説明

テレビジョン放送受信装置

【課題】オープンキャプションの表示を非表示化することができるテレビジョン放送受信装置を提供する。
【解決手段】テレビジョン放送受信装置100に、テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報を記憶する文字情報記憶手段(記憶部10,フォントデータファイル10A)と、文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が映像データ内に存在するか否かを解析することにより、オープンキャプションを検出する検出手段(CPU8,オープンキャプション検出プログラム10C)と、映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションが検出された場合に、当該オープンキャプション部分の映像における色を当該オープンキャプション部分に隣接する部分の色に変更する画像処理を行う画像処理手段(CPU8,塗りつぶしプログラム10D)と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン放送受信装置において表示される字幕には、常時表示されるオープンキャプションと表示/非表示を切り換えられるクローズドキャプションとが知られている。そして、字幕を含むデジタル放送信号を受信した場合に、映像信号に含まれるオープンキャプションを検出し、クローズドキャプションの表示予定位置に当該オープンキャプションが表示される場合には、当該オープンキャプションと当該クローズドキャプションとが重ならないように、クローズドキャプションの表示位置や表示内容を制御するものが知られている(例えば、特許文献1)。
また、表示したくないオープンキャプションの表示位置にクローズドキャプションを表示するとともに、当該オープンキャプションを当該クローズドキャプションにより隠すように当該クローズドキャプションの表示を編集設定することができるものも知られている(例えば、特許文献2)
【特許文献1】特開2002−344805号公報
【特許文献2】特開平6−217199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、放送局から伝送されたデジタル放送を地域放送局で受信し、当該地域放送局においてデジタル放送がアナログ放送に変換されて、当該アナログ放送が各家庭のテレビジョン放送受信装置に伝送される放送形態がある。このような放送形態では、地域放送局において当該デジタル放送がアナログ放送に変換される際に、クローズドキャプションがオープンキャプションに変換されてしまう場合があり、放送局からクローズドキャプションの字幕が伝送されても、各テレビジョン放送受信装置では、当該字幕の表示/非表示を切り換えることができないため、クローズドキャプションが常時表示されることとなって、ユーザにとっては目障りである場合があるという問題がある。
上記特許文献では、クローズドキャプションの表示についての発明であるので、上記問題を解決することができない。
【0004】
本発明の課題は、オープンキャプションの表示を非表示化することができるテレビジョン放送受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、テレビジョン放送信号を受信し、当該テレビジョン放送信号に基づく映像データ及び音声データを出力するテレビジョン放送受信装置において、
前記テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報を記憶する文字情報記憶手段と、
オープンキャプションの非表示を設定する設定手段と、
前記設定手段によりオープンキャプションの非表示が設定された場合に、前記文字情報記憶手段に記憶された前記文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が前記映像データ内に存在するか否かを解析することにより、オープンキャプションを検出する検出手段と、
前記検出手段により、前記映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションが検出された場合に、当該オープンキャプション部分の映像における色を当該オープンキャプション部分に隣接する部分の色に変更する画像処理を行う画像処理手段と、
を備えることを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、テレビジョン放送信号を受信し、当該テレビジョン放送信号に基づく映像データ及び音声データを出力するテレビジョン放送受信装置において、
前記テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報を記憶する文字情報記憶手段と、
前記文字情報記憶手段に記憶された前記文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が前記映像データ内に存在するか否かを解析することにより、オープンキャプションを検出する検出手段と、
前記検出手段により、前記映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションが検出された場合に、当該オープンキャプション部分の映像における色を当該オープンキャプション部分に隣接する部分の色に変更する画像処理を行う画像処理手段と、
を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、テレビジョン放送信号を受信し、当該テレビジョン放送信号に基づく映像データ及び音声データを出力するテレビジョン放送受信装置において、
前記テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報を記憶する文字情報記憶手段と、
前記文字情報記憶手段に記憶された前記文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が前記映像データ内に存在するか否かを解析することにより、オープンキャプションを検出する検出手段と、
前記検出手段により、前記映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションが検出された場合に、当該オープンキャプション部分の映像を当該オープンキャプション部分における当該オープンキャプションが現れる直前の映像となるように映像データを画像処理する画像処理手段と、
を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、文字情報記憶手段により、テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報が記憶され、検出手段により、設定手段によってオープンキャプションの非表示が設定された場合に、文字情報記憶手段に記憶された文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が映像データ内に存在するか否かが解析されることにより、オープンキャプションが検出され、画像処理手段により、検出手段によって映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションが検出された場合に、当該オープンキャプション部分の映像における色を当該オープンキャプション部分に隣接する部分の色に変更する画像処理が行われるので、オープンキャプションが当該オープンキャプションに隣接する色により隠れることとなって、オープンキャプションを非表示化することができる。
また、放送局から伝送されたクローズドキャプションが地域放送局においてオープンキャプションに変換されて各家庭のテレビジョン放送受信装置に伝送されても、当該オープンキャプションを非表示化することができるので、放送局から伝送されたクローズドキャプションが常時表示されないこととなって、ユーザにとっては目障りであるという問題を解決することができる。
また、設定手段により、オープンキャプションの非表示が設定されるので、オープンキャプションの表示/非表示を切換設定することができ、より好適である。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、文字情報記憶手段により、テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報が記憶され、検出手段により、文字情報記憶手段に記憶された文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が映像データ内に存在するか否かが解析されることにより、オープンキャプションが検出され、画像処理手段により、検出手段によって映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションが検出された場合に、当該オープンキャプション部分の映像における色を当該オープンキャプション部分に隣接する部分の色に変更する画像処理が行われるので、オープンキャプションが当該オープンキャプションに隣接する色により隠れることとなって、オープンキャプションを非表示化することができる。
また、放送局から伝送されたクローズドキャプションが地域放送局においてオープンキャプションに変換されて各家庭のテレビジョン放送受信装置に伝送されても、当該オープンキャプションを非表示化することができるので、放送局から伝送されたクローズドキャプションが常時表示されないこととなって、ユーザにとっては目障りであるという問題を解決することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、文字情報記憶手段により、テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報が記憶され、検出手段により、文字情報記憶手段に記憶された文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が映像データ内に存在するか否かが解析されることにより、オープンキャプションが検出され、画像処理手段により、検出手段によって映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションが検出された場合に、当該オープンキャプション部分の映像を当該オープンキャプション部分における当該オープンキャプションが現れる直前の映像となるように映像データが画像処理されるので、オープンキャプションが当該オープンキャプションが現れる直前の映像により隠れることとなって、オープンキャプションを非表示化することができる。
また、放送局から伝送されたクローズドキャプションが地域放送局においてオープンキャプションに変換されて各家庭のテレビジョン放送受信装置に伝送されても、当該オープンキャプションを非表示化することができるので、放送局から伝送されたクローズドキャプションが常時表示されないこととなって、ユーザにとっては目障りであるという問題を解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図を参照して、本発明に係るテレビジョン放送受信装置を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置100の構成について図1,図2を参照しながら説明する。本実施形態に係るテレビジョン放送受信装置100は、例えば、図1,図2に示すように、アンテナ1,チューナ部2,復調部3,デコーダ4,HDD5,入力部6,制御部7等を備えて構成され、表示装置200,音出力装置300,レコーダ400等と接続されている。
【0013】
アンテナ1は、例えば、パラボラアンテナやUHFアンテナ等であり、FM放送,AM放送,地上波デジタル放送,BS・CS放送,地上波アナログ放送等のテレビジョン放送信号を含む放送波を受信し、FM信号,AM信号,地上波デジタル信号,BS・CS・地上波アナログ信号等のRF信号をチューナ部2に出力する。なお、CATV回線を介して放送波を受信する場合には、接続ケーブル(図示省略)等が備えられてもよい。
【0014】
チューナ部2は、ミキサ(図示省略),選局回路(図示省略),A/D変換回路(図示省略)等を備えて構成され、ミキサ,選局回路等により、アンテナ1から入力されたRF信号がユーザが所望するチャンネルのIF(Intermediate Frequency)信号に変換され、A/D変換回路により、生成されたIF信号がデジタルデータに変換される。
【0015】
復調部3は、例えば、チューナ部2から入力されるデジタルデータに復調処理等を行って、デコーダ4に出力する。
【0016】
デコーダ4は、例えば、復調部3から入力されるデジタルデータに復号処理等を行って映像データ,音声データ,クローズドキャプションデータを生成し、HDD5,表示装置200,音出力装置300レコーダ400等に出力する。
【0017】
HDD5は、例えば、磁気的記録媒体等を備えて構成され、デコーダ4から入力された映像データ及び音声データを記憶する。
【0018】
入力部6は、例えば、各種の操作信号を入力するための各種のキー等を備え、ユーザにより操作されることによって、各種の操作信号を制御部7に出力する。
より具体的には、入力部6は、オープンキャプションの表示/非表示を設定する操作信号を制御部7に出力し、設定手段として機能する。また、入力部6は、例えば、クローズドキャプションの表示/非表示を設定する操作信号を制御部7に出力する。
【0019】
制御部7は、例えば、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)8,RAM(Random Access Memory)9,記憶部10等を備えて構成される。
【0020】
CPU8は、例えば、記憶部10に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM9に展開して実行することにより、テレビジョン放送受信装置100全体の制御を行う。
【0021】
RAM9は、CPU8により実行された処理プログラム等を、RAM9内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
【0022】
記憶部10は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部10は、CPU8がテレビジョン放送受信装置100全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部10は、例えば、図2に示すように、フォントデータファイル10A,クローズドキャプション表示プログラム10B,オープンキャプション検出プログラム10C,塗りつぶしプログラム10D等を格納している。
【0023】
フォントデータファイル10Aは、例えば、テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報を記憶している。ここで、オープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさとは、通常の字幕に用いられている文字の形状と大きさであり、所定のフォント及び所定の大きさによって規定されている。記憶部10は、かかるフォントデータファイル10Aを格納することにより、文字情報記憶手段として機能する。
【0024】
クローズドキャプション表示プログラム10Bは、例えば、CPU8に、入力部6によりクローズドキャプションの表示が設定されている場合に、テレビジョン放送信号に含まれるクローズドキャプションデータを映像データに合成する機能を実現させるプログラムである。
【0025】
オープンキャプション検出プログラム10Cは、例えば、CPU8に、入力部6によりオープンキャプションの非表示が設定された場合に、フォントデータファイル10Aに記憶されている文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が映像データ内に存在するか否かを解析することにより、オープンキャプションを検出する機能を実現させるプログラムである。
具体的には、オープンキャプション検出プログラム10Cは、CPU8に、フォントデータファイル10Aに記憶されている文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が、映像データに基づく映像内に存在するか否かを判断し、当該文字のフォント及び大きさと一致する部分が映像データに基づく映像内に存在する場合には、当該文字をオープンキャプションとして検出する機能を実現させるプログラムである。
より具体的には、例えば、一フレームにおける映像データ内の所定の位置(例えば、オープンキャプションが挿入される可能性の高い位置)において、映像データに対して輪郭抽出処理を行って、文字対象データを抽出する。そして、抽出した文字対象データに基づく対称画像の形状及び大きさと、フォントデータファイル10Aに記憶されている文字情報中の文字のフォントにより規定される形状及び大きさとを比較して、一致する文字がある場合には、当該文字対象データがオープンキャプションであるとして検出する。
CPU8は、かかるオープンキャプション検出プログラム10Cを実行することにより、検出手段として機能する。
【0026】
塗りつぶしプログラム10Dは、例えば、CPU8に、オープンキャプション検出プログラム10Cを実行することにより、映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションを検出した場合に、当該オープンキャプション部分の映像における色を、当該オープンキャプション部分に隣接する部分の色に変更する画像処理を行う機能を実現させるプログラムである。CPU8は、かかる塗りつぶしプログラム10Dを実行することにより、画像処理手段として機能する。
【0027】
表示装置200は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)等の表示部等を備えて構成され、デコーダ4から出力される映像データに基づく映像を表示部に表示する。
【0028】
音出力装置300は、例えば、スピーカ等を備えて構成され、デコーダ4から出力される音声データに基づく音声を出力する。
【0029】
レコーダ400は、例えば、VCレコーダやDVDレコーダ等であって、デコーダ4から出力される映像データ及び音声データを記録媒体に記録する。
【0030】
次に、上述のような構成の第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置100のオープンキャプションを非表示化する動作について図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、CPU8は、入力部6により、オープンキャプションの非表示設定がされているか否かを判断する(ステップS1)。
ステップS1において、CPU8が、オープンキャプションの非表示設定がされていないと判断した場合には(ステップS1;No)、本処理を終了する。
ステップS1において、CPU8が、オープンキャプションの非表示設定がされていると判断した場合には(ステップS1;Yes)、CPU8は、オープンキャプション検出プログラム10Cを実行することにより、フォントデータファイル10Aに記憶されている文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が映像データ内に存在するか否かを解析する(ステップS2)。
【0031】
次に、CPU8は、ステップS2の解析を行うことにより、映像データに基づく映像内にオープンキャプションが検出されたか否かを判断する(ステップS3)。
ステップS3において、CPU8が、映像データに基づく映像内にオープンキャプションが検出されなかったと判断した場合には(ステップS3;No)、本処理を終了する。
ステップS3において、CPU8が、映像データに基づく映像内にオープンキャプションが検出されたと判断した場合には(ステップS3;Yes)、CPU8は、塗りつぶしプログラム10Dを実行することにより、オープンキャプション部分の映像における色を、当該オープンキャプション部分に隣接する部分の色に変更する画像処理を行って(ステップS4)、本処理を終了する。
【0032】
次に、本実施形態に係るテレビジョン放送受信装置100のオープンキャプションの非表示化の一例について、図4を参照しながら説明する。
例えば、図4(a)に示すように、映像の中央に通常の字幕に用いられる文字の大きさよりも大きい文字「A」,「B」,「C」が表示され、映像の下部に通常の字幕に用いられる文字のフォント及び大きさと一致する部分「Hi, I’m Jack.」が表示される映像データの場合、CPU8がステップS2の処理を行うことにより、通常の字幕に用いられる文字のフォント及び大きさと一致する部分である「Hi, I’m Jack.」がオープンキャプションとして検出される。一方、通常の字幕に用いられる文字の大きさよりも大きい文字である「A」,「B」,「C」は、オープンキャプションとして検出されない。
そして、CPU8がステップS4の処理を行うことにより、例えば、図4(b)に示すように、当該「Hi, I’m Jack.」の部分の映像における色が、「Hi, I’m Jack.」の文字に隣接する部分の色に変更される。
【0033】
以上に説明した本発明の第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置100によれば、フォントデータファイル10Aにより、テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報が記憶され、CPU8がオープンキャプション検出プログラム10Cを実行することにより、入力部6によってオープンキャプションの非表示が設定されている場合に、フォントデータファイル10Aに記憶された文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が映像データ内に存在するか否かが解析されることにより、オープンキャプションが検出され、CPU8が塗りつぶしプログラム10Dを実行することにより、映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションが検出された場合に、当該オープンキャプション部分の映像における色を当該オープンキャプション部分に隣接する部分の色に変更する画像処理が行われるので、オープンキャプションが当該オープンキャプションに隣接する色により隠れることとなって、オープンキャプションを非表示化することができる。
また、放送局から伝送されたクローズドキャプションが地域放送局においてオープンキャプションに変換されて各家庭のテレビジョン放送受信装置100に伝送されても、当該オープンキャプションを非表示化することができるので、放送局から伝送されたクローズドキャプションが常時表示されないこととなって、ユーザにとっては目障りであるという問題を解決することができる。
また、入力部6により、オープンキャプションの非表示が設定されるので、オープンキャプションの表示/非表示を切換設定することができ、より好適である。
【0034】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置500は、例えば、図5に示すように、記憶部11の構成のみが第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置100を異なるので、同一の構成については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0035】
記憶部11は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部11は、CPU8がテレビジョン放送受信装置500全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部11は、例えば、図5に示すように、フォントデータファイル10A,クローズドキャプション表示プログラム10B,オープンキャプション検出プログラム10C,塗りつぶしプログラム11D等を格納している。
【0036】
塗りつぶしプログラム11Dは、例えば、CPU8に、オープンキャプション検出プログラム10Cを実行することにより、映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションを検出した場合に、当該オープンキャプション部分の映像を、当該オープンキャプション部分の映像を当該オープンキャプション部分における当該オープンキャプションが現れる直前の映像となるように映像データを画像処理する機能を実現させるプログラムである。CPU8は、かかる塗りつぶしプログラム11Dを実行することにより、画像処理手段として機能する。
【0037】
次に、上述のような構成の第2の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置500のオープンキャプションを非表示化する動作について図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、CPU8は、入力部6により、オープンキャプションの非表示設定がされているか否かを判断する(ステップS101)。
ステップS101において、CPU8が、オープンキャプションの非表示設定がされていないと判断した場合には(ステップS101;No)、本処理を終了する。
ステップS101において、CPU8が、オープンキャプションの非表示設定がされていると判断した場合には(ステップS101;Yes)、CPU8は、オープンキャプション検出プログラム10Cを実行することにより、フォントデータファイル10Aに記憶されている文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が映像データ内に存在するか否かを解析する(ステップS102)。
【0038】
次に、CPU8は、ステップS102の解析を行うことにより、映像データに基づく映像内にオープンキャプションが検出されたか否かを判断する(ステップS103)。
ステップS103において、CPU8が、映像データに基づく映像内にオープンキャプションが検出されなかったと判断した場合には(ステップS103;No)、本処理を終了する。
ステップS103において、CPU8が、映像データに基づく映像内にオープンキャプションが検出されたと判断した場合には(ステップS103;Yes)、CPU8は、塗りつぶしプログラム11Dを実行することにより、当該オープンキャプション部分の映像を、当該オープンキャプション部分の映像を当該オープンキャプション部分における当該オープンキャプションが現れる直前の映像となるように映像データを画像処理し(ステップS104)、本処理を終了する。
【0039】
以上に説明した本発明の第2の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置500によれば、フォントデータファイル10Aにより、テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報が記憶され、CPU8がオープンキャプション検出プログラム10Cを実行することにより、フォントデータファイル10Aに記憶された文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が映像データ内に存在するか否かが解析されることにより、オープンキャプションが検出され、CPU8が塗りつぶしプログラム11Dを実行することにより、映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションが検出された場合に、当該オープンキャプション部分の映像を当該オープンキャプション部分における当該オープンキャプションが現れる直前の映像となるように映像データが画像処理されるので、オープンキャプションが当該オープンキャプションが現れる直前の映像により隠れることとなって、オープンキャプションを非表示化することができる。
また、放送局から伝送されたクローズドキャプションが地域放送局においてオープンキャプションに変換されて各家庭のテレビジョン放送受信装置500に伝送されても、当該オープンキャプションを非表示化することができるので、放送局から伝送されたクローズドキャプションが常時表示されないこととなって、ユーザにとっては目障りであるという問題を解決することができる。
また、入力部6により、オープンキャプションの非表示が設定されるので、オープンキャプションの表示/非表示を切換設定することができ、より好適である。
【0040】
なお、フォントデータファイル10Aに記憶される文字情報には、文字の色が含まれてもよい。
また、本実施形態では、放送局から伝送されたオープンキャプションの非表示化についてのみ記載したが、本発明に係るテレビジョン放送受信装置100,500は、放送局から伝送されたデジタル放送が地域放送局においてアナログ放送に変換されるのに伴って、地域放送局においてクローズドキャプションがオープンキャプションに変換された場合に、当該アナログ放送に含まれるオープンキャプションを非表示化してもよい。
また、CPU8がオープンキャプション検出プログラム10Cを実行することにより、一フレームにおける映像内にオープンキャプションである部分が検出された場合には、当該部分の横方向同一列の部分はオープンキャプションであるとして処理が行われてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係るテレビジョン放送受信装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置のオープンキャプションを非表示化する動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明に係るテレビジョン放送受信装置によるオープンキャプションの非表示化を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置のオープンキャプションを非表示化する動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
6 入力部(設定手段)
8 CPU(検出手段,画像処理手段)
10,11 記憶部(文字情報記憶手段)
10A フォントデータファイル(文字情報記憶手段)
10C オープンキャプション検出プログラム(検出手段)
10D,11D 塗りつぶしプログラム(画像処理手段)
100,500 テレビジョン放送受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン放送信号を受信し、当該テレビジョン放送信号に基づく映像データ及び音声データを出力するテレビジョン放送受信装置において、
前記テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報を記憶する文字情報記憶手段と、
オープンキャプションの非表示を設定する設定手段と、
前記設定手段によりオープンキャプションの非表示が設定された場合に、前記文字情報記憶手段に記憶された前記文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が前記映像データ内に存在するか否かを解析することにより、オープンキャプションを検出する検出手段と、
前記検出手段により、前記映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションが検出された場合に、当該オープンキャプション部分の映像における色を当該オープンキャプション部分に隣接する部分の色に変更する画像処理を行う画像処理手段と、
を備えることを特徴とするテレビジョン放送受信装置。
【請求項2】
テレビジョン放送信号を受信し、当該テレビジョン放送信号に基づく映像データ及び音声データを出力するテレビジョン放送受信装置において、
前記テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報を記憶する文字情報記憶手段と、
前記文字情報記憶手段に記憶された前記文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が前記映像データ内に存在するか否かを解析することにより、オープンキャプションを検出する検出手段と、
前記検出手段により、前記映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションが検出された場合に、当該オープンキャプション部分の映像における色を当該オープンキャプション部分に隣接する部分の色に変更する画像処理を行う画像処理手段と、
を備えることを特徴とするテレビジョン放送受信装置。
【請求項3】
テレビジョン放送信号を受信し、当該テレビジョン放送信号に基づく映像データ及び音声データを出力するテレビジョン放送受信装置において、
前記テレビジョン放送信号に含まれるオープンキャプションデータを表示する際の文字のフォント及び大きさに関する文字情報を記憶する文字情報記憶手段と、
前記文字情報記憶手段に記憶された前記文字情報中の文字のフォント及び大きさと一致する部分が前記映像データ内に存在するか否かを解析することにより、オープンキャプションを検出する検出手段と、
前記検出手段により、前記映像データに基づく映像に含まれるオープンキャプションが検出された場合に、当該オープンキャプション部分の映像を当該オープンキャプション部分における当該オープンキャプションが現れる直前の映像となるように映像データを画像処理する画像処理手段と、
を備えることを特徴とするテレビジョン放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−266718(P2007−266718A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85781(P2006−85781)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】