説明

ディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法

【課題】外温によりメカ反応感度に差異が生じても、光ピックアップを目標とするアクセス位置まで的確に移動する。
【解決手段】光ピックアップの現在位置と光ディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、光ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップS102と、移動距離と前記単位ステップ数あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動ステップ数を算出する移動ステップ数算出ステップS105と、移動ステップ数だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップS106とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用温度環境の違いによって生じるピックアップ移送機構の移送誤差を是正し、高い精度で光ピックアップの移送が行えるディスク再生装置のピックアップアクセス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスクメディアの普及に伴って、再生精度や再生能力を向上させた各種の光ディスク再生装置が提案されている(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−109332号公報 第2頁〜第8頁 図1
【特許文献2】特開平10−134480号公報 第2頁〜第5頁 図1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年の光ディスク再生装置は、小型化、静音化に加えて部品点数削減の要請から、光ピックアップの移送機構(トラバース)にステッピングモータが採用されるようになった。しかし、特に車載用の光ディスク再生装置などでは通常に比べて使用環境が苛酷であるにもかかわらず、低温環境内でのメカ反応感度、メカ機構のばらつき、脱調発生時などにおいて、メカ異常状態に対する保護処理が行えず、光ディスク再生装置が正常に動作しない場合があるという課題があった。
【0004】
そこで本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、外温によりメカ反応感度に差異が生じても、光ピックアップを目標とするアクセス位置まで的確に移動することができる光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法は、光ディスク半径方向の光ピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えた光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法であって、光ピックアップの現在位置と光ディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、光ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位ステップ数あたりの移動距離を設定する温度パラメータ設定ステップと、前記移動距離と前記単位ステップ数あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動ステップ数を算出する移動ステップ数算出ステップと、前記移動ステップ数だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、を含むことを特徴とする。上記構成によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正してから光ピックアップの移送を行うことができる。
【0006】
また、本発明の光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法は、光ディスク半径方向の光ピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えた光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法であって、光ピックアップの現在位置と光ディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、光ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、前記移動距離と前記ステッピングモータの単位ステップ数あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動ステップ数を算出する移動ステップ数算出ステップと、前記移動ステップ数だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、移動後の光ピックアップの位置とアクセス目標位置との間隔が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、を含み、更に、前記判定ステップにおいて前記間隔が所定の閾値以上の場合にのみ実行する、前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位ステップ数あたりの移動距離を設定する温度パラメータ設定ステップと、前記間隔と前記単位ステップ数あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの追加移動ステップ数を算出する追加移動ステップ数算出ステップと、前記追加移動ステップ数だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ再移動させる再移動ステップと、を含むことを特徴とする。上記構成によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正するための光ピックアップの再移送を行うことができる。
【0007】
また、本発明の光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法は、光ディスク半径方向の光ピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えた光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法であって、光ピックアップの現在位置と光ディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、光ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位ステップ数あたりの移動距離を設定する温度パラメータ設定ステップと、前記移動距離と前記単位ステップ数あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動ステップ数を算出する移動ステップ数算出ステップと、前記移動ステップ数だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、移動後の光ピックアップの位置とアクセス目標位置との間隔が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、を含み、更に、前記判定ステップにおいて前記間隔が所定の閾値以上の場合にのみ実行する、前記単位ステップ数あたりの移動距離を実際の移動距離と移動ステップ数に基づいて補正する温度パラメータ補正ステップと、前記間隔と補正した前記単位ステップ数あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの追加移動ステップ数を算出する追加移動ステップ数算出ステップと、前記追加移動ステップ数だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ再移動させる再移動ステップと、を含むことを特徴とする。上記構成によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正するための光ピックアップの再移送が行え、また補正に係る情報を適宜更新することができる。
【0008】
また、本発明の光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法は、光ディスク半径方向の光ピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えた光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法であって、光ピックアップの現在位置と光ディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、光ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位時間あたりの移動ステップ数を設定する温度パラメータ設定ステップと、前記移動距離に相当するステップ数と前記単位時間あたりの移動ステップ数とから、目標アクセス位置までの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、前記移動時間だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、を含むことを特徴とする。上記構成によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正してから光ピックアップの移送を行うことができる。
【0009】
また、本発明の光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法は、光ディスク半径方向の光ピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えた光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法であって、光ピックアップの現在位置と光ディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、光ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、前記移動距離に相当するステップ数と前記ステッピングモータの単位時間あたりの移動ステップ数とから、目標アクセス位置までの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、前記移動時間だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、移動後の光ピックアップの位置とアクセス目標位置との間隔が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、を含み、更に、前記判定ステップにおいて前記間隔が所定の閾値以上の場合にのみ実行する、前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位時間あたりの移動ステップ数を設定する温度パラメータ設定ステップと、前記間隔に相当するステップ数と前記単位時間あたりの移動ステップ数とから、目標アクセス位置までの追加移動時間を算出する追加移動時間算出ステップと、前記追加移動時間だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ再移動させる再移動ステップと、を含むことを特徴とする。上記構成によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正するための光ピックアップの再移送を行うことができる。
【0010】
また、本発明の光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法は、光ディスク半径方向の光ピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えた光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法であって、光ピックアップの現在位置と光ディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、光ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位時間あたりの移動ステップ数を設定する温度パラメータ設定ステップと、前記移動距離に相当するステップ数と前記単位時間あたりの移動ステップ数とから、目標アクセス位置までの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、前記移動時間だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、移動後の光ピックアップの位置とアクセス目標位置との間隔が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、を含み、更に、前記判定ステップにおいて前記間隔が所定の閾値以上の場合にのみ実行する、前記単位時間あたりの移動ステップ数を実際の移動距離と移動時間に基づいて補正する温度パラメータ補正ステップと、前記間隔に相当するステップ数と補正した前記単位時間あたりの移動ステップ数とから、目標アクセス位置までの追加移動時間を算出する追加移動時間算出ステップと、前記追加時間だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ再移動させる再移動ステップと、を含むことを特徴とする。上記構成によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正するための光ピックアップの再移送が行え、また補正に係る情報を適宜更新することができる。
【0011】
また、本発明の光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法は、光ディスク半径方向の光ピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えた光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法であって、光ピックアップの現在位置と光ディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、光ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位時間あたりの移動距離を設定する温度パラメータ設定ステップと、前記移動距離と前記単位時間あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、前記移動時間だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、を含むことを特徴とする。上記構成によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正してから光ピックアップの移送を行うことができる。
【0012】
また、本発明の光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法は、光ディスク半径方向の光ピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えた光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法であって、光ピックアップの現在位置と光ディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、光ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、前記移動距離と前記ステッピングモータの単位時間あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、前記移動時間だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、移動後の光ピックアップの位置とアクセス目標位置との間隔が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、を含み、更に、前記判定ステップにおいて前記間隔が所定の閾値以上の場合にのみ実行する、前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位時間あたりの移動距離を設定する温度パラメータ設定ステップと、前記間隔と前記単位時間あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの追加移動時間を算出する追加移動時間算出ステップと、前記追加移動時間だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ再移動させる再移動ステップと、を含むことを特徴とする。上記構成によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正するための光ピックアップの再移送を行うことができる。
【0013】
また、本発明の光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法は、光ディスク半径方向の光ピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えた光ディスク再生装置の光ピックアップアクセス移動方法であって、光ピックアップの現在位置と光ディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、光ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位時間あたりの移動距離を設定する温度パラメータ設定ステップと、前記移動距離と前記単位時間あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、前記移動時間だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、移動後の光ピックアップの位置とアクセス目標位置との間隔が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、を含み、更に、前記判定ステップにおいて前記間隔が所定の閾値以上の場合にのみ実行する、前記単位時間あたりの移動距離を実際の移動距離と移動時間に基づいて補正する温度パラメータ補正ステップと、前記間隔と補正した前記単位時間あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの追加移動時間を算出する追加移動時間算出ステップと、前記追加時間だけステッピングモータを駆動して光ピックアップを目標アクセス位置へ再移動させる再移動ステップと、を含むことを特徴とする。上記構成によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正するための光ピックアップの再移送が行え、また補正に係る情報を適宜更新することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光ディスク再生装置がどのような温度環境で使用されても、光ピックアップを目標アクセス位置まで的確に移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の実施の形態1における光ディスク再生装置の内部構成を示す図である。光ディスク再生装置100は、光ディスク101を回転駆動するスピンドルモータ102と、レンズ103及びこれを光ディスクの半径方向へ傾けるためのトラッキングアクチュエータ104を備えた光ピックアップ105と、光ピックアップを光ディスクの半径方向へ移動するためのスクリューガイド106及びスレッドモータ107と、光ピックアップからのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号からフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成するサーボLSI108と、マイクロコンピュータ109(以下、マイコンと称する)と、システム起動時にディスク半径方向に移動する際、ディスクの最内周を検出するスイッチ111と、現在の温度情報を認識する温度センサ112と、マイコン109で実行する所定の再生方式を実現するためのプログラムを記録した記録媒体110と、で構成される。
【0016】
光ピックアップ105は、サーボLSI108からのフォーカスドライブ信号(以下、FOD信号と称する)、トラッキングドライブ信号(以下、TRD信号と称する)によりレンズ103の位置調整を行い、光ディスク101からの情報を読み取り、電気信号へ変換する動作を行う。トラッキングアクチュエータ104は、TRD信号により駆動されレンズ103の光ディスク101の半径方向への位置調整を行う。スピンドルモータ102は、サーボLSI108からのスピンドルドライブ信号(以下、SPD信号と称する)により光ディスク101の回転制御を行う。スレッドモータ107は、マイコン109からのスレッドモータA相ドライブ信号(以下、A相TVD信号と称する)及びスレッドモータB相ドライブ信号(以下、B相TVD信号と称する)により駆動され、スクリューガイド106を回転させることにより、光ピックアップ105を光ディスク101の半径方向に移動させて光ピックアップ105の位置調整を行う。
【0017】
また、サーボLSI108は、マイコン109からのコマンド制御及び、光ピックアップ105からのトラッキングエラー信号(以下、TE信号と称する)、フォーカスエラー信号(以下、FE信号と称する)、アイパターン信号(以下、RF信号と称する)を読み取り、フォーカス、トラッキング、スピンドルの各サーボ制御を行う。マイコン109は、サーボLSI108からの通信によりTE信号の低域成分のレベルを読みとり、これに応じてA相TVD信号及びB相TVD信号を発生しスレッドモータ107を制御する。
【0018】
スレッドモータ107に使用するステッピングモータは単位回転角度を1ステップとし、ステッピングモータの回転角度はステップ数で表される。ステップ数と1ステップの移動距離により、ディスクの半径方向の移動距離やピックアップレンズ位置を表すことができる。図2は、ステッピングモータを制御するA相TVD信号及びB相TVD信号の例として2相励磁駆動、マイクロステップ駆動の波形を示す図である。
【0019】
光ピックアップ105からの信号はサーボLSI108に入力され、復調、データ誤り訂正などの信号処理が行われ、再生時間情報などのサブコードが得られる。また、ディスクの最内周領域のサブコードからTOC(Table Of Contents)データが得られる。
【0020】
温度センサ112は、光ディスク再生装置が晒されている環境における温度を検知する。
【0021】
図3は、本発明の実施の形態1における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャートである。はじめに、光ディスク再生装置100のマイコン109は、現在の光ピックアップ105の位置で温度センサ112から温度情報を取得し、マイコン109内部の記録媒体110及び不揮発性メモリに温度情報を記憶する(ステップS101)。次に、温度情報から単位ステップ数当たりの光ピックアップ105の移動距離を算出する(ステップS102)。算出方法としては、単位ステップ数当たりの移動距離の温度係数を用いて計算する方法や、単位ステップ数当たりの移動距離またはその温度係数と温度との関係を設定したデータテーブルから読み出す方法がある。図4は、単位ステップ数当たりの移動距離の計算例を示す図である。また、図5は、単位ステップ数当たりの移動距離またはその温度係数を温度範囲ごとに設定したデータテーブル例を示す図である。
【0022】
次に、光ディスク101に対してフォーカスサーボ制御を実施し、サーボLSI108からのフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号によりレンズ103の位置補正を行い、光ディスク101から現在の光ピックアップ105の位置の時間情報を取得する(ステップS103)。更に、取得した時間情報に基づいて現在の光ピックアップ105の物理的位置を算出し、マイコン109内部の記録媒体110及び不揮発性メモリに現在の光ピックアップ105の物理的位置情報を記憶する(ステップS104)。同様に、取得した任意の時間情報に基づいて算出した任意の物理的位置(即ち、目標アクセス位置)情報を記憶する。
【0023】
次に、現在位置から目標アクセス位置までの移動距離を算出し、上記で算出した単位ステップ数当たりの移動距離から、目標アクセス位置までに必要なステップ数を算出する(ステップS105)。図6は、移動距離から目標位置までに必要なステップ数を算出するための計算方法を示す図である。その後、算出したステップ数分だけ光ピックアップ105を移動させる(ステップS106)。
【0024】
図7は、光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図である。以上の手順によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正してから光ピックアップの移送が行われるので、高い精度で光ピックアップ105を目標位置へ移動させることができる。
【0025】
次に、本発明の実施の形態2における光ディスク再生装置について説明する。尚、実施の形態2における光ディスク再生装置の内部構成は、実施の形態1のそれと同様であるため説明を省略する。
【0026】
図8は、本発明の実施の形態2における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャートである。はじめに、光ディスク再生装置100のマイコン109は、光ディスク101に対してフォーカスサーボ制御を実施し、サーボLSI108からのフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号によりレンズ103の位置補正を行い、光ディスク101から現在の光ピックアップ105の位置の時間情報を取得する(ステップS201)。更に、取得した時間情報に基づいて現在の光ピックアップ105の物理的位置を算出し、マイコン109内部の記録媒体110及び不揮発性メモリに現在の光ピックアップ105の物理的位置情報を記憶する(ステップS202)。同様に、取得した任意の時間情報に基づいて算出した任意の物理的位置(即ち、目標アクセス位置)情報を記憶する。
【0027】
次に、現在位置から目標アクセス位置までの移動距離を算出し、上記で算出した単位ステップ数当たりの移動距離から、目標アクセス位置までに必要なステップ数を算出する(ステップS203)。その後、算出したステップ数分だけ光ピックアップ105を移動させる(ステップS204)。次に、移動後の光ピックアップ105の時間情報を取得し(ステップS205)、光ピックアップの現在位置を記憶する(ステップS206)。
【0028】
ここで、目標アクセス位置と現在の光ピックアップ105の位置との距離を判定し(ステップS207)、当該距離が任意に設定した許容範囲以上である場合、現在の光ピックアップ105の位置で温度センサ112から温度情報を取得し、マイコン109内部の記録媒体110及び不揮発性メモリに温度情報を記憶する(ステップS208)。そして、実施の形態1で説明したのと同様の要領で単位ステップ数当たりの移動距離を算出する(ステップS209)。
【0029】
その後、再びステップS203へ戻り、算出した単位ステップ数当たりの移動距離と目標アクセス位置までの距離から、移動に必要なステップ数を再計算し(ステップS203)、光ピックアップ105を移動させる(ステップS204)。以上の手順を繰り返すことにより、単位ステップ数当たりの移動距離を温度に応じて補正しながら目標アクセス位置へ到達することができる。
【0030】
一方、ステップS207の判定において、2位置間の距離が任意に設定した許容範囲以内であれば、アクセスシーケンスを正常終了させる(ステップS210)。
【0031】
図9は、光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図である。以上の手順によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正するための光ピックアップの再移送が行われるので、高い精度で光ピックアップ105を目標位置へ移動させることができる。
【0032】
次に、本発明の実施の形態3における光ディスク再生装置について説明する。尚、実施の形態3における光ディスク再生装置の内部構成は、実施の形態1のそれと同様であるため説明を省略する。
【0033】
図10は、本発明の実施の形態3における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャートである。はじめに、ステップS301からステップS306までの手順は、実施の形態1における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順(ステップS101からステップS106まで)と同じであるため、説明を省略する。
【0034】
次に、移動後の光ピックアップ105の時間情報を取得し(ステップS307)、光ピックアップの現在位置を記憶する(ステップS308)。
【0035】
ここで、目標アクセス位置と現在の光ピックアップ105の位置との距離を判定し(ステップS309)、当該距離が任意に設定した許容範囲以上である場合、実際の光ピックアップ105の移動距離と移動ステップ数から単位ステップ数当たりの移動距離を算出し(ステップS310)、各温度に対する単位ステップ数当たりの移動距離情報を更新、保存する(ステップS311)。
【0036】
その後、再びステップS305へ戻り、この更新された単位ステップ数当たりの移動距離と目標アクセス位置までの距離から、移動に必要なステップ数を再計算し(ステップS305)、光ピックアップ105を移動させる(ステップS306)。以上の手順を繰り返すことにより、単位ステップ数当たりの移動距離を温度に応じて補正しながら目標アクセス位置へ到達することができる。
【0037】
一方、ステップS309の判定において、2位置間の距離が任意に設定した許容範囲以内であれば、アクセスシーケンスを正常終了させる(ステップS312)。
【0038】
図11は、光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図である。以上の手順によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正するための光ピックアップの再移送が行われ、また補正に係る情報が適宜更新されるので、高い精度で光ピックアップ105を目標位置へ移動させることができる。
【0039】
次に、本発明の実施の形態4における光ディスク再生装置について説明する。尚、実施の形態4における光ディスク再生装置の内部構成は、実施の形態1のそれと同様であるため説明を省略する。
【0040】
図12は、本発明の実施の形態4における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャートである。はじめに、光ディスク再生装置100のマイコン109は、現在の光ピックアップ105の位置で温度センサ112から温度情報を取得し、マイコン109内部の記録媒体110及び不揮発性メモリに温度情報を記憶する(ステップS401)。次に、温度情報から単位時間当たりの光ピックアップ105の移動ステップ数を算出する(ステップS402)。算出方法としては、単位時間当たりの移動ステップ数の温度係数を用いて計算する方法や、単位時間当たりの移動ステップ数と温度との関係を設定したデータテーブルから読み出す方法がある。図13は、単位時間当たりの移動ステップ数の計算例を示す図である。また、図14は、単位時間当たりの移動ステップ数を温度範囲ごとに設定したデータテーブル例を示す図である。
【0041】
次に、光ディスク101に対してフォーカスサーボ制御を実施し、サーボLSI108からのフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号によりレンズ103の位置補正を行い、光ディスク101から現在の光ピックアップ105の位置の時間情報を取得する(ステップS403)。更に、取得した時間情報に基づいて現在の光ピックアップ105の物理的位置を算出し、マイコン109内部の記録媒体110及び不揮発性メモリに現在の光ピックアップ105の物理的位置情報を記憶する(ステップS404)。同様に、取得した任意の時間情報に基づいて算出した任意の物理的位置(即ち、目標アクセス位置)情報を記憶する。
【0042】
次に、現在位置から目標アクセス位置までの移動ステップ数を算出し、上記で算出した単位時間当たりの移動ステップ数から、目標アクセス位置までに必要な移動時間を算出する(ステップS405)。図15は、移動ステップ数から目標位置までに必要な移動時間を算出するための計算方法を示す図である。その後、算出した時間だけ光ピックアップ105を移動させる(ステップS406)。
【0043】
図16は、光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図である。以上の手順によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正してから光ピックアップの移送が行われるので、高い精度で光ピックアップ105を目標位置へ移動させることができる。
【0044】
次に、本発明の実施の形態5における光ディスク再生装置について説明する。尚、実施の形態5における光ディスク再生装置の内部構成は、実施の形態1のそれと同様であるため説明を省略する。
【0045】
図17は、本発明の実施の形態5における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャートである。はじめに、光ディスク再生装置100のマイコン109は、光ディスク101に対してフォーカスサーボ制御を実施し、サーボLSI108からのフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号によりレンズ103の位置補正を行い、光ディスク101から現在の光ピックアップ105の位置の時間情報を取得する(ステップS501)。更に、取得した時間情報に基づいて現在の光ピックアップ105の物理的位置を算出し、マイコン109内部の記録媒体110及び不揮発性メモリに現在の光ピックアップ105の物理的位置情報を記憶する(ステップS502)。同様に、取得した任意の時間情報に基づいて算出した任意の物理的位置(即ち、目標アクセス位置)情報を記憶する。
【0046】
次に、現在位置から目標アクセス位置までの移動ステップ数を算出し、上記で算出した単位時間当たりの移動ステップ数から、目標アクセス位置までに必要な移動時間を算出する(ステップS503)。その後、算出した時間だけ光ピックアップ105を移動させる(ステップS504)。次に、移動後の光ピックアップ105の時間情報を取得し(ステップS505)、光ピックアップの現在位置を記憶する(ステップS506)。
【0047】
ここで、目標アクセス位置と現在の光ピックアップ105の位置との距離を判定し(ステップS507)、当該距離が任意に設定した許容範囲以上である場合、現在の光ピックアップ105の位置で温度センサ112から温度情報を取得し、マイコン109内部の記録媒体110及び不揮発性メモリに温度情報を記憶する(ステップS508)。そして、実施の形態4で説明したのと同様の要領で単位時間当たりの移動ステップ数を算出する(ステップS509)。
【0048】
その後、再びステップS503へ戻り、算出した単位時間当たりの移動ステップ数と目標アクセス位置までの距離から、必要な移動時間を再計算し(ステップS503)、光ピックアップ105を移動させる(ステップS504)。以上の手順を繰り返すことにより、単位時間当たりの移動ステップ数を温度に応じて補正しながら目標アクセス位置へ到達することができる。
【0049】
一方、ステップS507の判定において、2位置間の距離が任意に設定した許容範囲以内であれば、アクセスシーケンスを正常終了させる(ステップS510)。
【0050】
図18は、光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図である。以上の手順によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正するための光ピックアップの再移送が行われるので、高い精度で光ピックアップ105を目標位置へ移動させることができる。
【0051】
次に、本発明の実施の形態6における光ディスク再生装置について説明する。尚、実施の形態6における光ディスク再生装置の内部構成は、実施の形態1のそれと同様であるため説明を省略する。
【0052】
図19は、本発明の実施の形態6における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャートである。はじめに、ステップS601からステップS606までの手順は、実施の形態4における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順(ステップS401からステップS406まで)と同じであるため、説明を省略する。
【0053】
次に、移動後の光ピックアップ105の時間情報を取得し(ステップS607)、光ピックアップの現在位置を記憶する(ステップS608)。
【0054】
ここで、目標アクセス位置と現在の光ピックアップ105の位置との距離を判定し(ステップS609)、当該距離が任意に設定した許容範囲以上である場合、実際の光ピックアップ105の移動ステップ数と移動時間から単位時間当たりの移動ステップ数を算出し(ステップS610)、各温度に対する単時間当たりの移動ステップ数情報を更新、保存する(ステップS611)。
【0055】
その後、再びステップS605へ戻り、この更新された単位時間当たりの移動ステップ数と目標アクセス位置までの移動ステップ数から、必要な移動時間を再計算し(ステップS605)、光ピックアップ105を移動させる(ステップS606)。以上の手順を繰り返すことにより、単位時間当たりの移動ステップ数を温度に応じて補正しながら目標アクセス位置へ到達することができる。
【0056】
一方、ステップS609の判定において、2位置間の距離が任意に設定した許容範囲以内であれば、アクセスシーケンスを正常終了させる(ステップS612)。
【0057】
図20は、光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図である。以上の手順によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正するための光ピックアップの再移送が行われ、また補正に係る情報が適宜更新されるので、高い精度で光ピックアップ105を目標位置へ移動させることができる。
【0058】
次に、本発明の実施の形態7における光ディスク再生装置について説明する。尚、実施の形態7における光ディスク再生装置の内部構成は、実施の形態1のそれと同様であるため説明を省略する。
【0059】
図21は、本発明の実施の形態7における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャートである。はじめに、光ディスク再生装置100のマイコン109は、現在の光ピックアップ105の位置で温度センサ112から温度情報を取得し、マイコン109内部の記録媒体110及び不揮発性メモリに温度情報を記憶する(ステップS701)。次に、温度情報から単位時間当たりの光ピックアップ105の移動距離を算出する(ステップS702)。算出方法としては、単位時間当たりの移動距離の温度係数を用いて計算する方法や、単位時間当たりの移動距離と温度との関係を設定したデータテーブルから読み出す方法がある。図22は、単位時間当たりの移動距離の計算例を示す図である。また、図23は、単位時間当たりの移動距離を温度範囲ごとに設定したデータテーブル例を示す図である。
【0060】
次に、光ディスク101に対してフォーカスサーボ制御を実施し、サーボLSI108からのフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号によりレンズ103の位置補正を行い、光ディスク101から現在の光ピックアップ105の位置の時間情報を取得する(ステップS703)。更に、取得した時間情報に基づいて現在の光ピックアップ105の物理的位置を算出し、マイコン109内部の記録媒体110及び不揮発性メモリに現在の光ピックアップ105の物理的位置情報を記憶する(ステップS704)。同様に、取得した任意の時間情報に基づいて算出した任意の物理的位置(即ち、目標アクセス位置)情報を記憶する。
【0061】
次に、現在位置から目標アクセス位置までの移動距離を算出し、上記で算出した単位時間当たりの移動距離から、目標アクセス位置までに必要な移動時間を算出する(ステップS705)。ここで、図24は、現在位置から目標アクセス位置までの移動距離を算出するための計算方法を示す図である。その後、算出した時間だけ光ピックアップ105を移動させる(ステップS706)。
【0062】
図25は、光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図である。以上の手順によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正してから光ピックアップの移送が行われるので、高い精度で光ピックアップ105を目標位置へ移動させることができる。
【0063】
次に、本発明の実施の形態5における光ディスク再生装置について説明する。尚、実施の形態8における光ディスク再生装置の内部構成は、実施の形態1のそれと同様であるため説明を省略する。
【0064】
図26は、本発明の実施の形態8における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャートである。はじめに、光ディスク再生装置100のマイコン109は、光ディスク101に対してフォーカスサーボ制御を実施し、サーボLSI108からのフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号によりレンズ103の位置補正を行い、光ディスク101から現在の光ピックアップ105の位置の時間情報を取得する(ステップS801)。更に、取得した時間情報に基づいて現在の光ピックアップ105の物理的位置を算出し、マイコン109内部の記録媒体110及び不揮発性メモリに現在の光ピックアップ105の物理的位置情報を記憶する(ステップS802)。同様に、取得した任意の時間情報に基づいて算出した任意の物理的位置(即ち、目標アクセス位置)情報を記憶する。
【0065】
次に、現在位置から目標アクセス位置までの移動距離を算出し、上記で算出した単位時間当たりの移動距離から、目標アクセス位置までに必要な移動時間を算出する(ステップS803)。その後、算出した時間だけ光ピックアップ105を移動させる(ステップS804)。次に、移動後の光ピックアップ105の時間情報を取得し(ステップS805)、光ピックアップの現在位置を記憶する(ステップS806)。
【0066】
ここで、目標アクセス位置と現在の光ピックアップ105の位置との距離を判定し(ステップS807)、当該距離が任意に設定した許容範囲以上である場合、現在の光ピックアップ105の位置で温度センサ112から温度情報を取得し、マイコン109内部の記録媒体110及び不揮発性メモリに温度情報を記憶する(ステップS808)。そして、実施の形態7で説明したのと同様の要領で単位時間当たりの移動距離を算出する(ステップS809)。
【0067】
その後、再びステップS803へ戻り、算出した単位時間当たりの移動距離と目標アクセス位置までの距離から、必要な移動時間を再計算し(ステップS803)、光ピックアップ105を移動させる(ステップS804)。以上の手順を繰り返すことにより、単位時間当たりの移動距離を温度に応じて補正しながら目標アクセス位置へ到達することができる。
【0068】
一方、ステップS807の判定において、2位置間の距離が任意に設定した許容範囲以内であれば、アクセスシーケンスを正常終了させる(ステップS810)。
【0069】
図27は、光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図である。以上の手順によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正するための光ピックアップの再移送が行われるので、高い精度で光ピックアップ105を目標位置へ移動させることができる。
【0070】
次に、本発明の実施の形態9における光ディスク再生装置について説明する。尚、実施の形態9における光ディスク再生装置の内部構成は、実施の形態1のそれと同様であるため説明を省略する。
【0071】
図28は、本発明の実施の形態9における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャートである。はじめに、ステップS901からステップS906までの手順は、実施の形態7における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順(ステップS701からステップS706まで)と同じであるため、説明を省略する。
【0072】
次に、移動後の光ピックアップ105の時間情報を取得し(ステップS907)、光ピックアップの現在位置を記憶する(ステップS908)。
【0073】
ここで、目標アクセス位置と現在の光ピックアップ105の位置との距離を判定し(ステップS909)、当該距離が任意に設定した許容範囲以上である場合、実際の光ピックアップ105の移動距離と移動時間から単位時間当たりの移動距離を算出し(ステップS910)、各温度に対する単時間当たりの移動距離情報を更新、保存する(ステップS911)。
【0074】
その後、再びステップS905へ戻り、この更新された単位時間当たりの移動距離と目標アクセス位置までの移動距離から、必要な移動時間を再計算し(ステップS905)、光ピックアップ105を移動させる(ステップS906)。以上の手順を繰り返すことにより、単位時間当たりの移動距離を温度に応じて補正しながら目標アクセス位置へ到達することができる。
【0075】
一方、ステップS609の判定において、2位置間の距離が任意に設定した許容範囲以内であれば、アクセスシーケンスを正常終了させる(ステップS612)。
【0076】
図29は、光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図である。以上の手順によれば、使用温度環境の違いによって生じるメカ反応感度の差異を補正するための光ピックアップの再移送が行われ、また補正に係る情報が適宜更新されるので、高い精度で光ピックアップ105を目標位置へ移動させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の光ディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法は、外温によりメカ反応感度に差異が生じても、ピックアップレンズを的確に目標とするアクセス位置まで移動させることができるという効果を有し、過酷な温度環境下で使用される車載用の光ディスク再生装置などにおいて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態1における光ディスク再生装置の内部構成を示す図
【図2】ステッピングモータを制御するA相TVD信号及びB相TVD信号の例として2相励磁駆動、マイクロステップ駆動の波形を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャート
【図4】単位ステップ数当たりの移動距離の計算例を示す図
【図5】単位ステップ数当たりの移動距離またはその温度係数を温度範囲ごとに設定したデータテーブル例を示す図
【図6】移動距離から目標位置までに必要なステップ数を算出するための計算方法を示す図
【図7】光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図
【図8】本発明の実施の形態2における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャート
【図9】光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図
【図10】本発明の実施の形態3における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャート
【図11】光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図
【図12】本発明の実施の形態4における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャート
【図13】単位時間当たりの移動ステップ数の計算例を示す図
【図14】単位時間当たりの移動ステップ数を温度範囲ごとに設定したデータテーブル例を示す図
【図15】移動ステップ数から目標位置までに必要な移動時間を算出するための計算方法を示す図
【図16】光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図
【図17】本発明の実施の形態5における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャート
【図18】光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図
【図19】本発明の実施の形態6における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャート
【図20】光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図
【図21】本発明の実施の形態7における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャート
【図22】単位時間当たりの移動距離の計算例を示す図
【図23】単位時間当たりの移動距離を温度範囲ごとに設定したデータテーブル例を示す図
【図24】現在位置から目標アクセス位置までの移動距離を算出するための計算方法を示す図
【図25】光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図
【図26】本発明の実施の形態8における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャート
【図27】光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図
【図28】本発明の実施の形態9における光ディスク再生装置のアクセス移動動作手順を示すフローチャート
【図29】光ピックアップの移送の様子を説明するための模式図
【符号の説明】
【0079】
100 光ディスク再生装置
101 光ディスク
102 スピンドルモータ
103 レンズ
104 トラッキングアクチュエータ
105 光ピックアップ
106 スクリューガイド
107 スレッドモータ
108 サーボLSI
109 マイクロコンピュータ
110 記録媒体
111 スイッチ
112 温度センサ
201 TOCデータ領域
202 クランピングエリア
203 プログラムエリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク半径方向のピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えたディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法であって、
ピックアップの現在位置とディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、
前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位ステップ数あたりの移動距離を設定する温度パラメータ設定ステップと、
前記移動距離と前記単位ステップ数あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動ステップ数を算出する移動ステップ数算出ステップと、
前記移動ステップ数だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップとを含むディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法。
【請求項2】
ディスク半径方向のピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えたディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法であって、
ピックアップの現在位置とディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、
前記移動距離と前記ステッピングモータの単位ステップ数あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動ステップ数を算出する移動ステップ数算出ステップと、
前記移動ステップ数だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、
移動後のピックアップの位置とアクセス目標位置との間隔が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、を含み、
更に、前記判定ステップにおいて前記間隔が所定の閾値以上の場合にのみ実行する、前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位ステップ数あたりの移動距離を設定する温度パラメータ設定ステップと、
前記間隔と前記単位ステップ数あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの追加移動ステップ数を算出する追加移動ステップ数算出ステップと、
前記追加移動ステップ数だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ再移動させる再移動ステップとを含むディスク再生装置のピックアップ移動方法。
【請求項3】
ディスク半径方向のピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えたディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法であって、
ピックアップの現在位置とディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、
前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位ステップ数あたりの移動距離を設定する温度パラメータ設定ステップと、
前記移動距離と前記単位ステップ数あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動ステップ数を算出する移動ステップ数算出ステップと、
前記移動ステップ数だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、
移動後のピックアップの位置とアクセス目標位置との間隔が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、を含み、
更に、前記判定ステップにおいて前記間隔が所定の閾値以上の場合にのみ実行する、前記単位ステップ数あたりの移動距離を実際の移動距離と移動ステップ数に基づいて補正する温度パラメータ補正ステップと、
前記間隔と補正した前記単位ステップ数あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの追加移動ステップ数を算出する追加移動ステップ数算出ステップと、
前記追加移動ステップ数だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ再移動させる再移動ステップとを含むディスク再生装置のピックアップ移動方法。
【請求項4】
ディスク半径方向のピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えたディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法であって、
ピックアップの現在位置とディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、
前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位時間あたりの移動ステップ数を設定する温度パラメータ設定ステップと、
前記移動距離に相当するステップ数と前記単位時間あたりの移動ステップ数とから、目標アクセス位置までの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、
前記移動時間だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップとを含むディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法。
【請求項5】
ディスク半径方向のピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えたディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法であって、
ピックアップの現在位置とディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、
前記移動距離に相当するステップ数と前記ステッピングモータの単位時間あたりの移動ステップ数とから、目標アクセス位置までの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、
前記移動時間だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、
移動後のピックアップの位置とアクセス目標位置との間隔が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、を含み、
更に、前記判定ステップにおいて前記間隔が所定の閾値以上の場合にのみ実行する、前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位時間あたりの移動ステップ数を設定する温度パラメータ設定ステップと、
前記間隔に相当するステップ数と前記単位時間あたりの移動ステップ数とから、目標アクセス位置までの追加移動時間を算出する追加移動時間算出ステップと、
前記追加移動時間だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ再移動させる再移動ステップとを含むディスク再生装置のピックアップ移動方法。
【請求項6】
ディスク半径方向のピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えたディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法であって、
ピックアップの現在位置とディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、
前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位時間あたりの移動ステップ数を設定する温度パラメータ設定ステップと、
前記移動距離に相当するステップ数と前記単位時間あたりの移動ステップ数とから、目標アクセス位置までの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、
前記移動時間だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、
移動後のピックアップの位置とアクセス目標位置との間隔が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、を含み、
更に、前記判定ステップにおいて前記間隔が所定の閾値以上の場合にのみ実行する、前記単位時間あたりの移動ステップ数を実際の移動距離と移動時間に基づいて補正する温度パラメータ補正ステップと、
前記間隔に相当するステップ数と補正した前記単位時間あたりの移動ステップ数とから、目標アクセス位置までの追加移動時間を算出する追加移動時間算出ステップと、
前記追加時間だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ再移動させる再移動ステップとを含むディスク再生装置のピックアップ移動方法。
【請求項7】
ディスク半径方向のピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えたディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法であって、
ピックアップの現在位置とディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、
前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位時間あたりの移動距離を設定する温度パラメータ設定ステップと、
前記移動距離と前記単位時間あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、
前記移動時間だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップとを含むディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法。
【請求項8】
ディスク半径方向のピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えたディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法であって、
ピックアップの現在位置とディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、
前記移動距離と前記ステッピングモータの単位時間あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、
前記移動時間だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、
移動後のピックアップの位置とアクセス目標位置との間隔が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、を含み、
更に、前記判定ステップにおいて前記間隔が所定の閾値以上の場合にのみ実行する、前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位時間あたりの移動距離を設定する温度パラメータ設定ステップと、
前記間隔と前記単位時間あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの追加移動時間を算出する追加移動時間算出ステップと、
前記追加移動時間だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ再移動させる再移動ステップとを含むディスク再生装置のピックアップ移動方法。
【請求項9】
ディスク半径方向のピックアップ移送手段としてステッピングモータを用い、温度センサを備えたディスク再生装置のピックアップアクセス移動方法であって、
ピックアップの現在位置とディスク上の任意の目標アクセス位置における時間情報から、ピックアップの必要な移動距離を算出する移動距離算出ステップと、
前記温度センサの温度情報に基づいて、前記ステッピングモータの当該温度における単位時間あたりの移動距離を設定する温度パラメータ設定ステップと、
前記移動距離と前記単位時間あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、
前記移動時間だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ移動させる移動ステップと、
移動後のピックアップの位置とアクセス目標位置との間隔が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、を含み、
更に、前記判定ステップにおいて前記間隔が所定の閾値以上の場合にのみ実行する、前記単位時間あたりの移動距離を実際の移動距離と移動時間に基づいて補正する温度パラメータ補正ステップと、
前記間隔と補正した前記単位時間あたりの移動距離とから、目標アクセス位置までの追加移動時間を算出する追加移動時間算出ステップと、
前記追加時間だけステッピングモータを駆動してピックアップを目標アクセス位置へ再移動させる再移動ステップとを含むディスク再生装置のピックアップ移動方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項記載のディスク再生装置のピックアップ移動方法の各手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2007−179630(P2007−179630A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−375827(P2005−375827)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】