説明

テレビ電話装置および通信方法

【課題】テレビ電話装置内蔵のカメラで撮影できない範囲にいるユーザの姿を、外付けのカメラで撮影して、通話相手に見せられるようにする。
【解決手段】テレビ電話装置2−1に設けた外付けカメラ28などの第2のカメラを備え、3者通話時に、テレビ電話装置2−1は、内蔵カメラ212が撮影した画像と、外付けカメラ28などの第2のカメラが撮影した画像とを合成してテレビ電話装置2−2に送信し、表示させる。このように、内蔵カメラ212が撮影した画像に、外付けカメラ28などの第2のカメラが撮影した画像を合成することにより、内蔵カメラ212が撮影できない範囲にいる3者通話に参加しているユーザの姿を、外付けカメラ28などの第2のカメラで撮影して、テレビ電話装置2−2側に見せることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話と、ビデオカメラ等のカメラと、ビデオモニタ等の表示装置とを組み合わせて、通話相手の顔を見ながら通話するテレビ電話装置および通信方法に関するものであり、特に、3者通話機能を有するテレビ電話装置において、通話中の3者の画像を表示するようにしたテレビ電話装置および通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に電話装置は任意の2者間で通話するものであるが、2者間で通話中に第3の通話者を呼び出して3者間で通話する機能も提供されている。例えば、下記の特許文献1(特開2004−222194号公報)には、デジタルデータ通信で電話通話を行うデジタル通話回線を含む複数の通話回線に接続可能な電話装置を用いて3者通話を行う技術が開示されている。
【0003】
この電話装置は、ミキシング手段と、第3通話開始手段と、3者通話制御手段とを含んで構成され、ミキシング手段は、複数の通話回線で電話通話を行うときに、一つの通話回線から受信する音声を他の通話回線に送信する音声に加え、第3通話開始手段は、2者間での通話中に、2者間の通話を保留状態にして、第3者との通話を開始させ、3者通話制御手段は、保留状態となっている2者間での通話を再開させるようにされている。また、3者通話制御手段は、第3通話開始手段によって開始される通話で受信する第3者の音声を再開される通話の相手側へ送信する音声に加え、相手側から受信する音声を第3者へ送信する音声に加えるようにミキシング手段を制御し、3者間での相互通話を開始させるようにされている。
【0004】
一方、電話と、ビデオカメラ等のカメラと、ビデオモニタ等の表示装置とを組み合わせて、通話相手の顔を見ながら通話するテレビ電話装置も提供されている。例えば、下記の特許文献2(特開2008−160295号公報)には、背景画像と人物画像とを合成して送信するように構成されたテレビ電話システムが開示されている。このテレビ電話システムは、通話者の背景をありのままに映像として表示することなく、記憶してある背景画像を用いるように構成されたものである。
【0005】
また、最近では、インターネット網を通して相互接続し得る電子機器を用い、互いに音声データを送受信することで通話可能とした、いわゆるIP電話システムも広く利用されるようになってきている。そしてIP電話システムで用いられるIP電話装置にはビデオカメラ等のカメラを備えたIPテレビ電話や複数の子機を有するデジタルコードレスIP電話装置も提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−222194号公報
【特許文献2】特開2008−160295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に特許文献2に開示されたようなテレビ電話装置に設けられるビデオカメラなどのカメラは、電話装置の正面にいるユーザの顔などが撮影できればよいことから、限られた視野角範囲の撮影が可能なものであることが多い。このようなテレビ電話装置を用いる場合、通常の2者通話の場合は問題ないが、特許文献1に開示されたような3者通話機能を有する電話装置にビデオカメラなどのカメラを設けた場合には、カメラの正面のユーザの画像を撮影できたとしても、正面のユーザの近くにいて3者通話に参加している他のユーザ(話者)、あるいは、正面のユーザから離れた位置にいて3者通話に参加している他のユーザ(話者)の撮影ができないという不都合が生ずることが想定される。例えば、3者通話機能を有するコードレステレビ電話装置を用い、親機への着信に対して、親機のユーザと子機のユーザとが3者通話に参加している場合、子機のユーザが、親機のユーザの近く、或いは、離れた位置にいる場合には子機のユーザの画像を相手方に送れないという不都合が生じる。
【0008】
本願発明は、上述した背景からなされたものであって、テレビ電話装置本体に設けられたビデオカメラなどのカメラでは撮影できない範囲を、テレビ電話装置本体とは別に備えられた他のビデオカメラなどのカメラで撮影することにより、3者通話に参加しているユーザの画像を送信することができるように構成されたテレビ電話装置および通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、テレビ電話装置と一体に構成された第1のカメラと、前記テレビ電話装置の外部に接続される第2のカメラと、前記第1のカメラにより撮影された画像と、前記第2のカメラにより撮影された画像とを合成して合成画像を生成する画像合成手段と、前記生成された合成画像を、通話相手の電話端末に対して送信する合成画像送信手段と、前記通話相手の電話端末から送られてきた画像を表示する画像表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、テレビ電話装置の外部に接続される第2のカメラにより3者通話に参加する話者の画像を撮影して、テレビ電話装置と一体に構成された第1のカメラにより撮影された話者の画像とを合成するため、第1のカメラの視野角によらず、3者通話に参加しているユーザの画像を通話相手に表示させることができる。
【0011】
本願の請求項2にかかる発明は、近距離無線通信により接続される少なくとも1つの子機を有し、3者通話機能を有するテレビ電話装置であって、前記テレビ電話装置と一体に構成された第1のカメラと、前記少なくとも1つの子機に一体に構成された第2のカメラと、前記第1のカメラにより撮影された画像と、前記第2のカメラにより撮影された画像とを合成して合成画像を生成する画像合成手段と、前記生成された合成画像を、通話相手の電話端末に対して送信する合成画像送信手段と、前記通話相手の電話端末から送られてきた画像を表示する画像表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、子機に設置された第2のカメラにより3者通話に参加する話者の画像を撮影して、テレビ電話装置と一体に構成された第1のカメラにより撮影された話者の画像とを合成するため、第1のカメラの視野角によらず、3者通話に参加しているユーザの画像を通話相手に表示させることができる。また、テレビ電話装置と一体に構成された第1のカメラにより撮影される話者と、子機に設置された第2のカメラにより撮影される3者通話に参加する話者とが、離れた位置にいても、両話者の画像を相手方のテレビ電話装置に送ることができる。
【0013】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または2にかかる発明において、合成画像送信手段は、前記3者通話が行われている場合に、前記画像合成手段により合成された前記合成画像を送信することを特徴とする。かかる構成によれば、3者通話に参加しているユーザの画像を通話相手に表示させることができる。
【0014】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1〜3のいずれかにかかる発明において、前記画像表示手段は、前記生成された合成画像をさらに前記画像表示手段に表示することを特徴とする。かかる構成によれば、テレビ電話装置の表示手段に、一方のテレビ電話装置側で撮影された話者の画像と、他方のテレビ電話装置側で撮影された話者の画像を、表示領域を分けて同時に表示することができる。
【0015】
本願の請求項5にかかる発明は、テレビ電話装置と一体に構成された第1のカメラにより第1の画像を撮影するステップと、前記テレビ電話装置の外部に接続される第2のカメラにより第2の画像を撮影するステップと、前記第1のカメラにより撮影された画像と、前記第2のカメラにより撮影された画像とを合成して合成画像を生成するステップと、前記生成された合成画像を、通話相手の電話端末に対して送信するステップと、前記通話相手の電話端末から送られてきた画像を表示するステップと、を有することを特徴とするテレビ電話装置における通信方法である。
【0016】
本願の請求項6にかかる発明は、近距離無線通信により接続される少なくとも1つの子機を有し、3者通話機能を有するテレビ電話装置における通信方法であって、前記テレビ電話装置と一体に構成された第1のカメラにより第1の画像を撮影するステップと、前記少なくとも1つの子機に一体に構成された第2のカメラにより第2の画像を撮影するステップと、前記第1のカメラにより撮影された画像と、前記第2のカメラにより撮影された画像とを合成して合成画像を生成するステップと、3者通話に際して、前記生成された合成画像を、通話相手の電話端末に対して送信するステップと、前記通話相手の電話端末から送られてきた画像を表示するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本願の請求項1〜6にかかる発明においては、3者通話に参加しているユーザの画像を送信することができるように構成されたテレビ電話装置および通信方法を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本願発明にかかるテレビ電話装置が適用されるテレビ電話システムの構成を例示する図である。
【図2】図1に示したテレビ電話装置のテレビ電話本体の構成を示す図である。
【図3】図1に示したテレビ電話装置の子機の構成を示す図である。
【図4】図1に示したテレビ電話システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのテレビ電話装置および通信方法IP電話システムを例示して説明するものであって、本発明をこのテレビ電話装置および通信方法に特定することを意図するものではなく特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく、デジタルコードレス電話システムやその他の電話装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0020】
図1は、本願発明にかかるテレビ電話装置2−1,2−2が適用されるテレビ電話システム1の構成を例示する図である。
【0021】
図1に示すように、テレビ電話システム1において、第1のテレビ電話装置2−1は、ブロードバンドルータ102を介してインターネット100に、IP(Internet Protocol)電話ルータ112を介してIP電話網110に、ゲートウェイ122を介してPSTN(Public Switched Telephone Network)網120に接続される。
【0022】
さらに、IP電話網110には第2のテレビ電話装置2−2が接続され、PSTN網120には加入者電話124が接続される。
【0023】
なお、テレビ電話装置2−1,テレビ電話装置2−2など、複数あり得る構成部分のいずれかを特定せずに示すときには、単に、テレビ電話装置2と略記することがある。
【0024】
また、各図において、実質的に同じ構成部分には、同じ符号が付されている。
【0025】
また、テレビ電話システム1に含まれるテレビ電話装置2および加入者電話124などの構成部分を、ノードと総称することがある。
【0026】
テレビ電話装置2−1,2−2およびテレビ電話装置2−1に備えられた子機26−1〜26−n(nは1以上の整数)は、ディスプレイ212上へのビデオ画像の表示が可能であり、テレビ電話装置2−1のテレビ電話本体20、テレビ電話装置2−2および子機26にはビデオ画像を撮影する内蔵カメラ212が設けられ、テレビ電話装置2−1のテレビ電話本体20にはビデオ画像を撮影する外付けカメラ28が接続可能とされている。
【0027】
テレビ電話システム1においては、テレビ電話装置2−1、2−2等は、通常の2者通話の機能に加えて3者で通話を行う3者通話機能を備えている。前者(2者通話)では、ビデオカメラ等のカメラにより撮影した動画像や静止画像を表示可能な2つのノード間において、内蔵カメラ212により撮影された互いの姿を画像として見ながら音声通話を行う。
【0028】
一方、本発明によるテレビ電話システム1においては、後者(3者通話)の場合、2つのノード間で通話する2者に加え、例えば、テレビ電話装置2−1に備えられた子機26−1等を用いて3人目のユーザが通話に加わることができる。なお、テレビ電話装置2−1と子機26−1〜26−nとの間は、通常のデジタルコードレス電話機と同様に近距離無線通信により接続されるものであり、子機26−1〜26−n自体はIP電話機としての機能は有していない。テレビ電話装置2−1と子機26−1〜26−nのいずれかを用いた3者通話の手順については後に詳述する。
【0029】
テレビ電話装置2−1は内蔵カメラ212の他にUSBスロットを用いて外付けされた外付けカメラ28を備えており、子機26−1〜26−nのいずれかを用いて3者通話を行う場合、内蔵カメラ212によりテレビ電話装置2−1の話者(ユーザ)を撮影し、外付けカメラ28により子機、例えば、子機26−1の話者(ユーザ)を撮影し、2つのカメラが撮影した2人の話者(ユーザ)の画像を、テレビ電話装置2−1により合成し、通話相手方のテレビ電話装置、例えばテレビ電話装置2−2に送信する。
【0030】
なお、本発明において、前述の外付けカメラに代えて、各子機26−1〜26−nにカメラを備える構成とすることもできる。その場合、子機26−1〜26−nをハンズフリー通話可能な構成とし、子機をデスクの上の充電台に搭載したまま話者(ユーザ)が3者通話に参加するようにする。それにより子機26−1〜26−nに設けたカメラで当該子機の話者の画像を撮影し、その画像とテレビ電話装置2−1のカメラで撮影したテレビ電話装置2−1の話者の画像とをテレビ電話装置2−1により合成し、通話相手方のテレビ電話装置、例えばテレビ電話装置2−2に送信する。
【0031】
上記のような構成とすることにより、テレビ電話装置本体に設けられたビデオカメラなどのカメラでは撮影できない範囲を、テレビ電話装置本体とは別に備えられた他のビデオカメラなどのカメラで撮影することにより、3者通話に参加しているユーザの画像を送信することができるようになり、3者通話に参加している話者(ユーザ)の画像を見ながら通話することができるようになる。
【0032】
[テレビ電話本体20の構成]
図2は、図1に示したテレビ電話装置2のテレビ電話本体20の構成を示す図である。
【0033】
図2に示すように、テレビ電話本体20は、通話処理部22、音声処理部230、画像処理部232、周波数シンセサイザ234、送信部236、受信部238、電源供給のためのACアダプタ218、および、テレビ電話本体20の各構成部分に電力を供給する電源部216から構成される。
【0034】
通話処理部22には、RAMおよびROMなどのメモリ200とフラッシュメモリ(Fメモリ)202と、テンキー他の操作用ボタンなどを含む操作部206と、IP電話網110などのネットワークとの接続のために用いられる回線接続インターフェース(IF)216とが接続される。
【0035】
音声処理部230には、受話器204と、受話器204を用いない通話(ハンズフリー通話)のために用いられるマイク206およびスピーカ208とが接続される。
【0036】
画像処理部232には、ビデオ画像を表示するディスプレイ210と、内蔵カメラ212と、外付けカメラ28をテレビ電話本体20に接続する外付けカメラIF214とが接続される。外付けカメラIF214としてはUSBポートを用いることができる。
【0037】
周波数シンセサイザ234、送信部236および受信部238は、画像処理部214、アンテナ(図示せず)および無線通信回線を介したテレビ電話本体20と子機26との間の通話のために用いられる。
【0038】
操作受付部220は、操作部206に対するユーザの操作を受け付け、通話制御部222および送受信制御部228に対して出力する。
【0039】
送受信制御部228は、操作受付部220により受け付けられたユーザの操作および通話制御部222による制御に従って、音声処理部230、画像処理部232、周波数シンセサイザ234、送信部236および受信部238の動作を制御する。
【0040】
[子機26の構成]
図3は、図1に示したテレビ電話装置2に近距離無線通信により接続される子機26の構成を示す図である。
【0041】
図3に示すように、子機26は、図2に示したテレビ電話本体20の通話処理部22を、通話制御部222の代わりに子機26自体の通話を制御する通話処理部262を含む通話制御部260に置換し、電源部216を充電部270に置換し、テレビ電話本体20から外付けカメラIF214取り去った構成をとる。
【0042】
[テレビ電話システム1の動作]
以下、テレビ電話装置2−1,2−2および子機26のユーザが、3者間でテレビ電話通話を行うときのテレビ電話システム1の動作を説明する。なお、以下の動作説明は、テレビ電話装置2には外付けカメラ28を接続せず、子機26にカメラに内蔵カメラ212が設けられている場合を例にした説明である。
【0043】
図4に示すように、ステップ200(S200)において、テレビ電話装置2−1のテレビ電話装置2のユーザと、テレビ電話装置2−2のユーザは、2者間のテレビ電話通話を行っている。
【0044】
ステップ202(S202)において、テレビ電話装置2−1側のユーザが、操作部206に対して、テレビ電話装置2−2との間の通話を保留する操作を行うと、通話処理部22は、この操作に従って、テレビ電話装置2−2との間のテレビ電話通話を保留する。
【0045】
ステップ204(S204)において、テレビ電話装置2−1側のユーザが、操作部206に対して、第1の子機26−1を呼び出すための操作を行うと、通話処理部22は、周波数シンセサイザ234、送信部236および受信部238を制御して、子機26−1(例えば、母親用の子機26)を呼び出し、テレビ電話本体20と子機26−1との間の通話路の設定を試みる。
【0046】
ステップ206(S206)において、通話処理部22は、予め決められた期間内に、子機26−1のユーザが応答のための操作を行い、子機26−1から応答があり、通話路が設定されたか否かを判断する。
【0047】
通話処理部22は、通話路が設定されたときにはS210の処理に進み、これ以外のときにはS220の処理に進む。
【0048】
ステップ210(S210)において、テレビ電話本体20のユーザと、子機26−1のユーザが、これらの間で2者音声通話を行うための操作を行うと、通話処理部22は、この操作に従って、テレビ電話本体20と子機26−1との間で2者音声通話が行われるようにテレビ電話本体20の各構成部分を制御する。
【0049】
ステップ212(S212)において、テレビ電話本体20のユーザが、テレビ電話装置2−2との間のテレビ電話通話の保留を解除するための操作を行うと、通話処理部22は、この操作に従って、テレビ電話装置2−2との間のテレビ電話通話の保留を解除するようにテレビ電話本体20の各構成部分を制御する。
【0050】
ステップ214(S214)において、テレビ電話本体20の通話処理部22、および、子機26−1の通話処理部260は、テレビ電話本体20および子機26−1の各構成部分を制御して、テレビ電話装置2−1,2−2と子機26−1との間に、3者間のテレビ電話通話のための通話路を設定する。
【0051】
ステップ216(S216)において、子機26−1のユーザが、ハンズフリー通話のための操作を行うと、子機26−1の通話処理部260は、子機26−1の各構成部分を制御し、ハンズフリー通話を実現する。
【0052】
また、通話処理部260は、子機26−1の内蔵カメラ212により撮影された子機26−1のユーザの姿のビデオ画像をテレビ電話本体20に対して送信するように、子機26−1の各構成部分を制御する。
【0053】
テレビ電話本体20音声処理部230は、受信部238を介して子機26から受信した音声信号と、マイク206を介して入力された音声信号をミキシングし、通話処理部22の制御のもと、送受信制御部228を介して通話の相手方のテレビ電話装置2−2に音声信号を送信することで3者による音声通話が行われる。
【0054】
また、テレビ電話本体20の通話処理部22は、テレビ電話本体20の各構成部分を制御し、テレビ電話本体20の内蔵カメラ212が撮影したビデオ画像と、子機26−1の内蔵カメラ212が撮影したビデオ画像とを合成して、通話の相手方であるテレビ電話装置2−2に送信し、テレビ電話装置2−2のディスプレイ210に表示させる。
【0055】
これにより、テレビ電話装置2−1,2−2と子機26−1との間の3者間のテレビ電話としての通話が実現される。
【0056】
なお、テレビ電話装置2−1,2−2の表示部(ディスプレイ210)に表示される通話者の画像(カメラにより撮影された画像)は、図1に示すように示すように、テレビ電話装置2−1側で撮影された話者(話者A,B)の画像と、テレビ電話装置2−2側で撮影された話者(話者C)の画像を、表示領域を分けて同時に表示するようにしてもよいし、それぞれ、通話の相手方のテレビ電話装置2−1または2−2側の話者の画像のみを表示するようにしてもよい。
【0057】
一方、ステップ206(S206)において、子機26−1からの応答がない場合には、ステップ220(S220)に進み、他の子機26−2(例えば、父親用)を呼出し、ステップ222〜228(S222〜228)において、テレビ電話本体20と第2の子機26−2との間で、テレビ電話本体20と子機26−2とが、S210〜S218と同様な処理を行い、テレビ電話装置2−1,2−2と子機26−2との間の3者間のテレビ電話通話が実現される。
【0058】
なお、以上の処理においては、S206の処理において第1の子機26−1から応答がないときに、第2の子機26−2が呼び出される場合が例示されたが、子機26−1からの応答がなかったら、テレビ電話装置2−1,2−2の間の2者間のテレビ電話通話に戻るようにしてもよい。また、第2の子機26−2が応答しないときに、さらに、第3の子機26−3が呼び出され、また、第3の子機26が応答しないときに、第4の子機26が呼び出されるといったように、順次、他の子機26が呼び出されるように変形してもよい。
【0059】
子機26に内蔵カメラ212を設ける構成によれば、テレビ電話装置と一体に構成された第1のカメラにより撮影される話者と、子機に設置された第2のカメラにより撮影される3者通話に参加する話者とが、離れた位置にいても、両話者の画像を合成した合成画像を生成して相手方のテレビ電話装置に送ることができる。また、子機26のカメラで撮影された画像を、親機であるテレビ電話装置本体20の表示手段(ディスプレイ210)に表示させることができるから、子機を移動型のカメラとして使用し、テレビ電話装置本体20をモニタ装置として使用して、建物内部のセキュリティーをチェックする装置として利用することができるようになる。
【0060】
なお、子機26が内蔵カメラを有しておらず、テレビ電話装置2に外付けカメラ28を接続した場合には、子機26を用いて3者通話に参加する話者の映像も表示させたい場合には、子機26のユーザは、テレビ電話装置2の話者に近接した位置に移動し、外付けカメラ28の撮影視野角の範囲内になるようにし、外付けカメラ28により撮影した画像を、テレビ電話装置2の内蔵カメラ212により撮影した画像と合成すればよい。
【符号の説明】
【0061】
1・・・テレビ電話システム,
100・・・インターネット,
102・・・ブロードバンドルータ,
110・・・IP電話網,
112・・・IP電話ルータ,
120・・・PSTN網,
122・・・ゲートウェイ,
124・・・加入者電話,
2・・・テレビ電話装置,
20・・・テレビ電話本体,
200・・・メモリ,
202・・・フラッシュ(F)メモリ,
204・・・受話器,
206・・・マイク,
208・・・スピーカ,
210・・・ディスプレイ,
212・・・内蔵カメラ,
214・・・外付けカメラIF,
216・・・電源部,
218・・・ACアダプタ,
22・・・通話処理部,
220・・・操作受付部,
222・・・通話制御部,
224・・・親機制御部,
226・・・子機制御部,
228・・・送受信制御部,
230・・・音声処理部,
232・・・画像処理部,
234・・・周波数シンセサイザ,
236・・・送信部,
238・・・受信部,
26・・・子機,
260・・・通話処理部,
262・・・通話制御部,
270・・・充電部,
28・・・外付けカメラ,

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ電話装置と一体に構成された第1のカメラと、
前記テレビ電話装置の外部に接続される第2のカメラと、
前記第1のカメラにより撮影された画像と、前記第2のカメラにより撮影された画像とを合成して合成画像を生成する画像合成手段と、
前記生成された合成画像を、通話相手の電話端末に対して送信する合成画像送信手段と、
前記通話相手の電話端末から送られてきた画像を表示する画像表示手段と、を備えることを特徴とするテレビ電話装置。
【請求項2】
近距離無線通信により接続される少なくとも1つの子機を有し、3者通話機能を有するテレビ電話装置であって、
前記テレビ電話装置と一体に構成された第1のカメラと、
前記少なくとも1つの子機に一体に構成された第2のカメラと、
前記第1のカメラにより撮影された画像と、前記第2のカメラにより撮影された画像とを合成して合成画像を生成する画像合成手段と、
前記生成された合成画像を、通話相手の電話端末に対して送信する合成画像送信手段と、
前記通話相手の電話端末から送られてきた画像を表示する画像表示手段と、を備えることを特徴とするテレビ電話装置。
【請求項3】
合成画像送信手段は、前記3者通話が行われている場合に、前記画像合成手段により合成された前記合成画像を送信することを特徴とする請求項1または2に記載のテレビ電話装置。
【請求項4】
前記画像表示手段は、前記生成された合成画像をさらに前記画像表示手段に表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のテレビ電話装置。
【請求項5】
テレビ電話装置と一体に構成された第1のカメラにより第1の画像を撮影するステップと、
前記テレビ電話装置の外部に接続される第2のカメラにより第2の画像を撮影するステップと、
前記第1のカメラにより撮影された画像と、前記第2のカメラにより撮影された画像とを合成して合成画像を生成するステップと、
前記生成された合成画像を、通話相手の電話端末に対して送信するステップと、
前記通話相手の電話端末から送られてきた画像を表示するステップと、を有することを特徴とするテレビ電話装置における通信方法。
【請求項6】
近距離無線通信により接続される少なくとも1つの子機を有し、3者通話機能を有するテレビ電話装置における通信方法であって、
前記テレビ電話装置と一体に構成された第1のカメラにより第1の画像を撮影するステップと、
前記少なくとも1つの子機に一体に構成された第2のカメラにより第2の画像を撮影するステップと、
前記第1のカメラにより撮影された画像と、前記第2のカメラにより撮影された画像とを合成して合成画像を生成するステップと、
3者通話に際して、前記生成された合成画像を、通話相手の電話端末に対して送信するステップと、
前記通話相手の電話端末から送られてきた画像を表示するステップと、を有することを特徴とするテレビ電話装置における通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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