説明

テーブル状部材の契合部

【課題】本願発明は、テーブル状部材の契合と解除を容易にする手段の提案にある。
【解決手段】本発明は、平板と平板に開口し端部で閉鎖する脚部からなるテーブル状部材の脚部閉鎖部に互いに契合可能とする契合部として突部と孔部を設け、突部の先端に孔部通過時はすぼまり通過後内部で広がる笠部を設けたテーブル状部材である。テーブル状部材を、その脚部を突き合せて契合させたユニットを配置して雨水等の貯留浸透用施設の貯留空間もしくは軽量盛土の芯を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水貯留浸透施設等の貯留空間を形成するテーブル状単位部材の契合部に関する。
【背景技術】
【0002】
雨水等の流出抑制を目的として、プラスチックなどで製造された単位部材を地下に配列充填しその周囲を適宜シートで覆った雨水貯留浸透施設が普及している。この目的のため例えば、図6に示すような平板に開口した筒状の脚部を有するテーブル状の単位部材が特開平10-252108、特開平11−222886、特開2000-352080、特開2007-2419に開示され且つ使用されている。
これらテーブル状部材は一般的には、互いの筒部を対向させたものを一ユニットとしこのユニットを重ね併せて貯留用空間もしくは軽量盛土の芯としている。使用する目的と適用する場所に応じて前記貯留空間を透水性のシートもしくは遮水性のシートで覆い、必要な付帯設備を設置して上記目的に供している。
前記ユニットを確実に契合しかつ容易に解除する方法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-252108
【特許文献2】特開平11−222886
【特許文献3】特開2000-352080
【特許文献4】特開2007-2419
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明は、テーブル状部材の契合と解除を容易にする手段の提案にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第1の発明は、正方形の平板と平板に開口し端部で閉鎖する脚部からなるテーブル状部材の脚部閉鎖部同士を互いに契合可能とする契合部として突部と孔部を設け、突部の先端に孔部内通過時はすぼまり内部で広がる笠部を設けたテーブル状部材である。
本第2の発明は、正方形の平板と平板に開口し端部で閉鎖する脚部からなるテーブル状部材の平板部に平板部同士を互いに契合可能とする契合部として突部と孔部を設け、突部の先端に孔部内通過時はすぼまり内部で広がる笠部を設けたテーブル状部材である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、正方形の平板と平板に開口し端部で閉鎖する脚部からなるテーブル状部材の脚部閉鎖部同士を互いに契合可能とする契合部として突部と孔部を設け、突部の先端に孔部内通過時はすぼまり内部で広がる笠部を設けたため、テーブル状部材の脚部同士を対向させての契合が容易且つ確実となる。
本発明は、正方形の平板と平板に開口し端部で閉鎖する脚部からなるテーブル状部材の平板部に平板部同士を互いに契合可能とする契合部として突部と孔部を設け、突部の先端に孔部内通過時はすぼまり内部で広がる笠部を設けたため、テーブル状部材の平板同士を対向させての契合が容易且つ確実となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】は、本発明に係るテーブル状部材の概念図である。
【図2】は、テーブル状部材の契合部の例を示す拡大図である。
【図3】は、本発明に係るテーブル状部材のユニットを形成する契合を示す概念図である。
【図4】は、本発明に係るユニットの契合を示す概念図である。
【図5】は、本発明に係るテーブル状部材を用いた雨水等の貯留浸透施設を示す概念図である。
【図6】は、従来のテーブル状部材を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明を図によって、より詳細に説明する。
図1は、本発明に係るテーブル状部材の概念図である。図1aは、平面図、図1bはA-A’線での断面図である。
図では、本テーブル状部材は正方形の平板部と平板部に開口し他端部が閉じた4つの脚部からなる。脚部の閉じた端部には図では2つの突部および2つの孔部が設けられている。突部の先端は笠状とされ、孔部に挿入される際笠部はすぼまり、孔部を通過した後に、再び開くので容易に挿入可能であると共に、契合が確実に行えるようになっている。突部と孔部の相対位置は、通常の継ぎ手と同様であり、相向かい合う2つを突部とし、他を孔部とすることでも、相接する2つを突部とし他を孔部とすることでもよい。契合部の詳細は図2の拡大図を参照されたし。図2ab、図2cdは、異なる契合部についての契合状態を示している。
【0009】
また、図1に示したように正方形の平板部の表面に同様の契合部を設けておき、平板部同士の契合を容易確実とすることも可能である。
【0010】
図3、図4は本発明に係るテーブル状部材の契合状態を示す概念図である。
図に示すように、2つのテーブル状部材をその脚部閉端部同士を対向させて契合させユニットを形成するためには、互いに90度向きを変えて契合する必要がある。
またユニット同士を契合させるためにもユニット互いに90度向きを変えて契合する必要がある。
【0011】
図5は、上記ユニットを配列し貯留空間を形成し、雨水等の貯留浸透施設として使用する場合の概念図を示している。
その貯留空間を壁材で囲みシートで覆い土砂の貯留空間への侵入を防止し、流入管、流出管、溢流管、泥だめます、人孔、オリフィスますなど必要に応じた付帯設備を設けて雨水等の貯留浸透施設として使用できることは従来の単位部材と同様である。シートも浸透槽として使用する場合は透水シート、地下水の浸入を防止あるいは貯留した雨水等を有効利用する場合には遮水シートを用いることも同様である。
【0012】
テーブル状部材、壁材等の材質は従来の単位部材を用いる方法と同様、ポリプロピレンなどの射出成形可能なポリオレフィンあるいはステンレススチールなどの金属製とすることができる。またテーブル状部材の脚部の数、形状など適宜変更できる。好ましくは入れ子状に組み合わせられるよう脚部にテーパが設けられることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0013】
上述したように本発明は、雨水等の貯留浸透施設あるいは軽量盛土の芯材として使用される。
【符号の説明】
【0014】
1 テーブル状部材
11 平板部
12 脚部
2 契合部
21 雄契合部
22 突部
23 笠部
24 孔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板と平板に開口し端部で閉鎖する脚部からなるテーブル状部材の脚部閉鎖部同士を互いに契合可能とする契合部として突部と孔部を設け、突部の先端に孔部内通過時はすぼまり内部で広がる笠部を設けたテーブル状部材。
【請求項2】
平板と平板に開口し端部で閉鎖する脚部からなるテーブル状部材の平板部に平板部同士を互いに契合可能とする契合部として突部と孔部を設け、突部の先端に孔部内通過時はすぼまり内部で広がる笠部を設けたテーブル状部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−168791(P2010−168791A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11893(P2009−11893)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(306024805)株式会社 林物産発明研究所 (155)
【Fターム(参考)】