説明

ディジタルダーツ遊戯装置

【課題】筐体部に設けられたモニタ部に映し出した映像(ダーツ板表示の映像)を、ダーツ固定部を介してプレイヤが直接視認可能に構成することにより、プレイヤは視線の移動を行う必要がなく、しかもモニタ部のダーツ板表示の映像自体を変化させることにより新たな演出と遊びを備えたディジタルダーツ遊戯装置を提供する。
【解決手段】筐体フレームの中央にタッチパネル式モニタ6を配置し、該モニタ面に透明の衝撃緩衝部5を取り付けた、的となる透明素材のダーツ固定部4を設けてある。プレイヤは衝撃緩衝部5,ダーツ固定部4を介してモニタ画面に表示されているダーツ板表示を見ることができる。ダーツを投げダーツ固定部4の得点部分に刺さると、その位置がタッチパネルのセンサ部に検出され、得点を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダーツゲームの採点などを自動化した、一般的にディジタルダーツと呼ばれる遊戯装置の的部において、的の前面部で飛んできたダーツをホールドする部位に透明な素材を使い、その背部にモニタ装置を配置することにより、的部自体に映像による演出を付加することを可能にしたディジタルダーツ遊戯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アミューズメント施設等に設置されている一般的なディジタルダーツ遊戯筐体は、先端が細く尖ったダーツを装置のターゲットに投げ、無数に空けられた孔に突き刺すことによりダーツを孔に固定し、その刺さった位置などで得点を争うゲームである。
かかる場合、例えばダーツが的に刺さったとき、また、得点を表示するなどの映像的な表現は筐体上部に設けられたモニタ装置によって映し出すのが一般的である。
【0003】
この種のダーツ装置として特許文献1,2が公開されている。
特許文献1は電子的に得点記録されるダーツ・ゲーム機のゲーム機用の支持材となるキャビネットに関するもので、比較的高くて幅が狭く、そのため積送り中、直立に保つことが困難で、若干不安定となる従来の欠点を解決するためのキャビネット構造を開示するものである。
【0004】
また、特許文献2はターゲットにくい込んだ飛び道具を検出及び位置付けするシステムで、ダーツボードをターゲットにダーツを投げるシステムである。
ターゲット装置が複雑であること、ターゲット範囲の導電性の均一性を高度に保持する必要があること、電気的接続の全体性を高度に保持する必要があること、個々のターゲット範囲間の電気的絶縁の全体性を高度に保持する必要があること、飛び道具がささるターゲット範囲を形成する繊維又は他の材質は、基本的に電気の流れを伝導するように作らねばならないことなどの従来の欠点を解決するもので、そのためにターゲット,信号受信エレメントおよび信号受信エレメントに電気的に接続された処理手段の構成を開示している。
【特許文献1】特公平8−2386号公報
【特許文献2】特許第3585493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1はスパイダを配置するパネル設置する部分に対し、表示器はパネルの上に設置され、得点などを見る場合にはパネル面から視線を動かす必要があるという欠点がある。また、特許文献2は装置の保護中央に配置されたダーツボードに対し、スコアを表示するための表示スクリーンがダーツボードの下部に設置されており、特許文献1と同様にスコアを確認するために視線を移動させるという欠点を有している。さらに、いずれの特許文献の表示部もスコア以外に画像を表示する機能を備えていない。
【0006】
本発明の目的は、筐体部に設けられたモニタ部に映し出した映像(ダーツ板表示の映像)を、ダーツ固定部を介してプレイヤが直接視認可能に構成することにより、プレイヤは視線の移動を行う必要がなく、しかもモニタ部のダーツ板表示の映像自体を変化させることにより新たな演出と遊びを備えたディジタルダーツ遊戯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、ダーツを投げ、ダーツ板の的部に突き刺すことにより、ダーツが刺さった位置で得点などを争うディジタルダーツ遊戯装置において、その表面に接触または近接したダーツの位置に対応の位置情報を検出するとともに映像を表示するタッチパネル式モニタおよび該タッチパネル式モニタにダーツ板表示を含む映像の表示を行う制御装置を設け、該タッチパネル式モニタの上に透明板形状の衝撃緩衝部材を被せ、さらに前記衝撃緩衝部材の上に、多数の孔を有し該孔に飛んでくるダーツの先端を突き刺す構造の透明のダーツ固定部を配置することにより、前記タッチパネル式モニタの映像を、前記ダーツ固定部および前記衝撃緩衝部材を通してプレイヤに視認させるように構成したことを特徴とする。
本発明の請求項2は請求項1記載の発明において前記制御装置は、プレイヤがダーツを投げて前記ダーツ固定部に突き刺さるまでは、ダーツ板表示を行い、前記ダーツ固定部にダーツが突き刺さって前記タッチパネル式モニタにより検出される位置情報が送られてきたとき、ダーツが刺さった位置に対応する得点を表示する画面に切替え制御することを特徴とする。
本発明の請求項3は請求項1または2記載の発明において前記タッチパネル式モニタのセンサ部にコイル群を、前記ダーツにコイルをそれぞれ有し、前記コイル群に流した電流により発生した磁界によって前記ダーツのコイルに誘導電流を発生させて該ダーツのコンデンサに電気エネルギーを溜め、該電気エネルギーによって前記ダーツのコイルに電流を流して磁界を発生させ、電流を止めた前記コイル群に誘導電流を発生させることにより、前記コイル群の電流が流れたコイルの上をダーツが存在する位置として検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、プレイヤはダーツ板面から目を逸らすことなくモニタの映像を確認することができる。また、的となるダーツ板面表示から映像を変化させることができるため、新たな演出や遊び方法をダーツゲームに取り入れることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面等を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明によるディジタルダーツ遊戯装置の実施の形態を示す断面図および正面図である。この実施の形態は主にアミューズメント施設等に設置することを目的とした、各種の機能を有する業務用ゲーム装置としてのディジタルダーツ遊戯装置であり、筐体,スピーカ,制御装置,電源装置,料金支払機構,操作スイッチなど一般的な業務用ビデオゲーム装置が備える機能を有している。
図1は、本発明に直接関連あるモニタ周辺の機構付近を示したもので、上記スピーカ,制御装置,電源装置,料金支払機構,操作スイッチを省略したものである。
【0010】
図1(a)において筐体フレーム11の上下前面側にモニタ取付板7a,7bが取り付けられている。タッチパネル式モニタ6の周辺部分にスペーサラバー3a,3bを挟んでタッチパネル式モニタ6をモニタ取付板7a,7bに押し当てるとともにタッチパネル式モニタ6の上下面および左右面にスペーサラバー3c,3dを入れ、さらにタッチパネル式モニタ6の背面周辺部分にスペーサラバー3e,3fを押し当てることにより、筐体からのタッチパネル式モニタ6に対する固定応力を減少させている。スペーサラバー3e,3fの上にモニタ取付板8a,8bを押し当て筐体フレーム11の内側にモニタ取付板8a,8bを固定することにより、タッチパネル式モニタ6が筐体フレームに取り付けられている。
【0011】
タッチパネル式モニタ6は床に対し略垂直に、かつ横方向が短手,縦方向が長手になるように配置されている。タッチパネル式モニタ6の前面に透明板の衝撃緩衝部5が固定された透明体のダーツ固定部4がモニタ取付板7a,7bの一部によって筐体フレームに取り付けられている。タッチパネル式モニタ6の前面と衝撃緩衝部5の間にダーツによって衝撃緩衝部5が変形してもタッチパネル式モニタ6の前面に接触しない程度の間隙18が形成されている。プレイヤは矢印19方向にダーツ固定部4,衝撃緩衝部5を通してタッチパネル式モニタ6の画面を見ることができる。
図1(b)にタッチパネル式モニタの画面にダーツ板表示10が映し出されている状態が示されている。プレイヤはこのダーツ板表示(的)10に向けてダーツを投げることとなる。
【0012】
図2Aは、図1のダーツ検出機構付近およびダーツの詳細を示す断面図である。
透明なダーツ固定部4は透明度の高いアクリルやポリカーボネイトなどの丈夫な樹脂を素材としており、この表面には全面を覆うように無数の貫通するすり鉢状の孔15が穿設されている。この孔15はディジタルダーツで用いられる標準的なダーツの針部(ダーツ先端部)が貫通するとともに円錐形状をしており奥へ進むほど細くなっている。ダーツ固定部4裏面から飛び出るダーツ先端部の長さを制限しつつ、ダーツをこの円錐形状の孔のテーパー部で抑えることにより固定するものである。
ダーツ固定部4の表面には、ダーツで用いられる標準的な寸法で、的の図柄が細い線画で描画されており、この線画は背面位置のタッチパネル式モニタで表示されるダーツ板(的)の映像をより視認し易くするものである。上記無数に開けられるすり鉢状の孔15も、この線画に沿って配置されている。
【0013】
ダーツ固定部4の背面に固定されている衝撃緩衝部5は透明度が高く、且つ衝撃吸収力と衝撃耐久性のある、例えばαゲル(株式会社ジェルテックの登録商標)のような素材でできており、この表面には切り込みである孔5aが形成されているが、この孔5aは底面まで到達しておらず、衝撃緩衝部5を貫通していない。ダーツ固定部4の背面から飛び出したダーツ先端部を弾いたりぶれたりしないようにするものである。さらにダーツ先端部をホールドし、衝撃を吸収し、衝撃緩衝部5の背部に配置されているタッチパネル式モニタのセンサ部ヘ直接的にダーツ先端が触れないようにすることによりセンサを保護する。αゲルはシリコーンを主原料とする非常に柔らかいゲル状素材である。
【0014】
ダーツ12は円筒形のダーツ外筒16に、先端付近が円錐形の被覆部20を取付け、ダーツ外筒16にコア21に巻回したコイル13を内蔵し、さらにコア21に先が針状に細く尖った樹脂製のダーツ先端部14を固定した構造である。ダーツ外筒16の図示しない部分にコイル13に接続されるコンデンサも内蔵されている。
ダーツ12は電磁誘導方式によるタッチパネル式モニタのセンサによって検出されるものである。
【0015】
タッチパネル式モニタ6は、タッチセンサ機能を有する液晶モニタであり、センサ部6aおよびモニタ6bより構成されている。センサ部6aは透明板にダーツ12からの磁界を検出する多数のコイルが並べて構成されている。x座標方向とy座標方向にそれぞれ多数のコイルを交差させて配置しx座標とy座標を得て、x座標とy座標の情報よりタッチパネル式モニタに対し刺さったダーツ12の位置を検出することができる。このセンサ部6aの後方に液晶モニタが配置されている。
【0016】
図2Bは、ダーツ固定部にダーツが刺さった状態を説明するための図である。
ダーツ12がダーツ固定部4に開いている無数の孔15の1つに刺さり、ダーツ固定部4の孔15から飛び出したダーツ12の先端部14は衝撃緩衝部5の無数に開けられた孔5aの1つに刺さりつつ衝撃の大部分が吸収される。そして先端部14はこの衝撃緩衝部5の孔5aの底部を筐体奥へ押し込むように進み、間隙18の途中で止まる。
【0017】
図3は電磁誘導方式の回路構成の一例を示す図である。
センサ部内の各コイル対応に、コイル27を駆動するための電流ドライバ24,コイル27からの電流を入力する受信アンプ26および電流ドライバ24と受信アンプ26の間に挿入され、コイル27に対し入出力を切り替えるスイッチ25が具備されている。
スイッチ25の共通端子はコイル27の一端に、一方の端子は電流ドライバ24の出力端子に、他方の端子は受信アンプの入力端子にそれぞれ接続されている。このようなセンサ部のコイルおよび入出力切替の回路がx座標方向およびy座標方向それぞれに多数配置されている。ダーツ12にはコイル13の他にコイル13に流れる電流を蓄積するコンデンサ23が内蔵されている。
【0018】
スイッチ25が図3に示す位置に切替られている状態では電流ドライバ24の出力端子がセンサ部のコイル27に接続されており、センサ部のコイル27に流れる電流により磁力線28が発生する。
ダーツ12がダーツ固定部4に突き刺さると、ダーツ12のコイル13はセンサ部のコイル27からの磁界によって誘導電流が流れ、この誘導電流がコンデンサ23に蓄えられる。コンデンサ23に蓄えられた電流はダーツ12のコイル13に流れることによりコイル13に磁界が発生し、センサ部のコイル27に誘導電流が流れる。このとき、スイッチ25は受信アンプ26の入力側に切り替えられており、センサ部のコイル27に流れる誘導電流は受信アンプ26に入力し増幅されて位置情報として出力される。また、y座標方向のコイルについても同様に誘導電流が発生し増幅されて出力される。
【0019】
この一連の動作は1秒間に何十回も繰り返されている。x座標およびy座標の隣接する数本のコイルには電流が発生し、発生した電流の電圧を比較し、その分布よりダーツ位置を高い精度で検出することが可能となる。位置情報を得た制御装置はこの情報によってゲームを進行する。
【0020】
図4は本発明によるディジタルダーツ遊戯装置の制御装置の構成およびタッチパネル式モニタとの間の信号送受の構成を示すブロック図である。
ダーツ制御装置17はセンサ部6aを起動し制御するためのセンサ制御信号を送出する。センサ部6aでは、スイッチ25が切替制御され、電流ドライバ24によるドライブ,受信アンプ26による出力が繰り返される。センサ部6aから出力される位置情報はダーツ制御装置に送られる。また、ダーツ制御装置17は液晶モニタ6bに映像信号を送出する。
ダーツ制御装置17はメモリ部17bにダーツに関するゲームプログラムおよび各種データを格納しており、ゲーム制御部17aがゲームプログラムを読出し実行することにより、複数の遊び方を可能にしている。遊び方は、プレイヤが液晶モニタ6bに表示される選択画面を見て、操作部30のボタン操作によって選択できるようになっており、主に得点の計算方法やプレイ人数の変化に特徴を持たせたものである。
【0021】
実行されるプログラムは一般的なダーツ競技の標準的なルールに準拠しており、現在市場に存在するディジタルダーツ遊戯装置の遊び方とルールや手法に関しては同様に処理するものである。また、ダーツ板表示の映像が変えられることを生かすような新規ゲームのプログラムもメモリ部17bに格納され、実行することが可能である。
各種ゲームに関する遊び方の説明やゲーム中の演出、得点状況などは、タッチパネル式モニタ6から映像として、スピーカ31からサウンドとしてプレイヤに対し提供される。
【0022】
つぎにゲーム進行の一例について説明する。
(1)プレイヤはディジタルダーツ遊戯装置の筐体に設けられているコイン投入部32へ100円硬貨を投入し、ゲームのクレジットを「1」上げる。液晶モニタ6bに例えば図5(b)に示すようなタイトル画面が表示される。
(2)操作パネル部にある操作部30の開始ボタンを押し、クレジットを「1」消費してゲームを開始する。上記プレイヤの操作に対しゲーム制御部17aが処理を実行し液晶モニタ6bに遊び方を選択するため画面を表示する。
(3)プレイヤは液晶モニタ6bに表示された画面中の幾つかの遊び方を見て、遊び方を選択し、開始ボタンを押すことによりダーツゲームの遊び方法を選択決定することができる。プレイヤが選択ボタンを押すと、選択された遊び方の表示図形がアクティブ表示となり、開始ボタンで決定される。
【0023】
(4)プレイヤの上記操作によりゲーム制御部17aは液晶モニタ6bにダーツ板表示を行うとともにサウンドを出力し、映像と音の演出を行う。
プレイヤは液晶モニタ6bに表示されたダーツ板表示をダーツ固定部4および衝撃緩衝部5を介して見ることができ、このダーツ板表示を見てダーツ固定部4に向かってダーツを投げることができる。
(5)上記液晶モニタ6bの映像表示およびサウンドによりプレイヤが選択した遊び方のゲームが開始され、プレイヤに定位置よりダーツを投げるよう促す。
(6)プレイヤは筐体から3m程度離れた場所に立ち、持参したあるいは貸し出されているダーツを的に挿さるように投げる。
【0024】
(7)ダーツ固定部4にダーツ12が刺さると、ダーツが刺さった位置がセンサ部6aによって検出されダーツ制御装置17に送られる。
ゲーム制御部17aはセンサ部6aからの位置情報を受けて液晶モニタ6bのダーツ板表示を、得点などを表示する画面に切り替える。プレイヤは視線を移動することなく、液晶モニタ6bによって自らのダーツの刺さった位置による得点およびその合計点を確認することができる。ゲーム制御部17aは所定時間、得点表示を行った後、元のダーツ板表示に切替表示する。
図5(c)にゲーム中のダーツ板表示画面の例を示す。画面中央にダーツ板が表示され、画面上部に現在プレイしているプレイヤ「A」が、さらに画面下部に得られた得点が表示されている。1投目は「50」,2投目は「20」であり、3投目は表示されていない。元のダーツ板表示に切り替わるとプレイヤはつぎのダーツを投げることが可能となる。
(8)上記プレイを繰り返し、規定本数のダーツが刺さった時点で、ゲーム制御部17aはゲームを終了する処理を行って液晶モニタ6bに得点,結果,順位などの画面を表示する。ブルエリアの内側のダブルブルのエリアに刺さった場合には図5(d)に示すように「Double Bull」の高得点表示がなされ、50点が加えられる。また、図5(a)で示すような画面のボーナスステージ表示がなされ、ボーナスステージに進むことができる。
【0025】
以上のゲーム進行の例は、液晶モニタにダーツ板表示が行われており、ダーツが刺さった場合、ダーツ板表示から得点を表示する画面に切替表示する例について説明したが、ダーツ板表示を切り替えることなく、液晶モニタのダーツ板表示の下部分に得点を表示するようにしても良い。
【0026】
本発明によるディジタルダーツ遊戯装置は図6に示すようにサーバ装置に接続してシステムを構成することができる。いわゆるインターネットなどのネットワークを通じて外部の管理サーバ装置とデータを送受信することを可能とする広域通信網を介する通信手段を用い、プレイヤの識別情報やゲーム結果を送受信するように構成することができる。このようなシステムにより、プレイヤは後日、自らのダーツゲームの得点を見ることができ、自らのゲーム結果を履歴として残すことにより、他のプレイヤとのランキング表示などを行うことができる。
本発明によるディジタルダーツ遊戯装置の制御装置にはプログラムやデータの更新などを可能とするような機能を付加することもできる。
【0027】
以上の実施の形態は、電磁誘導方式のセンサ部およびダーツの構成例について説明したが、センサ部を抵抗膜方式タッチパネルにしてダーツの刺さった位置を検出することができる。
抵抗膜方式ではダーツは図2Aに示すダーツの外観であれば良い。センサ部はベースとなるガラス面の表面に非常に小さいスペーサ(数ミクロン)を挟み、その表面にしなやかなフィルム(数百ミクロンのPETシート)を貼り付け、ガラスおよびフィルムの向かい合う面にはITO(Indium Tim Oxide)と呼ばれる透明な電極格子を設けている。
【0028】
フィルム面と衝撃緩衝部の間の間隙は、衝撃緩衝部がダーツの先端部で押された場合に、押された衝撃緩衝部分が伸びて所定の圧力でフィルム面に接触する程度の寸法にする。
衝撃緩衝部分がフィルム面にタッチしていない状態では2枚の電極はスペーサにより分離されているため電流は流れない。フィルム面にタッチすると、その圧力でフィルムとガラス面の電極は接触して電流が流れる。その際にガラス面,フィルム面それぞれの透明電極抵抗による分圧比を測定することにより押された位置を検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
ダーツゲームの採点などを自動化した、一般的にディジタルダーツと呼ばれる遊戯装置である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明によるディジタルダーツ遊戯装置の外観を示す断面図および正面図である。
【図2A】図1のダーツ検出機構付近およびダーツの詳細を示す断面図である。
【図2B】ダーツ固定部にダーツが刺さった状態を説明するための図である。
【図3】電磁誘導方式の回路構成を説明するための図である。
【図4】本発明によるディジタルダーツ遊戯装置の制御装置の構成およびタッチパネル式モニタとの間の信号送受の構成を示すブロック図である。
【図5】タッチパネル面の表示例を示す図である。
【図6】本発明によるディジタルダーツ遊戯装置のシステム構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
1 ディジタルダーツ遊戯装置
2 カバー
3 スペーサラバー
4 ダーツ固定部
5 衝撃緩衝部
6 タッチパネル式モニタ
7,8 モニタ取付板
10 ダーツ板表示
11 筐体フレーム
12 ダーツ
13 コイル
14 ダーツ先端部
15 すり鉢状孔
16 ダーツ外筒
17 ダーツ制御装置
18 間隙
20 被覆部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダーツを投げ、ダーツ板の的部に突き刺すことにより、ダーツが刺さった位置で得点などを争うディジタルダーツ遊戯装置において、
その表面に接触または近接したダーツの位置に対応の位置情報を検出するとともに映像を表示するタッチパネル式モニタおよび該タッチパネル式モニタにダーツ板表示を含む映像の表示を行う制御装置を設け、
該タッチパネル式モニタの上に透明板形状の衝撃緩衝部材を被せ、
さらに前記衝撃緩衝部材の上に、多数の孔を有し該孔に飛んでくるダーツの先端を突き刺す構造の透明のダーツ固定部を配置することにより、
前記タッチパネル式モニタの映像を、前記ダーツ固定部および前記衝撃緩衝部材を通してプレイヤに視認させるように構成したことを特徴とするディジタルダーツ遊戯装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
プレイヤがダーツを投げて前記ダーツ固定部に突き刺さるまでは、ダーツ板表示を行い、前記ダーツ固定部にダーツが突き刺さって前記タッチパネル式モニタにより検出される位置情報が送られてきたとき、ダーツが刺さった位置に対応する得点を表示する画面に切替え制御することを特徴とする請求項1記載のディジタルダーツ遊戯装置。
【請求項3】
前記タッチパネル式モニタのセンサ部にコイル群を、前記ダーツにコイルをそれぞれ有し、
前記コイル群に流した電流により発生した磁界によって前記ダーツのコイルに誘導電流を発生させて該ダーツのコンデンサに電気エネルギーを溜め、該電気エネルギーによって前記ダーツのコイルに電流を流して磁界を発生させ、電流を止めた前記コイル群に誘導電流を発生させることにより、前記コイル群の電流が流れたコイルの上をダーツが存在する位置として検出することを特徴とする請求項1または2記載のディジタルダーツ遊戯装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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