説明

ディスクドライブ装置

【課題】回動アームとディスク装着部との衝突を回避する。
【解決手段】メインシャーシ6が配設されることにより、メインシャーシ6の上面6a側がディスク状記録媒体2の搬送領域とされた装置本体3と、メインシャーシ6の開口部6cよりディスク搬送領域上に臨まされディスク状記録媒体2が装着されるディスク装着部23と、メインシャーシ6上及びディスク装着部23上において、ディスク状記録媒体2のローディング方向及びイジェクト方向へ回動自在に設けられ、ディスク状記録媒体2を搬送する搬送アーム52とを備え、メインシャーシ6は、搬送アーム52がディスク装着部23上を回動する際に、搬送アーム52が乗り上がる突部103が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置に関し、特に光ディスクを直接装置本体内に挿入する、いわゆるスロットインタイプのディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクとしては、従来よりCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)BD(Blue-ray Disk)といった光ディスク、MO(Magneto optical)やMD(Mini Disk)等の光磁気ディスクが広く知られており、これらディスクやディスクカートリッジ等に対応した各種のディスクドライブ装置が登場している。
【0003】
ディスクドライブ装置には、筐体に設けられた蓋や扉を開放し、そこから臨むターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ、筐体から水平方向に出し入れされるディスクトレイにディスクを載置することで、ディスクトレイが引き込まれた際にディスクが内部のターンテーブルに自動的に装着されるタイプ、或いはこのディスクトレイに設けられたターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ等がある。しかしながら、何れのタイプも操作者にとって、蓋や扉を開閉したり、ディスクトレイを出し入れしたり、ターンテーブルにディスクを装着したりといった操作を必要とする。
【0004】
これに対して、筐体の前面に設けられたディスク挿脱口から光ディスクを挿入するだけで光ディスクが自動的にターンテーブルに装着される、いわゆるスロットイン型のディスクドライブ装置がある。このスロットイン型のディスクドライブ装置には、ディスク挿脱口から挿入された光ディスクを挟み込む相対向する一対のガイドローラを備え、これら一対のガイドローラを互いに逆向きに回転させることによって、ディスク挿脱口から挿入された光ディスクを筐体の内部へと引き込むローディング動作と、このディスク挿脱口から光ディスクを筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うものがある。
【0005】
また、ディスクドライブ装置が搭載される、例えばノート型パーソナルコンピュータ等のモバイル機器では、更なる小型軽量薄型化が求められており、それに伴うディスクドライブ装置の小型軽量薄型化の要求が高まっている背景から、スロットイン型のディスクドライブ装置では、フロントパネルのディスク挿脱口から挿入された光ディスクの外周部に当接される当接部が先端部に設けられ、基端部が回動可能に支持された複数の回動アームを配置し、これら回動アームを当該光ディスクと平行な面内で回動させながら、光ディスクをディスク挿脱口から筐体の内部へと引き込むローディング動作と、光ディスクをディスク挿脱口から筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うディスクドライブ装置が供給されている(例えば、特許文献1を参照。)。このように薄型化が図られたディスクドライブ装置のなかでも、ノート型パーソナルコンピュータ等に搭載される超薄型のディスクドライブ装置は、厚さ12.7mmが標準サイズとされており、更にハードディスクドライブ(HDD)ユニットと同等の厚みである9.5mmまで薄型化されたディスクドライブ装置も提案されている。
【0006】
ここで、このようなディスクドライブ装置においては、複数の回動アームを当該光ディスクと平行な面内で回動させながら、ディスクローディング動作と、イジェクト動作とを行う際に、回動アームが光ディスクを回転可能に保持するディスク装着部のターンテーブルや、このターンテーブルに設けられ光ディスクの中心孔に挿通係合される係合突部と衝突する事態を避ける必要がある。
【0007】
しかし、薄型化が図られたディスクドライブ装置においては、回動アームが回動される領域を高く設けることは、筐体の厚みを増すことから困難であり、ディスク装着部との衝突を回避する最小限の高さで回動させることが必要となる。また、携帯用の電子機器に搭載されるディスクドライブ装置においては、電子機器が安定した場所に載置されていない状態でも回動アームが駆動されることがあり、回動アームが揺動することによりディスク装着部と衝突する危険がある。
【0008】
【特許文献1】特開2002−117604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上ように薄型化が図られたディスクドライブ装置において、回動アームとディスク装着部との衝突を回避することができるディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明にかかるディスクドライブ装置は、メインシャーシが配設されることにより、該メインシャーシの上面側がディスク状記録媒体の搬送領域とされた装置本体と、上記メインシャーシの開口部より上記ディスク搬送領域上に臨まされ上記ディスク状記録媒体が装着されるディスク装着部と、上記メインシャーシ上及び上記ディスク装着部上において、上記ディスク状記録媒体のローディング方向及びイジェクト方向へ回動自在に設けられ、上記ディスク状記録媒体を搬送する搬送アームとを備え、上記メインシャーシは、上記搬送アームが上記ディスク装着部上を回動する際に、該搬送アームが乗り上がる突部が形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかるディスクドライブ装置によれば、搬送が回動されると、ディスク装着部上を回動する際に突部を乗り上げることにより上昇される。したがって搬送アームの回動軌跡が上昇し、ディスク装着部との衝突を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明が適用されたディスクドライブ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。このディスクドライブ装置1は、例えば図1に示すように、ノート型パーソナルコンピュータ1000の装置本体1001に搭載されたスロットイン型のディスクドライブ装置1である。このディスクドライブ装置1は、図2に示すように、例えば12.7mm程度にまで装置全体が薄型化された構造を有しており、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blue-ray Disc)といった光ディスク2に対して情報信号の記録・再生を行うことが可能となっている。
【0013】
先ず、このディスクドライブ装置1の具体的な構成について説明する。このディスクドライブ装置1は、図3乃至図6に示すように、装置本体の外筐となる筐体3を備え、この筐体3は、下部筐体である略扁平箱状のボトムケース4と、このボトムケース4の上部開口部を覆う天板であるトップカバー5とから構成されている。また、筐体3内には、後述するベースユニット22を上方に臨ませるとともにディスク搬送の駆動力を提供する駆動機構120や駆動機構120の駆動力が伝達されるディスク搬送機構50を覆うメインシャーシ6が取り付けられている。
【0014】
トップカバー5は、図2及び図5に示すように、薄い板金からなり、ボトムケース4の上部開口部を閉塞する天板部5aと、この天板部5aの周囲がボトムケース4の両側面に沿って僅かに折り曲げられた一対の側板部5bとを有している。天板部5aの略中央部には、略円形状の開口部7が形成されている。この開口部7は、後述するチャッキング動作時に光ディスク2の中心孔2aに係合されるターンテーブル23aの係合突部33aを外部に臨ませるためのものである。また、天板部5aの開口部7の周囲は、ターンテーブル23a上に保持された光ディスク2の中心孔2aの周囲と当接されるように、筐体3の内側に向かって僅かに突出した当接突部8を形成している。
【0015】
天板部5aの前面側には、後述するディスク挿脱口19から挿入される光ディスク2を高さ方向に規制しながら案内する一対のガイド突部11a,11bが筐体3の内部に向かって膨出形成されている。これら一対のガイド突部11a,11bは、開口部7を通る光ディスク2の挿入方向に沿った中心線を挟んで略対称となる位置に、光ディスク2の挿入方向に円弧を描くように隆起され、且つ、光ディスク2の挿入方向と略直交する方向に亘って、外側から内側に向かって連続的に円弧が縮径するように隆起された略部分円錐形状を有している。すなわち、これら一対のガイド突部11a,11bは、円錐を軸線方向に沿って分割し、互いの頂上部を内側に向けたような形状を有しており、外側から内側に向うに従って連続的に低く且つ細くなっている。
【0016】
一対のガイド突部11a,11bは、このような形状を有することで、ディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の幅方向のずれを修正しながら、筐体3の内部へとスムーズに案内することができる。また、トップカバー5は、このような形状のガイド突部11a,11bを設けることで、天板部5aの剛性を高めることができる。なお、天板部5aの内側の主面には、光ディスク2との摩擦抵抗を低減するための加工が施されている。
【0017】
ボトムケース4は、略扁平箱状に形成された板金からなり、その底面部は、略矩形状であり、一方の側面部には、この底面部よりも底上げされて外側へと張り出したデッキ部4aが設けられている。デッキ部4aには、後述する光ディスク2を筐体3内に引き込むローディングアーム51が回動自在に支持されている。
【0018】
ボトムケース4の底面部には、駆動制御回路を構成するICチップ等の電子部品や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ、各部の動作を検出するための検出スイッチ等が配置された回路基板59がネジ止め等により取り付けられている。そしてボトムケース4の外周壁の一部には、回路基板59に実装されたコネクタを外部に臨ませるコネクタ開口部4bが設けられている。
【0019】
またボトムケース4には、上記トップカバー5がネジ止めにより取り付けられている。具体的に、トップカバー5の天板部5aの外周縁部には、図5に示すように、ネジ12を貫通させる複数の貫通孔13が形成されている。また、両側の側板部5bには、内側に略直角に折り曲げられた複数のガイド片14が設けられている。一方、ボトムケース4の外周縁部には、図3に示すように、内側に略直角に折り曲げられた複数の固定片15が設けられており、これら固定片15には、トップカバー5の貫通孔13に対応したネジ孔16が形成されている。また、ボトムケース4の両側面部には、トップカバー5の複数のガイド片14の抜け止めとなる詳細を省略するガイドスリットが複数形成されている。
【0020】
そして、ボトムケース4にトップカバー5を取り付ける際は、ボトムケース4の複数のガイドスリットにトップカバー5の複数のガイド片14を係合させた状態で、トップカバー5を前面側から背面側へとスライドさせる。これにより、トップカバー5の天板部5aがボトムケース4の上部開口部を閉塞した状態となる。そして、この状態でトップカバー5の複数の貫通孔13を通してボトムケース4のネジ孔16にネジ12を螺合する。以上のようにして、図2に示す筐体3が構成されている。
【0021】
筐体3の前面には、図2に示すように、略矩形平板状のフロントパネル18が取り付けられている。このフロントパネル18には、光ディスク2が水平方向に出し入れされるディスク挿脱口19が設けられている。すなわち、光ディスク2は、このディスク挿脱口19から筐体3の内部へと挿入したり、或いはこのディスク挿脱口19から筐体3の外部へと排出したりすることが可能となっている。ディスク挿脱口19には、長手方向と直交する方向の両辺部に図示しないパネルカーテンが形成されている。パネルカーテンは、長尺状に切断された不織布等からなりフロントパネル18の背面側に接着剤等によって貼着されることにより、筐体3内に塵埃等が侵入することを防止すると共に、光ディスク2が挿脱される際にディスク表面に摺接し、これにより光ディスク2に付着した塵埃等を除去することができる。
【0022】
また、フロントパネル18の前面には、光ディスク2に対するアクセス状態を点灯表示する表示部20や、光ディスク2を排出する際に押圧されるイジェクトボタン21が設けられている。
【0023】
なお、ボトムケース4の上記デッキ部4aが設けられた一側面近傍には、後述する駆動機構120のスライダー122を該一側面に沿ってスライドさせる一対のガイド突起124,124が、一側面に沿って離間して突設されている(図10参照)。
【0024】
また、ボトムケース4の底面部には、図3及び図4に示すように、メインシャーシ6がネジ止めにより取り付けられている。このメインシャーシ6は、回路基板59の上方において、ボトムケース4の内部を上記デッキ部4aと略同等の高さで上下に仕切るように配置されている。これにより、筐体3は、メインシャーシ6よりトップカバー4側がローディングアーム51及びイジェクトアーム52を回動自在に臨ませたディスク搬送領域とされ、メインシャーシ6よりボトムケース4側が駆動モータ121及びスライダー122を備える駆動機構120及び駆動モータ121の駆動力をイジェクトアーム52に伝達するディスク搬送機構50の第1、第2のリンクアーム54,55、操作アーム58及びループカム57の配設領域とされている。
【0025】
メインシャーシ6は、略扁平平板状の板金からなり、ボトムケース4の背面部側からデッキ部4aが形成された一側面部にかけてボトムケース4を覆う上面6aと、この上面6aの周囲がボトムケース4の両側面に沿って折り曲げられた一対の側板部6bとを有する。また、メインシャーシ6は、上面6aに、ベースユニット22とディスク搬送機構50のイジェクトアーム52とをそれぞれ光ディスク2の搬送領域上に臨ませるベース用開口部6c及びイジェクトアーム用開口部6dが形成され、デッキ部4aが設けられる側の側板部6bに、駆動モータ121によってスライドされるスライダー122と連結されているローディングカムプレート53が挿通される側板開口部6eが形成されている。このメインシャーシ6の上面6aには、ボトムケース4側において、光ディスク2を筐体3の内外に亘って搬送するディスク搬送機構50のイジェクトアーム52、駆動機構120の駆動力を伝達しイジェクトアーム52を操作する操作アーム58、及び第2のリンクアーム55の移動をガイドするループカム57が係止されている。
【0026】
また、メインシャーシ6は、両側の側板部6bに、内側に略直角に折り曲げられた複数のガイド片6fが設けられ、ボトムケース4と固定するための貫通孔6hが設けられている。一方、ボトムケース4には、貫通孔6hに対応する位置にネジ孔4cが形成され、このネジ孔4cと貫通孔6hにネジを螺合させることによりメインシャーシ6が固定される。
【0027】
このディスクドライブ装置1は、ボトムケース4の底面部にドライブ本体を構成するベースユニット22を備えている。ベースユニット22は、図7に示すように、略矩形状のフレーム体からなるベースシャーシ27を有し、このベースシャーシ27が複数のダンパー28a〜28cを介してサブシャーシ29に支持されてなる。そして、ベースユニット22は、ベースシャーシ27がサブシャーシ29を介してボトムケース4に配設されることにより、長手方向の一端側を筐体3の略中央に位置される。ベースユニット22は、当該長手方向の一端側に、ディスク挿脱口19から筐体3の内部に挿入された光ディスク2が装着されるディスク装着部23と、このディスク装着部23に装着された光ディスク2を回転駆動するディスク回転駆動機構24とが設けられている。またベースユニット22は、ディスク回転駆動機構24により回転駆動される光ディスク2に対して信号の書き込み又は読み出しを行う光ピックアップ25と、この光ピックアップ25を長手方向に亘って搬送することにより光ディスク2の半径方向に送り動作させるピックアップ送り機構26とを有し、これらがベースシャーシ27に一体に設けられている。そしてベースユニット22は、ベースシャーシ27がサブシャーシ29に支持されることにより、このサブシャーシ29と一体に後述するベース昇降機構150によって光ディスク2に対して昇降操作される。
【0028】
このベースユニット22は、ボトムケース4の底面部においてディスク装着部23が略中央に位置するように、メインシャーシ6のベース用開口部6cよりディスク搬送領域上に臨まされている。そしてベースユニット22は、後述するベース昇降機構150によって昇降可能とされており、初期状態において、ディスク挿脱口19から筐体3の内部に挿入される光ディスク2よりも下方に位置され、光ディスク2のローディング操作に伴って上昇され、光ディスク2を回転可能に係合する。ベースユニット22は、記録再生動作後は、ベース昇降機構150によって下降され、光ディスク2との係合が解除されるとともに、光ディスク2の搬送領域から退避される。
【0029】
ベースシャーシ27は、板金を所定の形状に打ち抜き、その周囲を僅かに下方に折り曲げて形成されている。ベースシャーシ27の主面には、後述するディスク装着部23のターンテーブル23aを上方へと臨ませる略半円状のテーブル用開口部27aと、後述する光ピックアップ25の対物レンズ25aを上方へと臨ませる略矩形状のピックアップ用開口部27bとが連続形成されている。なお、図6に示すように、ベースシャーシ27の上面部には、これら開口部27a,27bに対応した開口部が形成された化粧板30が取り付けられる。
【0030】
またベースシャーシ27は、ディスク装着部23と反対側の端部に、光ディスク2とベースシャーシ27との接触を防ぐとともに、光ディスク2をイジェクトアーム52の当接部材74へ導くガイド板32が形成されている。ガイド板32には、繊維シート40が貼着されており、光ディスク2が摺接された場合にも、光ディスク2の信号記録面に傷が付くことを防止することができる。
【0031】
またベースシャーシ27は、ダンパー28a,28bを介してサブシャーシ29と連結される連結片41a,41bが長手方向の両側面に突設されている。各連結片41a,41bにはサブシャーシ29に形成された連結片45a,45bと連続され、段付きネジ42が挿通される挿通孔43が穿設されている。
【0032】
ディスク装着部23は、ディスク回転駆動機構24により回転駆動されるターンテーブル23aを有し、このターンテーブル23aの中心部には、光ディスク2を装着するためのチャッキング機構33が設けられている。このチャッキング機構33は、光ディスク2の中心孔2aに係合される係合突部33aと、この係合突部33aに係合された光ディスク2の中心孔2aの周囲を係止する複数の係止爪33bとを有し、光ディスク2をターンテーブル23a上に保持する。
【0033】
ディスク回転駆動機構24は、光ディスク2をターンテーブル23aと一体に回転駆動する扁平状のスピンドルモータ24aを有し、このスピンドルモータ24aは、上面部に設けられたターンテーブル23aがベースシャーシ27のテーブル用開口部27aから僅かに突出するように、支持板24bを介してベースシャーシ27の下面にネジ止めにより取り付けられている。
【0034】
光ピックアップ25は、光源となる半導体レーザから出射された光ビームを対物レンズ25aにより集光させて光ディスク2の信号記録面に照射し、この光ディスク2の信号記録面で反射された戻りの光ビームを受光素子等からなる光検出器により検出する光学ブロックを有し、光ディスク2に対する信号の書き込み又は読み出しを行うようになされている。
【0035】
また、この光ピックアップ25は、対物レンズ25aを光軸方向(フォーカッシング方向という。)と、光ディスクの記録トラックと直交する方向(トラッキング方向という。)とに変位駆動する2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構を有し、上述した光検出器により検出された光ディスク2からの検出信号に基づいて、この2軸アクチュエータにより対物レンズ25aをフォーカッシング方向及びトラッキング方向に変位させながら、光ディスク2の信号記録面上に対物レンズ25aの焦点を合わせるフォーカスサーボや、対物レンズ25aにより集光される光ビームのスポットを記録トラックに追従させるトラッキングサーボ等の駆動制御を行うようになされている。なお、対物レンズ駆動機構としては、このようなフォーカシング制御及びトラッキング制御に加えて、対物レンズ25aにより集光された光ビームを光ディスク2の信号記録面に垂直に照射させるように、光ディスク2の信号記録面に対する対物レンズ25aの傾き(スキュー)を調整可能とする3軸アクチュエータを用いてもよい。
【0036】
ピックアップ送り機構26は、光ピックアップ25が搭載されたピックアップベース34と、このピックアップベース34を光ディスク2の半径方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸35a,35bと、これら一対のガイド軸35a,35bに支持されたピックアップベース34を光ディスク2の半径方向に変位駆動する変位駆動機構36とを有している。
【0037】
ピックアップベース34には、一対のガイド軸35a,35bのうち、一方のガイド軸35aを挿通するガイド孔が形成された一対のガイド片37a,37bと、他方のガイド軸35bを挟み込むガイド溝が形成されたガイド片38とが互いに対向する側面から突出形成されている。これにより、ピックアップベース34は、一対のガイド軸35a,35bにスライド可能に支持されている。
【0038】
一対のガイド軸35a,35bは、ベースシャーシ27の下面に光ディスク2の半径方向と互いに平行となるように配置されており、ベースシャーシ27のピックアップ用開口部27bから光ピックアップ25が臨むピックアップベース34を光ディスク2の内外周に亘って案内する。
【0039】
変位駆動機構36は、ベースシャーシ27に取り付けられた駆動モータ31の回転駆動をギヤやラック(図示せず。)を介して直線駆動に変換し、ピックアップベース34を一対のガイド軸35a,35bに沿った方向、すなわち光ディスク2の半径方向に変位駆動させるものであり、例えばリードスクリューを備えたステッピングモータが用いられる。
【0040】
次いでかかるベースシャーシ27をダンパー28を介して支持するサブシャーシ29について説明する。サブシャーシ29は、後述するベース昇降機構150によって光ディスク2の搬送に応じて昇降操作されることにより、ベースシャーシ27を光ディスク2に対して近接又は離間させるものである。このサブシャーシ29は、ベースシャーシ27の外形形状と略同一形状を有し、ベースシャーシ27よりやや大きな略矩形状のフレーム体からなり、ベースシャーシ27と連結されることにより、ベースシャーシ27と一体にベースユニット22を構成する。サブシャーシ29は、ガイド軸35aが設けられる側面部に沿って設けられ、サブシャーシ29を補強する補強シャーシ44が一体に取り付けられている。また、サブシャーシ29は、ダンパー28a,28bが取り付けられベースシャーシ27と連結される連結片45a,45bが形成されている。この連結片45aは、長手方向にわたる一側面であってベースシャーシ27の連結片41aに対応する位置に設けられ、連結片45bは、長手方向にわたる他側面であってベースシャーシ27の連結片41bに対応するディスク装着部23側の端部に突設されている。
【0041】
なお、長手方向の他側面のうちディスク装着部23と反対側の端部においては、サブシャーシ29に連結片が設けられず、サブシャーシ29に固定された補強シャーシ44にベースシャーシ27の連結片41cに対応して連結片45cが設けられている。各連結片45a〜45cには、図8に示すように、ベースシャーシ27の各連結片41a〜41cの各挿通孔43と連続される挿通孔46が穿設されている。そして、連結片45a〜45 cには、それぞれダンパー28a〜28cが取り付けられるとともに、このダンパー28a〜28cを介してベースシャーシ27の連結片41a〜41cと連結され、段付きネジ42が各挿通孔43,46に挿通される。
【0042】
また、サブシャーシ29は、図7に示すように、後述するスライダー122と対向する側面のディスク装着部23側に位置して、スライダー122の第1のカムスリット130に係合されて支持される第1の支軸47と、サブスライダー151と対向する側面のディスク装着部23側に位置して、サブスライダー151の第2のカムスリット170に係合されて支持される第2の支軸48と、スライダー122と対向する側面とは反対側の側面の前面側に位置して、メインシャーシ6の側板部6bに設けられた軸孔9に回動可能に支持された第3の支軸49とを有している。
【0043】
したがって、このサブシャーシ29は、スライダー122及びサブスライダー151のスライドに連動して、第1の支軸47が第1のカムスリット130内をスライドすると共に、第2の支軸48が第2のカムスリット170内をスライドすることによって、ディスク装着部23側が第3の支軸49を支点に回動され、ベースシャーシ27の昇降が可能となっている。
【0044】
また、ボトムケース4の底面部には、図3に示すように、ベース昇降機構150がサブシャーシ29及びベースシャーシ27を下降させたとき、ディスク装着部23のターンテーブル23a上に装着された光ディスク2をターンテーブル23aから離脱させるためのチャッキング解除手段である押上ピン10が設けられている。この押上ピン10は、ベースユニット22のディスク装着部23近傍に位置して、ボトムケース4の底面部から上方に向かって突出し、化粧板30に穿設された挿通孔27cを挿通してディスク搬送領域上に臨まされている。
【0045】
このような構成を有するベースユニット22は、図9に示す概略図のように、矢印A方向及び反矢印A方向に昇降される。このとき、ベースシャーシ27は、各ダンパー28を介してサブシャーシ29のみによって支持されている状態となり、外部からの振動が伝達される経路が全てダンパー28付きのサブシャーシ29を経ることとなり、衝撃に対する耐性が向上されている。また、ベースシャーシ27は、各ダンパー28を含む余分な重量がかかっておらず、すなわち、衝撃が伝達される対象物としての総重量がダンパーがない分、軽いため、さらなる耐衝撃性が向上される。
【0046】
なお、このメインシャーシ6は、ボトムケース4に固定される際に、ダンパーを介して固定してもよい。具体的には、図10に示すように、メインシャーシ6は、それぞれのガイド片6fとボトムケース4のネジ孔4cとの間にダンパー28を設け、段付きネジで固定する。
【0047】
このように固定されるベースユニット22は、図11の概略図に示すように、サブシャーシ29がメインシャーシ6に支持され、このメインシャーシ6がボトムケース4とダンパー28を介して固定される。このとき、ベースシャーシ27は、ダンパー28a〜28cを介してサブシャーシ29のみによって支持され、且つ、このサブシャーシ29がメインシャーシ6に支持され、このメインシャーシ6がボトムケース4とダンパー28を介して固定される状態となり、外部からの振動が伝達される経路がダンパー28付きのメインシャーシ6と、ダンパー28a〜28c付きのサブシャーシ29を経ることとなり、2段階に配置されるダンパーを介すことから、衝撃に対する耐性がさらに向上される。
【0048】
また、さらにメインシャーシ6の側板部6bの略中間部とボトムケース4との間には、緩衝材39が設けてもよい。緩衝材39は、衝撃による振動の振幅によって側板部6bとボトムケース4とが直接接し、衝撃が伝達される経路を遮断するために薄肉のゴム片等の弾性部材から形成される。そして、緩衝材39は、一面に接着剤層が形成され、この接着剤層がメインシャーシ6の側板部6bに貼着される。
【0049】
これにより、ボトムケース4とメインシャーシ6とのクリアランスが狭小化され、かつメインシャーシ6がダンパー28を介してボトムケース4内に接続される場合にも、メインシャーシ6の側板部6bがボトムケース4に接触し、当該接触部を介して外乱がメインシャーシ6及びベースシャーシ22へ伝達される事態を防止することができる。
【0050】
このディスクドライブ装置1は、図12乃至図19に示すように、ディスク挿脱口19から光ディスク2が挿脱されるディスク挿脱位置と、ディスク装着部23のターンテーブル23aに光ディスク2が装着されるディスク装着位置との間で光ディスク2の搬送を行うディスク搬送機構50を備えている。
【0051】
このディスク搬送機構50は、メインシャーシ6の上面6aと天板部5aのディスク装着部23と対向する主面との間で移動操作されるサポート部材として、当該光ディスク2の主面と平行な面内で揺動可能とされたローディングアーム51及びイジェクトアーム52と、後述する駆動機構120からの駆動力をローディングアーム51に伝達するローディングカムプレート53と、イジェクトアーム52を光ディスク2の排出方向へ回動させる第1のリンクアーム54と、第1のリンクアーム54と連結された第2のリンクアーム55と、第1及び第2のリンクアーム54,55間に架け渡される引張りコイルバネ56と、第2のリンクアーム55のガイド突部113が係合され第2のリンクアーム55をガイドするループカム57と、駆動機構120と連結されることにより第1のリンクアーム54をイジェクトアーム52が光ディスク2を挿入又は排出する方向へ移動させるように操作する操作アーム58とを有している。
【0052】
このディスク搬送機構50は、光ディスク2が挿入されることによりイジェクトアーム52が所定位置まで回動される間に、第1のリンクアーム54がイジェクトアーム52によって一方へ回動されるとともに、第2のリンクアーム55が、先端部に形成されたガイド突部113がループカム57にガイドされることにより第1のリンクアーム54の回動方向と異なる方向へ移動されることで、引張りコイルバネ56によってイジェクトアーム52が排出方向へ付勢されつつ挿入方向へ回動される。一方、光ディスク2の排出時には、第2のリンクアーム55のガイド突部113がループカム57にガイドされて第1、第2のリンクアーム54,55が互いに近接することにより引張りコイルバネ56が伸張されず、排出方向への付勢力が働かない状態で操作アーム58によって第1のリンクアーム54を介して、イジェクトアーム52を回動させて光ディスク2を排出させるものである。
【0053】
これにより、光ディスク2の挿入時には、ユーザによって光ディスク2が所定位置まで挿入される過程では、引張りコイルバネ56による排出方向への付勢力を働かせることができるため、ユーザによる光ディスク2の挿入が中止されることにより光ディスク2が筐体3内に中途半端に挿入された状態で放置される事態を防止することができる。また、光ディスクの排出時には、イジェクトアーム52に与えられていた引張りコイルバネ56による排出方向への付勢力が働かないため、駆動機構120の駆動力を受けた操作アーム58の操作に応じてイジェクトアーム52が回動されることとなり、弾性力に頼ることなく光ディスク2を、光ディスク2の中心孔2aが筐体3外へ排出される所定の停止位置へ安定的に排出することができる。
【0054】
以下、ディスク搬送機構50の各構成部材について詳細に説明する。
【0055】
ローディングアーム51は、光ディスク2をディスク装着部23上に搬送するものであり、基端部が上記ボトムケース4のデッキ部4a上に、ディスク装着部23よりもディスク挿脱口19側に回動自在に支持され、先端部が図12中矢印a方向及び矢印a方向に回動可能とされている。具体的に、ローディングアーム51は、平板状の板金からなり、一端部に挿通部60が突設され、この挿通部60がデッキ部4aに係合されることにより、デッキ部4a上を図12中矢印a方向及びa方向へ回動可能に支持されている。
【0056】
また、ローディングアーム51は、先端部にディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の外周部と当接される当接部61が上方に向かって突出して設けられている。当接部61は小径の回転ローラ61aが回転可能に取り付けられている。また、当接部61は、光ディスク2よりも柔らかい樹脂からなり、ディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の外周部と当接される中央部分が内側に湾曲し、その両端部が拡径されたフランジ部として光ディスク2の高さ方向の移動を規制する略鼓形形状を有している。
【0057】
またローディングアーム51は、挿通部60の近傍に係止片63が立ち上がり形成され、この係止片63に、右ガイド壁97に一端が係止されたコイルバネ62の他端が係止されている(図6参照)。これによりローディングアーム51は、このコイルバネ62の付勢力によって、挿通部60を支点に常時、光ディスク2をディスク挿脱口19側からディスク装着部23側に付勢する図12中矢印a方向へ回動付勢されている。
【0058】
さらに、ローディングアーム51は、後述するローディングカムプレート53の第1のカム溝66に挿通係合される係合凸部64が突設されている。そしてローディングアーム51は、この係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66に沿って移動することにより、コイルバネ62の付勢力を規制しながら回動される。
【0059】
このローディングアーム51を回動させるローディングカムプレート53は、平板状の板金からなり、後述する駆動機構120のスライダー122と係合されることにより、該スライダー122の移動に伴ってデッキ部4a上を前後に移動する。そして、ローディングカムプレート53は、デッキ部4a上に支持されたローディングアーム51の上に重畳されるとともに係合凸部64が挿通されることにより、ローディングアーム51の回動を規制するものである。このローディングカムプレート53は、図21に示すように、ローディングアーム51に突設された係合凸部64が挿通される第1のカム溝66と、デッキ部4aに突設されたガイド凸部65が挿通される第2のカム溝67と、スライダー122に係合する一対の係合突起68,68とが形成されている。
【0060】
第1のカム溝66は、係合凸部64が摺動されることにより、コイルバネ62によって光ディスク2のローディング方向に付勢されたローディングアーム51の回動を規制するものである。第1のカム溝66は、係合凸部64を規制してローディングアーム51が光ディスク2のローディング方向である図12中矢印a方向へ回動することを規制する第1のガイド部66aと、第1のガイド部66aと隣接されるとともに連続して形成されローディングアーム51を光ディスク2のローディング方向へ回動させる第2のガイド部66bと、第2のガイド部66bと連続して形成され係合凸部64をローディングアーム51がディスク装着部23に装着された光ディスク2の外周より離間する図16中矢印a方向に回動するようガイドする第3のガイド部66cとからなる。
【0061】
そしてローディングカムプレート53が筐体3内を後方へ移動されると、係合凸部64が第2のガイド部66bに沿って移動することによりコイルバネ62の付勢力を受けたローディングアーム51が光ディスク2のローディング方向である図12中矢印a方向へ回動され、光ディスク2をディスク装着部23側に押圧していく。また、光ディスク2がディスク装着部23に装着されると、係合凸部64が第3のガイド部66cに沿って移動されることにより、ローディングアーム51がコイルバネ62の付勢力に対抗して図16中矢印a方向へ回動され、光ディスク2の外周からローディングアーム51の当接部61が離間し、光ディスク2を回転可能な状態とする。
【0062】
また、光ディスク2の排出時には、スライダー122が前方に移動されるに伴いローディングカムプレート53が後方に移動されることにより、係合凸部64が第2のガイド部66bから第1のガイド部66aへと移動していき、ローディングアーム51が図18及び図19中矢印a方向へ回動されて光ディスク2に当接される。このとき光ディスク2は、駆動機構120の駆動力を受けたイジェクトアーム52に排出方向へ押圧されるとともに、コイルバネ62に付勢されたローディングアーム51に挿入方向へ付勢されながら排出されていく。これにより、ディスク搬送機構50は、光ディスク2の排出時において、ローディングアーム51及びイジェクトアーム52によって光ディスク2を挟持しながら所定の排出位置まで押出していくこととなり、ローディングアーム51が光ディスク2の急な飛び出しを防止することができる。
【0063】
なお、ローディングアーム51は、光ディスク2の排出が終了すると、係合突部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66に形成された突部69に係止されることにより、a方向への回動が規制されてディスク搬送領域から退避された位置に保持され、光ディスク2の挿入を待機する。
【0064】
第2のカム溝67は、デッキ部4aに突設されたガイド凸部65に挿通されることによりローディングカムプレート53の移動をガイドするものである。この第2のカム溝67は、スライダー122の移動方向と平行な直線状のカム溝であり、スライダー122の移動に伴ってガイド凸部65がスライドすることにより、ローディングカムプレート53をスライダー122の移動方向にガイドする。
【0065】
スライダー122に係合する一対の係合突起68,68は、ローディングカムプレート53の一側面側に互いに離間して形成されている。これら係合突起68,68は、下方に向かって突設されるとともに、ボトムケース4の底面部側に張り出されることにより、該ボトムケース4の側面に沿って配設されるスライダー122の係合凹部127、127に係合される。これによりローディングカムプレート53とスライダー122とが一体となり、スライダー122の移動に伴ってローディングカムプレート53もスライドされる。
【0066】
なお、ローディングカムプレート53は、かかる係合突起68,68が形成された一側面と反対側の他側面が、右ガイド壁57とデッキ部4aとの間に設けられたクリアランス内にスライド自在に挿通されることで、デッキ部4aからの浮き上がりが防止されている。
【0067】
ディスク装着部23から光ディスク2をディスク挿脱口19外へ排出するイジェクトアーム52は、ローディングアーム51が形成された側面とは反対側の側面であってディスク装着部23よりも筐体3の背面側に配設されている。そして、イジェクトアーム52は、後述する第1、第2のリンクアーム54,55及び操作アーム58に操作されながら光ディスク2をディスク装着部23側に搬送する図12中矢印b方向及び光ディスク2をディスク挿脱口19側に排出する図12中矢印b方向に回動される。このイジェクトアーム52は、図22に示すように、メインシャーシ6に回転自在に支持された回転支持部材71と、回転支持部材71に回動自在に係合されて光ディスク2を押し出す押出アーム72と、押出アーム72を光ディスク2の排出方向に付勢するコイルバネ73と、押出アーム72の先端に取り付けられ光ディスク2の側面と当接される当接部材74とを備える。
【0068】
回転支持部材71は、略円形の板金からなり、メインシャーシ6の上面6aに、該上面6aのディスク搬送領域と反対側に回転自在に取り付けられている。回転支持部材71の主面71aの略中央にはメインシャーシ6との取付口71bが穿設されている。また回動支持部材71は、主面71aにメインシャーシ6に摺接される凸条の摺接部75が膨出形成されている。回動支持部材71は、この摺接部75がメインシャーシ6に摺接することで、スムーズに回転される。
【0069】
また回転支持部材71は、押出アーム72及びコイルバネ73が係合される係合片76が形成されている。係合片76は、主面71aより立設された立壁76aの先端より折り曲げ形成されることにより、主面71aよりも上方に設けられ、上記メインシャーシ6のイジェクトアーム用開口部6dより上面6a側に突出されている。この係合片76は、押出アーム72の開口部85に挿通されるとともにコイルバネ73が挿通される円筒状の係合部77と、押出アーム72より突設された係止片89が係止されることにより押出アーム72の回動を規制する回動規制部78と、コイルバネ73の一方のアーム73cが係止される係止凹部79とが形成されている。
【0070】
また、回転支持部材71は、主面71aに後述する第1のリンクアーム54が回転自在に係合される係合孔80が形成されている。また回転支持部材71は、主面71aの一側面部より折曲げ片81が形成されている。折曲げ片81は、主面71aより下方に折り曲げられることにより、後述するベース昇降機構150のサブスライダー151に突き当てられる突当て片となるとともに、光ディスク2が挿入されることにより光ディスク2をディスク装着部23側に搬送する図12中矢印b方向に回動されると回路基板59に実装された第1のスイッチSW1のスイッチを入れる。これによりディスクドライブ装置1は、光ディスク2に押圧されたイジェクトアーム52が筐体2の背面側まで回動されたことを検知でき、駆動機構120を駆動させるタイミングを計ることができる。
【0071】
この係合片76に回動自在に係合される押出アーム72は、平板状の板金からなり、一端部に形成され係合片76の係合部77が挿通係合される開口部85と、コイルバネ73が係止される第1〜第3の係止突片86〜88と、回転支持部材71の回動規制部78に係止される係止片89と、光ディスク2のセンタリングをガイドする左ガイド壁96を押圧し光ディスク2から離間させる押圧片90と、他端部に形成され当接部材74が取り付けられる取付部91とを有する。開口部85は、回転支持部材71の係合部77が挿通されることにより、回転支持部材71に押出アーム72が回動自在に係合する。開口部85の周囲に立設された第1、第2の係止突片86,87は、コイルバネ73の円筒部73aに挿通されることによりこのコイルバネ73を保持する。また、第3の係止突片88は、コイルバネ73の一方のアーム73bが係止される。なお、コイルバネ73の他方のアーム73cは回転支持部材71の係止凹部79に係止されている。これにより押出アーム72は、回転支持部材71の係合部77を支点にディスク挿脱口19側に所定のバネ力にて回動付勢されている。
【0072】
また係止片89は、開口部85の近傍より下方に折り曲げ形成され、押出アーム72が回動することにより、回転支持部材71の回動規制部78に当接しディスク挿脱口19側へ付勢されている押出アーム72の回動を規制する。押圧片90は、光ディスク2の搬送領域に付勢され光ディスク2のセンタリングをガイドする左ガイド壁96を押圧することにより、記録及び/又は再生時において、当該左ガイド壁96を光ディスク2から退避させ回転自在とするものである。
【0073】
押出アーム72の取付部91に取り付けられる当接部材74は、光ディスク2よりも柔らかい樹脂成型品からなり、光ディスク2の外周部と当接される凹状のディスク受け部74aと、押出アーム72の取付部91が挿通される挿通孔74bと、小径ディスクが誤って挿入された際に筐体3内部へ挿入を規制する規制部74cを有する。そして当接部材74は、挿通孔74bに取付部91が挿通されることにより押出アーム72と一体とされる。なお、当接部材74には、小径の光ディスク101の誤挿入を防止するストッパー100を形成してもよい。このストッパー100については後に詳述する。
【0074】
このようなイジェクトアーム52は、回動支持部材71と押出アーム72とが回動自在に係合されるとともに、コイルバネ73によって所定のバネ力にて押出アーム72がディスク挿脱口19側に回動付勢されている。したがって、イジェクトアーム52は、後述する駆動機構120の駆動力を受けた第1のリンクアーム54及び操作アーム58によって光ディスク2を筐体3外へ排出する図19中矢印b方向に回転操作されている際に、光ディスク2の搬送領域上に障害物があるなどして矢印b方向への力が作用した場合にも、当該光ディスク2の排出方向と反対方向の力を受けた押出アーム72がコイルバネ73の付勢力に対抗して回動支持部材71の係合部77を支点に矢印b方向へ回動される。これによりイジェクトアーム52をb方向に回動させる駆動力と、当該駆動力と反対方向に働く力とが対向する事態を回避する。したがって、イジェクトアーム52を図19中矢印b方向へ回動させるように第1のリンクアーム54及び操作アーム58を駆動させる駆動機構120のモータ等に過剰な負荷をかけることなく、また光ディスク2もイジェクトアーム52による排出方向への付勢力と反対方向に働く力とによって挟持されることで破損することを防止することができる。
【0075】
イジェクトアーム52の回転支持部材71に回動自在に係合された第1のリンクアーム54は、後述する操作アーム58に操作されることによってイジェクトアーム52を光ディスク2の挿入方向あるいは排出方向となる図12中矢印b方向あるいはb方向へ回動させるものである。この第1のリンクアーム54は、略矩形状に形成された金属板からなり、長手方向の一端が上記回転支持部材71の係合孔80に回転自在に係合され、長手方向の他端が第2のリンクアーム55と回転自在に係合され、長手方向の略中間部に付勢コイルバネ93の他端、操作アーム58の他端58b、及び第2のリンクアーム55との間に架けわたされた引っ張りコイルバネ56の一端とが取り付けられている。
【0076】
付勢コイルバネ93は、一端をメインシャーシ6の上面6aに設けられた係止部に係止され、他端を第1のリンクアーム54の略中間部に取り付けられている。これにより、付勢コイルバネ93は、第1、第2のリンクアーム54,55を図12中p方向に引き上げ、第2のリンクアーム55のガイド突部113をループカム57に周回させる。
【0077】
第1のリンクアーム54の他端に回転自在に係合された第2のリンクアーム55は、長尺状の板金からなり、一端にループカム57のガイド溝114に向かって突設され、このガイド溝114と係合されることによりローディングガイド壁112a及びイジェクトガイド壁112bにガイドされて第1のリンクアーム54と第2のリンクアーム55との距離を制御するガイド凸部113が突設されている。また、第2のリンクアーム55は、長手方向の中間に、バネ係止片55aが設けられ、第1のリンクアーム54との間に架け渡された引張りコイルバネ56の一端が係止されている。
【0078】
また第2のリンクアーム55は、後述する操作アーム58に形成されたカム溝108に係合される係合突部116が形成されている。ディスク搬送機構50は、第2のリンクアーム55が係合突部116がカム溝108に係合されることにより、スライダー122の移動に対応してイジェクトアーム52を回動させることができ、光ディスク2を所定の排出位置まで安定して排出することができる。
【0079】
すなわち、光ディスク2の排出中に、フロントパネル18のディスク挿脱口19に設けられたパネルカーテンが光ディスク2に摺接することにより負荷がかかると、イジェクトアーム52の回動支持部材71及び第1のリンクアーム54がb方向へ付勢される。ここで、第2のリンクアームと操作アーム58とが係合されていないと、第1のリンクアーム54は、操作アーム58がスライダー122のf方向へのスライドに伴いd方向へ移動されても、回転支持部材71に対して係合孔80を支点にd方向へ回転するだけで、イジェクトアーム52をb方向へ回動させることができなくなる。また、第2のリンクアーム55も、第1のリンクアーム54に対して回動するだけとなる。
【0080】
一方、第2のリンクアーム55が操作アーム58と係合されると、操作アーム58のd方向へのスライドに伴い、係合突部116がカム溝108の側壁に当接されて第2のリンクアーム55が第1のリンクアーム54に対して自由に回動することができなくなる。すなわち、第1のリンクアーム54は、第2のリンクアーム55の係合突部116がカム溝108の側壁に当接されることによりd方向への回転が規制される。したがって、光ディスク2の排出中、イジェクトアーム52がb方向に付勢された場合にも、操作アーム58がd方向へ移動されると、第1のリンクアーム54は、b方向への付勢力に対抗しながらd方向へ移動されイジェクトアーム52をb方向へ回動させる。これによりイジェクトアーム52は、スライダー122のf方向へのスライド量に応じたb方向への回動が実現され、確実に所定の排出位置へ光ディスク2を排出することができる。
【0081】
第2のリンクアーム55のガイド突部113の移動をガイドするループカム57は、上述したように、メインシャーシ6の上面6aに穿設された係止孔に係止され、ボトムケース4側に向かって略環状のカム壁112が立設されている。カム壁112は、光ディスク2のローディングからイジェクトに亘って第2のリンクアーム55のガイド凸部113が周回するものであり、光ディスク2のローディング時にガイド凸部113が摺動するローディングガイド壁112aと、光ディスク2のイジェクト時にガイド凸部113が摺動するイジェクトガイド壁112bと、これらローディングガイド壁112aとイジェクトガイド壁112bとの間においてガイド凸部113の逆行を防止する突起部112cとが形成されるとともに、これらを外周部112dで囲むことによりガイド突部113が移動するガイド溝114を形成している。
【0082】
第1のリンクアーム54及び駆動機構120と連結され、イジェクトアーム52を操作する操作アーム58は、長尺状の金属板からなり、長手方向の中央に第2のリンクアーム55に形成された係合凸部116が挿通されるカム溝108が形成されている。そして、操作アーム58は、長手方向の一端58aが駆動機構120のスライダー122と連結された第3のリンクアーム94と係合され、他端58bが第1のリンクアーム54と係合されている。
【0083】
カム溝108は、上述したように、第2のリンクアーム55の係合突部116と係合されることにより、スライダー122のスライド動作に応じてイジェクトアーム52を回動させるものであり、第2のリンクアーム55がループカム57を周回する際に、係合突部116が移動可能となるように長孔状に形成されている。またカム溝108は、操作アーム58の移動方向となる図12中矢印d方向及びd方向と略直交する方向に亘って形成されている。これによりカム溝108は係合凸部116が側壁に当接されることにより第2のリンクアーム55の回動を規制することができ、第1のリンクアーム54のd方向への回転を規制することができる。
【0084】
この操作アーム58は、スライダー122がスライド操作されることにより、第3のリンクアーム94を介して略左右方向となる図12中矢印d方向及びd方向へ移動され、上記第1のリンクアーム54及びイジェクトアーム52を回動操作する。具体的に、操作アーム58は、第3のリンクアーム94によって図12中矢印d方向へ移動されると、第1のリンクアーム54を同方向へ押圧し、これによってイジェクトアーム52を光ディスク2の挿入方向となる図12中矢印b方向へ回動させる。また、操作アーム58は、第3のリンクアーム94によって図12中矢印d方向へ移動されると、第1のリンクアーム54を同方向へ移動させ、これによってイジェクトアーム52を光ディスク2の排出方向となる図12中矢印b方向へ回動させる。
【0085】
操作アーム58の一端58aに回動自在に係合された第3のリンクアーム94は、略く字状の金属板からなり、折曲部94aがメインシャーシ6に回動自在に取り付けられることにより図12中矢印c方向及びc方向へ回動自在に支持されるとともに、この折曲部94aより延設された一端94bに形成された係合凸部109がスライダー122と係合され、他端94cが操作アーム58に回転自在に係合されている。これにより第3のリンクアーム94は、駆動機構120の駆動モータ121の駆動力を受けてスライダー122が図12中矢印f方向へ搬送されると、スライダー122に形成された第1のガイド溝125にガイドされ図12中矢印c方向へ回動され、操作アーム58を同図中d方向へ移動させる。また、第3のリンクアーム94は、スライダー122が図12中矢印f方向へ搬送されると、第1のガイド溝125にガイドされ同図中矢印c方向へ回動され、操作アーム58を同図中矢印d方向へ移動させる。
【0086】
なお、ディスク搬送領域の左右両側に配設された左右ガイド壁96,97は、光ディスク2の側面部が摺動されることによりセンタリングをガイドするものであり、光ディスク2よりも軟らかい合成樹脂等によって形成されている。右ガイド壁97は、デッキ部4a上に配設され、左ガイド壁96は、メインシャーシ6上に配設され、いずれもビスや接着テープ等によって固定されている。
【0087】
これら左右ガイド壁96,97は、光ディスク2の形状に応じた円弧状の側壁96a,97aが立設されている。これら側壁96a,97aは、センタリング位置に搬送された光ディスク2の側面と所定のクリアランスを隔てた位置に設けられ、光ディスク2の回転駆動には接触しない。このうち、左ガイド壁96に形成された側壁96aは、ディスク挿脱口19と反対側の先端が、ヒンジ部98を介してディスク搬送領域内外に亘って揺動自在に形成されたセンタリングガイド片99とされている。このセンタリングガイド片99は、板バネ95(図6参照)に付勢されることによりディスク搬送領域側に撓まされ、光ディスク2の側面を当接可能とされている。これにより光ディスク2は、センタリングガイド片99によってセンタリング方向に付勢される。また、センタリングガイド片99は、光ディスク2が筐体の奥まで挿入されイジェクトアーム52がb方向へ回動されると、押出アーム72に形成された押圧片90に押圧されることにより、ディスク搬送領域から退避され、記録再生動作中は光ディスク2の側面から離間する位置に保持される。
【0088】
次いで、以上のように構成されるディスク搬送機構50による光ディスク2の挿入から排出までの動作について説明する。光ディスク2の搬送状態は、回路基板59に実装された第1〜第4のスイッチSW1〜SW4の押下状態を検出することによってモニタされる。第1のスイッチSW1は、図23に示すように、イジェクトアーム52の回転支持部材71の回動領域に配設され、イジェクトアーム52の回動に伴って回転支持部材71に押下されることによりH/Lが切り換えられる。また第2〜第4のスイッチSW2〜SW4は、図23に示すように、スライダー122の移動領域上に配列され、スライダー122がf方向あるいはf方向へスライドされることにより順次H/Lが切り換えられていく。
【0089】
そしてディスクドライブ装置1は、かかる第1〜第4のスイッチSW1〜SW4の押下状態及びその時間をマイコンでモニタすることにより、光ディスク2の搬送状態を検出し、駆動モータ121やスピンドルモータ24a、変位駆動機構36光ピックアップ25等を駆動させる。具体的には図24及び図25に示すタイミングチャートにしたがって光ディスク2の搬送状態及び各種モータ等の出力タイミングを検出するものである。
【0090】
光ディスク2の挿入前においては、図12に示すように、スライダー122がディスク挿脱口19側となる図中矢印f方向へスライドされており、これによりローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の突部69に係止され、当接部61が光ディスク2の搬送領域から退避された位置に回動保持されている。また、スライダー122に係合されている第3のリンクアーム94が図12中矢印c方向に回動されており、これにより操作アーム58及び第1のリンクアーム54に回動操作されたイジェクトアーム52が図12中矢印b方向へ回動付勢されている。また、スライダー122がf方向へスライドされることにより、サブスライダー151が図中矢印h方向へスライドされており、これによりベースユニット22を構成するサブシャーシ29がボトムケース4側に下降され、光ディスク2の搬送領域から退避されている。
【0091】
そして、ユーザによって光ディスク2がディスク挿脱口19より挿入されると、イジェクトアーム52の当接部61が光ディスク2の挿入端面に押圧され、図13に示すように、イジェクトアーム52が図13中矢印矢印b方向へ回動される。このとき、回転支持部材71が取付口71bを支点にb方向へ回転されることから、回転支持部材71と係合されている第1のリンクアーム54も一端側が左ガイド壁96側へ移動される。一方、第1のリンクアーム54と係合されている第2のリンクアーム55は、ループカム57のガイド溝114に係合されている係合凸部113が、ローディングガイド壁112aに沿って移動される。ループカム57のローディングガイド壁112aは、右ガイド壁97側に向かって延設されているため第2のリンクアーム55は、このローディングガイド壁112aにガイドされることにより、第1のリンクアーム54と離間していく。したがって、第1のリンクアーム54と第2のリンクアーム55は、間に架け渡されている引張りコイルバネ56が伸張され、互いに近接する方向に付勢される。ここで、第2のリンクアーム55は係合凸部113がローディングガイド壁112aに当接されていることから、第1のリンクアーム54に第2のリンクアーム55のバネ係止部55aに向かう力、すなわち回転支持部材71の回転方向とは反対向きの付勢力が働く。したがって、イジェクトアーム52は、光ディスク2の排出方向である図13中矢印b方向へ付勢される。
【0092】
したがって、光ディスク2は、イジェクトアーム52に働く排出方向への付勢力に対抗しながら挿入されていくこととなるため、ユーザによって光ディスク2の挿入が途中で中止された場合でも、筐体3外へ排出されるため光ディスク2が中途半端な状態で筐体3内に残存する事態を防止することができる。
【0093】
かかる付勢力に対抗しながらユーザによって光ディスク2が挿入されていき、イジェクトアーム52が所定の角度まで回動されると、回転支持部材71の折曲げ片81によって回路基板59に配設された第1のスイッチSW1が押圧され、駆動機構120が起動される。なお、このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態は、順にLHHHとなり、ディスクドライブ装置1のマイコンによって検出される(押下された状態をL、押下されていない状態をHとする)。駆動機構120は、駆動モータ121の駆動力を受けてスライダー122が図14中矢印f方向へスライドさせる。これにより、スライダー122とともにローディングカムプレート53も同方向へスライドされるため、第1のカム溝66に回動を規制されていたローディングアーム51がコイルバネ62に付勢されて図14中矢印a方向へ回動し、当接部61が光ディスク2の後方の側面に当接し、光ディスク2のローディングを行う。
【0094】
なお、イジェクトアーム52が駆動機構120の起動位置まで回動されると、第2のリンクアーム55の回動突部113は、ループカム57のローディングガイド壁112aからイジェクトガイド壁112bへ移動していくため、第1のリンクアーム54と第2のリンクアーム55とは、近接されていき、コイルバネ56が収縮する。したがってイジェクトアーム52に働いていたb方向への付勢力も働かなくなる。なお、係合凸部113は、第1のリンクアーム54が第3のリンクアーム93によりp方向へ付勢されることにより、第2のリンクアーム55も同方向へ移動されるため、ローディングガイド壁112aからイジェクトガイド壁112b側へ移動され、突起部112c近傍に位置される。
【0095】
更にスライダー122がf方向へスライドされていくと、図15に示すように、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66を第1のガイド部66aから第2のガイド部66bへ移動していき、これに応じてローディングアーム51が同図中矢印a方向へ回動されるため、光ディスク2がディスク装着部23上に搬送される。またこの際、第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が、順にLHLHとなったことが検出されることにより、ベースユニット22がチャッキング解除位置まで下降されていることがわかり、光ディスク2を安全に搬送することができる。
【0096】
なお、光ディスク2は、ローディングアーム51にローディングされるとともに、左右ガイド壁96,97にガイドされ、また、後述するストップレバー140に当接されることによりディスク装着部23上にセンタリングされる。
【0097】
また、第3のリンクアーム94がスライダー122の第1のガイド溝125にガイドされ、図15中矢印c方向に回動され、かかる第3のリンクアーム94と係合されている操作アーム58が同図中矢印d方向へ移動する。したがって操作アーム58の他端58bと係合されている第1のリンクアーム54は、操作アーム58に押圧されて、さらに左ガイド壁96側に移動される。また第1のリンクアーム54が操作アーム58に移動されることにより、回転支持部材71が同図中矢印b方向へ回動されるため、押出アーム72も同方向に回動されていく。このとき、押出アーム72に形成された押圧片90が、ディスク搬送領域上に張り出している左ガイド壁96のセンタリングガイド片99を押圧し、該センタリングガイド片99を光ディスク2の側面から離間させる。
【0098】
またこのとき、スライダー122に係合されている係合アーム165が回動されることによりサブスライダー151が同図中矢印h方向へスライドされ、ベースユニット22がチャッキング位置に上昇される。これによりセンタリング位置に搬送された光ディスク2は、中心孔2aの周囲がターンテーブル23aと天板部5aの開口部7の周囲に形成された当接突部8とによって挟持されターンテーブル23aにチャッキングされる。
【0099】
なお、このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が、順にLLHHとなったことが検出されることにより、ベースユニット22がチャッキング位置まで上昇されたことがわかり、光ディスク2がターンテーブル23aにチャッキングされたことがわかる。また、本ディスクドライブ装置1の光ディスク2のローディング工程では、光ディスク2がターンテーブル23aにチャッキングされた後、スピンドルモータ24aを駆動させ光ディスク2を半回転させ、駆動モータ121を逆転させることによりベースユニット22を再度チャッキングまで上昇させるいわゆるダブルチャッキングを行う(図24参照)。これにより光ディスク2がターンテーブル23aに中途半端に係合されたまま記録再生される事態を防止することができる。
【0100】
そして、さらにスライダー122がf方向へスライドされると、ローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第2のガイド部66bから第3のガイド部66cへ移動されるため、図16中矢印a方向へ回動され、当接部61が光ディスク2の側面から離間される。
【0101】
またスライダー122がf方向へ移動してサブスライダー151がさらにh方向へスライドされると、ベースユニット22がチャッキング位置から記録再生位置へ下降され、ユーザによる記録又は再生の操作を待機する。またサブスライダー151は、図16に示すように、先端部が回転支持部材71の折曲げ片81に突き当てられる。これにより、回転支持部材71が付勢コイルバネ93を伸張しながらさらに同図中矢印b方向へ回転されるため、イジェクトアーム52の当接部材74とセンタリングされた光ディスク2とが離間される。また、第1のリンクアーム54が回転支持部材71とともに移動されるとともに付勢コイルバネ93によってp方向へ付勢されることにより、第1のリンクアーム54と係合されている第2のリンクアーム55は、ガイド突部113がローディングガイド壁112a側への逆行を防止する突起部112cを乗り越え、イジェクトガイド壁112bへ移動する。
【0102】
また、スライダー122は、図16に示すように、光ディスク2のセンタリングを図るストップレバー140を押圧し光ディスク2の側面から離間させる。これにより光ディスク2は、センタリングを図るローディングアーム51、イジェクトアーム52、ストップレバー140及び左ガイド壁96のセンタリングガイド片99から離間し、フリーな状態でターテンテーブル23aに保持されディスク回転駆動機構24により回転駆動可能とされる。
【0103】
なお、このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が、順にLLLHとなったことが検出されることにより、ベースユニット22が記録再生位置まで下降されたことがわかり、光ディスク2の回転駆動が可能な状態となったことがわかる。
【0104】
記録再生動作が終了し、ユーザによって光ディスク2の排出操作がなされると、先ず、駆動機構120の駆動モータ121が逆転され、スライダー122が図17中矢印f方向へスライドされる。これにより、ローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第3のガイド部66cから第2のガイド部66bへ移動することにより、図17中矢印a方向へ回動され、当接部61が光ディスク2の側面と当接される。
【0105】
また、サブスライダー151が同図中矢印h方向へスライドされ、回転支持部材71への押圧が解除されるため、イジェクトアーム52は、付勢コイルバネ93の付勢力により同図中矢印b方向へ回動され、当接部材74が光ディスク2の側面と当接される。なお、イジェクトアーム52は、回転支持部材71と係合された第1のリンクアーム54が操作アーム58によってd方向へ移動されており、また付勢コイルバネ93が収縮されることにより、光ディスク2と当接される程度に回動されるのみで光ディスク2の排出力は発生していない。
【0106】
次いで、さらにスライダー122がf方向へスライドされると、サブスライダー151が図18中矢印h方向へスライドされ、ベースユニット22を下降させる。これにより光ディスク2は、ボトムケース4より立設されている押上ピン10によって突き上げら
れ、ターンテーブル23aとのチャッキングが解除される。
【0107】
なお、このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が、順にLHLHとなったことが検出されることにより、ベースユニット22がチャッキング解除位置まで下降されたことがわかり、光ディスク2を安全にイジェクトできる状態となったことがわかる。
【0108】
その後、スライダー122と係合されている第3のリンクアーム94が、スライダー122の第1のガイド溝125をスライドすることにより図18中矢印c方向へ回転されると、操作アーム58は、同図中矢印d方向へ移動される。図18及び図19に示すように、操作アーム58のd方向への移動に伴い第1のリンクアーム54が同方向へ移動されると、イジェクトアーム52は、操作アーム58の移動量に応じて図18中矢印b方向へ回動され、光ディスク2を排出していく。
【0109】
このとき、ディスク搬送機構50は、コイルバネ62により光ディスク2を挿入方向へ付勢する図18中矢印a方向へ付勢されたローディングアーム51が当接されているが、ローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66に係合されることにより、ローディングカムプレート53のスライドに応じて回動可能とされ、自由な回動が規制されている。そして、ローディングカムプレート53がスライダー122とともに図19中矢印f方向へスライドされることにより、これに応じてコイルバネ62の付勢力に対抗しながらローディングアーム51が同図中矢印a方向へ回動されていくため、光ディスク2の排出を阻害するような付勢力を加えることはない。またローディングアーム51及びイジェクトアーム52により光ディスク2を挟持しながら排出することで、光ディスク2の急な飛び出しを防止することができる。
【0110】
また、第1のリンクアーム54が操作アーム58によってd方向へ移動されることにより、第2のリンクアーム55は、ガイド突部113がループカム57のイジェクトガイド壁112bを摺動していく。このとき、第1のリンクアーム54と第2のリンクアーム55とは、いずれも操作アーム58によって同方向に移動されていくため、引張りコイルバネ56は伸張されない。すなわち、光ディスク2の挿入時においては、イジェクトアーム52がb方向へ回動されることによる第1のリンクアーム54の移動方向と、ガイド突部113がループカム57のローディングガイド壁112aにガイドされることにより移動される第2のリンクアーム55の移動方向とが反対向きとなり、互いに離間することから引っ張りコイルバネ56が伸張され、イジェクトアーム52に対して排出方向への付勢力を働かせていたが、光ディスク2の排出時においては、第2のリンクアーム55のガイド突部113がイジェクトガイド壁112bによって第1のリンクアーム54の移動方向と同方向にガイドされるため、第1のリンクアーム54と第2のリンクアーム55とは離間せずに移動される。したがって引っ張りコイルバネ56は伸張されず、イジェクトアーム52は、排出方向へ付勢されることなく、駆動機構120の駆動力によって排出方向へ回動されることとなる。
【0111】
このとき、ディスク搬送機構50は、光ディスク2がフロントパネル18のディスク挿脱口19に設けられたパネルカーテンに摺接されることにより、イジェクトアーム52及び第1のリンクアーム54に相対的にb方向への付勢力が作用した場合、上述したように、第2のリンクアームの係合突部116が操作アーム58のカム溝108の側壁に当接されることにより第1のリンクアーム54のd方向への回転が規制されていることから、スライダー122のf方向へのスライド量に応じた分だけd方向へ移動される操作アーム58に伴って第1のリンクアーム54及びイジェクトアーム52が回動されることとなる。したがってディスク搬送機構50は、b方向への付勢力に対抗してイジェクトアーム52をスライダー122のスライド動作に応じた量だけ回動させることができ、光ディスク2を所定の排出位置に安定的に排出させることができる。
【0112】
そして、図20に示すように、スライダー122が初期位置まで移動されると検出スイッチが押圧されることによりスライド動作が停止され、これに応じてイジェクトアーム52も、操作アーム58及び第1のリンクアーム54によって初期位置まで回動され、光ディスク2をディスク挿脱口19から中心孔2aが排出された位置で停止させる。また、ローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66に形成された突部69に係止され、当接部61が光ディスク2の搬送領域から退避される。
【0113】
なお、このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が、順にHHHHとなったことが検出されることにより、イジェクトアーム52によって光ディスク2が所定の排出位置まで搬送されたことがわかり、駆動モータ121の駆動を停止させる。
【0114】
ここで、ディスク搬送機構50は、光ディスク2が所定量挿入され駆動モータ121の駆動が開始された状態で、ユーザが挿入する光ディスク2を間違えたことに気づくなどして咄嗟に光ディスク2を掴んだ場合、駆動モータ121を停止させた後、反転駆動することにより、光ディスク2をイジェクトする。
【0115】
具体的に、図26に示すように、光ディスク2がディスク挿脱口19より所定量挿入され、駆動モータ121が駆動されると、スライダー122及びローディングカムプレート53のf方向への移動に伴って、ローディングアーム51が同図中矢印a方向へ回動される。ここでユーザによって光ディスク2が掴まれると、ローディングアーム51の回動が規制される一方、ローディングカムプレート53はスライダー122とともにf方向へスライドされるため、ローディングアーム51に突設された係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のガイド部66aの先端に係止される。これによりスライダー122のf方向へのスライドが規制されるとともに、駆動モータ121の駆動が停止される。このままの状態で、所定時間が経過すると、駆動モータ121が逆転駆動され、上述した光ディスク2の挿入過程とは逆の過程で光ディスク2が排出される。
【0116】
このとき、光ディスク2が所定量挿入されることによりイジェクトアーム52も所定量回動されていることから、第1、第2のリンクアーム54,55は互いに離間する方向に移動され、両者に架け渡されている引っ張りコイルバネ56は伸張されている。したがって、駆動モータ121が逆転駆動され、スライダー122がf方向へスライドされ終わると、イジェクトアーム52は、引っ張りコイルバネ56の付勢力を受けた第1のリンクアーム54が回転され、図26中矢印b方向へ回動される。したがって、ディスクドライブ装置1は、イジェクトアーム52が、引っ張りコイルバネ56によって光ディスク2をディスク挿脱口19外へ排出する図26中矢印b方向へ回動付勢され、引っ張りコイルバネ56の付勢力によって光ディスク2を排出する。このため、光ディスク2のローディング時に光ディスク2が掴まれることにより駆動モータ121の駆動が停止されて、光ディスク2がディスク挿脱口19から中途半端に臨まされた状態で放置される事態を防止することができる。
【0117】
なお、かかる光ディスク2の異常な搬送は、回路基板59に実装された第1〜第4のスイッチSW1〜SW4の押下状態をマイコンがモニタすることにより検出することができる。すなわち、図24に示すように、第1のスイッチSW1がイジェクトアーム52により押下された状態からベースユニット22がチャッキング解除位置に下降されていることを検出するまで(LHHH〜LHLH)にスライダー122が移動する時間が所定時間、例えば3秒以上かかった場合や、ベースユニット22がチャッキング解除位置からチャッキング位置を経て記録再生位置まで移動されるまで(LHLH〜LLLH)の時間が所定時間以上かかった場合には異常搬送であることを検出し、駆動モータ121を停止させ、また反転させることにより光ディスク2をイジェクトさせる。
【0118】
また、光ディスク2の排出時に、ディスク挿脱口19の前方に書籍等の障害物が載置されている場合、光ディスク2が当該障害物と当接し排出することができなくなり、駆動機構120の駆動モータ121に過剰な負荷がかかってしまう。また、駆動モータ121の駆動力を受けて回動されるイジェクトアーム52と当該障害物とで光ディスク2を挟み込むことで、光ディスク2にも過剰な負荷を与えてしまう。
【0119】
ここで、ディスクドライブ装置1は、イジェクトアーム52の回転支持部材71と押出アーム72とが係合部77を支点にb方向へ回転自在に係合されるとともに、コイルバネ73によってb方向へ所定の力で付勢されている。したがって、光ディスク2の排出時に、光ディスク2の排出を阻む障害物が載置され、光ディスク2の排出方向と反対方向の力がイジェクトアーム52にかかった場合にも、当該反対方向の力を受けた押出アーム72がb方向へ回動することにより、駆動モータ121や光ディスク2に過剰な負荷がかかる事態を防止することができる。
【0120】
そして、ディスクドライブ装置1は、イジェクトアーム52の押出アーム72がb方向へ回動されると駆動モータ121の駆動を停止する。そのまま、ディスク挿脱口19の前方に障害物が載置され光ディスク2の排出が妨害された状態で所定時間が経過すると、再び光ディスク2をローディングポジションに引き込んでいく。すなわち、図27に示すように、光ディスク2がディスク挿脱口19から外部へ排出されていき、光ディスク2の一側面が障害物と当接して、光ディスク2の排出が所定時間だけ停止されると、駆動モータ121は、それまでとは逆に回転される。したがって、上述した第1、第2のリンクアーム54,55及び操作アーム58が上記と逆に移動され、光ディスク2のローディング動作を行う。なお、この場合も、第1、第2のリンクアーム54,55は、互いに離間することなく移動されるため、引っ張りコイルバネ56は伸張されず、イジェクトアーム52に排出方向への付勢力は働かない。
【0121】
これにより、ディスクドライブ装置1は、光ディスク2が排出方向に回動されるイジェクトレバー52と障害物との間に挟まれた状態で放置される事態を防止することができ、駆動モータ121や光ディスク2に過剰な負荷がかかることを防止することができる。
【0122】
なお、かかる光ディスク2の異常な搬送は、回路基板59に実装された第1〜第4のスイッチSW1〜SW4の押下状態をマイコンがモニタすることにより検出することができる。すなわち、図25に示すように、駆動モータ121が反転されてからベースユニット22が記録再生位置からチャッキング位置を経てチャッキング解除位置まで下降されるまで(LLLH〜LHLH)にスライダー122が移動する時間が所定時間、例えば3秒以上かかった場合や、ベースユニット22がチャッキング解除位置に下降されてから第1〜第4のスイッチSW1〜SW4が全て押下されない状態(LHLH〜HHHH)までスライダー122が移動する時間が所定時間以上かかかった場合には異常搬送であることを検出し、駆動モータ121を停止させ、また正転させることにより光ディスク2をローディングさせる。
【0123】
以上のように、本発明が適用されたディスクドライブ装置1のディスク搬送機構50によれば、光ディスク2の挿入時には、ユーザによって光ディスク2が所定位置まで挿入される過程では、ループカム57により第1のリンクアーム54と第2のリンクアーム55とを互いに離間する方向にガイドすることで両者の間に架け渡されている引っ張りコイルバネ56による排出方向への付勢力をイジェクトアーム52に働かせることができるため、ユーザによる光ディスク2の挿入が中止されることにより光ディスク2が筐体3内に中途半端に挿入された状態で放置される事態を防止することができる。
【0124】
また、光ディスクの排出時には、ループカム57により第1のリンクアーム54と第2のリンクアーム55とを近接させながら移動させることにより、イジェクトアーム52に与えられていた引張りコイルバネ56による排出方向への付勢力をなくし、駆動機構120の駆動力を受けたスライダー122及び操作アーム58の操作に応じてイジェクトアーム52が回動されることとなる。したがってディスク搬送機構50は、弾性力に頼ることなく駆動機構120の駆動力によって、光ディスク2を光ディスク2の中心孔2aが筐体3外へ排出される所定の停止位置へ安定的に排出することができる。
【0125】
さらに、ディスク搬送機構50は、光ディスク2の排出時において引っ張りコイルバネ56の付勢力によってイジェクトレバー52を回動させる機構を採用していないため、かかる付勢力を受けたイジェクトレバーが光ディスクと当接する際等に発生する当接音もない。したがって、ディスクドライブ装置1は、光ディスク2の排出時におけるノイズもなく使用感を向上させることもできる。
【0126】
また、本発明が適用されたディスクドライブ装置1は、イジェクトアーム52の当接部材74に、小径の光ディスク101の誤挿入を防止するストッパー100を設けてもよい。すなわち、ディスクドライブ装置1は、専ら大径(例えば直径12cm)の光ディスク2専用に形成されているが、ユーザが誤って小径(例えば直径8cm)の光ディスク101を挿入してしまう事故が想定される。このとき、この小径ディスク101が当接部材74に当接されることによってイジェクトアーム52がb方向へ押し込まれた場合は、駆動機構120が駆動される位置までは回動されず、b方向への付勢力によって小径ディスク101を排出することができる。一方、小径ディスク101がイジェクトアーム52の当接部材74に当接されない、ローディングアーム51側に偏倚して挿入された場合、筐体3の奥まで挿入されてしまい、イジェクトアーム52の回動領域から外れた位置に残存してしまうおそれがある。
【0127】
そこで、図28に示すように、イジェクトアーム52は、当接部74に小径ディスク101がローディングアーム51側に偏倚して挿入されたときにも、筐体3の奥まで挿入されることを防止するために、当接部材74に小径ディスク101の誤挿入防止用のストッパー100が形成される。
【0128】
このストッパー100は、当接部材74よりもローディングアーム51側に張り出し形成されており、小径ディスク101がローディングアーム51側に偏倚して挿入されたときにも、その一部が当接することにより、さらなる挿入を禁止することができるものである。
【0129】
また、ストッパー100は、イジェクトアーム52が図29中矢印b方向へ回動された光ディスク2の挿入待機状態のとき、ディスク挿脱口19のローディングアーム51側の端部とのクリアランスが小径ディスク101の直径よりも短く形成されている。したがって、ストッパー100は、小径ディスク101がローディングアーム51側に偏倚して挿入された場合にも、確実に誤挿入を防止することができる。
【0130】
さらに、ストッパー100は、イジェクトアーム52が光ディスク2の挿入待機状態において、小径ディスク101の略全体がディスク挿脱口19より挿入されたときに該小径ディスク101の挿入端面と当接する位置に回動されている。すなわち、ストッパー100は、小径ディスク101のほぼ全体が挿入されたときに当接される。したがって、小径ディスク101は、ディスク挿脱口19の外側から押し込める部分が殆ど残っていない状態で、ストッパー100に当接し、さらなる挿入が規制されるため、ユーザは小径ディスク101をこれ以上筐体3の内部へ挿入することが不可能となる。
【0131】
なお、このストッパー100は、イジェクトアーム52とともにディスク搬送領域をb方向及びb方向へ回動される。このとき、イジェクトアーム52は、ストッパー100がディスク搬送領域上に臨まされているベースユニット22のディスク装着部23上を回動しない程度の長さに形成すれば、イジェクトアーム52の回動中にストッパー100が揺動し、ディスク装着部23のターンテーブル23aや係合突部33aに衝突する事態を防止することができる。
【0132】
また、本発明が適用されたディスクドライブ装置1は、図30に示すように、メインシャーシ6の上面6aに、イジェクトアーム52とディスク装着部23との衝突を回避させるように回動させる突部103を設けてもよい。この突部103は、メインシャーシ6の上面6aにおいてイジェクトアーム52の押出アーム72が回動する領域上であって、かつ、イジェクトアーム52の当接部材74がディスク装着部23上やその近傍を通過する際に、押出アーム74が乗り上げられる位置に形成されている。
【0133】
したがって、光ディスク2が挿入されイジェクトアーム52がb方向へ回動されると、押出アーム72が突部103を乗り上げることにより当接部材74が上昇される。したがって、図31(B)に示すように、当接部材74や、当接部材74に支持されている光ディスク2の回動軌跡も上昇し、ディスク装着部23のターンテーブル23aや係合突部33aとの衝突を回避することができる。なお、図31は、図30中矢印L方向から示すイジェクトアーム52の回動軌跡を示す概略図である。
【0134】
また、突部103は、イジェクトアーム52の当接部材74がディスク装着部23上やその近傍を通過する際に、押出アーム74が乗り上げられる位置のみに限定して形成されている。したがって、イジェクトアーム52の回動軌跡は、当該突部103が形成された箇所以外では上昇することがない。したがって、イジェクトアーム52側に突部を設ける場合に比して、イジェクトアーム52の回動高さを回動領域の全般にわたって確保する必要がない。すなわち、イジェクトアーム52に下方に突出する突部を形成した場合、メインシャーシ6の上面6aにおいては常時、当該突部が上面6aに乗り上げられるため、イジェクトアーム52の軌道は終始高くなる。また、メインシャーシ6以外の領域においても、下方に突出する突部と他の構成部材との衝突を回避するために、イジェクトアーム52の軌道を高くする必要がある。そのため、筐体3の厚さが増して、ディスクドライブ装置の小型化、薄型化を図ることができなくなる。さらに、回動中に、外乱等によってイジェクトアーム52が揺動した場合、当該突部が下方に位置する他の構成部材、例えば光ピックアップ25と摺接あるいは衝突する危険もある。
【0135】
この点、本発明が適用されたディスクドライブ装置1においては、突部103をメインシャーシ6の上面6aに形成しているため、イジェクトアーム52の軌道は当該突部103を乗り上げる一部分のみ高くなり、その他の領域では低く回動される。また、図31(A)及び(C)に示すように、下方に突出する突部を有さないため、イジェクトアーム52の回動領域の下方に位置する他の構成部材との衝突等が起こる危険はない。したがって、筐体3の小型化、薄型化を図ることが可能となる。
【0136】
かかる突部103は、イジェクトアーム52の押出アーム72の昇降をガイドする傾斜面103aが形成されている。傾斜面103aは、突部103の押出アーム72が回動する方向の両端部に形成されている。そして、イジェクトアーム52は、押出アーム72がこの傾斜面103aにガイドされながら突部103aに上昇し、またメインシャーシ6の上面6aへ下降する。
【0137】
具体的に、イジェクトアーム52は、ディスク挿脱口19側に回動され光ディスク2の挿入を待機している状態では、図31(A)に示すように、押出アーム72がメインシャーシ6上を突部103よりディスク挿脱口19側に位置されている。そして、イジェクトアーム52は、光ディスク2が挿入されると、当接部材74が光ディスク2に押厚されることにより筐体3内へ回動されていきディスク装着部23上を回動するに先だって、押出アーム72が突部103上に乗り上がっていく。このとき、図31(B)に示すように、押出アーム72は、傾斜面103aにガイドされながら上昇していくため、光ディスク2の挿入に対して負荷を与えることなくイジェクトアーム52のスムーズな回動を維持することができる。そして、さらにイジェクトアーム52が筐体3内に回動されると、図31(C)に示すように、押出アーム72が突部103の傾斜面103aによってガイドされながらメインシャーシ6上に下降していく。
【0138】
光ディスク2を排出する際には、上述した工程と逆の工程によってイジェクトアーム52が回動される。このときも、当接部材74がディスク装着部23上を回動する際に、押出アーム72が傾斜面103aにガイドされながら突部103上に上昇するため、イジェクトアーム52のスムーズな回動を維持することができる。
【0139】
これらディスク搬送機構50に駆動力を供給する駆動機構120は、駆動モータ121と、駆動モータ121の駆動力を受けてボトムケース4内をスライドするスライダー122と、駆動モータ121の駆動力をスライダー122に伝達するギヤ列123とを備え、これらがボトムケース4に配設されている。駆動機構120は、駆動モータ121によってスライダー122をスライドさせることにより、ディスク搬送機構50及びベース昇降機構150を駆動させるものである。
【0140】
駆動モータ121は、光ディスク2が所定の位置まで挿入されるとイジェクトアーム52の回転支持部材71によって第1のスイッチSW1が押圧され、スライダー122をf方向に移動する正転方向に駆動される。また駆動モータ121は、イジェクト操作がされると、スライダー122をf方向に移動する逆転方向に駆動される。スライダー122は、光ディスク2のローディング及びイジェクトに応じて図12中矢印f方向又はf方向に移動されることにより、ディスク搬送機構50の各アームや、ベース昇降機構150を駆動させる。ギヤ列123は、駆動モータ121の駆動力をラック部131を介してスライダー122に伝える。
【0141】
スライダー122は、図32(A)に示すように、全体が略直方体状に形成された樹脂部材からなり、上面122aに第3のリンクアーム94に形成された係合凸部109が係合する第1のガイド溝125と、後述するベース昇降機構150のサブスライダー151を駆動させる連結アーム165が係合される第2のガイド溝126と、ローディングカムプレート53に形成された一対の係合突起68,68と係合する一対の係合凹部127,127と、後述するディスク挿入規制機構190の開閉アーム191の一端が係合する第3のガイド溝128とが形成されている。
【0142】
またスライダー122は、ベースユニット22側の側面122bに、ベースユニット22のサブシャーシ29に突設された第1の支軸47が挿通される第1のカムスリット130と、ギヤ列123と係合するラック部131とが形成されている。第1のカムスリット130には、サブシャーシ29の第1の支軸47のがたつきを防止してディスク回転駆動機構24を安定して動作させる第1のガイド板152が組み付けられている。なお、スライダー122は、下面122cに、ボトムケース4より突設された一対のガイド突起124,124にスライド方向がガイドされるスライドガイド溝129が長手方向に沿って形成されている(図10参照)。
【0143】
このようなスライダー122は、ボトムケース4の底面部において、このボトムケース4の一方の側面部とベースユニット22との間に配置されている。また、このスライダー122は、ディスク挿脱口19から筐体3の内部に挿入される光ディスク2よりも下方に位置しており、その上面部がデッキ部4aよりもやや低い高さを有している。そして、このスライダー122は、メインシャーシ6により覆われて、ボトムケース4の底面部に設けられた駆動モータ121やギヤ列123を介して前後方向にスライド駆動される。
【0144】
そして、駆動機構120では、このスライダー122のスライド動作に連動して、第3のリンクアーム94及び第3のリンクアーム94と係合された操作アーム58を移動させて、イジェクトアーム52の回動を規制するとともに、ローディングカムプレート53を前後に移動させ、ローディングアーム51を回動させる。これにより、駆動機構120は、スライダー122のスライドに応じて、光ディスク2をディスク挿脱口19から筐体3内に引き込むローディング動作と、光ディスク2をディスク装着部23からディスク挿脱口19外へと排出するイジェクト動作とを行う。
【0145】
次いで、ローディングされた光ディスク2をディスク装着部23上に位置決めするセンタリング動作を行うストップレバー140について説明する。ストップレバー140は、図6に示すように、メインシャーシ6に回動自在に支持されたレバー本体141と、レバー本体141の一端より突設され光ディスク2をセンタリング位置に停止させる停止突起142と、レバー本体141の他端側においてコイルバネ144の環状部が挿通されるとともにレバー本体141を回動自在にメインシャーシ6に支持させる支持突起143と、メインシャーシ6に穿設されたガイド孔146に挿通され、停止突起142が光ディスク2のセンタリング位置に停止するようレバー本体141の回動を規制する規制凸部145とが形成されている。
【0146】
レバー本体141は、樹脂部材からなり、停止突起142が突設された一端部141aが略円弧状に形成され、支持突起143がメインシャーシ6に支持されることにより該一端部141aが上記スライダー122のスライド領域に張り出すように配設される。これによりストップレバー140は、スライダー122のスライド動作に伴ってスライダー122の先端とレバー本体141とが当接し、支持突起143を中心に回動可能とされている。
【0147】
停止突起142は、レバー本体141の一端より突設されることにより、メインシャーシ6に形成された回動孔147よりメインシャーシ6の上面6a上に突出され、光ディスク2の外周面と当接可能とされている。停止突起142は、ローディングアーム51に引き込まれた光ディスク2の挿入端側の側面が当接されることにより、光ディスク2をディスク装着部23上で停止させるセンタリング動作を行う。この停止突起142をメインシャーシ6上に突出させる回動孔147は、略円弧状に形成されることにより、停止突起142が光ディスク2をセンタリングする停止位置より退避可能とされている。
【0148】
支持突起143は、ネジ溝が切られた中空部を備える略円柱状の部材であり、レバー本体141の他端部に突設されている。この支持突起143は、中空部がメインシャーシ6に穿設されたネジ孔と連続されてネジ止めされることにより、メインシャーシ6に図12中矢印g方向及びg方向へ回転自在に支持される。また支持突起143は、外周部にコイルバネ144の環状部が挿通される。コイルバネ144は、一端がレバー本体141に係止されるとともに、他端がボトムケース4に配設された回路基板59に係止され、これによりストップレバー140を支持突起143を中心に、図12中矢印g方向に回動付勢している。
【0149】
規制凸部145は、コイルバネ144によって回動付勢されているレバー本体141の回動領域を規制するものであり、図3に示すように、レバー本体141より上方に突設されるとともにメインシャーシ6に形成されたガイド孔146よりメインシャーシ6の上面6a上に臨まされている。ガイド孔146は、規制凸部145の回動領域を規制するものであり、これにより、コイルバネ144によってg方向に回動付勢されているレバー本体141を、光ディスク2のセンタリングを行う所定の位置に停止させる。またガイド孔146は、円弧状に形成されることにより、レバー本体141を光ディスク2のセンタリングを行う停止位置より退避可能とされている。
【0150】
このようなストップレバー140は、レバー本体141がコイルバネ144に付勢されるとともに規制凸部145がガイド孔146の矢印g側の一端に係止されることにより、停止突起142が光ディスク2をセンタリング位置に停止させる停止位置に回動されている。そして、ストップレバー140は、光ディスク2がローディングされると、停止突起142に光ディスク2の挿入端側の側面が当接される。これによりストップレバー140は、光ディスク2をディスク装着部23上に位置決めする。センタリングが終了した後、ストップレバー140は、f方向に搬送されてきたスライダー122の先端にレバー本体141の一端141aが押圧され、矢印g方向に回動される。これにより停止突起142は、光ディスク2の外周から離間され、光ディスク2を回転自在とする。光ディスク2をイジェクトすると、ストップレバー140は、スライダー122がf方向へスライドされることにより、コイルバネ144に付勢されて停止突起142が光ディスク2をセンタリング位置に停止させる停止位置に回動され、光ディスク2のローディングに備える。
【0151】
次いで、上述したスライダー122のスライド動作に連動して、ベースユニット22を昇降操作するベース昇降機構150について説明する。ベース昇降機構150は、ベースユニット22を上昇させてディスク装着位置に位置決めされた光ディスク2をディスク装着部23のターンテーブル23aに装着するチャッキング位置と、ベースユニット22を下降させてディスク装着部23のターンテーブル23aから光ディスク2を離脱するチャッキング解除位置と、ベースユニット22をチャッキング位置とチャッキング解除位置との間に位置させて光ディスク2に対する信号の記録又は再生を行う記録再生位置との間でベースユニット22を昇降操作する。
【0152】
具体的に、ベース昇降機構150は、スライダー122及びスライダー122のスライド動作に応じてスライドされるサブスライダー151によってベースユニット22に形成されている第1の支軸47及び第2の支軸48を昇降させることにより、ベースユニット22の昇降を行うものである。スライダー122のベースユニット22と対向する側面には、図32(A)に示すように、ベースユニット22を上記チャッキング解除位置及び上記記録再生位置に亘って昇降操作する第1のカムスリット130が長手方向に亘って形成されている。第1のカムスリット130は、チャッキング解除位置に対応した下側水平面部130aと、記録再生位置に対応した上側水平面部130bと、これら下側水平面部130aと上側水平面部130bとを繋ぐ傾斜面部130cとが形成され、ベースユニット22のサブシャーシ29に突設された第1の支軸47がスライド可能に挿通される。
【0153】
また、第1のカムスリット130は、図32(A)に示すように、第1の支軸47の移動をガイドするとともに、記録再生位置における第1の支軸47のがたつきを防止してディスク回転駆動機構24を安定して動作させる第1のガイド板152が配設されている。第1のガイド板152は、板バネ部材からなり、一端を第1のカムスリット130の上部に形成された係止片153に係止され、他端を第1のカムスリット130の下側に形成された係止凹部154に係止されている。また第1のガイド板152は、上側水平面部130bと傾斜面部130cとの接点上部において、ベースユニット22をチャッキング位置に上昇させる際に第1の支軸47が移動するとともに、支軸47が上側水平面部130bに移動されるとスライダー122の上面122a側に突出する突出部155が折り曲げ形成されている。
【0154】
また、第1のカムスリット130の下側水平面部130aは、支軸47の径よりもやや大きな高さを有してスライド自在に形成されている。一方、上側水平面部130bは、第1のガイド板152との高さが支軸47の径と同一かやや低くされている。したがって第1のガイド板152は、支軸47が上側水平面部130bに移動されると、支軸47が圧入され支軸47を上側水平面部130bとの間で挟持する。したがって、第1のガイド板152は、ベースユニット22に設けられたディスク回転駆動機構24のスピンドルモータ24aによる振動を抑制し、光ディスク2を安定して回転させることができる。
【0155】
また第1のガイド板152は、支軸47を上側水平面部130bとの間で挟持することにより、突出部155がスライダー122の上面122a上に突出し、メインシャーシ6の上面6aに押しつけられる。したがって、スライダー122は、第1のガイド板152によってボトムケース4側に押圧されることとなり、ベースユニット22の駆動による振動や外乱の影響を抑えることができる。
【0156】
サブスライダー151は、ベースユニット22のサブシャーシ29より突設された第2の支軸48を支持するとともに、スライダー122と係合され、このスライダー122のスライド動作に伴って光ディスク2のローディング方向と直交する図12矢印h方向あるいはh方向にスライド可能に配設されている。
【0157】
サブスライダー151は、図32(B)に示すように、合成樹脂製からなる長尺状の平板部材からなり、上面151aに、メインシャーシ6より突出されているガイド凸部157が係合される上ガイド溝158が長手方向に亘って形成されている。また、サブスライダー151は、下面151bの上ガイド溝158とずれた位置に、ボトムケース4より突出されているガイド凸部159が係合される下ガイド溝160が長手方向に亘って形成されている(図10参照)。そして、サブスライダー151は、上ガイド溝158にメインシャーシ6より突出されているガイド凸部157が係合されることにより、このガイド凸部157が上ガイド溝158をスライドし、かつ、下ガイド溝160にボトムシャーシ4より突出されているガイド凸部159が係合されることにより、このガイド凸部159が下ガイド溝158をスライドすることにより、スライダー122のスライド動作に連動して、矢印h方向あるいはh方向にスライドされる。
【0158】
また、サブスライダー151は、スライダー122側に位置する長手方向の一端部に、スライダー122と連結される連結アーム165が係合される係合溝166が形成されている。係合溝166は、サブスライダー151の長手方向と直交する方向に延設された係合片167に設けられている。また、サブスライダー151は、係合片167が形成された一端部と反対側の他端部が、光ディスク2のローディング時において上記イジェクトアーム52の回転支持部材71に当接される当接凸部168とされている。当接凸部168は、光ディスク2がローディングされる際に、回転支持部材71の折曲げ片81に当接されることにより、回転支持部材71と連結されている第1のリンクアーム54を介して、第1のリンクアーム54と連結されている第2のリンクアーム55のガイド凸部113が、ループカム57の突起部112cを乗り越えるように移動させるとともに、イジェクトアーム54を当接部材74が光ディスク2の側面からリリースされるまで回動させる。
【0159】
このサブスライダー151は、ディスク挿脱口19側の側面151bに、上記第1のカムスリット130とともに、ベースユニット22を上記チャッキング位置、チャッキング解除位置及び記録再生位置に亘って昇降操作する第2のカムスリット170が長手方向に亘って形成されている。第2のカムスリット170は、チャッキング解除位置に対応した下側水平面部170aと、記録再生位置に対応した上側水平面部170bと、これら下側水平面部170aと上側水平面部170bとを繋ぐとともにチャッキング位置に対応した傾斜面部170cとが形成され、ベースユニット22のサブシャーシ29に突設された第2の支軸48がスライド可能に挿通される。
【0160】
この第2のカムスリット170の傾斜面部170cは、上側水平面部170bの位置よりも高い位置まで設けられ、やや下降することによりベースユニット22を上側水平面部170bへガイドする。これにより第2のカムスリット170にガイドされるベースユニット22は、サブスライダー151がh方向へスライドすることにより第2の支軸48が下側水平面部170aから傾斜面部170cを上昇し、チャッキング解除位置からチャッキング位置まで移動される。このときベースユニット22は、ディスク装着部23に搬送された光ディスク2の中心孔2a周辺をターンテーブル23aとトップカバー5の天板部5aに設けられた当接突部8とで挟み込み光ディスク2のチャッキングが行われる。さらにサブスライダー151がh方向へスライドされると、第2の支軸48が傾斜面部170cから上側水平面部170bへ下降するため、ベースユニット22はチャッキング位置から記録再生位置へ移動される。
【0161】
また、第2のカムスリット170は、上記第1のカムスリット130と同様に、図32(B)に示すように、第2の支軸48の移動をガイドするとともに、記録再生位置における第2の支軸48のがたつきを防止してディスク回転駆動機構24を安定して動作させる第2のガイド板171が配設されている。第2のガイド板171は、板バネ部材からなり、一端を第2のカムスリット170の上部に形成された係止片173に係止され、他端を第2のカムスリット170の下側に形成された係止凹部174に係止されている。また、第2のガイド板171は、上側水平面部170bと傾斜面部170cとの接点上部において、ベースユニット22をチャッキング位置に上昇させる際に第2の支軸48が移動するとともに、第2の支軸48が上側水平面部170bに移動されるとサブスライダー151の上面151a側に突出する突出部175が折り曲げ形成されている。
【0162】
また、第2のカムスリット170の下側水平面部170aは、第2の支軸48の径よりもやや大きな高さを有してスライド自在に形成されている。一方、上側水平面部170bは、第2のガイド板171との高さが第2の支軸48の径と同一かやや低くされている。したがって第2のガイド板171は、第2の支軸48が上側水平面部170bに移動されると、第2の支軸48が圧入され第2の支軸48を上側水平面部170bとの間で挟持する。したがって、第2のガイド板171は、上記第1のガイド板152とともに、ベースユニット22に設けられたディスク回転駆動機構24のスピンドルモータ24aによる振動を抑制し、光ディスク2を安定して回転させることができる。
【0163】
また第2のガイド板171は、第2の支軸48を上側水平面部170bとの間で挟持することにより、突出部175がサブスライダー151の上面151a上に突出し、メインシャーシ6の上面6aに押しつけられる。したがって、サブスライダー151は、第2のガイド板171によってボトムケース4側に押圧されることとなり、ベースユニット22の駆動による振動や外乱の影響を抑えることができる。
【0164】
かかるサブスライダー151の係合溝166に係合され、スライダー122とサブスライダー151とを連結する連結アーム165は、略L字状に形成され、折曲部165aがメインシャーシ6に回動自在に取り付けられるとともに、この折曲部165aより延設された短辺側の一端165bに形成された係合凸部177がスライダー122の第2のガイド溝126と移動自在に係合され、長辺側の他端165cに形成された係合凸部178がサブスライダー151の係合溝166に移動自在に係合されている。
【0165】
この連結アーム165は、スライダー122がf方向へ移動されると、係合凸部177がスライダー122の第2のガイド溝126を移動することにより、折曲部165aを支点にi方向へ回転され、係合凸部178が係合溝166を移動しながらサブスライダー151をh方向へスライドさせる。また連結アーム165は、スライダー122がf方向へ移動されると、係合凸部177が第2のガイド溝126を移動することにより、折曲部165aを支点にi方向へ回転され、係合凸部178が係合溝166を移動しながらサブスライダー151をh方向へスライドさせる。
【0166】
このディスクドライブ装置1には、図3、図6及び図33に示すように、ベースユニット22がチャッキング位置まで上昇される際に、ディスク搬送機構50によってセンタリング位置に搬送された光ディスク2の中心孔2aと、ベースシャーシ27に設けられたディスク装着部23のターンテーブル23aとの位置合わせがされるようにベースユニット22をガイドするガイドピン180が設けられている。
【0167】
ガイドピン180は、ボトムケース4の底面部から立設され、図33に示すように、上部に、ベースシャーシ27に形成されたガイド孔181を挿通するフランジ部182が形成されている。フランジ部182は、ベースシャーシ27のガイド孔181の径よりもやや大きな径を有し、上端部に向かって拡径していく傾斜面からなる第1のガイド部183と、上端部にむかって縮径していく傾斜面からなる第2のガイド部184とが形成されている。そして、フランジ部182は、ベースシャーシ27が昇降される際に、ガイド孔181に形成されたガイド壁185に第1、第2のガイド部183,184が摺接されながら挿通することにより、ベースユニット22をチャッキング位置あるいはチャッキング解除位置にガイドする。
【0168】
このガイドピン180が挿通されるベースシャーシ27のガイド孔181は、ベースユニット22の回動支点となる第3の支軸49から離れたターンテーブル23aの近傍に穿設されている。ガイド孔181内は、図33に示すように、ベースシャーシ27の下部にガイド壁185が膨出形成されている。ガイド壁185は、ガイドピン180のフランジ部182の径よりもやや大きなクリアランスを形成し、フランジ部182がこのクリアランスを挿通することで、光ディスク2の中心孔2aと、ディスク装着部23のターンテーブル23aとの位置合わせがされるようにベースユニット22がガイドされる。
【0169】
具体的に、図34及び図33(a)に二点鎖線で示すように、ベースユニット22がチャッキング解除位置に下降されている際には、ガイドピン180は、フランジ部182がガイド孔181よりも上方に位置されている。そして、光ディスク2がセンタリング位置に搬送されると、ベースシャーシ27が上昇され、ガイド孔181内をフランジ部182が挿通されていく。そして、ベースシャーシ27が光ディスク2のチャッキング位置へ上昇される際、図35及び図33(b)に実線で示すように、ガイド孔181内に膨出形成されたガイド壁185がガイドピン180の第1のガイド部183を摺動して、フランジ部182がガイド壁185間のクリアランスを挿通する。このように、ベースシャーシ27がガイドピン180にガイドされながら上昇されることにより、ディスク装着部23のターンテーブル23aは、センタリング位置に搬送された光ディスク2の中心孔2aとの位置合わせがなされるため、光ディスク2やターンテーブル23aに過剰な負荷をかけることなくスムーズにチャッキングを行うことができる。
【0170】
また、ガイドピン180及びガイド孔181が、ベースユニット22の回動を支持する第3の支軸49が設けられた長手方向の一端と反対側の他端側で、かつディスク装着部23の近傍に対応して形成されているため、センタリング位置まで搬送された光ディスク2と、ターンテーブル23aとのズレを最も効率よく修正することができ、確実に光ディスク2の中心孔2aとターンテーブル23aの係合突部33aとの位置合わせをすることができる。
【0171】
次いで、図36及び図33(c)に一点鎖線で示すように、ベースユニット22が記録再生位置まで下降されると、ベースシャーシ27のガイド孔181のガイド壁185がフランジ部182の第2のガイド部184を摺動しガイド孔181にフランジ部182が挿通可能にガイドされた後、ガイド壁185がフランジ部182と離間する位置まで下降される。このように、ベースユニット22が記録再生位置に下降された状態においては、ガイドピン180とガイド孔181とは接触されていないため、ボトムケース4からガイドピン180を介してベースシャーシ27側へ振動等の外乱が伝達されることが防止されている。したがって、外乱がガイドピン180を通じてディスク回転駆動機構24や光ピックアップ25へ伝わり記録再生特性に悪影響を与えることを防止することができる。
【0172】
なお、ガイドピン180は、ディスク回転駆動機構24によって回転駆動される光ディスク2の下面と当接しない程度の高さに形成されており、光ディスク2の情報記録面を傷つけるおそれはない。
【0173】
記録再生動作が終了し、光ディスク2の排出工程に移ると、ベースユニット22はチャッキング解除位置へ下降され、押上ピン10によって光ディスク2がターンテーブル23より押し上げられることによりチャッキングが解除される。このときベースシャーシ27は、ガイド孔181がガイドピン180の下部に位置されている。
【0174】
また、本発明が適用されたディスクドライブ装置1においては、ガイドピン180を、光ディスク2のチャッキングを解除する押上ピン10と兼用することもできる。すなわち、ガイドピン180の上端部を半球状に形成するとともに、ガイドピン180及びベースシャーシ27のガイド孔181を、ターンテーブル23aに装着された光ディスク2の中心孔2a近傍に形成された非記録領域に対応させて形成するようにしてもよい。これにより、ベースユニット22が光ディスク2のチャッキング解除位置に下降されたとき、ガイドピン180の上端部によって光ディスク2が押し上げられ、ターンテーブル23aとのチャッキングが解除される。かかる構成によれば、ガイドピン180の他に押上ピン10を用いる必要がないため、部品点数の削減やディスクドライブ装置1の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本発明が適用されたディスクドライブ装置が搭載される電子機器を示す外観斜視図である。
【図2】本発明が適用されたディスクドライブ装置を示す外観斜視図である。
【図3】本発明が適用されたディスクドライブ装置の内部を示す斜視図である。
【図4】メインシャーシを取り外したディスクドライブ装置を示す斜視図である。
【図5】トップカバーを示す外観斜視図である。
【図6】本発明が適用されたディスクドライブ装置の内部を示す斜視図である。
【図7】ベースユニットを示す斜視図である。
【図8】ベースシャーシとサブシャーシとの連結箇所を示す断面図である。
【図9】ベースユニットにおいて、ベースシャーシとサブシャーシとの間のダンパーによる支持構造を説明するための図である。
【図10】ディスクドライブ装置の他の例を示す斜視図である。
【図11】ディスクドライブ装置の他の例を示す断面図である。
【図12】光ディスクの搬送工程を示す図であり、光ディスクの挿入開始時を示す平面図である。
【図13】光ディスクの挿入工程を示す図であり、光ディスクによってイジェクトアームが回動されていく状態を示す平面図である。
【図14】光ディスクの挿入工程を示す図であり、スライダーによってイジェクトアーム及びローディングアームが駆動される状態を示す平面図である。
【図15】光ディスクの挿入工程を示す図であり、光ディスクがセンタリング位置に搬送された状態を示す平面図である。
【図16】光ディスクの挿入工程を示す図であり、光ディスクが各アームからリリースされ回動自在とされた状態を示す平面図である。
【図17】光ディスクの排出工程を示す図であり、光ディスクが各アームに当接された状態を示す平面図である。
【図18】光ディスクの排出工程を示す図であり、光ディスクが各アームによって搬送されていく状態を示す平面図である。
【図19】光ディスクの排出工程を示す図であり、光ディスクが各アームによって搬送されていく状態を示す平面図である。
【図20】光ディスクの排出工程を示す図であり、光ディスクが所定の位置まで排出され停止された状態を示す平面図である。
【図21】ローディングカムプレート示す斜視図である。
【図22】イジェクトアームを示す分解斜視図である。
【図23】第1〜第4のスイッチが実装された回路基板及びこれらを押下するスライダーを示す平面図である。
【図24】光ディスクのローディング時におけるタイミングチャートである。
【図25】光ディスクのイジェクト時におけるタイミングチャートである。
【図26】光ディスクの挿入工程において、光ディスクが把持された状態を示す平面図である。
【図27】光ディスクの排出工程において、光ディスクの搬送領域上にある障害物によって搬送が妨害された状態を示す斜視図である。
【図28】ストッパーが設けられたイジェクトアームを示す斜視図である。
【図29】小径の光ディスクの誤挿入を防止する状態を示す平面図である。
【図30】メインシャーシの上面にイジェクトアームの回動をガイドするガイド突部を設けたディスクドライブ装置を示す斜視図である。
【図31】ガイド突部によってガイドされたイジェクトアームの回動軌跡を示す模式図であり、(A)はイジェクトアームが突部へ上昇する前の状態を示す図であり、(B)はイジェクトアームが突部に乗り上げた図であり、(C)はイジェクトアームが突部から下降した状態を示す図である。
【図32】スライダー及びサブスライダーを示す斜視図である。
【図33】ガイドピン及びガイド孔の位置関係を示す断面図であり、(a)はチャッキング解除位置、(b)はディスク装着位置、(c)は記録再生位置における各位置関係を示す図である。
【図34】ベースユニットがチャッキング解除位置に下降されている状態におけるガイドピン及びガイド孔を示す斜視図である。
【図35】ベースユニットがチャッキング位置へ上昇されている状態におけるガイドピン及びガイド孔を示す斜視図である。
【図36】ベースユニットが記録再生位置へ上昇されている状態におけるガイドピン及びガイド孔を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0176】
1 ディスクドライブ装置、2 光ディスク、3 筐体、4 ボトムケース、5 トップカバー、6 メインシャーシ、7 開口部、10 押上ピン、11 ガイド突部、18 フロントパネル、19 ディスク挿脱口、22 ベースユニット、23 ディスク装着部、23a ターンテーブル、24 ディスク回転駆動機構、25 光ピックアップ、26 ピックアップ送り機構、28 ダンパー、29 サブシャーシ、31 駆動モータ、33 チャッキング機構、34 ピックアップベース、41 連結片、43 挿通孔、44 補強シャーシ、45 連結片、46 挿通孔、47 第1の支軸、48 第2の支軸、49 第3の支軸、50 ディスク搬送機構、51 ローディングアーム、52 イジェクトアーム、53 ローディングカムプレート、54 第1のリンクアーム、55 第2のリンクアーム、56 引っ張りコイルバネ、57 ループカム、58 操作アーム、59 回路基板、62 コイルバネ、71 回転支持部材、72 押出アーム、73 コイルバネ、74 当接部材、93 付勢コイルバネ、94 第3のリンクアーム、103 突部、113 ガイド突部、120 駆動機構、121 駆動モータ、122 スライダー、140 ストップレバー、150 ベース昇降機構、151 サブスライダー、165 連結アーム、180 ガイドピン、181 ガイド孔、182 ガイド壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインシャーシが配設されることにより、該メインシャーシの上面側がディスク状記録媒体の搬送領域とされた装置本体と、
上記メインシャーシの開口部より上記ディスク搬送領域上に臨まされ上記ディスク状記録媒体が装着されるディスク装着部と、
上記メインシャーシ上及び上記ディスク装着部上において、上記ディスク状記録媒体のローディング方向及びイジェクト方向へ回動自在に設けられ、上記ディスク状記録媒体を搬送する搬送アームとを備え、
上記メインシャーシは、上記搬送アームが上記ディスク装着部上を回動する際に、該搬送アームが乗り上がる突部が形成されていることを特徴とするディスクドライブ装置。
【請求項2】
上記突部は、上記搬送アームの回動方向の両端に、上記メインシャーシから連続し上記搬送アームの昇降をガイドする傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
【請求項3】
上記搬送アームは、回転支持部材と、該回転支持部材に回動可能に取り付けられたアーム部と、該アーム部の先端に設けられ上記ディスク状記録媒体と当接される当接部とを有し、該当接部が上記ディスク装着部上を回動することを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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