説明

ディジタルビデオカメラ

【課題】 メカニカルな機構により記録/再生する記録用装置(例えば、ビデオテープ、DVD或いはハードディスク等)を用いる必要性をなくし、以て、ディジタルビデオカメラの小型軽量化、低価格化、低消費電力化を図る。また、ディジタルビデオカメラで撮影された静止画、動画をインターネットにより、他の者が読み出して見たり、印刷したりすることができるようにする。
【解決手段】 撮像部6と、撮像部6で撮像された被写体の動画信号をつくる動画処理部8と、動画処理部8の出力を携帯電話機42に送信させる携帯電話インターフェイス40を備え、携帯電話インターフェイス40は、携帯電話機42に接続されて動画処理部8からの信号を携帯電話機42によりインターネット44を通じてサーバー46に送信して記録させるようにしてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタルビデオカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタルの動画撮像装置、ディジタルの静止画撮像装置が盛んに開発され、近年は、動画撮像を主たる機能としつつも、静止画をも撮像できるもの、更には、静止画撮像を主たる機能としつつも動画をも撮像できるものがあり、そのような装置について例えば特開2005−020787号公報等により提案が為されている。
そして、そのように、動画撮像を主たる機能としつつも、静止画をも撮像できるものの典型例としてディジタルビデオカメラがある。
【0003】
図2はディジタルビデオカメラの一つの従来例2aの概略構成を示すブロック図である。図において、4はディジタルビデオカメラ2a全体を制御する制御部で、CPU(Central Proccessing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Acces Memory)からなり、データバス及びアドレスバスにてディジタルビデオカメラ2a内の各重要部分と接続されている。
4は光学部で、結像用のレンズ、自動焦点機構、ズーム機構等を含んでいる。6は撮像部で、例えば固体撮像素子[例えばCCD(Charge Coupled Device)型固体撮像素子]からなる。
【0004】
8は撮像部6の出力映像信号を処理してディジタルの動画信号をつくり、更に一時的に保存する動画処理部、10は撮像部6の出力映像信号を処理してディジタルの静止画信号をつくり、更に一時的に保存する静止画処理部、12は撮像部6の出力映像信号を処理してモニター用ディスプレイ14に再生表示させるディジタルのモニター用再生信号をつくるモニター再生部である。該モニター用ディスプレイ14は例えば液晶表示素子からなり、上記モニター用再生信号を受けて、撮像部6からの静止画或いは動画を再生表示する。
【0005】
16L、16Rは左右チャンネルのマイクロフォンで、音声信号を収音する。18はこのマイクロフォン16L、16Rの出力信号を受け、ディジタルの音声信号をつくる音声処理部、20はその音声信号を一時的に保存する音声保存部、22はディジタルビデオカメラ2aを各種操作をする、複数のスイッチからなるスイッチ群、24はスイッチ用のインターフェイス、26は入出力端子群で、USB端子、AVケーブル接続端子、PC(Personal Conputer)接続端子、プリンタ接続端子、イヤホーン接続端子等からなる。28は入出力端子用インターフェイスを成す入出力部、30はメモリーカード用インターフェイス、32はディジタルビデオカメラ2aにセットされたメモリカードで、そのカードの記憶容量内で動画或いは静止画の信号と、それに付随する音声の信号を記憶する。
【0006】
34は記録用装置用インターフェイス、36はディジタルビデオカメラ2aにセットして使用され、メカニカルな機構により記録、再生される記録用装置で、例えばビデオテープ(DVテープ)、DVD(Digital Versail Disc)、ハードディスク等からなり、少なくともモーター等のメカニカルな機構が無いと記録、再生は不可能である。このようなディジタルビデオカメラ2aは例えば動画を撮影する場合には、動画撮影を指示するスイッチの操作をする。すると、光学部4により撮影された被写体像(動画)が撮像部6表面に結像される。尚、ズーム機構があるタイプの場合、ズーム用スイッチの操作によりズームイン、ズームアウトすることができる。
【0007】
撮像部6の出力映像信号は、動画処理部8にてディジタル信号への変換、その他の処理等をされ、且つ、一時的に保存され、更に、インターフェイス34に送られ、セットされている記録用装置36(例えば、DVテープ等)に動画信号として記録される。
一方、被写体側からの音声が、上記マイクロフォン16L、16Rによりステレオ音声信号として収音され、音声信号処理部18にてディジタル信号に変換等され、その上で音声保存部20に一時的に保存され、その保存された音声信号は上記インターフェイス34に送られ、上記記録用装置36に、上記動画信号と共に記録される。
【0008】
また、上記動作と併行して撮像部6の出力映像信号を、モニター再生部12にて処理し、その処理した信号を、例えば液晶表示素子からなるディスプレイ14に送り、再生させる。従って、ユーザーはそのディスプレイ14により表示されたモニター画像を視ながら動画撮影をすることができる。
以上が動画撮影の例であるが、静止画処理部10を動作させて静止画を記録用装置36に記録させることもできる。その場合、音声もその静止画に付随するものとしてその記録用装置36に記録することができる。
【0009】
記録用装置36に記録された動画或いは静止画及び音声は、フォーマットさえ合えば、再生装置により再生できるし、本ディジタルビデオカメラ2aにおいても再生することができる。具体的には、動画或いは静止画はディスプレイ14により、音声はイヤホーン接続端子(入出力端子26の一部)に接続されたイヤホーンにより再生できる。
【特許文献1】特開2005−020787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述した従来のディジタルビデオカメラ2aによれば、記録用装置(記録媒体)36として、例えばビデオテープ(DVテープ)、DVD(Digital Video Disc)、或いはハードディスクを用い、メカニカルな機構により記録/再生するようにしなければならず、先ず、セットされるそのメディア自体がディジタルビデオカメラ2aの一部を占有し、更に、そのメディアによる記録、再生をするための機構もディジタルビデオカメラ2aの他の一部を占有する。
そのため、ディジタルビデオカメラを含む各種電子機器、特に携帯用の電子機器に強く要請される小型軽量化が阻まれてしまう。
【0011】
また、メディアに記録/再生させるには、少なくともモーターを含む複雑な機構が必要であり、そのため、ディジタルビデオカメラ2aの価格を低くすることが難しい。
また、記録/再生に必要な消費電力を低減することも難しい。これは電池の交換頻度を低めることを難しくする。
これ等の問題は、総て携帯用のディジタルビデオカメラ2aには看過できない問題である。
【0012】
本発明はこのような問題点を解決すべく為されたものであり、メカニカルな機構により記録/再生する記録用装置(例えば、ビデオテープ、DVD或いはハードディスク等)を用いる必要性をなくし、以て、ディジタルビデオカメラの小型軽量化、低価格化、低消費電力化を図ることを目的とし、更には、撮影した静止画、動画等を、サーバーにアップすることにより、インターネットを介して他の人にすぐに見られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1のディジタルビデオカメラは、被写体を撮像する撮像部と、該撮像部で撮像された被写体の動画信号をつくる動画処理部と、該動画処理部の出力を携帯電話機に送信させる携帯電話インターフェイスを少なくとも備え、上記携帯電話インターフェイスは、上記携帯電話機に接続されて上記動画処理部からの信号をこの携帯電話機によりインターネットを通じてサーバーに送信して記録させるようにされてなることを特徴とする。
尚、請求項1に限らず、本発明においては、撮像部に被写体を結像するために必要となる光学系は、通常の単眼式でも良いが、双眼鏡(デジビノ:ペンタックス株式会社の商品名)式であっても良い。双眼鏡式によれば、特にスポーツや学芸会等の動画を撮像する場合、単眼式よるよりも、望む被写体、ポイントを追うカメラワークがし易いのである。
また、請求項1に限らず、本発明における「サーバーに送信して記録」には、例えば、ホームページ等に記録して他の人、例えば特定のインターネット利用者に読み出し得るようにする場合を当然に含む。
【0014】
請求項2のディジタルビデオカメラは、請求項1記載のディジタルビデオカメラにおいて、音声を収音する収音部と、該収音部で収音された音声の信号(音声信号)をつくる音声処理部を備え、前記携帯電話インターフェイスは、前記動画信号と共に上記音声の信号(音声信号)を記録、送信し、前記インターネットを通じて前記サーバーに送信して記録させるようにされてなることを特徴とする。
【0015】
請求項3のディジタルビデオカメラは、請求項1又は2記載のディジタルビデオカメラにおいて、前記動画処理部の出力を記録する前記記録媒体を内蔵し、或いはセットされ得るようにされたことを特徴とする。
請求項4のディジタルビデオカメラは、請求項3記載のディジタルビデオカメラにおいて、前記撮像部で撮像された被写体の静止画信号をつくる静止画処理部を少なくとも備え、前記記録媒体に、上記静止画処理部でつくられた静止画信号をも保存し得るようにされ、前記携帯電話インターフェイスは、上記静止画処理部からの出力をも携帯電話機によりインターネットを通じてサーバーに送信して記録させるようにされてなることを特徴とする。
【0016】
請求項5のディジタルビデオカメラは、請求項1、2、3又は4記載のディジタルビデオカメラにおいて、音声を収音する収音部と、該収音部で収音された音声の信号(音声信号)をつくる音声処理部を備え、前記記録媒体と前記携帯電話インターフェイスは、前記静止画信号と共に上記音声の信号(音声信号)を記録、送信し、前記インターネットを通じて前記サーバーに送信して記録させるようにされてなることを特徴とする。
請求項6のディジタルビデオカメラは、請求項3、4又は5記載のディジタルビデオカメラにおいて、前記携帯電話インターフェイスは、前記記録媒体の残り容量が予め設定された量になったときに、その後、前記各種信号を送信し、前記インターネットを通じて前記サーバーに送信して記録させるようにされてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1のディジタルビデオカメラによれば、動画処理部の出力を携帯電話機に送信させる携帯電話インターフェイスを少なくとも備え、該携帯電話インターフェイスは、上記携帯電話機に接続され、上記動画処理部からの信号を上記携帯電話機によりインターネットを通じてサーバーに送信して記録させるようにされてなるので、上記動画処理部からの信号を記録する、記録容量の多い、メカニカルな機構により記録再生する記録用装置を必要とせず、また、その記録用装置に記録をさせる機構も必要ではなくなる。
従って、従来記録用装置を用いていたことにより生じていた各種問題を解決することができ、ディジタルビデオカメラの小型軽量化、低価格化、低消費電力化を図ることが可能となる。
そして、記録した動画は、そのインターネットを通じてサーバーから取り出して再生することが可能になる。
【0018】
即ち、インターネットの利用者が激増し、大企業に限らず中小の企業や商店のみならず各個人までがホームページを持つことが常識化しつつある今日において、各個人等がインターネットを通じてサーバーに自己のための記録領域を確保することのできるシステム(制度)の活用も普及しつつある。そして、動画や、静止画等の映像信号並びにそれ等に付随する音声信号に関してのディジタルデータの圧縮技術も非常に発達している。
従って、インターネットを通じてアクセスできるサーバーの自己のための記録領域に動画や静止画等の映像信号と、音声信号をサーバーの自己の記録領域に記録することとすれば、ディジタルビデオカメラには、ビデオテープ(DVテープ)、DVD(Digital Video Disc)、或いはハードディスク等の記録用装置をセットできるようにし、更に、そのセットした記録用装置に記録を、更には再生を、させる機構を設けることは、全く必要としないようにすることができる筈である。
そこで、そのようにサーバーの自己のための記録領域に動画や静止画等の映像信号と、それに付随する音声信号を記録させうるようにするのが、本発明、即ち請求項1のディジタルビデオカメラ及び請求項2以降の請求項のディジタルビデオカメラの基本的な原理である。
【0019】
上述したように、請求項1に限らず、本発明においては、撮像部に被写体を結像するための光学系は、双眼鏡(デジビノ:ペンタックス株式会社の商品名)式であっても良い。というのは、スポーツや学芸会等の動画を撮像する場合、双眼の方が望む被写体、ポイントを追うカメラワークがし易いからである。しかるに、従来においては、前述のように、大型で複雑な記録用装置を必要としたので、双眼鏡方式の光学系が単眼式に比較して構造がやや複雑で、やや大型なことと相俟って小型用のディジタルビデオカメラには適さなかったのである。
しかし、本発明におけるように、ビデオテープ(DVテープ)、DVD(Digital Video Disc)、或いはハードディスク等の記録用装置をセットできるようにし、更に、そのセットした記録用装置に記録を、更には再生をさせる機構を設けることを必要でなくすれば、双眼鏡方式の光学系を用いても、ディジタルビデオカメラを徒らに大きくしなくても済むのである。従って、本発明は、双眼鏡方式の光学系の用途をより拡大することにも寄与するものと言える。
【0020】
請求項2のディジタルビデオカメラによれば、請求項1記載のディジタルビデオカメラにおいて、音声を収音する収音部と、該収音部で収音された音声の信号(音声信号)をつくる音声処理部を備え、前記携帯電話インターフェイスが、前記動画信号と共に上記音声の信号(音声信号)を記録、送信し、前記インターネットを通じて前記サーバーに送信して記録させるので、動画信号と共に、それに付随する音声信号をもサーバーに送信して記録させることができる。
そして、記録した動画とそれに付随する音声を、そのインターネットを通じてサーバーから取り出して再生することが可能になる。
【0021】
請求項3のディジタルビデオカメラによれば、請求項1又は2記載のディジタルビデオカメラにおいて、動画処理部の出力を記録する記録媒体(例えばメモリカード等)がセットされ得るようにされているので、或いは内蔵しているので、動画をその記録媒体に記録することができる。
従って、その記録媒体をカメラと携帯電話機との間の記録用のバッファとして使用することができる。
請求項4のディジタルビデオカメラによれば、請求項3記載のディジタルビデオカメラにおいて、前記撮像部で撮像された被写体の静止画信号をつくる静止画処理部を備え、前記記録媒体に、上記静止画処理部でつくられた静止画信号をも保存し得るようにされ、前記携帯電話インターフェイスが、上記静止画処理部からの出力をも携帯電話機によりインターネットを通じてサーバーに送信して記録させるようにされているので、静止画をその記録媒体に記録することも、サーバーに記録することもできる。
【0022】
請求項5のディジタルビデオカメラによれば、請求項1、2、3又は4記載のディジタルビデオカメラにおいて、収音部と、該収音部で収音された音声の信号(音声信号)をつくる音声処理部を備え、前記記録媒体と前記携帯電話インターフェイスは、前記静止画信号と共に上記音声の信号(音声信号)を記録、送信し、インターネットを通じて前記サーバーに送信して記録させるようにされているので、静止画をそれに付随する音声と共に、その記録媒体に記録することも、サーバーに記録することもできる。
請求項6のディジタルビデオカメラによれば、請求項3、4又は5記載のディジタルビデオカメラにおいて、前記携帯電話インターフェイスは、前記記録媒体の残り容量が予め設定された量になったときに、その後、先に記録されている信号をオーバーフローする信号として、前記インターネットを通じて前記サーバーに送信して記録させるようにし、新たにその記録媒体に入力された信号をその記録媒体に記憶するようにされているので、その記録媒体をカメラと携帯電話機との間の記録用のバッファとして使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の形態は、基本的に、撮像部と、該撮像部で撮像された動画信号をつくる動画処理部と、該動画処理部の出力を携帯電話機に送信させる携帯電話インターフェイスを少なくとも備え、上記携帯電話インターフェイスは、上記携帯電話機に接続され、動画処理部からの信号を携帯電話機によりインターネットを通じてサーバーに送信して記録させるようにしたものであるが、静止画をつくる静止画処理部を設け、静止画信号をも携帯電話機によりインターネットのサーバーに送信して記録するようにすることが好ましい。
また、収音部(マイクロフォン)と、これが収音した音声の信号を処理する音声処理部をも設け、音声信号をも携帯電話機によりインターネットのサーバーに送信して記録するようにすることが好ましい。
【0024】
そして、メモリカードの如き、記録再生に運動するメカニカルな機構を要しない小さな記録媒体をセットし、それに書き込み読み出しができるようにすると良い。というのは、その記録媒体を、カメラと携帯電話機との間の記録用のバッファとして使用することができるからである。即ち、バッファとして機能するものがないと、カメラ側からの信号出力開始に対応してインターネットによる送信がスムーズに開始されないとき、不都合が生じる場合があるからである。
そして、メモリカードの如き記録媒体(記憶容量は例えば数秒〜数分分)をメモリバッファとして用いることができるようにした場合、先ず、記録媒体に記録し、その記録容量を越える分を古い順から記録媒体から出力し、新たに入力された信号を記憶することにより、即ち、ファーストインファーストアウト(FIFO)方式の動作をさせることにより、インターネットを通じてサーバーに記録するようにすると良い。
しかし、メモリーカードの如き記録媒体を、バッファとしてではなく、例えば、静止画信号及びそれに付随する音声信号のインターネットによる送信と併行する記録の記録媒体として用いるようにすることもできる。
【0025】
この記録媒体はメモリーカードの如き外付けのものであっても良いが、ディジタルビデオカメラに内蔵のものであってもよい。
尚、ディジタルビデオカメラの撮影用(記録用)スイッチを操作すると、或いはこのスイッチと別のスイッチ(例えばインターネット接続用スイッチ)とを同時操作すると、単に撮影が開始されるのみならず、携帯電話機により、予め設定しておいた接続先にインターネット接続されるようにしてもよい。
【実施例1】
【0026】
以下に、本発明の第1の実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一つの実施例2の概略構成を示すブロック図である。図において、4はディジタルビデオカメラ2全体を制御する制御部で、CPU、ROM、RAMからなり、データバス及びアドレスバスにてディジタルビデオカメラ2内の各重要部分と接続されている。
4は光学部で、結像用のレンズ、自動焦点機構、ズーム機構等を含んでいる。この光学部4は、通常の単眼式でも良いが、双眼鏡式(デジビノ:ペンタックス株式会社の商品名)であっても良いことは前述のとおりである。6は撮像部で、例えばCCD型固体撮像素子からなる。
【0027】
8は撮像部6の出力映像信号を処理してディジタルの動画信号をつくり更に一時的に保存する動画処理部、10は撮像部6の出力映像信号を処理してディジタルの静止画信号をつくり一時的に保存する静止画処理部、12は撮像部6の出力映像信号を処理してモニター用ディスプレイ14に再生表示させるディジタルのモニター用再生信号をつくるモニター再生部である。該モニター用ディスプレイ14は例えば液晶表示素子からなり、上記モニター用再生信号を受けて、撮像部6からの静止画或いは動画を再生表示する。
【0028】
16L、16Rは左右チャンネルのマイクロフォンで、音声信号を収音する。18はこのマイクロフォン16L、16Rの出力信号を受け、ディジタルの音声信号をつくる音声処理部、20はその音声信号を一時的に保存する音声保存部、22はディジタルビデオカメラ2aを各種操作をする、複数のスイッチからなるスイッチ群である。
尚、これはスイッチのなかには、撮影するとき操作するスイッチRECがあるが、このスイッチRECを操作すると、或いはこのスイッチRECと別のスイッチ(例えばインターネット接続スイッチ)を同時操作すると、単に撮影が開始されるのみならず、携帯電話機42によって、予め設定しておいた接続先にインターネット接続されるようにしてもよい。
【0029】
24はスイッチ用のインターフェイス、26は入出力端子群で、USB端子、AVケーブル接続端子、PC接続端子、プリンタ接続端子、イヤホーン接続端子等からなる。
28は入出力端子用インターフェイスを成す入出力部、32はディジタルビデオカメラ2にセットされたメモリカードで、そのカードの記憶容量内で動画或いは静止画の信号と、それに付随すにる音声の信号を記憶し、本ディジタルビデオカメラと携帯電話機との間の記録用バッファとしての役割を果たす。
【0030】
40は携帯電話インターフェイスで、動画処理部或いは静止画処理部に保存された映像信号及びそれに付随する音声保存部に保存された音声信号を所定のルールに伴って適宜圧縮して上記バッファとしての役割を果たすメモリーカード32を介して携帯電話機42に送り、更にその携帯電話機42にインターネット44のサーバー44への記録をさせる。
そして、本ディジタルビデオカメラ2は、記録用装置(記録媒体)、例えばビデオテープ(DVテープ)、DVD(Digital Video Disc)或いはハードディスク等をセットすることはできず、また、そのメディアに記録、再生させるメカニカルな運動機構も存在しない。
【0031】
このようなディジタルビデオカメラ2は、例えば動画を撮影する場合には、動画撮影を指示するスイッチの操作をする。すると、光学部4により撮影された被写体像(動画)が撮像部6表面に結像される。尚、ズーム機構があるタイプの場合、ズーム用スイッチの操作によりズームイン或いはズームアウトすることができる。
撮像部6の出力映像信号は、動画処理部8にてディジタル信号への変換、その他の処理等され、且つ、上記メモリーカード32に保存され、更に、携帯電話インターフェイス40に送られる。この携帯電話インターフェイス40は、その信号を一定のルールに従って圧縮してバッファを成すバーサーメモリーカード32経由で携帯電話機42に送り、この携帯電話機42をしてインターネット44に送信させ、そのサーバー44のそのサーバー契約者の記録領域に動画信号として記録させる。
【0032】
一方、被写体側からの音声が、上記マイクロフォン16L、16Rによりステレオ音声信号として収音され、音声信号処理部18にてディジタル信号に変換等され、その上で音声保存部20に一時的に保存され、その保存された音声信号は上記携帯電話インターフェイス40に送られ、上記動画信号と共に上記メモリーカード32及び携帯電話機42経由で、上記サーバー44のサーバー契約者の記録領域に記録される。
また、上記動作と併行して撮像部6の出力映像信号を、モニター再生部12にて処理し、その処理した信号を、例えば液晶表示素子からなるディスプレイ14に送り、再生させる。従って、ユーザーはそのディスプレイ14により表示されたモニター画像を視ながら動画撮影をすることができる。
以上が動画撮影の例であるが、静止画処理部10を動作させて静止画を携帯電話機42、インターネット44を経由してサーバー46の記録領域に記録させることもできる。その場合、音声もその静止画に付随するものとしてその記録領域に記録することができる。
【0033】
上記サーバー46に記録された動画或いは静止画及び音声は、インターネット44と接続しうるパーソナルコンピュータ或いは携帯電話機を通じて読み出し、再生することができる。
具体的には、動画或いは静止画はディスプレイ14により、音声はイヤホーン接続端子(入出力端子26の一部)に接続されたイヤホーンにより再生できる。
【0034】
このようなディジタルビデオカメラ2によれば、動画信号或いは静止画信号及び音声信号を記録する記録用装置を必要とせず、また、その記録用装置に記録をさせる機構も必要ではなくなるので、従来記録用装置を用いていたことにより生じていた各種問題を解決することができ、ディジタルビデオカメラの小型軽量化、低価格化、低消費電力化を図ることが可能となる。
そして、記録した動画或いは静止画及び音声は、そのインターネットを通じてサーバーから取り出して再生することが可能になる。それは、例えば、撮影者の例えば生家の父母、祖父母等がそのインターネット44を通じてそのサーバー46にアプローチして動画或いは静止画及び音声を再生するという態様で行うことが可能であり、従来におけるように記録用装置、例えばDVテープ等を郵送しなければ遠くの人に再生して貰うことができないという不都合は無い。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、携帯電話を利用してインターネット経由でサーバーの契約者の記録領域を記録用装置代わりにして動画或いは静止画及び音声を記録するディジタルビデオカメラに産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施例2を示す回路ブロック図である。
【図2】ディジタルビデオカメラの従来例2aを示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
【0037】
2・・・ディジタルビデオカメラ、4・・・光学部、6・・・撮像部、
8・・・動画処理部、10・・・静止画処理部、
16L、16R・・・収音部(マイクロフォン)、18・・・音声処理部、
32・・・記録媒体(メモリカード)、40・・・携帯電話インターフェイス、
42・・・携帯電話機、44・・・インターネット、46・・・サーバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像部と、該撮像部で撮像された被写体の動画信号をつくる動画処理部と、該動画処理部の出力を携帯電話機に送信させる携帯電話インターフェイスを少なくとも備え、
上記携帯電話インターフェイスは、上記携帯電話機に接続されて、上記動画処理部からの信号を該携帯電話機によりインターネットを通じてサーバーに送信して記録させるようにされてなる
ことを特徴とするディジタルビデオカメラ。
【請求項2】
音声を収音する収音部と、該収音部で収音された音声の信号(音声信号)をつくる音声処理部を備え、
前記携帯電話インターフェイスは、前記動画信号と共に上記音声の信号(音声信号)を記録、送信し、前記インターネットを通じて前記サーバーに送信して記録させるようにされてなる
ことを特徴とする請求項1記載のディジタルビデオカメラ。
【請求項3】
動画処理部の出力を記録する記録媒体を有し、或いはセットされ得るようにされた
ことを特徴とする請求項1又は2記載のディジタルビデオカメラ。
【請求項4】
前記撮像部で撮像された被写体の静止画信号をつくる静止画処理部を少なくとも備え、
前記記録媒体に、上記静止画処理部でつくられた静止画信号をも保存し得るようにされ、
前記携帯電話インターフェイスは、上記静止画処理部からの出力をも前記携帯電話機によりインターネットを通じてサーバーに送信して記録させるようにされてなる
ことを特徴とする請求項3記載のディジタルビデオカメラ。
【請求項5】
音声を収音する収音部と、該収音部で収音された音声の信号(音声信号)をつくる音声処理部を備え、
前記記録媒体と前記携帯電話インターフェイスは、前記静止画信号と共に上記音声の信号(音声信号)を記録、送信し、前記インターネットを通じて前記サーバーに送信して記録させるようにされてなる
ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のディジタルビデオカメラ。
【請求項6】
前記携帯電話インターフェイスは、前記記録媒体の残り容量が予め設定された量になったときに、その後、その量を越えた前記各種信号を先に入力された信号から順に送信し、前記インターネットを通じて前記サーバーに送信して記録させるようにされてなる
ことを特徴とする請求項3、4又は5記載のディジタルビデオカメラ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−314019(P2006−314019A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135793(P2005−135793)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(597044209)有限会社ソーユー (2)
【Fターム(参考)】