説明

ディスク装置

【課題】 ディスクを装置本体内に挿入した後に、自動で両面記録を行え、片面の容量を越える場合の記録に対しても、人手を必要とせずに自動的に逆面に記録を行える。
【解決手段】 トレイ1の側面にラック5が形成されトレイの先端に、ラック6を有するレバー7が枢着され、装置本体8内にトレイ及びレバーのラックに噛み合うピニオン9を回転駆動する駆動モータ10が配置され、ディスクの表面が記録された後のトレイが外部に出るときにトレイのラックがピニオンの回転で自動的に外側に出され、トレイが外部に出されたときにレバーのラックがピニオンに噛み合ってトレイがレバーの先端に垂直向きに垂れた状態でレバーが外側に出され、トレイを引き込むときにレバーのラックに噛み合うピニオンの駆動モータの反転による反回転でレバーが装置本体内に引き込まれ、トレイは自動的に裏表反転された状態で装置本体内に引き込まれてディスクの裏面が記録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体内に出し入れされるトレイを反転してトレイ上のディスクの表面と裏面に記録させるようにしたディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
第1の従来技術を図8に示す。これは、情報の書き込みまたは読み出しの終了した装置本体115から自動的に引き出された枠状の形状をした反転トレイ部114の内側にほ同じく枠状の形状をした反転トレイ113が配置されており、回転軸141を中心として180度回転する。この回転の際に情報記録媒体112が反転トレイ113から脱落しないように、枠部材113Aの内面における表裏双方の端部に爪部材143、144が配置されていると共に、カートリッジ状の情報記録媒体112の側部からは伸縮爪119が突出して枠部材113Bの図示しない凹部に嵌まり込んでいる。反転トレイ113が反転した後の反転トレイ部114は再び装置本体115内に収容されて、他の面による情報の書き込みまたは読み出しが行われるものである。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、これによれば、反転トレイ113を手動で反転させなくてはならなかった。また、枠状の形状をした反転トレイ113と同じく枠状の形状をした反転トレイ部114を必要としているために構造が複雑であった。
【0004】
第2の従来技術を図9に示す。これは、トレイ202から搬送されたカートリッジ203に収納し、カートリッジ203は反転可能に保持され再生手段からカートリッジ203を上下方向に移動させて反転してから再生位置へ移動して再生することにより、表裏とも再生ができるようにしたものである。(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
ところが、これにおいては、トレイ202の他にカートリッジ203を必要とするために構造が複雑であった。また、図9に示すように、カートリッジ203からトレイ202を手動で引き出さなくてはならなかった。
【特許文献1】特開2003−77201号公報
【特許文献2】特開平9−63173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ディスクを装置本体内に挿入した後に、自動で両面記録を行うことができ、片面の容量を越える場合の記録に対しても、人手を必要とせずに自動的に逆面に記録を行うことができるディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、請求項1に記載の発明は、装置本体内に出し入れされるトレイを反転してトレイ上のディスクの表面と裏面に記録させるようにしたディスク装置において、前記トレイの側面にラックが形成されるとともに、トレイの先端に下側にラックを有するレバーが枢着されており、前記装置本体内には、前記トレイの側面のラック及びレバーのラックに噛み合うピニオンとこのピニオンを回転駆動する駆動モータが配置されていて、前記ディスクの表面が記録された後の前記トレイが外部に出されるときには、前記トレイのラックが前記駆動モータの駆動によるピニオンの回転で自動的に外側に出され、更に前記トレイが完全に外部に出されたときには前記レバーのラックが前記ピニオンに噛み合って前記トレイがレバーの先端に垂直向きに垂れた状態で前記レバーが外側に出され、前記トレイを引き込むときには、前記レバーのラックに噛み合う前記ピニオンの前記駆動モータの反転による反回転によって前記レバーが装置本体内に引き込まれ、前記トレイは出された向きより自動的に裏表反転された状態で前記装置本体内に引き込まれて前記ディスクの裏面が記録されるように構成され、前記トレイは、中央部分にディスク収納溝部が設けられ、この収納溝部の両端はトレイ本体内に入り込んで形成され、片側の表裏には、開閉可能な蓋部がそれぞれ設けられていて、この蓋部を開けることにより前記収納溝部にディスクが入り込み、前記蓋部を閉めることによってディスクが収納溝部内にセットされ、前記蓋部を再度開けることによって、ディスクを取り出し可能としたことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、装置本体内に出し入れされるトレイを反転してトレイ上のディスクの表面と裏面に記録させるようにしたディスク装置において、前記トレイの側面にラックが形成されるとともに、トレイの先端に下側にラックを有するレバーが枢着されており、前記装置本体内には、前記トレイの側面のラック及びレバーのラックに噛み合うピニオンとこのピニオンを回転駆動する駆動モータが配置されていて、前記ディスクの表面が記録された後の前記トレイが外部に出されるときには、前記トレイのラックが前記駆動モータの駆動によるピニオンの回転で自動的に外側に出され、更に前記トレイが完全に外部に出されたときには前記レバーのラックが前記ピニオンに噛み合って前記トレイがレバーの先端に垂直向きに垂れた状態で前記レバーが外側に出され、前記トレイを引き込むときには、前記レバーのラックに噛み合う前記ピニオンの前記駆動モータの反転による反回転によって前記レバーが装置本体内に引き込まれ、前記トレイは前記出された向きより自動的に裏表反転された状態で前記装置本体内に引き込まれて前記ディスクの裏面が記録されるように構成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記トレイは、中央部分にディスク収納溝部が設けられ、この収納溝部の両端はトレイ本体内に入り込んで形成され、片側の表裏には、開閉可能な蓋部がそれぞれ設けられていて、この蓋部を開けることにより前記収納溝部にディスクが入り込み、前記蓋部を閉めることによってディスクが収納溝部内にセットされ、前記蓋部を再度開けることによって、ディスクを取り出し可能とし、前記トレイ内には先端にチャック爪部を有するターンテーブルが入り込んで、ディスクを前記チャック爪部でターンテーブル上に保持するように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、自動でトレイを出し入れしながら反転させることができるので、ディスクを装置本体内に挿入した後に、自動で両面記録を行うことができ、片面の容量を越える場合の記録に対しても、人手を必要とせずに自動的に逆面に記録を行うことができる。また、トレイ内にディスクを容易に出し入れすることができ、ディスクの保持も確実に行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、自動でトレイを出し入れしながら反転させることができるので、ディスクを装置本体内に挿入した後に、自動で両面記録を行うことができ、片面の容量を越える場合の記録に対しても、人手を必要とせずに自動的に逆面に記録を行うことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、トレイ内にディスクを容易に出し入れすることができ、ターンテーブルのチャック爪部でターンテーブル上に確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るディスク装置の実施の形態について、図を参照しつつ説明する。
【0014】
図1は本発明の実施形態のディスク装置におけるディスクを収納するトレイの斜視図、図2はディスクを収納した状態のトレイの断面図、図3はターンテーブルのチャック爪部でディスクをターンテーブル上に保持した状態を示す断面図である。
【0015】
本実施形態のディスク装置におけるトレイ1は、中央部分にディスク収納溝部1aが設けられ、この収納溝部1aの両端はトレイ本体1A内に入り込んで形成され、片側の表裏には、開閉可能な蓋部2、2がそれぞれ枢着した状態で設けられている。この蓋部2、2を開けることにより収納溝部1aにディスクDが入り込み、蓋部2、2を閉めることによってディスクDが収納溝部1a内にセットされ、蓋部2、2を再度開けることによって、ディスクDを取り出し可能としてある。また、図3に示すように、このトレイ本体1Aの収納溝部1a内に表裏いずれからも入り込むターンテーブル3は、先端にチャック爪部4が設けられている。このチャック爪部4でディスクDをターンテーブル3上に保持するようになっている。
【0016】
図4は実施形態のディスク装置において、装置本体内からトレイが出されるときの状態を示す概略部分斜視図、図5は装置本体内からトレイが出されてレバーの先端でトレイが垂れている状態を示す概略部分斜視図、図6はレバーが装置本体内に引き込まれる状態を示す概略部分斜視図、図7はレバーに引き続いてトレイが装置本体内に引き込まれる状態の概略部分斜視図である。
【0017】
図4、図5、図6、図7に示すように、トレイ1の側面にラック5が形成されるとともに、トレイ1の先端に下側にラック6を有するレバー7が枢着されており、装置本体8内には、トレイ1の側面のラック5及びレバー7のラック6に噛み合うピニオン9とこのピニオン9を回転駆動する駆動モータ10が配置されている。ディスクDの表面が記録された後のトレイ1が外部に出されるときには、図4に示すように、トレイ1のラック5が駆動モータ10の駆動によるピニオン9の回転で自動的に外側に出される。
【0018】
更にトレイ1が完全に外部に出されたときには、図5に示すように、レバー7のラック6がピニオン9に噛み合ってトレイ1がレバー7の先端に垂直向きに垂れた状態でレバー7が外側に出される。トレイ1を引き込むときには、図6に示すように、レバー7のラック6に噛み合うピニオン9の駆動モータ10の反転による反回転によってレバー7が装置本体8内に引き込まれる。その後にトレイ1は出された向きより自動的に裏表反転された状態で図7に示すように、装置本体8内に引き込まれてディスクDの裏面が記録されるようになっている。
【0019】
従って、本実施形態のディスク装置によれば、自動でトレイ1を出し入れしながら反転させることができるので、ディスクDを装置本体8内に挿入した後に、自動で両面記録を行うことができ、片面の容量を越える場合の記録に対しても、人手を必要とせずに自動的に逆面に記録を行うことができる。また、トレイ1に蓋部2を設けたので、この蓋部2を開閉することによって、トレイ1内にディスクDを容易に出し入れすることができ、ディスクDの保持も確実に行うことができる。また、ターンテーブル3のチャック爪部4でターンテーブル3上に確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態のディスク装置におけるディスクを収納するトレイの斜視図である。
【図2】ディスクを収納した状態のトレイの断面図である。
【図3】ターンテーブルのチャック爪部でディスクをターンテーブル上に保持した状態を示す断面図である。
【図4】実施形態のディスク装置において、装置本体内からトレイが出されるときの状態を示す概略部分斜視図である。
【図5】装置本体内からトレイが出されてレバーの先端でトレイが垂れている状態を示す概略部分斜視図である。
【図6】レバーが装置本体内に引き込まれる状態を示す概略部分斜視図である。
【図7】レバーに引き続いてトレイが装置本体内に引き込まれる状態の概略部分斜視図である。
【図8】従来のトレイ装置の斜視図である。
【図9】従来のディスク再生装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
D ディスク
1 トレイ
1A トレイ本体
1a ディスク収納溝部
2 蓋部
3 ターンテーブル
4 チャック爪部
5 ラック
6 ラック
7 レバー
8 装置本体
9 ピニオン
10 駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体内に出し入れされるトレイを反転してトレイ上のディスクの表面と裏面に記録させるようにしたディスク装置において、前記トレイの側面にラックが形成されるとともに、トレイの先端に下側にラックを有するレバーが枢着されており、前記装置本体内には、前記トレイの側面のラック及びレバーのラックに噛み合うピニオンとこのピニオンを回転駆動する駆動モータが配置されていて、前記ディスクの表面が記録された後の前記トレイが外部に出されるときには、前記トレイのラックが前記駆動モータの駆動によるピニオンの回転で自動的に外側に出され、更に前記トレイが完全に外部に出されたときには前記レバーのラックが前記ピニオンに噛み合って前記トレイがレバーの先端に垂直向きに垂れた状態で前記レバーが外側に出され、前記トレイを引き込むときには、前記レバーのラックに噛み合う前記ピニオンの前記駆動モータの反転による反回転によって前記レバーが装置本体内に引き込まれ、前記トレイは出された向きより自動的に裏表反転された状態で前記装置本体内に引き込まれて前記ディスクの裏面が記録されるように構成され、前記トレイは、中央部分にディスク収納溝部が設けられ、この収納溝部の両端はトレイ本体内に入り込んで形成され、片側の表裏には、開閉可能な蓋部がそれぞれ設けられていて、この蓋部を開けることにより前記収納溝部にディスクが入り込み、前記蓋部を閉めることによってディスクが収納溝部内にセットされ、前記蓋部を再度開けることによって、ディスクを取り出し可能としたことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
装置本体内に出し入れされるトレイを反転してトレイ上のディスクの表面と裏面に記録させるようにしたディスク装置において、前記トレイの側面にラックが形成されるとともに、トレイの先端に下側にラックを有するレバーが枢着されており、前記装置本体内には、前記トレイの側面のラック及びレバーのラックに噛み合うピニオンとこのピニオンを回転駆動する駆動モータが配置されていて、前記ディスクの表面が記録された後の前記トレイが外部に出されるときには、前記トレイのラックが前記駆動モータの駆動によるピニオンの回転で自動的に外側に出され、更に前記トレイが完全に外部に出されたときには前記レバーのラックが前記ピニオンに噛み合って前記トレイがレバーの先端に垂直向きに垂れた状態で前記レバーが外側に出され、前記トレイを引き込むときには、前記レバーのラックに噛み合う前記ピニオンの前記駆動モータの反転による反回転によって前記レバーが装置本体内に引き込まれ、前記トレイは前記出された向きより自動的に裏表反転された状態で前記装置本体内に引き込まれて前記ディスクの裏面が記録されるように構成されていることを特徴とするディスク装置。
【請求項3】
前記トレイは、中央部分にディスク収納溝部が設けられ、この収納溝部の両端はトレイ本体内に入り込んで形成され、片側の表裏には、開閉可能な蓋部がそれぞれ設けられていて、この蓋部を開けることにより前記収納溝部にディスクが入り込み、前記蓋部を閉めることによってディスクが収納溝部内にセットされ、前記蓋部を再度開けることによって、ディスクを取り出し可能とし、前記トレイ内には先端にチャック爪部を有するターンテーブルが入り込んで、ディスクを前記チャック爪部でターンテーブル上に保持するように構成されている請求項2に記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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