説明

テレビ受像機用コンテンツへのアクセスを許可するためのシステム及び方法

テレビ受像機間でコンテンツ許可情報を転送する技術についてここに記述する。コンテンツ及びテレビ受像機関連機能に関する許可情報を携帯型記憶装置に安全に保存する。携帯型記憶装置は、移動し別のテレビ受像機に接続してその別のテレビ受像機に許可情報を転送できる。その別のテレビ受像機は携帯型記憶装置の許可情報にアクセスし、自宅のテレビ受像機が許可されたコンテンツ及び機能へのアクセスをユーザに許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ及びテレビ受像機の機能へのアクセスを許可するためのシステム、方法及び装置に関する。特に、テレビ受像機間でコンテンツ許可情報を転送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ番組配信システム(ケーブルテレビや衛星テレビの番組配信システム等)において、コンテンツは通常特定のテレビ受像機に対してアクセスが許可される。つまり、ユーザは購入したコンテンツを視聴できる場所に制約を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これは問題である。何故ならユーザはユーザ自身のテレビ受像機とは異なる場所で購入したコンテンツの視聴を望むこともあるからである。例えばユーザは、自身のアカウントでボクシング戦をペイパービュー(PPV)購入し、友人の家のより大きなテレビで視聴したいと希望する場合もある。しかしながらそのような希望する状況を実現させようとしても他の場所にあるテレビ受像機で購入したコンテンツを鑑賞することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
コンテンツ及びテレビ受像機関連機能に対する許可情報は、携帯型記憶装置に安全に保存される。この携帯型記憶装置は、移動して異なるテレビ受像機に接続し、その異なるテレビ受像機に許可情報を転送できる。その異なるテレビ受像機は、携帯型記憶装置内の情報にアクセスし、ユーザが自宅のテレビ受像機によるアクセスを許可されたコンテンツ及び機能に対するアクセスをユーザに許可する。
【発明の効果】
【0005】
このようにユーザは購入したコンテンツを異なる場所で視聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
同じ番号は、すべての図面において同じ構成要素又は同じタイプの構成要素を示す。
【図1】通信ネットワークの一実施形態を示す図である。
【図2】図1のテレビ受像機の一実施形態を示す図である。
【図3】図1のテレビ受像機の一実施形態のブロック図を示す図である。
【図4】映像出力装置の動作工程の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
少なくとも一実施形態では、テレビ受像機はテレビ番組配信ネットワークから番組を受信するネットワークインタフェースを含む。さらにテレビ受像機は、携帯型記憶装置を受ける入力インタフェースを含む。携帯型記憶装置は、第2テレビ受像機による出力が許可された番組の一部を特定するデータを保存する。テレビ受像機は、携帯記憶装置に保存されたデータにアクセスし、そのデータに基づき第2テレビ受像機で視聴が許可された番組の一部を特定し、視聴装置によって提供するように番組の該当部分を出力できるプロセッサをさらに含む。
【0008】
少なくとも一実施形態において、入力インタフェースは、携帯型記憶装置が接続されるように構成されたUSB(ユニバーサルシリアルバス)ポートを有する。携帯型記憶装置は、入力インタフェースに通信可能に接続されるUSBフラッシュメモリ装置等を有してもよい。入力インタフェースはUSBフラッシュメモリ装置に保存された許可情報にアクセスし、プロセッサはその許可情報を使用して特定のコンテンツに対するユーザアクセスを許可する。
【0009】
他の実施形態では、映像出力装置の動作方法を含む。方法は、第1映像出力装置の条件付きアクセスモジュールにおいて、この映像出力装置がアクセス権限を持たない未許可コンテンツを特定することを含む。方法はさらに、第1映像出力装置に通信可能に接続された携帯型記憶装置に保存されたデータへアクセスすることを含み、データは第2映像出力装置による出力が許可された未許可コンテンツの少なくとも一部を特定する。方法はさらに第1映像出力装置において未許可コンテンツの一部へのアクセス要求を受け入れ、データに基づきその未許可コンテンツの一部へのアクセスを許可することを含む。方法はさらに、視聴装置によって提供するように未許可コンテンツの一部を出力することを含む。
【0010】
図1は通信ネットワーク100の一実施形態を示す。通信ネットワーク100は、コンテンツ源102、テレビ番組配信システム104、テレビ受像機106A、106B、視聴装置108A、108B、リモコン110A、110B、携帯型記憶装置114を含む。これらの各構成要素について詳細を以下に述べる。通信ネットワーク100は記載を簡潔にするため示されない他の構成要素、部品、装置等を含んでもよい。
【0011】
コンテンツ源102は、コンテンツを受信し、生成し、単数又は複数のテレビ受像機106A、106Bへ送信できる。受信、処理、出力、送信されるコンテンツは、音声、映像、データ、情報、又はその他の形式を含むが、これらに限らずいかなる形式であってもよい。少なくとも一実施形態では、コンテンツ源102は、他の発信元から様々な形式やタイプのコンテンツを受信し、コンテンツを集約し、テレビ番組配信システム104を介してテレビ受像機106へコンテンツを送信する。コンテンツ源102は、ストリーミングテレビ番組、記録された音楽コンテンツ又は映像コンテンツ、電子番組表データ等を含む実質的にあらゆる形式及びタイプの情報を単数又は複数の発信源から受信できるものとする。
【0012】
少なくとも一実施形態では、コンテンツ源102は、許可情報を生成し、テレビ受像機106Aか106B又はその両方への送信を開始できる。例えばコンテンツ源102は、テレビ受像機106Aか106B又はその両方が特定のチャンネル、特定のチャンネルパック、ペイパービュー(PPV)コンテンツ、ビデオオンデマンド(VOD)コンテンツ等へのアクセスを許可する情報を生成してもよい。各テレビ受像機106Aは、テレビ受像機106Aから視聴装置108Aへの出力を許可されたコンテンツを特定する許可情報を保存する。
【0013】
テレビ番組配信システム104は、コンテンツ源102からのコンテンツをテレビ受像機106Aか106B又はその両方へ送信できる。テレビ番組配信システム104は、あらゆるタイプの有線(例えばケーブルやファイバ)か無線(例えば、携帯、衛星、マイクロ波及びその他の無線周波数)又はその両方の通信媒体及びあらゆる望まれるネットワークトポロジ(複数の媒体が利用される場合は複数のネットワークトポロジ)を有してもよい。テレビ番組配信システム104は、例として、地上波、ケーブル、衛星及びインタネットプロトコルのテレビ番組配信システムを含む。少なくとも一実施形態では、テレビ配信システム104は、複数のテレビ受像機106A及び106Bへコンテンツを放送又はマルチキャスト配信する。テレビ番組配信システム104は、例えばビデオオンデマンドコンテンツ等のコンテンツをアドレス指定可能なテレビ受像機106A又は106Bへ配信することも可能である。少なくとも一実施形態では、コンテンツ源102は、テレビ番組配信システム104の通信設備として組み入れてもよい。コンテンツ源102は、例として、オーバーザエアー(OTA)地上波通信設備、ケーブルテレビ配信ヘッドエンド、衛星テレビアップリンクセンタ、ブロードバンド又はインタネットサービス等を含む。テレビ番組配信システム104は、電子番組表データ等の映像コンテンツ以外も配信でき、それらはテレビ受像機106Aか106B又はその両方によって処理される。
【0014】
テレビ受像機106A、106Bは、テレビ番組配信システム104からコンテンツを受信し、受信したコンテンツを対応する視聴装置108A、108Bによって提供するように出力できる。少なくとも一実施形態では、各視聴装置108A、108Bはコンテンツをユーザ112に表示するように構成された表示装置(例えばテレビ)である。テレビ受像機106A、106Bは、あらゆる形式(例えば、アナログ又はデジタル)の音声/映像ストリームを受け取り、対応する視聴装置108A、108Bによって提供するように音声ストリーム及び映像ストリームを出力する。少なくとも一実施形態では、テレビ受像機106A、106Bは、セットトップボックス(例えば、衛星テレビ受像機、ケーブルテレビ受像機、地上波テレビ受像機、インターネットプロトコルテレビ受像機又はあらゆる他のタイプの受像装置及び変換装置)又はユーザ112に提供するため単数又は複数の音声出力ストリームか映像出力ストリーム又はその両方を処理し視聴装置へ提供する同様の機器である。テレビ受像機106A、106Bは、ユーザ112がテレビ受像機106A、106Bによって音声/映像コンテンツの出力を制御したり、電子番組表を見たり、録画/録音タイマを設定したりできるようにするメニューや他の情報を出力するようにさらに構成してもよい。
【0015】
視聴装置108A、108Bは、あらゆる形式の映像信号を受信及び出力できるあらゆるタイプの装置によって構成できる。視聴装置108A、108Bの例としての実施形態は、テレビ、コンピュータのモニタ、液晶(LCD)スクリーン、タッチスクリーン及びプロジェクタを含む。視聴装置108A、108Bとテレビ受像機106A、106Bはあらゆるタイプの有線又は無線インタフェースによって通信可能に接続される。視聴装置108A、108Bは、テレビ受像機106A、106Bへ通信可能に接続され、例えば同軸ケーブル、コンポーネントビデオケーブル又はコンポジットビデオケーブル、HDMIケーブル、VGAケーブル又はSVGAケーブル、ブルートゥース又はWiFi無線接続等によって接続できる。実施形態によっては、テレビ受像機106A、106Bと視聴装置108A、108Bとは、統合ケーブルカード機能を有するテレビ等のディスプレイ装置やテレビ受像機の機能を組み合わせた1台の装置として統合してもよい。
【0016】
ユーザ112は、リモコン110A、110B又はテレビ受像機106A、106Bに対応した他のタイプのデータ入力装置を使用してテレビ受像機106A、106Bを制御可能である。リモコン110A、110Bは、テレビ受像機106A、106Bによるコンテンツの出力をリモートで制御するように構成されたシステム又は装置を有する。例えば、リモコン110A、110Bは、ユーザ112から入力を受けるボタンを含んでもよい。少なくとも一実施形態では、リモコン110A、110Bは、ユーザ112から入力を受けるタッチパッドを含む。リモコン110A、110Bは、送信機、入力装置(例えばキーパッド)、リモコン110A、110Bの動作を制御するプロセッサ又は制御倫理を最低限含む。リモコン110A、110Bは、コンテンツの再生、コンテンツ内の時間的な移動(例えば、早送りや巻き戻し)、音量の調節、電子番組表へのアクセス、録画/録音時間の設定及び変更、テレビ受像機106A、106Bの基本設定の編集等を要求する指令をテレビ受像機106A、106Bに対して送信してもよい。実施形態によっては、リモコン110A、110Bは、リモートで視聴装置108A、108Bを制御するようにさらに構成してもよい。リモコン110A、110Bは、赤外線(IR)信号や高周波数(RF)信号等のあらゆるタイプの無線通信メディアを介してテレビ受像機106A、106Bか視聴装置108A、108B又はその両方と通信することができる。
【0017】
通信ネットワーク100は、携帯型記憶装置114も含む。携帯型記憶装置114は、テレビ受像機106A又は106Bと関連付けられた許可情報を安全に保存するよう構成される。携帯型記憶装置114は、テレビ受像機106A又は106Bのどちらかとインタフェース可能ないかなるタイプのデータ記憶装置として実装してもよい。例えば、携帯型記憶装置114は、テレビ受像機106A、106BのUSBポートに接続されるUSBフラッシュメモリ等として実装できる。少なくとも一実施形態では、携帯型記憶装置114は、USBドングル又はハードウェアキーとして実装してもよい。携帯記憶装置114は、希望する設計基準に応じてIEEE 1394、WiFi、ブルートゥース等の他のタイプの有線又は無線のコネクタを使用してテレビ受像機106A又は106Bとインタフェースすることもできる。
【0018】
上記のように、少なくとも一実施形態では、各テレビ受像機106A、106Bは各受像機が出力を許可されたコンテンツを示す許可情報を保存する。携帯型記憶装置114は、テレビ受像機106A、106B内に保存された許可情報と同一の情報又はテレビ受像機106A、106B内に保存された許可情報のサブセット又はそれに対応するデータを保存してもよい。例えばテレビ受像機106Aは、テレビ受像機106Aによる出力が許可されたコンテンツをまとめたデータを生成できる。まとめたデータは次に携帯型記憶装置114に保存され、別のテレビ受像機106Bによるコンテンツへのアクセスを許可するために使用される。
【0019】
少なくとも一実施形態では、携帯型記憶装置114は、テレビ受像機106Aに対応するように初期設定される。例えば、携帯型記憶装置114はテレビ受像機106Aに接続し、テレビ受像機106Aと動作するように初期化される。テレビ受像機106Aは携帯型記憶装置114へ保存するように許可情報を提供する。例えば、ユーザ112がボクシング戦のPPVイベントを注文すると、テレビ受像機106Aは、接続された携帯型記憶装置114へそのイベントに関する許可情報の保存を開始する。
【0020】
ユーザ112がそのイベントを別の場所で視聴したいと希望する場合、ユーザ112は携帯型記憶装置114をテレビ受像機106Bへ接続する。少なくとも一実施形態では、次にユーザ112はリモコン110Bを使用してテレビ受像機106Bを通したそのイベントへのアクセスを要求する。テレビ受像機106Bは携帯型記憶装置114に保存された許可情報にアクセスし、携帯記憶装置114に保存された許可情報に基づき、ユーザ112がテレビ受像機106Bでそのイベントにアクセスすることを許可するかどうか判断する。テレビ受像機106Bが、携帯型記憶装置に保存された許可情報に基づき、ユーザ112がイベントを視聴することが許可されていると判断した場合は、テレビ受像機106Bはユーザ112が要求したイベントを出力する。このようにユーザ112は許可済みコンテンツを別の場所で視聴できる。
【0021】
図2は、図1のテレビ受像機106Aの一実施形態を図示する。テレビ受像機106Aは通信インタフェース202、プロセッサ204、出力インタフェース206、制御インタフェース208、メモリ210及び入力インタフェース212を含む。テレビ受像機106Aの各部は、単数又は複数のデータバス214又はその他のタイプのデータ接続によって通信可能に接続される。テレビ受像機106Aは記載を簡潔にするために図示されないその他の構成要素、部品又は装置を含んでもよい。少なくとも一実施形態では、テレビ受像機106B(図1参照)は、テレビ受像機Aと同様に構成できることを理解されたい。
【0022】
通信インタフェース202は、テレビ番組配信システム104からコンテンツ及びその他のデータを受信できる。より具体的には、少なくとも一実施形態では、通信インタフェース202は、テレビ番組を含むテレビ信号を受信し、チューニングする。通信インタフェース202は、OTA(オーバージエアー)放送、DBS(直接放送衛星信号)、ケーブルテレビ信号又はIPTV信号を受信し、コンテンツをチューニングし、選択されたテレビ番組を抽出する。少なくとも一実施形態では、通信インタフェース202はテレビ受像機106によって使用される複数のチューナを有し、同時に複数のテレビ番組を出力か記録又はその両方をする。
【0023】
プロセッサ204は、テレビ受像機106Aの動作を制御できる。ここでの利用のようにプロセッサ204は、1台の処理装置又は相互運用可能な複数の処理装置を意味する。プロセッサ204の動作は、プロセッサ204で実行可能な指令によって制御してもよい。指令の例としては、ソフトウェア、プログラムコード、ファームウェアがある。プロセッサ204の様々な実施形態には、あらゆる形式のソフトウェアコードを実行するあらゆる種類のマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサが含まれる。プロセッサ204は、通信インタフェース202によるデータ及びコンテンツの受信、さらに出力インタフェース206による映像コンテンツの出力を制御する。少なくとも一実施形態では、プロセッサ204は電子番組表メニュー等のコンテンツ選択メニューを視聴装置108Aで提供するように生成できる。
【0024】
プロセッサ204はメモリ210に通信可能に接続される。メモリ210は、プロセッサ204の動作中にデータを保存できる。そのようなデータには、プロセッサ204によって実行されるソフトウェア及びファームウェアが含まれ、さらにプロセッサ204の動作中に生成されるシステムデータかプログラムデータ又はその両方も含む。メモリ210は、あらゆる種類のデジタルメモリ(あらゆる種類のROM(読み出し専用メモリ)、RAM、フラッシュメモリ等を含む)又はそれらの組み合わせを有してもよい。
【0025】
少なくとも一実施形態では、メモリ210は、テレビ受像機106Aが視聴装置108Aに出力することを許可された特定の番組を含む許可情報を有する。例えば、許可情報はテレビ受像機106Aによる出力を許可された特定のチャネルを指定する。さらに許可情報はテレビ受像機106Aが出力の権限を持つ、例えばペイパービュー(PPV)映画やビデオオンデマンドコンテンツ等の特定の番組を指定することもできる。少なくとも一つの実施形態では、テレビ番組配信ネットワーク104を通して、コンテンツ源102から許可情報を受信する。
【0026】
少なくとも一実施形態では、テレビ受像機106Aは、テレビ受像機106Aによって記録された映像信号を連続的に保存できる記録媒体(図2には図示せず)を任意で含んでもよい。記録媒体は、テレビ受像機106Aによって記録された映像信号を保存するために適したあらゆるタイプの不揮発性メモリによって構成できる。例としての保存媒体は、ハードドライブ(例えば、磁気メモリ)、フラッシュメモリ及びバッテリバックアップメモリ等を含む。少なくとも一実施形態では、記憶媒体はテレビ受像機106A内部に設けてもよい。他の実施形態では、記憶媒体はテレビ受像機106Aに対して外部に設けてもよい。さらにテレビ受像機106Aは、映像信号の保存用に内部と外部の保存媒体を組み合わせて利用することもできる。記録モードでは、プロセッサ204は出力インタフェース206によるコンテンツの受信及び保存媒体へのコンテンツの保存を制御できる。プロセッサ204は次にコンテンツ選択メニューを生成し、ユーザ112が記録されたコンテンツを視聴装置108Aによって再生するために選択可能にする。
【0027】
テレビ受像機106Aは、視聴装置108Aとのインタフェースとなる出力インタフェース206をさらに含む。より具体的には、出力インタフェース206は視聴装置108A(図1参照)によって提供するように情報を出力できる。出力インタフェース206は、音声データ、映像データ、A/V(音声/映像)データ、テキストデータ、画像等を含むあらゆるタイプの視聴用データを視聴装置108Aへ出力できる。他の実施形態では、出力インタフェース206は、コンピュータやサーバ等の他の構成要素、装置、部品へデータを送信できるネットワークインタフェースを有してもよい。出力インタフェース206は、テレビ受像機106Aのプロセッサ204か他の構成要素又はその両方からデータを受信し、視聴装置108A(図1参照)へ出力する。
【0028】
制御インタフェース208は、リモコン110A(図1参照)等の単数又は複数の入力装置とのインタフェースを持つ。入力装置は、データをテレビ受像機106Aに入力するあらゆるタイプの装置を含んでもよい。より具体的には、入力装置から受信したデータは、プロセッサ204の動作か視聴装置108Aへのデータ出力又はその両方を制御するために使用できる。制御インタフェース208とリモコン110Aは、USB、WiFi及び赤外線等を含むあらゆるタイプの有線又は無線接続によって通信可能に接続してもよい。実施形態によっては、制御インタフェース208はリモコン110Aからのあらゆるタイプの無線周波数通信又は赤外線通信を受信する無線受信機を有してもよい。
【0029】
入力インタフェース212は携帯型記憶装置114とのインタフェースを持つ。プロセッサ204からの指令に対応し、入力インタフェース212は、携帯型記憶装置114に保存されたデータにアクセスするか、携帯型記憶装置114へのデータの保存を開始するか、又はその両方を実行する。例えば、携帯型記憶装置114はUSBハードウェアキーを有し、入力インタフェース212はこのUSBハードウェアキーとインタフェースし、保存されたデータへのアクセスを要求してもよい。少なくとも一実施形態では、携帯型記憶装置114に保存されたデータは、テレビ受像機106Aの特定のコンテンツ、機能、アプリケーション等へアクセスするための許可情報を含む。実施形態によっては携帯型記憶装置114に保存されるデータはテレビ受像機106A、106B上で実行できるソフトウェアアプリケーションを含み、更にテレビ受像機106A、106Bによって提供される音声コンテンツ、映像コンテンツ、音声/映像コンテンツ、画像等も含む。
【0030】
携帯型記憶装置へのデータの保存
【0031】
少なくとも一実施形態では、テレビ受像機106Aは許可情報の携帯型記憶装置114への保存を開始する。例えば、テレビ受像機106Aを携帯型記憶装置114に対しホーム受像機として関連付け、メモリ210内に保存される許可情報を携帯型記憶装置114に保存される許可情報と同期させてもよい。少なくとも一実施形態では、携帯型記憶装置114は特定の時点において1台のテレビ受像機106A、106Bと関連付けてもよい。言い換えれば、携帯型記憶装置114は特定の時点において1台のテレビ受像機106A、106Bに対する許可情報を保存し、それによってユーザが携帯型記憶装置114上に同時に複数台のテレビ受像機106A、106Bに対する許可情報を保存することを防ぐ。同期処理は、携帯型記憶装置114に保存された許可情報の追加、削除、更新を含むが、それは携帯型記憶装置114とメモリ210とが最後に同期してから行なわれたメモリ210内の許可情報への変更による。
【0032】
少なくとも一実施形態では、携帯型記憶装置114に保存される許可情報はメモリ210内に保存される許可情報とミラーリングしてもよい。言い換えれば、プロセッサ204はメモリ210から携帯型記憶装置114への許可情報のコピーを実施する。実施形態によっては、携帯型記憶装置114に保存される許可情報はメモリ210に保存される許可情報のサブセットであってもよい。携帯型記憶装置114は、例えばPPVイベントや有料追加チャネル等の特定のコンテンツに対する許可情報を保存し、例えば基本受信チャネル等の他のコンテンツに対する許可情報は省略してもよい。
【0033】
少なくとも一実施形態では、メモリ210と携帯型記憶装置114との間の同期は、携帯型記憶装置114が入力インタフェース212と通信可能に接続されると自動的に実行される。言い換えれば、ユーザ112が携帯型記憶装置114をテレビ受像機106Aに接続すると、プロセッサ204は携帯型記憶装置114に保存された許可情報に対する修正を制御するように動作する。同期処理はユーザ112の要求に対応してテレビ受像機106Aによっても実行できることを理解されたい。例えば、ユーザ112はテレビ受像機106Aによって出力されるメニューを利用し、テレビ受像機106Aと携帯型記憶装置114との同期を要求してもよい。少なくとも一実施形態では、ユーザ112は携帯型記憶装置114に保存する許可情報を選択してもよい。例えばユーザ112は、携帯型記憶装置114に保存する特定のコンテンツに対応する許可情報を選択してもよい。
【0034】
コンテンツに対する許可情報に加えて、携帯型記憶装置114はテレビ受像機106Aの機能に対する許可情報を保存してもよい。例えば携帯型記憶装置114は、テレビ受像機106A、106Bで実行できるソフトウェアアプリケーションに対する許可情報を保存してもよい。それによりユーザ112は他のテレビ受像機106Bにランセンスが関連付けられたソフトウェアアプリケーションをテレビ受像機106Aで実行するように要求できる。ゲーム、映像編集ソフト、メッセージ用ソフトは、テレビ受像機106Aを通して使用できるソフトウェアアプリケーションのいくつかの例である。少なくとも一実施形態では、携帯型記憶装置114はあるテレビ受像機106Aから他のテレビ受像機へ転送されるソフトウェアアプリケーションを保存する。携帯型記憶装置114は、あるテレビ受像機106Aから他のテレビ受像機106Bへ転送できる映像、写真及び他のデータを保存してもよい。携帯型記憶装置114がアプリケーション、音声コンテンツ、映像コンテンツ、音声/映像コンテンツ及び画像等の他のデータを保存する場合、ユーザ112はテレビ受像機106Aのメニューを使用して携帯型記憶装置114に保存するデータを特定してもよい。
【0035】
少なくとも一実施形態では、携帯型記憶装置114に保存されるデータは暗号化された形式で保存してもよい。その場合、携帯記憶装置114に保存されたデータに許可を受けてアクセス及び修正することは、より難しくなる。少なくとも一実施形態では、携帯型記憶装置114は、保存されたデータに対するアクセス及び修正を特定の機器かソフトウェアアプリケーション又はその両方に制限するハードウェア構成要素を含んでもよい。例えば、プロセッサ204は認証信任状を携帯型記憶装置114へ供給し、プロセッサ204を介してテレビ受像機106Aによる携帯型記憶装置114に保存されたデータへのアクセスを許可する。
【0036】
携帯型記憶装置からのデータの検索
【0037】
テレビ受像機106A、106Bによって携帯型記憶装置114へデータが一旦保存されると、そのデータはユーザ112による特定のコンテンツへのアクセスを許可するため他のテレビ受像機106A、106Bによって利用できる。例えば、携帯型記憶装置114はテレビ受像機106Bによる出力を許可されたコンテンツに対する許可情報を保存してもよい。携帯型記憶装置114は入力インタフェース212に接続し、インタフェース212はそこに保存された許可情報にアクセスできる。
【0038】
少なくとも一実施形態では、プロセッサ204は携帯型記憶装置114に保存された許可情報を処理し、テレビ受像機106Aを通してどのコンテンツへのアクセスをユーザ112に許可するかを判断する。携帯型記憶装置114に保存された許可情報はメモリ210に保存された許可情報を補うために利用してもよい。つまり、テレビ受像機106Aがある特定のコンテンツの出力を許可されておらず、一方携帯型記憶装置114に保存された許可情報がそのコンテンツへのアクセスの許可を示す場合、プロセッサ204は携帯型記憶装置114がテレビ受像機106Aに接続されている間はそのコンテンツを出力するように動作できる。
【0039】
少なくとも一実施形態では、プロセッサ204は制御インタフェース208を介して特定のコンテンツへのアクセスを要求する入力を受信する。プロセッサ204は、メモリ210に保存された第1許可情報にアクセスし、そのコンテンツがテレビ受像機106Aによる出力を許可されているかどうかを判断する。メモリ210に保存された許可情報によるとプロセッサ204はそのコンテンツを出力する権限がない場合、次にプロセッサ204は携帯型記憶装置114に保存された第2許可情報にアクセスし、そのコンテンツの出力が許可されているかどうかを判断する。第2許可情報がプロセッサ204はそのコンテンツを出力する権限があると示す場合、プロセッサ204は出力インタフェース206による視聴装置108Aへのコンテンツの出力を制御するよう動作する。
【0040】
例えば、テレビ受像機106Aは表1に示すテレビチャネルを受信する。さらに表1は、テレビ受像機106Aによる出力を許可された特定のチャネル及びテレビ受像機106Bによる出力を許可された特定のチャネルを示す。テレビ受像機Aに許可されたチャネルに対する許可情報はメモリ210に保存され、テレビ受像機106Bに許可されたチャネルに対する許可情報は携帯型記憶装置114に保存される。
【0041】
【表1】

表1:各テレビ受像機に対し許可されたチャネル
【0042】
表1に示すように、テレビ受像機106Aはチャネル2、3、5、8へアクセスする権限を持ち、チャネル4、6、7へアクセスする権限は持たない。チャネル2、3、5、8への許可情報はメモリ210に保存される。テレビ受像機106Bは、チャネル4、6へアクセスする権限をさらに持つが、チャネル7へアクセスする権限は持たない。テレビ受像機106Bによってアクセス可能なチャネルに関する許可情報は携帯型記憶装置に保存される。
【0043】
ユーザ112がチャネル2、3、5、8へのアクセスを要求すると、プロセッサ204はメモリ210内の許可情報を検索して確認しユーザ112から要求されたコンテンツを出力する。ユーザ112がチャネル4又は6へのアクセスを要求した場合は、メモリ210に保存された情報によるとプロセッサ204はコンテンツを出力する権限を持たない。しかしながらプロセッサ204は、携帯型記憶装置からの許可情報の検索を実施し、コンテンツの出力が許可されていることを確認する。次にプロセッサ204は要求されたチャネル4又は6の一方の出力を開始する。ユーザ112がチャネル7へのアクセスを要求した場合は、プロセッサ204はメモリ210に保存された第1許可情報と携帯型記憶装置114に保存された第2許可情報の両方をチェックする。どちらの許可情報も要求チャネルの出力に対する権限をテレビ受像機106Aへ与えないので、プロセッサ204はチャネル7のコンテンツを出力しない。
【0044】
少なくとも一実施形態では、プロセッサ204は携帯型記憶装置114から許可情報を取得し、メモリ210に保存されたアクセスマトリックス又はデータベースを変更する。アクセスマトリックスは携帯型記憶装置114内の許可情報によって指定される特定のコンテンツをテレビ受像機106Aによって出力する一時的な権限を示す。携帯型記憶装置114がその後取り外されると、プロセッサ204はマトリックス又はデータベースを更新し、テレビ受像機106Aは携帯型記録装置114内に指定されたコンテンツにアクセスする権限をもう持たないことを示す。少なくとも一実施形態では、プロセッサ204は携帯型記憶装置114へ定期的にクエリを送り装置114が入力インタフェース212へ通信可能にまだ接続されているか確認する。入力インタフェース212は携帯型記憶装置114の切断を検出し、その旨プロセッサに通知するように動作してもよい。
【0045】
ソフトウェアアプリケーション
【0046】
上述した通り携帯型記憶装置114は、テレビ受像機106Aによって実行可能なソフトウェアアプリケーションへのアクセスに対する許可情報を保存できる。例えばテレビ受像機106Aは、ユーザ112がアクセスできるように様々なソフトウェアアプリケーションを記録媒体に保存できる。ただしアプリケーションはユーザ112が適切なライセンスを購入するまでアクセス不可としてもよい。少なくとも一実施形態では、ユーザ112はプロセッサ204によって生成されたメニューから複数のアプリケーションの内の1つへのアクセスを要求する。プロセッサ204はメモリ210及び携帯型記憶装置をチェックし、ソフトウェアアプリケーションの実行を許可すべきかどうか確認する。適切な許可情報が携帯型記憶装置114にある場合は、プロセッサ204はソフトウェアアプリケーションの実行を許可する。
【0047】
少なくとも一実施形態では、ソフトウェアアプリケーション及びあらゆる許可情報は、両方とも携帯型記憶装置114に保存してもよい。携帯型記憶装置114が入力インタフェース212に接続されると、プロセッサ204はメニューを出力し、ユーザが実行するソフトウェアアプリケーションを選択できるようにする。次にプロセッサ204は携帯型記憶装置114内のソフトウェアアプリケーションファイルにアクセスして実行する。
【0048】
携帯型記憶装置に保存されるコンテンツ
【0049】
少なくとも一実施形態では、携帯型記憶装置114はテレビ受像機106によって提供されるあらゆるタイプのコンテンツを保存できる。例えば、音声コンテンツ、映像コンテンツ、音声/映像コンテンツ、画像及び電子書籍等を携帯型記憶装置114に保存できる。プロセッサ204は携帯型記憶装置114に保存されたデータへアクセスし、視聴装置108Aによって提供されるコンテンツを出力する。少なくとも一実施形態では、コンテンツは暗号化された形式で携帯型記憶装置114に保存され、プロセッサ204によって携帯型記憶装置114に保存されたコンテンツを復号化する。
【0050】
場合によっては、携帯型記憶装置114に保存されたコンテンツは、携帯型記憶装置114内にアクセス制限を持つ。このように、携帯型記憶装置114に保存されたコンテンツへのアクセスを許可する許可情報があってもよい。許可情報は携帯型記憶装置114に保存され、コンテンツへのアクセス要求に対応してプロセッサ204によってアクセスされる。プロセッサ204が許可情報を認証した場合は、出力インタフェース206は視聴装置108Aによって提供するように携帯型記憶装置114に保存されたコンテンツを出力する。
【0051】
図3は、図1に示すテレビ受像機の一実施形態のブロック図を示す。図3について、図1の通信ネットワーク100を参照して説明する。テレビ受像機106Cについて衛星テレビ受像機に関連して説明する。ただし、ここで説明する技術は他のタイプのテレビ受像機にも適応できることを理解されたい。テレビ受像機106Cは、チューナ302、番組識別子(PID)フィルタ304、条件付きアクセスシステム306、ハードウェアキー308、音声/映像デコーダ310及び出力インタフェース312を含む。以下にこれらの各構成要素の詳細を示す。テレビ受像機106Cは記載を簡潔にするため示されない他の構成要素、部品、装置等を含んでもよい。
【0052】
チューナ302は、コンテンツ源102(図1参照)から衛星トランスポートストリームを受信する。より具体的には、衛星トランスポートストリーム320は、テレビ番組配信システム104の複数の中継器に関連付けられたデータを含む。ユーザ112はテレビ受像機106Cに入力を行ない、特定のテレビチャンネルの視聴を要求する。例えばユーザ112は、テレビ受像機106Cに付随のリモコン110Aを使用して視聴するチャネルを選択してもよい。チューナ302は選択されたチャネルを放送する中継器を特定し、その特定の中継器に関付けられたデータを抽出し、中継器トランスポートストリーム322を生成する。少なくとも一実施形態では、テレビ受像機106Cは複数のチューナを有し、テレビ番組配信ネットワーク104の複数の中継器で放送される複数のテレビ番組を同時にチューニングする。
【0053】
中継器トランスポートストリーム322は、テレビ番組プロバイダの複数のチャネルに関連付けられた番組及び電子番組表データ等の他のデータを含んでもよい。例えばトランスポートストリームは、スポーツチャネル、映画チャネル、ニュースチャネル、電子番組表データ及び多重送信される権限制御メッセージ(ECM:Entitlement Control Message)と権限管理メッセージ(EMM:Entitlement Management Message)を含んでもよい。少なくとも一実施形態では、中継器トランスポートストリーム322内の音声/映像コンテンツは、例えばMPEG−2やMPG−4形式等の圧縮形式で受信される。中継器トランスポートストリーム322内のデータの一部を暗号化し、中継トランスポートストリーム322内のデータの他の部分は暗号化しなくてもよい。中継トランスポートストリーム322内の様々な要素は一意のPIDによって特定できる。例えば、スポーツチャネルと関連付けられた映像データを第1PIDと関連付け、スポーツチャネルと関連付けられた音声データを第2PIDと関連付けてもよい。同様に、コンテンツを復号化するために使用される制御語をトランスポートストリームの第3PIDと関連付けてもよい。
【0054】
少なくとも一実施形態では、チューナ302は中継器トランスポートストリーム322をPIDフィルタ304へ送信する。PIDフィルタ304は視聴するためにユーザ112によって選択された特定のチャネルに関連付けられたPIDストリームを抽出し、フィルタされたトランスポートストリーム324を生成する。PIDフィルタ304は、選択されたPIDを含むフィルタされたトランスポートストリーム324をストリーム内の暗号化された音声/映像コンテンツを復号化するために条件付きアクセスシステム306へ供給する。例えばPIDフィルタは、選択されたチャネル(例えば映画チャネルやスポーツチャネル)に関連付けられた番組を中継器トランスポートストリーム322から抽出し、フィルタされたトランスポートストリーム324を生成する。少なくとも一実施形態では、中継器トランスポートストリーム322は暗号化しない部分を含み、チューナ302は音声/映像デコーダ310と通信可能に接続され中継器トランスポートストリーム322を音声/映像デコーダ310へ供給する。
【0055】
少なくとも一実施形態では、条件付きアクセスシステム306はスマートカード(図3にて図示せず)とのインタフェースを提供し、フィルタされたトランスポートシステム324を復号化してもよい。フィルタされたトランスポートストリーム324は暗号化された音声/映像コンテンツ(例えば、特定の番組に関連付けられた音声データ及び映像データ)、さらに音声/映像ストリームを復号化するために使用される暗号化キー情報を含んでもよい。実施形態によっては、映像データは暗号化し、音声データは暗号化しなくてもよい。この場合、少なくとも一実施形態では、フィルタされたとトランスポートストリーム324は暗号化された映像データを含むが音声データは含まない。暗号化キー情報は、例えばECMやEMM等を含んでもよく、それらはフィルタされたトランスポートストリーム324内の暗号化された音声/映像ストリームを復号化するために利用される。EMMは、コンテンツプロバイダによるサービスの許可に関連する。基本的にEMMは、特定のテレビ受像機106C又はテレビ受像機106Cの特定のグループ(例えば特定の地理的地域)に対して指定されたサービス(例えば特定のテレビ番組)へのアクセスを許可する。EMM及びECMは制御語を導くために使用され、制御語は選択された音声/映像コンテンツの復号化用の入力として使用される。EMM及びECMは、望まれる設計基準に従ってテレビ番組配信システム104のオペレータによって適宜更新される。
【0056】
条件付きアクセスシステム306は、ハードウェアキー308とのインタフェースを提供し、ハードウェアキー308は、テレビ受像機106B(図1参照)等の他のテレビ受像機に関する許可情報326を保存する。条件付きアクセスシステム306は適切なインタフェースハードウェア(USBインタフェース等)を介してハードウェアキー308に通信可能に接続される。少なくとも一実施形態では、条件付きアクセスシステム306はハードウェアキー308を受けるソケットを含む。ハードウェアキー308は、権限メッセージや復号化キー等の許可情報326をさらに処理するため条件付きアクセスシステム306へ供給してもよい。条件付きアクセスシステム306は、この許可情報を使用し、フィルタされたトランスポートストリーム324内のユーザ112から要求された一部へのアクセスを許可する。例えば、条件付きアクセスシステム306はハードウェアキー308から受けた許可情報326を利用し、EMM及びECM内の情報を復号化し制御語を導く。制御語はフィルタされたトランスポートシステム324内の暗号化された音声/ビデオコンテンツをスクランブル解除するためのキーである。
【0057】
復号化処理によって、圧縮ストリーム332等の非暗号化音声/映像コンテンツが生成される。条件付きアクセスシステム306は圧縮された音声/映像ストリーム332をさらに処理するため音声/映像デコーダ310へ出力する。少なくとも一実施形態では、トランスポートストリームマルチプレクサ等の他の要素によって、音声/映像デコーダ310に入力するために、中継器トランスポートストリーム322と圧縮ストリーム332等の複数の入力をまとめてもよい。
【0058】
音声/映像デコーダ310は圧縮ストリーム332を受け、関連付けられたコンテンツをデコードし、非圧縮ストリーム334を生成する。少なくとも一実施形態では、音声/映像デコーダ310は、音声デコーダ及び映像デコーダ等、個別の入力を受け、望まれる設計基準に従って例えば音声構成要素及び映像構成要素等の非圧縮出力構成要素を個別に供給する。出力インタフェース312は、非圧縮ストリーム334を受け音声/映像要素を適切な形式に変換し、出力のため視聴装置108へ出力する。少なくとも一実施形態では、出力インタフェース312は、出力ストリーム336を単数又は複数の音声/映像形式に変調するモジュレータとして組み入れられる。出力インタフェース312は、コンポジット映像、コンポーネント映像、RF変調、インタネットプロトコル(IP)ストリーム、SCART、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)を含む視聴装置108によって認識可能な形式で出力ストリーム336を出力する回路を組み入れてもよい。
【0059】
図4は、映像出力装置の動作工程の一実施形態を示す。特に図4の工程は、特定のコンテンツに対する許可情報をあるテレビ受像機から他のテレビ受像機へ転送することに関する。図4の工程は、記載を簡潔にするため示されない他の操作を含んでもよい。
【0060】
工程は、第1映像出力装置の条件付きアクセスモジュールにおいて、映像出力装置がアクセス権限を持たない未許可コンテンツの特定を含む(ステップ402)。例えば、映像出力装置は、映像出力装置が出力を許可されたコンテンツを指定する第1許可情報を保存してもよい。映像出力装置は、外部サーバを介してアクセスされる又は映像出力装置にローカルで保存された特定のチャネル、PPVコンテンツ、VODコンテンツの出力を許可されない場合もある。
【0061】
工程は第1映像出力装置と通信可能に接続された携帯型記憶装置に保存されたデータへアクセスすることを含む(ステップ404)。データは、第2映像出力装置による出力を許可され、第1映像出力装置では未許可のコンテンツを少なくとも一部指定する。データは第2許可情報、ライセンス情報、復号化キー、権限メッセージ等であってもよい。映像出力装置は、ユーザが視聴用に選択できるコンテンツを指定する一時的な許可マトリックス、データベース等を構築してもよい。少なくとも一実施形態では、許可マトリックスはユーザに出力するコンテンツ選択メニューを生成するために使用する。少なくとも一実施形態では、一時的な許可マトリックスは、携帯型記憶装置が映像出力装置に接続されている限り有効である。携帯型記憶装置が映像出力装置から切断されると、第2許可情報に指定されたアクセスパラメータの削除に基づき変更される。
【0062】
さらに工程は、第1映像出力装置において未許可のコンテンツの一部へのアクセス要求を受けること(ステップ406)をさらに含む。例えばユーザは、映像コンテンツ選択メニューを使用して、外部サーバを介してアクセス可能なVOD映画へのアクセスを要求する。VOD映画は第1映像出力装置を介して購入されていないため、第1映像出力装置と関連付けられない。映画は第2映像出力装置を使用して購入され第2映像出力装置に関連付けられる。さらに工程はデータ(例えば、第2許可情報)に基づき未許可コンテンツの一部へのアクセスを許可すること(ステップ408)及び視聴装置によって提供するように未許可コンテンツの一部を出力すること(ステップ410)を含んでもよい。
【0063】
ここでは具体的な実施形態を説明したが、発明の範囲はこれらの具体的な実施形態に制限されない。発明の範囲は請求項及び請求項内の同等物によって定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ受像機であって、
テレビ番組配信ネットワークから番組を受信するネットワークインタフェースと、
第2テレビ受像機による出力を許可された番組の一部を指定するデータを保存する携帯型記憶装置が接続される入力インタフェースと、
前記携帯型記憶装置に保存された前記データにアクセスし、前記データに基づき前記第2テレビ受像機での視聴が許可された前記番組の一部を特定し、視聴装置によって提供するように前記番組の一部を出力するプロセッサと、
を有するテレビ受像機。
【請求項2】
請求項1に記載のテレビ受像機であって、前記入力インタフェースは、前記携帯型記憶装置が接続されるように構成されたUSB(ユニバーサルシリアルバス)を有するテレビ受像機。
【請求項3】
請求項1に記載のテレビ受像機であって、前記データは前記第2テレビ受像機が出力を許可された前記番組の少なくとも1つのチャネルを指定するテレビ受像機。
【請求項4】
請求項1に記載のテレビ受像機であって、前記データは前記第2テレビ受像機が出力を許可されたペイパービュー番組を指定するテレビ受像機。
【請求項5】
請求項1に記載のテレビ受像機であって、前記データは前記第2テレビ受像機が出力を許可されたビデオオンデマンド番組を指定するテレビ受像機。
【請求項6】
請求項1に記載のテレビ受像機であって、前記データは前記第2テレビ受像機での操作を許可されたソフトウェアアプリケーションを指定し、前記プロセッサは前記データに基づき前記ソフトウェアアプリケーションの実行を許可するテレビ受像機。
【請求項7】
請求項6に記載のテレビ受像機であって、前記ソフトウェアアプリケーションは前記携帯型記憶装置に保存されるテレビ受像機。
【請求項8】
テレビ受像機であって、
前記テレビ受像機が出力を許可された許可済みコンテンツと前記テレビ受像機が出力を許可されない未許可コンテンツとを含む番組をテレビ番組配信ネットワークから受信するネットワークインタフェースと、
前記許可済みコンテンツを特定する第1許可情報を保存する記憶媒体と、
第2テレビ受像機による出力を許可された前記番組の一部に対する第2許可情報を含む携帯型記憶装置が接続される入力インタフェースと、
前記未許可コンテンツの出力を要求するユーザ入力を受け、前記携帯型記憶装置に保存された前記第2許可情報にアクセスし、前記未許可コンテンツが前記第2テレビ受像機による出力を許可された前記番組の一部に対応するかどうかを判断し、前記未許可コンテンツが前記第2テレビ受像機で許可されていると判断された場合は視聴装置によって提供できるように前記未許可コンテンツを出力するプロセッサと、
を有するテレビ受像機。
【請求項9】
請求項8に記載のテレビ受像機であって、前記入力インタフェースは第2携帯型記憶装置を受け、前記プロセッサは前記第1許可情報に対応するデータの前記第2携帯記憶装置への保存を開始できるテレビ受像機。
【請求項10】
請求項8に記載のテレビ受像機であって、前記入力インタフェースは前記携帯型記憶装置が接続されるように構成されたUSB(ユニバーサルシリアルバス)ポートを有するテレビ受像機。
【請求項11】
請求項8に記載のテレビ受像機であって、前記第2許可情報は前記第2テレビ受像機での動作を許可されたソフトウェアアプリケーションを指定し、前記プロセッサは前記データに基づき前記ソフトウェアアプリケーションの実行を許可するテレビ受像機。
【請求項12】
請求項11に記載のテレビ受像機であって、前記ソフトウェアアプリケーションは前記携帯型記憶装置に保存できるテレビ受像機。
【請求項13】
映像出力装置を操作する方法であって、前記方法は、
第1映像出力装置の条件付きアクセスモジュールにおいて、前記映像出力装置がアクセス権限を持たない未許可コンテンツを特定するステップと、
前記第1映像出力装置に通信可能に接続された携帯型記憶装置に保存され、第2映像出力装置によって出力を許可された前記未許可コンテンツの少なくとも一部を指定するデータにアクセスするステップと、
前記第1映像出力装置において、前記未許可コンテンツの一部へのアクセス要求を受信するステップと、
前記データに基づき前記未許可コンテンツの一部へのアクセスを許可するステップと、
前記未許可コンテンツの一部を視聴装置で提供するように出力するステップと、
を有する方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記データへアクセスするステップは、
前記携帯型記憶装置と前記第1映像出力装置とを接続するように構成されたUSB(ユニバーサルシリアルバス)ポートを通して、前記携帯型記憶装置の前記データにアクセスすることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、前記第1映像出力装置及び前記第2映像出力装置はテレビ受像機を有し、前記未許可コンテンツはテレビ番組配信ネットワークから前記第1映像出力装置と前記第2映像出力装置とによって受信された映像コンテンツを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記映像コンテンツは、前記テレビ番組配信ネットワークを通して配信された少なくとも1つのチャネルを含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、前記映像コンテンツは前記テレビ番組配信ネットワークを通して配信されたペイパービュー番組を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、前記映像コンテンツは前記テレビ番組配信ネットワークを通して配信されたビデオオンデマンドコンテンツを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項13に記載の方法であって、前記未許可コンテンツは、前記第1映像出力装置と前記第2映像出力装置とによって実行可能なソフトウェアアプリケーションを少なくとも1つ含み、前記データは前記ソフトウェアアプリケーションの実行に対する許可を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記ソフトウェアアプリケーションは前記携帯型記憶装置に保存されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−510512(P2013−510512A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537962(P2012−537962)
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/055245
【国際公開番号】WO2011/056838
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(509055068)エコスター テクノロジーズ エル.エル.シー. (15)
【氏名又は名称原語表記】ECHOSTAR TECHNOLOGIES L.L.C.
【Fターム(参考)】