説明

テレビ受像装置

【課題】手書き感覚で絵や文字をディスプレイ画面上に直接入力できる機能を持ち、テレビ受像装置以外に特別な装置を必要とせずに容易に設置すること。
【解決手段】テレビ放送受信部とディスプレイ表示部とを有するテレビ受像装置61であって、ペンまたは指等で触れた状態および当該状態の位置を検出する透明タブレット部63と、透明タブレット部で検出した位置情報を手書きの画像・文字データに変換する手書き入力認識部と、テレビ放送受信部又は外部接続された機器又は手書き入力認識部からの映像信号・音声信号を記録する記録部と、を備え、透明タブレット部63はディスプレイ表示部62の前面に設置され、ディスプレイ表示部はテレビ放送受信部又は外部接続された機器からの映像信号の他に、手書き入力認識部又は記録部から入力される映像信号を画面表示する。また、小型カメラ65やマイクロフォン66を備えてこれらからのデータを取り入れること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ受像装置に係り、特に、手書き入力認識機能を有するテレビ受像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ受像装置のディスプレイ画面上に、手書きで絵や文字を描くことはあまり一般的ではなく、このような機能を有するテレビ受像装置は普及していなかった。そして、このような機能を実現するためには、テレビ受像装置の外部に、マウスやジョイスティック、デジタイザーやタブレット等のディスプレイ画面上の位置を指示する入力装置を接続することが一般的であった。
【0003】
マウスとは表面にボタン型スイッチ、裏面にボールまたは受発光素子を持った入力装置で、机等の上で滑らせることにより移動した方向や距離を検出する装置である。ジョイスティックとは、スティック部分を傾けることで移動方向と距離を指示する入力装置である。タブレットとは、画面上の位置を指示するためのペン型やマウス型の装置と、その位置を検出するための板状の装置を組み合わせた構造になっている入力装置であり、大型で精度の高いものはデジタイザーと呼ばれている。
【0004】
また、ディスプレイ画面上への入力装置として、特許文献1に示す従来技術においては、ライトペンを使用してテレビ受像装置(例えば、CRT(ブラウン管)方式)のディスプレイ画面上で走査線の光を検出し、ライトペンの位置座標を検出して図形を描く画像作成装置の技術が開示されている。この技術によれば、直接テレビ受像装置のディスプレイ画面にライトペンで触れながら図形を描くことができる。
【特許文献1】特開平5−46318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記背景技術欄で述べたテレビ受像装置の外部にディスプレイ画面上の位置を指示する入力装置を接続する方法では、手書き入力している場所と、入力して描いた画像の表示される場所が一致していないことから手書きに近い操作感覚を得ることが困難であった。
【0006】
さらに、テレビ受像装置の外部にディスプレイ画面上の位置を指示する入力装置を接続する必要があるため、当該入力装置を設置するための場所がテレビ受像装置とは別に必要となり、テレビ受像装置のディスプレイ画面上に手書きで絵や文字を描く機能を実現することは容易ではなかった。さらに、上記背景技術欄で述べたライトペンを使用する方法でも、当該画像作成装置をテレビ受像装置の外部へ接続する必要があるため、当該画像作成装置を設置するための場所がテレビ受像装置とは別に必要となり、テレビ受像装置のディスプレイ画面上に、手書きで絵や文字を描く機能を実現することは容易ではなかった。
【0007】
また、当該画像作成装置で描いた絵や文字は装置の電源を切ると消えてしまうため、描いた絵や文字を残しておくためにはテレビ受像装置にビデオデッキ等の録画装置を外部に接続しておかなければならなかった。
【0008】
また、特に近年、液晶ディスプレイパネルやプラズマディスプレイパネル等の薄型ディスプレイ装置の普及に伴って、これらの薄型ディスプレイ装置を使用した薄型のテレビ受像装置が普及し始めている。
【0009】
薄型のテレビ受像装置はその設置に必要となる場所が従来型のCRT(ブラウン管)方式によるテレビ受像装置の設置に必要な場所と比較して小さくて済むことから人気があるが、手書きで絵や文字を薄型テレビ受像装置のディスプレイ画面上に描く機能を実現するためには、従来の技術では薄型テレビ受像装置とは別の装置を外部接続して設置しなければならなかった。
【0010】
さらに、テレビ受像装置は家庭内では居間等の家族の集まる場所に設置される場合が多く見受けられるが、元来、小さな子供等はテレビ受像装置のディスプレイ画面に近づいて触れたり、落書きしたり、傷つけたりする場合があった。特に近年普及し始めた薄型のテレビ受像装置では、従来型のCRT(ブラウン管)方式によるテレビ受像装置に比べて小型軽量であることはもちろん、テレビ受像装置自体の価格が高価であること等から、子供による落書きや破損を防ぐために薄型テレビ受像装置から子供を遠ざけている家庭が多かった。このため、家族の集まる場所である居間等にテレビ受像装置が設置されながら、特に子供等を遠ざけているという状況が生じていた。
【0011】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、手書き感覚で絵や文字をディスプレイ画面上に直接入力できる機能を持ち、テレビ受像装置以外に特別な装置を必要とせずに容易に設置することが可能なテレビ受像装置を提供することを目的とする。
【0012】
さらに本発明は、手書き入力で描いた絵や文字の画像データや、手書き入力認識機能で変換した文字データを記録することで、メモやメッセージを残しておくことを可能とし、紙の使用量を削減することで環境保護にも貢献することのできるテレビ受像装置を提供することを目的とする。また、本発明は、特に子供等がディスプレイ画面上に自由に落書きできるようにすることで、家族の集まる場所に相応しいテレビ受像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
テレビ放送を受信して映像信号および音声信号に変換するテレビ放送受信部と、前記テレビ放送受信部で変換された映像信号または外部接続された機器から入力される映像信号を画面表示するディスプレイ表示部と、を有するテレビ受像装置であって、
ペンまたは指等で触れた状態および当該状態の位置を検出する透明タブレット部と、
前記透明タブレット部で検出した前記ペンまたは指等の動きに追随して手書きの画像データに変換し、および/または前記ペンまたは指等の動きを認識して文字データに変換する機能を有する手書き入力認識部と、
前記テレビ放送受信部から出力される映像信号および音声信号、前記外部接続された機器から入力される映像信号および音声信号、及び前記手書き入力認識部から出力される画像データおよび/または文字データを記録する記録部と、を備え、
前記透明タブレット部は、前記ディスプレイ表示部での表示画像を透過するように前記ディスプレイ表示部の前面に設置され、
前記ディスプレイ表示部は、前記テレビ放送受信部または前記外部接続された機器からの映像信号の他に、前記手書き入力認識部から入力される映像信号、または前記記録部から入力される映像信号を画面表示する構成とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、絵や文字等をディスプレイ画面上に手書き感覚で直接入力することが可能となり、テレビ受像装置以外に特別な装置を必要とせずに容易に設置することが可能であるテレビ受像装置を提供することができる。
【0015】
また、本発明によると、特に子供等がディスプレイ表示部の画面上に自由に手書きで落書きできること、手書きした画像データを記録して後で再生できること、手書きのメモ画像や映像や音声付きのメッセージを残せるので留守番している子供等に安心感を与えることができることから、家族の集まる場所に相応しいテレビ受像装置を提供することができる。
【0016】
さらに、本発明によると、ディスプレイ表示部の画面上に画像やメモを書き込むので紙や鉛筆等を必要としないこと、手書き入力した画像や文字等のデータや記録部に記録されたデータ、通信回線を通じて得た画像や文字等のデータやファクシミリデータ等について、ディスプレイ画面上にて確認することができるので、全てを紙に出力する必要が無くなることから、紙の使用量の削減につながり、環境保護にも貢献することが可能であるテレビ受像装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の第1〜第5の実施形態に係るテレビ受像装置について、図1〜図6を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係るテレビ受像装置の概略構成を示すブロック図である。図2は本発明の第1の実施形態に係るテレビ受像装置の外観構成を示す図である。図3は本発明の第2の実施形態に係るテレビ受像装置の外観構成を示す図である。図4は本発明の第3の実施形態に係るテレビ受像装置の外観構成を示す図である。図5は本発明の第4の実施形態に係るテレビ受像装置の外観構成を示す図である。図6は本発明の第5の実施形態に係るテレビ受像装置の外観構成を示す図である。
【0018】
「第1の実施形態」
本発明の第1の実施形態に係るテレビ受像装置は、図1に示すように、テレビ放送受信部11と、ディスプレイ表示部12と、透明タブレット部13と、手書き入力認識部14と、記録部15と、から構成されている。
【0019】
テレビ放送受信部11は、テレビ放送を受信して映像信号や音声信号に変換するためのものである。ディスプレイ表示部12は、テレビ放送受信部11で変換された映像信号や、本装置に外部接続された機器等から入力される映像信号、手書き入力認識部14から入力される映像信号、及び記録部15から入力される映像信号等を画面表示するためのものである。
【0020】
透明タブレット部13は、ディスプレイ表示部12の前面に設置され、ディスプレイ表示部12での表示画像を透過し、ペンや指等で触れたことや触れた位置を検出するためのものである。手書き入力認識部14は、透明タブレット部13で検出したペンや指等の動きに追随して手書きの画像データに変換、あるいはペンや指等の動きを認識して文字データに変換するためのものである。
【0021】
記録部15は、テレビ放送受信部11から出力される映像・音声信号や、本装置の外部に接続された機器等から入力される映像・音声信号、及び手書き入力認識部14から出力される画像データや文字データ等のデータを記録するためのものである。なお、図1に示す構成は他の実施形態においても適用される構成である。
【0022】
図1において、テレビ放送受信時はテレビ放送受信部11で変換された映像信号がディスプレイ表示部12に表示される。ディスプレイ表示部12の前面に設置された透明タブレット部13上を、スタイラスペン(図示しない)や指等でなぞることにより、手書き入力認識部14でスタイラスペン等の位置情報が認識されて画像データに変換され、ディスプレイ表示部12に絵として表示される。記録部15は、ディスプレイ表示部12に表示されるテレビ放送の映像信号や音声信号の他、外部接続された機器から入力される映像信号・音声信号、手書き入力認識部14で変換された手書き画像データを記録する。記録部15で記録したデータは、後でディスプレイ表示部12に表示させることができる。
【0023】
本装置に外部接続される機器としては、ビデオ機器やオーディオ機器、パーソナルコンピュータ等だけではなく、例えば玄関に設置されたドアホンカメラや、家庭内の任意の場所に設置されたセキュリティカメラ等を接続しても良い。この場合、留守中の来客を記録して保存しておき、後で確認することが可能となる。
【0024】
図2において、第1の実施形態に係るテレビ受像装置21ではテレビ放送受信時にはテレビ放送受信部(図示しない)で変換された映像信号がディスプレイ表示部22に表示される。ディスプレイ表示部22の前面に設置された透明タブレット部23上を、スタイラスペン24等を使ってなぞることにより、本装置内部の手書き入力認識部(図示しない)でスタイラスペン24等の位置情報が認識されて画像データに変換され、ディスプレイ表示部22に画像として表示される。本装置内部の記録部(図示しない)は、ディスプレイ表示部22に表示されるテレビ放送の映像信号や音声信号の他、手書き入力認識部で変換された手書き画像データを記録する。記録部で記録したデータは、後でディスプレイ表示部22に表示させることができる。
【0025】
本実施形態によるテレビ受像装置では、ディスプレイ表示部22の前面に設置された透明タブレット部23にスタイラスペン24等で入力した画像や手書きの文字、手書き入力認識により変換された文字データ等をディスプレイ表示部22に表示させることができ、その画像データを記録部15で記録し、後で再生してディスプレイ表示部22に表示させることが可能である。
【0026】
また、ディスプレイ表示部22に表示されている、テレビ放送や外部接続機器から入力された映像に、手書き入力した画像や文字、手書き入力認識により変換された文字データ等を重ね合わせて表示し、その画像データを記録部15で記録して後で再生してディスプレイ表示部22に表示させることも可能である。
【0027】
これにより、本実施形態によるテレビ受像装置によれば、テレビ受像装置以外に特別な装置を必要とすることなく、スタイラスペン24等を使って直接ディスプレイ表示部22に手書き感覚で絵を描いたり、メモを書いたりすることができる。また、テレビ放送画面を画面メモとして取り込む際に、スタイラスペン24等を使って手書きでメモを書き加えること等も可能となる。
【0028】
特に、子供等にとっては、テレビ受像装置のディスプレイ表示画面に自由に落書きしたり、テレビ放送や外部接続機器からの画像にいたずら書きを追加したりできる他、例えば留守番をしている時に家族からの手書きのメッセージを再生して見ることができたり、書いた画像を記録して残し、後で家族に見せたりすることも可能となる。
【0029】
このように本実施形態によれば、コミュニケーションを豊かにする助けとなることもできるため、家族の集まる場所に設置するのに相応しいテレビ受像装置を提供することができる。さらに、本実施形態によるテレビ受像装置では、絵やメモを残す際に紙と鉛筆等を必要としないため、必要な時にすぐに絵やメモを残せる他、紙の使用量を削減できるため環境保護にも貢献することができる。
【0030】
「第2の実施形態」
本発明の第2の実施形態に係るテレビ受像装置の外観構成を示す図3において、テレビ受像装置31は、前述した第1の実施形態に係るテレビ受像装置と同様に、テレビ放送受信部(図示しないが図1の符号11)と、ディスプレイ表示部32と、透明タブレット部33と、スタイラスペン34と、手書き入力認識部(図示しないが図1の符号14)と、記録部(図示しないが図1の符号15)とから構成され、さらに、小型カメラ35と、マイクロフォン36を備えることを特徴とする装置である。図3では、小型カメラ35とマイクロフォン36を、ディスプレイ表示部32と同じ面に設置した場合の例を示したが、小型カメラ35やマイクロフォン36の設置場所については、例えば本装置のリモートコントローラ(図示しない)等に内蔵させる形態で設置しても良い。
【0031】
本実施形態によるテレビ受像装置31では、前述した第1の実施形態におけるテレビ受像装置の特徴に加えて、小型カメラ35及びマイクロフォン36により、本装置を使用する者の画像や音声を本装置に取り込み、装置内部の記録部(図示しないが図1の符号15)に記録することができるという特徴を有している。
【0032】
これにより、本実施形態によるテレビ受像装置では、手書き入力した文字や画像のデータ、手書き入力認識部14で変換された文字データ等を記録部15に残して後で再生してみることができるばかりか、手書きの文字や画像データに加えて、小型カメラ35やマイクロフォン36から取り込まれた映像データや音声データについても同様に記録部15に保存しておき、後で再生してみることも可能となる。従って、例えば留守番をしている子供等に残すメッセージでは、手書き文字や画像データだけの場合に比べてより安心感を与えることが可能である。
【0033】
「第3の実施形態」
本発明の第3の実施形態に係るテレビ受像装置の外観を示す図4において、テレビ受像装置41は、前述した第1の実施形態で説明したテレビ受像装置と同様に、テレビ放送受信部(図示しないが図1の符号11)と、ディスプレイ表示部42と、透明タブレット部43と、スタイラスペン44と、手書き入力認識部(図示しないが図1の符号14)と、記録部(図示しないが図1の符号15)と、から構成され、さらに、プリンタ45を備えることを特徴とする装置である。
【0034】
本実施形態によるテレビ受像装置41では、前述した第1の実施形態におけるテレビ受像装置の特徴に加えて、プリンタ45により、テレビ放送受信部11から出力される映像信号や、外部接続された機器等から入力される映像信号、及び手書き入力認識部14から出力される画像データや文字データ、記録部15で記録しているデータ等を、備え付けの紙に印刷して出力することができる。
【0035】
その際、印刷の必要なものと必要ないものとの選択は、ディスプレイ表示部42に表示される縮小画像を見ながら、スタイラスペン44等を使って透明タブレット部43上で指示するように構成しても良い。このように必要のあるものだけを選んで印刷することができるので、紙の使用量の削減が可能であり、環境保護にも貢献することができる。
【0036】
「第4の実施形態」
本発明の第4の実施形態に係るテレビ受像装置の外観を示す図5において、テレビ受像装置51は、前述した第1の実施形態で説明したテレビ受像装置と同様に、テレビ放送受信部(図示しないが図1の符号11)と、ディスプレイ表示部52と、透明タブレット部53と、スタイラスペン54と、手書き入力認識部(図示しない)と、記録部(図示しない)から構成され、さらに、電話回線やPHS(パーソナルハンディフォンシステム)回線、有線または無線方式のLAN(ローカルエリアネットワーク)回線等の何れか、または複数の回線を使用し、ファクシミリ通信やインターネット通信等を実現するための通信回線とのインターフェース部55を備えることを特徴とする装置である。
【0037】
図5では、PHS回線や無線LAN回線等の無線通信回線とのインターフェース部55を備えた場合の例を示したが、通信手段については、例えば、この他の電話回線や有線LAN回線等の何れか、または複数の回線を使用しても良い。
【0038】
本実施形態によるテレビ受像装置51では、前述した第1の実施形態におけるテレビ受像装置の特徴に加えて、通信回線とのインターフェース部55により、テレビ放送の映像や、外部接続された機器等から入力される映像信号、及び手書き入力認識部14から出力される画像データや文字データ、記録部15で記録しているデータ等を、インターフェース部55に接続された通信回線を通じて、本実施形態によるテレビ受像装置51を含めた外部の装置へ送信したり、本実施形態におけるテレビ受像装置51を含めた外部の装置から画像データや文字データを受信してディスプレイ表示部52に表示したり、記録部15へ記録したりすることができる。
【0039】
これにより、本実施形態によるテレビ受像装置51では、手書き入力した文字や画像のデータ、手書き入力認識部14で変換された文字データ等を、離れた場所にいる人とやり取りすることが可能となるため、例えば、相手と同じ絵やメモを共有したり、電子メールのようにメッセージを交換したりすることができる。
【0040】
さらに、本実施形態によるテレビ受像装置51では、例えば電話回線を通じてファクシミリ通信のデータを受信した場合等、一旦記録部15で記録した後にディスプレイ表示部52に表示して確認することで紙を必要としなくなるため、紙の使用量を削減でき環境保護にも貢献することができる。
【0041】
「第5の実施形態」
本発明の第5の実施形態に係るテレビ受像装置61の外観を示す図6において、テレビ受像装置61は、前述した第1の実施形態で説明したテレビ受像装置と同様に、テレビ放送受信部(図示しないが図1の符号11)と、ディスプレイ表示部62と、透明タブレット部63と、スタイラスペン64と、手書き入力認識部(図示しないが図1の符号14)と、記録部(図示しないが図1の符号15)と、から構成され、さらに、小型カメラ65と、マイクロフォン66と、電話回線やPHS(パーソナルハンディフォンシステム)回線、有線または無線方式のLAN(ローカルエリアネットワーク)回線等の何れか、または複数の回線を使用し、ファクシミリ通信やインターネット通信等を実現するための通信回線とのインターフェース部67を備えることを特徴とする装置である。
【0042】
図6では、小型カメラ65とマイクロフォン66を、ディスプレイ表示部62と同じ面に設置した場合の例を示したが、小型カメラ65やマイクロフォン66の設置場所については、例えば本装置のリモートコントローラ(図示しない)等に内蔵させる形態で設置しても良い。また、図6では、PHS回線や無線LAN回線等の無線通信回線とのインターフェース部67を備えた場合の例を示したが、通信手段については、例えば、この他の電話回線や有線LAN回線等の何れか、または複数の回線を使用しても良い。
【0043】
本実施形態によるテレビ受像装置61では、前述した第1の実施形態におけるテレビ受像装置の特徴に加えて、小型カメラ65及びマイクロフォン66により、本装置を使用する者の画像や音声を本装置に取り込み、装置内部の記録部(図示しないが図1の符号15)に記録することができるという特徴を有している。さらに、通信回線とのインターフェース部67により、テレビ放送の映像や、外部接続された機器等から入力される映像信号、及び手書き入力認識部14から出力される画像データや文字データ、記録部15で記録しているデータ等に加えて、本装置に備える小型カメラ65及びマイクロフォン66により取り込んだ、本装置を使用する者の画像や音声データを、インターフェース部67に接続された通信回線を通じて、本実施形態によるテレビ受像装置61を含めた外部の装置へ送信したり、本実施形態におけるテレビ受像装置61を含めた外部の装置から画像データや文字データを受信してディスプレイ表示部62に表示したり、記録部15へ記録したりできるという特徴を有している。
【0044】
これにより、本実施形態によるテレビ受像装置61では、手書き入力した文字や画像のデータ、手書き入力認識部14で変換された文字データ等を記録部15に残して後で再生してみることができるばかりか、手書きの文字や画像データに加えて、小型カメラ65やマイクロフォン66から取り込まれた映像データや音声データについても同様に記録部15に保存しておき、後で再生してみることも可能となる。従って、例えば留守番をしている子供等に残すメッセージでは、手書き文字や画像データだけでなく動画や音声も一緒に残すことができるので、より安心感を与えることが可能である。
【0045】
また、手書き入力した文字や画像のデータ、手書き入力認識部14で変換された文字データ等を、離れた場所にいる人とやり取りすることが可能となるため、例えば、相手と同じ画像やメモを共有したり、電子メールのようにメッセージを交換したりすることができる。さらに、テレビ電話としての使用も可能であるため、離れた場所にいる相手と同じ画像やメモを共有し、そのメモに手書きで書き加えながら話し合うことも可能であるので、離れた場所に居てもコミュニケーションを深めることができる。
【0046】
また、例えば、留守番をしている子供等にメッセージを残す場合、手書き文字や画像データだけでなく、小型カメラ65やマイクロフォン66から取り込まれた映像データや音声データをも残せるばかりでなく、通信回線を利用することによって、外出先から留守宅とテレビ電話で会話することまで可能となるので、留守番をしている子供等にはより一層の安心感を与えることができる。
【0047】
以上説明したように、本発明の実施形態に係るテレビ受像装置は、次のような構成を有するとともに機能ないし作用を奏することを特徴とする。すなわち、本実施形態に係るテレビ受像装置は、テレビ放送を受信して映像信号や音声信号に変換するテレビ放送受信部と、テレビ放送受信部にて変換された映像信号や、本装置の外部に接続された機器等から入力される映像信号、手書き入力認識部から入力される映像信号、及び記録部から入力される映像信号等を画面表示するディスプレイ表示部と、ディスプレイ表示部の前面に設置され、ディスプレイ表示部での表示画像を透過し、ペンや指等で触れたことや触れた位置を検出する透明タブレット部と、透明タブレット部で検出したペンや指等の動きに追随して手書きの画像データに変換し、あるいはペンや指等の動きを認識して文字データに変換する機能を有する手書き入力認識部と、テレビ放送受信部から出力される映像・音声信号や、本装置の外部に接続された機器等から入力される映像・音声信号、及び手書き入力認識部から出力される画像データや文字データ等のデータを記録する記録部と、によって構成されることを特徴としている。
【0048】
このような構成において、本装置に外部接続される機器としては、ビデオ機器やオーディオ機器、パーソナルコンピュータ等だけではなく、例えば玄関に設置されたドアホンカメラや、家庭内の任意の場所に設置されたセキュリティカメラ等を接続しても良い。この場合、留守中の来客を記録して保存しておき、後で確認することも可能となる。
【0049】
ディスプレイ表示部には、例えば従来から使用されているCRT(ブラウン管)や、近年普及しつつある液晶ディスプレイパネルやプラズマディスプレイパネル等の薄型ディスプレイ装置を使用することができる。ディスプレイ表示部の画面上での位置を指示するスタイラスペンや指等の接触を検出する透明タブレット部には、例えば圧力を検知する透明電極を用いた感圧素子や、接触を検知する光学的素子等を使用することができる。
【0050】
手書き入力認識部には、スタイラスペンや指等でディスプレイ表示部の画面上に設置された透明タブレット部をなぞった通りのイメージを画像データとして取り込む機能の他、例えばディスプレイ表示部に表示された入力枠の中にスタイラスペンや指等で書き込んだ文字を認識して文字コードのデータに変換し、装置に内蔵しているフォント(字体)を使用して活字のような文字としてディスプレイ表示部の画面上に表示させる機能等を持たせることができる。
【0051】
記録部は、テレビ放送受信部や外部接続機器からの映像・音声信号や手書き入力認識部からの画像データや文字データ等のデータを記録する機能を持ち、半導体メモリー等の記憶素子や、固定磁気記録ディスク装置等の記録装置を使用することができる。
【0052】
また、本実施形態に係るテレビ受像装置では、小型カメラとマイクロフォンを備えても良い。この構成においては、小型カメラ及びマイクロフォンは本装置を操作する使用者の画像や音声を取り込み、取り込んだ画像や音声のデータは本装置内部の記録部に記録できることを特徴とする。小型カメラには電荷結合素子(CCD)やC−MOSイメージセンサー(CIS)等を、マイクロフォンにはコンデンサ型マイクロフォン等を使用することができる。これらの小型カメラやマイクロフォンは、例えば、本装置のディスプレイ表示部と同じ面に設置しても良いし、リモートコントローラ等の中に設置しても良い。
【0053】
また、本実施形態に係るテレビ受像装置では、プリンタ部を備えても良い。この構成においては、プリンタ部はテレビ放送受信部から出力される映像信号や、外部接続された機器等から入力される映像信号、及び手書き入力認識部から出力される画像データや文字データ、記録部で記録しているデータ等を、備え付けの紙に印刷して出力できることを特徴とする。プリンタ部には、カラーまたは白黒の、感熱記録方式やインクリボン方式、インクジェット方式等のプリンタを使用することができる。
【0054】
さらに、本実施形態に係るテレビ受像装置では、通信回線とのインターフェース部を備えても良い。この構成においては、通信回線インターフェース部はテレビ放送受信部から出力される映像信号や、外部接続された機器等から入力される映像信号、及び手書き入力認識部から出力される画像データや文字データ、記録部で記録しているデータ等を、本インターフェース部に接続された通信回線を通じて、本実施形態に係るテレビ受像装置を含めた外部の装置へ送信したり、本実施形態に係るテレビ受像装置を含めた外部の装置から画像データや文字データを受信してディスプレイ表示部に表示したり、記録部へ記録したりできることを特徴とする。通信回線には、例えば、電話回線やPHS(パーソナルハンディフォンシステム)回線、有線または無線方式のLAN(ローカルエリアネットワーク)回線等の何れか、または複数の通信回線を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るテレビ受像装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るテレビ受像装置の外観構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るテレビ受像装置の外観構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るテレビ受像装置の外観構成を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係るテレビ受像装置の外観構成を示す図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係るテレビ受像装置の外観構成を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
11 テレビ放送受信部
12 ディスプレイ表示部
13 透明タブレット部
14 手書き入力認識部
15 記録部
21,31,41、51,61 テレビ受像装置
22,32,42,52,62 ディスプレイ表示部
23,33,43,53,63 透明タブレット部
24,34,44,54,64 スタイラスペン
35,65 小型カメラ
36,66 マイクロフォン
45 プリンタ
55,67 インターフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送を受信して映像信号および音声信号に変換するテレビ放送受信部と、前記テレビ放送受信部で変換された映像信号または外部接続された機器から入力される映像信号を画面表示するディスプレイ表示部と、を有するテレビ受像装置であって、
ペンまたは指等で触れた状態および当該状態の位置を検出する透明タブレット部と、
前記透明タブレット部で検出した前記ペンまたは指等の動きに追随して手書きの画像データに変換し、および/または前記ペンまたは指等の動きを認識して文字データに変換する機能を有する手書き入力認識部と、
前記テレビ放送受信部から出力される映像信号および音声信号、前記外部接続された機器から入力される映像信号および音声信号、及び前記手書き入力認識部から出力される画像データおよび/または文字データを記録する記録部と、を備え、
前記透明タブレット部は、前記ディスプレイ表示部での表示画像を透過するように前記ディスプレイ表示部の前面に設置され、
前記ディスプレイ表示部は、前記テレビ放送受信部または前記外部接続された機器からの映像信号の他に、前記手書き入力認識部から入力される映像信号、または前記記録部から入力される映像信号を画面表示する
ことを特徴とするテレビ受像装置。
【請求項2】
請求項1において、
カメラとマイクロフォンを備え、前記カメラからの画像および前記マイクロフォンからの音声を取り込むことを特徴するテレビ受像装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
プリンタ部を備え、前記テレビ放送受信部から出力される映像信号、前記外部接続された機器から入力される映像信号、または前記手書き入力認識部から出力される画像データおよび/または文字データ、前記記録部で記録しているデータを、前記プリンタ部で印刷して出力することを特徴とするテレビ受像装置。
【請求項4】
請求項1、2または3において、
電話回線、PHS回線、有線もしくは無線方式のLAN回線等を含む各種通信回線の何れか、または複数の通信回線を使用し、ファクシミリ通信またはインターネット通信を実現するための通信回線とのインターフェース部を備え、前記インターフェース部を通して画像データまたは音声データを外部と送受信することを特徴とするテレビ受像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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