説明

テーパ状の柔軟性を有するステント

ステントは、複数の蛇行周帯と複数のコネクターカラムを含む。各コネクターカラムは、二つの隣接する周帯間に設置され、一つ以上のコネクターストラットを具備する。各コネクターストラットは、一方の末端で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯に連結する。コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーパ状の柔軟性を有するステントに関する。
【背景技術】
【0002】
身体の管腔におけるステントの用途は周知である。ステントは、通常、非拡張状態でカテーテルのようなステント送達装置を介して身体の管腔内の所望の位置に送達される。ステントが所望の身体位置に送達されると、バルーンか他の適当な装置のいずれかにより拡張させるか、例えば、拘束シースを引き抜くことにより拡張できるようにする。
【特許文献1】米国特許第6,123,721号明細書
【特許文献2】米国特許第6,235,053号明細書
【特許文献3】米国特許第6,200,334号明細書
【特許文献4】米国特許第6,120,522号明細書
【特許文献5】米国特許第6,506,201号明細書
【特許文献6】米国特許第5,091,205号明細書
【特許文献7】米国特許第5,824,046号明細書
【特許文献8】米国特許第5,755,770号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ステントおよびステント送達システムは、曲がりくねった人体を通って送達されなければならないことが多いので、ステント送達システムは、システムの近位端からシステムの遠位端まで剛性が滑らかに移行するのが望ましい。ステント送達システムの近位端で柔軟性をより低くして、システムの適切な押出性を考慮するのが望ましい。本システムの適切な追従性を確保するためには、遠位端で柔軟性がより高いことが好ましい。
【0004】
生体内で十分な押出し性と適切な追従性を具備したステントなどのステントおよびステント送達システムの必要性が依然として存在する。
この出願のいずれかで述べられた全ての米国特許と出願および他の公表された全書類は、その全体を参照文献により本明細書に盛り込んである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の範囲を制限することなく、本発明で請求される実施例の幾つかの簡単な説明を以下に示す。本発明の要約された実施例および本発明のさらに別の実施例についてのさらなる詳細は、以下の発明の詳細な説明で認め得る。
【0006】
37C.F.R.1.72に従うため、本明細書の技術的な開示の簡単な概略を同様に提供する。
一実施例において、本発明は、複数の蛇行周帯と複数のコネクターカラムを含む第一自由端と第二自由端を有するステントを対象とする。各コネクターカラムは、二つの隣接する周帯間に設置され、一つ以上のコネクターストラットを具備する。各コネクターストラットは、一方の末端で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯に連結する。コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少する。
【0007】
コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて均等に減少するのが望ましい。より望ましくは、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて連続的に減少する。任意に、コネクターカラムの一つは、単一コネクターストラットだけを有することになる。
【0008】
各コネクターストラットは、任意に一方の末端で蛇行周帯上の第一位置に連結し、他方の末端で隣接する蛇行周帯上の第二位置に連結してもよい。その第二位置は、第一位置から縦および円周方向へ偏位している。
【0009】
本発明は、また、複数の蛇行周帯と複数のコネクターカラムを含む第一自由端と第二自由端を有するステントを対象とする。各コネクターカラムは、二つの隣接する周帯間に設置され、一つ以上のコネクターストラットを具備する。各コネクターストラットは、一方の末端で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯に連結する。コネクターカラム内のコネクターの長さは、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少する。
【0010】
望ましくは、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの長手方向にそって一定になるだろう。また、望ましくは、蛇行周帯は、ステントの長手方向にそって互いに均等に間隔を開けるようなるだろう。
【0011】
通常、各コネクターストラットは、事実上、直線になるだろう。各コネクターストラットは、ステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜してもよく、傾斜角は、スタントの長手方向にそって増加する。
【0012】
各蛇行周帯は、第一端と第二端を有し、第一および第二端に複数の湾曲部を含む。コネクターストラットは、任意に一つの帯上の湾曲部から隣接する帯上の湾曲部へ伸びてもよい。
各コネクターストラットは、一方の末端で蛇行周帯上の第一位置に連結し、他方の末端で隣接する蛇行周帯上の第二位置に連結する。第二位置は、第一位置から縦および円周方向に偏位する。望ましくは、コネクターストラットを介して互いに連結する湾曲部間の円周方向の偏位は、ステントの長手方向にそって増加する。
【0013】
また、本発明は、複数の蛇行周帯と複数のコネクターカラムから成り、各コネクターカラムが、二つの隣接する湾曲バンド間に設置される第一自由端と第二自由端を有するステントを対象とする。各コネクターカラムは、一つ以上のコネクターストラットを具備する。各コネクターストラットは、幅を特徴とし、一方の末端で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯に連結する。
【0014】
コネクターカラム内のコネクターの幅は、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少する。
望ましくは、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの長手方向にそって一定である。
【0015】
任意に、コネクターの長さは、ステントの長手方向にそって一定であってもよい。
通常、各コネクターストラットは、事実上、直線で、ステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜する。
【0016】
本発明は、また、複数の蛇行周帯から成り、各蛇行帯が第一端と第二端を有し、第一および第二端に複数の湾曲部を有することを特徴とする第一自由端と第二自由端を有するステントを対象とする。湾曲部は、幅をもつ帯ストラットと複数のコネクターカラムにより相互に連結し、各コネクターカラムは二つの隣接する周帯間に設置し、各コネクターカラムは、一つ以上のコネクターストラットを具備し、各コネクターストラットは、幅を特徴とし、一方の末端で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯に連結する。帯ストラットの幅は、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少する。
【0017】
望ましくは、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの長手方向にそって一定である。
任意に、コネクターの長さは、ステントの長手方向にそって一定でもよい。
通常、各コネクターストラットは、事実上、直線で、ステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜する。
【0018】
本発明は、また、第一自由端と第二自由端を有し、それぞれが厚さを特徴とする複数の蛇行周帯と複数のコネククターカラムを含むステントを対象とする。各コネクターカラムは、二つの隣接する周帯湾間に設置され、一つ以上のコネクターストラットを具備する。各コネクターストラットは、幅を特徴とし、一方の末端で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯に連結する。蛇行周帯の厚さは、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少する。
【0019】
望ましくは、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの長手方向にそって一定である。
任意に、コネクターの長さは、ステントの長手方向にそって一定でもよい。
通常、各コネクターストラットは、事実上、直線で、ステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜する。
【0020】
本発明は、また、第一自由端と第二自由端を有し、複数の蛇行周帯と複数のコネクターカラムを含むステントを対象とする。各コネクターカラムは、二つの隣接する周帯間に設置され、一つ以上のコネクターストラットを具備する。各コネクターストラットは、一方の末端で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯に連結する。望ましくは、事実上直線のコネクターストラットは、ステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜する。
【0021】
各コネクターストラットは、さらに一つ以上の山部と一つ以上の谷部を含んでもよい。望ましくは、コネクターストラットの長さは、ストラットに含まれる山部と谷部の数に従って増加する。
【0022】
本発明は、また、第一自由端と第二自由端を有し、それぞれが波長を有することを特徴とする複数の蛇行周帯と複数のコネククターカラムを含むステントを対象とする。各コネクターカラムは、二つの隣接する周帯間に設置され、一つ以上のコネクターストラットを具備する。各コネクターストラットは、一方の末端で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯に連結する。蛇行周帯の波長は、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて増加する。
【0023】
望ましくは、各コネクターストラットは、事実上、直線で、ステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜する。
本発明は、また、第一自由端と第二自由端、複数の蛇行周帯および複数のコネクターカラムを有するステントを対象とする。各コネクターカラムは、二つの隣接する蛇行周帯間に設置され、一つ以上のコネクターストラットを具備する。各コネクターストラットは、一方の末端で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯に連結する。
【0024】
望ましくは、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの中央部分から近位または遠位端にかけて減少する。これにより、ステントは、より剛性の高い中央部分と比較したとき、近位および遠位端で柔軟性が大きくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明のさらなる詳細および実施例を以下に述べる。この発明は、多くの異なる形態で具体化し得るが、本明細書においては、本発明の特定の実施例を詳細に述べる。この説明は、本発明の原理を例示するものであって、示した特定の実施態様に本発明を制限しようとするものではない。
【0026】
この開示の便宜上、図中の同じ参照符号は、特に明記されない限りは、同じ特徴を指すものとする。
一実施例において、本発明は、複数の蛇行周帯112と複数のコネクターカラム120a〜eから成り、第一自由端104と第二自由端108を有する、図1の100に全体を示したようなステントを対象とする。各コネクターカラム120は、二つの隣接する蛇行周帯112間に設置され、一つ以上のコネクターストラット124を具備する。各コネクターストラット124は、一方の末端128で一つの蛇行湾曲帯に連結し、他方の末端132で別の蛇行周帯バンドに連結する。図1に示すように、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少する。
【0027】
望ましくは、図1に示すように、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて連続的に減少する。「連続的に減少する」とは、同数のコネクターを有するコネクターカラムが二つないことを知らせようとするものである。本発明は、また、例えば、図1のステントの第三コネクターカラム120cが第二コネクターカラム120bと同数のコネクターストラットを有するように改変されたなら当てはまり得るような、コネクター数がステントの一方の末端から他方へかけて減少するが連続的ではない実施例を目的としている。任意に、カラム当りのコネクターストラット数は、均等に減少してもよい。これに関連して使用したとき、用語「均等に減少する」とは、隣接するコネクターカラム内のコネクターストラット数間の差が隣接する各コネクターカラム対に対して一定であることを意図する。第一コネクターカラムが六つのコネクターストラットを有し、第二コネクターカラムが四つのコネクターストラットを有し、第三コネクターカラムが二つのコネクターストラットを有する三つのコネクターカラムをもつステントは、コネクターストラット数が均等に減少する例である。
【0028】
図1の実施例において、ステントの近位端の第一蛇行周帯上のストラット124と山部136の連結数間は、一対一で一致し、ステントの遠位末端には単一のコネクターストラットしか存在しない。
【0029】
コネクターカラム当りのコネクターストラット数の減少により、カテーテルに装着時、ステントはステントの近位端から遠位端にかけて柔軟性が増加することになる。ステントが反転すると、反対側に柔軟性の勾配が生じることに注目する。
【0030】
図1に示すように、各コネクターストラットは、一方の末端で蛇行周帯上の第一位置に連結し、他方の末端で隣接する蛇行周帯上の第二位置に連結する。その第二位置は第一位置から縦および円周方向に偏位する。
【0031】
本発明は、また、第一自由端104と第二自由端108を有し、複数の蛇行周帯112と複数のコネクターカラム120を含む、図2の100に全体を示すステントを対象とする。各コネクターカラム120は、二つの隣接する蛇行周帯112間に設置され、一つ以上のコネクターストラット124を具備する。各コネクターストラット124は、一方の末端128で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端132で別の蛇行周帯に連結する。図2に示すように、コネクターカラム内のコネクターストラットの長さは、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少する。
【0032】
望ましくは、図2に示すように、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの長手方向にそって一定になるだろう。また、望ましくは、図2に示すように、蛇行周帯は、ステントの長手方向にそって互いに均等に間隔を空けることになる。
【0033】
通常、各コネクターストラットは、事実上、一直線になるだろう。各コネクターストラットは、ステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜してもよく、傾斜角は、ステントの長手方向にそって増加する。図2に示すように、コネクターストラット124aはステントの縦軸と平行であるが、コネクターストラット124b、124cなどの角度はステントの縦軸に対して徐々に増加する。
【0034】
図2のステントのコネクターストラットは、一方の末端で一つの蛇行周帯上の第一位置に連結し、他方の末端で隣接する蛇行周帯上の第二位置に連結するとみなされてもよい。望ましくは、コネクターストラットを介して互いに連結する湾曲部間の円周方向の偏位は、ステントの長手方向にそって増加する。図2の特定の場合において、円周方向の偏位は、第一コネクターカラムで円周方向偏位がゼロから最後のコネクターカラムで最大円周方向偏位に増加する。
【0035】
一実施例において、本発明は、複数の蛇行周帯112と複数のコネクターカラム120から成り、第一自由端104と第二自由端108を有する、図3の100に全体を示したようなステントを対象とする。各コネクターカラム120は、二つの隣接する蛇行周帯112間に設置され、一つ以上のコネクターストラット124を具備する。各コネクターストラット124は、一方の末端128で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端132で別の蛇行周帯に連結する。コネクターカラム内のコネクターストラット124の幅は、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少する。図3に示すように、コネクターストラット124aは、コネクターストラット124cその他より幅が広いコネクターストラット124bよりも幅が広く、コネクターカラム内のコネクターストラットの幅はステントの一方の末端から他方にかけて減少するようになっている。
【0036】
望ましくは、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの長手方向にそって一定である。また、望ましくは、コネクターストラットの長さは、ステントの長手方向にそって一定にしてもよい。
通常、図3に示すように、各コネクターストラットは、事実上、直線で、ステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜する。
【0037】
本発明は、また、複数の蛇行周帯112と複数のコネクターカラム120から成り、第一自由端104と第二自由端108を有する、図4aと4bの100に全体を示したようなステントを対象とする。各蛇行帯は、第一端と第二端を有し、複数の、第一端の湾曲部136と第二端の湾曲部140を特徴とする。湾曲部は、幅を有する帯ストラット144により相互に連結する。各コネクターカラム120は、二つの隣接する蛇行周帯112間に設置され、一つ以上のコネクターストラット124を具備する。各コネクターストラット124は、一方の末端128で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端132で別の蛇行周帯に連結する。各コネクターストラットは、幅を特徴とし、一方の末端で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯に連結する。帯ストラットの幅は、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少する。図4aと4bに示すように、帯ストラット112aの幅は、帯ストラット112cその他の幅よりも大きい帯ストラット112bの幅よりも大きい。
【0038】
望ましくは、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの長手方向にそって一定である。図4aの実施例において、コネクターの長さは一定ではない。コネクターの長さがステントの長手方向にそって一定であることも、本発明の範囲内である。
【0039】
通常、各コネクターストラットは、事実上、一直線で、ステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜する。
【0040】
本発明は、また、第一自由端104と第二自由端108を有し、複数の蛇行周帯112を含む、図5a〜5cの100に全体を示したようなステントを対象とする。各蛇行周帯は、厚さを特徴とする。本ステントは、さらに、複数のコネクターカラム120を具備する。各蛇行帯は、第一端および第二端を有し、複数の、第一端の湾曲部136および第二端の湾曲部140を特徴とする。湾曲部は、幅をもつ帯ストラット144により相互に連結される。各コネクターカラム120は二つの隣接する蛇行周帯112間に設置され、一つ以上のコネクターストラット124を具備する。各コネクターストラット124は、一方の末端128で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端132で別の蛇行周帯に連結する。図5bおよび5cに示すように、蛇行周帯の厚さは、ステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少する。ステントの外面は、図5bおよび5cの150で示され、内面は、152で示される。本ステントは、内面が滑らかで、外面がテーパ状になるようにか、外面が滑らかで、内面がテーパ状になるようにか、両面がテーパ状になるように構築してもよい。各蛇行周帯の断面は、長方形、台形あるいは他の任意の適切な形状にしてもよい。図5bは、滑らかな外面150と内面152にそってテーパを有し、示される断面が事実上、長方形のステントを示すことに注意すべきである。図5cは、外面150と内面152の両面にそって連続したテーパを有し、示される断面が僅かに台形のステントを示す。
【0041】
望ましくは、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの長手方向にそって一定である。また、望ましくは、コネクターの長さは、ステントの長手方向にそって一定になり得る。
通常、各コネクターストラットは、事実上、直線で、ステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜する。
【0042】
上記に示す実施例において、コネクターストラットは山部と谷部に連結する。コネクターストラットは、山部の中心から、山部の側部から、あるいは山部と谷部間の領域から伸びてもよい。本コネクターストラットは、特許文献1、特許文献2および特許文献3に定義されるように、対側または同側に伸びても良い。
【0043】
上記で論じた図で示されるコネクターストラットは、全て、事実上、直線である。用語「事実上、直線」は、製造耐性内まで直線であるコネクターストラット並びに、領域がより幅が広いか、より狭いが、全体がコネクター上にあり、直線の中心線を有するとみなされ得るコネクターストラットを意図する。後者の例は、図6〜8の124に示される。図6のコネクターストラット124は、より広い領域127を含む。中心線125(点線で示される)は直線である。図7のコネクターストラット124は、より狭い領域129を含む。中心線125(点線で示される)は直線である。
【0044】
事実上、直線ではないコネクターストラット、例えば、少なくとも一つの屈曲を有するコネクターストラット、任意に、コネクターストラットが、少なくとも幾つかが互いに平行ではない複数の部分を含むとみなされ得るように、複数の屈曲をそこに有するコネクターストラットを使用することも本発明の範囲内である。このようなコネクターストラットの非制限例を図8の124a〜dに示す。
【0045】
本発明のさらに別の実施例は、第一自由端104と第二自由端108を有し、複数の蛇行周帯112と複数のコネクターカラム120から成り、図9の100に全体を示す。各コネクターカラムは二つの隣接する周帯112間に設置され、一つ以上のコネクターストラット124を具備する。各コネクターストラット124は、一方の末端128で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端132で別の蛇行周帯に連結する。図9に示すように、コネクターカラム内のコネクターストラット124の長さは、ステントの第一自由端104からステントの第二自由端108にかけて増加してもよい。
【0046】
さらに、各コネクターストラット124は、一つ以上のコネクターストラット山部156と一つ以上のコネクターストラット谷部160を含んでもよい。一般的に、コネクターストラット124の全長は、山部156と谷部160の数が増えるにつれて、増加するが、個別のコネクターストラット124について、全長は同じだが、山部156と谷部160の数を異なるようにすることができる。
【0047】
図9に示す実施例において、コネクターカラム120aは、第一自由端104に最も近く、完全な山部を一つだけ有し、完全な谷部160を有さないコネクターストラット124を含む。コネクターカラム120bは、一つの完全な山部156と一つの完全な谷部160を含む。望ましくは、各後続コネクターカラム120c〜120eは、先立つコネクターカラム120と比較したとき、さらに別の山部か谷部を含むことになる。示されるように、コネクターカラム120eは、三つの完全な山部156と二つの完全な谷部160を含む。
【0048】
択一的に、各コネクターストラット124は、一つ以上の湾曲部を有するとみなされ得る。図9に示す実施例において、コネクターストラット120a〜120eは、第一自由端104から第二自由端108へ移動するとき、湾曲部の数が増加するコネクターストラット124を含む。
【0049】
望ましくは、コネクターカラム120当りのコネクターストラット124数は、ステント100の長手方向にそって一定のままである。
【0050】
図10は、第一自由端104と第二自由端108を有し、複数の蛇行周帯112と複数のコネクターカラム120を含む本発明の同様の実施例を示す。各コネクターカラムは、二つの隣接する周帯112間に設置され、一つ以上のコネクターストラット124を具備する。各コネクターストラット124は、一方の末端128で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端132で別の蛇行周帯に連結する。
【0051】
図10の実施例において、コネクターカラム120aは、事実上、直線で、ステントの縦軸と平行ではないコネクターストラット124を含む。コネクターストラット124は、ステント100の縦軸に対してある傾斜角で傾斜する。択一的に、コネクターカラム120aのコネクターストラット124は、山部156も谷部160も含まないとみなされ得る。残りのコネクターカラム120は、湾曲の数が増加している。一般的に、コネクターストラット124の長さは、山部156と谷部160の数が多く含まれるほど、増加する。
【0052】
本発明は、また、第一自由端104と第二自由端108を有し、複数の蛇行周帯112を含む、図11の100に全体を示すようなステントを対象とする。各蛇行周帯は、それぞれが波長Wおよび振幅Aを有する複数の部分をもつとみなされ得る。
【0053】
より一般的には、各蛇行周帯112は、第一端と第二端を有するとみなされ、複数の、第一端の湾曲部136および第二端の湾曲部140を有することを特徴とし得る。湾曲部は、帯ストラット144により相互に連結される。
【0054】
蛇行周帯112部分の波長Wは、蛇行周帯112の所定の第一端湾曲部136から隣接する次の第一端湾曲部136までの距離のような、ステントの縦軸と垂直方向に所定の蛇行周帯112上の類似の点からの距離とみなされ得る。蛇行周帯112部分の振幅Aは、蛇行周帯第一端から蛇行周帯第二端までの距離とみなされ得る。
【0055】
ステントは、さらに、複数のコネクターカラム120を具備する。各コネクターカラム120は、隣接する二つの蛇行周帯112間に設置され、一つ以上のコネクターストラット124を具備する。各コネクターストラット124は、一方の末端128で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端132で別の蛇行周帯に連結する。
【0056】
望ましくは、蛇行周帯112部分の波長Wは、図11に示すように、ステントの第一自由端104からステントの第二自由端108にかけて減少する。望ましくは、蛇行周帯112部分の振幅Aは、ステントの第一自由端104からステントの第二自由端108にかけて減少する。
【0057】
より一般的には、蛇行周帯112は、ステントの第一自由端104からステントの第二自由端108にかけて湾曲部の数が増加するとみなされ得る。蛇行周帯112は、また、第一自由端104から第二自由端108にかけて帯ストラット144の長さが減少するとみなされ得る。
【0058】
通常、各蛇行周帯112は、一定の波長Wと振幅Aを有することになるが、所定の蛇行周帯112内で波長Wおよび振幅Aが変化することは、本発明の範囲内である。
【0059】
望ましくは、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの長手方向にそって一定である。隣接する蛇行周帯112間で波長Wが変化するため、コネクターストラット124の向きは、隣接するコネクターカラム120間および所定のコネクターカラム120内の隣接するコネクターストラット124間で変化しがちである。通常、各コネクターストラット124は、事実上、直線で、ステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜する。
【0060】
本発明は、また、より剛性の高い中央部分と比較したとき、近位および遠位端で柔軟性がより大きいステントを対象とする。柔軟性が増加することにより、身体の脈管を通してステントを操作し易くなることが望ましい。望ましくは、ステントの縦軸を中心とする屈曲柔軟性が増加し、その柔軟性は、ステントの中央部分からいずれかの末端までかなり徐々に増加する。高い柔軟性は、本明細書に開示した方法のいずれか、本方法のいずれかの組み合わせにより、あるいは任意の他の適切な方法で達成してもよい。例えば、ステントの中心付近のコネクターカラム120は、近位か遠位端により近く設置されたコネクターカラム120よりも多くのコネクターストラット124を有してもよい。コネクターストラット124は、ステントの中心部分から近位および/または遠位端にかけて長さおよび/またはステントの縦軸に対する傾斜角が択一的または付加的に増加してもよい。コネクターストラット124は、ステントの中央部分から近位か遠位端にかけて幅、厚さまたは断面積が択一的または付加的に減少してもよい。蛇行周帯112は、ステントの中央部分から近位か遠位端にかけて幅、厚さまたは断面積が択一的または付加的に減少してもよい。コネクターストラット124は、一つ以上のコネクターストラット山部156と一つ以上のコネクターストラット谷部160を択一的または付加的に含み、山部156と谷部160の数は、ステントの中央部分から近位か遠位端にかけて増加してもよい。蛇行周帯112は、ステントの中央部分から近位か遠位端にかけて波長および/または振幅が択一的か付加的に増加してもよい。
【0061】
図12を参照すると、より剛性の高い中央部分と比較したとき、近位および遠位端で柔軟性がより大きいステントが示される。本ステント100は、第一自由端104と第二自由端108、複数の蛇行周帯112および複数のコネクターカラム120a〜iを含む。本ステントは、さらに中心縦軸および第一自由端104と第二自由端108から等距離に縦軸にそって設置される中間点を有する。各コネクターカラム120は、二つの隣接する蛇行周帯112間に設定され、一つ以上のコネクターストラット124を具備する。各コネクターストラット124は、一方の末端128で一つの蛇行周帯に連結し、他方の末端132で別の蛇行周帯に連結する。図12に示すように、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの中央部分から近位か遠位端にかけて減少する。
【0062】
望ましくは、図12に示すように、コネクターカラム当りのコネクター数は、ステントの中央部分から近位か遠位端にかけて減少する。本発明は、また、コネクター数が中央部分から近位か遠位端にかけて減少するが、連続的ではない実施例、例えば、図12のステントの第三コネクターカラム120cが第二コネクターカラム120bと同数のコネクターストラットを有するように改変されれば、その場合に当てはまり得る実施例を目的とする。任意に、コネクターカラム120当りのコネクターストラット124数は、均等に減少してもよい。
【0063】
コネクターカラム120当りのコネクターストラット124数の減少により、ステントの各末端でステントの柔軟性が増加する。
中央部分よりも近位および遠位端で柔軟性が大きな、さらに別の発明のステントの特定の実施例は、図面に示さなかったが、柔軟性を変化させるために、本明細書に記載のいずれかの方法か、その組み合わせを使用し得るものとする。
【0064】
本発明のステントを製造するための適切な方法は、レーザー切断、化学腐食または管の型打ちを含む。本発明のステントは、また、レーザー切断、化学腐食、平シートの型打ち、シートの巻き取りおよびシートの溶接により、電極放電機械加工により、または所望のデザインでステントを成形することにより製造し得る。本ステントは、また、複数の蛇行周帯を組み立て、コネクターを介して互いに溶接か接着により接合することにより製造し得る。
【0065】
本発明の種々の実施例に従うステント100の部分の様々な厚さの実現は、種々の方法で達成してもよい。望ましくは、本ステントを形成するのに使用する基材は、テーパ状の厚さを含む。別の方法は、選択的に研磨か機械仕上げ、ステントの一つ以上の部分への酸浴の適用、適切な化学腐食、または所望の厚さを結果的に得る当該分野で公知の他の任意の方法を含む。
【0066】
任意の適切なステント材は、本明細書において開示された本発明のステントの製造において使用してもよい。このような材料の例には、重合体材、金属、陶磁器および複合物が含まれる。適切な重合体材は、屈熱性液晶ポリマー(LCP)を含む。本ステントを金属から製造する場合、金属は、ステンレス鋼、エルジロイのようなコバルト・クロム合金、タンタルか他の可塑的に変形可能な金属でもよい。他の適切な金属は、「ニチノール」として一般に公知のニッケル・チタン合金、プラチナ/タングステン合金およびチタン合金のような形状記憶金属を含む。本発明は、また、本発明のステントで一つ以上の材料の使用を目的としている。例えば、第一蛇行帯と第二蛇行帯は、異なる材料から製造してもよい。任意に、コネクターは、第一および/または第二蛇行帯と異なる材料から製造してもよい。
【0067】
本明細書において開示した本発明のステントは、バルーン拡張型、自己拡張型またはこの二つのハイブリッド型でもよい。
バルーン拡張型ステントの場合、バルーンカテーテルを用いて、ステントを所望の身体位置に送達してもよい。次に、バルーンを拡張させ、ステントを拡張させる。次に、バルーンを縮小させ、カテーテルを引き抜いてもよい。自己拡張型ステントの場合では、自己拡張型ステントの送達に適したカテーテルでステントを送達してもよい。通常、このようなカテーテルは、展開されるべきときまで、ステントを適所に維持するための保持シースを含むことになる。展開時に、シースを引き抜き、ステントを拡張させる。
【0068】
本発明は、また、ステント送達カテーテルと本明細書に開示した発明のステントのいずれかを対象とする。ステント送達カテーテルの詳細は、特許文献4および特許文献5に認められ得る。
望ましくは、上記に開示した全実施例において、第一端104は、カテーテルに装着したとき、ステントの近位端を構成し、第二端108はステントの遠位端を構成する。
【0069】
本明細書に開示した発明のステントは、適切な放射線不透過性被膜を含んでもよい。例えば、ステントを金か他の貴金属で被覆するか、タンタルか他の金属で金属膜を付着させてもよい。ステントは、また、放射線不透過性被膜の必要性をなくするため、放射線不透過性材から直接製造するか、放射線不透過性内核を有する材料から製造してもよい。使用し得る他の放射線不透過性金属には、白金、白金−タングステン、パラジウム、白金−イリジウム、ロジウム、タンタルまたはこれらの金属の合金か複合体が含まれる。
【0070】
また、本発明のステントに種々の生物適合性被膜を提供し、ステントの様々な特性を増強してもよい。例えば、本発明のステントに滑らかな被膜を提供してもよい。また、本発明のステントに、持続的に薬剤を放出する薬剤含有被膜を提供してもよい。
【0071】
また、本発明のステントに、糖か、より一般的には炭水化物および/またはゼラチンを提供し、所望の身体位置にステントを送達中、バルーン上にステントを維持してもよい。ステントの処理に適した他の化合物には、生物分解性重合体および体液中で溶解できる重合体が含まれる。ステントの内側および/または外側の部分は、化合物で被覆するか、含浸してもよい。また、機械的保持装置を使用し、送達中、バルーン上にステントを維持してもよい。
【0072】
また、本発明の医療器具に種々の生物適合性被膜を提供し、本発明の医療器具の様々な特性を高めてもよい。例えば、本発明の医療器具に滑らかな被膜か他の重合体被膜を提供してもよい。適切な重合体被膜の一例は、PTFEである。
本発明のステントは、一つ以上の治療剤、細胞性材、重合体剤その他を具備する一つ以上の被膜を含んでもよい。
【0073】
治療剤は、非遺伝子性剤または遺伝子性剤でもよい。適切な非遺伝子性治療剤には、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼおよびPPack(デキストロフェニルアラニン・プロリン・アルギニン・クロロメチルケトン)のような抗血栓剤;エノキサプリン、アンギオペプチンか、平滑筋細胞増殖をブロックできるモノクローナル抗体、ヒルジンおよびアセチルサリチル酸のような抗増殖剤;デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジンおよびメサラミンのような抗炎症剤;パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチンおよびチミジン・キナーゼ阻害剤のような抗癌性/抗増殖性/抗有糸分裂性剤;リドカイン、ブピバカインおよびロピバカインのような麻酔剤、D−Phe−Pro−Arg・クロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗剤、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤およびダニ抗血小板ペプチドのような抗凝固剤;成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗剤、転写活性化剤および翻訳促進剤のような血管細胞成長促進剤;成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗剤、転写抑制剤、翻訳抑制剤、複製阻害剤、阻害性抗体、成長因子に対して作製された抗体、成長因子と細胞毒素からなる二機能性分子、抗体と細胞毒素からなる二機能性分子、コレステロール低下剤、血管拡張剤および内因性血管作動性メカニズムを干渉する薬剤のような血管細胞成長阻害剤が含まれる。
【0074】
適切な遺伝物質には、アンチセンスDNAとRNA;アンチセンスRNAをコードするDNA、欠損か欠乏内因性分子を交換するためのtRNAかrRNA;酸性および塩基性の線維芽細胞成長因子、血管内皮成長因子、上皮成長因子、形質転換成長因子αおよびβ、血小板誘導性内皮成長因子、血小板誘導性成長因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞成長因子およびインシュリン様成長因子のような成長因子を含む脈管形成因子、CD阻害剤、チミジンキナーゼ(“TK”)および細胞増殖を干渉するのに有用な他の薬剤を含む細胞周期阻害剤;骨形態発生タンパク質(“BMP”)、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(OP−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15およびBMP−16のファミリーが含まれる。BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7のいずれかが特に望ましい。これらの二量体タンパク質は、単独または他の分子と共に、ホモ二量体、ヘテロ二量体、またはその組み合わせとして提供することができる。択一的、あるいは、さらに上流か下流のBMP作用を誘発可能な分子を提供することができる。このような分子には、“ハリネズミ”タンパク質のいずれかか、それらをコードするDNAが含まれる。
【0075】
適切な細胞物質には、移植部位に目的のタンパク質を送達したければ、遺伝子工学により作製したヒト由来(自家組織性か同種性)か、動物種(異種性)由来の細胞が含まれる。送達媒体は、細胞機能および生存能力を維持するのに必要なように処方することができる。
【0076】
適切な重合体被膜材には、ポリカルボン酸;酢酸セルロースおよび硝酸セルロースを含むセルロース性重合体;ゼラチン、ポリビニルピロリドン、架橋化ポリビニルピロリドン;無水マレイン酸重合体などのポリ無水物;ポリアミド、ポリビニルアルコール、EVAのようなビニル単量体の共重合体;ポリビニルエーテル、ポリビニル芳香族化合物、ポリエチレンオキサイド、グリコサミノグリカン、多糖;ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル、ポリアクリルアミド、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリカルボネート;ポリプロピレン、ポリエチレンおよび高分子量ポリエチレンを含むポリアルキレン;ポリテトラフルオロエチレンを含むハロゲン化ポリアルキレン、ポリウレタン、ポリオルトエステル、タンパク質、ポリペプチド、シリコーン、シロキサン重合体、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート・バリレートおよびその配合体と共重合体;ポリウレタン分散剤(BAYHDROL(登録商標)、など)のような重合体分散剤由来の被膜、フィブリン、コラーゲンおよびその誘導体;セルロース、デンプン、デキストラン、アルギン酸および誘導体、ヒアルロン酸などの多糖類、スクアレン乳液が含まれる。望ましくは、ハイドロプラス(登録商標)(HYDROPLUS(登録商標))(ボストン サイエンティフィック コーポレーション、ナティック、マサチューセッツ)(Boston Scientific Corporation、Natick、Mass)として入手可能な、特許文献6(その開示内容は、参照文献により本明細書に盛り込んである)に記載のポリアクリル酸を使用し得る。また、望ましくは、重合体をポリ乳酸とポリカプロラクトンの共重合体とし得る。また別の材料には、PGA−TMC、チロシン誘導性ポリカルボネートおよびアリレート、ポリカプロラクトン・コ・ブチル・アクリレートや他の共重合体、DL−乳酸とのポリ−L−乳酸配合体、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリカプロラクトン・コ・PLA、ポリカプロラクトン・コ・ブチルアクリレートおよび他の共重合体、チロシン誘導性ポリカルボネートとアリレート、ポリアミノ酸、ポリホスファゼン、ポリイミノカルボネート、ポリジメチルトリメチルカルボネート、生物分解性CA/PO、シアノアクリレート、50/50DLPLG、ポリジオキサノン、ポリプロピレンフマレートかポリデプシペプチドのような選ばれた医療用等級の生物分解性材料が含まれる。
【0077】
さらに別の適切な被膜には、チトサンおよびヒドロキシルプロピルメチルセルロースのような巨大分子が含まれる。また、表面腐食性材を用いてもよい。また、被膜は、無水マレイン酸共重合体、リン酸亜鉛−カルシウムおよび無晶系ポリ無水物から構成されてもよい。
【0078】
また、本発明のステントは、移殖片の基礎構造として使用してもよい。適切な被覆材には、ナイロン、コラーゲン、PTFEおよび延伸多孔質PTFE、ポリエチレンテレフタレートおよびKEVLARか特許文献7および特許文献8に開示された材料のいずれかが含まれる。より一般的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリグリコール酸、ポリエステル、ポリアミド、それらの混合体、配合体および共重合体のような合成重合体を含む任意の公知の移殖片材を使用してもよい。
【0079】
上記の開示物は、例示しようとするもので全てではない。この説明は、当業者に多くの変形および別法を示唆するだろう。これらの変形および別法は全て、特許請求の範囲内に含めようとするものであり、用語「〜を具備する」は、「〜を含む」という意味であり、「〜に限定される」という意味ではない。当業者は、本明細書に記載の特定の実施例と別の等価物を認めるかもしれないが、等価物もまた、特許請求の範囲に含めようとするものである。
【0080】
以下に請求した特定の実施例に加えて、本発明は、以下に請求した従属的特徴の可能な任意の組み合わせを有する別の実施例もまた、対象とする。このように、従属請求項に提示される特定の特徴は、本発明が、具体的には、従属請求項の特徴の可能な別の任意の組み合わせを有する別の実施例を同じように対象とするものと認識され得るように、本発明の範囲内で互いに別のやり方で組み合わせることができる。例えば、請求項公表の便宜上、あとに続く任意の従属請求項は、このような従属請求項で言及される先行詞全てを有する全先行請求項から多項従属型で択一的に記載されたものと解するべきである。ただし、このような多項従属型式が司法権内で許容された型式である場合に限られる(例えば、請求項1から直接従属する各請求項は、先立つ請求項全てから従属するものとして択一的に解すべきである)。多項従属請求項型式が制限される司法権において、後に続く従属請求項はそれぞれ、このような従属請求項で以下に列記した特定の請求項以外の先行する先行詞を有する請求項からの従属物を創作するそれぞれ別々の従属請求項型式で択一的に記載されたものと解すべきである(例えば、請求項3は、請求項1か請求項2から択一的に従属すると解し;請求項4は、請求項1〜3のいずれかに択一的に従属すると解し;請求項5は請求項1〜4のいずれかに択一的に従属すると解し得る。等々)。
【0081】
当業者は、本明細書に記載の特定の実施例と別の等価物を認めるかもしれないが、この等価物もまた本明細書に添付した特許請求の範囲に含めようとするものである。
【0082】
このPCT出願は、参照文献により本明細書に全内容を盛り込んである2003年5月28日出願の米国特許出願第10/447,377号に基づく優先権を主張する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明のステントの平面図。
【図2】本発明のステントの平面図。
【図3】本発明のステントの平面図。
【図4a】本発明のステントの平面図。
【図4b】図4aのステントの各帯中の帯ストラットの断面図。本断面図は、ステントの縦軸と垂直方向に切ったものである。
【図5a】本発明のステントの平面図。
【図5b】図5aに示すステントの実施例の帯ストラットの断面図。本断面図は、ステントの縦軸と垂直方向に切ったものである。
【図5c】図5aに示すステントの実施例の帯ストラットの断面図。本断面図は、ステントの縦軸と垂直方向に切ったものである。
【図6】本発明のステントにおいて使用し得る様々なコネクターストラット。
【図7】本発明のステントにおいて使用し得る様々なコネクターストラット。
【図8】本発明のステントにおいて使用し得る様々なコネクターストラット。
【図9】本発明のステントのさらに別の実施例の平面図。
【図10】本発明のステントのさらに別の実施例の平面図。
【図11】本発明のステントのさらに別の実施例の平面図。
【図12】本発明のステントのさらに別の実施例の平面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一自由端と第二自由端を有するステントであって、
該ステントは複数の蛇行周帯と複数のコネクターカラムを具備し、
各コネクターカラムは二つの隣接する周帯間に設置され、各コネクターカラムは一つ以上のコネクターストラットを具備し、各コネクターストラットは一方の末端で一つの蛇行周帯に連結され、他方の末端で別の蛇行周帯に連結され、
コネクターカラム当りのコネクター数がステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少することを特徴とするステント。
【請求項2】
前記コネクターカラム当りのコネクター数がステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて均等に減少する請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記コネクターカラム当りのコネクター数がステントの第一自由端から第二自由端にかけて連続的に減少する請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記コネクターカラムの一つが単一のコネクターストラットだけを有する請求項1に記載のステント。
【請求項5】
前記各コネクターストラットを一方の末端で一つの蛇行周帯上の第一位置に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯上の第二位置に連結し、第二位置が第一位置から縦および円周方向に偏位する請求項1に記載のステント。
【請求項6】
前記各コネクターストラットを一方の末端で一つの蛇行周帯上の第一位置に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯上の第二位置に連結し、第二位置が第一位置から縦および円周方向に偏位する請求項2に記載のステント。
【請求項7】
前記各コネクターストラットを一方の末端で一つの蛇行周帯上の第一位置に連結し、他方の末端で別の蛇行周帯上の第二位置に連結し、第二位置が第一位置から縦および円周方向に偏位する請求項4に記載のステント。
【請求項8】
第一自由端と第二自由端を有するステントであって、
該ステントは複数の蛇行周帯と複数のコネクターカラムを具備し、
各コネクターカラムは二つの隣接する蛇行周帯間に設置され、各コネクターカラムは一つ以上のコネクターストラットを具備し、各コネクターストラットは一方の末端で一つの蛇行周帯に連結され、他方の末端で別の蛇行周帯に連結され、
コネクターカラム内のコネクターの長さはステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少することを特徴とするステント。
【請求項9】
前記コネクターカラム当りのコネクター数がステントの長手方向にそって一定の請求項8に記載のステント。
【請求項10】
前記蛇行周帯がステントの長手方向にそって互いに均等に間隔を開ける請求項8に記載のステント。
【請求項11】
前記各コネクターストラットが事実上、直線の請求項8に記載のステント。
【請求項12】
前記各コネクターストラットがステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜し、傾斜角はステントの長手方向にそって増加する請求項11に記載のステント。
【請求項13】
前記各蛇行周帯が第一端と第二端を有し、第一および第二端に複数の湾曲部を含み、コネクターストラットが一つの帯上の湾曲部から隣接する帯上の湾曲部にかけて伸びる請求項8に記載のステント。
【請求項14】
前記各コネクターストラットが一方の末端で一つの蛇行周帯上の第一位置に連結し、他方の末端で隣接する蛇行周帯上の第二位置に連結し、第二位置が第一位置から縦および円周方向に偏位し、コネクターストラットを介して互いに連結する湾曲間の円周方向の偏位がステントの長手方向にそって増加する請求項8に記載のステント。
【請求項15】
前記各コネクターストラットが一方の末端で一つの蛇行周帯上の第一位置に連結し、他方の末端で隣接する蛇行周帯上の第二位置に連結し、第二位置が第一位置から縦および円周方向に偏位し、コネクターストラットを介して互いに連結する湾曲間の円周方向の偏位がステントの長手方向にそって増加する請求項9に記載のステント。
【請求項16】
前記各コネクターストラットが一方の末端で一つの蛇行周帯上の第一位置に連結し、他方の末端で隣接する蛇行周帯上の第二位置に連結し、第二位置が第一位置から縦および円周方向に偏位し、コネクターストラットを介して互いに連結する湾曲間の円周方向の偏位がステントの長手方向にそって増加する請求項10に記載のステント。
【請求項17】
第一自由端と第二自由端を有するステントであって、
該ステントは複数の蛇行周帯と複数のコネクターカラムを具備し、
各コネクターカラムは二つの隣接する周帯間に設置され、各コネクターカラムは一つ以上のコネクターストラットを具備し、各コネクターストラットは幅を特徴とし、各コネクターストラットは一方の末端で一つの蛇行周帯に連結され、他方の末端で別の蛇行周帯に連結され、
コネクターカラム内のコネクターの幅がステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少することを特徴とするステント。
【請求項18】
前記コネクターカラム当りのコネクター数がステントの長手方向にそって一定の請求項17に記載のステント。
【請求項19】
前記コネクターの長さがステントの長手方向にそって一定の請求項18に記載のステント。
【請求項20】
前記各コネクターストラットが事実上、直線の請求項18に記載のステント。
【請求項21】
前記各コネクターストラットがステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜する請求項11に記載のステント。
【請求項22】
第一自由端と第二自由端を有するステントであって、
該ステントは複数の蛇行周帯と複数のコネクターカラムを具備し、
各蛇行周帯は第一端と第二端を有し、各蛇行周帯は第一端及び第二端における複数の湾曲部によって特徴づけられ、これら湾曲部は幅をもつ帯ストラットにより相互に連結され、
各コネクターカラムは二つの隣接する周帯間に設置され、各コネクターカラムは一つ以上のコネクターストラットを具備し、各コネクターストラットは幅を特徴とし、各コネクターストラットは一方の末端で一つの蛇行周帯に連結され、他方の末端で別の蛇行周帯に連結され、
帯ストラットの幅はステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少することを特徴とするステント。
【請求項23】
前記コネクターカラム当りのコネクター数がステントの長手方向にそって一定の請求項22に記載のステント。
【請求項24】
前記コネクターの長さがステントの長手方向にそって一定の請求項23に記載のステント。
【請求項25】
前記各コネクターストラットが事実上、直線の請求項26に記載のステント。
【請求項26】
前記各コネクターストラットがステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜する請求項23に記載のステント。
【請求項27】
第一自由端と第二自由端を有するステントであって、
該ステントは、それぞれが厚さを特徴とする複数の蛇行周帯と、複数のコネクターカラムと、を具備し、
各コネクターカラムは二つの隣接する周帯間に設置され、各コネクターカラムは一つ以上のコネクターストラットを具備し、各コネクターストラットは幅を特徴とし、各コネクターストラットは一方の末端で一つの蛇行周帯に連結され、他方の末端で別の蛇行周帯に連結され、
前記蛇行周帯の厚さはステントの第一自由端からステントの第二自由端にかけて減少することを特徴とするステント。
【請求項28】
前記コネクターカラム当りのコネクター数がステントの長手方向にそって一定の請求項27に記載のステント。
【請求項29】
前記コネクターの長さがステントの長手方向にそって一定の請求項28に記載のステント。
【請求項30】
前記各コネクターストラットが事実上、直線の請求項27に記載のステント。
【請求項31】
前記各コネクターストラットがステントの縦軸に対してある傾斜角で傾斜する請求項30に記載のステント。
【請求項32】
縦軸、第一自由端、中間点および第二自由端を有するステントであって、
該ステントは複数の蛇行周帯と複数のコネクターカラムを具備し、
各コネクターカラムは二つの隣接する周帯間に設置され、各コネクターカラムは一つ以上のコネクターストラットを具備し、各コネクターストラットは一方の末端で一つの蛇行周帯に連結され、他方の末端で別の蛇行周帯に連結され、
いずれかの終点付近の縦軸を中心とするステントの柔軟性は、中間点付近の縦軸を中心とするステントの柔軟性よりも大きいことを特徴とするステント。
【請求項33】
前記ステントの第一自由端と第二自由端付近のコネクターカラム内のコネクターストラット数が、ステントの中間点付近のコネクターカラム内のコネクターストラット数よりも少ない請求項32に記載のステント。
【請求項34】
前記コネクターカラム当りのコネクターストラット数がステントの中間点から第一自由端にかけて減少し、コネクターカラム当りのコネクターストラット数がステントの中間点から第二自由端にかけて減少する請求項33に記載のステント。
【請求項35】
前記ステントの第一自由端と第二自由端付近のコネクターカラム内のコネクターストラットが、ステントの中間点付近のコネクターカラム内のコネクターストラットよりも長い請求項32に記載のステント。
【請求項36】
前記コネクターストラットの長さがステントの中間点から第一自由端にかけて増加し、コネクターストラットの長さがステントの中間点から第二自由端にかけて増加する請求項35に記載のステント。
【請求項37】
前記ステントの中間点付近のコネクターストラットの厚さが、ステントのいずれかの末端付近のコネクターストラットの厚さよりも大きい請求項32に記載のステント。
【請求項38】
前記ステントの厚さがステントの中間点からステントのいずれかの末端にかけて連続的に減少する請求項37に記載のステント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−500051(P2007−500051A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532420(P2006−532420)
【出願日】平成16年4月16日(2004.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/011764
【国際公開番号】WO2004/105644
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】