説明

テレビジョン

【課題】テレビジョンから放射されるノイズをなるべく減らすことを課題とする。
【解決手段】音声信号入力部2に入力されるアナログ音声信号SS1に対応した音量(VSs)と所定の音量(VSt)とを比較し、アナログ音声信号SS1に対応した音量(VSs)が所定の音量(VSt)を上回る場合に音声信号変換部3から外部出力音声信号SS2が供給されると該外部出力音声信号SS2を音声信号出力部4へ通す一方、アナログ音声信号SS1に対応した音量(VSs)が所定の音量(VSt)を上回らない場合に音声信号変換部3から音声信号出力部4への外部出力音声信号SS2を遮断可能な音声出力切替回路5をテレビジョン1に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器を接続可能なテレビジョンに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビジョン等のテレビジョンには、パーソナルコンピュータ(以下、PCとも記載)を外部に接続するためのPC入力モードを備えるモデルがある。このモデルは、PCから映像信号及び音声信号を入力し、該映像信号に基づいて映像を表示し、前記音声信号に基づいて音声を出力する。
また、デジタルテレビジョンには、デジタルの音声信号を入出力するためのS/PDIF(Sony Philips Digital Interface)端子を備えるモデルがある。このS/PDIF端子には、テレビジョンからのデジタルの音声信号に基づいて音声を出力するアンプ等が接続される。
【0003】
特許文献1に記載のテレビジョン等の消費電力低減回路は、電源トランスから電源供給を受けるマイコンと、電源トランスからそれぞれ制御部を介して電源供給を受ける複数のIC(集積回路)と、からなる。マイコンは、複数のICのそれぞれからステイタス情報を入力し、当該ステイタス情報に従ってスタンバイ状態に設定する。前記消費電力低減回路は、テレビジョン等のスタンバイ時又はスイッチオフ時に動作の不要なICに電源を供給しないことを目的として、マイコンからの制御信号によりスタンバイ状態に不要なICに接続された制御部のスイッチをオフとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−330674号公報
【特許文献2】特開2009−9532号公報
【特許文献3】特開2005−157948号公報
【特許文献4】特開2003−50652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スタンバイ時やスイッチオフ時でなくても、テレビジョンから放射されるノイズ(不要輻射)をなるべく減らすことは電波障害を抑制する観点から望ましい。特許文献1記載の技術は、スタンバイ時やスイッチオフ時でない時のノイズ低減が考慮されていない。
【0006】
なお、特許文献2〜4記載の技術は、テレビジョンでない。
特許文献2記載の情報処理装置は、バッテリの充電残容量を検出し、検出した充電残容量が設定値を上回っている場合にバッテリからUSBデバイスに電力を供給し、検出した充電残容量が設定値を下回っている場合にはバッテリからUSBデバイスに電力を供給しない。
【0007】
特許文献3記載の電力供給システムは、主装置の手動スイッチである2次側電源スイッチがユーザによりオンとされると副装置がオンとなり、2次側電源スイッチがユーザによりオフとされると副装置がオフとなる。
特許文献4記載の情報処理装置は、S/PDIF出力端子にプラグが接続されているか否かを検出し、S/PDIF出力端子にプラグが接続されていることを検出した場合にドライブICに電源を供給し、S/PDIF出力端子にプラグが接続されていないことを検出した場合にドライブICへの電源の供給を遮断する。
【0008】
いずれの特許文献2〜4記載の技術も、スタンバイ時やスイッチオフ時でない時のノイズ低減が考慮されていない。
【0009】
以上を鑑み、本発明は、テレビジョンから放射されるノイズをなるべく減らすことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、所定の外部機器を接続可能なテレビジョンにおいて、
前記外部機器からアナログ音声信号を入力するための音声信号入力部と、
該音声信号入力部に入力されるアナログ音声信号を外部出力音声信号に変換するための音声信号変換部と、
前記外部出力音声信号を外部へ出力するための音声信号出力部と、
前記音声信号入力部に入力されるアナログ音声信号に対応した音量と所定の音量とを比較し、前記アナログ音声信号に対応した音量が前記所定の音量を上回る場合に前記音声信号変換部から前記外部出力音声信号が供給されると該外部出力音声信号を前記音声信号出力部へ通す一方、前記アナログ音声信号に対応した音量が前記所定の音量を上回らない場合に前記音声信号変換部から前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号を遮断可能な音声出力切替回路とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、テレビジョンから放射されるノイズをなるべく減らすことができる。
請求項2〜7に係る発明では、テレビジョンから放射されるノイズをなるべく減らす好適な構成を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】テレビジョン1の回路構成の概略を例示するブロック図である。
【図2】音声出力切替回路5の回路構成の概略を例示するブロック図である。
【図3】音声出力切替回路5及び音声供給切替回路7の電気回路を例示する回路図である。
【図4】入力モード選択処理を例示するフローチャートである。
【図5】映像信号SV1入力検出の例を説明するための図であり、(a)は映像信号入力部9に入力される映像信号SV1に基づいた信号の電圧変化を例示する図、(b)は平滑後の信号の映像側平滑電圧を例示する図、(c)は映像信号SV1が入力されていないときの信号の電圧を例示する図、(d)は平滑後の信号の映像側平滑電圧を例示する図、である。
【図6】音声信号入力検出の例を説明するための図であり、(a)は増幅回路前段部に入力される音声信号の電圧変化を例示する図、(b)は平滑後の音声信号の音声側平滑電圧を例示する図、(c)は音声信号が入力されていない増幅回路前段部の電圧を例示する図、(d)は平滑後の音声信号の音声側平滑電圧を例示する図、である。
【図7】変形例に係る音声出力切替回路5の電気回路を示す回路図である。
【図8】変形例に係る音声出力切替回路5の電気回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)テレビジョンの概略:
図1に例示するテレビジョン(以下、TVとも記載)1は、テレビジョン本体101とリモコン(リモートコントロール装置)180とを備える薄型表示装置とされている。むろん、本発明を適用可能なTVは、液晶テレビジョンの他、プラズマテレビジョンといった薄型表示装置、受像管表示装置、記録再生装置が一体化されたテレビジョン、等のディスプレイでもよい。前記記録再生装置には、ハードディスク記録再生装置、BD(Blue-ray Disc)記録再生装置、DVD(Digital Versatile Disk)記録再生装置、ビデオデッキ、等が含まれる。
リモコン180は、リモコン側送受信装置、複数の操作ボタン(操作入力手段)、等を備え、テレビジョン本体101の外部において持ち運び可能とされている。
【0014】
上記TV1に例示されるテレビジョンは、所定の外部機器(200)を接続可能である。このテレビジョンは、
前記外部機器(200)からアナログ音声信号SS1を入力するための音声信号入力部2と、
該音声信号入力部2に入力されるアナログ音声信号SS1を外部出力音声信号SS2に変換するための音声信号変換部3と、
前記外部出力音声信号SS2を外部へ出力するための音声信号出力部4と、
前記音声信号入力部2に入力されるアナログ音声信号SS1に対応した音量(VSs)と所定の音量(VSt)とを比較し、前記アナログ音声信号SS1に対応した音量(VSs)が前記所定の音量(VSt)を上回る場合に前記音声信号変換部3から前記外部出力音声信号SS2が供給されると該外部出力音声信号SS2を前記音声信号出力部4へ通す一方、前記アナログ音声信号SS1に対応した音量(VSs)が前記所定の音量(VSt)を上回らない場合に前記音声信号変換部3から前記音声信号出力部4への前記外部出力音声信号SS2を遮断可能な音声出力切替回路5とを備える。
【0015】
アナログ音声信号SS1に対応した音量(VSs)が所定の音量(VSt)を上回る場合、音声信号変換部3から外部出力音声信号SS2が供給されると該外部出力音声信号SS2が音声信号出力部4へ通される。一方、アナログ音声信号SS1に対応した音量(VSs)が所定の音量(VSt)を上回らない場合、音声信号変換部3から音声信号出力部4への外部出力音声信号SS2が遮断可能とされている。
すなわち、外部出力音声信号SS2に変換されるアナログ音声信号SS1に対応した音量(VSs)が小さいとき、スタンバイ時やスイッチオフ時でなくても音声信号変換部3から音声信号出力部4への外部出力音声信号SS2が遮断可能とされている。これにより、スタンバイ時やスイッチオフ時でない時にテレビジョンから放射されるノイズ(不要輻射)が減り、電波障害が抑制される。
【0016】
上記テレビジョンは、
受信した放送信号に基づいた映像表示及び音声出力を行うための放送信号入力モードM1と、前記所定の外部機器(200)から信号を入力するための所定外部機器入力モード(M2)と、とを含む入力モードM0の中から一の入力モードの選択を受け付ける入力モード選択手段6と、
前記音声信号変換部3からの前記外部出力音声信号SS2を前記音声出力切替回路5へ供給するか前記音声信号出力部4へ供給するかを切り替えるための音声供給切替回路7と、
前記入力モードM0の中から前記所定外部機器入力モード(M2)が選択されている場合に前記音声供給切替回路7を前記音声出力切替回路5の側へ切り替える一方、前記所定外部機器入力モード(M2)が選択されていない場合に前記音声供給切替回路7を前記音声信号出力部4の側へ切り替える音声供給切替制御手段8とをさらに備えていてもよい。この構成は、テレビジョン1から放射されるノイズをなるべく減らすのに好適である。
【0017】
前記音声出力切替回路5は、
前記音声信号入力部2に入力されるアナログ音声信号SS1を増幅するための増幅回路21と、
該増幅回路21で増幅されたアナログ音声信号SS1を平滑するための平滑回路22と、
該平滑回路22で平滑された音声信号の平滑電圧VSsと前記所定の音量に相当する閾電圧VStとを比較する比較回路23と、
前記音声信号変換部3からの前記外部出力音声信号SS2の入力部41と前記音声信号出力部4への前記外部出力音声信号SS2の出力部42との間に設けられたスイッチング回路24とを備え、
該スイッチング回路24は、前記平滑電圧VSsが前記閾電圧VStを上回る場合の前記比較回路23からの出力により前記音声信号変換部3からの前記外部出力音声信号SS2を前記音声信号出力部4へ通す一方、前記平滑電圧VSsが前記閾電圧VStを上回らない場合の前記比較回路23からの出力により前記音声信号変換部3から前記音声信号出力部4への前記外部出力音声信号SS2を遮断してもよい。この構成も、テレビジョン1から放射されるノイズをなるべく減らすのに好適である。
【0018】
上記テレビジョンは、前記所定の外部機器(200)から映像信号SV1を入力するための映像信号入力部9をさらに備えていてもよい。この場合、前記音声出力切替回路5は、
前記映像信号入力部9に前記映像信号SV1が入力されているか否かを検出するとともに、前記音声信号入力部2に入力されるアナログ音声信号SS1に対応した音量(VSs)と所定の音量(VSt)とを比較し、
前記映像信号入力部9に前記映像信号SV1が入力されていると検出されているか、又は、前記アナログ音声信号SS1に対応した音量(VSs)が前記所定の音量(VSt)を上回る場合に前記音声信号変換部3から前記外部出力音声信号SS2が供給されると該外部出力音声信号SS2を前記音声信号出力部4へ通す一方、
前記映像信号入力部9に前記映像信号SV1が入力されていると検出されておらず、かつ、前記アナログ音声信号SS1に対応した音量(VSs)が前記所定の音量(VSt)を上回らない場合に前記音声信号変換部3から前記音声信号出力部4への前記外部出力音声信号SS2を遮断状態としてもよい。この構成も、テレビジョン1から放射されるノイズをなるべく減らすのに好適である。
ここで、映像信号の入力検出は、同期信号(水平同期信号及び垂直同期信号)の重畳された映像信号が入力されているか否かの検出、該映像信号から分離された同期信号又は映像信号が入力されているか否かの検出、等により行うことができる。
【0019】
前記音声出力切替回路5は、
前記音声信号入力部2に入力されるアナログ音声信号SS1を増幅するための増幅回路21と、
該増幅回路21で増幅されたアナログ音声信号SS1を平滑するための平滑回路22と、
該平滑回路22で平滑された音声信号の平滑電圧VSsと前記所定の音量(VSt)に相当する閾電圧VStとを比較する比較回路23と、
前記音声信号変換部3からの前記外部出力音声信号SS2の入力部41と前記音声信号出力部4への前記外部出力音声信号SS2の出力部42との間に設けられたスイッチング回路24と、
前記映像信号入力部9に入力される映像信号SV1に基づいた信号を平滑するための映像側平滑回路31と、
前記音声信号変換部3からの前記外部出力音声信号SS2の入力部41と前記音声信号出力部4への前記外部出力音声信号SS2の出力部42との間で前記スイッチング回路24と並列に設けられた映像側スイッチング回路32とを備え、
前記スイッチング回路24は、前記平滑電圧VSsが前記閾電圧VStを上回る場合の前記比較回路23からの出力により前記音声信号変換部3からの前記外部出力音声信号SS2を前記音声信号出力部4へ通す一方、前記平滑電圧VSsが前記閾電圧VStを上回らない場合の前記比較回路23からの出力により前記音声信号変換部3から前記音声信号出力部4への前記外部出力音声信号SS2を遮断し、
前記映像側スイッチング回路32は、前記映像側平滑回路31で平滑された信号の映像側平滑電圧VVsが所定の映像側閾電圧VVtを上回る場合に前記音声信号変換部3からの前記外部出力音声信号SS2を前記音声信号出力部4へ通す一方、前記映像側平滑電圧VVsが前記映像側閾電圧VVtを上回らない場合に前記音声信号変換部3から前記音声信号出力部4への前記外部出力音声信号SS2を遮断してもよい。この構成も、テレビジョン1から放射されるノイズをなるべく減らすのに好適である。
ここで、映像信号SV1に基づいた信号には、映像信号SV1から分離される同期信号(水平同期信号及び垂直同期信号)や映像信号、映像信号SV1そのもの、のいずれも含まれる。
【0020】
前記所定の外部機器はパーソナルコンピュータ200でもよく、前記外部出力音声信号SS2はデジタルの音声信号でもよい。この構成も、テレビジョン1から放射されるノイズをなるべく減らすのに好適である。
【0021】
(2)テレビジョンの構成:
図1に例示するテレビジョン本体101は、マイクロコンピュータ(マイコン)110、送受信装置119、表示手段120、アナログ音声出力回路139、音声出力切替回路5、音声供給切替回路7、PC用の映像信号入力部9、PC用の音声信号入力部2、入力端子141〜143、音声信号出力部4、等を備える。図1では、音声信号の流れを太い線で示している。
まず、表示手段120の各部を説明する。
【0022】
チューナ回路121は、例えば、マイコン110の制御により、PLL(Phase Lock Loop)シンセサイザ方式の選局方式で選局し、アンテナ122から受信したテレビジョン放送信号を高周波増幅し、増幅後の信号をヘテロダイン検波によって中間周波信号に変換する。中間周波増幅回路123は、チューナ回路121から前記中間周波信号を入力し、該中間周波信号を増幅して映像検波回路124へ出力する。映像検波回路124は、中間周波増幅回路123から入力される中間周波信号から復号映像信号及び音声信号を取り出す。復号映像信号には、輝度信号や搬送色信号や同期信号が含まれる。AGC(Automatic Gain Control)回路125は、映像検波回路124から同期信号を入力し、該同期信号の大きさ強さに応じたRF−AGC(Radio Frequency Automatic Gain Control)電圧およびIF−AGC(Intermediate Frequency Automatic Gain Control)電圧を生成する。
【0023】
信号処理部126は、入力切替部131、画像処理部132、音声信号変換部3、等を備え、主にLSI(画像処理IC)で構成される。信号処理部126は、入力される映像信号に対して所定の画像処理を行い、処理後の信号をドライバ127へ出力する。
入力切替部131は、入力モードに応じて入力する映像信号及び音声信号を切り替える。映像信号を入力するための映像入力端子には、D端子141、HDMI(high-definition multimedia interface)端子143、コンポーネント映像端子、S映像端子、コンポジット映像端子、等の端子を採用することができる。PC用の映像信号入力部9には、R(赤),G(緑),B(青)の色成分毎にアナログとされたRGB映像信号の入力端子等を採用することができる。HDMI端子143は、音声入力端子も兼ねている。本TV1は、音声入力端子として、PC200用の音声信号入力部2、記録再生装置301,302用の音声入力端子142,143、を備えている。音声信号入力部2は、PC(所定の外部機器)200からアナログ音声信号を入力するための音声入力端子等とすることができる。記録再生装置301,302には、ハードディスク記録再生装置、BD記録再生装置、DVD記録再生装置、ビデオデッキ、等が含まれる。
【0024】
画像処理部132は、映像信号の色変換部、ホワイトバランス調整部、ガンマ変換部、等を備え、入力切替部131から入力される映像信号を変換してドライバ127のためのデジタル映像信号を生成する。ホワイトバランス調整部やガンマ変換部は、例えば、R,G,Bの色成分毎にデジタルの階調値で表されるRGB映像信号に対して所定の処理を行い、ドライバ127のためのRGB映像信号を生成する。このため、色変換部は、入力される映像信号がRGB映像信号でなければRGB映像信号に色変換する。例えば、輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを有するYCbCr映像信号が入力されると、このYCbCr映像信号を公知の対応関係に従ってRGB映像信号に色変換する。
【0025】
本実施形態の音声信号変換部3は、入力切替部131から入力されるアナログ音声信号をデジタルの外部出力音声信号SS2に変換する。入力モードがPC入力モードM2である場合、音声信号入力部2に入力されるアナログ音声信号SS1がデジタルの外部出力音声信号SS2に変換される。音声信号変換部3からの外部出力音声信号SS2は、音声供給切替回路7へ出力される。少なくとも音声信号入力部2に所定の音量を上回るアナログ音声信号が入力されていると、デジタルの外部出力音声信号SS2が音声信号出力部4からデジタルの音声アンプ400等の音声出力機器へ出力される。音声信号出力部4は、外部出力音声信号SS2を外部へ出力するためのS/PDIF端子等とすることができる。
【0026】
また、入力切替部131から出力されるアナログ音声信号は、アナログ音声出力回路139へ出力される。アナログ音声出力回路139は、入力されるアナログ音声信号に対応した音声をスピーカから出力する。
【0027】
ドライバ127は、画像処理部132からのデジタルのRGB映像信号を入力し、液晶モジュール128を駆動するための駆動信号をRGB映像信号に従って生成し、この駆動信号を液晶モジュール128へ出力する。液晶モジュール128は、画面となる液晶パネル128a、液晶パネル128aを背面から照射するバックライト128b、入力される電源電圧から所定の高電圧を生成してバックライト128bに供給するインバータ128c、を備えている。液晶モジュール128は、ドライバ127からの駆動信号を入力し、この駆動信号に従ってバックライト128bを点灯させながら画面(液晶パネル128a)に映像を表示させる。
以上より、信号処理部126に入力される映像信号に対応した映像がTV1の画面(液晶パネル128a)に表示される。
【0028】
マイコン110は、内部のバスに接続されたCPU(Central Processing Unit)111、半導体メモリ112,113、時計回路114、OSD(On-Screen Display)回路115、I/O(入出力)回路、等を備えている。CPU111は、RAM(Random Access Memory)113をワークエリアとして利用しながらROM(Read Only Memory)112に書き込まれたテレビジョン用の制御プログラムを実行し、TV1全体の動作を制御する。ROM112には、コンピュータをTV1として機能させる複数のプログラムが書き込まれている。時計回路114は、現在時刻を計時し、一定時間毎に割込信号を生成してCPU111へ出力可能である。OSD回路115は、OSD画面の被重畳信号を生成して信号処理部126へ出力する。
マイコン110には、リモコン180と赤外線信号(無線信号)を送受信可能な送受信装置119等が接続されている。
【0029】
図2は、音声出力切替回路5の回路構成の概略を例示している。音声出力切替回路5は、概略、音声側音声出力切替回路20と映像側音声出力切替回路30とに分けられる。音声側音声出力切替回路20は、増幅回路21、音声側平滑回路22、比較回路23、音声側スイッチング回路24、を備えている。映像側音声出力切替回路30は、映像側平滑回路31、映像側スイッチング回路32、を備えている。
【0030】
図3は、音声出力切替回路5及び音声供給切替回路7の電気回路を例示している。
【0031】
増幅回路21は、オペアンプA1、コンデンサC1、抵抗回路R1〜R3、を有している。コンデンサC1は、一端が音声信号入力部2に接続され、他端が接続点P1を通って抵抗回路R1の一端に接続されている。コンデンサC1と音声信号入力部2との間に音声信号SS1を処理する回路が介在していてもよい。抵抗回路R1の他端は、グランドに接続されている。コンデンサC1と抵抗回路R1の接続点P1は、オペアンプA1の非反転入力端子に接続されている。抵抗回路R2は、一端がオペアンプA1の出力端子に接続され、他端がオペアンプA1の反転入力端子に接続されている。抵抗回路R3は、一端がオペアンプA1の反転入力端子に接続され、他端が接地されている。オペアンプA1の増幅倍率は、概略、抵抗回路R2の抵抗値r2を抵抗回路R3の抵抗値r3で除したr2/r3となる。例えば、r2=10Ω、r3=1kΩであれば、増幅倍率は概略100倍となる。オペアンプA1の正電源の電圧E1は、特に限定されないが、例えば15V程度とすることができる。
以上より、増幅回路21は、音声信号入力部2に入力されるアナログ音声信号SS1を増幅する。
【0032】
音声側平滑回路22は、抵抗回路R4、コンデンサC2、を有している。抵抗回路R4は、一端がオペアンプA1の出力端子に接続され、他端が接続点P2を通ってコンデンサC2の一端に接続されている。コンデンサC2の他端は、接地されている。
以上より、音声側平滑回路22は、増幅回路21で増幅されたアナログ音声信号SS1を平滑する。
【0033】
比較回路23は、コンパレータA2、抵抗回路R5,R6、を有している。抵抗回路R5は、一端が電圧E1の電源ラインに接続され、他端が分圧点(接続点)P3を通ってコンパレータA2の反転入力端子に接続されている。抵抗回路R6は、一端が分圧点P3を通ってコンパレータA2の反転入力端子に接続され、他端が接地されている。すなわち、コンパレータA2の反転入力端子には、抵抗回路R6の抵抗値r6を抵抗回路R5,R6の合計抵抗値r5+r6で除した分圧比に電圧E1を乗じた音声側閾電圧VStが入力される。例えば、r5=10kΩ、r6=100kΩ、E1=15Vであれば、VSt=約1.4Vとなる。一方、コンパレータA2の非反転入力端子には、音声側平滑回路の接続点P2の音声側平滑電圧VSsが入力される。
以上より、比較回路23は、音声側平滑回路22で平滑された音声信号の音声側平滑電圧VSsと所定の音量に相当する音声側閾電圧VStとを比較する。
【0034】
音声側スイッチング回路24は、トランジスタTR1,TR2、抵抗回路R7〜R9、を有している。抵抗回路R7は、一端がコンパレータA2の出力端子に接続され、他端が分圧点(接続点)P4を通ってnpn形トランジスタTR1のベースに接続されている。抵抗回路R8は、一端が分圧点P4を通ってトランジスタTR1のベースに接続され、他端が接地されている。すなわち、トランジスタTR1のベースには、抵抗回路R8の抵抗値r8を抵抗回路R7,R8の合計抵抗値r7+r8で除した分圧比の電圧が入力される。トランジスタTR1は、コレクタがpnp形トランジスタTR2のベースに接続され、エミッタが接地されている。外部出力音声信号SS2のスイッチングトランジスタTR2は、エミッタが外部出力音声信号SS2の入力部41に接続され、コレクタが外部出力音声信号SS2の出力部42に接続されている。抵抗回路R9は、一端がトランジスタTR2のエミッタに接続され、他端がトランジスタTR2のベースに接続されている。
以上より、音声側スイッチング回路24は、音声側平滑電圧VSsが音声側閾電圧VStを上回る場合の比較回路23からの出力により音声信号変換部3からの外部出力音声信号SS2を音声信号出力部4へ通す一方、音声側平滑電圧VSsが音声側閾電圧VStを上回らない場合の比較回路23からの出力により音声信号変換部3から音声信号出力部4への外部出力音声信号SS2を遮断する。
【0035】
上記音声側閾電圧VStは、外部機器から音声が入力されているか否かを判断するための目安の音量が表された電圧であり、0Vよりも大きい範囲で音声側平滑電圧VSsよりも低く設定すればよく、特に限定されないが、例えば30mV程度とすることができる。
【0036】
映像側平滑回路31は、コンデンサC3、抵抗回路R10,R11、を有している。抵抗回路R10は、一端が映像信号入力部9に接続され、他端が接続点P5を通ってnpn形トランジスタTR3のベースに接続されている。抵抗回路R10と映像信号入力部9との間には、映像信号から水平同期信号及び垂直同期信号を分離する公知の回路など映像信号SV1を処理する回路10が介在していてもよい。コンデンサC3は、一端が接続点P5を通ってトランジスタTR3のベースに接続され、他端が接地されている。抵抗回路R11は、一端がトランジスタTR3のベースに接続され、他端が接地されている。
以上より、映像側平滑回路31は、映像信号入力部9に入力される映像信号SV1に基づいた信号を平滑する。
【0037】
映像側スイッチング回路32は、トランジスタTR3,TR4、抵抗回路R12,R13、を有している。トランジスタTR3のコレクタはpnp形トランジスタTR4のベースに接続され、エミッタが接地されている。抵抗回路R12は、一端が電圧E2の電源ラインに接続され、他端が接地されている。正電源の電圧E2は、特に限定されないが、例えば5V程度とすることができる。外部出力音声信号SS2のスイッチングトランジスタTR4は、エミッタが外部出力音声信号SS2の入力部41に接続され、コレクタが外部出力音声信号SS2の出力部42に接続されている。すなわち、スイッチングトランジスタTR2,TR4は、OR回路を構成している。抵抗回路R13は、一端がトランジスタTR4のエミッタに接続され、他端がトランジスタTR4のベースに接続されている。
以上より、映像側スイッチング回路32は、映像側平滑回路31で平滑された信号の映像側平滑電圧VVsが所定の映像側閾電圧VVtを上回る場合に音声信号変換部3からの外部出力音声信号SS2を音声信号出力部4へ通す一方、映像側平滑電圧VVsが映像側閾電圧VVtを上回らない場合に音声信号変換部3から音声信号出力部4への外部出力音声信号SS2を遮断する。
【0038】
上記映像側閾電圧VVtは、外部機器から映像が入力されているか否かを判断するための目安の電圧であり、0Vよりも大きい範囲で映像側平滑電圧VVsよりも低く設定すればよく、特に限定されないが、例えば0.6V程度とすることができる。
なお、抵抗回路R1〜R13は、一つの抵抗器で構成されてもよいし、複数の抵抗器で構成されてもよい。コンデンサC1〜C3も、一つのコンデンサで構成されてもよいし、複数のコンデンサで構成されてもよい。
【0039】
音声供給切替回路7は、スイッチ回路で構成され、音声供給切替制御手段8とされるマイコン110からの指示信号に応じて音声信号変換部3からの外部出力音声信号SS2の供給先を切り替える。音声供給切替回路7の入力部は、音声信号変換部3の外部出力音声信号の出力部に接続されている。音声供給切替回路7の一方の出力部は、音声出力切替回路5の入力部41に接続されている。音声供給切替回路7の他方の出力部は、直接、音声信号出力部4に接続されている。従って、入力モードがPC入力モードM2に設定されている場合に供給先が音声出力切替回路5とされ、入力モードがPC入力モード以外のモードM1,M3に設定されている場合に供給先が音声信号出力部4とされる。これにより、PC入力モードM2以外の場合にはPC用の音声信号入力部2に所定音量を上回るアナログ音声信号が入力されていなくても音声信号変換部3から音声信号出力部4へのデジタルの外部出力音声信号が遮断されない。PC入力モードM2の場合には、PC用の音声信号入力部2に所定音量を上回るアナログ音声信号が入力されていなければ音声信号変換部3から音声信号出力部4へのデジタルの外部出力音声信号が遮断され、スタンバイ時やスイッチオフ時でない時であってもTV1から放射されるノイズ(不要輻射)が減る。
【0040】
(3)入力モード選択処理:
図4は、TV1で行われる入力モード選択処理をフローチャートにより例示している。本処理は、例えば、入力モードを選択するための所定の操作がリモコン180に対して行われたときに開始し、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。ここで、ステップS102〜S104の処理を行うマイコン110は、リモコン180とともに入力モード選択手段6を構成する。また、ステップS106〜S110の処理を行うマイコン110は、音声供給切替制御手段8を構成する。以下、「ステップ」の記載を省略する。
【0041】
処理を開始すると、TV1は、入力モードの操作入力を受け付ける(S102)。例えば、リモコン180の操作ボタンに設けた入力モード切替ボタンが押し操作される毎に「放送モード」(放送信号入力モードM1)、「HDMIモード」(外部入力モードM3)、「D端子モード」(外部入力モードM3)、「PC入力モード」(PC入力モードM2)、元の「放送モード」、の順に切り替え、リモコン180の操作ボタンに設けた確定ボタンが押し操作されたときの入力モードを現在の設定とすればよい。ここで、放送信号入力モードM1は、受信した放送信号に基づいた映像表示及び音声出力を行うための入力モードである。PC入力モードM2は、PC200から入力した映像信号及び音声信号に基づいた映像表示及び音声出力を行うための入力モードである。外部入力モードM3は、PC200以外の外部機器(記録再生装置301,302)から入力した映像信号及び音声信号に基づいた映像表示及び音声出力を行うための入力モードである。
なお、逆順に入力モードを切り替えるための入力モード逆順ボタンがリモコン180に設けられてもよい。
【0042】
S104では、選択された入力モードに対応するデータをRAM113に記憶する。図4には、「放送モード」が選択されたときに「1」が格納され、「HDMIモード」が選択されたときに「2」が格納され、「D端子モード」が選択されたときに「3」が格納され、「PC入力モード」が選択されたときに「4」が格納されることが示されている。
【0043】
S106では、全ての入力モードM0の中からPC入力モードM2が選択されているか否かを判断する。RAMに「4」が格納されているとき、すなわち、PC入力モードM2が選択されたとき、TV1は、音声供給切替回路7を音声側スイッチング回路24及び映像側スイッチング回路32の側(音声出力切替回路5の側)へ切り替え(S108)、入力モード選択処理を終了させる。一方、RAMに「4」が格納されていないとき、すなわち、PC入力モードM2が選択されていないとき、TV1は、音声供給切替回路7を音声信号出力部4の側へ切り替え、(S110)、入力モード選択処理を終了させる。
【0044】
(4)テレビジョンの動作、作用、及び、効果:
次に、TV1の動作、作用、及び、効果を説明する。
まず、入力モードM0の中からPC入力モードM2が選択されているものとする。この場合、音声供給切替回路7は音声出力切替回路5側に切り替えられ、音声信号変換部3からの外部出力音声信号SS2が音声出力切替回路5に供給される。
【0045】
図5(a)は、PC200から映像信号入力部9にアナログの映像信号SV1が入力されているときの映像信号SV1に基づいた水平同期信号のラインH−SYNCの電圧変化を例示している。ここで、図5(a)〜(d)において、横軸は時間軸、縦軸は電圧である。図5(a)に示すように、水平同期信号は、同期期間(例えば水平同期期間)に比較的低い電圧となり、残りの期間に比較的高い電圧となる方形波状の波形となる。映像信号入力部9に入力した映像信号SV1に基づいた水平同期信号は、映像側平滑回路31で平滑され、図5(b)に例示するように接続点P5において映像側平滑電圧VVsの信号となる。この映像側平滑電圧VVsはトランジスタTR3の映像側閾電圧VVtよりも高いため、トランジスタTR3がオンとなり、外部出力音声信号SS2のスイッチングトランジスタTR4のベースがグランド電位に引き込まれる。これにより、トランジスタTR4のエミッタ−コレクタ間が導通状態となり、音声信号変換部3からのデジタルの外部出力音声信号SS2が音声信号出力部4へ通される。すなわち、PC入力モードM2で映像側平滑電圧VVsが映像側閾電圧VVtを上回る場合、音声信号入力部2に入力されるアナログ音声信号SS1の状態にかかわらず、音声アンプ400等の外部のデジタル用音声出力機器から外部出力音声信号SS2に基づいた音声が出力される。
【0046】
図5(c)は、PC200から映像信号入力部9にアナログの映像信号SV1が入力されていないときの水平同期信号ラインH−SYNCの電圧変化を例示している。この場合、映像信号SV1は、比較的低い電圧が維持される。すると、図5(d)に例示するように、映像側平滑回路31で平滑された信号の映像側平滑電圧VVsは、トランジスタTR3の映像側閾電圧VVtよりも低くなる。このため、トランジスタTR3がオフとなり、外部出力音声信号SS2のスイッチングトランジスタTR4のベースがハイレベルの電圧となる。これにより、トランジスタTR4のエミッタ−コレクタ間が遮断状態となり、音声信号変換部3から音声信号出力部4へのデジタルの外部出力音声信号SS2が遮断される。すなわち、PC入力モードM2で映像側平滑電圧VVsが映像側閾電圧VVtを上回らない場合、音声信号入力部2に入力されるアナログ音声信号SS1の状態に応じて音声アンプ400等のデジタル用音声出力機器から外部出力音声信号SS2に基づいた音声が出力されたり出力されなかったりする。
【0047】
図6(a)は、PC200から音声信号入力部2に所定音量以上のアナログ音声信号SS1が入力されているときの接続点P1の電圧変化を例示している。ここで、図6(a)〜(d)において、横軸は時間軸、縦軸は電圧である。図6(a)に示すように、音声信号SS1は、比較的大きな振幅yを有する正弦波状に電圧が変化する波形となる。ここで、振幅yは、音声信号SS1の電圧における相加平均(図6(a)中、二点鎖線で図示)と最大値との差とする。音声信号入力部2に入力したアナログ音声信号SS1は、増幅回路21で増幅され、該増幅後に音声側平滑回路22で平滑され、図6(b)に例示するように接続点P2において音声側平滑電圧VSsの信号となる。音声側平滑電圧VSsは、振幅yが大きいほど高くなる。コンパレータA2の非反転入力端子の音声側平滑電圧VSsがコンパレータA2の音声側閾電圧VStよりも高いため、コンパレータA2の電圧出力がハイとなり、抵抗回路R7,R8の分圧点P4の電圧がハイとなる。この分圧点P4に接続されたトランジスタTR1のベースの電圧がハイとなることにより、トランジスタTR1がオンとなり、外部出力音声信号SS2のスイッチングトランジスタTR2のベースがグランド電位に引き込まれる。これにより、トランジスタTR2のエミッタ−コレクタ間が導通状態となり、音声信号変換部3からのデジタルの外部出力音声信号SS2が音声信号出力部4へ通される。すなわち、PC入力モードM2で音声側平滑電圧VSsが音声側閾電圧VStを上回る場合、映像信号入力部9に入力される映像信号SV1の状態にかかわらず、音声アンプ400等のデジタル用音声出力機器から外部出力音声信号SS2に基づいた音声が出力される。
【0048】
図6(c)は、PC200から音声信号入力部2に所定音量以上のアナログ音声信号SS1が入力されていないときの接続点P1の電圧変化を例示している。この場合、音声信号SS1は、振幅yが比較的小さいため、増幅回路21で増幅されて音声側平滑回路22で平滑されたときに電圧が比較的低い音声側平滑電圧VSsとなる。すると、図6(d)に例示するように、音声側平滑電圧VSsは、コンパレータA2の音声側閾電圧VStよりも低くなる。このため、トランジスタTR1がオフとなり、外部出力音声信号SS2のスイッチングトランジスタTR2のベースがハイレベルの電圧となる。これにより、トランジスタTR2のエミッタ−コレクタ間が遮断状態となり、音声信号変換部3から音声信号出力部4へのデジタルの外部出力音声信号SS2が遮断される。すなわち、PC入力モードM2で音声側平滑電圧VSsが音声側閾電圧VStを上回らない場合、映像信号入力部9に入力される映像信号SV1の状態に応じて音声アンプ400等のデジタル用音声出力機器から外部出力音声信号SS2に基づいた音声が出力されたり出力されなかったりする。
【0049】
以上より、PC入力モードM2の場合、映像信号入力部9に映像信号SV1が入力されていると検出されているか、又は、アナログ音声信号SS1に対応した音量(音声側平滑電圧VSs)が所定の音量(音声側閾電圧VSt)を上回れば、音声信号変換部3からの外部出力音声信号SS2が音声信号出力部4へ通される。
一方、映像信号入力部9に映像信号SV1が入力されていると検出されておらず、かつ、アナログ音声信号SS1に対応した音量(音声側平滑電圧VSs)が所定の音量(音声側閾電圧VSt)を上回らなければ、音声信号変換部3から音声信号出力部4への外部出力音声信号SS2が遮断状態とされる。この場合、音声信号変換部3から出力されるデジタルの外部出力音声信号SS2によるノイズ(不要輻射)が抑制される。従って、上述した技術により、TV1から放射されるノイズをなるべく減らすことができる。特に、デジタルの外部出力音声信号はEMI(Electromagnetic Interference)規格の周波数域に入ることが多いので、ノイズ(不要輻射)を減らすことは電波障害を抑制する観点から望ましい。
【0050】
なお、入力モードM0の中からPC入力モードM2以外の入力モードが選択されている場合、音声供給切替回路7は音声信号出力部4側に切り替えられ、音声信号変換部3からの外部出力音声信号SS2が直接、音声信号出力部4に供給される。従って、映像信号入力部9に入力される映像信号SV1の状態や、音声信号入力部2に入力される音声信号SS1の状態にかかわらず、音声信号変換部3からの外部出力音声信号SS2が音声信号出力部4に供給され、音声アンプ400等のデジタル用音声出力機器から外部出力音声信号SS2に基づいた音声が出力される。
【0051】
(5)変形例:
テレビジョンに接続される所定の外部機器は、パーソナルコンピュータのみならず、ゲーム機といったコンピュータ等でもよい。すなわち、所定外部機器入力モードでゲーム機といったコンピュータ等から信号を入力して外部出力音声信号を出力してもよい。
上記映像信号入力部は、アナログの映像信号を入力するのみならず、デジタルの映像信号を入力してもよい。この場合のテレビジョンも、本発明に含まれる。
上記音声信号変換部は、デジタルの外部出力音声信号を出力するのみならず、音声信号入力部に入力されるアナログ音声信号を別のアナログの外部出力音声信号に変換してもよい。この場合のテレビジョンも、本発明に含まれる。この場合、音声信号出力部は、アナログの外部出力音声信号を出力する。
上記音声出力切替回路は、様々な回路が考えられる。例えば、音声側平滑回路の前段の増幅回路は、省略することも可能である。音声側平滑回路の後段の比較回路も、トランジスタTR1のオンオフの閾電圧によっては省略可能である。むろん、音声側平滑回路の後段や映像側平滑回路の前段等に増幅回路を追加してもよい。音声側音声出力切替回路20のトランジスタTR1,TR2は、一つのスイッチング素子や一つのIC等とされてもよい。映像側音声出力切替回路30のトランジスタTR3,TR4も、一つのスイッチング素子や一つのIC等とされてもよい。
【0052】
図7に例示するように音声供給切替回路7及び音声供給切替制御手段8が設けられていないTVも、本発明に含まれる。例えば、上記音声信号変換部でパーソナルコンピュータからのアナログ音声信号のみが外部出力音声信号に変換される場合、音声信号変換部3からの外部出力音声信号SS2を直接、音声出力切替回路5に供給することにより、本発明が実施される。音声信号出力部4がパーソナルコンピュータ(所定の外部機器)専用の出力部である場合も、同様である。
【0053】
また、図8に例示するように映像側音声出力切替回路30が設けられていないTVも、本発明に含まれる。すなわち、アナログ音声信号SS1に対応した音量(音声側平滑電圧VSs)が所定の音量(音声側閾電圧VSt)を上回れば、音声信号変換部3からの外部出力音声信号SS2が音声信号出力部4へ通される。一方、アナログ音声信号SS1に対応した音量(音声側平滑電圧VSs)が所定の音量(音声側閾電圧VSt)を上回らなければ、映像信号入力部9に入力される映像信号SV1の状態に関係無く、音声信号変換部3から音声信号出力部4への外部出力音声信号SS2が遮断状態とされる。従って、TV1から放射されるノイズをなるべく減らすことができる。
【0054】
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、テレビジョンから放射されるノイズをなるべく減らすことができる。
【0055】
なお、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなるテレビジョンでも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
【0056】
また、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材及び構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材及び構成等と相互に置換可能な部材及び構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材及び構成等の代用として想定し得る部材及び構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0057】
1…テレビジョン、
2…音声信号入力部、3…音声信号変換部、4…音声信号出力部、
5…音声出力切替回路、
6…入力モード選択手段、7…音声供給切替回路、8…音声供給切替制御手段、
9…映像信号入力部、
20…音声側音声出力切替回路、
21…増幅回路、22…音声側平滑回路、23…比較回路、
24…音声側スイッチング回路、
30…映像側音声出力切替回路、
31…映像側平滑回路、32…映像側スイッチング回路、
41…外部出力音声信号の入力部、42…外部出力音声信号の出力部、
110…マイクロコンピュータ、
126…信号処理部、131…入力切替部、132…画像処理部、
180…リモートコントロール装置、
200…パーソナルコンピュータ(所定の外部機器)、
301,302…記録再生装置、400…音声アンプ、
SS1…アナログ音声信号、SS2…外部出力音声信号、
SV1…映像信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の外部機器を接続可能なテレビジョンにおいて、
前記外部機器からアナログ音声信号を入力するための音声信号入力部と、
該音声信号入力部に入力されるアナログ音声信号を外部出力音声信号に変換するための音声信号変換部と、
前記外部出力音声信号を外部へ出力するための音声信号出力部と、
前記音声信号入力部に入力されるアナログ音声信号に対応した音量と所定の音量とを比較し、前記アナログ音声信号に対応した音量が前記所定の音量を上回る場合に前記音声信号変換部から前記外部出力音声信号が供給されると該外部出力音声信号を前記音声信号出力部へ通す一方、前記アナログ音声信号に対応した音量が前記所定の音量を上回らない場合に前記音声信号変換部から前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号を遮断可能な音声出力切替回路とを備えることを特徴とするテレビジョン。
【請求項2】
受信した放送信号に基づいた映像表示及び音声出力を行うための放送信号入力モードと、前記所定の外部機器から信号を入力するための所定外部機器入力モードと、とを含む入力モードの中から一の入力モードの選択を受け付ける入力モード選択手段と、
前記音声信号変換部からの前記外部出力音声信号を前記音声出力切替回路へ供給するか前記音声信号出力部へ供給するかを切り替えるための音声供給切替回路と、
前記入力モードの中から前記所定外部機器入力モードが選択されている場合に前記音声供給切替回路を前記音声出力切替回路の側へ切り替える一方、前記所定外部機器入力モードが選択されていない場合に前記音声供給切替回路を前記音声信号出力部の側へ切り替える音声供給切替制御手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のテレビジョン。
【請求項3】
前記音声出力切替回路は、
前記音声信号入力部に入力されるアナログ音声信号を増幅するための増幅回路と、
該増幅回路で増幅されたアナログ音声信号を平滑するための平滑回路と、
該平滑回路で平滑された音声信号の平滑電圧と前記所定の音量に相当する閾電圧とを比較する比較回路と、
前記音声信号変換部からの前記外部出力音声信号の入力部と前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号の出力部との間に設けられたスイッチング回路とを備え、
該スイッチング回路は、前記平滑電圧が前記閾電圧を上回る場合の前記比較回路からの出力により前記音声信号変換部からの前記外部出力音声信号を前記音声信号出力部へ通す一方、前記平滑電圧が前記閾電圧を上回らない場合の前記比較回路からの出力により前記音声信号変換部から前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号を遮断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のテレビジョン。
【請求項4】
前記所定の外部機器から映像信号を入力するための映像信号入力部をさらに備え、
前記音声出力切替回路は、
前記映像信号入力部に前記映像信号が入力されているか否かを検出するとともに、前記音声信号入力部に入力されるアナログ音声信号に対応した音量と所定の音量とを比較し、
前記映像信号入力部に前記映像信号が入力されていると検出されているか、又は、前記アナログ音声信号に対応した音量が前記所定の音量を上回る場合に前記音声信号変換部から前記外部出力音声信号が供給されると該外部出力音声信号を前記音声信号出力部へ通す一方、
前記映像信号入力部に前記映像信号が入力されていると検出されておらず、かつ、前記アナログ音声信号に対応した音量が前記所定の音量を上回らない場合に前記音声信号変換部から前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号を遮断状態とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のテレビジョン。
【請求項5】
前記音声出力切替回路は、
前記音声信号入力部に入力されるアナログ音声信号を増幅するための増幅回路と、
該増幅回路で増幅されたアナログ音声信号を平滑するための平滑回路と、
該平滑回路で平滑された音声信号の平滑電圧と前記所定の音量に相当する閾電圧とを比較する比較回路と、
前記音声信号変換部からの前記外部出力音声信号の入力部と前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号の出力部との間に設けられたスイッチング回路と、
前記映像信号入力部に入力される映像信号に基づいた信号を平滑するための映像側平滑回路と、
前記音声信号変換部からの前記外部出力音声信号の入力部と前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号の出力部との間で前記スイッチング回路と並列に設けられた映像側スイッチング回路とを備え、
前記スイッチング回路は、前記平滑電圧が前記閾電圧を上回る場合の前記比較回路からの出力により前記音声信号変換部からの前記外部出力音声信号を前記音声信号出力部へ通す一方、前記平滑電圧が前記閾電圧を上回らない場合の前記比較回路からの出力により前記音声信号変換部から前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号を遮断し、
前記映像側スイッチング回路は、前記映像側平滑回路で平滑された信号の映像側平滑電圧が所定の映像側閾電圧を上回る場合に前記音声信号変換部からの前記外部出力音声信号を前記音声信号出力部へ通す一方、前記映像側平滑電圧が前記映像側閾電圧を上回らない場合に前記音声信号変換部から前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号を遮断することを特徴とする請求項4に記載のテレビジョン。
【請求項6】
前記所定の外部機器がパーソナルコンピュータであり、前記外部出力音声信号がデジタルの音声信号である、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のテレビジョン。
【請求項7】
受信した放送信号に基づいた映像表示及び音声出力を行うための放送信号入力モードと、パーソナルコンピュータから信号を入力するためのPC入力モードと、前記パーソナルコンピュータ以外の外部機器から信号を入力するための外部入力モードと、とを含む入力モードの中から一の入力モードの選択を受け付ける入力モード選択手段を備えるテレビジョンにおいて、
前記パーソナルコンピュータからアナログ音声信号を入力するための音声信号入力部と、
該音声信号入力部に入力されるアナログ音声信号をデジタルの外部出力音声信号に変換するための音声信号変換部と、
前記外部出力音声信号を外部へ出力するための音声信号出力部と、
前記音声信号入力部に入力されるアナログ音声信号を増幅するための増幅回路と、
該増幅回路で増幅されたアナログ音声信号を平滑するための音声側平滑回路と、
該音声側平滑回路で平滑された音声信号の音声側平滑電圧と所定の音量に相当する音声側閾電圧とを比較する比較回路と、
前記音声信号変換部からの前記外部出力音声信号の入力部と前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号の出力部との間に設けられた音声側スイッチング回路と、
前記パーソナルコンピュータから映像信号を入力するための映像信号入力部と、
該映像信号入力部に入力される映像信号に基づいた信号を平滑するための映像側平滑回路と、
前記音声信号変換部からの前記外部出力音声信号の入力部と前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号の出力部との間で前記音声側スイッチング回路と並列に設けられた映像側スイッチング回路と、
前記音声信号変換部からの前記外部出力音声信号を前記音声側スイッチング回路及び前記映像側スイッチング回路へ供給するか前記音声信号出力部へ供給するかを切り替えるための音声供給切替回路と、
前記入力モードの中から前記PC入力モードが選択されている場合に前記音声供給切替回路を前記音声側スイッチング回路及び前記映像側スイッチング回路の側へ切り替える一方、前記PC入力モードが選択されていない場合に前記音声供給切替回路を前記音声信号出力部の側へ切り替える音声供給切替制御手段とを備え、
前記音声側スイッチング回路は、前記音声側平滑電圧が前記音声側閾電圧を上回る場合の前記比較回路からの出力により前記音声信号変換部からの前記外部出力音声信号を前記音声信号出力部へ通す一方、前記音声側平滑電圧が前記音声側閾電圧を上回らない場合の前記比較回路からの出力により前記音声信号変換部から前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号を遮断し、
前記映像側スイッチング回路は、前記映像側平滑回路で平滑された信号の映像側平滑電圧が所定の映像側閾電圧を上回る場合に前記音声信号変換部からの前記外部出力音声信号を前記音声信号出力部へ通す一方、前記映像側平滑電圧が前記映像側閾電圧を上回らない場合に前記音声信号変換部から前記音声信号出力部への前記外部出力音声信号を遮断することを特徴とするテレビジョン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−44314(P2012−44314A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181780(P2010−181780)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】