説明

ディスククランパ及びディスクドライブ装置

【課題】ディスクに対するクランプ力を強化するディスククランパ及び当該ディスククランパを備えるディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】ディスククランパ11は、中央に穴を有するディスク状の記録媒体を支持する支持部材との間で該記録媒体を挟んで固定するディスククランパ11において、記録媒体の穴の周縁に当接可能な挟持部11aと、挟持部11aの下面に形成された凹部11kとを備える。挟持部11aは、凹部11k及び挟持部11aの外縁の間を貫通する空気排出路16を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクを回転させて情報の再生及び/又は記録を行うディスクドライブ装置が有するディスククランパ及びディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクを回転駆動するディスクドライブ装置には、スピンドルモータによって回転駆動されるターンテーブルにディスクをクランプする機構を有する。ディスククランプ機構に対しては、クランプを用いてディスクをターンテーブルにクランプし、ディスクの加減速回転又は高速回転時にターンテーブル及びディスクの間のずれが生じさせない必要がある。
【0003】
近年、ディスクに記録されたデータの読取り速度を高速にするため、ディスクは高回転化の傾向にある。ディスクの回転が高速化すると、回転中にディスクが振動するが、この振動が原因でディスククランパが外れてディスクの脱落が起きる可能性がある。また、ディスクの高速回転時にはディスクの上面の気圧が下がるため、ディスクが浮き上がり、そのためディスククランパが外れてディスクの脱落が起きる可能性もある。したがって、このようなディスクの脱落を防止するにはターンテーブル及びディスクの間のクランプ力を強化しなければならない。
【0004】
特許文献1には、ディスククランプ機構のクランプ力を強化するために空気圧を利用したディスクドライブ装置が開示されている。このディスクドライブ装置では、ディスクと一体となって回転するディスククランパに等間隔で複数のブレードを設けることによってディスククランパを羽根車の形状にする。特許文献1記載のディスククランプ機構は、ディスククランパが回転することによってディスク側に向かって推力、すなわち、ディスクに対して押圧力が加えられる構造にし、この押圧力がターンテーブル及びディスクの間のクランプ力を強化する機構である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−298751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1ではディスククランパの周面には等間隔にブレードが形成されているためディスククランパの回転軸方向に沿って上側へ風圧が発生する。そのため、ディスクドライブ装置の薄型化によりディスククランパの上部近傍に壁があると、空気の流れが阻害され、ディスクに対する押圧力が弱まる。また、ブレードの回転による風切り音が発生しやすい。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ディスクに対するクランプ力を強化するディスククランパ及びディスクドライブ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るディスククランパは、ディスク状の記録媒体を支持する支持部材との間で該記録媒体を挟持する挟持部と、前記挟持部に形成された凹部とを備え、前記挟持部は、前記凹部及び前記挟持部を連通する通路を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、ディスクの回転時にディスクとディスククランパの間に負圧が発生するためディスククランパが外れにくくなる。
【0009】
本発明のディスククランパにおいて、前記通路は、前記挟持部の表面に形成された溝であることを特徴とする。
本発明にあっては、ディスクの回転時にディスクとディスククランパの間に負圧が発生するためディスククランパが外れにくくなる。また、本発明にあっては、溝はディスククランパと一体成形できるため、ディスククランパの製造工程が少なくてすむ。
【0010】
本発明のディスククランパにおいて、前記通路は、前記挟持部の内部に形成された孔であることを特徴とする。
本発明にあっては、ディスクの回転時にディスクとディスククランパの間に負圧が発生するためディスククランパが外れにくくなる。
【0011】
本発明に係るディスククランパは、ディスク状の記録媒体を支持する支持部材との間で該記録媒体を挟持する円皿状の挟持部と、前記挟持部の中央に形成された円錐台状の凹部とを備え、前記挟持部は、前記凹部及び前記挟持部を連通する通路を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、ディスクの回転時にディスクとディスククランパの間に負圧が発生するためディスククランパが外れにくくなる。
【0012】
本発明に係るディスクドライブ装置は、上述のディスククランパを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、ディスクの回転時にディスクとディスククランパの間に負圧が発生するためディスククランパが外れにくくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ディスク状の記録媒体を支持する支持部材との間で該記録媒体を挟持する挟持部と、挟持部に形成された凹部とを備え、挟持部は、凹部及び挟持部を連通する通路を備えることにより、ディスク回転時にディスクとディスククランパの間に負圧が発生し、ディスクに対するクランプ力を強化できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ディスクドライブ装置の外観を模式的に示す斜視図である。
【図2】ディスク載置面の反対側のトレイの構造を示す平面図である。
【図3】トレイが引き出し位置にあるディスクドライブ装置の構造を示す平面図である。
【図4】トレイが収納位置にあるディスクドライブ装置の構造を示す平面図である。
【図5】シフタの拡大正面図である。
【図6】シフタ、シフタスイッチ及びリフタが取り付けられたローディングベースの構造を示す平面側斜視図である。
【図7】天板、クランパホルダ、ディスククランパ及びトレイを取り外した状態のディスクドライブ装置の構造を示す平面図である。
【図8】天板、クランパホルダ、ディスククランパ及びトレイを取り外した状態のディスクドライブ装置の構造を示す平面側斜視図である。
【図9】案内機構、リフタ及びシフタを分解した斜視図である。
【図10】筐体、ターンテーブル、クランパホルダ及びディスククランパの側断面図である。
【図11】ターンテーブル及びディスククランパの側断面図である。
【図12】ディスククランパを用いてディスクをターンテーブルにクランプする構成を示す斜視図である。
【図13】本実施形態に係るディスククランパの外観を模式的に示す斜視図である。
【図14】本実施形態に係るディスククランパの外観を模式的に示す平面図である。
【図15】従来のディスククランパの外観を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施の形態に係るディスククランパを有するディスクドライブ装置は、例えば、トレイ式の横置き型ディスクドライブ装置である。横置き型ディスクドライブ装置では、トレイは略水平であり、ディスクは略水平状態でトレイに載置される。トレイは、ディスクドライブ装置の筐体よりも小さい略矩形の板であり、ディスクを載置するディスク載置面とその反対側のディスクを載置しない面を有する。トレイのディスク載置面側が上方向であり、その反対側が下方向である。
【0016】
まず、ディスクが挿入及び排出される場合について、ディスクドライブ装置の構成及び動作を説明する。ディスクドライブ装置は、トレイ、シフタ、案内機構、クランパホルダ及び本実施形態に係るディスククランパを備える。これらの構成部材は、ディスクドライブ装置の筐体内に設置されている。
【0017】
図1は、ディスクドライブ装置の外観を模式的に示す斜視図である。
ディスクドライブ装置の筐体7は、板状の略直方体であり、ローディングベース71及び天板72を備える。ローディングベース71は、略直方体である。天板72は、略矩形の天板面72a及び2つの天板側面72b、72bを備える。天板面72aは2つの長辺及び2つの短辺を有する略矩形であり、天板側面72b、72bは共に天板面72aよりも細長い略矩形であり、それぞれが天板面72aの長辺から鉛直下方へ突設されている。図1は、トレイ6が筐体外部の引き出し位置にある状態、すなわちディスク8がローディングされる前の状態を示す。ディスク8がディスクドライブ装置にローディングされると、トレイ6は筐体内部に引き込まれ、筐体内の収納位置に納まる。トレイ6は、引き出し位置及び収納位置を往復するが、その方向は天板面72aの長辺と略同一である。ここで、トレイ6が引き出し位置から収納位置に向かう方向を収納方向と呼び、トレイ6が収納位置から引き出し位置に向かう方向を引き出し方向と呼ぶ。尚、トレイ6がディスクドライブ装置内部に収納されると、ローディングベース71及び天板面72aの間にトレイ6が設置され、天板72はローディングベース71に嵌合する。
【0018】
図2は、ディスク載置面の反対側のトレイ6の構造を示す平面図である。
トレイ6のディスク載置面の反対面には、収納方向に向かって延びるラック歯6a及びガイド溝6bが設けられている。
【0019】
図3は、トレイ6が引き出し位置にあるディスクドライブ装置の構造を示す平面図であり、図4は、トレイ6が収納位置にあるディスクドライブ装置の構造を示す平面図である。
両図は、ディスクドライブ装置から天板72、クランパホルダ12(図10参照)及びディスククランパ11(図10参照)を取り外した状態を示す。トレイ6は、トレイ駆動モータ(図示せず)の駆動により引き出し位置と収納位置の間を往復移動する。ラック歯6aは、ローディングベース71の引き出し方向側に備えられたトレイ駆動ギヤ62に噛合するように設けられる。トレイ駆動モータがトレイ駆動ギヤ62を正回転又は逆回転させることにより、トレイ6は、ラック歯6aを介して収納方向又は引き出し方向へ移動する。また、ローディングベース71の引き出し方向側にはシフタ5が設けられる。シフタ5は、2つのカム溝5a,5a,ラック歯5b及び係合凸部5cを備える(図5参照)。係合凸部5cは、トレイ6のディスク載置面の反対面に設けられたガイド溝6bと嵌合することができる。また、シフタ5と対向するローディングベース71の両側面には、シフタ5の移動を検出する2つのシフタスイッチ73a,73bが、シフタ5を間にして向かい合うように係止されている。
【0020】
図5は、シフタ5の拡大正面図である。
シフタ5は、トレイ6の移動に伴い、収納方向、引き出し方向及び上下方向と略直角に交わる方向に所定距離だけ移動する。ここで、トレイ6が収納方向へ移動する時のシフタ5の移動方向をα方向と呼ぶ。一方、α方向と反対方向であり、トレイ6が引き出し方向へ移動する時のシフタ5の移動方向をβ方向と呼ぶ。2つのカム溝5a,5aは、共にα方向へ段違いに延びる上下2段の水平溝を斜めの溝で連結するように穿設されている。ラック歯5bは、トレイ6が引き出し位置にある場合には、トレイ駆動ギヤ62と非噛合となる構造である。一方、ラック歯5bは、トレイ6が引き出し位置から収納位置へ到達する直前にトレイ駆動ギヤ62と噛合する構造である。
【0021】
図6は、シフタ5、シフタスイッチ73a、73b及びリフタ4が取り付けられたローディングベース71の構造を示す平面側斜視図である。リフタ4は、略U字形に形成されており、両側面部の上端部分に枢軸4a,4aが突設されており、底面部に離隔する2つの軸体4b,4b及び係合凸部4c,4c(図9参照)が突設されている。
【0022】
図7は、天板72、クランパホルダ12、ディスククランパ11及びトレイ6を取り外した状態のディスクドライブ装置の構造を示す平面図であり、図8は、天板72、クランパホルダ12、ディスククランパ11及びトレイ6を取り外した状態のディスクドライブ装置の構造を示す平面側斜視図である。
【0023】
案内機構3は、ターンテーブル31、スピンドルモータ32、支持板33、光ピックアップ34、案内軸35及びスレッドモータ36を備える。ディスク8は、ターンテーブル31により回転され、ターンテーブル31は、スピンドルモータ32により駆動される。光ピックアップ34は、スレッドモータ36により案内軸35,35に沿ってトラバース移動する。ターンテーブル31、スピンドルモータ32、光ピックアップ34及びスレッドモータ36は、矩形の支持板33により支持される。
【0024】
図9は、案内機構3、リフタ4及びシフタ5を分解した斜視図である。
支持板33の四角部には、弾性筒体33a,33a及び33b,33bが係止されている。支持板33の収納方向側角部に配置された2つの弾性筒体33a,33aに挿入されるローディングベース71の軸体71a,71a(図6参照)及び該軸体に螺着される雄ねじにより、支持板33はローディングベース71の底面に取着されている。支持板33の引き出し方向側角部には、2つの弾性筒体33b,33bが配置されている。弾性筒体33b,33bに挿入されるリフタ4の軸体4b,4b及び該軸体4b,4bに螺着される雄ねじにより、リフタ4は支持板33に連結されている。ローディングベース71の側面に穿設された孔にリフタ4の枢軸4a,4aが内嵌され、支持板33の弾性筒体33b,33bにリフタ4の軸体4b,4bが内嵌されることにより、リフタ4は揺動自在となり、このリフタ4の揺動に連動して支持板33、ひいては案内機構3の引き出し方向側部分を昇降可能にしてある。
【0025】
図10は、筐体7、ターンテーブル31、クランパホルダ12及びディスククランパ11の側断面図である。
クランパホルダ12は、ローディングベース71の両側面上部に取り付け部(図示せず)を介して配設される。ディスククランパ11は、記録/再生位置のディスククランパ11がターンテーブル31と対向するように、クランパホルダ12の中央部に穿設された孔12aに遊嵌されている。クランパホルダ12の孔12aの周縁下側には、側断面略L字形の係止部12bが突設されている。係止部12bは、L字の横向きの脚が孔12aの内側に延びるように形成されている。
【0026】
図11は、ターンテーブル31及びディスククランパ11の側断面図である。
トレイ6のディスク載置面側からその反対方向へ向かって、すなわち上から下へ向かって、ディスククランパ11、ターンテーブル31の順に配置する。ターンテーブル31は、上部に円柱状の基台31aを上向きに有し、基台31aの下端にスピンドルモータ32(図9参照)のスピンドルモータ回転軸32aが連結されている。基台31aの中央部に形成されたターンテーブル回転軸31gと同心に、基台31aよりも大径の円盤31cが形成されている。ディスク8の中央に穿設された中央孔8aに嵌入する円柱台31fが、円盤31cの中央部に形成されており、円柱台31fの高さは、ディスク8の厚さと同寸法である。ディスク8の中央孔8aに嵌入し易いように、小径側を上面にした円錐台31bが、大径側を円柱台31fと同径にして形成されている。円錐台31bの高さは、ディスク8の厚さ程度にしている。円錐台31bの上面の中央部には、円穴状の嵌合穴31dが形成されている。嵌合穴31dには、ディスククランパ11の位置決め軸11jが嵌合可能である。位置決め軸11jが円錐台31bの嵌合穴31dに嵌合したとき、ターンテーブル31の円錐台31bが、ディスククランパ11の凹部11kに嵌合し、円錐台31bの上面が、凹部11kの天井面11nと当接するようになっている。ターンテーブル31は、合成樹脂製であり、円錐台31bの小径側に同心に円盤状の磁石31eが埋設されている。
【0027】
ディスククランパ11は、円皿状の挟持部11aの上面の中央部に円柱状の基軸11bが上向きに突設されてなるものである。挟持部11aの上面に、基軸11bに嵌合した輪状の軟鉄製のヨーク11cが貼着されている。なお、ヨーク11cは軟鉄製に限らず、例えば磁石31eに吸着する磁性体であればよい。
【0028】
挟持部11aの下面には、円錐台状の凹部11kが、大径側を開口部にして同心に形成されている。凹部11kの上奥部には、ターンテーブル31の位置決めをするため及びディスククランパ11とターンテーブル31との回転軸を一致させるための円錐台状の位置決め軸11jが、基軸11bと同心に小径側を下向きにして突設されている。位置決め軸11jの直径と基軸11bの直径とは、同寸法になっている。
【0029】
挟持部11aの下面周縁には、ディスククランパ11がターンテーブル31との間にディスク8を挟持したとき、ディスク8に穿設された中央孔8aの周縁に当接可能になっており、凹部11kの奥行きはディスク8の厚さ程度になっている。挟持部11aの外周縁に同心に突起輪11dが、外向きに突設されている。クランパホルダ12の孔12aの周縁下側には、側断面略L字形の係止部12bが突設されている。係止部12bは、L字の横向きの脚が孔12aの内側に延びるように形成されている。ディスククランパ11の突起輪11dがクランパホルダ12の係止部12bの縁部に当接することにより、ディスククランパ11はクランパホルダ12に係止されている。
【0030】
ターンテーブル31がディスククランパ11に接近したとき、ディスククランパ11のヨーク11cがターンテーブル31の磁石31eに吸引されることにより、ディスククランパ11とターンテーブル31は、ディスク8を挟持するようになっている。
【0031】
図12は、ディスククランパ11を用いてディスク8をターンテーブル31にクランプする機構を示す斜視図である。図に示すように、スピンドルモータ32により駆動されるターンテーブル31の磁石31a及びディスククランパ11の内部に収納されているヨーク11cの磁気吸引力により、ディスク8は、ディスククランパ11及びターンテーブル31の間にクランプされる。これによって、ターンテーブル31、ディスク8及びディスククランパ11は一体的に回転できるようになり、ディスク8は、スピンドルモータ32によって回転駆動される。
【0032】
図13は、本実施形態に係るディスククランパ11の外観を模式的に示す斜視図であり、図14は、本実施形態に係るディスククランパ11の外観を模式的に示す平面図である。また、図15は、従来のディスククランパ110の外観を模式的に示す斜視図である。いずれの図も、ターンテーブル31の磁石31aと接触する方向からみたディスククランパ11の外観、すなわち、ディスククランパ11の裏側の外観を模式的に示す。尚、図15において、110kは凹部を示し、110aは把持部を示す。
【0033】
図13及び図14に示したように、本実施形態に係るディスククランパ11においては、図15に示す従来のディスククランパとは異なり、ディスク8との当接面であるディスククランパ11の挟持部11aには、その外縁方向に向かって延びる溝16が複数本(本例では6本)形成され、ディスク8とディスククランパ11との間に隙間ができている。これらの溝16は空気排出路の役割を有する。したがって、太字の矢印aの方向にディスククランパ11が回転すると、それらの溝により形成された隙間を通って、細字の矢印bの方向、すなわち、ディスク8の外縁方向に向かって空気が流れ出し、そのため、ディスク8及びディスククランパ11の間が減圧され、負圧が発生する。その結果、ディスククランパ11のディスク8に対するクランプ力が強化され、ディスククランパ11がディスク8から外れにくくなる。
【0034】
上述したように、本実施形態では、ディスク回転時にディスク及びディスククランパの間に負圧を発生させることによってディスククランパ11のディスクに対するクランプ力を強化することができる。また、ディスクの回転が停止するとクランプ力が低下するため、ディスクの取り出し時にはディスククランパ11を低出力で外すことができる。さらには、上記の溝はディスククランパ11と一体成形できるため、ディスククランパ11の製造工程が少なくてすむ。尚、溝の形状又は本数については、ディスク8とディスククランパ11の間に負圧を発生させることができればよいため、本実施形態で示した溝の本数及び形状に限定されないことはいうまでもない。また、上記例では、挟持部11aの表面に形成された溝16に空気排出路としての機能をもたせたが、挟持部11aの内部に孔を形成し、それに空気排出路としての機能をもたせてもよい。
【0035】
本実施の形態においては、ディスクドライブ装置を、録画機器、パーソナルコンピュータ及び音楽再生機器等に内蔵されるトレイ式の横置き型ディスクドライブ装置を例に挙げて説明した。しかし、本実施の形態が横置き型ディスクドライブ装置に限らず、縦置き型ディスクドライブ装置についても適用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0036】
8 ディスク
11 ディスククランパ
31 ターンテーブル
32 スピンドルモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状の記録媒体を支持する支持部材との間で該記録媒体を挟持する挟持部と、
前記挟持部に形成された凹部と
を備え、
前記挟持部は、前記凹部及び前記挟持部を連通する通路を備えることを特徴とするディスククランパ。
【請求項2】
前記通路は、前記挟持部の表面に形成された溝であることを特徴とする請求項1に記載のディスククランパ。
【請求項3】
前記通路は、前記挟持部の内部に形成された孔であることを特徴とする請求項1に記載のディスククランパ。
【請求項4】
ディスク状の記録媒体を支持する支持部材との間で該記録媒体を挟持する円皿状の挟持部と、
前記挟持部の中央に形成された円錐台状の凹部と
を備え、
前記挟持部は、前記凹部及び前記挟持部を連通する通路を備えることを特徴とするディスククランパ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のディスククランパを備えることを特徴とするディスクドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−100520(P2011−100520A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255372(P2009−255372)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】