説明

ディスク装置

【課題】 ディスクとディスクトレイとの間の隙間に誘起される回転風を、ディスクトレイの裏面側に導いてモータの温度上昇を抑制する。
【解決手段】 ディスクDの回転に伴ってディスクDとディスクトレイ1のディスク載置部12との間の隙間Sに誘起される回転風を、ディスクトレイ1に設けた通風路7によってディスク載置部12の表面側から裏面側へ誘導させた後、ディスク載置部12の裏面を這わせてモータ3の設置箇所に配向させる。ディスク載置部12の裏面に、終部に近い箇所ほど溝幅が狭くなる形状を有する溝形風路8を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置、特に、ディスクトレイによってセット位置に搬入されたディスクが、そのセット位置で、チャッキング機構によりディスクトレイから浮き上がった位置で保持され、かつ、モータによってチャッキング機構と共に回転駆動されるディスクの記録面が光学的に走査されるようになっているディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVDドライブなどのこの種のディスク装置では、アンローディング動作により筐体から引き出されたディスクトレイにディスクを載置した後、そのディスクトレイを筐体の内部に引き込むというローディング動作を通じてディスクがセット位置に搬入される。また、ディスクのセット位置を挟んで、その片側にはモータの回転軸に直結されたターンテーブルが配備されているのに対し、その他側にはクランパーが配備されていて、それらのターンテーブルやクランパーは、ディスクをチャッキングして回転させるためのチャッキング機構のチャッキング要素を形成している。そして、ディスクがセット位置に搬入される動作にタイミングを合わせて上記モータを搭載している可動フレームが動作し、そのような可動フレームの動作を通じてチャッキング要素としての上記ターンテーブルが往動すると、ディスクトレイに載置されているディスクがターンテーブルに受け渡されてそのディスクがディスクトレイから浮き上がると共に、相手方チャッキング要素としての上記クランパーがそのディスクを当該ターンテーブルとの間で挟持する。こうしてターンテーブルとクランパーとでなるチャッキング機構によってディスクトレイから浮き上がった位置で保持されたディスクは、上記モータによってチャッキング機構と共に回転駆動され、その回転中に光ピックアップの作用でディスクの記録面が走査されて情報の記録又は再生が行なわれる。
【0003】
このように動作するディスク装置において、上記モータが過熱するとその耐久性が損なわれる。
【0004】
これに対し、従来より、ディスクプレーヤにおいて、ターンテーブルの下面に空気攪拌用の突起を設けておき、モータによってターンテーブルが回転駆動されると、その突起によって攪拌された空気でディスクプレーヤの温度上昇を抑えることを意図した技術が知られていた(たとえば特許文献1参照)。また、媒体交換型情報記憶再生装置の塵芥除去装置として、トレイと回転中の情報記憶再生媒体との隙間に誘起される気流を、トレイ側に設けた螺旋状の空気流路に流すことによって塵芥を除去する技術も知られていた(たとえば特許文献2参照)。さらに、カートリッジに収容したディスクの風損を低減することにより、そのディスクを回転駆動するためのスピンドルモータの消費電力を低減する技術も知られていた(たとえば特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平8−339623号公報
【特許文献2】特開平9−147542号公報
【特許文献3】特開2000−57666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、ディスク装置では、チャッキング機構により保持させたディスクを回転駆動するためのモータ、たとえばスピンドルモータが過熱するとその耐久性が損なわれる。そのため、耐熱性に優れたモータを使用することによってモータの過熱による耐久性の低下を生じにくくしてあるけれども、耐熱性に優れたモータはそれだけ高価である。
【0006】
そこで、本願発明者は、モータに気流を当ててそのモータの温度上昇を抑制するようにするとモータの過熱が防止されるので、高価なモータを使用しなくて済み、それだけディスク装置を安価に提供することができるであろうということに着目した。
【0007】
この点に関し、特許文献1に記載されている技術は、ターンテーブルに設けた空気攪拌用の突起によって空気が攪拌されるようになっているので、そのような空気の攪拌によってモータの温度上昇が抑制される可能性がある。しかしながら、このものでは、突起を回転させて風を誘起させるものであるので、それだけモータの負荷が増大し、そのような負荷の増大によってモータが温度上昇しやすくなるという矛盾を備えている。また、特許文献2によって提案されている技術は、トレイと回転中の情報記憶再生媒体との隙間に誘起される気流を塵芥除去に役立てるに過ぎないものであって、モータの温度上昇を抑制するというものではない。さらに、特許文献3によって提案されている技術は、カートリッジを用いるディスク装置において、ディスクの風損を低減することを意図する技術であり、ディスクトレイにディスクを載置してディスクをセット位置にローディングする構造のディスク装置とは相違している。また、特許文献3にはモータの温度上昇を抑制することに関しては記述がない。
【0008】
そこで、本願発明者は、鋭意調査を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、チャッキング機構に保持させたディスクを回転させるのに伴ってそのディスクとディスクトレイとの間の隙間に誘起される回転風を、ディスクトレイの裏面側に導いてモータの温度上昇を抑制することに効率よく活用することのできるディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るディスク装置は、ディスクトレイのディスク載置部に載置されてセット位置に搬入されたディスクが、そのセット位置で、回転駆動源としてのモータの回転軸に連結されたチャッキング機構により上記ディスクトレイから浮き上がった位置で保持され、かつ、上記モータによって上記チャッキング機構と共に回転駆動されるディスクの記録面が光学的に走査される。そして、ディスクの回転に伴ってそのディスクと上記ディスクトレイのディスク載置部との間の隙間に誘起される回転風を、上記ディスク載置部の表面側から裏面側へ誘導した後、そのディスク載置部の裏面を這わせて上記モータの設置箇所に配向させる通風路が、上記ディスクトレイに備わっている。
【0011】
この構成であれば、ディスクの回転に伴ってそのディスクとディスクトレイのディスク載置部との間の隙間で誘起された回転風が、通風路によってディスク載置部の表面側から裏面側へ誘導された後、ディスク載置部の裏面を這ってモータの設置箇所に配向されるので、回転風を効率よくモータの設置箇所に導いてそのモータの温度上昇を抑制することに役立てることが可能になる。この点に関し、上記隙間で誘起された回転風が、ディスク載置部の表面側から裏面側へ誘導されたとしても、その回転風がディスク載置部の裏面を這わずに拡散されてしまうと、回転風によるモータの温度上昇抑制作用が十分に発揮されなくなってモータの耐久性が損なわれやすくなる。
【0012】
本発明では、上記チャッキング機構が、上記モータの回転軸に直結された往復動可能なチャッキング要素としてのターンテーブルと、このターンテーブルの往動によりディスクトレイの上記ディスク載置部から当該ターンテーブルに受け渡されたディスクを当該ターンテーブルとの間で挟持するチャッキング要素としてのクランパーとを備え、上記ディスクトレイに、上記ディスク載置部の中央部に位置して上記ターンテーブルの往復動時の通過を許容する開口が開設されている、という構成を採用することが可能である。この構成であると、ターンテーブルが往動してディスク載置部の開口を通過することによってディスクがディスク載置部からターンテーブルに受け渡された後、クランパーが動作してディスクをターンテーブルとの間で挟持する。また、ターンテーブルが復動してクランパーとの共働によるディスクの挟持状態を解除した後、そのターンテーブルがディスク載置部の開口を通過すると、ディスクがターンテーブルからディスク載置部に受け渡される。
【0013】
本発明では、上記チャッキング機構によるディスクのチャッキング時に、上記通風路によってモータの設置箇所に配向された上記回転風が接触する位置に上記モータが位置するようになっていることが望ましく、そのようになっていると、回転風がモータの温度上昇を抑制することに効率よく用いられる。
【0014】
本発明において、上記通風路は、ディスクトレイの上記ディスク載置部の外周部でディスクトレイを貫通する風誘導路と、この風誘導路の始部によって形成されて上記ディスク載置部の表面外周部で上記隙間に臨む風入口と、上記風誘導路の終部によって形成されて上記ディスク載置部の裏面外周部でそのディスク載置部の半径方向内方に向けて開口する風出口とを備えている、という構成を採用することができ、これによれば、ディスクトレイに対して通風路が直接に形成されるので、部品点数を増やさずに通風路を形成することができるという利点がある。
【0015】
本発明において、ディスクトレイの上記ディスク載置部の裏面に、始部が上記風出口に臨み、終部が上記開口の口縁に位置していると共に、上記ディスク載置部の裏面を這う上記回転風を整流しつつその風速を増大させる機能を発揮する形状を備えた溝形風路が形成されていることが望ましい。これによれば、ディスク載置部の表面側から裏面側へ誘導された回転風がディスク載置部の裏面を這いながら溝形風路を流れるときに、その回転風の整流と増速とが行なわれてモータの温度上昇がいっそう効率よく抑制されるようになる。
【0016】
本発明において、上記溝形風路は、その中心線が上記ディスク載置部の半径方向にまっすぐに延び、かつ、その終部に近い箇所ほど溝幅が狭くなる形状を有している、という構成を採用することが可能であり、この構成を採用すると、溝形風路が、ディスク載置部の裏面を這う回転風を整流しつつその風速を増大させる機能を発揮する。
【0017】
本発明に係るディスク装置は、ディスクトレイのディスク載置部に載置されてセット位置に搬入されたディスクが、そのセット位置で、回転駆動源としてのモータの回転軸に連結されたチャッキング機構により上記ディスクトレイから浮き上がった位置で保持され、かつ、上記モータによって上記チャッキング機構と共に回転駆動されるディスクの記録面が光学的に走査されるディスク装置において、上記チャッキング機構が、上記モータの回転軸に直結された往復動可能なチャッキング要素としてのターンテーブルと、このターンテーブルの往動によりディスクトレイの上記ディスク載置部から当該ターンテーブルに受け渡されたディスクを当該ターンテーブルとの間で挟持するチャッキング要素としてのクランパーとを備え、上記ディスクトレイに、上記ディスク載置部の中央部に位置して上記ターンテーブルの往復動時の通過を許容する開口が開設され、ディスクの回転に伴ってそのディスクと上記ディスクトレイのディスク載置部との間の隙間に誘起される回転風を、上記ディスク載置部の表面側から裏面側へ誘導した後、そのディスク載置部の裏面を這わせて上記モータの設置箇所に配向させる通風路が、ディスクトレイの上記ディスク載置部の外周部複数箇所に備わっていて、上記チャッキング機構によるディスクのチャッキング時に、上記通風路によってモータの設置箇所に配向された上記回転風が接触する位置に上記モータが位置するようになっており、上記通風路は、ディスクトレイの上記ディスク載置部の外周部でディスクトレイを貫通する風誘導路と、この風誘導路の始部によって形成されて上記ディスク載置部の表面外周部で上記隙間に臨む風入口と、上記風誘導路の終部によって形成されて上記ディスク載置部の裏面外周部でそのディスク載置部の半径方向内方に向けて開口する風出口とを備え、ディスクトレイの上記ディスク載置部の裏面に、始部が上記風出口に臨み、終部が上記開口の口縁に位置し、その中心線が上記ディスク載置部の半径方向にまっすぐに延び、かつ、その終部に近い箇所ほど溝幅が狭くなる形状を有する溝形風路が備わっている、という構成を採用することによっていっそう具体化される。
【0018】
この発明によると、通風路がディスクトレイのディスク載置部の外周部複数箇所に備わっているので、回転風がモータの周囲全体と接触するようになってモータの温度上昇抑制作用がいっそう効率よく発揮される。その他の作用は、後述する実施形態を参照して説明する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、チャッキング機構に保持させたディスクを回転させるのに伴ってそのディスクとディスクトレイとの間の隙間に誘起される回転風を、ディスクトレイの裏面側に導いた後、そのディスクトレイの裏面を這わせてモータの設置箇所に配向させるというものであるので、モータに余分な負荷を与えることなく、上記回転風でモータの温度上昇を効率よく抑制することが可能である。そのため、安価なモータを用いてもその耐久性が損なわれることがなくなり、ひいてはディスク装置を安価に提供することができるようになるという効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明に係るディスク装置に採用されるディスクトレイ1の表面を示した概略平面図、図2は同ディスクトレイ1の裏面を示した概略底面図、図3は図2のIII−III線に沿う部分の概略拡大断面図、図4はディスクトレイ1とは別体の通風路形成部材・を示した概略斜視図、図5は作用説明図である。さらに、図6はディスク装置のフレーム2に取り付けられたディスクトレイ1を示す概略平面図である。
【0021】
図6のように、ディスクトレイ1はディスク装置のフレーム2に取り付けられていて、図示していないローディング機構の作用により、同図に示したローディング位置とフレーム2の前側に突き出たアンローディング位置との間で出退移動される。ディスクトレイ1には、2種類の大きさのディスクに対応して、凹所でなる径大なディスク載置部12と、凹所でなる径小なディスク載置部15とが同心状に形成されている。また、それらのディスク載置部12,15の中央部に開口17が備わっている。そして、ディスクトレイ1のアンローディング位置で2つのディスク載置部12,15のいずかに載置されたディスク(不図示)は、ディスクトレイ1が図6に示したローディング位置まで引き込まれることによってセット位置に搬入されるようになっている。なお、図6では、後述する通風路・は図示省略してある。
【0022】
また、図5に示したように、ディスクDのセット位置を挟んで、その片側にはモータ3の回転軸31に直結されたターンテーブル4が配備されているのに対し、その他側には、図6に示したフレーム2に取り付けられている横架材21に取り付けられたクランパー5が配備されている。これらのターンテーブル4やクランパー5は、ディスクDをチャッキングして回転させるためのチャッキング機構6のチャッキング要素を形成している。なお、33はモータ3が搭載されている可動フレームを示している。
【0023】
このディスク装置では、ディスクDがディスクトレイ1に載置されてセット位置に搬入される動作にタイミングを合わせて可動フレーム33が動作し、そのような可動フレーム33の動作を通じてチャッキング要素としてのターンテーブル4が往動してディスクトレイ1の開口17を通過すると、ディスクトレイ1に載置されているディスクDがターンテーブル4に受け渡されてそのディスクDがディスクトレイ1から浮き上がると共に、相手方チャッキング要素としてのクランパー5がそのディスクDを当該ターンテーブル4との間で図5のように挟持する。こうしてターンテーブル4とクランパー5とでなるチャッキング機構6によってディスクトレイ1から浮き上がった位置で保持されたディスクDは、モータ3によってチャッキング機構6と共に回転駆動され、その回転中に図示していない光ピックアップの作用で記録面が走査されて情報の記録又は再生が行なわれる。また、モータ3が停止してから可動フレーム33が動作してターンテーブル4が復動すると、そのターンテーブル4とクランパー5との共働によるディスクDの挟持状態が解除された後、ターンテーブル4が開口17を通過することによりディスクDがディスクトレイ1に受け渡された後、ターンテーブル4が元位置に復帰する。
【0024】
上記ディスクトレイ1では、径大なディスク載置部12の外周部複数箇所に、等間隔を隔てて通風路7が備わっている。図5に一部拡大して示したように、これらの各通風路7は、径大なディスク載置部12の外周部でディスクトレイ1を厚さ方向に貫通する風誘導路71と、この風誘導路71の始部によって形成されてディスク載置部12の表面外周部でディスクDとディスクトレイ1との間に形成される隙間Sに臨む風入口72と、風誘導路71の終部によって形成されてディスク載置部12の裏面外周部でそのディスク載置部12の半径方向内方に向けて開口する風出口73とを備えている。
【0025】
以上のように、上記構成の通風路7がディスクトレイ1のディスク載置部12の外周部に備わっていると、図5に示したように、モータ3によってチャッキング機構6と共に回転駆動されるディスクDの回転に伴ってそのディスクDとディスク載置部12との間の隙間Sで誘起された回転風が、矢印aのように、遠心作用などによって通風路7の風入口72から風誘導路71に導入された後、その風出口73からディスク載置部12の裏面に沿ってその裏面を這う方向に吹き出す。このため、回転風がディスク載置部12の裏面を這ってモータ3の設置箇所に配向され、それによって回転風がモータ3と接触してモータ3を冷却することによりその温度上昇を抑制する。また、この実施形態では、通風路7がディスク載置部12の外周部複数箇所に備わっていることにより、回転風がモータ3の周囲全体に接触してモータ3の温度上昇が効率よく抑制される。
【0026】
特に、この実施形態では、上記構成に次の構成をさらに追加してある。すなわち、ディスクトレイ1の径大なディスク載置部12の裏面の周方向複数箇所に、始部がそれぞれの通風路7の風出口73に臨み、終部が開口17の口縁に位置し、その中心線Lがディスク載置部12の半径方向にまっすぐに延びる溝形風路8が備わっていて、それらの溝形風路8の形状を、その終部に近い箇所ほど溝幅が狭くなるように定めてある。このため、ディスク載置部12の表面側から裏面側へ誘導された回転風がディスク載置部12の裏面を這いながら溝形風路8を矢印bのように流れるときに、その回転風が整流されながら風速を増大させるようになる。このことにより、風速の速い回転風がモータ3に勢いよく接触してその温度上昇がいっそう効率よく抑制される。
【0027】
以上説明したように、この実施形態では、ディスクDの回転に伴ってそのディスクDとディスク載置部12との間の隙間Sで誘起された回転風を、通風路7によりディスク載置部12の裏面側に誘導した後、その裏面を這わせてモータ3の設置箇所に配向させているので、モータ3として安価なスピンドルモータを用いても、そのモータ3が回転風により効率よく冷却されて温度上昇が抑えられる。そのため、モータ3が過熱して耐久性が損なわれるという事態が起こりにくくなる。
【0028】
以上説明した実施形態では、径大なディスク載置部12に対応するディスクDを回転させた場合に誘起される回転風をモータ3の冷却に用いる事例を説明したけれども、この点は、径小なディスク載置部15に対応するディスク(不図示)を回転させた場合にも同様に、その回転風が通風路7を経由してモータ3の冷却に用いられる。
【0029】
また、上記実施形態では、通風路7を物部品を用いることなくディスクトレイ1に直接に形成した事例を説明したけれども、図4に示した通風路形成部材9をディスクトレイ1とは別に製作し、その通風路形成部材9を、ディスクトレイ1のディスク載置部12の周囲複数箇所に取り付けるようにすることも可能である。なお、図4において、図5で説明した要素に相応する要素に同一符号を付して詳細な説明を省略してある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るディスク装置に採用されるディスクトレイの表面を示した概略平面図である。
【図2】同ディスクトレイの裏面を示した概略底面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う部分の概略拡大断面図である。
【図4】通風路形成部材を示した概略斜視図である。
【図5】作用説明図である。
【図6】ディスク装置のフレームに取り付けられたディスクトレイを示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0031】
D ディスク
1 ディスクトレイ
3 モータ
4 ターンテーブル
5 クランパー
6 チャッキング機構
7 通風路
8 溝形風路
12 ディスク載置部
17 開口
31 回転軸
71 風誘導路
72 風入口
73 風出口
L 溝形風路の中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクトレイのディスク載置部に載置されてセット位置に搬入されたディスクが、そのセット位置で、回転駆動源としてのモータの回転軸に連結されたチャッキング機構により上記ディスクトレイから浮き上がった位置で保持され、かつ、上記モータによって上記チャッキング機構と共に回転駆動されるディスクの記録面が光学的に走査されるディスク装置において、
上記チャッキング機構が、上記モータの回転軸に直結された往復動可能なチャッキング要素としてのターンテーブルと、このターンテーブルの往動によりディスクトレイの上記ディスク載置部から当該ターンテーブルに受け渡されたディスクを当該ターンテーブルとの間で挟持するチャッキング要素としてのクランパーとを備え、上記ディスクトレイに、上記ディスク載置部の中央部に位置して上記ターンテーブルの往復動時の通過を許容する開口が開設され、
ディスクの回転に伴ってそのディスクと上記ディスクトレイのディスク載置部との間の隙間に誘起される回転風を、上記ディスク載置部の表面側から裏面側へ誘導した後、そのディスク載置部の裏面を這わせて上記モータの設置箇所に配向させる通風路が、ディスクトレイの上記ディスク載置部の外周部複数箇所に備わっていて、上記チャッキング機構によるディスクのチャッキング時に、上記通風路によってモータの設置箇所に配向された上記回転風が接触する位置に上記モータが位置するようになっており、
上記通風路は、ディスクトレイの上記ディスク載置部の外周部でディスクトレイを貫通する風誘導路と、この風誘導路の始部によって形成されて上記ディスク載置部の表面外周部で上記隙間に臨む風入口と、上記風誘導路の終部によって形成されて上記ディスク載置部の裏面外周部でそのディスク載置部の半径方向内方に向けて開口する風出口とを備え、ディスクトレイの上記ディスク載置部の裏面に、始部が上記風出口に臨み、終部が上記開口の口縁に位置し、その中心線が上記ディスク載置部の半径方向にまっすぐに延び、かつ、その終部に近い箇所ほど溝幅が狭くなる形状を有する溝形風路が備わっていることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
ディスクトレイのディスク載置部に載置されてセット位置に搬入されたディスクが、そのセット位置で、回転駆動源としてのモータの回転軸に連結されたチャッキング機構により上記ディスクトレイから浮き上がった位置で保持され、かつ、上記モータによって上記チャッキング機構と共に回転駆動されるディスクの記録面が光学的に走査されるディスク装置において、
ディスクの回転に伴ってそのディスクと上記ディスクトレイのディスク載置部との間の隙間に誘起される回転風を、上記ディスク載置部の表面側から裏面側へ誘導した後、そのディスク載置部の裏面を這わせて上記モータの設置箇所に配向させる通風路が、上記ディスクトレイに備わっていることを特徴とするディスク装置。
【請求項3】
上記チャッキング機構が、上記モータの回転軸に直結された往復動可能なチャッキング要素としてのターンテーブルと、このターンテーブルの往動によりディスクトレイの上記ディスク載置部から当該ターンテーブルに受け渡されたディスクを当該ターンテーブルとの間で挟持するチャッキング要素としてのクランパーとを備え、上記ディスクトレイに、上記ディスク載置部の中央部に位置して上記ターンテーブルの往復動時の通過を許容する開口が開設されている請求項2に記載したディスク装置。
【請求項4】
上記チャッキング機構によるディスクのチャッキング時に、上記通風路によってモータの設置箇所に配向された上記回転風が接触する位置に上記モータが位置するようになっている請求項3に記載したディスク装置。
【請求項5】
上記通風路は、ディスクトレイの上記ディスク載置部の外周部でディスクトレイを貫通する風誘導路と、この風誘導路の始部によって形成されて上記ディスク載置部の表面外周部で上記隙間に臨む風入口と、上記風誘導路の終部によって形成されて上記ディスク載置部の裏面外周部でそのディスク載置部の半径方向内方に向けて開口する風出口とを備えている請求項4に記載したディスク装置。
【請求項6】
ディスクトレイの上記ディスク載置部の裏面に、始部が上記風出口に臨み、終部が上記開口の口縁に位置していると共に、上記ディスク載置部の裏面を這う上記回転風を整流しつつその風速を増大させる機能を発揮する形状を備えた溝形風路が形成されている請求項5に記載したディスク装置。
【請求項7】
上記溝形風路は、その中心線が上記ディスク載置部の半径方向にまっすぐに延び、かつ、その終部に近い箇所ほど溝幅が狭くなる形状を有している請求項6に記載したディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−40389(P2006−40389A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−218109(P2004−218109)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】