネクタ102、及び参照コネクタ101は、約1.5ミリメートル〜約2.0ミリメートルの範囲の分離幅W1を有する間隔で離間して配向される。2つのフィン316は、図11及び12に図示されるように、分離幅W1より小さい幅W2を有する。
【0037】
プッシャアセンブリ306は、完全に配置されたときにハウジング204の外の部分を超えて延出しないにも関わらず、測定器200の向きを操作せずにテストストリップ100を推進させることができる。図11は、プッシャアセンブリ306の2つのフィン316がハウジング204を超えて延出しないことを図示する。したがって、テストストリップ射出機構300は、テストストリップ100が測定器200から完全に射出され得るように、十分な量の推進力を提供できる必要がある。
【0038】
本発明の実施形態において、テストストリップコネクタ(101、102、103)は、図13〜16に図示されるように、ハウジング204を除去するために十分な推進力を、テストストリップ100に与えるように適応され得る。しかし、この推進力は、使用者がゴミ容器をめがけてテストストリップを飛ばし入れることができなくなるほど大きい推進力であってはならない。一実施形態において、この推進力の上限は、測定器200が表面から約11センチメートル上げられたときに、テストストリップ100がハウジング204の外側から約18センチメートルの距離未満で推進されるようにする力と定義され得る。ここで説明する実施形態において、2つのストリップ保持コネクタ104が、射出されるテストストリップの推進力に寄与しないことに注意しなくてはならない。
【0039】
図13〜16は、テストストリップ射出機構300の4つの異なる状態の概略側断面図を示す。4つの異なる状態は、それぞれ、射出ボタン201を初期の位置から完全に配置された位置まで動かしたときの射出プロセスのスナップショットを表す。第1の状態において、射出ボタン201は、図13に図示されるように、フィン316がテストストリップ100の近位端4に触れ始めた第1の位置まで動かされている。図14に図示したように、第2の状態において、射出ボタン201が第2の位置まで動くことによって、フィン316が、テストストリップコネクタ(101、102、103)が上面近位端5と接触する点までテストストリップ100を前進させる。上面近位端5は、テストストリップ100の近位端4の平面部分の頂点と上部平面部分とによって形成される線である。第3の状態において、射出ボタン201が第3の位置まで移動することによって、フィン316がテストストリップ100を更に前進させ、図15に図示さえるように、テストストリップコネクタ(101、102、103)が上面近位端5を上からはじく。上面近位端5を上からはじく作用によって、外向きの推進力が付与される。第4の状態において、図16に図示されるように、射出ボタン201は第4の位置まで移動し、そこでテストストリップ機構は完全に配置されて、テストストリップ100は遊離飛行する。
【0040】
以下に、射出機構の4つの異なる状態の期間にテストストリップ100に付与される力について説明する。第1の状態において、図13に見られるように、テストストリップ100の上部にテストストリップコネクタ(101、102、103)はコネクタ力Fを付与する。コネクタ力Fは、テストストリップコネクタ(101、102、103)の反射的弛緩の結果である。第1の状態において、挿入されたテストストリップ100によってテストストリップコネクタ(101、102、103)はプリント基板18から一定距離、離れ、この距離は、図13に図示されるように、この状態においてはテストストリップの高さH1と一致する。テストストリップ100に接触するテストストリップコネクタ(101、102、103)の一部は、図13に図示さえるように曲線形である。プリント基板18は、コネクタ力Fを中和する規模で正常な力Fを発する。第1の状態において、コネクタ力Fは、プリント基板18に対してテストストリップ100を安全な方法で静止させ、テストストリップ接触パッド(11、13、15)に堅固な電気的接続をもたらすためにも、十分でなくてはならない。第1の状態において、テストストリップコネクタ(101、102、103)によってテストストリップ100に付与される下向きのコネクタ力Fは、約0.36〜約0.84ニュートンの範囲であることができる。
【0041】
第1の状態において、フィン316は、図13に図示されるように、プッシャ力Fをテストストリップ100の近位端4に付与することができる。テストストリップ100が測定器200から外向きに動かされるためには、プッシャ力Fが摩擦力Fより大きくなくてはならない。摩擦力Fの規模が、下向きのコネクタ力F及びテストストリップ100とプリント基板18との間の摩擦係数に比例的に基づいていることに注意すべきである。加えて、摩擦力Fの規模は、また、テストストリップ100とテストストリップコネクタ(101、102、103)との間の摩擦係数を含むことができる。
【0042】
第1の状態に比べて、第2の状態では、図14に図示されるように、テストストリップコネクタ(101、102、103)は力をテストストリップ100の上面の上ではなく近位端5に付与するので、コネクタ力Fはプリント基板18の平面に対して垂直でない。コネクタ力Fの方向がテストストリップ100との接触点での接線に対して垂直であることに注意すべきである。図14に図示されるように、テストストリップ100が第2の位置まで動かされると、テストストリップコネクタ(101、102、103)が屈曲するので、接線はテストストリップ100の上面と平行ではなくなる。コネクタ力Fは、また、プリント基板18の平面と平行であり、プリント基板18の平面と垂直な力Fcyである、2つのコネクタ力の重畳であるとも言える。
【0043】
図14に図示される第2の状態において、テストストリップコネクタ(101、102、103)はコネクタ力Fcxを付与するが、この力はテストストリップ100を射出するためにはまだ十分ではない。先に述べたように、テストストリップを射出するためには、コネクタ力Fcxは摩擦力Fより大きくなくてはならないが、ここで注意すべきことは、y方向へのコネクタ力Fcyの減少によって、第2の状態では、摩擦力Fが第1の状態に比べて減少されていることである。第2の状態の期間、プリント基板18とテストストリップコネクタ(101、102、103)との間の距離である高さH2は、テストストリップコネクタ(101、102、103)の部分的弛緩の結果として、テストストリップの高さH1より小さくなる。
【0044】
テストストリップ射出機構の第3の状態において、図15に図示したように、テストストリップコネクタ(101、102、103)は、摩擦力Fを克服するのに十分なコネクタ力Fcxを付与する。第3の状態は、テストストリップ100を射出するために十分に大きいコネクタ力Fcxを生成するためにテストストリップコネクタ(101、102、103)が上面近位端5を上からはじくプロセスにある遷移状態を表す。第3の状態の期間、テストストリップ100はテストストリップ射出機構300に沿って更に移動するので、テストストリップコネクタ(101、102、103)の連続的弛緩によって、高さH2は第2の状態に比べて減少する。
【0045】
テストストリップ射出機構の第4の状態において、テストストリップ100は測定器200から遊離飛行している。図16は、フィン316が完全に配置されて、使用者が手でテストストリップ100に触れる必要なくテストストリップ100を射出するに十分な推進力をテストストリップコネクタ(101、102、103)が付与することが可能になったことを示す。テストストリップ100を射出した後、高さH2は、プリント基板18に対してテストストリップコネクタ(101、102、103)が自立位置にあることを表す。自立テストストリップコネクタの高さH2は、最小間隙距離とも呼ばれる場合があることに注意されたい。
【0046】
次に、テストストリップ射出距離にもまた影響を与える、テストストリップコネクタ力Fの規模に影響を与える因子について説明する。テストストリップコネクタ力Fは、テストストリップコネクタのバネレート(N/mm単位)と、テストストリップコネクタ及びテストストリップ100の間の干渉によって生成されるテストストリップコネクタ(mm単位)の偏向の積として定量化することができる。したがって、テストストリップコネクタのバネレートと、テストストリップコネクタの偏向との両方が、テストストリップコネクタ力Fの規模に影響する。
【0047】
テストストリップコネクタ力Fに影響し得るテストストリップコネクタのバネレートは、テストストリップコネクタ材料(例えば、含リン青銅)の弾性係数、テストストリップコネクタの厚さH3(図13〜16を参照)、テストストリップコネクタの幅W3(図11及び12を参照)、及びテストストリップコネクタの長さL1の関数であり得る。バネレートはテストストリップコネクタの厚さH3の立方によって変化するので、テストストリップコネクタのバネレートは、テストストリップコネクタの幅W3及びテストストリップコネクタの長さL1よりもテストストリップコネクタの厚さH3の影響をより受けやすくなり得る。一実施形態において、テストストリップコネクタの厚さH3は、約0.19mm〜約0.21mmの範囲が可能であり、好ましくは約0.2mmである。+/−0.1mmの見込まれる変動を伴う0.2mmのテストストリップコネクタの厚さH3を使用すると、テストストリップコネクタ力Fは約+/−15%変動し得る。
【0048】
テストコネクタの偏向は、テストストリップコネクタ力Fに影響するもう1つの因子である。この偏向は、テストストリップの高さH1と自立テストストリップコネクタの高さH2との間の差によって表すことができる。自立テストストリップコネクタの高さH2の一例が図16に示され、このテストストリップコネクタ(101、102、103)は、テストストリップが挿入されていないプリント基板18に対する高さH2を有する。テストストリップコネクタ(101、102、103)は、約0ミリメートル〜約0.2ミリメートル、好ましくは約0.1ミリメートル〜約0.2ミリメートルの範囲の自立テストストリップコネクタの高さH2を有するように構成することが可能である。テストストリップの高さH1は、約0.335ミリメートル〜約0.365ミリメートルの範囲が可能である。したがって、テストストリップコネクタは、約0.135ミリメートル〜約0.365ミリメートル、好ましくは約0.135ミリメートル〜0.355ミリメートルの範囲の距離で偏向することができる。あるいは、テストストリップコネクタ(101、102、103)は、テストストリップの高さH1の約0%〜約60%、好ましくはテストストリップの高さH1の約30%〜約60%の範囲の自立テストストリップコネクタの高さを有するように構成することが可能である。
【0049】
測定器ごとの射出距離の変動を低減するよう、大規模な個数の測定器製品が比較的一定の値となるようにテストストリップコネクタの偏向を構成することができる。自立テストストリップコネクタの高さH2及びテストストリップの高さH1は、テストストリップ射出機構300を有する測定器200を多数製造するときの測定器ごとの変動に影響し得る2つの因子である。概して、自立テストストリップコネクタの高さH2は、テストストリップの高さH1より大きい変動を有することが発見された。例えば、0.05mmの自立テストストリップコネクタの高さH2は約15cmのテストストリップ射出距離をもたらすことができ、一方、0.2mmの自立テストストリップコネクタの高さH2は約8cmのテストストリップ射出距離をもたらすことができる。したがって、次に、多数のテストストリップコネクタを製造するときに自立テストストリップコネクタの高さH2の変動性が低減されるよう、テストストリップコネクタを修正するための方法について説明する。
【0050】
自立テストストリップコネクタの高さH2を既定の範囲内に適合させることによって、測定器ごとの射出距離に関する変動を比較的低く維持することができる。更に、既定の上限を超えないテストストリップ射出距離を全ての測定器製品が有するように、既定の範囲を適合することができる。例えば、自立テストストリップコネクタの高さH2が約0.1mm〜約0.2mmの範囲であれば、対応するテストストリップ射出距離は約12センチメートル〜約8センチメートルの範囲になる。
【0051】
本発明の一実施形態において、自立テストストリップコネクタの高さH2の変動を低減するための方法は、図17〜19に示したようなシム600の使用を含む。この実施形態において、テストストリップコネクタ(101、102、103)は、自立テストストリップコネクタの高さH2が既定範囲内で増加するようにリフォームされている。図18及び19は、シム600を用いて自立テストストリップコネクタの高さH2をリフォームするプロセスを図示する。テストストリップコネクタがシムの高さと一致する既定の高さまで第1の方向に屈曲するように、シム600をテストストリップコネクタ(101、102、103)に挿入することができる。次に、シム600をテストストリップコネクタ(101、102、103)から取り外して、第1の方向と反対の第2の方向で弛緩を生じさせることができる。シム600を取り外した後、自立テストストリップコネクタの高さH2は、シム600の高さに基づく既定値まで増加する。測定器ごとのテストストリップ射出距離の変動は、自立テストストリップコネクタの高さH2の既定の範囲を構成することによって減少される。一実施形態において、自立テストストリップコネクタの高さH2は、約0.1ミリメートル〜約0.2ミリメートルの範囲が可能である。
【0052】
図17は、近位部分610をストリップポートコネクタ208に挿入するときに、自立テストストリップコネクタの高さH2をリフォームするプロセスに使用することができるシム600の実施形態を図示する。近位部分610及び導入部分620は、シム600の挿入を導くためにプリント基板18の上面及び下面との境界面を成すことができる。テストストリップコネクタを上方に屈曲させるように、シム600は、初期の自立テストストリップコネクタの高さH2より大きい高さを有するべきである。
【0053】
本発明の代替実施形態において、自立テストストリップコネクタの高さH2の変動を低減する方法は、図20が示すように、リフォーム用付属品700を上部308と噛み合わせる工程を含むことができる。リフォーム用付属品700を用いて、自立テストストリップコネクタの高さH2をリフォームして自立テストストリップコネクタの高さH2を恒久的に増加することができる。リフォーム用付属品700は、図20に示されるように、上段710及び下段720を含む。上段710はテストストリップコネクタ(101、102、103)を押すように構成され、下段720はガイドとして使用される下方ポスト310を押すように構成され得る。下方ポスト310は、また、テストストリップコネクタ(101、102、103)を保持するように構成されたブラケットの下部とも呼ばれる場合がある。リフォーム用付属品700を噛み合せるプロセスは、テストストリップコネクタ(101、102、103)を第1の位置から第2の位置まで上方に動かす。リフォーム用付属品700の取り外しは、テストストリップコネクタ(101、102、103)を第1の位置から上方の第3の位置まで弛緩させる。次に、テストストリップコネクタ(101、102、103)とプリント基板18との間に自立テストストリップコネクタの高さH2が形成されるようにプリント基板18を取り付ける。自立テストストリップコネクタの高さH2は、約0.1ミリメートル〜約0.2ミリメートルの範囲が可能である。
【0054】
本発明の一実施形態において、テストストリップ100を射出する方法は、使用者がテストストリップ100の近位端4をストリップポートコネクタ208に挿入する工程を含むことができる。テストストリップコネクタは、テストストリップ100を定位置に保持するために力Fを付与することができる。使用者は、テストストリップ100の入口90に血液試料94を適用することによってブドウ糖試験を実行することができる。結果として得られるブドウ糖濃度は、次に、視覚的ディスプレイ202に表示され得る。試験が完了したら、射出ボタン201を作動して、プッシャアセンブリ306を配置することができる。プッシャアセンブリ306は2つのフィン316を介してテストストリップコネクタ(101、102、103)の間に押し込み、そしてテストストリップ100の近位端4を押すことができ、一方、テストストリップコネクタはテストストリップ100の上面と接触する。プッシャアセンブリ306は、2つのフィン316を介して、摩擦力Fより大きいプッシャ力Fを付与してテストストリップ100の動きを引き起こす。
【0055】
テストストリップコネクタ(101、102、103)は、テストストリップコネクタ(101、102、103)が上面近位端5には触れずにテストストリップ100の上面に触れたときにテストストリップ100の上面にほぼ垂直にテストストリップコネクタ力Fを付与する。テストストリップコネクタ力Fは、約0.36ニュートン〜約0.84ニュートンの範囲が可能である。
【0056】
プッシャアセンブリ306を配置するプロセスの期間、テストストリップコネクタ(101、102、103)は、テストストリップ100の上面との接触から上面近位端5との接触に遷移して、テストストリップコネクタ(101、102、103)が上面近位端5を上からはじき、テストストリップ100を射出するのを可能にする。テストストリップコネクタが上面から上面近位端5に遷移するとき、テストストリップコネクタは、より大きい量の外向きの力Fcxと、より小さい量の下向きの力Fcyとを付与し始める。テストストリップコネクタ(101、102、103)は、テストストリップコネクタ力Fcxが摩擦力Fより大きいときに、使用者が測定器200の向きを操作する必要なくテストストリップ100を射出することができる。
【0057】
本明細書では本発明の好ましい実施形態が図示、説明されているが、こうした実施形態はあくまで例として与えられたものであることは当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく多くの変形、変更、及び代用が想到されるであろう。本発明の実施に際し本明細書で述べた実施形態には、様々な代替例を用い得る点は理解されるべきである。以下の「特許請求の範囲」は、本発明の範囲を定義し、特許請求の範囲内の方法、並びにそれらの同等物をこれによって網羅することを目的としたものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テストストリップ射出機構であって、
少なくとも1つのフィンを有するプッシャアセンブリと、
テストストリップ上に配置された複数の接触パッドと接触するように構成された複数の離間して置かれたテストストリップコネクタと、を具備し、前記少なくとも1つのフィンが、前記テストストリップが射出するまで、隣接するテストストリップコネクタの間に押し込み、そして前記テストストリップの近位端を押すように構成される、テストストリップ射出機構。
【請求項2】
前記複数の離間して置かれたテストストリップコネクタが、前記テストストリップを実質的に静止させるために十分な大きさの力を付与する、請求項1に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項3】
前記プッシャアセンブリの配置が、射出の間に、前記複数の離間して置かれたテストストリップコネクタが前記テストストリップの近位上端を上からはじくことを引き起こす、請求項1に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項4】
前記テストストリップ射出機構が、前記テストストリップ射出機構を実質的に包囲するように構成されるハウジングを更に具備し、使用のときに前記プッシャアセンブリが前記ハウジングの外側から延出しない、請求項3に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項5】
前記テストストリップ射出機構が、約11センチメートル上昇されたときに、前記テストストリップが約18センチメートル未満の距離を推進する、請求項4に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項6】
射出を促進するために前記テストストリップ射出機構の配向を手動操作せずに前記テストストリップを射出することができる、請求項4に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項7】
前記力が約0.36ニュートン〜約0.84ニュートンの範囲である、請求項2に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項8】
下部及び上部を更に具備し、前記複数の離間して置かれたテストストリップコネクタが前記上部に配され、前記プッシャアセンブリが前記下部に配置されている、請求項1に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項9】
前記上部と前記下部との間に配置されたほぼ平面の部分を更に具備し、前記ほぼ平面の部分が、隣接するテストストリップコネクタ間に前記少なくとも1つのフィンを導くように構成された少なくとも1つのスロットを有する、請求項1に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項10】
前記複数の離間して置かれたテストストリップコネクタが、前記ほぼ平面の部分に対して最小間隙距離を有するように構成され、前記最小間隙が、テストストリップの高さの約0%〜約60%の範囲である、請求項9に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項11】
前記複数の離間して置かれたテストストリップコネクタが、前記ほぼ平面の部分に対して最小間隙距離を有するように構成され、前記最小間隙が、テストストリップの高さの約30%〜約60%の範囲である、請求項9に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項12】
前記複数の離間して置かれたテストストリップコネクタが、前記ほぼ平面の部分に対して最小間隙距離を有するように構成され、前記最小間隙が約0.1ミリメートル〜約0.2ミリメートルの範囲である、請求項9に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項13】
前記ほぼ平面の部分がプリント基板である、請求項9に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項14】
前記プッシャアセンブリが、3つの隣接するテストストリップコネクタの間を移動するように構成された2つのフィンを有する、請求項1に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項15】
前記プッシャアセンブリが、射出の間に前記テストストリップと同じ方向に動くように構成されたスライド可能なボタンに動作可能に取り付けられる、請求項1に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項16】
前記テストストリップの射出後に前記プッシャアセンブリを初期状態に戻すための付勢部材を更に具備する、請求項15に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項17】
前記プッシャアセンブリが前記ハウジングに浮揚可能に取り付けられる、請求項1に記載のテストストリップ射出機構。
【請求項18】
テストストリップコネクタをリフォームする方法であって、
ほぼ平面の部分からの最小間隙距離を有するテストストリップコネクタを提供する工程と、
前記テストストリップコネクタがシムの高さと一致する既定の高さまで第1の方向に屈曲するように前記テストストリップコネクタに前記シムを挿入する工程と、
前記テストストリップコネクタから前記シムを取り外して、前記テストストリップコネクタが前記第1の方向と反対の第2の方向に弛緩することを可能にする工程と、を含み、前記シムが取り外された後に、前記最小間隙距離が、前記シムを挿入する前の最小間隙距離よりも増して既定値になる、方法。
【請求項19】
前記シムが、前記シムを挿入する前の前記最小間隙距離より大きい既定の高さを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記シムを挿入した後の前記最小間隙距離が、約0.1ミリメートル〜約0.2ミリメートルの範囲である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
テストストリップコネクタをリフォームする方法であって、
リフォーム用付属品をテストストリップコネクタと噛み合わせることによって前記テストストリップコネクタが第1の位置から第2の位置まで上方に動く工程であり、前記リフォーム用付属品が上段及び下段を有し、前記上段が前記テストストリップコネクタを上方に押すように構成され、前記下段がブラケットの下部を上方に押すように構成され、前記ブラケットが前記テストストリップコネクタを保持するように構成される、工程と、
前記リフォーム用付属品を取り外すことによって前記テストストリップコネクタが弛緩して前記第1の位置より上方の第3の位置になる工程と、
ほぼ平面の部分を前記ブラケットに取り付けることによって前記テストストリップコネクタと前記ほぼ平面の部分との間に最小間隙距離を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項22】
前記最小間隙距離が、約0.1ミリメートル〜約0.2ミリメートルの範囲である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
テストストリップを射出する方法であって、
射出ボタンを作動してプッシャアセンブリを配置する工程であり、前記プッシャアセンブリが少なくとも1つのフィンを有するものである、工程と、
前記少なくとも1つのフィンを複数のテストストリップコネクタの間で動かす工程と、
前記テストストリップコネクタが前記テストストリップの上面に触れているときに前記少なくとも1つのフィンで前記テストストリップの近位端を測定器から外向きの方向に押す工程と、
前記テストストリップコネクタが前記テストストリップの上面近位端に触れるように前記近位端を連続的に前進させる工程と、
前記テストストリップコネクタが前記テストストリップの上面近位端を上からはじいて前記テストストリップが射出される工程と、を含む、方法。
【請求項24】
前記テストストリップコネクタが前記上面近位端に触れずに前記上面に触れているときに、前記テストストリップコネクタが前記テストストリップの上面に対してほぼ垂直にテストストリップコネクタ力を付与する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記テストストリップコネクタ力が約0.36ニュートン〜約0.84ニュートンの範囲である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記プッシャアセンブリが、前記少なくとも1つのフィンを介して、摩擦力より大きいプッシャ力を付与し、前記摩擦力が、前記上面に対するほぼ垂直のテストストリップコネクタ力と、前記テストストリップと前記ほぼ平面の部分との間の摩擦係数との積に比例するものである、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記テストストリップコネクタが前記テストストリップの上面近位端に触れているときに、前記テストストリップコネクタが前記測定器から外向き方向へのテストストリップコネクタ力を付与する、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記外向きのテストストリップコネクタ力が反対の摩擦力より大きいときに、前記テストストリップコネクタが、前記測定器から外向きの方向に前記テストストリップを推進するために十分なテストストリップコネクタ力を付与する、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2011−502255(P2011−502255A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531269(P2010−531269)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/081062
【国際公開番号】WO2009/055643
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(592261476)ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 (6)
【出願人】(310020323)
【Fターム(参考)】