説明

テーブル

【課題】支持脚上端のネジ棒を螺着するコーナーガードを方形天板の隅角部に強固に固定できる様にしたテーブルを提供する。
【解決手段】方形状の天板1において、該天板1の隅角部2の上下面2a、2bを挟持する様にコーナーガード3で被嵌したので、該コーナーガード3が天板隅角部2をがっちり強固に固定でき、使用中に外れることがないため、上端に突設したネジ棒をコーナーガード3の底面部6に螺着する支持脚がガタついたり、外れたりすることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テーブルの天板を支持する円柱状の支持脚は、特許文献1に開示されている様に、テーブルの下面に固定した台座プレートに支持脚の上端に突設したネジ棒を螺着することで取付けられていた。
台座プレートは、支持脚上端のネジ棒を螺着するネジ孔を中央に形成し、該中央を除く周囲に貫設して成る複数のネジ挿通孔に通したネジによって天板下面に固着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−129322号公報(特に、第14図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成のテーブルにおいて固着された台座プレートは、その周囲に所定間隔置きに外方突設した複数の舌片を天板下面にネジ止めしているだけのため、天板が木製の場合はそのネジ孔のネジ山の強度が充分でなく、使用中にネジが緩んだり、抜けたりすることによって支持脚ががたついたり、外れたりする。
【0005】
又、台座プレートは上記の通りその周囲に複数の舌片が突出しているので、例えば天板が矩形状であれば、天板下面の隅角部よりも充分に離間した内側へ配置しているが、この様に支持脚を天板に取付けると、天板のオーバーハング量が大きくなるため、天板の安定性が低下したり、支持脚間に充分な間隔がとれず、所望の椅子の座部を天板下に配置できない等の課題を有している。
【0006】
そこで本発明では、支持脚上端のネジ棒を螺着するコーナーガードを方形天板の隅角部に強固に固定できる様にしたテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑み、本発明のテーブルは、方形状の天板と、該天板の隅角部の上下面を挟持する様に被嵌するコーナーガードと、該コーナーガードの底面部に、上端に突設したネジ棒を螺着する支持脚とから成ることを特徴とする。
そして、上記被嵌状態において、コーナーガードの少なくとも上面部と側面部は、天板の上面と側面と同一面上で連続する様に、天板の隅角部は切削加工されていることを特徴とする。
又、コーナーガードの底面部は、中央に雌ネジを有する筒部を突設すると共に、該筒部の周囲にこれと同一高さにして、且つ外径が支持脚と同径の環壁を突設したことを特徴とする。
更に、環壁で囲繞されるコーナーガードの底面部を天板下面にネジ止めしたり、コーナーガードの底面部は、環壁より外側にして且つ天板隅角部の対角側へ水平に延出形成され、該延出部を天板下面にネジ止めしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
要するに本発明は、方形状の天板において、該天板の隅角部の上下面を挟持する様にコーナーガードで被嵌したので、該コーナーガードが天板隅角部をがっちり強固に固定でき、使用中に外れることがないため、上端に突設したネジ棒をコーナーガード底面部に螺着した支持脚がガタついたり、外れたりすることがない。
又、支持脚は、天板隅角部を被嵌したコーナーガードに固定されているから、天板下面で隣接する支持脚同士の間隔を最大限に確保することができる。
【0009】
上記被嵌状態において、コーナーガードの少なくとも上面部と側面部は、天板の上面と側面と同一面上で連続する様に、天板の隅角部は切削加工されているので、少なくとも上面と側面において天板とコーナーガードとの境界に凹凸を生ずることはなく、コーナーガードを天板の隅角部として一体不可分化でき、天板のデザインを崩すことがない。
【0010】
コーナーガードの底面部は、中央に雌ネジを有する筒部を突設すると共に、該筒部の周囲にこれと同一高さにして、且つ外径が支持脚と同径の環壁を突設したので、コーナーガードの底面部に支持脚を連続一体化できると共に、コーナーガードの筒部への支持脚のネジ棒の螺着に際し、支持脚の上端が環壁の下端に当接した時に支持脚の回転進行が止まるため、必要以上にネジ棒を回さずにすみ、ネジ棒のネジ山が崩れることはないし、環壁下端に支持脚上端が摩擦接触しているので、容易にネジ棒の筒部に対する螺着が緩むことがない。
【0011】
環壁で囲繞されるコーナーガードの底面部を天板下面にネジ止めしたので、より強固にコーナーガードを天板に固定できると共に、螺着されるネジは環壁で囲われ、支持脚を取付けた後は、外部からは全く見えないので、テーブルのデザインを崩すこともない。
【0012】
コーナーガードの底面部は、環壁より外側にして且つ天板隅角部の対角側へ水平に延出形成され、該延出部を天板下面にネジ止めしたので、天板に対する底面部の接触面積を大きくして摩擦抵抗を大ならしめると共に、延出部はテーブル上方からは視認し難い天板下面内方に配されるからテーブルのデザインを損なうこともなく、一層強固にコーナーガードを天板に固定できる等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るテーブルの斜視図である。
【図2】天板の隅角部を示す平面図である。
【図3】同上底面図である。
【図4】同上正面図である。
【図5】天板の隅角部を上方からみた斜視図である。
【図6】天板の隅角部を下方からみた斜視図である。
【図7】コーナーガードの平面図である。
【図8】同上底面図である。
【図9】同上正面図である。
【図10】同上背面図である。
【図11】同上側面図である。
【図12】図7のA矢視図である。
【図13】図7のB矢視図である。
【図14】図9のC−C断面図である。
【図15】コーナーガードを取付けた天板隅角部の一部破断正面図である。
【図16】天板と支持脚の要部分解斜視図である。
【図17】テーブル隅角部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明の実施の一形態例を図面に基づいて説明する。
本発明に係るテーブルは、図1に示す様に、方形状の天板1と、該天板1の各隅角部2に取付けたコーナーガード3と、該コーナーガード3に垂設した支持脚4とから構成されている。
【0015】
天板1は、無垢の板材、パーティクルボード、フラッシュパネル等の木製から成り、その表面にメラミン樹脂塗装等により化粧仕上げしている。
天板1における側面1cは、上方が円弧状に形成されると共に、下方が前記円弧に連続して天板1内方へ向かって傾斜する様に形成されている。
【0016】
天板1の隅角部2には、これの上下面2a、2bを後述のコーナーガード3が挟持する様に被嵌され、この被嵌状態において、コーナーガード3は、少なくともその上面部5と側面部7が、天板1の上面1aと側面1cと同一面上で連続する様に形成されており、したがって隅角部2において、少なくともその上面2aと側面2cはコーナーガード3の厚み分に対応して切削加工されている。
【0017】
図示例では、隅角部2は、その上面2aがコーナーガード3の厚みに対応して平面視L字状に切削されて、左右側面2cはコーナーガード3の厚み以上に天板1の内側へ相当量後退する様に切削され、その結果、コーナーガード3がその上下を挟持可能な小幅の平面視L字形に形成されている(図2〜6参照)。
又、天板1の下面1bにおいて、隅角部下面2bとその近傍適所には、天板下面1bに開口する複数の埋込みナット(鬼目ナット)Nが埋設されている。
【0018】
コーナーガード3は、アルミニウム製等のダイキャストの一体形成されたもので、角部5aが円弧状に湾曲した平面視L字板状の上面部5と、該上面部5から隅角部2の厚み(高さ)分隔てた下方に平行配置した円形状の底面部6と、該底面部6と上面部5間に形成した側面中央部7aと側面端部7bから成る側面部7とから主に構成されている(図7〜14参照)。
【0019】
上面部5の湾曲した角部5aの円弧と、底面部6の円周とは、同心で同径に形成され、上面部5の角部5aと底面部6の周縁の一部が上下連続して側面中央部7aを形成し、該側面中央部7aの左右には上面部5左右外縁より天板側面1cの形状に対応して上方が円弧状に形成されると共に、下方が前記円弧に連続してコーナーガード3の正面へ向かって傾斜した側面端部7bが形成されている。
【0020】
コーナーガード3の底面部6は、その中央に雌ネジ8aを有する筒部8を突設すると共に、該筒部8の周囲にこれと同一高さにして、且つ外径が底面部6及び後述の支持脚4と同径の環壁9を突設している。
又、底面部6は、図示例の様に、環壁9の外側にして、且つ天板隅角部2へのコーナーガード3の取付け状態で天板隅角部2の対角側(コーナーガード3正面)へ舌状に水平に延出形成するのがより望ましい。
【0021】
そして、環壁9で囲繞されるコーナーガード3の底面部6と、該底面部6の上記舌状の延出部6aには、天板下面1bに開口した埋込みナットNの夫々に位置対応する複数のネジ挿通孔Hを貫設している。
【0022】
この様に構成されたコーナーガード3は、天板1の各隅角部2を被嵌する(図15参照)。
この被嵌状態では、コーナーガード3の上面部5と底面部6が、隅角部2の上下面2a、2bを挟持しており、これによりコーナーガード3は天板1に強固に固定される。
又、コーナーガード3の上面部5と側面部7は、天板1の上面1aと側面1cと同一面上で連続しているので、その面における天板1とコーナーガード3との境界に凹凸を生ずることはなく、コーナーガード3は天板1の隅角部として一体不可分化している。
【0023】
上記の様に天板1に固定されたコーナーガード3にあっては、延出部6aを含む底面部6がネジ挿通孔Hを通したネジSにより天板下面1bに固定される。
又、底面部6において環壁9で囲繞された円形部位をネジ止めしたネジSは支持脚4を後述の様に取付けた後は外部からは全く見えないし、延出部6a及びこれをネジ止めしたネジSもテーブル上方からは視認し難いテーブル下面内方に配されるため、テーブルのデザインを損なうことはない。
【0024】
支持脚4は、コーナーガード3の底面部6に設けた環壁9と同径の円柱状に形成され、その上端中央にネジ棒10を突設している。
そして、図16に示す様に、天板1に取付けたコーナーガード3底面部6の筒部8にネジ棒10を螺着することにより、図17に示す様にコーナーガード3の底面部6に支持脚4を連続一体化したテーブルが組み立てられる。
【0025】
筒部8へのネジ棒10の螺着にあたっては、支持脚4の上端が環壁9の下端に当接した時に支持脚4の回転進行が止まるため、必要以上にネジ棒10を回さずにすみ、ネジ棒10のネジ山が崩れることはない。
又、上記の様に環壁9の下端に支持脚4の上端が摩擦接触しているので、容易にネジ棒4の筒部8に対する螺着が緩むことがない。
【符号の説明】
【0026】
1 天板
1a 上面
1b 下面
1c 側面
2 隅角部
2a 上面
2b 下面
3 コーナーガード
4 支持脚
5 上面部
6 底面部
6a 延出部
7 側面部
8 筒部
8a 雌ネジ
9 環壁
10 ネジ棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方形状の天板と、該天板の隅角部の上下面を挟持する様に被嵌するコーナーガードと、該コーナーガードの底面部に、上端に突設したネジ棒を螺着する支持脚とから成ることを特徴とするテーブル。
【請求項2】
上記被嵌状態において、コーナーガードの少なくとも上面部と側面部は、天板の上面と側面と同一面上で連続する様に、天板の隅角部は切削加工されていることを特徴とする請求項1記載のテーブル。
【請求項3】
コーナーガードの底面部は、中央に雌ネジを有する筒部を突設すると共に、該筒部の周囲にこれと同一高さにして、且つ外径が支持脚と同径の環壁を突設したことを特徴とする請求項1又は2記載のテーブル。
【請求項4】
環壁で囲繞されるコーナーガードの底面部を天板下面にネジ止めしたことを特徴とする請求項3記載のテーブル。
【請求項5】
コーナーガードの底面部は、環壁より外側にして且つ天板隅角部の対角側へ水平に延出形成され、該延出部を天板下面にネジ止めしたことを特徴とする請求項3又は4記載のテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−24134(P2012−24134A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162754(P2010−162754)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(391054992)株式会社榊原 (6)
【Fターム(参考)】