説明

ディジタル制御ソフト故障模擬テスト装置

【課題】ハード入出力モジュールと確定性ネットワーク通信インターフェースにより、データを提供して該プラント模擬装置と該高圧炉心注水制御装置を統合し、ソフト安全解析と推定派生関連新故障モードを応用できるディジタル制御ソフト故障模擬テスト装置を提供する。
【解決手段】少なくとも、プログラム模擬のプラント模擬(Process)装置と、高圧注水実体制御とソフト模擬制御(Control Logical Simulation)とが含有される制御装置(Controller)と、作業者(Operator)が高圧炉心注水制御装置と格別安全制御システム制御を観察するための操作インターフェース装置とが含有される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディジタル制御ソフト故障模擬テスト装置に関し、特に、ソフト安全解析と派生関連新故障モードの推定に応用できるものに関する。
【背景技術】
【0002】
一般のプラントにおいて、高圧炉心注水制御装置の反応炉が、仮想された管路漏れ等状況により、炉水が漏れる事故が発生する時、その緊急炉心冷卻システムは、自動的に起動され、該高圧炉心注水制御装置のシステムに出口の圧力がやや高くなるように設計されるため、反応炉圧力が低下しない状態で、快速的に、凝縮水貯蔵槽や圧力抑制プールから該反応炉に対して水を補給し、その後、自動減圧装置と低圧注水システムにより水を補給して炉心の水位を維持し、これにより、炉心にある核燃料が十分に冷卻されることを確保され、核燃料が過熱により損害されることを防止できる。以上は、該高圧炉心注水制御装置を制御するための理想的な作動である。
【0003】
通常、従来のテスト装置は、テストプログラムを発展する時、装置に故障が発生する時、その考慮因素に損害拡散性の発生を考慮していないし、周延性や完全性を有する対策を欠如していたり、適当ではない考慮を取ったりするため、正確に核エネルギー安全や規制リスクにあるべく関連対応措置や事件コンティンジェンシー緩和の条件や手続きを反映できず、そのため、核エネルギー安全や規制リスクの因素に影響を与え、また、損害程度だけを考慮するだけでなく、その破壊の拡散性も考慮しなければならない。そのため、従来のテスト装置は、それらの複雑な因素を統合的に考慮しても、核エネルギーの安全や規制リスク処理の考慮因素に判断結果や実際ニーズを現せない。そのため、一般の従来のものは実用的とは言えない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、ハード入出力モジュールと確定性ネットワーク通信インターフェースを利用して、プラント模擬装置や高圧炉心注水制御装置に対して、データを提供して、ソフト安全解析や推定派生関連新故障モードを応用する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の目的を達成するため、少なくとも、プログラム模擬によるプラント模擬(Process)装置と、高圧炉心注水実体制御とソフト模擬制御(Control Logical Simulation)が含有される制御装置(Controller)と、作業者(Operator)が、高圧炉心注水制御装置や格別安全制御システムを観察して制御するための操作インターフェース装置とからなる。これにより、該ハード入出力モジュールや該確定性ネットワーク通信インターフェースにより、データを提供して該プラント模擬装置と該高圧炉心注水制御装置を統合し、ソフト安全解析と推定派生関連新故障モードを応用できるディジタル制御ソフト故障模擬テストの装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1〜図3は、それぞれ本発明のシステム構造概念図と本発明のプラント模擬プログラム構造概念図及び本発明のプラント模擬プログラム基本流れ概念図である。図のように、本発明はディジタル制御ソフト故障模擬テストの装置であり、少なくとも、プラント模擬(Process)装置1と、制御装置(Controller)2と、操作インターフェース装置3とからなり、これによりソフト安全解析や推定派生関連新故障モードを応用できる。
【0007】
該プラント模擬装置1は、ソフト発展によるプログラムで模擬し、更に、システム処理モジュール11とプラント模擬算出モジュール12に分けられ、該システム処理モジュール11は、全体模擬流れ制御モジュール111と、インターフェース処理モジュール112と、データベース処理モジュール113とからなり、該プラント模擬算出モジュール12は、共通算出関数モジュール121と、模擬算出モジュール122と、報告(Report)記録管理モジュール123とからなる。
【0008】
該制御装置2は、高圧炉心注水実体制御21とソフト模擬制御(Control Logical Simulation)22とからなる。
【0009】
該操作インターフェース装置3により、作業者(Operator)が、高圧炉心注水制御装置や格別安全制御システムを観察するための制御インターフェースが提供される。
【0010】
該プラント模擬装置1と該制御装置2の通信インターフェース41a、41bとは、ハード入出力モジュールを利用して接続線42とインターネットプロトコル(TCP/IP)43で連接され、該制御装置2と該操作インターフェース装置3は、確定性ネットワーク通信インターフェース5を介して連結される。
【0011】
図4は本発明の実体構造概念図である。図のように、本発明のディジタル制御ソフト故障模擬テストの装置は、システムにおいて二つのキャビネットがあり、それぞれ高圧炉心注水実体制御キャビネット21aとキャビネット4であり、該実体制御キャビネット21aは、高圧炉心注水制御関連の制御設備が収納され、該キャビネット4は、ハード入出力設備の通信インターフェース41a、41bとプラント模擬装置1が収納され、最も外部である操作インターフェース装置3は、マンマシンインターフェイス(Man−machine Interface)制御模擬(Control Simulation)である。
【0012】
該入出力設備を介して、動的にライブラリ(DLL)や該プラント模擬装置1が連結され、ハード入出力点のデータを読み取ることが可能であり、これによりプラント模擬装置1と一部のソフト模擬制御22が連結される。
【0013】
プログラム模擬の時、まずプログラム模擬のプラント模擬装置1によりそれぞれ起動する時、プログラム最初実行経路13aとプログラム開始執行経路13bである二つの経路に分けられ、プログラムが起動された後、ステップ14、15を行い、該データベース処理モジュール113から関連する基本パラメータをロードし、該ロードされたデータに基づいてステップ16を実行して、プログラムが最初の基本算出を行う。算出が終了すると、ステップ17を実行し、プログラムのバージョン宣告と操作インターフェースが駆動され、これにより該プログラム最初執行経路13aが完成され、また該プログラム開始執行経路13bは、ステップ18を実行する時、作業者(Operator)が指令や状況模擬を入力することを待ち、この時、プログラム流れが最初から実行することなく中間算出部分に集中する。該中間算出部分は、基本の理論算出モードの他に、該ステップ16において制御システムの論理判断が含まれ、ステップ19において、模擬を実行する時、プログラムは500ミリ秒(msec)で算出し、各算出が終了すると、更に500ミリ秒が追加されて次の時間点の基準とされる。プログラムが停止した後、ステップ20において、自動的にユーザに対して算出結果を貯蔵するかを尋ねる。
【0014】
図5〜図9は、それぞれ本発明の高圧炉心注水システム概念図と本発明の高圧炉心注水システム操作インターフェース装置概念図、図6のAの制御論理概念図、本発明のP−0001B制御論理テスト概念図及び本発明の操作インターフェース装置統合テスト素子概念図である。図のように、該プラント模擬装置1は、プログラム模擬高圧炉心注水制御装置を利用して、BシリアルとCシリアル主回路の制御弁と制御ポンプを提供し、例えば、MBV−0001B制御弁6aやMBV−0001C制御弁6b、P−0001B制御ポンプ7a、P−0001C制御ポンプ7b、MBV−0004B制御弁6c、MBV−0004C制御弁6d、MBV−0007B制御弁6e及びMBV−0007C制御弁6f等である。
【0015】
以下、実際高圧炉心注水制御装置のBシリアルの操作インターフェース装置を例として、該P−0001B制御ポンプ7aで初期の開発とシステム統合を行い、また、テストプログラムを発展し、制御論理a領域や制御論理b領域、制御論理c領域及び制御論理d領域により、制御論理テストプログラムに対して、ネットワーク通信インターフェースを介して、制御論理a領域に対応するソフト入力インターフェース8aを提供し、また、制御論理b領域に対応するソフト出力インターフェース8bの情報を読み取る。また同様に、該ハード入出力モジュールを介して、制御論理c領域に対応するハード出力インターフェース8cを提供し、制御論理d領域に対応するハード入力インターフェース8dに対してアクセスし、ハード点に対して実際の設定と測定テストを行うことにより、実体が高圧炉心注水制御設備に内蔵された制御論理が正確であるかをテストできる。
【0016】
本発明は統合テストである時(図1のように)、該プラント模擬装置1や該制御装置2及び該操作インターフェース装置3のサブシステムを統合して、統合テストを行う。また、二つの回路テスト経路があり、第1のテスト回路9aは、該操作インターフェース装置3と高圧注水実体制御21及びプラント模擬装置1の連結をテストする。第2のテスト回路9bは、該操作インターフェース装置3やソフト模擬制御22及びプラント模擬装置1の統合をテストする。
【0017】
P−0001B制御ポンプ7aに対する操作テストに該第1のテスト回路9aの経路が含まれても良い。MBV−0007B制御弁6eに対する操作テストとプラント模擬装置1のプラント模擬プログラムからのドライウェル圧力と圧力抑制プール水位信号により、そして該操作インターフェース装置3上に表示されたテストにより、該第2のテスト回路9bの経路(図5と図9のように)が含まれる。
【0018】
テスト操作する時、まず該操作インターフェース装置3上の該P−0001B制御ポンプ7aの起動ボタンを押して、また、該プラント模擬装置1内の高圧炉心注水制御装置に対応する制御ポンプを押すと、該操作インターフェース装置3上に、起動の結果が反映される。またテスト操作する時、まず、該操作インターフェース装置3の該MBV−0007B制御弁6eの起動ボタンを押し、また、該プラント模擬装置1内の高圧炉心注水制御装置に対応する制御弁を起動すると、該操作インターフェース装置3に起動の結果が反映されても良い。これにより、該プラント模擬装置1と高圧炉心注水制御装置が統合され、また、ハード入出力モジュールと確定性ネットワーク通信インターフェースにより、データが両システムの間において転送され、そのため、ソフト安全解析と推定派生関連新故障モードを応用できる。
【0019】
以上のように、本発明はディジタル制御ソフト故障模擬テストの装置であり、有効に従来の諸欠点を改善でき、ハード入出力モジュールと確定性ネットワーク通信インターフェースを利用して、プラント模擬装置と高圧炉心注水制御装置とが統合され、ソフト安全解析と推定派生関連新故障モードを応用でき、そのため、本発明はより進歩的かつより実用的で、法に従って特許請求を出願する。
【0020】
以上は、ただ、本発明のより良い実施例であり、本発明はそれによって制限されることが無く、本発明に係わる特許請求の範囲や明細書の内容に基づいて行った等価の変更や修正は、全てが本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のシステム構造概念図
【図2】本発明のプラント模擬プログラム構造概念図
【図3】本発明のプラント模擬プログラム基本流れ概念図
【図4】本発明の実体構造概念図
【図5】本発明の高圧炉心注水システム概念図
【図6】本発明の高圧炉心注水システム操作インターフェース装置概念図
【図7】図6のAの制御論理概念図
【図8】本発明のP−0001B制御論理テスト概念図
【図9】本発明の操作インターフェース装置統合テスト素子概念図
【符号の説明】
【0022】
1 プラント模擬装置
11 システム処理モジュール
111 全体模擬流れ制御モジュール
112 インターフェース処理モジュール
113 データベース処理モジュール
12 プラント模擬算出モジュール
121 共通算出関数モジュール
122 模擬算出モジュール
123 報告記録管理モジュール
13a 最初執行経路
13b プログラム開始執行経路
14〜20 ステップ
2 制御装置
21 高圧炉心注水実体制御
21a 高圧炉心注水実体制御キャビネット
22 ソフト模擬制御
3 操作インターフェース装置
4 キャビネット
41a 通信インターフェース
41b 通信インターフェース
42 接続線
43 インターネットプロトコル
5 確定性ネットワーク通信インターフェース
6a MBV−0001B制御弁
6b MBV−0001C制御弁
6c MBV−0004B制御弁
6d MBV−0004C制御弁
6e MBV−0007B制御弁
6f MBV−0007C制御弁
7a P−0001B制御ポンプ
7b P−0001C制御ポンプ
a、b、c、d 制御論理領域
8a ソフト入力インターフェース
8b ソフト出力インターフェース
8c ハード出力インターフェース
8d ハード入力インターフェース
9a 第1のテスト回路
9b 第2のテスト回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムに基づく模擬であるプラント模擬(Process)装置と、制御装置(Controller)と作業者(Operator)が、高圧炉心注水制御装置と格別安全制御システムを観察するための制御インターフェースを提供する操作インターフェース装置とが含有されることを特徴とする、ディジタル制御ソフト故障模擬テスト装置。
【請求項2】
該プラントの模擬プログラムは、全体模擬流れ制御モジュールとインターフェース処理モジュール及びデータベース処理モジュールからなるシステム処理モジュールが含有されることを特徴とする、請求項1に記載のディジタル制御ソフト故障模擬テスト装置。
【請求項3】
該プラントの模擬プログラムは、共通算出関数モジュールと模擬算出モジュール及び報告(Report)記録管理モジュールからなるプラント模擬算出モジュールが含有されることを特徴とする、請求項1に記載のディジタル制御ソフト故障模擬テスト装置。
【請求項4】
該制御装置は、高圧炉心注水実体制御とソフト模擬制御(Control Logical Simulation)からなることを特徴とする、請求項1に記載のディジタル制御ソフト故障模擬テスト装置。
【請求項5】
該プラント模擬装置と該制御装置は、ハード入出力設備とモジュールにより、接続線とインターネットプロトコル(TCP/IP)で連結されて通信インターフェースとされ、また、該制御装置と該操作インターフェース装置は、確定性ネットワーク通信インターフェースによって連結されることを特徴とする、請求項1に記載のディジタル制御ソフト故障模擬テスト装置。
【請求項6】
高圧炉心注水実体制御キャビネットとキャビネットが含有されることを特徴とする、請求項1に記載のディジタル制御ソフト故障模擬テスト装置。
【請求項7】
該高圧炉心注水実体制御キャビネットには、高圧炉心注水に関する制御設備が収納されることを特徴とする、請求項6に記載のディジタル制御ソフト故障模擬テスト装置。
【請求項8】
該キャビネットには、ハード入出力設備の通信インターフェースとプラント模擬装置が収納されることを特徴とする、請求項6に記載のディジタル制御ソフト故障模擬テスト装置。
【請求項9】
該操作インターフェース装置は、マンマシンインターフェイス(Man−machine Interface)制御模擬(Control Simulation)であることを特徴とする、請求項6に記載のディジタル制御ソフト故障模擬テスト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−93317(P2009−93317A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261657(P2007−261657)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(595165656)行政院原子能委員会核能研究所 (51)
【Fターム(参考)】