説明

テレシネ映像信号検出装置、テレシネ映像信号検出方法、およびコンピュータープログラム

【課題】テレシネ映像信号であるか否かの判定を高精度に行う。
【解決手段】画素差分演算回路20で得られる現在のフィールド画像F(t)11と2フィールド前のフィールド画像F(t−2)13との画素差分を、ブロック内差分抽出回路30でフィールドを複数に分割して得られたブロックBL毎に分割し、ヒスグラム回路41、平均値演算回路42、最大値演算回路43で演算し、差分判定回路50でモード判定する。このために、ブロック毎に入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、24フレームのプログレッシブ(順次)方式による映像信号を60フィールドのインターレース(飛び越し)方式による映像信号に変換する場合に、例えば32プルダウン処理と呼ばれるテレシネ変換が行われる。このテレシネ変換によれば、毎秒24コマの映画フィルムを、毎秒60フィールドの速度のインターレース映像信号(テレシネ映像信号)に変換することができる。
【0003】
図11は、32プルダウン処理を説明するための説明図である。図示するように、32プルダウン処理によれば、映画フィルムの2コマから5フィールドのインターレース映像信号が形成される。すなわち、映画フィルムの第1番目のコマである「A」からはテレビ信号の「Ao」フィールドと「Ae」フィールドと「Ao」フィールドとが生成され、映画フィルムの第2番目のコマである「B」からはテレビ信号の「Be」フィールドと「Bo」フィールドとが生成されている。
【0004】
「A」コマにおいて、「Ao」フィールドが繰り返し挿入されているのは速度調整のためのものである。上記「o」の添字は、映画フィルムのコマの偶数番目の走査線を間引いた(奇数番目の走査線を残した)フィールドであることを示し、上記「e」の添字は、映画フィルムのコマの奇数番目の走査線を間引いた(偶数番目の走査線を残した)フィールドであることを示している。このようにして変換されたフィールドAo、Ae、Ao、Be、Boを順次記録したものがテレシネ映像信号である。以降、この変換が繰り返されるため、32プルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号は5フィールドの周期性を有している。
【0005】
従来、一つ飛んだフィールド(すなわち、2フィールド前のフィールド)との間の差分の絶対値をフィールド毎に累積計算し、その累積計算により得られた総和と閾値との比較により両フィールドが重複フィールドであるか否かを判定し、その重複フィールドの出現の周期性を見ることにより、テレシネ映像信号を検出するテレシネ映像信号装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−65964号公報
【0007】
しかしながら、前記従来の技術では、差分の総和が閾値より大きい「差分あり」、前記差分の総和が閾値より小さい「差分なし」という2つのモードのいずれに該当するかを判定するものであることから、入力映像信号に大きなノイズが含まれる場合に、本来テレシネ映像信号であると検出されるべき入力映像信号を非テレシネ映像信号であると誤って判定することがあった。このために、テレシネ映像信号であるか否かを高精度に判定することができないという問題があった。
【0008】
なお、このような問題は、32プルダウン処理に限らず、全ての方式のプルダウン処理に共通する問題であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するためになされたものであり、テレシネ映像信号であるか否かの判定を高精度に行いうることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0011】
[適用例1] 入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出するテレシネ映像信号検出装置であって、
前記入力映像信号に含まれる第1フィールドと、前記第1フィールドの2フィールド前のフィールドである第2フィールドとの間の関係が、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを判定する差分判定部と、
前記差分判定部により判定された判定結果に基づいて、前記入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定する映像信号判定部と
を備えるテレシネ映像信号検出装置。
【0012】
適用例1に記載のテレシネ映像信号検出装置によれば、差分判定部により、第1フィールドと、2フィールド前の第2フィールドとの間の関係が判定される。この判定は、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを求めるものである。このために、「差分なし」と「差分あり」の2つのモードに判定する従来技術に比較して、高精度な判定を期待することができる。特に、第3のモードは、ノイズを有するが差分なしと定める場合のモードであることから、入力映像信号に大きなノイズが含まれる場合に、テレシネ映像信号であるとの判定を継続することが可能となり、テレシネ映像信号であるか否かの判定を高精度に行うことができる。
【0013】
[適用例2] 適用例1に記載のテレシネ映像信号検出装置であって、前記差分判定部は、前記第1フィールドと前記第2フィールドとの間で同一画素位置の階調値を減算して画素差分を求める画素差分演算部と、前記画素差分演算部により検出された画素差分に基づいて、前記第1ないし第3のモードのいずれに該当するかの判定を行うモード判定部とを備えるテレシネ映像信号検出装置。
【0014】
適用例2に記載のテレシネ映像信号検出装置によれば、第1フィールドと第2フィールドとの間の画素差分を求め、画素差分に基づいて、前記第1ないし第3のモードのいずれに該当するかの判定を行う。したがって、フィールド間の差分を容易に検出することができる。
【0015】
[適用例3] 適用例1または2に記載のテレシネ映像信号検出装置であって、前記差分判定部は、前記第1ないし第3のモードに、判定が困難である第4のモードを加えて、前記第1ないし第4のモードのいずれに該当するかの判定を行う構成である、テレシネ映像信号検出装置。
【0016】
適用例3に記載のテレシネ映像信号検出装置によれば、4つのモードによる判定が可能となり、テレシネ映像信号であるか否かの判定精度をより高めることができる。
【0017】
[適用例4] 適用例1ないし3のいずれかに記載のテレシネ映像信号検出装置であって、前記差分判定部による前記判定の結果を時間軸で遡ること6世代にわたって蓄積するバッファを備え、前記映像信号判定部は、前記バッファに蓄積された内容に基づいて、前記判定を行う構成である、テレシネ映像信号検出装置。
【0018】
適用例4に記載のテレシネ映像信号検出装置では、差分判定部による判定の結果を6世代にわたって蓄積するバッファを備えることにより、入力映像信号がテレシネ映像信号であることを容易に判定することができる。
【0019】
[適用例5] 適用例1ないし3のいずれかに記載のテレシネ映像信号検出装置であって、前記差分判定部は、前記1フィールド分の画素差分の総和に対応した数値を求める演算部を備え、前記差分判定部による前記判定の結果と、前記画素差分の総和に対応した数値とを組にして、該組を時間軸で遡ること6世代にわたって蓄積するバッファを備え、さらに、前記差分判定部は、前記演算部により求めた最新の前記数値が、前記バッファに蓄積されている過去の5世代分の前記数値のいずれよりも小さい場合に、前記第3のモードに該当するものと判定する構成を備える、テレシネ映像信号検出装置。
【0020】
適用例5に記載のテレシネ映像信号検出装置では、バッファには、1フィールド分の画素差分の総和に対応した数値が6世代にわたって蓄積され、差分判定部の演算部により求めた最新の数値が、前記バッファに蓄積されている過去の5世代分の数値のいずれよりも小さい場合に、第3のモードに該当するものとの判定がなされる。この判定がなされる場合は、例えノイズがある映像信号であっても「差分なし」である可能性が高いことから、ノイズを有するが差分なしと定める第3のモードとなることが適当である。したがって、第3のモードを確実に検出することができる。
【0021】
[適用例6] 入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出するテレシネ映像信号検出装置であって、
前記入力映像信号に含まれる第1フィールドと、前記第1フィールドの2フィールド前のフィールドである第2フィールドとを入力する入力部と、
前記各フィールドを複数に区分けしうるブロックを定義し、前記第1および第2フィールドについて同一位置のブロック同士の間の関係が、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを、ブロック毎に判定する差分判定部と、
前記差分判定部により判定された前記ブロック毎の判定結果に基づいて、前記ブロック毎の前記入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定する映像信号判定部と
を備えるテレシネ映像信号検出装置。
【0022】
適用例6に記載のテレシネ映像信号検出装置によれば、第1フィールドと、2フィールド前の第2フィールドとの間の関係が、フィールドを複数に区分けしうるブロック毎に判定される。この判定は、適用例1と同様に、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを求めるものである。このために、適用例1に記載のテレシネ映像信号検出装置と同様に、入力映像信号に大きなノイズが含まれる場合に、テレシネ映像信号であるとの判定を継続することが可能となり、テレシネ映像信号であるか否かの判定を高精度に行うことができる。
【0023】
[適用例7] 適用例6に記載のテレシネ映像信号検出装置であって、前記差分判定部は、前記第1フィールドと前記第2フィールドとの間で同一画素位置の階調値を減算して画素差分を求める画素差分演算部と、前記画素差分演算部により検出された1フィールド分の画素差分群を複数の前記ブロックに区分けし、各ブロックに含まれる画素差分をブロック毎に順に抽出するブロック内画素差分抽出部と、前記抽出されたブロック毎の画素差分に基づいて、前記第1ないし第3のモードのいずれに該当するかの判定をブロック毎に行うモード判定部とを備えるテレシネ映像信号検出装置。
【0024】
適用例7に記載のテレシネ映像信号検出装置によれば、第1フィールドと第2フィールドとの間の画素差分を求めた上で、各ブロックに含まれる画素差分をブロック毎に順に抽出する。したがって、ブロック毎のフィールド間の差分を容易に検出することができる。
【0025】
[適用例8] 適用例6または7に記載のテレシネ映像信号検出装置であって、前記差分判定部は、前記第1ないし第3のモードに、判定が困難である第4のモードを加えて、前記第1ないし第4のモードのいずれに該当するかの判定を行う構成である、テレシネ映像信号検出装置。
【0026】
[適用例9] 適用例6ないし8のいずれかに記載のテレシネ映像信号検出装置であって、前記差分判定部による前記判定の結果を時間軸で遡ること6世代にわたって蓄積するバッファを備え、前記映像信号判定部は、前記バッファに蓄積された内容に基づいて、前記判定を行う構成である、テレシネ映像信号検出装置。
【0027】
[適用例10] 適用例6ないし8のいずれかに記載のテレシネ映像信号検出装置であって、前記差分判定部は、前記1ブロック分の画素差分の総和に対応した数値を求める演算部を備え、前記差分判定部による前記判定の結果と、前記画素差分の総和に対応した数値とを組にして、該組を時間軸で遡ること6世代にわたって蓄積するバッファを備え、さらに、前記差分判定部は、前記演算部により求めた最新の前記数値が、前記バッファに蓄積されている過去の5世代分の前記数値のいずれよりも小さい場合に、前記第3のモードに該当するものと判定する構成を備える、テレシネ映像信号検出装置。
【0028】
適用例8ないし適用例10に記載のテレシネ映像信号検出装置は、適用例3ないし適用例5に記載のテレシネ映像信号検出装置と同様の効果を奏する。
【0029】
[適用例11] 入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出するテレシネ映像信号検出方法であって、
前記入力映像信号に含まれる第1フィールドと、前記第1フィールドの2フィールド前のフィールドである第2フィールドとの間の関係が、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを判定し、
前記判定の結果に基づいて、前記入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定する、テレシネ映像信号検出方法。
【0030】
[適用例12] 入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出するテレシネ映像信号検出方法であって、
前記入力映像信号に含まれる第1フィールドと、前記第1フィールドの2フィールド前のフィールドである第2フィールドとを入力し、
前記各フィールドを複数に区分けしうるブロックを定義し、前記第1および第2フィールドについて同一位置のブロック同士の間の関係が、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを、ブロック毎に判定し、
前記差分判定部により判定された前記ブロック毎の判定結果に基づいて、前記ブロック毎の前記入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定する、テレシネ映像信号検出方法。
【0031】
[適用例13] 入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出するためのコンピュータープログラムであって、
コンピューターに、
前記入力映像信号に含まれる第1フィールドと、前記第1フィールドの2フィールド前のフィールドである第2フィールドとの間の関係が、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを判定する機能と、
前記判定の結果に基づいて、前記入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定する機能と
を実現させるためのコンピュータープログラム。
【0032】
[適用例14] 入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出するためのコンピュータープログラムであって、
コンピューターに、
前記入力映像信号に含まれる第1フィールドと、前記第1フィールドの2フィールド前のフィールドである第2フィールドとを入力する機能と、
前記各フィールドを複数に区分けしうるブロックを定義し、前記第1および第2フィールドについて同一位置のブロック同士の間の関係が、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを、ブロック毎に判定する機能と、
前記判定された前記ブロック毎の判定結果に基づいて、前記ブロック毎の前記入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定する機能と
を実現させるためのコンピュータープログラム。
【0033】
適用例11に記載のテレシネ映像信号検出方法および適用例13に記載のコンピュータープログラムによれば、適用例1に記載のテレシネ映像信号検出装置と同様に、フィールド単位でテレシネ映像信号であるか否かを判定すると共に、その判定を高精度に行うことができるという効果を奏する。適用例12に記載のテレシネ映像信号検出方法および適用例14に記載のコンピュータープログラムによれば、適用例6に記載のテレシネ映像信号検出装置と同様に、ブロック単位でテレシネ映像信号であるか否かを判定すると共に、その判定を高精度に行うことができるという効果を奏する。
【0034】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、前記テレシネ映像信号検出装置を備える映像処理装置、またはその方法、前記コンピュータープログラムを記録した記録媒体、前記コンピュータープログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明が適用される第1実施例としてのテレシネ映像信号検出装置100を備える映像処理装置1000を示すブロック図である。
【図2】1フィールド分の画素差分Dを複数のブロックへ分割する一例を示す説明図である。
【図3】差分用バッファ60の一例を示す説明図である。
【図4】32プルダウン処理に対応したIP変換を説明するための説明図である。
【図5】テレシネ映像信号検出装置100の全体の処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】S、T、U、Dモードの判定条件を一覧表示する説明図である。
【図7】ノイズがない場合とある場合の映像信号のヒストグラムの一例を示す説明図である。
【図8】映像信号識別データVDがテレシネ映像信号である旨に切り替わる条件を示す説明図である。
【図9】映像信号識別データVDが非テレシネ映像信号である旨に切り替わる条件を示す説明図である。
【図10】本発明が適用される第2実施例としてのテレシネ映像信号検出装置300を備える映像処理装置2000を示すブロック図である。
【図11】32プルダウン処理を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ実施例に基づいて説明する。
【0037】
1.第1実施例:
1−A.構成:
図1は、本発明が適用される第1実施例としてのテレシネ映像信号検出装置100を備える映像処理装置1000を示すブロック図である。図示するように、映像処理装置1000は、テレシネ映像信号検出装置100とIP変換回路200とを備える。
【0038】
テレシネ映像信号検出装置100は、3つのフィールドメモリー11〜13と、画素差分演算回路20と、ブロック内画素差分抽出回路30と、ヒストグラム回路41と、平均値演算回路42と、最大値演算回路43と、差分判定回路50と、差分用バッファ60と、32プルダウン判定回路70とを備える。
【0039】
3つのフィールドメモリー11〜13は、時間的に連続する3フィールド分の入力映像(F(t)、F(t−1)、F(t−2):tは時間)を各々記憶する。なお、外部から入力される映像信号(入力映像信号)V1は、32プルダウン処理により生成された60フィールドのインターレース映像(テレシネ映像)を示す信号である。
【0040】
画素差分演算回路20は、現在のフィールド画像(F(t))と2フィールド前のフィールド画像(F(t−2))とをフィールドメモリー11、13から読み出し、同一画素位置の階調値を減算して画素毎の差分(以下、「画素差分」と呼ぶ)Dを求める。画素差分演算回路20は、詳細には、フィールド内の全ての画素にわたって次式(1)の演算を行う。
【0041】
【数1】

【0042】
ここで、Rxyは横x、横yの位置にある画素についての赤色成分の階調値であり、Gxyは横x、縦yの位置にある画素についての緑色成分の階調値であり、Bxyは横x、縦yの位置にある画素についての青色成分の階調値である。Fは現在のフィールド画像(F(t))についてのものであることを示し、Ft−2(Rxy)は2フィールド前のフィールド画像(F(t−2))についてのものであることを示す。Absは絶対値を示すものである。
【0043】
すなわち、式(1)によれば、下記の(イ)〜(ニ)の演算を行うことで、画素差分D(Rxy,Gxy,Bxy)を求める。
【0044】
(イ)現在のフィールド画像(F(t))上の位置(x、y)にある画素の赤色成分階調値Ft−2(Rxy)から、2フィールド前のフィールド画像(F(t−2))上の位置(x、y)にある画素の赤色成分階調値Ft−2(Rxy)を引いて、その答えの絶対値を求める。
(ロ)現在のフィールド画像(F(t))上の位置(x、y)にある画素の緑色成分階調値Ft−2(Gxy)から、2フィールド前のフィールド画像(F(t−2))上の位置(x、y)にある画素の緑色成分階調値Ft−2(Gxy)を引いて、その答えの絶対値を求める。
(ハ)現在のフィールド画像(F(t))上の位置(x、y)にある画素の青色成分階調値Ft−2(Bxy)から、2フィールド前のフィールド画像(F(t−2))上の位置(x、y)にある画素の青色成分階調値Ft−2(Bxy)を引いて、その答えの絶対値を求める。
(二)上記(イ)〜(ハ)により求めた色成分毎の絶対値の平均値を、画素差分D(Rxy,Gxy,Bxy)とする。
【0045】
ブロック内画素差分抽出回路30は、画素差分演算回路20により検出された1フィールド分の画素差分D(Rxy,Gxy,Bxy)を複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる各画素差分D(Rxy,Gxy,Bxy)をブロック毎に順に抽出する。以下、画素差分D(Rxy,Gxy,Bxy)を、必要に応じて単に「画素差分D」と呼ぶ。
【0046】
図2は、1フィールド分の画素差分Dを複数のブロックへ分割する一例を示す説明図である。図中、SFは、1フィールド分の画素差分Dの集合(画素差分群)である。この集合を「差分フィールドデータ」と呼ぶとすると、この差分フィールドデータSFを、等しい面積かつ等しい形状で複数のブロックBLに分割する。詳しくは、入力映像信号V1が、例えば640×240ピクセルのフィールド画面の大きさを備える場合、ブロックBLの大きさを、横方向が40ピクセル、縦方向が15ピクセルとなるように予め定めることで、差分フィールドデータSFを横方向に16個、縦方向に16個で合計256個に分割する。なお、ここで言う「分割する」とは、物理的にデータを分離することではなく、複数のブロックに区分けすることを意味する。
【0047】
なお、上記ブロックBLは、差分フィールドデータSFを複数に区分けするものであるが、差分フィールドデータSFの生成の元になる各フィールドを複数に区分けしうるものということもできる。上記ブロックBLの大きさは、40×15ピクセルに限る必要はなく、320×120、160×60、80×30、8×3等の他の大きさとしてもよい。そうして、ブロック内画素差分抽出回路30は、各ブロックBLに含まれる画素差分D(Rxy,Gxy,Bxy)をブロックBL毎に順に抽出する。
【0048】
ヒストグラム回路41、平均値演算回路42、および最大値演算回路43は、ブロック内画素差分抽出回路30で抽出された1ブロック分の画素差分Dを用いて、下記の通りの処理を行う。
【0049】
ヒストグラム回路41は、各ブロックにおける画素差分Dの度数分布を求める。詳細には、画素差分演算回路20で求められたD(Rxy,Gxy,Bxy)が、第1ないし第5の分布範囲Th0、Th1、Th2、Th3、Th4のいずれに該当するかを判定する。そうして、1ブロック内において各分布範囲Th0〜Th4に該当する数をかぞえてブロック内における画素差分Dの大きさ分布を求める。
【0050】
画素の階調値は、8ビットである場合には0〜255の値をとり、この場合には、画素差分Dも0〜255の値をとる。この場合に、第1ないし第5の分布範囲Th0〜Th4は、例えば下記の値をとる。
【0051】
0≦Th0<4
4≦Th1<8
8≦Th2<12
12≦Th3<16
16≦Th4
【0052】
すなわち、ヒストグラム回路41では、第1ないし第5の分布範囲Th0〜Th4のそれぞれに該当する画素差分Dの数を度数分布Hisとして出力する。
【0053】
平均値演算回路42は、各ブロックに含まれる全画素についての画素差分Dの総和をブロック内の画素数で割った平均値Aveを求める。最大値演算回路43は、各ブロックに含まれる各画素の画素差分Dのうちの最大値Maxを求める。
【0054】
差分判定回路50は、ヒストグラム回路41、平均値演算回路42、および最大値演算回路43の各演算結果を用いて、現在のフィールド画像(F(t))と2フィールド前のフィールド画像(F(t−2))とについての同一位置のブロック間の関係が、「S(Same)」、「T(Tentative Same)」、「U(Unknown)」、および「D(Different)」のうちのいずれのモードに該当するかを判定する。
【0055】
ここで、Sモードは、現在のフィールド画像(F(t))内のブロックと2フィールド前のブロックとの間の画像変化が、所定程度より小さい状態である。すなわち、差分がほぼない「差分なし」の状態である。換言すれば、両ブロック内の画像が同一もしくはほぼ同一の状態である。
【0056】
Tモードは、現在のフィールド画像(F(t))内のブロックと2フィールド前のブロックとの間の関係が、従来の差分の大小判定では「差分あり」と判定されるが、ノイズあり映像である場合を考慮して「差分なし」と定める状態である。Tモードは、本発明における「第3のモード」に該当する。
【0057】
Uモードは、現在のフィールド画像(F(t))内のブロックと2フィールド前のブロックとの間の関係が、従来の差分の大小判定(閾値より大きいか小さいかの判定)では「差分あり」とも「差分なし」とも判定できない状態である。換言すれば判定が困難である状態である。Uモードは、本発明における「第4のモード」に該当する。
【0058】
Dモードは、現在のフィールド画像(F(t))内のブロックと2フィールド前のブロックとの間の画像変化が、所定程度より大きい状態である。すなわち、「差分あり」の状態である。換言すれば、両ブロック内の画像が相違する状態である。
【0059】
なお、S、T、U、Dモードのいずれにするかの判定は、ヒストグラム回路41により検出されたブロック内の度数分布His、平均値演算回路42により検出されたブロック内の平均値Ave、および最大値演算回路により検出されたブロック内の最大値Maxを総合的に判断して行われるが、その具体的な手法については後述する。
【0060】
差分判定回路50は、さらに、上記S、T、U、Dモードのいずれに該当するかの判定結果(以下、この判定結果を「差分モード」と呼ぶ)と、上記ブロック内の度数分布His、平均値Ave、最大値Maxとを差分用バッファ60に出力する処理を行う。
【0061】
図3は、差分用バッファ60の一例を示す説明図である。差分用バッファ60には、現在を含めて時間軸で遡ること6世代にわたって差分が蓄積される。ここでいう「差分」とは、差分判定回路50から送られてくる差分モード、度数分布His、平均値Ave、および最大値Maxである。図示するように最新の差分が記録される毎に古いものから順に削除される。また、図示はしないが、差分用バッファ60は、前記ブロックの数だけ格納フィールドが用意されており、各格納フィールドはブロックのそれぞれに対応したものとなっている。上記の結果、差分用バッファ60には、ブロック毎の差分(差分モード、His、Ave、Max)が6世代に亘ってそれぞれ保存される。なお、図示の例は1つのブロック分であり、実際はブロックの数だけ6世代分の配列が記憶されている。
【0062】
なお、本実施例では、差分として、差分モード、度数分布His、平均値Ave、および最大値Maxを格納する構成としていたが、これに替えて、平均値Aveと最大値Maxを除いて、差分モードと平均値Aveだけを格納する構成としてもよい。さらに、平均値Aveは、各ブロックに含まれる全画素についての画素差分Dの総和に換える構成としてもよい。
【0063】
32プルダウン判定回路70は、差分用バッファ60に保存された内容に基づいて、入力映像信号は32プルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であるか否かをブロック毎に判定する。この判定の方法の詳細については後述する。判定結果は、テレシネ映像信号/非テレシネ映像信号を識別しうる映像信号識別データVDとしてブロック毎に、テレシネ映像信号検出装置100の外部に出力される。
【0064】
上述したブロック内画素差分抽出回路30、ヒストグラム回路41、平均値演算回路42、最大値演算回路43、および差分判定回路50が、本発明に備えられる「差分判定部」に対応している。32プルダウン判定回路70が、本発明に備えられる「映像信号判定部」に対応している。上述したテレシネ映像信号検出装置100の構成により、入力映像信号V1が32プルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出することが可能となる。
【0065】
IP変換回路200は、テレシネ映像信号検出装置100から出力した映像信号識別データVDを受信し、映像信号識別データVDに基づいて変換する処理を適宜選択し、インターレース映像信号である入力映像信号V1を60フィールドのプログレッシブ映像に変換する(IP変換)。
【0066】
図4は、32プルダウン処理に対応したIP変換を説明するための説明図である。図示するIP変換は、図11に示した32プルダウン処理に対応したものである。すなわち、図11で示した32プルダウン処理を用いて、例えばシネマ映像をNTSC方式のTV信号として放送局から送出した場合に、図4に示すIP変換では、放送局から送出されたテレシネ映像信号を60フレームのプログレッシブ方式の表示装置に表示可能なようにIP変換を行っている。
【0067】
詳細には、32プルダウン処理における図11に示した編集の態様に鑑みて、テレシネ映像信号における奇数番目の走査線を残したフィールドと偶数番目の走査線を残したフィールドとを組み合わせて、60フレームのプログレッシブ方式の映像信号を生成する。この結果、元画像の各フレームの1フレームおきに、2フレーム繰り返し、3フレーム繰り返しを行ったプログレッシブ映像が得られる。
【0068】
図1に戻って、本実施例のIP変換回路200では、上述したように1フィールド全体を単位としてIP変換を行うのではなく、1フィールドに設定したブロック毎に個別にIP変換を行う。すなわち、IP変換回路200は、入力映像信号V1を入力し、ブロック内画素差分抽出回路30におけるブロック分割と等しい面積かつ等しい形状で上記入力映像信号の1フィールドを分割し、その分割した各ブロックがテレシネ映像信号であるか否かをテレシネ映像信号検出装置100から入力される映像信号識別データVDから判定し、テレシネ映像信号であると判定されたブロック内の映像信号に対しては上述した態様のIP変換を行う。一方、テレシネ映像信号でないと判定されたブロック内の映像信号に対しては、上述した32プルダウン処理に対応したIP変換は行なわず、例えばデインターレース(Deinterlace)処理を施す。
【0069】
上記の結果、IP変換回路200により、入力映像信号V1は60フレームのプログレッシブ方式の映像信号V2に変換され、図示しない表示装置に出力される。
【0070】
テレシネ映像信号検出装置100の全体の処理を次に説明する。図5は、テレシネ映像信号検出装置100により実行されるテレシネ映像検出処理を示すフローチャートである。このテレシネ映像検出処理は、入力映像信号V1の1フィールドの伝送間隔である1/60秒毎に繰り返し実行される。
【0071】
図5に示すように、処理が開始されると、テレシネ映像信号検出装置100は、まず、画素差分演算回路20を駆動することにより、1フィールド分の入力映像信号V1を読み出して、その読み出したフィールドと、このテレシネ映像検出処理を2回前に実行した際に読み出した2フィールド前のフィールドとの間の画素差分Dを算出する(ステップS110)。
【0072】
次いで、テレシネ映像信号検出装置100は、ブロック内画素差分抽出回路30を駆動することにより、ステップS110で求められた1フィールド分の画素差分Dを複数のブロックBLに分割し(ステップS120)、複数のブロックBLの中から1ブロックを選択する処理を行う(ステップS125)。上記ブロックBLの大きさは、予め定められもので、例えば、前述したように横方向が40ピクセル、縦方向が15ピクセルである。なお、ステップS125で選択される1ブロックは、このステップS125の処理が繰り返し実行される毎に順次移行していく。その後、テレシネ映像信号検出装置100は、同じくブロック内画素差分抽出回路30を駆動することにより、その選択されたブロックに含まれる各画素差分Dを抽出する(ステップS130)。
【0073】
次いで、テレシネ映像信号検出装置100は、ヒストグラム回路41、平均値演算回路42、および最大値演算回路43を駆動することにより、ステップS130で抽出の対象となったブロックBLにおける画素差分Dの度数分布His、平均値Ave、および最大値Maxを算出する(ステップS140)。
【0074】
次いで、テレシネ映像信号検出装置100は、差分判定回路50を駆動することにより、ステップS140で算出した度数分布His、平均値Ave、および最大値Maxに基づいて、差分判定を行う(ステップS150)。この差分判定は、ステップS125で選択されたブロックにおける画像変化が、前述したS、T、U、Dモードのいずれに該当するかを、次の判定条件により判別する。
【0075】
図6は、S、T、U、Dモードの判定条件を一覧表示する説明図である。図示の判定条件における数値は、画素の階調値が0〜255の値をとる場合のものとして記載している。図示するように、Sモードとなる判定条件は、平均値Aveが値5以下で、かつ、度数分布Hisにおける大きい側の分布範囲であるTh3とTh4がともに値0のとき(すなわち大きい側に分布する画素差分Dが1つもないとき)とした。
【0076】
Tモードとなる判定条件は、(i)平均値Aveが値6以下であること、(ii)度数分布HisにおけるTh3が値5以下であること、(iii)Th4が値1以下であること、(iv)平均値Aveが差分用バッファ60に格納される該当するブロックについての過去の5世代分の平均値のいずれよりも小さいこと、の全てを満たしたときとした。上記差分用バッファ60に格納される5世代分の平均値とは、この時点で差分用バッファ60の第1位(新しいものからの順位、以下同様)ないし第5位に格納される平均値である。上記(i)〜(iv)の判定条件が物理的にどういった意味を持つかを次に説明する。
【0077】
図7(a)は、ノイズがない映像信号のヒストグラムの一例である。図示するように、実線で示す度数分布H1は「S:差分なし」の場合のものであり、1点鎖線で示す度数分布H2は「D:差分あり」の場合のものである。「S:差分なし」の場合の度数分布H1は、画素差分が値0となる側に十分に偏っており、「差分あり」と「差分なし」とで明確に分布が別れる。このために、判定のための閾値THの設定が容易で、「差分あり」か「差分なし」かの判別を高精度に行うことができる。
【0078】
図7(b)は、ノイズがある映像信号のヒストグラムの一例である。図示するように、「S:差分なし」の場合の度数分布H1は、画素差分が比較的大きい場合にも0より大きい値を示す。ただし、ノイズがある場合では、一定のレベルまで画面全体にランダムにノイズが重畳される。このために、「差分あり」と「差分なし」とで明確に分布を区別することが難しい。判定のための閾値THを変更することで対応を図ることはできるが、どの程度変更すればよいかを定めることは困難である。
【0079】
ノイズはコンテンツによって多いものもあれば少ないものもある。ノイズの多い少ないが判定に及ぼす影響が大きいことから、ここではまずその影響を減らすことを考えた。上記条件(iv)がその影響を減らすためのものである。上記条件(iv)は、前述したように「平均値Aveが差分用バッファに格納される該当するブロックについての過去の5世代分の平均値のいずれよりも小さいこと」であり、換言すれば、ブロックに含まれる全画素についての画素差分Dの総和Sum(0)が、該当するブロックについての過去の5世代分の総和Sum(−1)〜Sum(−5)のいずれよりも小さいことである。現在の画素差分Dの総和Sum(0)が過去の5世代分の総和Sum(−1)〜Sum(−5)のいずれよりも小さい場合には、例えノイズがある映像信号であっても「差分なし」である可能性が高いとしてTモードとなるようにした。
【0080】
上記条件(i)〜(iii)は、ノイズの最大許容範囲を定めるものである。平均値Aveが値6以下であること、度数分布HisにおけるTh3が値5以下であること、Th4が値1以下であること、の全てを満足する場合に、Tモードとした。条件(i)〜(iii)のいずれか一つでも満足しないノイズを持つコンテンツでは、DモードもしくはUモードとなるようにし、32プルダウン処理を行わないようにした。
【0081】
なお、上記条件(i)〜(iii)は、Sモードとなる判定条件を含むものであるが、Sモードとなる判定条件を満たす場合には、Tモードとなる判定条件を満たす満たさないにかかわらず、Sモードとなるものとする。
【0082】
図6に戻って、Uモードとなる判定条件は、平均値Aveが値10以下であること、度数分布HisにおけるTh3が値8以下であること、Th4が値2以下であること、の全てを満たしたときとした。すなわち、平均値Aveがある値(=10)以下であるにもかかわらず、度数分布Hisにおける大きい側の分布範囲Th3、Th4にある値(8、2)を超える分布がみられないときに、DモードともSモードとも判定できないとして、Uモードとなるようにした。
【0083】
Dモードとなる判定条件は、平均値Aveが値10以上であること、最大値Maxが値80以上であること、度数分布HisにおけるTh3が値5以上であること、Th4が値2以上であること、のうちのいずれか1つでも満たしたときとした。すなわち、平均値Aveがある値(=10)以上となったとき、あるいは、最大値Maxがある値(=80)以上となったとき、あるいは、度数分布Hisにおける大きい側の分布範囲Th3、Th4にある値(5、2)以上の分布がみられたときに、Dモードとなるようにした。
【0084】
上記各判定条件は、Sモード、Tモード、Uモード、Dモードの順に行うことが好ましい。このステップS150の判定結果を、以下「差分モード」と呼ぶ。
【0085】
上述したS、T、U、Dモードとなる各判定条件は、あくまでも一例であり、数値や、数式そのものを別の条件に変えることができる。要は、Sモードは差分なしであることを、Tモードはノイズを有するが差分なしであることを、Uモードは判定が困難であることを、Dモードは差分ありであることを、それぞれ判定できる条件であれば、いずれの条件とすることもできる。
【0086】
図5に戻り、ステップS150の実行後、テレシネ映像信号検出装置100は、ステップS150で得られた差分モードと、ステップS140で求めた度数分布His、平均値Ave、および最大値Maxとを差分用バッファ60に書き込む(ステップS160)。この書込みは、図3を用いて前述したように最新の差分を記録する毎に、既に記録済のものは1世代だけより古いものに繰り下げられ、最も古いものは削除される。
【0087】
ステップS160の実行後、テレシネ映像信号検出装置100は、差分用バッファ60の内容(詳細には、差分用バッファ60に記憶された差分モードの内容)に基づいて、入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定し(ステップS170)、判定結果を映像信号識別データVDとして出力する(ステップS180)。すなわち、判定結果がテレシネ映像信号であるときには、映像信号識別データVDは例えば「ハイレベル」となって出力され、判定結果が非テレシネ映像信号であるときには、映像信号識別データVDは例えば「ロウレベル」となって出力される。
【0088】
図8は、映像信号識別データVDがテレシネ映像信号である旨に切り替わる条件を示す説明図である。図中の60aは、図3を用いて前述した差分用バッファ60における差分モードを格納するフィールドである。図3と同様に、図中最も左側が最新の差分モードで、右に位置するほど世代が古くなる。図8の(a)に示すように、最新の差分モードが「S」であるときに、入力映像信号はテレシネ映像信号であると判断して、映像信号識別データVDは、テレシネ映像信号である旨を示すハイレベルに切り替わる。また、図8の(b)に示すように、最新の差分モードが「T」であるときにも、入力映像信号はテレシネ映像信号であると判断して、映像信号識別データVDは、テレシネ映像信号である旨を示すハイレベルに切り替わる。このことは、Tモードは、非テレシネ映像信号からテレシネ映像信号への切り替えの際には、Sモードとして機能することを意味する。
【0089】
なお、映像信号識別データVDがロウレベルで、最新の差分モードが「U」または「D」のときには、映像信号識別データVDは、ハイレベルに切り替わることなく、そのときのレベルを維持する。このことは、Uモードは、非テレシネ映像信号からテレシネ映像信号への切り替えの際には、Dモードとして機能することを意味する。
【0090】
図9は、映像信号識別データVDが非テレシネ映像信号である旨に切り替わる条件を示す説明図である。図9(d)に、映像信号識別データVDがハイレベルに切り替わった後にロウレベルに復帰する条件を示している。図9(a)〜(c)の場合には、ロウレベルに復帰せずにハイレベルを維持する。
【0091】
図9(a)〜(d)に示すように、差分用バッファ60のフィールド60aの内容は、第2位(新しいものからの順位、以下同様)が「D」、第3位が「D」、第4位が「D」、第5位が「D」、第6位が「S」であるものとする。すなわち、「S」が入力された後に4世代にわたって「D」が入力され、その後最新の差分モードが入力された状態であるとする。そして、図9(a)に示すように最新の差分モードが「S」である場合、図11に示した5周期の編集の態様を示すことから、入力映像信号はテレシネ映像信号であると判断して、映像信号識別データVDは、テレシネ映像信号である旨を示すハイレベルを維持する。
【0092】
また、図9(b)に示すように最新の差分モードが「T」である場合も、入力映像信号はテレシネ映像信号であると判断して、映像信号識別データVDは、テレシネ映像信号である旨を示すハイレベルを維持する。さらに、図9(c)に示すように最新の差分モードが「U」である場合も、入力映像信号はテレシネ映像信号であると判断して、映像信号識別データVDは、テレシネ映像信号である旨を示すハイレベルを維持する。このことは、Tモード、Uモードは、テレシネ映像信号から非テレシネ映像信号への切り替えの際には、Sモードとして機能することを意味する。
【0093】
一方、図9(d)に示すように最新の差分モードが「D」である場合、入力映像信号は非テレシネ映像信号に切り替わったと判断して、映像信号識別データVDは、非テレシネ映像信号である旨を示すロウレベルに切り替わる。
【0094】
なお、図9の説明では、第2位から第5位までの内容が、「DDDD」であるものとしたが、必ずしもこの配列に限る必要はなく、例えば「SSSS」というように他の配列の場合にもテレシネ映像信号である旨を継続する構成としてもよい。「SSSS」の場合は静止画であるときであり、この場合にもテレシネ映像信号であり得るからである。
【0095】
ハイレベルの映像信号識別データVDを受信したIP変換回路200は、その映像信号識別データVDが示すブロック内の入力映像信号に対して、32プルダウン処理に対応したIP変換を実行する。
【0096】
図5に戻って、ステップS180の実行後、テレシネ映像信号であるか否かの判定がなされたブロックが、ステップS110で読み出した1フィールド分に含まれる複数のブロックの中の最後のブロックであるか否かを判定し(ステップS190)、最後のブロックでないと判定された場合には、処理をステップS125に戻し、判定の対象を次のブロックに移行する。一方、ステップS190で最後のブロックであると判定された場合には、「リターン」に抜けて、このテレシネ映像信号検出処理を一旦終了する。
【0097】
1−B.効果:
以上のように構成された第1実施例のテレシネ映像信号検出装置100によれば、現在のフィールド画像(F(t))と2フィールド前のフィールド画像(F(t−2))との間における差分関係が、フィールドを複数に分割して得られたブロックBL毎に判定される。このために、ブロック毎に入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定することができる。このために、例えば文字テロップのような1フィールド内に32プルダウンされていないコンテンツが挿入された映像信号である場合に、そのコンテンツが重畳されたブロックだけを非テレシネ映像信号であると判定することができる。
【0098】
さらに、第1実施例のテレシネ映像信号検出装置100によれば、上記の差分関係は、差分なしであるSモード、差分ありであるDモード、ノイズを有するが差分なしと定めるTモード、および判定が困難であるUモードのうちのいずれかにに判定されることから、「差分なし」と「差分あり」の2つのモードに判定する従来技術と比較して、高精度な判定を期待することができる。特に、Tモードは、ノイズを有するが差分なしと定める場合のモードであることから、入力映像信号に大きなノイズが含まれる場合に、テレシネ映像信号であるとの判定を継続することが可能となり、テレシネ映像信号であるか否かの判定を高精度に行うことができる。
【0099】
1−C.変形例:
上記実施例では、差分判定の結果を、S、T、U、Dの4つのモードに振り分ける構成とし、テレシネ映像信号から非テレシネ映像信号への切り替えの際には、Uモードの機能をDモード側に切り替え、Tモードの機能をSモード側に切り替える構成としていたが、この切り替えの態様は、適宜、上記実施例とは違うものとしてもよい。例えば、Uモードについては、非テレシネ映像信号からテレシネ映像信号への切り替えの際、および、テレシネ映像信号から非テレシネ映像信号への切り替えの際には、共にDモードとして機能する構成とすることもできる。また、Tモードについても、適宜、本実施例とは違うものとすることができる。たとえば、ノイズ除去フィルタに通した映像入力信号V1をテレシネ映像信号検出装置100に入力する場合、差分モードが「T」と判定されたときに、非テレシネ映像信号からテレシネ映像信号に切り替えないようにしてもよい。
【0100】
2.第2実施例:
図10は、本発明が適用される第2実施例としてのテレシネ映像信号検出装置300を備える映像処理装置2000を示すブロック図である。本実施例のテレシネ映像信号検出装置300は、第1実施例のテレシネ映像信号検出装置100と比較して、画素差分演算回路20により検出された1フィールド分の画素差分Dをそのままヒストグラム回路41、平均値演算回路42、および最大値演算回路43に送っている点が相違し、その他の構成については同一である。同一部分には第1実施例と同一の符号を付した。
【0101】
すなわち、第1実施例のテレシネ映像信号検出装置100では、画素差分演算回路20により検出された1フィールド分の画素差分Dをブロック内画素差分抽出回路30(図1)に送ることで複数のブロックに分割し、各画素差分Dをブロック毎にヒストグラム回路41、平均値演算回路42、および最大値演算回路43に送るように構成されていたのに対して、本実施例では、1フィールド分の画素差分Dをヒストグラム回路41、平均値演算回路42、および最大値演算回路43に送るように構成している。差分判定回路50、差分用バッファ60、32プルダウン判定回路70の各構成は、処理の対象を1フィールド毎として第1実施例と同一の処理を行うものである。
【0102】
上記構成の第2実施例のテレシネ映像信号検出装置300によれば、入力映像信号の1フィールド単位でテレシネ映像信号であることを検出することができる。さらに、フィールド間の差分判定を、S、D、T、Uの4つのモードで判定することから、第1実施例と同様に、テレシネ映像信号であるか否かの判定を高精度に行うことができる。
【0103】
3.他の実施形態:
なお、この発明は上記の第1および第2実施例やその変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0104】
(1)上記第1および第2実施例では、差分判定を、S、D、T、Uの4つのモードのいずれに該当するかを判定することで行っていたが、これに換えて、Uモードを無くして、S、D、Tの3つのモードのいずれに該当するかを判定する構成としてもよい。
【0105】
(2)上記第1および第2実施例では、差分用バッファ60に、差分判定結果である差分モードと、度数分布Hisと、平均値Aveと、最大値Maxとを組にして記憶するようにしていたが、必ずしも1つのバッファに併せて記憶させる必要もなく、別メモリーに別々に記憶させる構成としてもよい。
【0106】
(3)上記第1および第2実施例では、Tモードとなる判定条件のうちの(iv)として「平均値Aveが差分用バッファ60に格納される該当するブロックについての過去の5世代分の平均値のいずれよりも小さいこと」としたが、これに換えて、平均値Aveを先に差分用バッファ60に書き込んで、差分用バッファ60に格納される6世代分の平均値の中で最新の平均値(すなわち、第1位に格納される内容)が最小であるか否かを判定することで、上記(iv)の判定を行ってもよい。さらには、平均値に換えて画素差分Dの総和Sumを過去の5世代分、記憶するようにして、最新の総和が過去の5世代分の平均値のいずれよりも小さいことを判断する構成としてもよい。
【0107】
(4)上記第1実施例では、現在のフィールド画像と、2フィールド前のフィールド画像との間で画素差分を先に求めて、1フィールド分の画素差分の集合である差分フィールドデータをブロックに区分けする構成としていたが、これに換えて、現在のフィールド画像と、2フィールド前のフィールド画像とを複数のブロックにそれぞれ区分けし、現在のフィールド画像側のブロックと、2フィールド前のフィールド画像側のブロックの間で画素差分を求める構成としてもよい。この構成によっても第1実施例と同一の効果を奏することができる。
【0108】
(5)上記第1および第2実施例では、入力映像信号の画素の階調値を8ビット(256階調)として説明したが、それ以外のビット数(階調値)を有する入力映像信号であっても実施可能であり、同様の作用効果を奏する。
【0109】
(6)上記第1および第2実施例の映像処理装置1000は、パーソナルコンピューターなどの情報機器や、液晶テレビなどの表示装置など、プログレッシブ方式の映像を表示できる機器に適用することができる。
【0110】
(7)上記第1および第2実施例では、32プルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出する構成としたが、32プルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号に限る必要はなく、23プルダウン処理、22プルダウン処理等、他の方式のプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号を検出する構成としてもよい。
【0111】
(8)また、上記第1および第2実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。すなわち、上記第1および第2実施例における各回路20〜50、70、110の機能をコンピューターに実現させるためのコンピュータープログラムを用いた実施例としてもよい。
【符号の説明】
【0112】
11...フィールドメモリー
20...画素差分演算回路
30...ブロック内画素差分抽出回路
41...ヒストグラム回路
42...平均値演算回路
43...最大値演算回路
50...差分判定回路
60...差分用バッファ
70...32プルダウン判定回路
100、300...テレシネ映像信号検出装置
200...IP変換回路
1000、2000...映像処理装置
D...画素差分
V1...入力映像信号
V2...映像信号
VD...映像信号識別データ
SF...差分フィールドデータ
BL...ブロック
Th0〜Th4...第1ないし第5の分布範囲
Max...最大値
Ave...平均値
His...度数分布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出するテレシネ映像信号検出装置であって、
前記入力映像信号に含まれる第1フィールドと、前記第1フィールドの2フィールド前のフィールドである第2フィールドとの間の関係が、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを判定する差分判定部と、
前記差分判定部により判定された判定結果に基づいて、前記入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定する映像信号判定部と
を備えるテレシネ映像信号検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のテレシネ映像信号検出装置であって、
前記差分判定部は、
前記第1フィールドと前記第2フィールドとの間で同一画素位置の階調値を減算して画素差分を求める画素差分演算部と、
前記画素差分演算部により検出された画素差分に基づいて、前記第1ないし第3のモードのいずれに該当するかの判定を行うモード判定部と
を備えるテレシネ映像信号検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のテレシネ映像信号検出装置であって、
前記差分判定部は、
前記第1ないし第3のモードに、判定が困難である第4のモードを加えて、前記第1ないし第4のモードのいずれに該当するかの判定を行う構成である、テレシネ映像信号検出装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のテレシネ映像信号検出装置であって、
前記差分判定部による前記判定の結果を時間軸で遡ること6世代にわたって蓄積するバッファを備え、
前記映像信号判定部は、
前記バッファに蓄積された内容に基づいて、前記判定を行う構成である、テレシネ映像信号検出装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載のテレシネ映像信号検出装置であって、
前記差分判定部は、前記1フィールド分の画素差分の総和に対応した数値を求める演算部を備え、
前記差分判定部による前記判定の結果と、前記画素差分の総和に対応した数値とを組にして、該組を時間軸で遡ること6世代にわたって蓄積するバッファを備え、
さらに、前記差分判定部は、
前記演算部により求めた最新の前記数値が、前記バッファに蓄積されている過去の5世代分の前記数値のいずれよりも小さい場合に、前記第3のモードに該当するものと判定する構成を備える、テレシネ映像信号検出装置。
【請求項6】
入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出するテレシネ映像信号検出装置であって、
前記入力映像信号に含まれる第1フィールドと、前記第1フィールドの2フィールド前のフィールドである第2フィールドとを入力する入力部と、
前記各フィールドを複数に区分けしうるブロックを定義し、前記第1および第2フィールドについて同一位置のブロック同士の間の関係が、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを、ブロック毎に判定する差分判定部と、
前記差分判定部により判定された前記ブロック毎の判定結果に基づいて、前記ブロック毎の前記入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定する映像信号判定部と
を備えるテレシネ映像信号検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載のテレシネ映像信号検出装置であって、
前記差分判定部は、
前記第1フィールドと前記第2フィールドとの間で同一画素位置の階調値を減算して画素差分を求める画素差分演算部と、
前記画素差分演算部により検出された1フィールド分の画素差分群を複数の前記ブロックに区分けし、各ブロックに含まれる画素差分をブロック毎に順に抽出するブロック内画素差分抽出部と、
前記抽出されたブロック毎の画素差分に基づいて、前記第1ないし第3のモードのいずれに該当するかの判定をブロック毎に行うモード判定部と
を備えるテレシネ映像信号検出装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載のテレシネ映像信号検出装置であって、
前記差分判定部は、
前記第1ないし第3のモードに、判定が困難である第4のモードを加えて、前記第1ないし第4のモードのいずれに該当するかの判定を行う構成である、テレシネ映像信号検出装置。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかに記載のテレシネ映像信号検出装置であって、
前記差分判定部による前記判定の結果を時間軸で遡ること6世代にわたって蓄積するバッファを備え、
前記映像信号判定部は、
前記バッファに蓄積された内容に基づいて、前記判定を行う構成である、テレシネ映像信号検出装置。
【請求項10】
請求項6ないし8のいずれかに記載のテレシネ映像信号検出装置であって、
前記差分判定部は、前記1ブロック分の画素差分の総和に対応した数値を求める演算部を備え、
前記差分判定部による前記判定の結果と、前記画素差分の総和に対応した数値とを組にして、該組を時間軸で遡ること6世代にわたって蓄積するバッファを備え、
さらに、前記差分判定部は、
前記演算部により求めた最新の前記数値が、前記バッファに蓄積されている過去の5世代分の前記数値のいずれよりも小さい場合に、前記第3のモードに該当するものと判定する構成を備える、テレシネ映像信号検出装置。
【請求項11】
入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出するテレシネ映像信号検出方法であって、
前記入力映像信号に含まれる第1フィールドと、前記第1フィールドの2フィールド前のフィールドである第2フィールドとの間の関係が、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを判定し、
前記判定の結果に基づいて、前記入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定する、テレシネ映像信号検出方法。
【請求項12】
入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出するテレシネ映像信号検出方法であって、
前記入力映像信号に含まれる第1フィールドと、前記第1フィールドの2フィールド前のフィールドである第2フィールドとを入力し、
前記各フィールドを複数に区分けしうるブロックを定義し、前記第1および第2フィールドについて同一位置のブロック同士の間の関係が、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを、ブロック毎に判定し、
前記差分判定部により判定された前記ブロック毎の判定結果に基づいて、前記ブロック毎の前記入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定する、テレシネ映像信号検出方法。
【請求項13】
入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出するためのコンピュータープログラムであって、
コンピューターに、
前記入力映像信号に含まれる第1フィールドと、前記第1フィールドの2フィールド前のフィールドである第2フィールドとの間の関係が、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを判定する機能と、
前記判定の結果に基づいて、前記入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定する機能と
を実現させるためのコンピュータープログラム。
【請求項14】
入力映像信号がプルダウン処理により生成されたテレシネ映像信号であることを検出するためのコンピュータープログラムであって、
コンピューターに、
前記入力映像信号に含まれる第1フィールドと、前記第1フィールドの2フィールド前のフィールドである第2フィールドとを入力する機能と、
前記各フィールドを複数に区分けしうるブロックを定義し、前記第1および第2フィールドについて同一位置のブロック同士の間の関係が、差分なしである第1のモード、差分ありである第2のモード、およびノイズを有するが差分なしと定める第3のモードのうちのいずれに該当するかを、ブロック毎に判定する機能と、
前記判定された前記ブロック毎の判定結果に基づいて、前記ブロック毎の前記入力映像信号がテレシネ映像信号であるか否かを判定する機能と
を実現させるためのコンピュータープログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−206478(P2010−206478A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49245(P2009−49245)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】